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リサイクル

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ポーランドでの、ガラス瓶がらすびんとプラスチックボトル(ペットボトル)の分別ふんべつ回収かいしゅうのスポット。
リサイクルのために圧縮あっしゅくされたアルミかん。アルミはリサイクルりつたかく、「リサイクルの優等生ゆうとうせい」とばれている。→#アルミニウム(アルミかん
現代げんだいでは電子でんし部品ぶひんからレアメタルがリサイクルされている。

リサイクルえい: recycling,recycle)は、人間にんげんから排出はいしゅつされた資源しげん(またはエネルギー)を再度さいど回収かいしゅうして利用りようすること。「再生さいせい利用りよう」「資源しげん再生さいせい」「さい資源しげん」「再生さいせい資源しげん」などとやくされる。廃棄はいきぶつとう再生さいせい利用りようは、資源しげん・エネルギー問題もんだい深刻しんこく対応たいおうするための長期ちょうきてき資源しげん確保かくほのための手段しゅだんという観点かんてん本来ほんらい処理しょりされるべき廃棄はいき物量ぶつりょう減少げんしょう減量げんりょう)という2つの観点かんてんをもつ[1]

概説がいせつ[編集へんしゅう]

定義ていぎ[編集へんしゅう]

リサイクルにかんする用語ようご定義ていぎ整理せいり地域ちいきによりことなっている[2]

分類ぶんるいについては後述こうじゅつするが、EUの各種かくしゅ指令しれいではリサイクル(recycling)はさい製品せいひんおこなうマテリアルリサイクル(material recycling)のことをし、エネルギー発生はっせい手段しゅだんとして利用りようするエネルギーリカバリー(energy recovery)などとわせてリカバリー(recovery)という用語ようご使用しようしている[2]。ただし、これはドイツなど各国かっこく国内こくないでのリサイクル方法ほうほう用語ようご整理せいりともちがいがある[2]日本にっぽんではマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルなどの分類ぶんるいもちいられる[2]

百科ひゃっか事典じてんとう説明せつめいぶん定義ていぎぶんつぎのようになっている。

  • スーパーニッポニカでは「日常にちじょう生活せいかつ不要ふような(不要ふようとなった)製品せいひんや、産業さんぎょう活動かつどうともな副次的ふくじてきられた物品ぶっぴんを、資源しげんとしてさい利用りよう、あるいは回収かいしゅう再生さいせいして有効ゆうこう利用りようすること」としている。
  • ブリタニカ電子でんし辞書じしょはん簡略かんりゃくばん)では、「1使つかった資源しげん廃棄はいきぶつ)を回収かいしゅうしてさい利用りようすること」と説明せつめいしている。
  • Oxford Dictionaryでは「不要ふようぶつ(ゴミ、廃棄はいきぶつ)をさい利用りよう可能かのう素材そざいへとえる行動こうどう過程かてい[3]」としている。
  • 広辞苑こうじえんだいろくはんでは「資源しげん節約せつやく環境かんきょう汚染おせん防止ぼうしなどのために、用品ようひん廃棄はいきぶつなどをさい利用りようすること」としている。

回収かいしゅう[編集へんしゅう]

リサイクルされるものの回収かいしゅう方法ほうほうは、しゅとしてつぎの3つの方法ほうほうがある[4]。ひとつは有償ゆうしょう買取かいとりであり、ひと(あるいは組織そしき)が分別ふんべつし、リサイクル業者ぎょうしゃ用品ようひん回収かいしゅう業者ぎょうしゃみ、なんらかの対価たいかる、というものである。ふたつめは無償むしょう方式ほうしきで、不要ふようとなったものを業者ぎょうしゃのところにむが、対価たいかない、というもの。もうひとつは個人こじん組織そしき用品ようひんなんらかの機関きかん(や代理だいり業者ぎょうしゃ)がまわって回収かいしゅうする、というものである[4]地方自治体ちほうじちたいによる回収かいしゅうほかにも、市民しみんボランティア自主じしゅてき資源しげん回収かいしゅう活動かつどうおこなっている場合ばあいもある[5]ほかにも様々さまざま工夫くふうをした回収かいしゅうほう導入どうにゅうしているくにもある。→#回収かいしゅう

リサイクルの分類ぶんるい[編集へんしゅう]

かく地域ちいきでの整理せいり[編集へんしゅう]

EU[編集へんしゅう]

EUの各種かくしゅ指令しれい(94ねんEU容器ようき包装ほうそう指令しれい、75ねんEU廃棄はいきぶつ枠組わくぐみ指令しれい付属ふぞくしょⅡBなど)ではリサイクル(recycling)はさい製品せいひんおこなうマテリアルリサイクル(material recycling)のことを[2]。エネルギー発生はっせい手段しゅだんとして利用りようすることはエネルギーリカバリー(energy recovery)とばれており、マテリアルリサイクルやエネルギーリカバリーなどをわせてリカバリー(recovery)という用語ようご使用しようしている[2]。 なお、マテリアルリサイクルのうち微生物びせいぶつ使用しようした包装ほうそう廃棄はいきぶつ処理しょり有機ゆうきリサイクル (organic recycling)と定義ていぎしている[2]

ドイツ[編集へんしゅう]

プラスチックのリサイクル手法しゅほうとしては、さい製品せいひんおこなうメカニカルリサイクル(mechanical recycling、materials-oriented processes)や原料げんりょうレベルでさい資源しげんするフィードストックリサイクル(feedstock recycling)がリサイクルとしてあつかわれている[2]。エネルギーとして利用りようすることはエネルギーリカバリー(energy recovery)とばれている[2]

日本にっぽん[編集へんしゅう]

プラスチックのリサイクルでは、プラスチックさい製品せいひん(reproduction)を意味いみするマテリアルリサイクル(material recycling)、原料げんりょう・モノマーによるケミカルリサイクル(chemical recycling)、エネルギーとして利用りようするサーマルリサイクル(thermal recycling)などがある。

内部ないぶリサイクルと外部がいぶリサイクル[編集へんしゅう]

ひとつのだい分類ぶんるいほうは「内部ないぶリサイクル(internal recycling)」と「外部がいぶリサイクル(external recycling)」に分類ぶんるいする方法ほうほうである。内部ないぶリサイクルとは、たとえば、製造せいぞう工程こうていにおいてしょうじた廃棄はいきぶつをその工程こうていさい利用りようすることである。たとえばどうかん製造せいぞうしている工場こうじょうではその製造せいぞう工程こうていどうかんはしったりけずったりし(どうせいの)不要ふようぶつしょうじるが、それを工場こうじょうないねっかして、どうざいとしてどうかん製造せいぞう工程こうていさい利用りようすること、は「内部ないぶリサイクル」のいちれいである[4]。また内部ないぶリサイクルにはたとえば、醸造じょうぞう工場こうじょうしょう不要ふようとなった「しぼりかす」を原材料げんざいりょうとしてもちいてどう工場こうじょう飼料しりょうつくる、などといったかたちもありうる[4]。「外部がいぶリサイクル」とは、使用しようみとなったり廃棄はいきされた製品せいひんから、原材料げんざいりょう再生さいせいすることである。たとえば、新聞しんぶん雑誌ざっし回収かいしゅう再生さいせい工場こうじょう粉砕ふんさいパルプ状態じょうたいもどあらたにかみつくることもそれにあたる[4]広範囲こうはんいおこなわれている「外部がいぶリサイクル」のれいとしては、新聞紙しんぶんし雑誌ざっしるいならんで、ガラス瓶がらすびんアルミかんなどの再生さいせいげることができる[4]

その分類ぶんるい[編集へんしゅう]

  • オープンリサイクル(open-loop recycling) / クローズドリサイクル(closed-loop recycling)
  • 水平すいへいリサイクル(同種どうしゅ製品せいひんにリサイクルされる場合ばあい)/カスケードリサイクル(なんらかの品質ひんしつ低下ていかがあり、異種いしゅ製品せいひんにリサイクルされる場合ばあい

各国かっこくのリサイクル[編集へんしゅう]

日本にっぽん[編集へんしゅう]

現在げんざい日本にっぽんでのリサイクルには、流通りゅうつう段階だんかい小売こうり業者ぎょうしゃも、またリサイクル業者ぎょうしゃ再生さいせい業者ぎょうしゃ)も、そして市町村しちょうそんおおきな役割やくわりたしている[5]たとえば、ガラス瓶がらすびん大型おおがた家電かでん電池でんちなどの回収かいしゅうには小売こうりてんおおきな役割やくわりたしている[5]たとえば飲料いんりょうガラス瓶がらすびん小売こうりてん積極せっきょくてき回収かいしゅうしており、大型おおがた家電かでんは、家電かでん販売はんばいてん新品しんぴん販売はんばいに「下取したどり」などとしてふる家電かでん回収かいしゅうしており、乾電池かんでんち店舗てんぽ電池でんち回収かいしゅうばこなどがかれているわけである。古紙こし繊維せんいるいはリサイクル業者ぎょうしゃがさかんに回収かいしゅうしている。衣類いるい綿めんやポリエステルなど素材そざい関係かんけいなく自治体じちたいえるゴミとして処分しょぶんすることができる[6]。 また、おおくのまちむら資源しげん分別ふんべつ回収かいしゅうおこなっており、市民しみんさい資源しげんできるものとそうでないものを分別ふんべつして さい資源しげん効率こうりつおこなわれている自治体じちたいおお[5]

資源しげん有効ゆうこう利用りよう」「廃棄はいきぶつ発生はっせい抑制よくせい」「環境かんきょう保全ほぜん」を目的もくてきとして、リサイクルを促進そくしんするための措置そちさだめた「再生さいせい資源しげん利用りよう促進そくしんかんする法律ほうりつ」(通称つうしょうリサイクルほう」)が、国会こっかい通過つうかし、1991ねん10がつより施行しこうされた。

その、「資源しげん有効ゆうこう利用りよう促進そくしんかんする法律ほうりつ」に改正かいせいされ、2001ねん4がつ施行しこうされた。本法ほんぽうは、リデュース(減量げんりょう)、リユース(さい使用しよう)、リサイクル(再生さいせい利用りよう)のかんがかたれ、事業じぎょうしゃがこれらのみをすすめることを目的もくてきとしている。

統計とうけい問題もんだいてん[編集へんしゅう]

リサイクルりつ(リサイクルされたりょう廃棄はいきぶつ総量そうりょう)の分母ぶんぼ分子ぶんし数値すうち定義ていぎくにによってことなる[7]廃棄はいきぶつ総量そうりょうは、家庭かていけい主要しゅよう資源しげんごみだけの場合ばあいなまごみなどその家庭かていけい資源しげんごみをふく場合ばあい家庭かていごみ全体ぜんたいふくめる場合ばあい事業じぎょうけいごみまでふく場合ばあいなどくににより算定さんてい方法ほうほうことなる[7]。また、廃棄はいきぶつ総量そうりょう算出さんしゅつをする段階だんかいも、くににより廃棄はいきぶつ発生はっせいりょう廃棄はいきぶつ排出はいしゅつ搬出はんしゅつりょう廃棄はいきぶつがリサイクル施設しせつはいったりょうなどくににより算定さんてい方法ほうほうことなり問題もんだいとされている[7]国立こくりつ環境かんきょう研究所けんきゅうじょ研究けんきゅうしゃは、リサイクル指標しひょうかんする5つの課題かだい指摘してきし、すくなくとも4つの指標しひょうでリサイクルの状態じょうたい計測けいそくすべきとしている[8]

リサイクル品目ひんもく[編集へんしゅう]

かみるい[編集へんしゅう]

新聞しんぶん販売はんばいてんによる新聞しんぶん回収かいしゅう
花見はなみ会場かいじょうにて。分別ふんべつ回収かいしゅう

かみのリサイクルは水平すいへいリサイクルとカスケードリサイクルがある。品質ひんしつひくかみ再生さいせいされる場合ばあいはカスケード(カスケード利用りよう)のほうである。回収かいしゅうしたかみ古紙こしとしてふたた原料げんりょうとなりトイレットペーパーだんボール白板しらいた原料げんりょうとなる場合ばあいおおい。牛乳ぎゅうにゅうパックはバージンパルプ(リサイクル素材そざいふくまないパルプ)から作成さくせいされていて繊維せんい品質ひんしつたかいものとして流通りゅうつうするが、回収かいしゅうされた古紙こしトイレットペーパー板紙いたがみといったものに加工かこうされており、有効ゆうこう利用りようされることがおおい。

用途ようととくしたかみつくられるようになるにつれ、感熱かんねつはじめとしてリサイクルじょう問題もんだいとなる禁忌きんきひんえており問題もんだいされている。また、シュレッダー処理しょりされたかみは、用途ようとによってはパルプ繊維せんいきざまれているため再生さいせいには不利ふりである。

アルミニウム(アルミかん[編集へんしゅう]

アルミニウムは、地金じがね新造しんぞうするさいに「電気でんき缶詰かんづめ」といわれるほど電力でんりょく消費しょうひするが、ボーキサイトからアルミニウム地金じがね生産せいさんする電力でんりょく消費しょうひりょうと、アルミかんをリサイクルしてアルミニウム地金じがね生産せいさんする場合ばあい比較ひかくすると、わずか3%でむ(つまり97%もの電力でんりょく節約せつやくとなる。ただし、純粋じゅんすいなアルミニウムをさい精錬せいれんしたとき理論りろんである。別途べっと不純物ふじゅんぶつ除去じょきょのエネルギーがわずかに必要ひつようである。)。そのりょう電力でんりょく換算かんさんすると2021ねん場合ばあいは、72.9おくkWhとなる。これは、全国ぜんこくにある住宅じゅうたくやく5,583まん世帯せたい)のやく15にちぶん使用しよう電力でんりょくりょう相当そうとうする[9]

こうした利点りてんがあるため、アルミニウムは日本にっぽん国内こくないにおいてもっともリサイクルすすんでいる金属きんぞくであり、アルミかんリサイクルりつが96.6%(2021年度ねんど[9]にもたっする。そのため、アルミニウムはしばしば「リサイクルの優等生ゆうとうせい」とばれる。さらに、ふたたびアルミかんとしてリサイクルされる割合わりあいは、やく67.0%となっている。

また、融解ゆうかいときには空気くうきちゅう窒素ちっそ反応はんのうして窒化アルミニウムAlNとして一部いちぶうしなわれる。

2Al + N2 → 2AlN

この窒化ぶつ融解ゆうかいにるつぼの表面ひょうめんかぶのでてられるが、空気くうきちゅう水分すいぶん徐々じょじょ反応はんのうしてアンモニアしょうじる。

AlN + 3H2O → Al(OH)3 + NH3

また、プルトップ部分ぶぶん剛性ごうせいたせるため、マグネシウムくわえた合金ごうきん使用しようしている。そのためリサイクルにはそれを酸化さんかしてのぞかねばならず無駄むだしょうじる。

どう[編集へんしゅう]

もちいられるどうは、(鉱山こうざんではなく)リサイクルがその主要しゅようみなもととなっている。どうはアルミニウムのように、原料げんりょうのままの状態じょうたいであっても製品せいひんちゅうふくまれている状態じょうたいであっても関係かんけいなく、品質ひんしつ損失そんしつなしに100 %リサイクルすることが可能かのうである[10]。だから、どう古代こだいからリサイクルされつづけているのである。(なお金属きんぞくとの比較ひかくでは)どうは、アルミやてついで金属きんぞくとして3番目ばんめりょうリサイクルされている[11]

てつ[編集へんしゅう]

やく14おく297まんトン(2019ねんまつ時点じてん)のてつ1人ひとりたりやく11.1t)が循環じゅんかんしており[12][13]てんほう電炉でんろほうによりリサイクルがだい規模きぼおこなわれている。「日本にっぽん鉄鋼てっこう循環じゅんかん」として、てつマテリアルフローいかけられる。また日本にっぽんのスチールかんリサイクルりつは2011年度ねんど以降いこう90%以上いじょうであり、2020年度ねんどは94.0%となっている[14]

ガラス[編集へんしゅう]

ガラスソーダ石灰せっかいガラスせい液体えきたいコンテナ(容器ようき)のうち、いわゆるリターナブルびんはそのまま洗浄せんじょうしてさい使用しようされるが、一方いっぽうワンウェイびん破砕はさいされリサイクルされる。この破砕はさいされガラス原料げんりょうもちいられるものをカレットぶ。カレットはガラス原料げんりょうから直接ちょくせつガラスを製造せいぞうするよりも材料ざいりょうとしての純度じゅんど安定あんていしており、またよりすくないエネルギーりょうびん加工かこうできる。2018ねん以降いこうガラス瓶がらすびん生産せいさんりょうよりカレット利用りようりょう上回うわまわっており、2021ねんで102.5まんトンがふたた社会しゃかい利用りようされている。またガラス瓶がらすびん原料げんりょうの75%前後ぜんご(2021ねんで76.1%)がこのカレットを使用しようしている。ただしカレットされるガラス瓶がらすびん(ワンウェイびんさい使用しようできない状態じょうたいのリターナブルびん回収かいしゅうりつやく70%前後ぜんこうでそれ以外いがい回収かいしゅうされずに投棄とうきされている可能かのうせいがある(たん容器ようきとして消費しょうひされていない場合ばあいもある)[15]

ガラスのリサイクル英語えいごばん

食用しょくよう[編集へんしゅう]

石鹸せっけんディーゼルエンジンよう燃料ねんりょうなどにさい利用りようされる。

食用しょくようのリサイクル英語えいごばん

ペットボトル[編集へんしゅう]

ペットボトルのリサイクルりつ水平すいへいリサイクル)は、ドイツは2015ねんには93.5%というたか達成たっせいした、とされる[16]日本にっぽんでのリサイクルりつの2020ねん推計すいけいとしては88.5%だったとされる(日本にっぽん国内こくない回収かいしゅうされたものと、日本にっぽん国外こくがい回収かいしゅうされて日本にっぽんでのペットボトル製造せいぞうもちいられたものをわせて算定さんていしている)[17]米国べいこくでのペットボトルのリサイクルりつは、2020ねんで18.0%と推計すいけいされた[18]

くにによってペットボトル以外いがい用途ようとへのリサイクルの割合わりあいことなるが)、ボトルとしてさい製造せいぞうされなかったぶんだい部分ぶぶんは、くだいて8~9mm程度ていどおおきさのフレークじょうや、もっとこまかい(すうミリ程度ていどの)ペレットじょう材料ざいりょうにされる。PETフレークからはシートじょう材料ざいりょうなどにされ(スーパーの食品しょくひん容器ようき、ブリスターパックなどに加工かこうされたり)、ペレットからは繊維せんいなどにされる(られて ぬのになり、もの座席ざせき表面ひょうめんもちいられたり、フリースウェアの材料ざいりょうネクタイ材料ざいりょう とう等々とうとう として様々さまざま利用りようされている)。(カスケードリサイクル、マテリアルリサイクル、オープンリサイクル、)。

「ペットボトル」の記事きじちゅうのリサイクルのあきらおよびペットボトルのリサイクル英語えいごばんオランダばん英語えいごばん、オランダばんとう独立どくりつ記事きじ)などが参照さんしょう

電池でんちるい[編集へんしゅう]

電池でんちるいにおけるリサイクル対象たいしょうは、マンガン乾電池かんでんちアルカリ乾電池かんでんちボタン電池でんちリチウムいち電池でんちリチウムイオン電池でんちニッケル水素すいそニカド電池でんち自動車じどうしゃようバッテリーの7種類しゅるい。リサイクルにさいは、電池でんち種類しゅるい関係かんけいなくプラスきょくおよびマイナスきょくをセロハンテープなどでけることで絶縁ぜつえんしておく必要ひつようがある。

回収かいしゅう[編集へんしゅう]

言葉ことばがわからない旅行りょこうしゃにも、分別ふんべつしてとうじてもらえるようピクトグラム投入とうにゅう可能かのうなゴミの種類しゅるいしめごみばこシンガポールにて
オランダのびん回収かいしゅう
日本にっぽん小売こうりてんでのアルミかん食品しょくひんトレー・牛乳ぎゅうにゅうパック回収かいしゅう

概説がいせつ説明せつめいしたように、おおきくけるとしゅとして、リサイクル業者ぎょうしゃによる有償ゆうしょう買取かいとり無償むしょうけ、エージェント(自治体じちたいや、その委託いたくさき組織そしきなど)による(巡回じゅんかい回収かいしゅうの3つがあり、またボランティアによる回収かいしゅうおこなわれている。

ほかにも、くにによっては、つぎのような回収かいしゅう方式ほうしきがある。

  • カーブサイド・コレクション : 家庭かていからるごみを、資源しげん種類しゅるいごと分別ふんべつして各戸かっこまえにあるごみ集積しゅうせきじょう方法ほうほう日本にっぽん資源しげん分別ふんべつ収集しゅうしゅう制度せいどれた米国べいこくおおいが、収集しゅうしゅうしゃ各戸かっこまえとおるまではごみが往来おうらいわききっぱなしとなるややぜん時代じだいてき制度せいどで、回収かいしゅう頻度ひんどすくなかったり住宅じゅうたく密度みつどたかくなると、歩道ほどうかれたごみに占領せんりょうされる事態じたいとなることおおい。
  • DSDシステム : ドイツ1991ねん開始かいしされた包装ほうそうざいリサイクル制度せいど従来じゅうらいはほとんど分別ふんべつのまままとめて廃棄はいきされることおおかった多種たしゅ多様たよう包装ほうそうざいを、あらかじ分別ふんべつ区分くぶん設定せっていしてかくメーカーに容器ようき区分くぶん表示ひょうじ徹底てっていさせたうえで、民間みんかん企業きぎょうとして独立どくりつ採算さいさんによる(DSPしゃ)が資源しげんとして回収かいしゅう再生さいせい各種かくしゅ工業こうぎょう原料げんりょうとして販売はんばいする。これにより大幅おおはばなごみの減量げんりょう成功せいこうしているとともに、独立どくりつ採算さいさんとすること処分しょぶんコストの大胆だいたん切捨きりすてを可能かのうとしている。
  • ウェスト・ピッカー:ごみ処分しょぶん成熟せいじゅくしていない(処理しょりなどをおこなう)こくでは、最終さいしゅう処分しょぶんじょうにおいて個人こじんによる有価ゆうかぶつ収集しゅうしゅうおこなわれ、結果けっかてきにリサイクルのたまき一翼いちよくにな[19]

取引とりひき[編集へんしゅう]

回収かいしゅう業者ぎょうしゃ回収かいしゅうされた、資源しげんごみは分別ふんべつ不純物ふじゅんぶつのぞいたり、材質ざいしつなどで分別ふんべつする)または洗浄せんじょうされることによってさい資源しげん業者ぎょうしゃ売却ばいきゃくされる。これによって回収かいしゅう業者ぎょうしゃ運営うんえい費用ひよう雇用こよう賃金ちんぎんまかなわれているという実態じったいがある。資源しげんごみは人件じんけんやす途上とじょうこくからは一定いってい需要じゅようがあり、おも先進せんしんこく回収かいしゅう業者ぎょうしゃから途上とじょうこくさい資源しげん業者ぎょうしゃ資源しげんごみが「輸出ゆしゅつ」され、輸入ゆにゅうされたくにさい資源しげん業者ぎょうしゃ代価だいか支払しはらうといった貿易ぼうえき関係かんけい存在そんざいする。これが後述こうじゅつのリサイクルの課題かだいにもつながっている。

リサイクルよう資源しげんは、各国かっこく国内こくない需要じゅよう供給きょうきゅう一致いっちしないために貿易ぼうえきおこなわれる。需給じゅきゅう不一致ふいっち原因げんいんは、 (1) ある製品せいひんのリサイクルはおな製品せいひん使つかわれない場合ばあいがある、 (2) 再生さいせい資源しげん発生はっせいするタイミングと再生さいせい資源しげん利用りようしたいタイミングがわない、 (3) 製品せいひんつくられた地域ちいき廃棄はいきされた地域ちいきことなる、などがある。再生さいせい資源しげん貿易ぼうえきは、資源しげん有効ゆうこう利用りようとして環境かんきょうめんからも便益べんえきがあるされる[20]

国連こくれん貿易ぼうえき統計とうけいによれば、2015ねん再生さいせい資源しげん輸出入ゆしゅつにゅう重量じゅうりょうじゅんでみると、上位じょういてつスクラップ(8900まんトン)、古紙こし(5800まんトン)、粒状りゅうじょうスラグ(2400まんトン)、はいプラスチック(1500まんトン)。金額きんがく上位じょういてつスクラップ(280おくドル)、どうスクラップ(210おくドル)、貴金属ききんぞくスクラップ(170おくドル)などである[21]

リサイクルの課題かだい[編集へんしゅう]

再生さいせいひん品質ひんしつ[編集へんしゅう]

回収かいしゅうひん不純物ふじゅんぶつ混入こんにゅうすると再生さいせいひん品質ひんしつちる。たとえば古紙こしラミネートなどが混入こんにゅうしていてそれの再生さいせい工場こうじょうでの除去じょきょがうまくゆかないと再生さいせいひん品質ひんしつちる。そのため、再生さいせい業者ぎょうしゃ不純物ふじゅんぶつ除去じょきょ技術ぎじゅつ向上こうじょうや、資源しげんごみをもの分別ふんべつをしっかりおこなうことがのぞまれており、資源しげん回収かいしゅうおこな自治体じちたい回収かいしゅう業者ぎょうしゃなどによって「分別ふんべつ徹底てっていのおねがい」などの広報こうほうがなされることもある。再生さいせいひん再生さいせいかえすうちに品質ひんしつ次第しだい低下ていかする傾向けいこうがあるので、あたらしい材料ざいりょうへの再生さいせいざい混合こんごうりつ一定いってい程度ていどおさえるなどの工夫くふうがされる場合ばあいもある。[ちゅう 1]

リサイクルのエネルギー[編集へんしゅう]

一般いっぱんに、鉱物こうぶつ資源しげん植物しょくぶつ資源しげんから(ゼロから)つくるよりはリサイクルに必要ひつようなエネルギーはすくないので、リサイクルのほうが経済けいざいてきであり、またエネルギー効率こうりつからても有利ゆうりなことはおおい。たとえば優秀ゆうしゅうれいげると、ボーキサイトからアルミの地金じがね製造せいぞうするのとくらべて、アルミかんからアルミ地金じがねつく場合ばあいわずか3%のエネルギーでむ(つまり97%の電力でんりょく節約せつやくできる)。一般いっぱんに、鉱物こうぶつ資源しげん植物しょくぶつ資源しげんなどから製品せいひん製造せいぞうするのにもおおきなエネルギーが必要ひつようであるが、リサイクルもエネルギーが(ゼロ)ですみむというわけではなくそれなりに必要ひつようとなる。リサイクルをエントロピーという観点かんてんから分析ぶんせき課題かだい意識いしきひともいる。

リサイクルと資源しげんごみの国際こくさいてき移動いどう[編集へんしゅう]

2010年代ねんだい中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく資源しげんごみ最大さいだい輸入ゆにゅうこくであり、2016ねんはいプラスチック輸入ゆにゅうりょうは730まんトンにおよんでいた。しかしながら資源しげんごみにふくまれる汚染おせん物質ぶっしつが、リサイクルの過程かてい国内こくない環境かんきょうあたえる影響えいきょう座視ざしできないレベルとなったため、2017ねん7がつ18にち中国ちゅうごく当局とうきょくWTOたいして2018ねんよりはいプラスチックや分別ふんべつ古紙こしなどの一部いちぶ廃棄はいきぶつ輸入ゆにゅう停止ていしすることを通告つうこく。2018ねん1がつより実行じっこうされた[22]一方いっぽう中国ちゅうごく輸入ゆにゅう停止ていしけて、資源しげんごみの輸出ゆしゅつこくであった大韓民国だいかんみんこくではうしなったはいプラスチックなどがだぶつき、既存きそんのリサイクルシステムが打撃だげきける状況じょうきょうられた[23]。イギリスでも、リサイクルけに回収かいしゅうされたプラスチックのほぼ全量ぜんりょう中国ちゅうごくおくっていたこともあり、中国ちゅうごく停止ていしけて従来じゅうらいからのリサイクルシステムが崩壊ほうかいはいプラスチックの焼却しょうきゃく処理しょり余儀よぎなくされている[24]日本にっぽんはこれまで、はいプラスチックの大半たいはん中国ちゅうごく輸出ゆしゅつしていたが、中国ちゅうごく停止ていしけて、2018ねん以降いこう輸出ゆしゅつりょう減少げんしょうしている。2019ねん日本にっぽんはいプラスチックの輸出ゆしゅつりょう前年ぜんねん10.9%げんの89まん8000トンだった。はいプラスチックの輸出ゆしゅつりょうは2014ねん以降いこう減少げんしょうつづけていたが、100まんトンをるのは2004ねん(84まん9,000トン)以来いらい[25]

新品しんぴんとの価格かかく競争きょうそう[編集へんしゅう]

リサイクル製品せいひんは、さい利用りよう再生さいせいようするコストが上乗うわのせされるため、新品しんぴんとの価格かかく競争きょうそうにおいて不利ふりになることがある。2020ねん前半ぜんはん2019新型しんがたコロナウイルス感染かんせん拡大かくだいなどが要因よういんとなり原油げんゆ価格かかく下落げらく、プラスチック製品せいひん原料げんりょう安価あんかになったため、リサイクル製品せいひん新品しんぴんよりも割高わりだかになる現象げんしょうられ、プラスチックのリサイクル自体じたいとどこおるようになった[26]

再生さいせい過程かてい汚染おせん[編集へんしゅう]

ガーナでの金属きんぞくスクラップからのどう回収かいしゅう

ゴミなどの廃棄はいきぶつから有価ゆうかぶつ過程かていで、不適切ふてきせつ処理しょりにより有害ゆうがい物質ぶっしつ環境かんきょう放出ほうしゅつされる危険きけんせいがある。 発展はってん途上とじょうこくにおいてはそういったことは考慮こうりょされておらず、環境かんきょう労働ろうどうしゃ有害ゆうがい物質ぶっしつ暴露ばくろ病気びょうき早死はやじにつながっている。 いちれいとしては、ガーナにおけるケーブルなどの金属きんぞくスクラップからのどう回収かいしゅうがある。適正てきせい処理しょり施設しせつたないため野焼のやによっておこなわれ、大量たいりょう汚染おせん物質ぶっしつ放出ほうしゅつされている。

リサイクルシンボル[編集へんしゅう]

ユニバーサルリサイクルシンボル

国際こくさいてきに1970年代ねんだいから、ユニバーサルリサイクルシンボルもちいられている。1988ねんから「樹脂じゅし識別しきべつコード」という数字すうじくわえたものももちいられるようになり、プラスチック製品せいひん回収かいしゅうさい分別ふんべつたすけとともなっている。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ また、あたらしく製品せいひん製造せいぞうする場合ばあいでもその原材料げんざいりょう有害ゆうがい物質ぶっしつ混入こんにゅうするとにそれを拡散かくさんさせてしまうことがあるが、リサイクルでも回収かいしゅうした資材しざい有害ゆうがい物質ぶっしつ混入こんにゅうした場合ばあいも、やはりうすひろ拡散かくさんさせてしまうことがある。たとえば「コバルト60」の事例じれいがある。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ リサイクルという言葉ことば誕生たんじょう変遷へんせん、その意義いぎ課題かだい”. 環境省かんきょうしょう. 2020ねん6がつ5にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f g h i 用語ようご定義ていぎ”. 経済けいざい産業さんぎょうしょう. 2020ねん6がつ5にち閲覧えつらん
  3. ^ The action or process of converting waste into reusable material.
  4. ^ a b c d e f Encyclopedia Britanica 。PCよう完全かんぜんばん
  5. ^ a b c d スーパーニッポニカ「リサイクル」田中たなかまさる 執筆しっぴつ
  6. ^ 2024ねん5がつ8にち (2022ねん4がつ8にち). “衣類いるいかしこ処分しょぶんほう”. エコスリー. 2024ねん5がつ8にち閲覧えつらん
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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 小島こじま道一みちかず『リサイクルと世界せかい経済けいざい - 貿易ぼうえき環境かんきょう保護ほご両立りょうりつできるか』中央公論ちゅうおうこうろんしんしゃ中公新書ちゅうこうしんしょ〉、2018ねん 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]