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接着せっちゃくざい

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
家庭用接着剤の例
家庭かていよう接着せっちゃくざいれい
プラモデル同梱用のプラモデル専用接着剤
プラモデルどうこりようのプラモデル専用せんよう接着せっちゃくざい
糊
のり

接着せっちゃくざい(せっちゃくざい、AdhesiveGlue)は、ものものをつなぐ(接着せっちゃく)ために使つかわれる物質ぶっしつ塗料とりょうラミネートシーリングざいなども、片面かためん接着せっちゃくするという機能きのうから接着せっちゃくざい一種いっしゅふくまれることがある。日本にっぽんはじめて製造せいぞうされた合成ごうせい接着せっちゃくざいセメダインである。

国際こくさい標準ひょうじゅん機構きこう(ISO)では接着せっちゃくを「接着せっちゃくざい媒介ばいかいとし、化学かがくてきもしくは物理ぶつりてきちからまたはその両者りょうしゃによってふたつのめん結合けつごうした状態じょうたい」と定義ていぎする[1]。なお、接着せっちゃくざい粘着ねんちゃくざい厳密げんみつには性質せいしつことなるものである[2]後述こうじゅつ)。日本にっぽんでは家庭かてい用品ようひん品質ひんしつ表示法ひょうじほう適用てきよう対象たいしょうとされており雑貨ざっか工業こうぎょうひん品質ひんしつ表示ひょうじ規程きていさだめがある[3]

概説がいせつ[編集へんしゅう]

一般いっぱん接着せっちゃくざい樹脂じゅしのみによるものとかんがえられるケースがおおい。しかしながら、もとざい接着せっちゃくざいねつ膨張ぼうちょうりつことなると耐久たいきゅうせいちるとう理由りゆうによって、高信頼こうしんらいせい接着せっちゃくざいではシリカひとし固形こけいぶつ混合こんごうすること工業こうぎょうようでは一般いっぱんてきである。理由りゆうとしては、ねつ伝導でんどうりつ向上こうじょう構造こうぞう強度きょうど向上こうじょう硬化こうか発熱はつねつ低減ていげん価格かかくメリットとうがある。

市販しはんひんにおいてはパテひとし名称めいしょう区別くべつする場合ばあいがある。

接着せっちゃくざい」の名称めいしょうは、大正たいしょうセメダイン社長しゃちょうであった今村いまむら善次郎ぜんじろう考案こうあんしたといわれている。それまで「接合せつごうざい」や「強力きょうりょくノリ」などの呼称こしょうばれていたものにたいして、今村いまむら当時とうじ取引とりひきをよくっていたのが文房具ぶんぼうぐみせのほかに薬局やっきょくであったため、薬局やっきょくりやすいように「ざい」でなく「ざい」の文字もじ使つかうようになったとされる。(1920年代ねんだいごろの薬局やっきょくにち用品ようひん調味ちょうみりょうなどの販売はんばいおこない、万屋よろずやてき側面そくめんつよかった。)

異種いしゅ物質ぶっしつがくっつく現象げんしょうである英語えいごのAdhesionは、接着せっちゃく付着ふちゃく密度みつど粘着ねんちゃく凝集ぎょうしゅうなどとやくされる[2]。ただし、厳密げんみつには付着ふちゃくりょく凝集ぎょうしゅうりょく付着ふちゃくりょく粘着ねんちゃくりょく区別くべつされ、接着せっちゃくざい粘着ねんちゃくざい区別くべつされる[2]接着せっちゃくざい粘着ねんちゃくざいおおきなちがいは、だいいち粘着ねんちゃくざい接合はぎあわしているあいだ粘着ねんちゃくざい自体じたい乾燥かんそうしていないこと[2]だい粘着ねんちゃくざいによる接合せつごうおも凝集ぎょうしゅうりょく同種どうしゅ分子ぶんしちから)によるものであることである[2]

付着ふちゃくりょく発生はっせい仕組しくみはよくわかっていないが、吸着きゅうちゃくせつ電気でんきせつ拡散かくさんせつ、さらにじゃく境界きょうかいそうせつなどがとなえられている[2]

接着せっちゃくざい歴史れきし[編集へんしゅう]

接着せっちゃくざい歴史れきし人間にんげん道具どうぐ使つかはじめたころはじまった。石器せっき時代じだいにはえだたけ固定こていするためにアスファルト使つかわれた[1]。また、うるし使つかって修理しゅうりされたやく6000ねんまえ土器どきつかっている。

石油せきゆ資源しげん豊富ほうふ中近東ちゅうきんとうではアスファルトが壁画へきが制作せいさく建築けんちく利用りようされた[1]古代こだいバビロニアでは彫像ちょうぞう固定こていするためにアスファルトが使つかわれた。旧約きゅうやく聖書せいしょにはバベルばべるとう煉瓦れんが接着せっちゃくや、ノアの方舟はこぶね防水ぼうすい処理しょりようにアスファルトが使つかわれたとかれている。

また、狩猟しゅりょうさかんなエジプト中国ちゅうごくヨーロッパなどでは獣類じゅうるいかわほねしたにかわ利用りようされた[1]古代こだいエジプトではにかわがかん家具かぐパピルスなどを接着せっちゃくするためにひろ使つかわれていた。12世紀せいきごろモンゴルつくられた高性能こうせいのうゆみは、動物どうぶつほねうすけずったいた複数ふくすうまいかさねてにかわで接着せっちゃくしたものである。

肉食にくしょく習慣しゅうかんすくなかった日本にっぽんなどでは、うるし(ウルシの樹液じゅえき)や、べいなどを原料げんりょうとするデンプンのりがおも利用りようされた[1]古代こだいから使つかわれていた漆喰しっくい石垣いしがき煉瓦れんが建築けんちくにおいてよくもちいられ、デンプンのりは寝殿造しんでんづくり使つかわれたふすま障子しょうじつくとき利用りようされてきた。

接着せっちゃくざい大量たいりょう生産せいさんは、18世紀せいきオランダ建設けんせつされたにかわ製造せいぞう工場こうじょうによってはじまった。それ以後いご天然てんねんゴム・デンプン・カゼインなどの天然てんねんけい接着せっちゃくざい各国かっこく製造せいぞうされはじめた。

20世紀せいきはいると合成ごうせいけい接着せっちゃくざい続々ぞくぞく登場とうじょうする。1915ねんに、はつ合成ごうせい樹脂じゅしのひとつフェノール樹脂じゅし積層せきそうばん製造せいぞう接着せっちゃくざいとして使用しようされたこと皮切かわきりに、化学かがく工業こうぎょう発展はってんともなって接着せっちゃくざい開発かいはつされた。1940ねん前後ぜんごにはエポキシ樹脂じゅしけい接着せっちゃくざい金属きんぞく接合せつごう使つかわれはじめた。以後いご様々さまざま種類しゅるい接着せっちゃくざいがいろいろな用途ようと使つかわれるようになった。

接着せっちゃく接合せつごう特徴とくちょう[編集へんしゅう]

接合せつごうほうのひとつにあげられる「接着せっちゃく」は、つぎのような特徴とくちょうっている。

長所ちょうしょ[編集へんしゅう]

  • 接着せっちゃくしようとするもの以下いかちゃくざい」)について、さまざまな種類しゅるい対応たいおうする。また、種類しゅるいことなるちゃくざい同士どうし接合せつごうすることもできる。
  • おおきさやあつみといった、ちゃくざいがどんなかたちをしているかに左右さゆうされない。
  • めんめん接合はぎあわさせるため、応力おうりょく分散ぶんさんさせることができる。
  • かるく、仕上しあがりの美観びかんい。
  • 接着せっちゃくざい大量たいりょう生産せいさんすることができ、また接合せつごう作業さぎょう自動じどうすることが簡単かんたんにできる。
  • 気密きみつせい水密すいみつせいがあり、また接着せっちゃくざい成分せいぶん処方しょほうえることで様々さまざま機能きのうくわえられる。

など。

短所たんしょ[編集へんしゅう]

  • 一般いっぱんてきに、たい熱性ねっせい耐寒たいかんせいはあまりたかくない。
  • 一般いっぱんてきに、可燃かねんせいのものがおおい。
  • ちゃくざい種類しゅるい対応たいおうした接着せっちゃくざいえらばなければならない。
  • 適切てきせつ接着せっちゃく条件じょうけんまもらないと、その性能せいのう充分じゅうぶん発揮はっきできない。
  • 一般いっぱんてきに、一度いちど接着せっちゃくしたちゃくざい同士どうし分離ぶんりすることがむずかしく、解体かいたい非常ひじょう困難こんなんになる。
  • ちゃくざいとはことなる物質ぶっしつ使つかうケースがおおいため、リサイクル阻害そがいしてしまう場合ばあいがある。
  • 溶剤ようざい使用しようした接着せっちゃくざい(プラスチックよう、ゴムけいなど)では使用しようちゅう換気かんき必要ひつようとし、悪用あくようすれば有機ゆうき溶剤ようざい中毒ちゅうどくおちいる。

など。

接着せっちゃく過程かてい[編集へんしゅう]

接着せっちゃくのメカニズムには5つ存在そんざいするが、接着せっちゃくざいにおいてはそのうちの3つがおもかかわっている(物理ぶつりてき接着せっちゃく化学かがくてき接着せっちゃく分散ぶんさん接着せっちゃく)。場合ばあいによっては拡散かくさん接着せっちゃく関与かんよする。

接着せっちゃくは、まず接着せっちゃくざいちゃくざい表面ひょうめん充分じゅうぶんらし、いで硬化こうかすることつ。

接着せっちゃく一部いちぶのぞいて、原子げんしまたは分子ぶんし相互そうご拡散かくさんする溶接ようせつとはことなり、接合せつごうする界面かいめん (bond line) が存在そんざいする。そのため、接着せっちゃくりょくちゃくざい表面ひょうめん状態じょうたいおおきく左右さゆうされてしまい、事前じぜん表面ひょうめん処理しょりほどこすことがのぞまれる。具体ぐたいてきには、洗浄せんじょう研磨けんま異物いぶつのぞく、金属きんぞくではぼうさびざい油分ゆぶん酸化さんかぶつ除去じょきょする、プラスチックゴム成形せいけいひんでは残留ざんりゅうはなれがたざい除去じょきょするなどがある。また、一部いちぶちゃくざいにあらかじめプライマー塗布とふし、接着せっちゃくりょく向上こうじょうはかるケースも表面ひょうめん処理しょりのひとつにあげられる。

ちゃくざいらすために、接着せっちゃくざい初期しょき液体えきたいじょうまたはそれにちか流体りゅうたいじょうになる必要ひつようがある。固体こたいでもねつ圧力あつりょくなど外部がいぶ作用さようにより流動りゅうどうする状態じょうたい変化へんかできていればよい。この流動りゅうどうせいった接着せっちゃくざいが、基本きほんてきにはちゃくざい接合せつごうしようとするめん全体ぜんたい塗布とふされていなければならない。接着せっちゃくざい塗布とふには、器具きぐ(はけ、ヘラ、ローラー、コーキングガンなど)を利用りようした手作業てさぎょうによる簡易かんい塗布とふ手法しゅほうと、大量たいりょう生産せいさん対応たいおうするために専用せんよう設備せつび(エア・スプレー、ノズルスプレー、コーター、ビード、ディスペンサー、ポッティングマシンなど)を使用しようした塗布とふ方法ほうほうなどがある。

つぎ硬化こうかし、接合せつごう必要ひつよう強度きょうどつことで接着せっちゃくする。その過程かていは、重合じゅうごう硬化こうかざいなどとの化学かがく反応はんのう溶媒ようばい蒸発じょうはつ固体こたいならば外部がいぶ作用さようからの解放かいほう反作用はんさようにておこなわれる。このときちゃくざい接合せつごうしようとするめん接着せっちゃくざい適切てきせつかつ充分じゅうぶん接触せっしょくしていなければならず、オープンタイムをぎているなど接触せっしょくさせるタイミングをいっすると本来ほんらい接着せっちゃくりょく発揮はっきされない。また、ホットメルトかんあつがた、Bステージ樹脂じゅしなどをのぞき、接着せっちゃくざい充分じゅうぶん硬化こうかするまでせいおけ養生ようじょうさせる必要ひつようがある。

接着せっちゃくざい性状せいじょうによる分類ぶんるい[編集へんしゅう]

接着せっちゃくざい液体えきたいじょう塗布とふタイプと固体こたいじょうかんあつ感熱かんねつタイプの接着せっちゃくざいけられる[4]

液体えきたいじょう接着せっちゃくざい[編集へんしゅう]

液体えきたいじょう接着せっちゃくざい塗布とふタイプとばれており、塗布とふ圧着あっちゃく硬化こうか過程かてい接着せっちゃくりょくられるタイプのものである[4]

ラテックスかたちエマルションかたちLatex & Emulsion
初期しょき状態じょうたい高分子こうぶんし固形こけいぶん水中すいちゅう重合じゅうごうさせたかか濁水だくすい溶液ようえきコロイド状態じょうたい天然てんねんまたは合成ごうせいゴムが主体しゅたい場合ばあいにはラテックスけい接着せっちゃくざい本来ほんらいみず溶解ようかいしない高分子こうぶんし保護ほごコロイドでエマルジョンされてみずけることができる状態じょうたいとなっているものはエマルジョンけい接着せっちゃくざい分類ぶんるいされる。これらは特性とくせい付与ふよするためにことなる高分子こうぶんし成分せいぶん混合こんごうする場合ばあいもあり、物性ぶっせい設計せっけいするじょうでの自由じゆうたかい。貯蔵ちょぞうせいすぐれるが凍結とうけつさせると分解ぶんかい本来ほんらい機能きのう発揮はっきしなくなってしまう。常温じょうおん接着せっちゃくするが低温ていおん環境かんきょうでは充分じゅうぶん固化こかせずしろした状態じょうたいとなるため、最低さいていづくりまく温度おんど(Minimum Film Forming Temperature)じょうでの作業さぎょうもとめられる。
接着せっちゃく過程かてい乾燥かんそう固化こかがた接着せっちゃくざい水分すいぶん蒸発じょうはつすることで硬化こうかして接着せっちゃくする[4]
接着せっちゃく体積たいせき変化へんか反応はんのうがたなどにくらべておおきい[4]
アクリル樹脂じゅしけいエマルションがたやゴムけいラテックスがたがある[4]
溶剤ようざいがた
初期しょき状態じょうたい合成ごうせい樹脂じゅしゴムなどの高分子こうぶんし固形こけいぶん有機ゆうき溶剤ようざいなどの溶媒ようばいんだ液体えきたいじょう
酢酸さくさんビニル樹脂じゅしけい溶剤ようざいがた、ビニルども重合じゅうごう樹脂じゅしけい溶剤ようざいがた、ゴムけい溶剤ようざいがたがある[4]
接着せっちゃく体積たいせき変化へんか反応はんのうがたなどにくらべておおきい[4]
接着せっちゃく過程かてい乾燥かんそう固化こかがた接着せっちゃくざい溶剤ようざい揮発きはつすることで硬化こうかして接着せっちゃくする[4]
反応はんのうけいReactive adhesivesモノマーオリゴマーなど)
初期しょき状態じょうたい化学かがく反応はんのうこすまえ成分せいぶん主体しゅたいとする液体えきたいまたは固体こたいひかりねつなどのエネルギーをあたえることねつ硬化こうか開始かいしする。エネルギーのあたかた明示めいじてきである場合ばあいとそうでない場合ばあい常温じょうおん反応はんのう)があり、前者ぜんしゃはオーブンや硬化こうかとうもちい、後者こうしゃ常温じょうおんにて自然しぜん硬化こうかする。なお、後者こうしゃもちいた場合ばあいにおいても過剰かじょうなエネルギーをあたえることによって、硬化こうか反応はんのう促進そくしんさせる、硬化こうか物性ぶっせい変化へんかさせる、といったこと一般いっぱんてき可能かのうである。
化学かがく反応はんのうは、高温こうおんだかあつとう条件じょうけんにおいては、官能かんのうもとひとつの化学かがくしゅ事足ことたりる(単独たんどく重合じゅうごうさせる場合ばあい)が、一般いっぱん接着せっちゃくざいもちいる局面きょくめんではそのような環境かんきょう使用しよう困難こんなんであるため、しゅ以上いじょう化学かがくしゅ併用へいようすることおおい。そのため製品せいひんとしては、使用しよう直前ちょくぜん混合こんごうするもの(2えきタイプ)と、工場こうじょう出荷しゅっかすで混合こんごうされているもの(1えきタイプ)が存在そんざいする。前者ぜんしゃは2えきかれているため保存ほぞん安定あんていせいいが、後者こうしゃ保存ほぞん安定あんていせい反応はんのうせい硬化こうかせい)を両立りょうりつさせるために、様々さまざま工夫くふうもちいられる。れいとしては、冷凍れいとう保存ほぞん硬化こうかざい触媒しょくばいマイクロカプセル硬化こうか温度おんど高温こうおんなどがげられる。このため一般いっぱん高価こうかであり、ごく一部いちぶ市販しはんひんのぞきほとんどは工業こうぎょうようとく電子でんし部品ぶひん用途ようともちいられている。
シアノアクリレートけい瞬間しゅんかん接着せっちゃくざいみず触媒しょくばいとする特殊とくしゅなものであり、1えきではあるが上記じょうきてはまらない。
反応はんのうけい接着せっちゃくざい硬化こうか前後ぜんごにおいて、密度みつど変化へんか若干じゃっかん揮発きはつ以外いがいには体積たいせきげんじる可能かのうせいひくいという特徴とくちょうっている。

固体こたいじょう接着せっちゃくざい[編集へんしゅう]

固体こたいじょう接着せっちゃくざいかんあつ感熱かんねつタイプとばれる[4]

テープ(Pressure sensitive adhesives
初期しょき状態じょうたい接着せっちゃくざいぬのかみ金属きんぞくはくセロファンなどのテープじょう基礎きそ塗布とふまたは浸漬しんせきしたもの。

接着せっちゃくざい成分せいぶん種類しゅるい[編集へんしゅう]

無機むきけい接着せっちゃくざい[編集へんしゅう]

シリカけい接着せっちゃくざい
セラミック
セメント
はんだ
みずガラス珪酸けいさんナトリウム、珪酸けいさんソーダ)

有機ゆうきけい接着せっちゃくざい[編集へんしゅう]

天然てんねんけい接着せっちゃくざい[編集へんしゅう]

アスファルト[編集へんしゅう]
アルブミン[編集へんしゅう]
アルブミン成分せいぶんとする。みずたいして溶解ようかい性質せいしつ利用りようし、工芸こうげい分野ぶんやにて使用しようされる。
うるし[編集へんしゅう]
カゼイン接着せっちゃくざい[編集へんしゅう]
カゼインけい接着せっちゃくざい(Casein adhesives)は、牛乳ぎゅうにゅう由来ゆらい蛋白質たんぱくしつ一種いっしゅであるカゼイン成分せいぶんとする接着せっちゃくざい溶液ようえきけいアルカリ溶液ようえきけい)。
牛乳ぎゅうにゅうさんにより凝固ぎょうこ沈殿ちんでんさせてられるリン蛋白たんぱくのカゼインさんは、適度てきど粘性ねんせいち、ガラス瓶がらすびんラベル画材がざいなどに利用りようされている。かつては木材もくざい加工かこうようなどにひろ使用しようされていたが、それらの分野ぶんやはほぼ合成ごうせいけい接着せっちゃくざいわった。
天然てんねんゴムけい接着せっちゃくざい[編集へんしゅう]
天然てんねんゴムけい接着せっちゃくざいNatural rubber adhesives、NRけい接着せっちゃくざい、ゴムのり)は、ラテックス[(-CH2-C(CH3)=CH-CH2-)n]を主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい溶液ようえきけい・テープ。
パラゴムノキ(ヘベア)から採取さいしゅされる天然てんねんラテックスにイソブレンをくわえて凝固ぎょうこさせられるなまゴムを溶剤ようざい溶融ようゆうさせた液体えきたいじょう物性ぶっせい安定あんてい機能きのう付加ふかするため、各種かくしゅ安定あんていざい硫剤などをくわえている。
天然てんねんゴムラテックス接着せっちゃくざい[編集へんしゅう]
天然てんねんゴムラテックス接着せっちゃくざい(Natural rubber latex adhesives)は、天然てんねんラテックスを主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざいみず分散ぶんさんけい
天然てんねんラテックスを60%程度ていどまで濃縮のうしゅくし、防腐ぼうふざいとしてアンモニアを、ねばたび調整ちょうせいのためにカゼインを添加てんかした液体えきたいじょうかみ接着せっちゃくなどに使つかわれる。
デンプンけい接着せっちゃくざい[編集へんしゅう]
デンプンけい接着せっちゃくざい
デンプンけい接着せっちゃくざい(Starch adhesives)は、植物しょくぶつ由来ゆらいデンプン主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい溶液ようえきけい水系すいけい)。
デンプンをのりさせ、塗布とふ水分すいぶん蒸発じょうはつする過程かてい硬化こうか接着せっちゃくする。歴史れきしふるく、麦粉むぎこつくった正麩しょうふ(しょうふ)やべい由来ゆらい続飯そくい(そくい)などは奈良なら時代じだいから使用しようされていた記録きろくがある。現在げんざいではトウモロコシ原料げんりょうとするコーンスターチ主流しゅりゅう安価あんかかつ使つかいやすいてんから、文房具ぶんぼうぐなどかみ接着せっちゃく分野ぶんや使つかわれる。また、安全あんぜんせいたかさから食品しょくひん容器ようきくちのりなどにも利用りようされる。酢酸さくさんビニール樹脂じゅしけいなどの合成ごうせいのり出現しゅつげんってわられた傾向けいこうられたが、近年きんねんはエコロジー志向しこう観点かんてんから見直みなおされ使用しようえている傾向けいこうられる。
天然てんねん状態じょうたいのデンプンは塗布とふ機械きかいへの適性てきせいわるい。大量たいりょう消費しょうひようにはこなたいデンプンをねつ分解ぶんかいねばたび安定あんていさせたあぶしょうデキストリン、酸化さんかさせたデンプン、アセチル・メチル・カルボキシメチルなど変性へんせいさせたものなどが使用しようされる。
にかわ[編集へんしゅう]
にかわ接着せっちゃくざい住宅じゅうたく建築けんちくよう
にかわにかわAnimal glue)は、動物どうぶつ由来ゆらいゼラチン主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい溶液ようえきけい水系すいけい)。原料げんりょうとするものはHoof glueさかな原料げんりょうとするものはさかなにかわ(ぎょこう、Fish glue)と[5]
動物どうぶつ主要しゅよう蛋白質たんぱくしつコラーゲン)を部分ぶぶんてき加水かすい分解ぶんかいしてられる水溶すいようせいペプチド成分せいぶんとし、やく60℃に加熱かねつした水溶すいよう状態じょうたいから冷却れいきゃくする過程かてい硬化こうか接着せっちゃくする。初期しょき接着せっちゃくせいすぐれるてんから、製本せいほん壁紙かべがみなどかみ接着せっちゃく分野ぶんや木工もっこう分野ぶんやもちいられる。あつしするだけで綺麗きれい剥離はくり除去じょきょできるために、修理しゅうり調節ちょうせつ必要ひつよう弦楽器げんがっきにも使用しようされる。
通常つうじょうこなたい販売はんばいされる粉末ふんまつにかわは、使用しようまえ手順てじゅん煩雑はんざつてん柔軟じゅうなんせいおとるなどの短所たんしょがある。これらの欠点けってん改善かいぜんするため各種かくしゅあらためしつざい添加てんかし、あらかじめゲル状態じょうたい加工かこうしたコンパウンドグルーも販売はんばいされている。
フィブリン接着せっちゃくざい[編集へんしゅう]
フィブリン接着せっちゃくざい(Fibrin adhesives)は、血液けつえきふくまれる蛋白質たんぱくしつ一種いっしゅであるフィブリン利用りようした接着せっちゃくざい反応はんのうけい
血液けつえき凝固ぎょうこメカニズムを利用りようした生体せいたいよう接着せっちゃくざい一種いっしゅ。フィブリノーゲンを酵素こうそ反応はんのうさせて分解ぶんかいしたフィブリンがさい凝固ぎょうこ作用さよう利用りようして接着せっちゃくする。安全あんぜんせいたかいが接着せっちゃくりょくとぼしく、血液けつえきから製造せいぞうされるために感染かんせんしょう問題もんだい懸念けねんされるなど克服こくふくすべきてんおおい。
まつやに[編集へんしゅう]

生物せいぶつ[編集へんしゅう]

細菌さいきんCaulobacter crescentus英語えいごばん合成ごうせい接着せっちゃくざいの2ばい以上いじょうという強力きょうりょく接着せっちゃくりょくっている[6]

合成ごうせいけい接着せっちゃくざい[編集へんしゅう]

アクリル樹脂じゅしけい接着せっちゃくざい
アクリル樹脂じゅしけい接着せっちゃくざい(Acrylic resin adhesives)は、アクリルさんおよび誘導体ゆうどうたい主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい総称そうしょう反応はんのうけい
アクリルモノマー・エラストマー触媒しょくばいなどを主成分しゅせいぶんとする液体えきたいじょう硬化こうか接着せっちゃく過程かてい化学かがく反応はんのうともなわないものはだいいち世代せだい(FGA)、重合じゅうごう反応はんのうおこなうものはだい世代せだい(SGA)、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレートを紫外線しがいせんなどのエネルギー照射しょうしゃによってラジカル重合じゅうごうこさせ硬化こうかするものはだいさん世代せだい(TGA)とばれている。
現在げんざい主成分しゅせいぶんえき硬化こうか促進そくしんざいとをべつこりしたSGAえきがた主流しゅりゅうとなっている。これは、混和こんわするとレドックス重合じゅうごう(ラジカル重合じゅうごう一種いっしゅ)をこし硬化こうか接着せっちゃくする。ちゃくざい一方いっぽうしゅえきを、もう一方いっぽう硬化こうかざい塗布とふし、圧着あっちゃくして接着せっちゃくさせる。たい薬品やくひんせい物理ぶつり性質せいしつすぐれ、常温じょうおん接着せっちゃくし、ちゃくざい表面ひょうめん多少たしょう油膜ゆまくいていても接着せっちゃく可能かのう電気でんき電子でんし機器きき車両しゃりょう建築けんちく金属きんぞくなどおおくの分野ぶんや使つかわれる。また、耐久たいきゅうせいすぐれるため構造こうぞうよう接着せっちゃくざいのひとつにもげられる。
アクリル樹脂じゅし嫌気いやけせい接着せっちゃくざい
アクリル樹脂じゅし嫌気いやけせい接着せっちゃくざいAcrylic resin anaerobic adhesives嫌気いやけせい接着せっちゃくざい嫌気いやけせい固着こちゃくざい嫌気いやけせいふうざい)は、ジアクリレートと酸化さんかぶつ主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい反応はんのうけい
主成分しゅせいぶんのアクリレートモノマーに、アミンるい酸化さんかぶつサッカリンなどをくわえた液体えきたいじょう空気くうきれているときには液状えきじょうだが、遮断しゃだんしかつ金属きんぞくイオンせっすると触媒しょくばい反応はんのうこし硬化こうか接着せっちゃくする。金属きんぞく接着せっちゃくすぐれた特性とくせいつため、ねじあなふうどめ充填じゅうてんなどおもはまごう分野ぶんやはじめとして、自動車じどうしゃなど機械きかい関係かんけい電気でんき電子でんし分野ぶんやなどでひろ使つかわれる。
アクリル樹脂じゅしエマルジョン接着せっちゃくざい
アクリル樹脂じゅしエマルジョン(Acrylic emulsion adhesives)は、アクリル樹脂じゅしエマルジョンを主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざいみず分散ぶんさんけい
アクリルモノマーを乳化にゅうか重合じゅうごうさせエマルジョンした乳白色にゅうはくしょく水溶液すいようえき接着せっちゃく柔軟じゅうなんせいみ、たいこうせいたい水性すいせいたいアルカリ性あるかりせいにもすぐれるため、繊維せんい加工かこう包装ほうそうなどの分野ぶんや使用しようされる。酢酸さくさんビニル樹脂じゅしきょう重合じゅうごうさせたあらためしつタイプは塩化えんかビニル樹脂じゅしなどプラスチックるい接着せっちゃくすぐれる。スチレンモノマーときょう重合じゅうごうさせて塗料とりょうもちいられることもおおい。
αあるふぁ-オレフィンけい接着せっちゃくざい
αあるふぁ-オレフィンけい接着せっちゃくざいαあるふぁ-Olefin resin adhesivesαあるふぁ-オレフィン無水むすいマレインさん接着せっちゃくざい、クラタック)は、αあるふぁ-オレフィン一種いっしゅであるイソブチレンと無水むすいマレインさんとのきょう重合じゅうごう樹脂じゅし主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい溶液ようえきけい水系すいけい
きょう重合じゅうごう樹脂じゅし水溶液すいようえき水酸化すいさんかカルシウム・ラテックス・金属きんぞく酸化さんかぶつなどの充填じゅうてんざいとう添加てんかした液体えきたいに、硬化こうかざい添加てんかして硬化こうか接着せっちゃくさせる。溶媒ようばい蒸発じょうはつとともに水酸化すいさんかカルシウムによる架橋かきょうしょうじ、接着せっちゃくりょく向上こうじょうする。たい熱性ねっせいたいクリープせいすぐれ、ホルムアルデヒドを使用しようしない木材もくざいよう接着せっちゃくざいとして開発かいはつされた経緯けいいから、合板ごうはん木工もっこう製品せいひん建築けんちくよう使つかわれる。常温じょうおん硬化こうかタイプは、pH12以上いじょうつよアルカリ性あるかりせいのため木材もくざい腐食ふしょくさせる可能かのうせいがある。ぎゃくに、中性ちゅうせいタイプは、硬化こうかさせるには加熱かねつ必要ひつようである。また、αあるふぁ-オレフィン無水むすいマレインさん樹脂じゅしはエマルションやラテックスの保護ほごにも利用りようできる。
ウレタン樹脂じゅしけい接着せっちゃくざい
ウレタン樹脂じゅしけい接着せっちゃくざい(Polyuretheane resin adhesives)は、ウレタンもと -NHCOO-を接着せっちゃくざい総称そうしょう広義こうぎにはイソシアネートもと(NCOもと)やヒドロキシもと(OHもと)から誘導ゆうどうされ化合かごうする接着せっちゃくざいふくむ。反応はんのうけい
原料げんりょうおおくの種類しゅるいから選択せんたく可能かのうで、さら添加てんかぶつくわえることで多様たよう物性ぶっせい付与ふよできる。
えきがたは、末端まったん水酸基すいさんきつポリオールとポリイソシアネート、または末端まったんにイソシアネートもとつウレタンプレポリマーとポリオールをわせ、混合こんごうすることで化学かがく反応はんのうこし硬化こうか接着せっちゃくさせる。常温じょうおん接着せっちゃくするが、加熱かねつにより接着せっちゃく強度きょうどたかめることもできる。たいこうせい耐油たいゆせい耐寒たいかんせいすぐれ、金属きんぞくセラミック・プラスチックなどの構造こうぞう材料ざいりょうようとして、また食品しょくひん包装ほうそうようのラミネートフィルムの接着せっちゃくもちいられる。
いちえきがたは、ウレタンプレポリマーと触媒しょくばい混合こんごうえき加湿かしつまたは加熱かねつにより硬化こうか接着せっちゃくする。工業こうぎょうよう建築けんちくよう利用りようされ、とくゆかよう分野ぶんやではえきがたのエポキシ樹脂じゅしけい接着せっちゃくざいわって採用さいようひろがっている。えき表面ひょうめん硬化こうかしてしまうなどのトラブルをこさないように、密閉みっぺいして保存ほぞんする必要ひつようがある。
ウレタン樹脂じゅし溶剤ようざいけい接着せっちゃくざい
ウレタン樹脂じゅし溶剤ようざいけい接着せっちゃくざい(Polyurethane solvent type adhesives)は、ポリウレタン樹脂じゅしまたはウレタンプレポリマーを溶剤ようざい溶融ようゆうさせた接着せっちゃくざい溶液ようえきけい
ポリウレタン樹脂じゅしメチルエチルケトン(MEK)・ジオキサン酢酸さくさんブチルなどの溶剤ようざい溶解ようかいさせた液状えきじょう接着せっちゃくざいは、おも軟質なんしつ塩化えんかビニル樹脂じゅし接着せっちゃく利用りようされる。プレポリマー溶液ようえきタイプもほぼおな性質せいしつつ。
ウレタン樹脂じゅしエマルジョン接着せっちゃくざい
ウレタン樹脂じゅしエマルジョン接着せっちゃくざい(Urethane emulsion adhesives)は、ウレタン樹脂じゅしエマルジョンを主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざいみず分散ぶんさんけい
ウレタン樹脂じゅし機械きかい乳化にゅうかほうまたはビニルと結合けつごうさせてエマルジョンした水溶液すいようえき。プラスチック接着せっちゃくすぐれ、木工もっこう建材けんざい分野ぶんややラミネートようなどにも利用りようされている。しかしながら高価こうかなため汎用はんようにはいたっていない。だっVOC目的もくてきとした分野ぶんやへの展開てんかいは、先行せんこうする塗料とりょう分野ぶんやからの応用おうようたれる。
エーテルけいセルロース
エーテルけいセルロース(Ethercellulose)は、エーテルけい誘導体ゆうどうたいセルロース主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい。セルロースけい接着せっちゃくざい一種いっしゅ分類ぶんるいされる。メチルセルロース(Methylcellulose, MC)およびカルボキシメチルセルロース(Sodium Carboxymethylcellulose, CMC)が接着せっちゃくざいとして使用しようされる。溶液ようえきけい水系すいけい)。
メチルセルロースの水溶液すいようえき初期しょき状態じょうたい粘性ねんせいち、硬化こうか弾力だんりょくせいのある皮膜ひまく形成けいせいする。壁紙かべがみ接着せっちゃく皮革ひかくよう使つかわれる。
食品しょくひんようぞうねばざい一種いっしゅであるカルボキシメチルセルロースナトリウムの水溶液すいようえき粘性ねんせいぞうまくせいち、繊維せんいかみ接着せっちゃく分野ぶんや使つかわれる。
エチレン-酢酸さくさんビニル樹脂じゅしエマルジョン接着せっちゃくざい
エチレン-酢酸さくさんビニル樹脂じゅしエマルジョン接着せっちゃくざい(Ethylene-Vinylacetate copolymer emulsion adhesives、EVA樹脂じゅしエマルション接着せっちゃくざい)は、エチレンビニルアルコール(EVA) と酢酸さくさんビニルをきょう重合じゅうごうさせた樹脂じゅしのエマルジョンを主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざいみず分散ぶんさんけい
酢酸さくさんビニルモノマーに10 - 30%のエチレンモノマーを混和こんわだかあつ乳化にゅうか重合じゅうごうさせ、エマルジョンした白濁はくだく水溶液すいようえき酢酸さくさんビニル樹脂じゅし単体たんたいのエマルションよりもたい水性すいせいたいこうせいたいアルカリ性あるかりせいすぐれ、また接着せっちゃく速度そくどはやいため、製本せいほんせいぶくろなどの分野ぶんやや、モルタル混和こんわざい、プラスチックシートとう使用しようしたラミネートなど合成ごうせい樹脂じゅし接着せっちゃくする用途ようとにも使つかわれる。接着せっちゃくりょく作業さぎょうせい向上こうじょうさせるために有機ゆうき溶剤ようざい添加てんかしたものがおおかったが、昨今さっこん環境かんきょう問題もんだい対応たいおうするために溶剤ようざいタイプも開発かいはつされている。
エチレン-酢酸さくさんビニル樹脂じゅしホットメルト接着せっちゃくざい
エチレン-酢酸さくさんビニル樹脂じゅしホットメルト接着せっちゃくざいEthylene-Vinylacetate copolymer Hot melt adhesives、EVA樹脂じゅしホットメルト接着せっちゃくざい)は、エチレンビニルアルコール(EVA) と酢酸さくさんビニルをきょう重合じゅうごうさせた樹脂じゅし主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい固形こけい
比較的ひかくてき安価あんかかつねつ安定あんていせいすぐれるベース樹脂じゅし粘着ねんちゃく付与ふよざいワックスをコンパウンドし、包装ほうそう製本せいほん木工もっこう分野ぶんやなどにひろ使つかわれる。EVAと酢酸さくさんビニルの配合はいごうえることでスペックの変更へんこう容易よういなのが特徴とくちょう
エポキシ樹脂じゅしけい接着せっちゃくざい
エポキシ樹脂じゅしけい接着せっちゃくざい(Epoxy resin adhesives)は、エポキシ樹脂じゅし主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい反応はんのうけい
硬化こうか方式ほうしきべつに1えきがたと2えきがたがあり、工業こうぎょうてきには1えきがた家庭かていようには2えきがた主流しゅりゅう。2えきがたではビスフェノールAとエピクロルヒドリンをちぢみあい反応はんのうさせたエポキシ樹脂じゅしプレポリマーに、アミンとう硬化こうかざいくわえると、グラフト重合じゅうごうこりさん次元じげん高分子こうぶんしとして経時きょうじてきねつ硬化こうかてき硬化こうか接着せっちゃくする。プレキュアでの初期しょき接着せっちゃくせいたかく、さん次元じげんてき重合じゅうごうした高分子こうぶんし特性とくせいとしてたい水性すいせいたい湿性しっせいたい薬品やくひんせい電気でんき絶縁ぜつえんせいなどにすぐれ、ちゃくざい種類しゅるいえらばず強度きょうどたい熱性ねっせいにもすぐれた性質せいしつつ。さらには、エポキシ樹脂じゅしのタイプや硬化こうかざい種類しゅるいえらぶことにより接着せっちゃく性能せいのう多様たよう設計せっけいできる。宇宙うちゅう航空機こうくうきはじめとし、土木どぼく建築けんちく電気でんき電子でんし部品ぶひん半導体はんどうたい自動車じどうしゃなどたか信頼しんらいせいもとめられる分野ぶんやもちいられる。
接着せっちゃく方式ほうしき硬化こうかざい選択せんたく左右さゆうされ、常温じょうおん硬化こうかとするにはポリアミドや芳香ほうこうぞくスルホンさんなどを硬化こうかざいとしたえきとしなければならないが、汎用はんようせいひろさから家庭かていよう万能ばんのう接着せっちゃくざいとしてもちいられる。なお、えきがた硬化こうか特性とくせい観点かんてんからはねつ硬化こうかがた分類ぶんるいされる。さん水物みずもの芳香ほうこうぞくアミンなどを使用しようするとねつ硬化こうかがたとなりいち液化えきか可能かのうとなる。
たい剥離はくりせい(たいはくりせい)やたい衝撃しょうげきせい向上こうじょうさせるために、ナイロンイソシアネートなどのポリマーとブレンドさせたものは構造こうぞうよう接着せっちゃくざいとしてひろ使用しようされる。
エポキシけい導電性どうでんせい接着せっちゃくざいいちえきがたエポキシ樹脂じゅし接着せっちゃくざい貴金属ききんぞく粉末ふんまつくわえて製造せいぞうされる。使用しようする金属きんぞくぎんこなおおい。はんだ代替だいたい金属きんぞく接着せっちゃく用途ようとにて使つかわれるほか最近さいきん技術ぎじゅつとして半導体はんどうたい集積しゅうせき回路かいろのアセンブルにおいてNCPなどがある。
エポキシ樹脂じゅしエマルジョン接着せっちゃくざい
エポキシ樹脂じゅしエマルジョン接着せっちゃくざい(Epoxy emulsion adhesives)は、エポキシ樹脂じゅしエマルジョンを主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざいみず分散ぶんさんけい
エポキシ樹脂じゅし機械きかい乳化にゅうかほうでエマルジョンした水溶液すいようえきコンクリートようプライマーなどに利用りようされているが、価格かかく性能せいのうについて課題かだいのこしており、つづ開発かいはつもとめられている。
塩化えんかビニル樹脂じゅし溶剤ようざいけい接着せっちゃくざい
塩化えんかビニル樹脂じゅし溶剤ようざいけい接着せっちゃくざいPolyvinyl Chloride solvent type adhesives、PVC樹脂じゅし接着せっちゃくざい、PVCドープセメント)は、ポリ塩化えんかビニル樹脂じゅし主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい溶液ようえきけい
樹脂じゅし単体たんたいまたは酢酸さくさんビニルとのきょう重合じゅうごうたい溶液ようえき溶融ようゆうさせたゲルじょう液体えきたい溶液ようえきにニトリルゴムを配合はいごうしたタイプは塩化えんかビニル樹脂じゅし接着せっちゃくようとしてしおかん接合せつごうなどに使用しようされる。とく粒子りゅうしみちちいさい塩化えんかビニル樹脂じゅし可塑かそざいったものはしおビゾルとばれ、金属きんぞく接着せっちゃく用途ようと使つかわれる。
クロロプレンゴムけい接着せっちゃくざい
クロロプレンゴムけい接着せっちゃくざい
クロロプレンゴムけい接着せっちゃくざいPolychloroprene rubber adhesives、CRけい接着せっちゃくざいコンタクトがた接着せっちゃくざい)は、クロロプレンゴム[(-CH2-CCl=CH-CH2-)n]とフェノール樹脂じゅし主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい溶液ようえきけい
クロロプレンゴムが良好りょうこう接着せっちゃくせいかしつつ、作業さぎょうせい向上こうじょうさせるためアルキルフェノール樹脂じゅしなどを添加てんか溶剤ようざい溶融ようゆうさせた、つよ粘着ねんちゃくりょく液体えきたい常温じょうおんちゃくざい塗布とふしたのち若干じゃっかん乾燥かんそうさせかさわせることで即座そくざ接着せっちゃくできる(コンタクト接着せっちゃく)。使つかいやすさやたか性能せいのうから工業こうぎょうようひろもちいられ、また家庭かていようにもチューブ褐色かっしょく接着せっちゃくざいとして馴染なじふかい。たい熱性ねっせい耐久たいきゅうせいをさらに向上こうじょうさせるには、ポリイソシアネート化合かごうぶつ添加てんかして使用しようする。
機能きのうせい付与ふよしたものとしては、メチルメタクリレートとグラフト重合じゅうごうさせた軟質なんしつ塩化えんかビニル樹脂じゅし接着せっちゃくようがある。

酢酸さくさんビニル樹脂じゅしエマルジョン接着せっちゃくざい
酢酸さくさんビニル樹脂じゅしエマルジョン接着せっちゃくざい
酢酸さくさんビニル樹脂じゅしエマルジョン接着せっちゃくざいPolyvinyl acetate emulsion adhesivesビエマルジョン接着せっちゃくざい)は、酢酸さくさんビニル樹脂じゅしエマルジョンを主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざいみず分散ぶんさんけい
酢酸さくさんビニルモノマーを、ポバールなどを保護ほごコロイドとして乳化にゅうか重合じゅうごうさせエマルジョンした乳白色にゅうはくしょく水溶液すいようえきみず蒸発じょうはつにより樹脂じゅし粒子りゅうしとおるちゃくして透明とうめい皮膜ひまくじょう硬化こうか接着せっちゃくする。環境かんきょう問題もんだい対応たいおう目的もくてきに、可塑かそざいのフタルさんエステルを使用しようしないタイプが開発かいはつされている。安価あんかかつ塗布とふ容易よういであり、ポリマーの組成そせい変化へんかさせることでいろいろな用途ようと対応たいおうするが、たい熱性ねっせいたい水性すいせいたい溶剤ようざいせいおとるため、これらの改良かいりょう目的もくてき樹脂じゅし混合こんごうさせたものもある。かみ接着せっちゃく繊維せんい木工もっこう合板ごうはんようなどに使つかわれ、市販しはん木工もっこうボンドがなじみふかい。
シアノアクリレートけい接着せっちゃくざい
シアノアクリレートけい接着せっちゃくざいαあるふぁ-Cyanoacrylate adhesives)は、2-シアノアクリルさんエステルモノマーを主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい反応はんのうけい
もとざい空気くうきちゅう水分すいぶんによって急速きゅうそくかた皮膜ひまくじょう硬化こうか接着せっちゃくする。作業さぎょうせいすぐれたいちえき常温じょうおん硬化こうかがたでもあるため瞬間しゅんかん接着せっちゃくざいとして使用しようされる。末端まったんアルキルもと選択せんたくすることにより特性とくせい設計せっけいできる。ねばたびひくいため塗布とふ容易よういであり、また多様たようちゃくざい適応てきおうする応用おうようせいたかさから、ゴム・金属きんぞくやプラスチックるい医療いりょうようなどからはじまった使用しよう範囲はんいひろがりつづけ、最近さいきんでは樹木じゅもく接木つぎきなどにももちいられる一方いっぽう皮質ひしつ馴染なじやすしろする特徴とくちょうから指紋しもん判別はんべつよう材料ざいりょうとしても利用りようされている。剥離はくり強度きょうどにはすぐれるが、たい衝撃しょうげきせいたい熱性ねっせいおとり、オープンタイムはみじかい。近年きんねんこれらを改良かいりょうしたタイプも開発かいはつされている。
シリコーンけい接着せっちゃくざい
シリコーンけい接着せっちゃくざい(Silicone adhesives)は、オルガノポリシロキサンを主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざいちぢみあい硬化こうかがた付加ふか硬化こうかがたがある。反応はんのうけい
ちぢみあい硬化こうかがたは、末端まったん水酸基すいさんきつオルガノポリシロキサンと架橋かきょうざい混合こんごうした液状えきじょうまたはペーストじょう塗布とふ空気くうきちゅう水分すいぶん反応はんのうして表面ひょうめんから硬化こうかはじまり、最終さいしゅうてきにはゴム弾性だんせいゆうした硬化こうかそう形成けいせいする。ちぢみあい反応はんのう発生はっせいする遊離ゆうりガスの種類しゅるいによって分類ぶんるいされ、それぞれ使用しようじょうきょうおうじた種類しゅるいえら必要ひつようがある。かたおも用途ようとは、だつオキシムがた汎用はんよう)・だっ酢酸さくさんかた(ガラス接着せっちゃく)・だつアセトンがた電子でんし電気でんきよう)・アミドけいがた建築けんちく)など。
付加ふか硬化こうかがたは、末端まったんにビニルもとつオルガノポリシロキサンと、架橋かきょうざいとにけたえきがた触媒しょくばい使用しよう加熱かねつすることで硬化こうか接着せっちゃくする。ちぢみあい硬化こうかがたより硬化こうか速度そくどはやく、遊離ゆうりガスの発生はっせいい。
水性すいせい高分子こうぶんし-イソシアネートけい接着せっちゃくざい
水性すいせい高分子こうぶんし-イソシアネートけい接着せっちゃくざいWater based polymer-isocyanate adhesiveEmulsion Polymer-Isocyanate adhesives水性すいせいビニルウレタンけい木材もくざい接着せっちゃくざい(Aqueous Vinylpolymer Solution-Isocyanate adhesives for Wood, API)、水性すいせいビニルウレタン)は、各種かくしゅ親水しんすいせい高分子こうぶんし水溶液すいようえきまたはエマルション溶液ようえきと、架橋かきょうざいとしてのイソシアネート化合かごうぶつ主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざいみず分散ぶんさんけい性質せいしつった溶液ようえきけい水系すいけい)。
炭酸たんさんカルシウムなどの充填じゅうてんざい添加てんかした高分子こうぶんし水溶液すいようえきまたはエマルション溶液ようえきに、塩化えんかパラフィンなどに溶解ようかいさせた官能かんのうせいのイソシアネートまたはそのプレポリマーをくわえると経時きょうじてき硬化こうか接着せっちゃくする。開発かいはつ当初とうしょは「水性すいせいビニルウレタン」とばれた。硬化こうか過程かてい常温じょうおんすすむものは1しゅ加熱かねつ必要ひつようなものは2しゅ分類ぶんるいされる。たい水性すいせいすぐれ、ホルムアルデヒドをふくまない水系すいけい接着せっちゃくざいとして、木材もくざい接着せっちゃく用途ようとおもに、プラスチックや金属きんぞく・ゴムなどとのふくあい接着せっちゃくにも用途ようとひろげている。
スチレン-ブタジエンゴム溶液ようえきけい接着せっちゃくざい
スチレン-ブタジエンゴム溶液ようえきけい接着せっちゃくざいStyrene-butadiene rubber adhesives、SBRけい・SBSけいまたはSISけい接着せっちゃくざい)は、スチレンブタジエンとのきょう重合じゅうごうたい主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい重合じゅうごう反応はんのうちがいによる2種類しゅるいがある。溶液ようえきけい
ランダムども重合じゅうごうSBRは天然てんねんゴムさま性質せいしつち、溶剤ようざい溶液ようえき接着せっちゃくざいとして利用りようされるが接着せっちゃく強度きょうどつよくない。ブロックども重合じゅうごうSBRは硫ゴムさま性質せいしつつ。溶剤ようざい溶液ようえき付与ふよざい添加てんかしゴム・ガラス・金属きんぞく発泡はっぽうスチロールるい接着せっちゃく使つかわれる。溶質ようしつゴムとして、スチレン-ブタジエンブロックども重合じゅうごうたい(SBS)やスチレン-イソプレンブロックども重合じゅうごうたい(SIS)も使用しようされる。
スチレン-ブタジエンゴムけいラテックス接着せっちゃくざい
スチレン-ブタジエンゴムけいラテックス接着せっちゃくざいStyrene-butadiene rubber latex adhesives、SBRラテックスまたはSBラテックス)は、ラテックスじょうのスチレンとブタジエンとのきょう重合じゅうごうたい主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざいみず分散ぶんさんけい
乳白色にゅうはくしょく液体えきたい。スチレン比率ひりつ50%未満みまん(SBRラテックス)はカルボキシルSBRラテックス(c-SBR)やビニルピリジンとのきょう重合じゅうごうタイプを中心ちゅうしんに、カーペットなどゆかざい接着せっちゃくタイヤ繊維せんいコード接着せっちゃく分野ぶんやなどに使つかわれる。スチレン比率ひりつ50%以上いじょうのもの(SBラテックス)は比較的ひかくてき淡色たんしょくとなり、かみ塗装とそう分野ぶんやなどに使つかわれる。
ニトリルゴムけい接着せっちゃくざい
ニトリルゴムけい接着せっちゃくざいNitrile rubber adhesives、NBRけい接着せっちゃくざい)は、ニトリルゴムを主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい溶液ようえきけい
ニトリルゴムを溶剤ようざい溶融ようゆうさせた液体えきたい。フェノール樹脂じゅし配合はいごうしたタイプは耐油たいゆせいたい溶剤ようざいせいすぐれ、ブレーキライニングよう金属きんぞく木材もくざい皮革ひかくなどに使つかわれる。ポリ塩化えんかビニルを配合はいごうしたタイプはフィルム接着せっちゃくなどにもちいられる。
ニトロセルロース接着せっちゃくざい
ニトロセルロース接着せっちゃくざい
ニトロセルロース接着せっちゃくざい(Nitrocellulose adhesives)は、セルロースのエステルけい誘導体ゆうどうたいのひとつであるニトロセルロース硝化しょうか綿めん)を主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい。セルロースけい接着せっちゃくざい一種いっしゅ分類ぶんるいされる。溶液ようえきけい
ニトロセルロースを溶剤ようざい溶融ようゆうした液体えきたいじょう乾燥かんそう硬化こうかはやくかつ皮革ひかく木材もくざい瀬戸物せとものなどの接着せっちゃく適合てきごうするため、チューブじょう家庭かていよう接着せっちゃくざいとして1938ねんから販売はんばいされている。安価あんかだが変色へんしょくしやすく可燃かねんせいであるためあつかいに注意ちゅうい必要ひつようとなる。
反応はんのうせいホットメルト接着せっちゃくざい
反応はんのうせいホットメルト接着せっちゃくざい(R-HM接着せっちゃくざい、ジェットウエルド)は、ウレタン樹脂じゅし主成分しゅせいぶんとし、ホットメルトに反応はんのうけい特性とくせい付与ふよした接着せっちゃくざい初期しょき状態じょうたい使用しようほう固形こけいじゅんずる。
加熱かねつ状態じょうたい生成せいせいされたウレタンプレポリマーは、イソシアネートもと(NCOもと)をのこしつつ固形こけいする。これをホットメルト接着せっちゃくざい同様どうよう溶融ようゆう塗布とふすると、冷却れいきゃく硬化こうか空気くうきちゅうちゃくざいふくまれる水分すいぶん反応はんのうくさり延長えんちょう反応はんのう架橋かきょう反応はんのうこす。化学かがく反応はんのうるため一般いっぱんてきなホットメルト接着せっちゃくざい上回うわまわたい熱性ねっせいつが、保管ほかん使用しようには吸湿きゅうしつける必要ひつようがある。
フェノール樹脂じゅしけい接着せっちゃくざい
フェノール樹脂じゅしけい接着せっちゃくざい(Phenolic resin adhesives)は、レゾールがたフェノール樹脂じゅし主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい溶液ようえきけい水系すいけい、ホルムアルデヒドけい)。
ちぢみあい反応はんのうさせたフェノールとホルムアルデヒドとのみずまたはアルコール溶液ようえき。130℃以上いじょう加熱かねつして硬化こうか接着せっちゃくさせる。アルコール溶性ようせいタイプは常温じょうおん接着せっちゃく可能かのうだが、硬化こうかざい別途べっと添加てんかする必要ひつようがあり作業さぎょうせいおとる。たい水性すいせいたい熱性ねっせいたいこうせいすぐれるが、衝撃しょうげきつよさはよわい。また加熱かねつ温度おんどたかく、硬化こうか接着せっちゃくざい赤褐色せきかっしょく変色へんしょくするため、使用しよう範囲はんい限定げんていされる。しかしながら、木材もくざい金属きんぞく・ガラスとう多様たようちゃくざいたいしてたか接着せっちゃくりょくち、船舶せんぱくようやコンクリートパネルなどの用途ようとにて使つかわれる。
変成へんせいシリコーンけい接着せっちゃくざい
変成へんせいシリコーンけい接着せっちゃくざい(Modified Silicone adhesives)は、メチルジメトキシシリルもと末端まったんつポリプロピレンオキシド(変成へんせいシリコーン)を主成分しゅせいぶんとする、1988ねん開発かいはつされた接着せっちゃくざい反応はんのうけい
変成へんせいシリコーンポリマーに添加てんかざいくわえた液体えきたい空気くうきちゅう水分すいぶんによりアルコキシシリルもと加水かすい分解ぶんかいし、さらにちぢみあい反応はんのうこしながら比較的ひかくてき素早すばや硬化こうか接着せっちゃくする。たか強度きょうどちつつゴム弾性だんせいうしなわない特性とくせいつため、硬化こうか発生はっせいするゆがみを解消かいしょうすることが出来できる。衝撃しょうげきつよく、建築けんちく分野ぶんや日常にちじょう家庭かていでの使用しよう便利べんり接着せっちゃくざいとして普及ふきゅうしつつある。
いちえきがたは、変成へんせいシリコーンけい、エポキシ・変成へんせいシリコーンけい、アクリル・変成へんせいシリコーンけいけられる。それぞれ剪断つよさや剥離はくりつよさなどについてことなる特徴とくちょうっており、用途ようとおうじた選択せんたくができる。
えきがたは、エポキシ樹脂じゅし有機ゆうきすず触媒しょくばいをAざいなりせいシリコーン樹脂じゅしとエポキシ樹脂じゅしよう硬化こうかざいをBざいとする。混合こんごうえることで硬度こうど調整ちょうせいできる。
ポリアミド樹脂じゅしホットメルト接着せっちゃくざい
ポリアミド樹脂じゅしホットメルト接着せっちゃくざいPolyamide Hot melt adhesives、PAホットメルト、ナイロンホットメルト)は、ポリアミドナイロン樹脂じゅし主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい固形こけい
11ナイロンや12ナイロンなど比較的ひかくてき融点ゆうてんひくいポリアミド樹脂じゅしこなからだまたはフィルムじょう加工かこうしたものは、ホットメルト接着せっちゃくざいとして使用しようされる。結晶けっしょうせいひくいダイマーさんとジアミンをきょう重合じゅうごうさせたタイプはおも電気でんき自動車じどうしゃ木工もっこう用途ようとに、せんじょうポリアミドタイプは繊維せんい金属きんぞく接着せっちゃく分野ぶんやなどに使つかわれる。
ポリイミドけい接着せっちゃくざい
ポリイミドけい接着せっちゃくざいPolyimide adhesives、PIけい接着せっちゃくざい)は、芳香ほうこうぞく複素ふくそたまきポリマーにぞくするポリイミド(PI)るいてい分子ぶんしポリマーを主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい。ポリアロマティックけい接着せっちゃくざい一種いっしゅ分類ぶんるいされる。反応はんのうけい
ポリアミドカルボンさんをジメチルアセトアルデヒドに溶融ようゆうさせた液体えきたいをガラスぬの含浸がんしんさせた性状せいじょう。400℃以上いじょう加熱かねつして溶剤ようざい除去じょきょしつつ、その過程かてい脱水だっすい閉環反応はんのうこしてイミド硬化こうか接着せっちゃくさせる。接着せっちゃくざいとしては最高さいこうレベルにたる350℃以上いじょうたい熱性ねっせいち、たい酸化さんかせいにもすぐれる。航空こうくう宇宙うちゅう産業さんぎょう電気でんき産業さんぎょう分野ぶんやにて需要じゅようたかまってきている。
ポリウレタン樹脂じゅしホットメルト接着せっちゃくざい
ポリウレタン樹脂じゅしホットメルト接着せっちゃくざいPolyurethane Hot melt adhesives、TPUホットメルト、ウレタンホットメルト)は、ねつ可塑かそせいポリウレタン樹脂じゅし主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい固形こけい
融点ゆうてんひくいポリウレタン樹脂じゅしこなからだまたはフィルムじょう加工かこうしたものは、ホットメルト接着せっちゃくざいとしておも繊維せんい分野ぶんや使つかわれる。
ポリオレフィン樹脂じゅしホットメルト接着せっちゃくざい
ポリオレフィン樹脂じゅしホットメルト接着せっちゃくざいPolyolefin Hot melt adhesives、TPOホットメルト、オレフィンホットメルト)は、結晶けっしょうせいポリプロピレン樹脂じゅし(APP)を主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい固形こけい
APPが極性きょくせい表面ひょうめんへの良好りょうこう接着せっちゃくせいかしたホットメルトがた接着せっちゃくざい物性ぶっせい安定あんていさせるためエチレン・プロピレン・ブテンなどときょう重合じゅうごうさせる。屋根やね防水ぼうすい・カーペットのパッキング・プラスチック接着せっちゃくなどに使つかわれる。
ポリ酢酸さくさんビニル樹脂じゅし溶液ようえきけい接着せっちゃくざい
ポリ酢酸さくさんビニル樹脂じゅし溶液ようえきけい接着せっちゃくざいPolyvinyl acetate solvent type adhesives、PVAcけい接着せっちゃくざいビペースト)は、酢酸さくさんビニル樹脂じゅし主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい溶液ようえきけい
酢酸さくさんビニルポリマーをアルコール溶解ようかいした粘性ねんせい液体えきたいあらためしつのために樹脂じゅしなどを充填じゅうてんしたものもある。耐久たいきゅうせいすぐれるがたい水性すいせいクリープたいせいにはおとる。木材もくざいなどのほかに、溶解ようかいさせる成分せいぶんふくまないため発泡はっぽうスチロールの接着せっちゃくてきし、建材けんざいボードなどにも使つかわれる。
ポリスチレン樹脂じゅし溶剤ようざいけい接着せっちゃくざい
ポリスチレン樹脂じゅし溶剤ようざいけい接着せっちゃくざいPolystyrene solvent type adhesives、PS樹脂じゅし接着せっちゃくざい、PSドープセメント)は、ポリスチレン樹脂じゅし主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい溶液ようえきけい
樹脂じゅしをアセトンなど溶剤ようざい溶融ようゆうさせたゲルじょう液体えきたいおもプラモデルようのりとして使つかわれる。なお、この用途ようともちいられるうち溶質ようしつであるポリスチレン樹脂じゅし含有がんゆうりょうがほとんどなくなったあるいはまったふくまないものがながみ(よう接着せっちゃくざいとしてもちいられる。
かつてはシクロヘキサンけいのものしか存在そんざいしなかったが、現在げんざいでは両方りょうほう用途ようとリモネンけいのものが開発かいはつ市販しはんされ安全あんぜんせい向上こうじょうしている。
ポリビニルアルコールけい接着せっちゃくざい
ポリビニルアルコールけい接着せっちゃくざい
ポリビニルアルコールけい接着せっちゃくざいPolyvinylalcohol adhesives、PVAL、PVAけい接着せっちゃくざい、ポバール)は、ポリビニルアルコール主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざいみず分散ぶんさんけい
乳化剤にゅうかざいとしてエマルジョン接着せっちゃくざい添加てんかざい使用しようされるPVAは単独たんどくでも接着せっちゃくりょくゆうする。みず蒸発じょうはつすると透明とうめいまく形成けいせいして硬化こうか接着せっちゃくする。木工もっこう接着せっちゃく用途ようととして事務じむよう液体えきたいのりで馴染なじふかい。また、ぞく洗濯せんたくのりとしてもられている。
ポリビニルピロリドン樹脂じゅしけい接着せっちゃくざい
ポリビニルピロリドン樹脂じゅしけい接着せっちゃくざいPolyvinyilyrrolidone adhesives、PVP接着せっちゃくざい、スティックのり)は、ポリビニルピロリドン(PVP)樹脂じゅし主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい固形こけいちか溶液ようえきけい水系すいけい)。
水溶すいようせいのPVPに脂肪酸しぼうさんナトリウムを添加てんかしほぼ固体こたいじょうにし、グリコールるいくわえてすべりせい付与ふよしたものは、通常つうじょうではていねばたびだが塗布とふちからくわえると粘性ねんせいしょうじる。この性質せいしつ利用りようし、棒状ぼうじょう形成けいせいしたスティックのり使つかいやすく文具ぶんぐ事務じむようとしてひろ普及ふきゅうしている。
ポリビニルブチラール樹脂じゅしけい接着せっちゃくざい
ポリビニルブチラール樹脂じゅしけい接着せっちゃくざいPolyvinyilbutyral adhesives、PVB接着せっちゃくざい)は、ポリビニルアルコールの一種いっしゅであるポリビニルブチラール樹脂じゅし主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい反応はんのうけい
ポリビニルアルコールのメタノール溶液ようえき懸架けんかざいとして硫酸りゅうさんくわえた液体えきたいに、加熱かねつしながらブチルアルデヒドをぜつつ攪拌することで硬化こうか接着せっちゃくさせる。透明とうめいせいたいこうせいたい衝撃しょうげきせいたい振動しんどうせいすぐれ、自動車じどうしゃ安全あんぜんガラスなどに使つかわれる。
ポリベンズイミダソール接着せっちゃくざい
ポリベンズイミダソール接着せっちゃくざいPolybenzimidazole adhesives、PBIけい接着せっちゃくざい)は、芳香ほうこうぞく複素ふくそたまきポリマーにぞくするポリベンズイミダソール(PBI)を主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい。ポリアロマティックけい接着せっちゃくざい一種いっしゅ分類ぶんるいされる。反応はんのうけい
PBIのてい分子ぶんしポリマーをガラスぬの含浸がんしんさせた性状せいじょう。350℃程度ていど加熱かねつして硬化こうか接着せっちゃくさせる。接着せっちゃくざいとしては最高さいこうレベルにたる350℃以上いじょうたい熱性ねっせいち、航空こうくう宇宙うちゅう産業さんぎょう電気でんき産業さんぎょう分野ぶんやにて需要じゅようたかまってきている。
ポリメタクリレート樹脂じゅし溶液ようえきけい接着せっちゃくざい
ポリメタクリレート樹脂じゅし溶液ようえきけい接着せっちゃくざいPolymethylmethacrylate solvent type adhesives、PMMA樹脂じゅし接着せっちゃくざい、PMMAドープセメント)は、ポリメタクリレート樹脂じゅし主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい溶液ようえきけい
樹脂じゅし溶液ようえきちゅう溶融ようゆうさせたゲルじょう液体えきたい溶液ようえきはアセトンなど溶剤ようざいおおいが、MMAモノマーやクロロスルホンポリエチレンなどを使用しようするタイプもある。
メラミン樹脂じゅしけい接着せっちゃくざい
メラミン樹脂じゅしけい接着せっちゃくざい(Melamine resin adhesives)は、メラミン(シアヌリルさんアミド)を主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい溶液ようえきけい水系すいけい、ホルムアルデヒドけい)。
ちぢみあい反応はんのうさせたメラミンとホルムアルデヒドに触媒しょくばいくわえたシロップじょう水溶液すいようえき単体たんたいでは沈殿ちんでん結晶けっしょうこしやすいため、ユリア樹脂じゅしとのきょうちぢみあい(MUF)やフェノール樹脂じゅしとのきょうちぢみあい(MPF)、さらにメラミン・フェノール・ユリアどもちぢみあい(MPUF)をさせた改良かいりょうしたものが主流しゅりゅう。50 - 60℃程度ていど加熱かねつして硬化こうか接着せっちゃくさせる。耐久たいきゅうせいおよびたい熱性ねっせいすぐれるため、屋外おくがいよう合板ごうはんなど木材もくざいよう接着せっちゃくざいとして使つかわれる。
ユリア樹脂じゅしけい接着せっちゃくざい
ユリア樹脂じゅしけい接着せっちゃくざいUrea resin adhesives尿素にょうそ樹脂じゅし接着せっちゃくざい、UF接着せっちゃくざい)は、尿素にょうそ主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい溶液ようえきけい水系すいけい、ホルムアルデヒドけい)。
ちぢみあい反応はんのうさせた尿素にょうそとホルムアルデヒドのシロップじょう水溶液すいようえき少量しょうりょう塩化えんかアンモニウム硬化こうかざいとして添加てんかして硬化こうか接着せっちゃくさせる。固形こけいぶん濃度のうどにより濃縮のうしゅくがた濃縮のうしゅくがた区分くぶんされる。固形こけいぶん60%程度ていど濃縮のうしゅくがた常温じょうおん硬化こうか可能かのうだが、固形こけいぶん40 - 50%の濃縮のうしゅくがた固化こかさせるために加熱かねつする必要ひつようがある。やや耐久たいきゅうせいおとるがたい水性すいせいち、安価あんかかつ作業さぎょうせいいため、合板ごうはんなど木材もくざいよう接着せっちゃくざいとして使つかわれる。
レゾルシノールけい接着せっちゃくざい
レゾルシノールけい接着せっちゃくざいResorcinol resin adhesives、レゾルシンけい接着せっちゃくざい)は、レゾルシノール樹脂じゅしまたはフェノール・レゾルシノール樹脂じゅし主成分しゅせいぶんとする接着せっちゃくざい溶液ようえきけい水系すいけい、ホルムアルデヒドけい)。
レゾルシノールとホルムアルデヒドをさんまたはアルカリ触媒しょくばいとしてちぢみあい反応はんのうさせみずやアルコールに溶解ようかいさせた水溶液すいようえきに、硬化こうかざいとしてパラホルムアルデヒド粉末ふんまつ添加てんかして硬化こうか接着せっちゃくさせる。常温じょうおん接着せっちゃく可能かのうだが、40℃程度ていど加熱かねつさせるほうがより接着せっちゃくする。比較的ひかくてき高価こうかであり接着せっちゃくめん黒褐色こっかっしょくするてんはあるが、耐久たいきゅうせいすぐれ、木材もくざい接着せっちゃくようとして合板ごうはん木工もっこう製品せいひん楽器がっき木造もくぞうせんなどの構造こうぞう材料ざいりょうなどに利用りようされる。
レゾルシノールとホルムアルデヒドをアルカリ性あるかりせいちぢみあい反応はんのうさせ、これにホルマリン・ラテックスなどをくわ反応はんのうさせたRFL(Resorcinol Formaldehyde Latex)のみずまたは溶媒ようばい溶液ようえきは、タイヤの繊維せんいコードを接着せっちゃくする用途ようと使つかわれる。
ひかり紫外線しがいせん硬化こうか樹脂じゅしけい接着せっちゃくざい
ひかり硬化こうか樹脂じゅし紫外線しがいせん硬化こうか樹脂じゅし調整ちょうせい接着せっちゃくざいとしたもので、かり硬化こうか反応はんのうこすひかりびせ硬化こうか接着せっちゃくさせる。当然とうぜんひろ遮光しゃこうぶつはさまれためんあいだなどにはかない。


関連かんれん法令ほうれい[編集へんしゅう]

含有がんゆう物質ぶっしつ規制きせい[編集へんしゅう]

化学かがく物質ぶっしつ審査しんさおよ製造せいぞうとう規制きせいかんする法律ほうりつだいじょうだいこうだい一種いっしゅ特定とくてい化学かがく物質ぶっしつ

有害ゆうがい物質ぶっしつ含有がんゆうする家庭かてい用品ようひん規制きせいかんする法律ほうりつ

特定とくてい多数たすうの、しかも常時じょうじ直接ちょくせつじんれる可能かのうせいたか家庭かてい用品ようひんについては、その含有がんゆう物質ぶっしつについて工業こうぎょう用途ようとなどと比較ひかくするときびしい制限せいげんほどこされている。下表かひょう2003ねん最新さいしん改訂かいていにおける対象たいしょう20物質ぶっしつ列記れっきしつつ、とく接着せっちゃくざい関連かんれんにあてはまるであろう物質ぶっしつボールドたい表記ひょうきしている。
物質ぶっしつめい 基準きじゅん 検査けんさ方法ほうほう
ホルムアルデヒド 幼児ようじよう16ppm以下いかまたは吸光度こうど0.05以下いか,一般いっぱんよう75ppm以下いか アセチルアセトンほう
ディルドリン 30ppm以下いか 電子でんし捕獲ほかくがた検出けんしゅつづけガスクロマトグラフ
4,6-ジクロル-7-(2,4,5トリクロルフェノキシ)-2-トリフルオルメチルベンズイミダゾール 30ppm以下いか 電子でんし捕獲ほかくがた検出けんしゅつづけガスクロマトグラフ
有機ゆうき水銀すいぎん化合かごうぶつ 検出けんしゅつせず 原子げんし吸光ほう
トリフェニルすず化合かごうぶつ 検出けんしゅつせず フレームレス原子げんし吸光ほうおよすすきそうクロマトグラフ
トリブチルすず化合かごうぶつ 検出けんしゅつせず フレームレス原子げんし吸光ほうおよすすきそうクロマトグラフ
トリス(1-アジリジニル)ホズフィンオキシド 検出けんしゅつせず フレームレス原子げんし吸光ほうおよすすきそうクロマトグラフ
トリス(2,3-ジブロムプロピル)ホスファイト 検出けんしゅつせず フレームレス原子げんし吸光ほうおよすすきそうクロマトグラフ
ビス(2,3-ジブロムプロピル)ホスファイト化合かごうぶつ 検出けんしゅつせず ほのおこう光度こうどがた検出けんしゅつづけガスクロマトグラフ
塩化えんかビニル 検出けんしゅつせず あかがい吸収きゅうしゅうスペクトルほう
メタノール 5w/w%以下いか 水素すいそえんがた検出けんしゅつづけガスクロマトグラフ
テトラクロロエチレン 0.1%以下いか 電子でんし捕獲ほかくがた検出けんしゅつづけガスクロマトグラフ
トリクロロエチレン 0.1%以下いか 電子でんし捕獲ほかくがた検出けんしゅつづけガスクロマトグラフ
塩化えんか水素すいそ さんりょう10%以下いかかつ容器ようき強度きょうどゆうする
硫酸りゅうさん さんりょう10%以下いかかつ容器ようき強度きょうどゆうする
水酸化すいさんかナトリウム アルカリのりょう5%以下いかかつ容器ようき強度きょうどゆうする
水酸化すいさんかカリウム アルカリのりょう5%以下いかかつ容器ようき強度きょうどゆうする
ジベンゾ-a,h-アントラセン 防腐ぼうふざい防虫ぼうちゅうざい10ppm以下いか防腐ぼうふまたは防虫ぼうちゅう処理しょり木材もくざい3ppm以下いか 質量しつりょう分析ぶんせきがたガスクロマトグラフ
ベンゾ-a-アントラセン 防腐ぼうふざい防虫ぼうちゅうざい10ppm以下いか防腐ぼうふまたは防虫ぼうちゅう処理しょり木材もくざい3ppm以下いか 質量しつりょう分析ぶんせきがたガスクロマトグラフ
ベンゾ-a-ピレン 防腐ぼうふざい防虫ぼうちゅうざい10ppm以下いか防腐ぼうふまたは防虫ぼうちゅう処理しょり木材もくざい3ppm以下いか 質量しつりょう分析ぶんせきがたガスクロマトグラフ
建築けんちく基準きじゅんほうだいじゅうはちじょう
2003ねん追加ついかされた条文じょうぶんは、いわゆるシックハウス症候群しょうこうぐん原因げんいん物質ぶっしつ規制きせいするためにさだめられた。その骨子こっしは、クロルピリホスの使用しよう禁止きんしと、ホルムアルデヒドを発散はっさんする建築けんちく資材しざい使用しよう面積めんせき制限せいげん下表かひょう)をさだめている。これらは原材料げんざいりょうのひとつである接着せっちゃくざい成分せいぶんにもおおきく関連かんれんする。
使用しよう制限せいげん 等級とうきゅう記号きごう 等級とうきゅう名称めいしょう 発散はっさんする速度そくど基準きじゅん
なし F☆☆☆☆ しん上位じょうい規格きかく - 0.005mg/m2h
制限せいげんあり F☆☆☆ だい3しゅホルムアルデヒド発散はっさん建築けんちく材料ざいりょう 0.02mg/m2h - 0.005mg/m2h
制限せいげんあり F☆☆ だい2しゅホルムアルデヒド発散はっさん建築けんちく材料ざいりょう 0.12mg/m2h - 0.02mg/m2h
使用しよう禁止きんし F☆ だい1しゅホルムアルデヒド発散はっさん建築けんちく材料ざいりょう 0.12mg/m2h -
RoHS指令しれい

含有がんゆう物質ぶっしつ表示ひょうじ義務ぎむ[編集へんしゅう]

取扱とりあつかい・梱包こんぽう運搬うんぱんとう[編集へんしゅう]

接着せっちゃくざいによる接合せつごう手順てじゅん[編集へんしゅう]

接着せっちゃくめん処理しょり[編集へんしゅう]

一般いっぱんてきには接着せっちゃくめん平滑へいかつなほうが接着せっちゃくてきしている[7]接着せっちゃくめん油分ゆぶん水分すいぶん塵埃じんあいなどを除去じょきょしておく必要ひつようがある[7]木材もくざいやコンクリートは乾燥かんそうさせる[7]

塗布とふ[編集へんしゅう]

一般いっぱんてきにはちゃくざい片面かためんにヘラ、コテ、ローラーなどで塗布とふする[7]瞬間しゅんかん接着せっちゃくざい場合ばあいちゃくざい片面かためん滴下てきかする[7]

  • オープンタイム - オープンタイム(Open time)とは、接着せっちゃくざいちゃくざい塗布とふしてから、わせずに放置ほうちしておける許容きょよう最長さいちょう時間じかん。この時間じかんえて塗布とふしたままの状態じょうたいにあった接着せっちゃくざい充分じゅうぶん接着せっちゃくりょく発揮はっきできない。

えき混合こんごうがたエポキシけい接着せっちゃくざいだい世代せだいアクリルけい接着せっちゃくざいメタルロックなど、2えき混合こんごう反応はんのう硬化こうか接着せっちゃくざい場合ばあいは、められた主剤しゅざい硬化こうかざい配合はいごう比率ひりつ撹拌かくはん混合こんごうする必要ひつようがある[7]

  • 使つかい時間じかんWorking life、ポットライフ - Pot life) - おもえきがた接着せっちゃくざいにおいて、塗布とふするために混合こんごうした状態じょうたいから、使用しようできる許容きょよう最長さいちょう時間じかん。この時間じかんえた接着せっちゃくざい充分じゅうぶん接着せっちゃくりょく発揮はっきできない。

硬化こうか[編集へんしゅう]

  • 硬化こうか(Cure) - JIS K6800において、硬化こうかとは物理ぶつりてき作用さようまたは化学かがく反応はんのうによって接着せっちゃくざい成分せいぶん固体こたい変化へんかすることをう。これにたいし、;固化こか;(Hardening, Solidification)とは物理ぶつりてき作用さようによる変化へんかのみをす。
  • さい活性かっせい接着せっちゃく(Reactivation) - ちゃくざいめん接着せっちゃくざい塗布とふしたのちさい湿しめ加熱かねつによりふたた接着せっちゃく性能せいのう発揮はっきさせる手法しゅほう溶液ようえきけい接着せっちゃくざい塗布とふした切手きって封筒ふうとう糊口ここう、ワッペンなど固形こけい接着せっちゃくざい塗布とふしたものなど。
  • 初期しょき接着せっちゃくせい(タック - Tack) - ちゃくざい接触せっしょくさせた直後ちょくごから結合けつごうしょうじ、接着せっちゃくりょく発揮はっきする性質せいしつ硬化こうかしょうじる本来ほんらい接着せっちゃくりょくとはべつに、利便りべんせい向上こうじょうさせるために添加てんかざいくわえて機能きのう付加ふかする。

接着せっちゃくざい剥離はくり除去じょきょ[編集へんしゅう]

接着せっちゃくめんではない箇所かしょいてしまった接着せっちゃくざい除去じょきょするために専用せんよう除去じょきょざい(リムーバー)がもちいられることもある。ただし、接着せっちゃくめん材質ざいしつによってはとせないこともある。 接着せっちゃくめん剥離はくりには、こう浸透しんとうせい有機ゆうき溶媒ようばいもちいられる。圧力あつりょく温度おんど適切てきせつにした環境かんきょう長時間ちょうじかん放置ほうちし、接着せっちゃくざい樹脂じゅし化学かがく結合けつごう破壊はかい、もしくは物理ぶつり架橋かきょうきほぐし、剥離はくりさせる。

接着せっちゃくざい性状せいじょう評価ひょうか[編集へんしゅう]

おな種類しゅるい接着せっちゃくざいでも、その用途ようと対応たいおうした様々さまざま改良かいりょうくわえられた品番ひんばんがあり、使用しようほうおうじて選定せんていする必要ひつようがある。性状せいじょう評価ひょうかとは、選定せんてい指標しひょうとなる物性ぶっせい評価ひょうか項目こうもくである。

接触せっしょくかく
ちゃくざいとのせい接着せっちゃくざい基本きほんてきに、ちゃくたい十分じゅうぶんらせる性質せいしつ不可欠ふかけつであり、これはちゃくたいとの相性あいしょうによってわる。その性能せいのう指標しひょうとなるものが接触せっしょくかくであり、目視もくしほか接触せっしょくかくけいといわれる装置そうち測定そくていされる。ちゃくたいうえ接着せっちゃくざい液化えきかされた状態じょうたいのもの)を滴下てきかし、接着せっちゃくざい界面かいめんのカーブの微分びぶんされたかたむきと、ちゃくたいとの角度かくどもとめる。この角度かくどちいさければちいさいほどよくれるとの判定はんていおこなう。
ねばたび流動りゅうどうせいレオロジー
ねばたびは、接着せっちゃくざい塗布とふする方法ほうほう適合てきごうするものを選択せんたくする必要ひつようがある。壁面へきめん塗布とふする場合ばあいなどでは、ある程度ていどねばたびっていなければ接着せっちゃくざい付着ふちゃくした状態じょうたい維持いじできない。ぎゃくにノズルなど機械きかいてき塗布とふする場合ばあいには、こうねばたび接着せっちゃくざい不適ふてきとなる。
測定そくていには回転かいてんねばたびけい使用しようし、単位たんいはmPa・sまたはPa・s(パスカルびょう)にて表示ひょうじする。
構造こうぞう粘性ねんせい
構造こうぞう粘性ねんせいとは、液体えきたいを攪拌したさいにそのねばたび変化へんかする性質せいしつう。接着せっちゃくざい一般いっぱんに、塗布とふ作業さぎょう容易よういにするために攪拌する速度そくどすにつれねばたび低下ていかする傾向けいこうチキソトロピーthixotropyゆら変性へんせい)をたせているが、とく大量たいりょう生産せいさんよう目的もくてきとした自動じどうおこな場合ばあいには、具体ぐたいてき塗布とふ方法ほうほうにマッチした構造こうぞう粘性ねんせい特性とくせい品番ひんばん選定せんてい作業さぎょうのトラブルを低減ていげんすることがもとめられる。
水素すいそイオン指数しすう (pH)
ちゃくざい種類しゅるいによっては、強酸きょうさんせいまたはつよアルカリ性あるかりせい接着せっちゃくざい腐食ふしょくなどの影響えいきょうおよぼすことがあり、接着せっちゃくざい選定せんていするさい考慮こうりょしなければならない場合ばあいがある。

接着せっちゃくりょく評価ひょうか[編集へんしゅう]

破壊はかい検査けんさ[編集へんしゅう]

接着せっちゃくりょく評価ひょうかするには、実際じっさいちゃくざい接着せっちゃくしたものをがす破壊はかい検査けんさおこなう。接着せっちゃくざいちゃくざいそれぞれの種類しゅるい接着せっちゃく条件じょうけんによって強度きょうどおおきく左右さゆうされるため、複数ふくすう接着せっちゃくざい評価ひょうかするにあたっては同一どういつちゃくざいおよび条件下じょうけんか接着せっちゃくした検体けんたい準備じゅんびしなければならない。

接着せっちゃく破壊はかい検査けんさ方法ほうほうはJIS K6848にて規定きていされる。破壊はかい検査けんさは、試験しけんサンプルにくわえるちから方向ほうこうにより3種類しゅるい大別たいべつされる。

  • り - 接着せっちゃくめんたい垂直すいちょく方向ほうこう応力おうりょくをかける。
  • 剪断(せんだん)- 接着せっちゃくめんたい平行へいこう方向ほうこう応力おうりょくをかける。
  • 剥離はくり(はくり) - ちゃくざいがす。

接着せっちゃくざい破壊はかい箇所かしょは、一般いっぱん以下いかの3箇所かしょ混合こんごうするかたちこる。ちゃくざい同一どういつ場合ばあいしめしており、ことなる材質ざいしつ接着せっちゃくするケースでは破壊はかいは5箇所かしょ混合こんごうとなる。これら破壊はかい一様いちようにはこらず、接着せっちゃくざいあつさ・破壊はかい検査けんさ方法ほうほう・サンプルの寸法すんぽう破壊はかい速度そくど寿命じゅみょう温度おんど湿度しつどなどの外的がいてき条件じょうけんにより左右さゆうされることを念頭ねんとうかなければならない。これら破壊はかい箇所かしょ判定はんてい基本きほんてき観察かんさつ手法しゅほう依存いぞんする。

凝集ぎょうしゅう破壊はかい (cohesive failure)
硬化こうかした接着せっちゃくざいそう破壊はかいする。この場合ばあい接着せっちゃくざい要求ようきゅう強度きょうどたしていない場合ばあいおおく、種類しゅるい選定せんていまたは接着せっちゃく条件じょうけん適正てきせいにする必要ひつようがある。
接着せっちゃく破壊はかいinterfacial failure界面かいめん破壊はかい
接着せっちゃくざいそうちゃくざいそうとの境界きょうかいめん破壊はかいする。この場合ばあい接着せっちゃくりょくそのものが不充分ふじゅうぶんかんがえられる。種類しゅるい選定せんていまたは接着せっちゃく条件じょうけん適正てきせいとともに、ちゃくざい表面ひょうめん状態じょうたいについても考慮こうりょする必要ひつようがある。
もとざい破壊はかい (adherend failure)
ちゃくざいそのものが破壊はかいする。この場合ばあい接着せっちゃくざいおよび接着せっちゃくりょく充分じゅうぶん強度きょうどっており、むしろちゃくざい強度きょうど検討けんとうする必要ひつようがある。

inline

非破壊ひはかい検査けんさ[編集へんしゅう]

破壊はかいともなわない接着せっちゃくざい検査けんさにはほう(タッピングほう)もしくはちょう音波おんぱなどを使用しようした透過とうか測定そくていほうがある。

用語ようご[編集へんしゅう]

機能きのうせい接着せっちゃくざい
もの同士どうしをつなぐという本来ほんらい性能せいのうにその機能きのう付加ふかした接着せっちゃくざい特殊とくしゅ環境かんきょうにおいて使用しようされる接着せっちゃくざい特殊とくしゅ接着せっちゃく方法ほうほうもちいる接着せっちゃくざいなどをう。機能きのう付加ふかれいとしては、導電性どうでんせい電気でんき絶縁ぜつえんせい弾性だんせいたいもえせいなど。特殊とくしゅ環境かんきょうれいとしては、構造こうぞう材料ざいりょうたい熱性ねっせいごく低温ていおん対応たいおう水中すいちゅう硬化こうか透明とうめい生体せいたいようなど。特殊とくしゅ接着せっちゃく方法ほうほうれいとしては、紫外線しがいせん硬化こうか電子でんしせん硬化こうか・マイクロカプセルがたなどがある。
ソルベントほう
メチルエチルケトン(MEK)・トルエンなどの有機ゆうき溶剤ようざい合成ごうせい樹脂じゅし溶解ようかい融合ゆうごうさせたり、アセトン使つか写真しゃしんフィルムとおるさせるなど、溶剤ようざいそのものを接着せっちゃくざいとして使用しようする手法しゅほう
剥離はくりライナー(Release liner、セパレータ - Separator剥離はくりはなれ型紙かたがみまたははなれがたフィルム)
シリコン塗布とふなどの剥離はくり処理しょりほどこしたかみまたはフィルムなど。両面りょうめんテープやフィルムじょうホットメルト接着せっちゃくざいなどの接着せっちゃく粘着ねんちゃくめん保護ほごし、使用しようがす。
品番ひんばん
一般いっぱんに、接着せっちゃくざい多種たしゅ素材そざい複雑ふくざつ混合こんごうさせており、とく工業こうぎょう用途ようとにおいてはもとめられる機能きのう対応たいおうするこまかな処方しょほう設計せっけいおこなわれている。このような接着せっちゃくざいそれぞれに対応たいおうしてつけられた商標しょうひょうやナンバーなど。
ブロッキング (Blocking)
テープじょう接着せっちゃくざいなどにおいて、ロールの状態じょうたい全体ぜんたいかたまってしまうトラブル。通常つうじょうテープじょう接着せっちゃくざい塗布とふもとざい背面はいめんにブロッキングをこさない対策たいさくほどこされているが、経時きょうじ変化へんか劣悪れつあく保管ほかんじょうきょうなどにより発生はっせいすることがある。
ホットメルト(Hot melt adhesivesThermoplastic adhesives
ねつ可塑かそせい樹脂じゅし成分せいぶん固形こけい接着せっちゃくざい加熱かねつ融解ゆうかいした状態じょうたいにして流動りゅうどうせい付与ふよ(ホットメルト)したうえ塗布とふし、冷却れいきゃくされることにより、物理ぶつり架橋かきょう硬化こうか接着せっちゃくする。接着せっちゃく速度そくどはや反面はんめんオープンタイムはほとんどい。作業さぎょうせい問題もんだいなどから融点ゆうてんたか高分子こうぶんし使用しようかず、結果けっかとしてたい熱性ねっせいひくい。接着せっちゃくざいねつをかけるために、ホットメルトガン・ねつプレスなどの装置そうち溶融ようゆう塗布とふ機器ききやアプリケーターなどの設備せつびなどが必要ひつようとなる。はなれ型紙かたがみをつけたフィルムじょうのものは、片面かためんをワッペンやアップリケなどに接着せっちゃくさせておき、必要ひつようはなれ型紙かたがみがして衣類いるいにホットメルト接着せっちゃくさせるタイプもある。

一般いっぱんけに認知にんちたか接着せっちゃくざいメーカー、ブランド[編集へんしゅう]

一般いっぱん家庭かていようおも製造せいぞう販売はんばいしているメーカー、ブランド

業務ぎょうむようのみ製造せいぞう販売はんばいしているメーカー、ブランド

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 接着せっちゃくざい読本とくほん日本にっぽん接着せっちゃくざい工業こうぎょうかい 
  • 初心者しょしんしゃのための接着せっちゃく技術ぎじゅつ入門にゅうもん講座こうざへん)』日本にっぽん接着せっちゃく学会がっかい 
  • 『JISハンドブック接着せっちゃく日本にっぽん規格きかく協会きょうかい 

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e 化学かがくはじめて物語ものがたり”. 日本化学工業にほんかがくこうぎょう協会きょうかい. 2020ねん2がつ10日とおか閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f 坪田つぼたみのる塗膜とまく機械きかいてき性質せいしつ」『いろざい協会きょうかいだい62かんだい3ごういろざい協会きょうかい、1989ねん、164-175ぺーじdoi:10.4011/shikizai1937.62.164ISSN 0010-180XNAID 1300049944072020ねん9がつ8にち閲覧えつらん 
  3. ^ 雑貨ざっか工業こうぎょうひん品質ひんしつ表示ひょうじ規程きてい”. 消費しょうひしゃちょう. 2013ねん5がつ23にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c d e f g h i 接着せっちゃくざい知識ちしき”. とうリ. 2020ねん9がつ8にち閲覧えつらん
  5. ^ さかなにかわ. コトバンクより。
  6. ^ Nature's strongest glue could be used as a medical adhesive: IU News Room: Indiana University”. newsinfo.iu.edu. 2021ねん5がつ16にち閲覧えつらん
  7. ^ a b c d e f 5.接着せっちゃくざい使つかかた”. セメダイン. 2020ねん9がつ8にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]