適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん (てきせいのうぎょうきはん、Good Agricultural Practices、GAP)または農業 のうぎょう 生産 せいさん 工程 こうてい 管理 かんり (のうぎょうせいさんこうていかんり)とは、農業 のうぎょう においてある一定 いってい の成果 せいか を得 え ることを目的 もくてき として実施 じっし すべき手法 しゅほう や手順 てじゅん などをまとめた規範 きはん 、またはそれが適正 てきせい に運用 うんよう されていることを審査 しんさ ・認証 にんしょう する仕組 しく みのことである。その定義 ていぎ ・内容 ないよう は目的 もくてき によって様々 さまざま に変化 へんか するが、いずれの場合 ばあい も、良 よ い成果 せいか があがるかどうかは規範 きはん をどれだけ忠実 ちゅうじつ に適用 てきよう するかにかかっていると言 い っても過言 かごん ではない。
『適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん 』という訳語 やくご は、この考 かんが え方 かた が日本 にっぽん であまり定着 ていちゃく していなかった時期 じき に農林水産省 のうりんすいさんしょう が考案 こうあん したものだが、現在 げんざい は同省 どうしょう のホームページ内 ない でも『農業 のうぎょう 生産 せいさん 工程 こうてい 管理 かんり 』という訳語 やくご が使用 しよう されることが多 おお い (以前 いぜん に『適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん 』という訳語 やくご を使用 しよう して記述 きじゅつ した箇所 かしょ は特 とく に修正 しゅうせい されることなくそのままとなっている)。
また、実際 じっさい の生産 せいさん 現場 げんば などでは、GAP (「ギャップ」もしくは「ジーエーピー」)と呼 よ ばれることも多 おお い。
従来 じゅうらい の生産 せいさん 現場 げんば では、結果 けっか 管理 かんり という手法 しゅほう が多 おお く採用 さいよう されてきた。
これは出来上 できあ がった産物 さんぶつ を検査 けんさ して問題 もんだい が発生 はっせい してから対処 たいしょ を行 おこな う方法 ほうほう である。
確 たし かにこの方法 ほうほう は安全 あんぜん 性 せい は高 たか いが、多額 たがく の検査 けんさ 費用 ひよう が掛 か かるうえ、問題 もんだい が発生 はっせい した際 さい にどの工程 こうてい で問題 もんだい が発生 はっせい したかを判別 はんべつ しづらいという問題 もんだい 点 てん があった[1] 。
そこで適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん では、工程 こうてい 管理 かんり という手法 しゅほう が採用 さいよう されている。
これはあらかじめ問題 もんだい が発生 はっせい する可能 かのう 性 せい の高 たか い要因 よういん とその対処 たいしょ 法 ほう を挙 あ げ、問題 もんだい が発生 はっせい する前 まえ にその要因 よういん を排除 はいじょ する (または問題 もんだい が発生 はっせい した後 のち でも、排除 はいじょ していなかった要因 よういん が原因 げんいん である可能 かのう 性 せい が高 たか いと考 かんが えられる)という方法 ほうほう である[1] 。
それに加 くわ えて、グローバルGAPやJGAP (以下 いか に記述 きじゅつ )などの危険 きけん 要因 よういん の排除 はいじょ が適正 てきせい に行 おこな われているかどうかを審査 しんさ する制度 せいど も普及 ふきゅう してきている。
これにより、従来 じゅうらい の方法 ほうほう と比 くら べて低 てい コストで柔軟 じゅうなん 性 せい の高 たか い危機 きき 管理 かんり が可能 かのう となった。
適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん には各 かく 生産 せいさん 段階 だんかい ごとにそれぞれ決 き まったステップが用意 ようい されているが、最終 さいしゅう 的 てき に運用 うんよう 法 ほう の割 わ り振 ふ りや決断 けつだん をするのは生産 せいさん 者 しゃ 自身 じしん である。
これは全体 ぜんたい を通 とお して高 こう 品質 ひんしつ の、すなわち包括 ほうかつ 的 てき な管理 かんり 戦略 せんりゃく を確立 かくりつ することが目的 もくてき であり、運用 うんよう 法 ほう によって産物 さんぶつ や生産 せいさん 現場 げんば の状況 じょうきょう は様々 さまざま に変化 へんか し、それに対応 たいおう する能力 のうりょく ・技術 ぎじゅつ を意図 いと 的 てき に調整 ちょうせい することも可能 かのう となる。
このような管理 かんり 戦略 せんりゃく の実現 じつげん には各 かく 段階 だんかい ごとの、『知覚 ちかく 』、『理解 りかい 』、『企画 きかく 』、『測定 そくてい 』、『観察 かんさつ 』そして『記録 きろく 保存 ほぞん 』が重要 じゅうよう である。
もちろん規範 きはん の運用 うんよう 法 ほう によってはより高 たか い生産 せいさん 性 せい を獲得 かくとく することができる可能 かのう 性 せい もあるが、体制 たいせい の転換 てんかん やマーケティングには大 おお きな費用 ひよう がかかるうえ、結局 けっきょく それにより値段 ねだん の高 たか い商品 しょうひん を買 か わされるはめになるのは消費 しょうひ 者 しゃ である。
オーストラリア国際 こくさい 農業 のうぎょう 研究 けんきゅう センター (英語 えいご 版 ばん ) (Australian Centre for International Agricultural Research、ACIAR)が発表 はっぴょう した、生産 せいさん 費用 ひよう を最低限 さいていげん まで切 き り詰 つ めかつ農作物 のうさくもつ の品質 ひんしつ も維持 いじ することを目標 もくひょう とした内容 ないよう の一連 いちれん のインターネット刊行 かんこう 物 ぶつ は多 おお くの農業 のうぎょう 関係 かんけい 者 しゃ の支持 しじ を得 え ている[2] 。
適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん には、主要 しゅよう な農業 のうぎょう 生態 せいたい 地理 ちり 学 がく 的 てき 地域 ちいき (詳 くわ しくはエコリージョン を参照 さんしょう )毎 ごと の総合 そうごう 生産 せいさん 技術 ぎじゅつ に関 かん するデータベース の保守 ほしゅ も必要 ひつよう な要素 ようそ のひとつだ。つまりは地理 ちり 学 がく 的 てき 背景 はいけい に即 そく した適正 てきせい 規範 きはん に関 かん する情報 じょうほう の『収集 しゅうしゅう 』、『分析 ぶんせき 』、『周知 しゅうち 』である。
ここ近年 きんねん 、農業 のうぎょう を取 と り巻 ま く環境 かんきょう が急速 きゅうそく に変化 へんか するのに伴 ともな い、適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん の内容 ないよう も変化 へんか していく傾向 けいこう にある。具体 ぐたい 例 れい を挙 あ げるのであれば、世界 せかい 規模 きぼ での貿易 ぼうえき の拡大 かくだい 、牛 うし 海綿 かいめん 状 じょう 脳症 のうしょう (いわゆる『BSE問題 もんだい 』)などの食 しょく の安全 あんぜん に対 たい する危機 きき 、硝酸塩 しょうさんえん による水質 すいしつ 汚濁 おだく などの公害 こうがい 問題 もんだい 、薬剤 やくざい 抵抗 ていこう 性 せい 病害虫 びょうがいちゅう の出現 しゅつげん 、土壌 どじょう 侵食 しんしょく の拡大 かくだい などである。
各国 かっこく 政府 せいふ により適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん の運用 うんよう 方法 ほうほう についての研究 けんきゅう が行 おこな われており、農業 のうぎょう 関係 かんけい 者 しゃ や専門 せんもん 家 か などで組織 そしき された非 ひ 政府 せいふ 組織 そしき や民間 みんかん 組織 そしき からのニーズも大 おお きいのだが、その運用 うんよう 方法 ほうほう の中 なか で全体 ぜんたい 論 ろん や事前 じぜん 調整 ちょうせい の考 かんが え方 かた が尊重 そんちょう されていることはごく稀 まれ である。
以下 いか では、各国 かっこく や各 かく 地域 ちいき で実際 じっさい に提唱 ていしょう ・実施 じっし されている規範 きはん の具体 ぐたい 例 れい を記述 きじゅつ する。
国際 こくさい 連合 れんごう 食糧 しょくりょう 農業 のうぎょう 機関 きかん の適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん [ 編集 へんしゅう ]
国際 こくさい 連合 れんごう 食糧 しょくりょう 農業 のうぎょう 機関 きかん (Food and Agriculture Organization、FAO) が提唱 ていしょう している適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん とは、実際 じっさい の農業 のうぎょう の現場 げんば で適用 てきよう されるべき原則 げんそく をまとめたものである。
その目的 もくてき は安全 あんぜん で健康 けんこう 的 てき な食 しょく と非 ひ 食品 しょくひん 分野 ぶんや の農業 のうぎょう を守 まも り、同時 どうじ に経済 けいざい 的 てき な利益 りえき も確保 かくほ することで、社会 しゃかい 的 てき にも環境 かんきょう 的 てき にも持続 じぞく 可能 かのう な農業 のうぎょう をつくりあげることにある。
元々 もともと は、同 どう 組織 そしき が1970年代 ねんだい に農薬 のうやく 使用 しよう に関連 かんれん した規範 きはん を作成 さくせい したのが始 はじ まりで、これが適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん の元祖 がんそ とされている[3] 。
現在 げんざい の規範 きはん はそれらの分析 ぶんせき ・発展 はってん を繰 く り返 かえ して完成 かんせい したものである。
この規範 きはん は様々 さまざま な種類 しゅるい ・規模 きぼ の農業 のうぎょう 現場 げんば で適用 てきよう されることが推奨 すいしょう されており、持続 じぞく 可能 かのう な農業 のうぎょう の手法 しゅほう として、総合 そうごう 的 てき 病害虫 びょうがいちゅう 管理 かんり や総合 そうごう 的 てき 肥料 ひりょう 管理 かんり (integrated fertilizer management)、保全 ほぜん 農業 のうぎょう (英語 えいご 版 ばん ) などが紹介 しょうかい されている。これらは基本 きほん 的 てき に次 つぎ の4つの原則 げんそく に則 のっと ったものである。
利益 りえき 的 てき にも効率 こうりつ 的 てき にも充分 じゅうぶん な収穫 しゅうかく 量 りょう を実現 じつげん し、安全 あんぜん で栄養 えいよう 価 か も高 たか い作物 さくもつ をつくる[4] ;
豊 ゆた かな自然 しぜん 資源 しげん の更 さら なる強化 きょうか と維持 いじ に努 つと める;
持続 じぞく 可能 かのう な農業 のうぎょう を通 とお して、持続 じぞく 可能 かのう な開発 かいはつ と労働 ろうどう 者 しゃ の生計 せいけい を確立 かくりつ させる;
社会 しゃかい の文化 ぶんか 的 てき ・社会 しゃかい 的 てき な需要 じゅよう に見合 みあ った農業 のうぎょう を行 おこな う。
土壌 どじょう に関連 かんれん した適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん の例 れい [ 編集 へんしゅう ]
農業 のうぎょう を語 かた る上 じょう で欠 か かせない要素 ようそ のひとつが土壌 どじょう である。国際 こくさい 連合 れんごう 食糧 しょくりょう 農業 のうぎょう 機関 きかん が提唱 ていしょう する適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん のうち、土壌 どじょう に関連 かんれん する事項 じこう としては主 おも に次 つぎ のようなものが挙 あ げられる。
風 ふう や水 みず による土壌 どじょう の浸食 しんしょく は、生垣 いけがき や水路 すいろ を整備 せいび することにより軽減 けいげん させる;
肥料 ひりょう の適切 てきせつ な時期 じき (作物 さくもつ にとって肥料 ひりょう が必要 ひつよう 不可欠 ふかけつ な時期 じき )と適量 てきりょう を守 まも って使用 しよう することにより表面 ひょうめん 流出 りゅうしゅつ を軽減 けいげん させる (窒素 ちっそ バランスは特 とく に植物 しょくぶつ の成長 せいちょう には重要 じゅうよう );
有機 ゆうき 肥料 ひりょう の使用 しよう や、放牧 ほうぼく 、輪作 りんさく などを行 おこな うことにより、有機物 ゆうきぶつ を多 おお く含 ふく んだ肥 ひ よくな土壌 どじょう を保全 ほぜん または回復 かいふく させる;
土 ど が痩 や せてしまうのを防 ふせ ぐ (重 じゅう 機械 きかい の使用 しよう はなるべく避 さ けることが望 のぞ ましい);
無理 むり な作付 さくづ けを行 おこな わず、適度 てきど に土 ど を休 やす ませることで、土壌 どじょう の構成 こうせい バランスを保 たも つ[5] ;
生育 せいいく したマメ類 るい (ササゲ 、ホースグラム 、サンヘンプ (英語 えいご 版 ばん ) など)を緑肥 りょくひ として鋤 す きこむ。
水 みず に関連 かんれん した適性 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん の例 れい [ 編集 へんしゅう ]
農業 のうぎょう には土壌 どじょう のみならず、水 みず も必須 ひっす 要素 ようそ のひとつである。ゆえにこの適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん の中 なか には水 みず に関係 かんけい するものも多 おお く存在 そんざい する。
植物 しょくぶつ の育成 いくせい に適 てき するような、計画 けいかく 的 てき な灌がい を行 おこな うことで、土壌 どじょう の水分 すいぶん が不足 ふそく するのを防 ふせ ぐ;
土壌 どじょう に適度 てきど な水分 すいぶん を補給 ほきゅう し、水 みず の循環 じゅんかん を促 うなが すことは、塩害 えんがい を防止 ぼうし することにも繋 つな がる;
水不足 みずぶそく で収穫 しゅうかく 量 りょう が低 ひく かった地域 ちいき でも収穫 しゅうかく 量 りょう の伸 の びが期待 きたい できる;
水 みず や肥料 ひりょう の表面 ひょうめん 流出 りゅうしゅつ を防 ふせ ぐ;
恒常 こうじょう 的 てき に存在 そんざい する土壌 どじょう を維持 いじ し、特 とく に冬場 ふゆば に窒素 ちっそ が流出 りゅうしゅつ するのを防止 ぼうし する;
水 みず を厳重 げんじゅう に管理 かんり することで水 みず の過剰 かじょう な使用 しよう を抑制 よくせい する;
湿原 しつげん を保存 ほぞん または甦 よみがえ らせる効果 こうか が期待 きたい できる (沼 ぬま を参照 さんしょう );
家畜 かちく には水質 すいしつ の良 よ い水 みず が必要 ひつよう である[6] ;
使用 しよう される水 みず は、地下水 ちかすい を掘 ほ ったり、ダムを築 きず くことで確保 かくほ する。
動物 どうぶつ の活動 かつどう や動物 どうぶつ の健康 けんこう 福祉 ふくし に関連 かんれん した適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん の例 れい [ 編集 へんしゅう ]
公害 こうがい や家畜 かちく を介 かい して発生 はっせい する疾患 しっかん ・伝染 でんせん 病 びょう などの食 しょく に対 たい する安全 あんぜん 性 せい の問題 もんだい 、現場 げんば で日常 にちじょう 的 てき に繰 く り返 かえ されている動物 どうぶつ 虐待 ぎゃくたい まがいの行為 こうい などが問題 もんだい となり、次 つぎ のような事項 じこう も重要 じゅうよう 視 し されるようになってきた。
動物 どうぶつ の生命 せいめい 活動 かつどう を尊重 そんちょう する (飢餓 きが や渇 かわ きからの解放 かいほう 、不快 ふかい からの解放 かいほう 、痛 いた み・傷 きず ・病 やまい からの解放 かいほう 、不自由 ふじゆう なく日常 にちじょう を過 す ごせる、恐怖 きょうふ や苦 くる しみからの解放 かいほう );
治療 ちりょう 目的 もくてき 以外 いがい ではなるべく動物 どうぶつ を傷 きず つけることは避 さ ける (ドッキング (英語 えいご 版 ばん ) (意図 いと 的 てき に尾 お や耳 みみ を切断 せつだん する行為 こうい )や、ディビーキング (英語 えいご 版 ばん ) (鳥類 ちょうるい のくちばしを切断 せつだん する行為 こうい )など);
景観 けいかん ・環境 かんきょう ・健康 けんこう にとってマイナスに影響 えいきょう するようなことは避 さ ける (特 とく に家畜 かちく ・作物 さくもつ ・水 みず ・空気 くうき を汚染 おせん するような行為 こうい );
システム 構造 こうぞう が破綻 はたん しないよう、商品 しょうひん 現物 げんぶつ や生産 せいさん 工程 こうてい には常 つね に目 め を配 くば る;
化学 かがく 製品 せいひん や医療 いりょう 製品 せいひん が食物 しょくもつ 連鎖 れんさ に影響 えいきょう を与 あた えないように注意 ちゅうい する;
医療 いりょう 目的 もくてき 以外 いがい ではなるべく抗生 こうせい 物質 ぶっしつ やホルモン の使用 しよう は極力 きょくりょく 避 さ ける;
動物 どうぶつ が、自他 じた のものを問 と わず動物 どうぶつ の内臓 ないぞう や排泄 はいせつ 物 ぶつ を食 た べてしまわないように注意 ちゅうい する (悪性 あくせい ウイルス ・変質 へんしつ 遺伝子 いでんし ・プリオン (特 とく にBSEの原因 げんいん 物質 ぶっしつ となるもの)のリスクを軽減 けいげん させることができる);
生 い きた動物 どうぶつ の輸送 ゆそう は最小限 さいしょうげん に止 と める (口蹄疫 こうていえき などに代表 だいひょう されるような、伝染 でんせん 病 びょう のリスクを軽減 けいげん させる);
廃棄 はいき 物 ぶつ の流出 りゅうしゅつ (豚 ぶた を飼育 しいく する上 じょう で発生 はっせい する硝酸塩 しょうさんえん による水質 すいしつ 汚濁 おだく など)・栄養素 えいようそ の流出 りゅうしゅつ ・温室 おんしつ 効果 こうか ガス (牛 うし を飼育 しいく する上 じょう で発生 はっせい するメタンガス など)の排出 はいしゅつ は避 さ ける;
設備 せつび ・装置 そうち の操作 そうさ に関 かん しては、安全 あんぜん 基準 きじゅん を徹底 てってい させる;
消費 しょうひ 者 しゃ の安全 あんぜん や、食 しょく の安全 あんぜん に対 たい する危機 きき への備 そな えとして、生産 せいさん 工程 こうてい (飼育 しいく ・飼料 しりょう ・医療 いりょう 処置 しょち など)全体 ぜんたい を通 とお してトレーサビリティ のプロセスを適用 てきよう する (ダイオキシン類 るい に対 たい してなど)[7] 。
健康 けんこう 管理 かんり や公衆 こうしゅう 衛生 えいせい に関連 かんれん した適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん の例 れい [ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん の適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん [ 編集 へんしゅう ]
他国 たこく (特 とく に欧米 おうべい 諸国 しょこく )に比 くら べて普及 ふきゅう に遅 おく れを取 と っていたが、近年 きんねん のグローバル化 か (食品 しょくひん の輸出入 ゆしゅつにゅう の増加 ぞうか による国際 こくさい 競争 きょうそう の激化 げきか )や食 しょく の安全 あんぜん に対 たい する問題 もんだい 、さらに2020年 ねん の東京 とうきょう オリンピック ・パラリンピック の選手 せんしゅ 村 むら に納入 のうにゅう する食材 しょくざい のGAP認証 にんしょう の必須 ひっす 化 か [10] などもあって、農林水産省 のうりんすいさんしょう も導入 どうにゅう に積極 せっきょく 的 てき な動 うご きを見 み せる[11]
[12]
[13]
など、農業 のうぎょう 適正 てきせい 規範 きはん の考 かんが え方 かた は国内 こくない でも徐々 じょじょ に浸透 しんとう してきている。
イオン などの企業 きぎょう が独自 どくじ にグローバルGAP (詳 くわ しくは以下 いか に記述 きじゅつ )に匹敵 ひってき する基準 きじゅん の農家 のうか 監査 かんさ 制度 せいど を導入 どうにゅう している[14] (トップバリュ )ほか、一般 いっぱん 財団 ざいだん 法人 ほうじん の日本 にっぽん GAP協会 きょうかい がJGAP (ジェイギャップ、Japan Good Agricultural Practice)の普及 ふきゅう を目指 めざ している[3] 。
しかし、そのほかにも各 かく 地域 ちいき の自治体 じちたい や農業 のうぎょう 協同 きょうどう 組合 くみあい などが作成 さくせい した規範 きはん も多数 たすう 存在 そんざい しており[15] 、
日本 にっぽん 国内 こくない だけでも様々 さまざま なGAPが乱立 らんりつ してきたが、2016年 ねん から農林水産省 のうりんすいさんしょう は日本 にっぽん 発 はつ の国際 こくさい 的 てき に通用 つうよう するGAPとしてJGAP Advanceの推進 すいしん を進 すす めており、日系 にっけい 企業 きぎょう のみならず外資 がいし 系 けい 企業 きぎょう もJGAPを利用 りよう し始 はじ めていることから、日本 にっぽん のデファクトスタンダードGAP(事実 じじつ 上 じょう の標準 ひょうじゅん )との位置 いち づけになりつつある。
日本 にっぽん GAP協会 きょうかい (旧 きゅう JGAI協会 きょうかい )が日本 にっぽん 国内 こくない の統一 とういつ 基準 きじゅん を確立 かくりつ する目的 もくてき で2005年 ねん にスタートさせた農場 のうじょう 審査 しんさ ・認証 にんしょう 制度 せいど で、特 とく に青果物 せいかぶつ 部門 ぶもん [16] は、チェックリストの内容 ないよう においてグローバルGAPとの同等 どうとう 性 せい 認証 にんしょう を有 ゆう していたが、現在 げんざい は同等 どうとう 性 せい 認証 にんしょう は得 え ていない。近年 きんねん は日系 にっけい の小売 こうり 業 ぎょう や食品 しょくひん メーカーのみならず、外資 がいし 系 けい の企業 きぎょう がJGAPを利用 りよう しており、グローバルGAPとの同等 どうとう 性 せい の有無 うむ は実際 じっさい の取引 とりひき 現場 げんば には影響 えいきょう がほとんどない。
2015年 ねん 7月 がつ にJGAPを主宰 しゅさい する日本 にっぽん GAP協会 きょうかい は公益 こうえき 財団 ざいだん 法人 ほうじん 日本 にっぽん 適合 てきごう 性 せい 認定 にんてい 協会 きょうかい と覚書 おぼえがき を取 と り交 か わし国際 こくさい 的 てき 認証 にんしょう への格上 かくあ げを図 はか っている。国際 こくさい 的 てき に通用 つうよう する認証 にんしょう 制度 せいど の判断 はんだん 基準 きじゅん として、GFSI(Global Food Safety Initiative、世界 せかい 食品 しょくひん 安全 あんぜん イニシアチブ)承認 しょうにん の有無 うむ を使 つか うのが一 ひと つの方法 ほうほう だが、JGAPはGFSI承認 しょうにん を取得 しゅとく する方針 ほうしん であることを2014年 ねん に発表 はっぴょう し、そのための改版 かいはん も2016年 ねん に終 お えている。JGAPには英語 えいご 版 ばん 、中国 ちゅうごく 語 ご 版 ばん 、韓国 かんこく 語 ご 版 ばん もあり、海外 かいがい にも認証 にんしょう 農場 のうじょう が増 ふ え、国際 こくさい 的 てき な広 ひろ がりが出 で てきている。
審査 しんさ 項目 こうもく は、農場 のうじょう ・農作物 のうさくもつ の管理 かんり 方法 ほうほう から労働 ろうどう 者 しゃ の安全 あんぜん 福祉 ふくし や農場 のうじょう の経営 けいえい 状態 じょうたい に至 いた るまで多岐 たき にのぼっていて、ISO17065(製品 せいひん 認証 にんしょう )に基 もと づく高 たか い基準 きじゅん の審査 しんさ が行 おこな われている。審査 しんさ は日本 にっぽん GAP協会 きょうかい 及 およ び日本 にっぽん 適合 てきごう 性 せい 認定 にんてい 協会 きょうかい の承認 しょうにん を受 う けた企業 きぎょう ・団体 だんたい によって行 おこな われ、審査 しんさ に合格 ごうかく すれば認証 にんしょう 農場 のうじょう の証明 しょうめい 書 しょ と出荷 しゅっか する産品 さんぴん の包装 ほうそう に『JGAP認証 にんしょう 農場 のうじょう マーク』を記載 きさい する権利 けんり (認証 にんしょう を受 う けた後 のち に更 さら なる手続 てつづ きが必要 ひつよう )が与 あた えられる。
ヨーロッパの適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん [ 編集 へんしゅう ]
一般 いっぱん 的 てき にはグローバルGAP (GLOBALGAP)またはユーレップGAP (EUREPGAP)と呼 よ ばれ、事実 じじつ 上 じょう の世界 せかい 基準 きじゅん となっている。
元々 もともと は、1997年 ねん にヨーロッパ にあるいくつかのスーパーマーケット チェーンとその仕入 しいれ 先 さき 業者 ぎょうしゃ の連合 れんごう (欧州 おうしゅう 小売 こうり 業 ぎょう 協会 きょうかい (ユーレップ、EUREP))がユーレップGAPという名称 めいしょう でこの制度 せいど をスタートさせた[3] 。
その目的 もくてき は、小売 こうり 業者 ぎょうしゃ 側 がわ が多様 たよう な仕入 しいれ 先 さき 業者 ぎょうしゃ 側 がわ に対 たい して活用 かつよう できる基準 きじゅん を設 もう けることにあったが、農家 のうか に対 たい する問題 もんだい 提起 ていき という側面 そくめん も兼 か ねていた。
特 とく に法的 ほうてき な拘束 こうそく 力 りょく はないが、最近 さいきん ではヨーロッパの多 おお くの客層 きゃくそう (主 おも には小売 こうり ・卸売 おろしう り業者 ぎょうしゃ など)が、その産品 さんぴん がユーレップGAP認証 にんしょう を受 う けているかどうかを重視 じゅうし する傾向 けいこう にあり、農業 のうぎょう ビジネスを語 かた る上 じょう では欠 か かすことのできない要素 ようそ のひとつとなっている。
特 とく に2005年 ねん 以降 いこう は、欧州 おうしゅう 小売 こうり 業 ぎょう 協会 きょうかい に加盟 かめい している小売 こうり 店 てん ではこの基準 きじゅん をクリアした産品 さんぴん 以外 いがい は店頭 てんとう に並 なら べない方針 ほうしん を打 う ち出 だ した[3] ことから、制度 せいど の普及 ふきゅう が急激 きゅうげき に進 すす んだ。
この成功 せいこう を受 う け、この事例 じれい をモデルにヨーロッパ諸国 しょこく 以外 いがい でもGAP手法 しゅほう を導入 どうにゅう する動 うご きが急激 きゅうげき に広 ひろ まった。
主 おも にこの規範 きはん の基 もと になっているのは、国際 こくさい 連合 れんごう 食糧 しょくりょう 農業 のうぎょう 機関 きかん が発表 はっぴょう した危害 きがい 分析 ぶんせき 重要 じゅうよう 管理 かんり 点 てん (Hazard Analysis and Critical Control Point、HACCP) の考 かんが え方 かた で、ISO Guide 65が認証 にんしょう を行 おこな っている[要 よう 出典 しゅってん ] 。
この制度 せいど の対象 たいしょう となる産品 さんぴん の種類 しゅるい は、野菜 やさい ・果物 くだもの ・穀物 こくもつ ・畜産 ちくさん 物 ぶつ ・養殖 ようしょく 食品 しょくひん ・花 はな /観葉 かんよう 植物 しょくぶつ である[12] 。
他 た の農場 のうじょう 認証 にんしょう 制度 せいど とは異 こと なり、この制度 せいど は生産 せいさん 者 しゃ にとって非常 ひじょう に厳格 げんかく であり、各 かく 生産 せいさん 段階 だんかい ごとにそれぞれ別 べつ の第三者 だいさんしゃ 機関 きかん が審査 しんさ を行 おこな っている。
審査 しんさ 役 やく は、ユーレップGAP事務 じむ 局 きょく の承認 しょうにん を受 う けた企業 きぎょう ・団体 だんたい が務 つと めることになっており、審査 しんさ に合格 ごうかく した場合 ばあい は証明 しょうめい 書 しょ が交付 こうふ される。
ただし、JGAPと違 ちが い、包装 ほうそう に承認 しょうにん を受 う けている旨 むね を記載 きさい する行為 こうい は禁止 きんし されている。GLOBALG.A.P.は農産物 のうさんぶつ のみならず水産 すいさん 養殖 ようしょく の認証 にんしょう も行 おこな うが、水産物 すいさんぶつ だけは商品 しょうひん にGGNロゴと呼 よ ばれている消費 しょうひ 者 しゃ 向 む け認証 にんしょう マークを貼 は ることができる。主 おも にトレーサビリティを目的 もくてき とし、ロゴにGLBOALG.A.P. Number(GGN)と呼 よ ばれるトレーサビリティコードを併記 へいき して使 つか う。
2007年 ねん 9月 がつ 、ユーレップGAPは正式 せいしき 名称 めいしょう をグローバルGAPと改 あらた めた。
これは、適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん の考 かんが え方 かた がヨーロッパに限 かぎ らず多 おお くの国 くに や地域 ちいき の小売 こうり 業者 ぎょうしゃ およびその仕入 しい れ業者 ぎょうしゃ に定着 ていちゃく してきており、今後 こんご このヨーロッパ基準 きじゅん が国際 こくさい 的 てき に重要 じゅうよう な役割 やくわり を占 し めることになると考 かんが えられたためである。
この基準 きじゅん はインターネット上 じょう でも公開 こうかい されている[17] 。
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく の適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん [ 編集 へんしゅう ]
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく については、GAP/GHPプログラム (GAP/GHP Program)という制度 せいど が存在 そんざい する。
これはアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 農務 のうむ 省 しょう (United States Department of Agriculture、USDA) が、実際 じっさい に各 かく 農場 のうじょう が適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん および適正 てきせい 運用 うんよう 規範 きはん (Good Handling Practices、GHP)を適用 てきよう しているかを審査 しんさ ・認証 にんしょう する仕組 しく みである。
このプログラムのガイドラインでは食 しょく の安全 あんぜん 性 せい に重点 じゅうてん が置 お かれており、国際 こくさい 連合 れんごう 食糧 しょくりょう 農業 のうぎょう 機関 きかん で提唱 ていしょう されているような動物 どうぶつ 福祉 ふくし ・生物 せいぶつ 多様 たよう 性 せい の維持 いじ ・抗生 こうせい 物質 ぶっしつ やホルモン の使用 しよう に関 かん しては触 ふ れられていない。
このプログラムはニュージャージー州 しゅう 農務 のうむ 省 しょう のGAPやGHPを監査 かんさ する制度 せいど の導入 どうにゅう を望 のぞ む声 こえ を受 う け、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 農務 のうむ 省 しょう が作成 さくせい したものである。
しかし、その裏 うら には、農家 のうか に対 たい して結果 けっか を求 もと めGAPやGHPに固執 こしつ していた卸売 おろしう り業者 ぎょうしゃ たちの圧力 あつりょく があったとも言 い われている。
アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 農務 のうむ 省 しょう のガイドラインと原則 げんそく は、アメリカ食品 しょくひん 医薬品 いやくひん 局 きょく が1998年 ねん に発表 はっぴょう した"Guide to Minimize Microbial Food Safety Hazards for Fresh Fruits and Vegetables." (『微生物 びせいぶつ による生鮮 せいせん 青果物 せいかぶつ の食品 しょくひん 安全 あんぜん 性 せい への危害 きがい 要因 よういん を最小限 さいしょうげん にするための手引 てび き。』)を基 もと にしている。
そのほかの適正 てきせい 農業 のうぎょう 規範 きはん [ 編集 へんしゅう ]
そのほかの地域 ちいき や国々 くにぐに でもGAP手法 しゅほう を導入 どうにゅう する動 うご きが広 ひろ まっており、欧米 おうべい 諸国 しょこく 以外 いがい の地域 ちいき でも欧州 おうしゅう への輸出 ゆしゅつ 向 む け作物 さくもつ を栽培 さいばい している農場 のうじょう を中心 ちゅうしん にグローバルGAPの審査 しんさ を受 う ける農場 のうじょう が増 ふ えている。
また、グローバルGAP以外 いがい のGAP手法 しゅほう が、JGAPと同様 どうよう にグローバルGAPとの同等 どうとう 性 せい 認証 にんしょう を許可 きょか された事例 じれい も存在 そんざい する[18]
ほか、準 じゅん 会員 かいいん という形 かたち でグローバルGAPに協力 きょうりょく している機関 きかん も多数 たすう 存在 そんざい している[19] 。
台湾 たいわん GAPなどのように、グローバルGAPとの同等 どうとう 性 せい 認証 にんしょう の取得 しゅとく も申請 しんせい も行 おこな わず、独自 どくじ に研究 けんきゅう ・開発 かいはつ されたGAP手法 しゅほう も世界 せかい 各地 かくち に存在 そんざい する。
グローバルGAPとの同等 どうとう 性 せい 認証 にんしょう を取得 しゅとく した事例 じれい [ 編集 へんしゅう ]
AMAGAP (オーストラリア )
ASSURED PRODUCE (イギリス )
CERTIFIED NATURAL MEAT PROGRAM (ウルグアイ )
CHILEGAP (チリ )
FLORVERDE (コロンビア )
IP SIGILL GAP (スウェーデン )
MEXICOG.A.P. (メキシコ )
MPS-GAP (オランダ )
NATURANE (スペイン )
NATURSENSE (スペイン)
NEW ZEALAND GAP (ニュージーランド )
QS-GAP (ドイツ )
SWISSGAP HORTIKULTUR (スイス )
UNE 155000 (スペイン)
(主要 しゅよう 小売 こうり 店 てん が独自 どくじ に研究 けんきゅう ・開発 かいはつ したGAPが認証 にんしょう を得 え ている) (フランス )
CHINAGAP STANDARD AND CERTIFICATION RULE (中国 ちゅうごく )
KENYA GAP (ケニア )
注 ちゅう 1:一部 いちぶ の部門 ぶもん だけが認証 にんしょう を受 う けているもの/仮 かり 認証 にんしょう 段階 だんかい のものを含 ふく む
注 ちゅう 2:ここに示 しめ した情報 じょうほう は2010年 ねん 4月 がつ 16日 にち 現在 げんざい のもの
グローバルGAPとの同等 どうとう 性 せい 認証 にんしょう 取得 しゅとく を申請 しんせい 中 ちゅう の事例 じれい [ 編集 へんしゅう ]
COLOMBIAGAP (コロンビア)
AT-GAP (韓国 かんこく )
SalmonG.A.P. (チリ)
KFC SILVER STANDARD (ケニア)
THAIGAP (タイ )
注 ちゅう :ここに示 しめ した情報 じょうほう は2010年 ねん 4月 がつ 16日 にち 現在 げんざい のもの
Luning, edited by P. A.; Devlieghere, F.; Verhé, R. (2006年 ねん ), Safety in the agri-food chain , Wageningen, The Netherlands: Wageningen Academic Publishers, ISBN 9076998779 , OCLC 60375200
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