エピデミック

エピデミック（英えい: epidemic、過か感染かんせん）とは、世界せかい保健ほけん機関きかん (WHO) の定義ていぎによると、明あきらかに正常せいじょうな数値すうちを超こえた症例しょうれいが地域ちいきや社会しゃかいで発生はっせいしていることを指さす言葉ことばである。

語源ごげん

後期こうきラテン語らてんごを経へて、更さらにフランス語ふらんすごのépidémieからépidémiqueを経へて英単語えいたんごで名詞めいしや形容詞けいようしとして使つかわれる言葉ことばになった。

内容ないよう

エピデミックを表現ひょうげんする方法ほうほうは人ひとによって多種たしゅ多様たようであり、ロンドン大学だいがく衛生えいせい熱帯ねったい医学いがく大学院だいがくいんのロザリンド・エゴ准じゅん教授きょうじゅは、エピデミックをある地域ちいきで症状しょうじょうが広ひろがり、ピークからあり、そこから症状しょうじょう者しゃ数すうなどが減へることを指さす言葉ことばとして説明せつめいしている。

アメリカ疾病しっぺい予防よぼう管理かんりセンター (CDC) によると、エピデミックはアウトブレイクと同おなじ定義ていぎを持もっているが、アウトブレイクの方ほうがより限かぎられた地理ちり的てきな地域ちいきを表あらわしている。

また、これが複数ふくすうの国くにや大陸たいりくに広ひろがる事態じたいをパンデミックという。

エピデミックは、これまで流行りゅうこうがなかった地域ちいきに感染かんせん症しょうがみられる予期よきせぬ状況じょうきょうを指さす言葉ことばでもあり、予測よそくが困難こんなんなものとされている。

歴史れきし

エピデミックという言葉ことばを最初さいしょに用もちいたのは吟遊詩人ぎんゆうしじんの「ホメーロス」で、著書ちょしょ『オデュッセイア』に用もちいた。

後のちに、ヒポクラテスが自みずからの論文ろんぶんのタイトルに用もちいたことから医療いりょう的てきな意味いみもつけられた。

当時とうじ、エピデミックは赤痢せきりや咳せきなどの臨床りんしょう症候群しょうこうぐんにつけられていた。

実例じつれい

• 2020年ねん1月がつに世界せかい保健ほけん機関きかん (WHO) によって行おこなわれた緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん (PHEIC) では、新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょう (COVID-19) の流行りゅうこうがエピデミックを引ひき起おこしている状態じょうたいにあることを認みとめている。後のちに、この流行りゅうこうは全ぜん世界せかい規模きぼに拡大かくだいしており「パンデミック」として認みとめられている。
• 毎年まいとしのように流行りゅうこうするインフルエンザもこの一いち例れいに挙あげられる。

作品さくひん

ここではタイトルに「エピデミック」という言葉ことばが入はいる作品さくひん、または内容ないようがエピデミックに関かんする作品さくひんを紹介しょうかいする。

• ラース・フォン・トリアー『エピデミック』(1987)
• 川端かわばた裕人ひろと『エピデミック』(2009)