ハクスリー による
人種 じんしゅ 区分 くぶん (1870
年 ねん )
ネグロイド人種 じんしゅ コーカソイド人種 じんしゅ オーストラロイド人種 じんしゅ モンゴロイド人種 じんしゅ
Meyers Konversations-Lexikon (1885–1890)人種 じんしゅ の分布 ぶんぷ 地図 ちず
人種 じんしゅ (じんしゅ、英語 えいご :Race)とは、ヒトの分類 ぶんるい の概念 がいねん [注釈 ちゅうしゃく 1] [1] [2] 。
ホモ・サピエンス と、その亜種 あしゅ に相当 そうとう すると見 み なされる集団 しゅうだん [3] [注釈 ちゅうしゃく 2] 。
自然 しぜん 的 てき な骨格 こっかく ・皮膚 ひふ ・毛髪 もうはつ 等 とう の遺伝 いでん 的 てき ・形質 けいしつ 的 てき 特徴 とくちょう で区分 くぶん した生物 せいぶつ 学 がく 的 てき な区分 くぶん 。
四 よん 大人 おとな 種 しゅ (ネグロイド (黒色 こくしょく 人種 じんしゅ 群 ぐん )、コーカソイド (白色 はくしょく 人種 じんしゅ 群 ぐん )、モンゴロイド (黄色 おうしょく 人種 じんしゅ 群 ぐん )、オーストラロイド (黒褐色 こっかっしょく 人種 じんしゅ 群 ぐん ))などの現生 げんなま 人類 じんるい の集団 しゅうだん [4] 。英語 えいご raceの日本語 にほんご 訳語 やくご [注釈 ちゅうしゃく 3] 。
現生 げんなま 人類 じんるい を地位 ちい 、職業 しょくぎょう 、環境 かんきょう 、生活 せいかつ 習慣 しゅうかん 、気質 きしつ の違 ちが いで区分 くぶん したもの[4] 。
血筋 ちすじ 。血統 けっとう [4] 。
なお、日本語 にほんご としての用例 ようれい は古 ふる く、日本 にっぽん において確認 かくにん される「人種 じんしゅ 」はいずれも、
人類 じんるい のたね[4] 。人類 じんるい の元 もと となるもの。始祖 しそ 。また、人類 じんるい [4] 。1358年 ねん 頃 ころ に成立 せいりつ したとされる「神道 しんとう 集 しゅう 」に「神明 しんめい 国 こく を守 まも る時 とき は、人種 じんしゅ 繁昌 はんじょう し天下 てんか 迸 ほとばし れり」とある[4] 〔法 ほう 苑 えん 珠 たま 林 りん ‐一 いち 〕ほか------玉 だま 塵 ちり 抄 しょう (1563)などにも用例 ようれい がある。
その場 ば にいる人数 にんずう 。また、役 やく に立 た てられる人数 にんずう 。人材 じんざい [4] 。落窪物語 ものがたり や平家 ひらか 物語 ものがたり に用例 ようれい がある[4] 。
1844年 ねん 頃 ごろ に成立 せいりつ したとされる『随筆 ずいひつ 百 ひゃく 草 くさ 』には「亜 あ 伊能 いのう (アイヌ )人種 じんしゅ 」の用例 ようれい がある[4] 。
というものであり、ヒトの分類 ぶんるい を当 あ てはめるようになったのは西洋 せいよう 文化 ぶんか が多 おお く流入 りゅうにゅう した江戸 えど 末期 まっき とされる[6]
人種 じんしゅ (ヒトの分類 ぶんるい )の概念 がいねん が虚構 きょこう であるとする考 かんが え方 かた から、人種 じんしゅ 主義 しゅぎ への批判 ひはん や反論 はんろん などの議論 ぎろん が続 つづ いている(後述 こうじゅつ )[7] [8] が、本 ほん 項 こう ではヒトの分類 ぶんるい 上 じょう における人種 じんしゅ を扱 あつか う。
もともとは、種 たね としてのホモ・サピエンスのすぐ下位 かい 、あるいは、それに次 つ ぐ分類 ぶんるい 群 ぐん として提唱 ていしょう されてきたもの[9] であり、遺伝 いでん 的 てき に多少 たしょう とも隔離 かくり された集団 しゅうだん で、他 た のどのような隔離 かくり 集団 しゅうだん とも異 こと なった集団 しゅうだん 遺伝子 いでんし 組成 そせい を有 ゆう するもの[10] とされていた[注釈 ちゅうしゃく 4] 。近代 きんだい においては、特 とく に奴隷 どれい 貿易 ぼうえき でアフリカ 人 ひと らを人身 じんしん 売買 ばいばい する過程 かてい で、分類 ぶんるい および認識 にんしき が求 もと められた。17世紀 せいき には、フランソワ・ベルニエ (フランス語 ふらんすご 版 ばん ) が『人種 じんしゅ による新 しん 大地 だいち 分割 ぶんかつ 論 ろん 』(1684)を出版 しゅっぱん し、人間 にんげん を人種 じんしゅ によって分類 ぶんるい することを論 ろん じた。このように、国民 こくみん を含 ふく む共通 きょうつう の祖先 そせん を持 も つと想定 そうてい される一群 いちぐん の人々 ひとびと という意味 いみ での人種 じんしゅ (race)の概念 がいねん は、18世紀 せいき 半 なか ばになるまでに、すでに知 し られていた。しかし、人種 じんしゅ に関 かん する偏見 へんけん や先入観 せんにゅうかん は、1750年 ねん から1950年 ねん の間 あいだ に最高潮 さいこうちょう に達 たっ した。
学説 がくせつ 史 し 的 てき にはドイツ の医師 いし ヨハン・フリードリッヒ・ブルーメンバッハ による分類 ぶんるい が人種 じんしゅ 理論 りろん の嚆矢 こうし ( こうし ) とされている。ブルーメンバッハは1775年 ねん にゲッティンゲン大学 だいがく に提出 ていしゅつ した論文 ろんぶん De generis humani varietate nativa (ヒトの自然 しぜん 的 てき 変種 へんしゅ )において頭蓋骨 ずがいこつ の比較 ひかく 研究 けんきゅう などを基礎 きそ に、コーカシア(白色 はくしょく 人種 じんしゅ )、モンゴリカ(黄色 おうしょく 人種 じんしゅ )、エチオピカ(黒色 こくしょく 人種 じんしゅ )、アメリカナ(赤色 あかいろ 人種 じんしゅ )、マライカ(茶色 ちゃいろ 人種 じんしゅ )の5種 しゅ に分類 ぶんるい した。
ブルーメンバッハの分類 ぶんるい 方法 ほうほう および定義 ていぎ の特徴 とくちょう は、ユダヤ=キリスト教 きりすときょう 的 てき 文化 ぶんか および当時 とうじ のヨーロッパ人 じん の伝統 でんとう に強 つよ く影響 えいきょう を受 う けていることにある。例 たと えばコーカシアという定義 ていぎ は、旧約 きゅうやく 聖書 せいしょ でノアの箱 はこ 舟 ぶね が辿 たど り着 つ いたとされる中央 ちゅうおう アジアのコーカサス 地方 ちほう を命名 めいめい の由来 ゆらい としており、実際 じっさい のヨーロッパ人 じん の居住 きょじゅう 地域 ちいき や特徴 とくちょう とは関係 かんけい のない定義 ていぎ である。また、モンゴリカという定義 ていぎ も単 たん なる「モンゴル人 じん 」という意味 いみ であり、当時 とうじ のヨーロッパ人 じん に知 し られていたモンゴル帝国 ていこく の人々 ひとびと を表 あらわ しているにすぎない。
初期 しょき の人類 じんるい 学 がく が成立 せいりつ したこの時代 じだい のヨーロッパは、未 いま だユダヤ=キリスト教 きりすときょう 的 てき 文化 ぶんか の伝統 でんとう に支配 しはい されていた時代 じだい であった。この時代 じだい 、『創世 そうせい 記 き 』のノアの箱 はこ 舟 ぶね が辿 たど り着 つ いたとされたアララト山 さん がある中央 ちゅうおう アジアのコーカサス地方 ちほう は、アルメニア教会 きょうかい などにとっては聖地 せいち とされており、かつ旧 きゅう 約 やく 聖書 せいしょ の創世 そうせい 記 き 1-6章 しょう では、白 しろ い色 いろ は光 ひかり ・昼 ひる ・人 にん ・善 ぜん を表 あらわ し、黒 くろ い色 いろ は闇 やみ ・夜 よる ・獣 しし ・悪 あく を表 あらわ していた。このことから、当時 とうじ の人類 じんるい 学 がく を主導 しゅどう したヨーロッパ人 じん は自分 じぶん たちを「ノアの箱 はこ 舟 ぶね で、コーカサス地方 ちほう に辿 たど り着 つ いた人々 ひとびと の子孫 しそん で、善 ぜん である白 しろ い人 ひと 」という趣旨 しゅし で、自 みずか らをコーカソイド と定義 ていぎ した[12] 。
実際 じっさい ブルーメンバッハは、様々 さまざま な人間 にんげん 集団 しゅうだん のなかで「コーカサス出身 しゅっしん 」の「白 しろ い肌 はだ の人々 ひとびと 」が最 もっと も美 うつく しくすべての人間 にんげん 集団 しゅうだん の「基本形 きほんけい 」で、他 た の4つの人類 じんるい 集団 しゅうだん はそれから「退化 たいか 」したものだと定義 ていぎ している。このような宗教 しゅうきょう 的 てき 影響 えいきょう から、現在 げんざい は同 おな じコーカソイドに分類 ぶんるい される、イタリアなど南欧 なんおう 圏 けん に居住 きょじゅう するキリスト教徒 きりすときょうと は白人 はくじん 、トルコ 及 およ びパレスチナ 地方 ちほう など中近東 ちゅうきんとう に居住 きょじゅう する異教徒 いきょうと のイスラム教徒 きょうと (ムスリム )は有色 ゆうしょく 人種 じんしゅ と規定 きてい するなど、現在 げんざい の人類 じんるい 学 がく 的 てき レベルで判断 はんだん すると非合理 ひごうり 的 てき かつ恣意 しい 的 てき な分類 ぶんるい 概念 がいねん となっている[13] 。
1813年 ねん にはブルーメンバッハの影響 えいきょう 下 か でジェイムズ・C・プリチャード (英語 えいご 版 ばん ) が『人類 じんるい の自然 しぜん 史 し 』(Researches into the Physical History of Man )を出版 しゅっぱん し、ウィリアム・ロレンス (英語 えいご 版 ばん ) とウィリアム・ウェルズ (英語 えいご 版 ばん ) とともに人間 にんげん の進化 しんか 論 ろん を展開 てんかい した。ただし、プリチャードらはあくまで自然 しぜん 科学 かがく 者 しゃ であり、たとえば「人類 じんるい の原型 げんけい は黒人 こくじん 種 しゅ であることを示 しめ す多 おお くのデータがある」とも述 の べている。ブルーメンバッハの影響 えいきょう を受 う けた他 ほか の学者 がくしゃ にはトマス・ヘンリー・ハクスリー やウィリアム・H・フラワー (英語 えいご 版 ばん ) などがいる。
ブルーメンバッハの5大 だい 分類 ぶんるい や、アンドレ・デュメリル が『分析 ぶんせき 動物 どうぶつ 学 がく 』(Zoologie analytique , 1806年 ねん )で主張 しゅちょう した6大 だい 分類 ぶんるい [14] など、最初 さいしょ 期 き の人種 じんしゅ 分類 ぶんるい はその種類 しゅるい が明確 めいかく に定義 ていぎ されていなかった。しかし次第 しだい にこうした分類 ぶんるい についての意見 いけん は、パリ大学 だいがく 学長 がくちょう のジョルジュ・キュヴィエ が自著 じちょ 『動物界 どうぶつかい (フランス語 ふらんすご 版 ばん ) 』で提示 ていじ した「ネグロイド・コーカソイド・モンゴロイド」の3大 だい 分類 ぶんるい 法 ほう が主流 しゅりゅう となり始 はじ める(この段階 だんかい ではのちにオーストラロイド とされた人 ひと たちはモンゴロイドに含 ふく められていた)。モンゴロイド は領土 りょうど こそ幾 いく 度 ど か広 ひろ げるものの文明 ぶんめい の程度 ていど は低 ひく く、ネグロイド は野蛮 やばん 人 じん の集団 しゅうだん で、コーカソイド は世界 せかい の文明 ぶんめい を支 ささ えてきた存在 そんざい とする、白人 はくじん 至上 しじょう 主義 しゅぎ を一層 いっそう に強 つよ くしたこの思想 しそう はヨーロッパ で広 ひろ く受 う け入 い れられた。その背景 はいけい には、キリスト教 きりすときょう の聖書 せいしょ に登場 とうじょう するノア に3人 にん の息子 むすこ が居 い たとする記述 きじゅつ に合致 がっち していたからだとも言 い われ、実際 じっさい キリスト教 きりすときょう 原理 げんり 主義 しゅぎ 者 もの の中 なか には今 いま でもノアの息子 むすこ のセム がモンゴロイド、ハム がネグロイド、ヤペテ がコーカソイドの祖先 そせん になったと信 しん じている人々 ひとびと が存在 そんざい する。
一方 いっぽう でキュヴィエは今日 きょう においてすらしばしば白人 はくじん 主義 しゅぎ 者 しゃ の間 あいだ で議論 ぎろん になる、アラブ人 じん の分類 ぶんるい に関 かん して彼 かれ らを白人 はくじん に含 ふく めている。完全 かんぜん に同格 どうかく に扱 あつか った訳 わけ ではなく、白人 はくじん は更 さら に欧州 おうしゅう 系 けい と中東 ちゅうとう 系 けい に分類 ぶんるい が可能 かのう で、前者 ぜんしゃ は科学 かがく 文明 ぶんめい を創出 そうしゅつ した偉大 いだい な種族 しゅぞく としながら後者 こうしゃ はそこから退化 たいか した、いわば「不出来 ふでき な弟 おとうと 」と考 かんが えていた。しかし、それでもこの時点 じてん ではヨーロッパ人 じん の学者 がくしゃ たちはアラブ人 じん と自 みずか らが同 おな じ起源 きげん を持 も つ同胞 どうほう であることを積極 せっきょく 的 てき に肯定 こうてい する向 む きがあった。しかし、時代 じだい を下 くだ るにつれてフランスなどが中東 ちゅうとう 地方 ちほう を植民 しょくみん 地 ち 化 か すると、徐々 じょじょ にアラブ人 じん を侮蔑 ぶべつ する記述 きじゅつ や研究 けんきゅう が増 ふ えていった。1889年 ねん のフランスの新聞 しんぶん 「ル・プチ・ジュルナール」に掲載 けいさい された人種 じんしゅ 画 が では、アラブ人 じん があからさまに黒人 こくじん と同 おな じ風貌 ふうぼう で描 えが かれている。
チャールズ・ダーウィン は有名 ゆうめい な『種 たね の起源 きげん 』を発表 はっぴょう したのちの1871年 ねん に『人間 にんげん の進化 しんか と性 せい 淘汰 とうた (原題 げんだい The Descent Of Man And Selection In Relation To Sex)』を発表 はっぴょう する。彼 かれ の意見 いけん は「進化 しんか においては利他 りた 的 てき な部族 ぶぞく が有利 ゆうり であったが、ときに利己 りこ 的 てき な部族 ぶぞく によって滅 ほろ ぼされることもあったであろう」というものであったが、広 ひろ く知 し られるにつれて「常 つね に強 つよ い部族 ぶぞく によって弱 よわ い部族 ぶぞく は置 お き換 か えられてきた」と受 う け取 と られてしまった。そのため、「イギリスのような文明 ぶんめい 化 か された国民 こくみん によって、野蛮 やばん な部族 ぶぞく が破壊 はかい されるのは避 さ けられない」といった言説 げんせつ に見 み られるように、帝国 ていこく 主義 しゅぎ や人種 じんしゅ 差別 さべつ を正当 せいとう 化 か する主張 しゅちょう に援用 えんよう されることになる。これがダーウィニズムの始 はじ まりである。
ダーウィン自身 じしん は人種 じんしゅ 間 あいだ における生物 せいぶつ 学 がく 的 てき な差異 さい は非常 ひじょう に小 ちい さいとし、奴隷 どれい 制度 せいど や奴隷 どれい の虐待 ぎゃくたい 、被 ひ 植民 しょくみん 者 しゃ への差別 さべつ 的 てき 待遇 たいぐう には反対 はんたい していた。以下 いか に上 うえ に挙 あ げた文献 ぶんけん からの引用 いんよう を記 しる す。
人 ひと は他 た のいかなる動物 どうぶつ よりも慎重 しんちょう に研究 けんきゅう されてきたが、彼 かれ らが一 ひと つの種 たね あるいは人種 じんしゅ と見 み なされるべきかどうか、有能 ゆうのう な調査 ちょうさ 者 しゃ の間 あいだ にも多様 たよう な意見 いけん があり、どれもあり得 え そうである:2(ヴァレイ)、3(ジャッキノー)、4(カント)、5(ブルーメンバハ)、6(ビュフォン)、7(ハンター)、8(アガシー)、11(ピカリング)、15(ボリセントヴィンセント)、16(デ・ムーラン)、22(モートン)、60(クロフォード)そしてバークによれば63。この判断 はんだん の多様 たよう 性 せい は人種 じんしゅ が種 たね として認 みと められるべきではないと言 い うことを意味 いみ しない。しかし、人々 ひとびと は連続 れんぞく 的 てき に変 か わっていき、はっきりとした区別 くべつ がほとんど不可能 ふかのう なことを表 あらわ している。 — Darwin, C.、The Descent of Man
他 た の自然 しぜん 選択 せんたく 説 せつ の支持 しじ 者 しゃ 、例 たと えばアルフレッド・ウォレス はより極端 きょくたん な社会 しゃかい 主義 しゅぎ 者 しゃ 、平等 びょうどう 主義 しゅぎ 者 しゃ であった。社会 しゃかい ダーウィニズム は自然 しぜん 選択 せんたく 説 せつ を支持 しじ していなかった他 ほか の進化 しんか 論 ろん 者 しゃ 、例 たと えばハーバート・スペンサー や、ドイツで明確 めいかく に差別 さべつ 主義 しゅぎ 的 てき な進化 しんか 観 かん を発展 はってん させたエルンスト・ヘッケル らによって形作 かたちづく られた。
日本 にっぽん における初 はじ めての学説 がくせつ は、明治 めいじ 初期 しょき の日本人 にっぽんじん の人種 じんしゅ 観 かん として福澤 ふくさわ 諭吉 ゆきち の『掌中 しょうちゅう 万国 ばんこく 一覧 いちらん 』[15] に見 み ることができる。
○
世界中 せかいじゅう の
人口 じんこう
世界中 せかいじゅう の人口 じんこう 大凡 おおよそ 十 じゅう 億 おく に近 きん かしこれを五 ご 種 しゅ に分 わか つ
白皙 はくせき 人種 じんしゅ 即 すなわ ち欧 おう 羅 ら 巴 ともみ 人種 じんしゅ
四 よん 億 おく 二 に 千 せん 万 まん 人 にん
黄色 おうしょく 人種 じんしゅ 即 すなわ ち亜細亜 あじあ 人種 じんしゅ
四 よん 億 おく 六 ろく 千 せん 万 まん 人 にん
赤色 あかいろ 人種 じんしゅ 即 すなわ ち亜米利加 あめりか 人種 じんしゅ
一 いち 千 せん 万 まん 人 にん
黒色 こくしょく 人種 じんしゅ 即 すなわ ち亜 あ 非 ひ 利加 りか 人種 じんしゅ
七 なな 千 せん 万 まん 人 にん
茶色 ちゃいろ 人種 じんしゅ 即 すなわ ち諸島 しょとう 人種 じんしゅ
四 よん 千 せん 万 まん 人 にん
— 福澤 ふくさわ 諭吉 ゆきち 、『掌中 しょうちゅう 万国 ばんこく 一覧 いちらん 』18-19頁 ぺーじ
前条 ぜんじょう の
如 ごと く
世界 せかい の
人員 じんいん を
五 ご に
分 わか ち其
性情 せいじょう 風俗 ふうぞく の
大概 たいがい を
論 ろん ずること
左 ひだり の
如 ごと し
(一 いち )白皙 はくせき 人種 じんしゅ
皮膚 ひふ 麗 うるわ しく毛髪 もうはつ 細 ほそ にして長 なが く頂 いただき 骨 こつ 大 だい にして前額 ぜんがく (ヒタイ)高 たか く容貌 ようぼう 骨格 こっかく 都 と て美 よし なり其精心 しん は聡明 そうめい にして文明 ぶんめい の極度 きょくど に達 たっ す可 か きの性 せい ありこれを人種 じんしゅ の最 さい とす欧 おう 羅 ら 巴 ともみ 一 いち 洲 しゅう 、亜細亜 あじあ の西方 せいほう 亜 あ 非 ひ 利加 りか の北方 ほっぽう 、及ひ亜米利加 あめりか に住居 じゅうきょ する白 しろ 哲人 てつじん は此種類 しゅるい の人 ひと なり
(二 に )黄色 おうしょく 人種 じんしゅ
皮膚 ひふ の色 いろ 黄 き にして油 あぶら の如 ごと く毛髪 もうはつ 長 なが くして黒 くろ く直 ちょく くにして剛 つよし し頭 とう の状 じょう 稍 やや や四角 よつかど にして前額 ぜんがく 低 ひく く腮骨平 たいら にして広 ひろ く鼻 はな 短 みじか く眼 め 細 ほそ く且其外 がい 眥斜に上 のぼ れり其人の性情 せいじょう よく艱苦 かんく に堪 た へ勉励 べんれい 事 ごと を為 な すと雖ども其才力 さいりょく 狭 せま くして事物 じぶつ の進歩 しんぽ 甚 はなは だ遅 おそ し支 ささえ 那 な 「フヒンランド 」(魯西亜 あ 領 りょう 西北 せいほく ノ地 ち )「ラプランドル 」(同上 どうじょう フヒンランド北方 ほっぽう ノ地 ち )等 とう の居 きょ 民 みん は此種類 しゅるい の人 ひと なり
(三 さん )赤色 あかいろ 人種 じんしゅ
皮膚 ひふ 赤色 あかいろ と茶色 ちゃいろ とを帯 おび て銅 どう の如 ごと く、黒髪 くろかみ 直 ちょく くして長 なが く、頂 いただき 骨 こつ 小 しょう にして腮(ホウ)骨 ほね 高 たか く前額 ぜんがく 低 ひく く口 くち 広 ひろ く眼光 がんこう 暗 くら くして深 ふか く鼻 はな の状 じょう 、尖 とが り曲 きょく て釣 つり の如 ごと く又 また 鷲 わし の嘴 くちばし (クチバシ)の如 ごと し体格 たいかく 長大 ちょうだい にして強壮 きょうそう 、性情 せいじょう 険 けわし くして闘 たたかえ を好 この み復讎 ふくしゅう の念 ねん 常 つね に絶 ぜっ ることなし南北 なんぼく 亜米利加 あめりか の土人 どじん は此種類 しゅるい の人 ひと なり但 ただ しこの人種 じんしゅ は白皙 はくせき 人 じん の文明 ぶんめい に赴 おもむ くに従 したがえ ひ次第 しだい に衰微 すいび し人員 じんいん 日 び に減少 げんしょう すと云 うん ふ
(四 よん )黒色 こくしょく 人種 じんしゅ
皮膚 ひふ の色 いろ 黒 くろ く捲 めく 髪 かみ (チヾレゲ)羊毛 ようもう を束 たば ねたるが如 し く頭 あたま の状 じょう 、細 ほそ く長 なが く腮(ホウ)骨 ほね 高 たか く顋(アギト)骨 ほね 突出 とっしゅつ し前額 ぜんがく 低 ひく く鼻 はな 平 ひら たく眼 め 大 だい にして突出 とっしゅつ し口 くち 大 だい にして唇 くちびる 厚 あつ し其身体 しんたい 強壮 きょうそう にして活溌 かっぱつ に事 こと をなすべしと雖ども性質 せいしつ 懶惰 らんだ にして開化 かいか 進歩 しんぽ の味 あじ を知 し らず亜 あ 非 ひ 利加 りか 沙漠 さばく の南方 なんぽう に在 あ る土民 どみん 及 およ び売 うれ 奴 やつ と為 ため て亜米利加 あめりか へ移 うつり 居 い せる黒奴 こくど 等 とう は此種類 しゅるい の人 ひと なり
(五 ご )茶色 ちゃいろ 人種 じんしゅ
皮膚 ひふ 茶色 ちゃいろ にして渋 しぶ (シブ)の如 ごと く黒髪 くろかみ 粗 あら にして長 なが く前額 ぜんがく 低 ひく くして広 ひろ く口 くち 大 だい にして鼻 はな 短 みじか く眥(マシリ)は斜 はす に上 のぼ ること黄色 きいろ 人種 じんしゅ の如 ごと し其性情 せいじょう 猛烈 もうれつ 復讎 ふくしゅう の念 ねん 甚 はなは だ盛 もり なり太平洋 たいへいよう 亜 あ 非 ひ 利加 りか の海岸 かいがん に近 ちか き諸島 しょとう 及 およ び「マラッカ 」(東 ひがし 印度 いんど の地 ち )等 とう の土民 どみん はこの種類 しゅるい の人 ひと なり — 福澤 ふくさわ 諭吉 ゆきち 、『掌中 しょうちゅう 万国 ばんこく 一覧 いちらん 』21-26頁 ぺーじ
ダーウィンの従弟 じゅうてい である統計 とうけい 学者 がくしゃ フランシス・ゴルトン (1822-1911)は1883年 ねん に優生 ゆうせい 学 がく という言葉 ことば を初 はじ めて用 もち い、1869年 ねん には『遺伝 いでん 的 てき 天才 てんさい 』を発表 はっぴょう 。家畜 かちく の品種 ひんしゅ 改良 かいりょう と同様 どうよう に人 ひと も人為 じんい 選択 せんたく によって社会 しゃかい が進化 しんか すると考 かんが えた。またアルチュール・ド・ゴビノー は『人種 じんしゅ 不平等 ふびょうどう 論 ろん 』(1855)を執筆 しっぴつ している。
優生 ゆうせい 学 がく や社会 しゃかい ダーウィニズムを極端 きょくたん なまでに政治 せいじ 的 てき に利用 りよう した事例 じれい としてはナチズム がある。ナチスは優生 ゆうせい 学 がく に基 もと づき障害 しょうがい 者 しゃ を虐殺 ぎゃくさつ している。優生 ゆうせい 学 がく 的 てき 観点 かんてん は近年 きんねん まで日本 にっぽん の優生 ゆうせい 保護 ほご 法 ほう にも反映 はんえい されており、またスウェーデンでも犯罪 はんざい 者 しゃ に断種 だんしゅ 手術 しゅじゅつ を施 ほどこ すこともあった。
過去 かこ に様々 さまざま な人種 じんしゅ の分類 ぶんるい が試 こころ みられたが、1950年代 ねんだい 以降 いこう 、徐々 じょじょ にコーカソイド ・ネグロイド ・モンゴロイド ・オーストラロイド の「4大人 おとな 種 しゅ 」というい方 いかた が有力 ゆうりょく となっていき(これ以前 いぜん には日本 にっぽん ではオーストラロイドがなくモンゴロイドに含 ふく められ「3大人 おとな 種 しゅ 」とされることが多 おお かった)、通俗 つうぞく 的 てき には現在 げんざい でもしばしばこの4大人 おとな 種 しゅ の分類 ぶんるい を前提 ぜんてい に議論 ぎろん されることがある。当初 とうしょ これらの用語 ようご はそれぞれ白色 はくしょく 人種 じんしゅ ・黒色 こくしょく 人種 じんしゅ ・黄色 おうしょく 人種 じんしゅ ・褐色 かっしょく 人種 じんしゅ ともいわれたが、中東 ちゅうとう ・インド亜 あ 大陸 たいりく の諸 しょ 民族 みんぞく はすでにコーカソイドに分類 ぶんるい されていた。
その後 ご 、現在 げんざい までの間 あいだ に、モンゴロイドの中 なか からアメリンド (赤色 あかいろ 人種 じんしゅ )とアイノイド とを区別 くべつ したりあるいはネグロイドの中 なか からカポイド を分 わ けたり等 ひとし の説 せつ が試 こころ みられている。(この場合 ばあい カポイドを除 のぞ くネグロイドをコンゴイド ともいう)
1930年代 ねんだい から1945年 ねん に渡 わた って行 おこな われた国民 こくみん 社会 しゃかい 主義 しゅぎ ドイツ労働 ろうどう 者 しゃ 党 とう による人種 じんしゅ 主義 しゅぎ 的 てき 政策 せいさく は、ホロコースト やポライモス などの大 おお きな被害 ひがい をもたらした。この反省 はんせい から、1950年 ねん 、人種 じんしゅ 偏見 へんけん と人種 じんしゅ 主義 しゅぎ の暴力 ぼうりょく に対峙 たいじ するための科学 かがく 的 てき 知識 ちしき の普及 ふきゅう のために国際 こくさい 連合 れんごう 教育 きょういく 科学 かがく 文化 ぶんか 機関 きかん (ユネスコ)が『人種 じんしゅ に関 かん する声明 せいめい 』を発表 はっぴょう する。この声明 せいめい は生物 せいぶつ 科学 かがく と社会 しゃかい 科学 かがく の専門 せんもん 家 か からなる国際 こくさい 委員 いいん 会 かい による検討 けんとう の後 のち 、自然 しぜん 人類 じんるい 学者 がくしゃ のA・モンタギューによって起草 きそう された。声明 せいめい (1950)では、人間 にんげん の集団 しゅうだん に見 み られる差異 さい は、精神 せいしん 的 てき な特徴 とくちょう に関 かん しては見 み られず、人種 じんしゅ とは遺伝子 いでんし や身体 しんたい 形質 けいしつ の頻度 ひんど によって異 こと なる集団 しゅうだん を指 さ しており、この差異 さい は進化 しんか 的 てき 産物 さんぶつ であると同時 どうじ に動的 どうてき なプロセスにあるという科学 かがく 的 てき 定義 ていぎ を述 の べ、過去 かこ の人種 じんしゅ 概念 がいねん が生物 せいぶつ 学 がく 的 てき な特徴 とくちょう だけでなく、宗教 しゅうきょう や文化 ぶんか に至 いた るまでの統一 とういつ 的 てき な差異 さい として語 かた られており、それが人種 じんしゅ 間 あいだ の不平等 ふびょうどう と暴力 ぼうりょく の正当 せいとう 化 か に繋 つな がっていたことを「神話 しんわ としての人種 じんしゅ 」という形 かたち で否定 ひてい した。この声明 せいめい 自体 じたい にはテオドシウス・ドブジャンスキー など多 おお くの遺伝 いでん 学者 がくしゃ や自然 しぜん 人類 じんるい 学者 がくしゃ がすぐさま反対 はんたい したが、この声明 せいめい によって人種 じんしゅ 概念 がいねん が本質 ほんしつ 的 てき な特徴 とくちょう に基 もと づく類型 るいけい ではなく、頻度 ひんど の差異 さい という連続 れんぞく 的 てき な差異 さい によって定義 ていぎ された集団 しゅうだん 概念 がいねん が一般 いっぱん に示 しめ されたと考 かんが えられる[16] 。1952年 ねん 、クロード・レヴィ=ストロース はユネスコの依頼 いらい により、『人種 じんしゅ と歴史 れきし 』[17] を執筆 しっぴつ し、文化 ぶんか 人類 じんるい 学者 がくしゃ の中 なか に人種 じんしゅ 概念 がいねん の無効 むこう 性 せい が一般 いっぱん 化 か された。
1960年代 ねんだい には人類 じんるい 全体 ぜんたい の変異 へんい のバリエーションの内 うち 85%はどの人種 じんしゅ にも存在 そんざい し、人種 じんしゅ や民族 みんぞく 固有 こゆう の変異 へんい は15%であると見積 みつ もられた(ただしこの推定 すいてい には最大 さいだい 30%とする説 せつ まで議論 ぎろん がある)。これは当時 とうじ 考 かんが えられていたよりも遥 はる かに人種 じんしゅ 間 あいだ の遺伝 いでん 的 てき 差異 さい が小 ちい さいことを示 しめ していた。また人類 じんるい 全体 ぜんたい の遺伝 いでん 的 てき 多様 たよう 性 せい 自体 じたい も他 た の多 おお くの動物 どうぶつ よりも小 ちい さく、例 たと えばチンパンジー の遺伝 いでん 的 てき 多様 たよう 性 せい の4分 ぶん の1でしかない[18] 。
そこから分 わ かるように、人 ひと の外見 がいけん 上 じょう の差異 さい はゲノムのわずかな部分 ぶぶん によってもたらされる。したがって外見 がいけん 的 てき な特徴 とくちょう によって人 ひと を分類 ぶんるい することは厳密 げんみつ 性 せい や正当 せいとう 性 せい を欠 か いていると主張 しゅちょう する者 もの も多 おお い。また外観 がいかん 的 てき 特徴 とくちょう に基 もと づく人種 じんしゅ 分類 ぶんるい が伝統 でんとう 的 てき に人種 じんしゅ 差別 さべつ に用 もち いられてきたこと、同 おな じ人種 じんしゅ に分類 ぶんるい される人々 ひとびと が必 かなら ずしも同 おな じ外観 がいかん 的 てき 特徴 とくちょう を有 ゆう していないこと、同 おな じ人種 じんしゅ とされる人々 ひとびと が必 かなら ずしも同 おな じ文化 ぶんか を共有 きょうゆう していないことなどの問題 もんだい があり、DNA 分析 ぶんせき による遺伝 いでん 学 がく が進歩 しんぽ したことも加 くわ わって、人種 じんしゅ と言 い う分類 ぶんるい 法 ほう は用 もち いられなくなりつつあり、かわりに民族 みんぞく 集団 しゅうだん や連続 れんぞく 的 てき な遺伝 いでん 的 てき 特徴 とくちょう をあらわすクライン といった概念 がいねん が用 もち いられるようになってきている。その結果 けっか 、最近 さいきん の人種 じんしゅ 分類 ぶんるい は人類 じんるい が単 たん 一 いち 種 しゅ であることを前提 ぜんてい にしつつ、地域 ちいき 的 てき な特徴 とくちょう を持 も つ集団 しゅうだん として、約 やく 1万 まん 年 ねん 前 まえ の居住 きょじゅう 地域 ちいき を基準 きじゅん とし、アフリカ人 じん 、西 にし ユーラシア人 じん 、サフール人 じん 、東 ひがし ユーラシア人 じん 、南北 なんぼく アメリカ人 じん というように、地域 ちいき 名称 めいしょう で呼 よ ぶことが提唱 ていしょう されている[19] 。。
人種 じんしゅ 概念 がいねん 否定 ひてい の潮流 ちょうりゅう [ 編集 へんしゅう ]
現代 げんだい において人種 じんしゅ という概念 がいねん は科学 かがく 的 てき に否定 ひてい され有効 ゆうこう ではないとされる考 かんが えが広 ひろ まってきており、人類 じんるい 学者 がくしゃ や社会 しゃかい 学者 がくしゃ の中 なか には人種 じんしゅ は社会 しゃかい 的 てき 要因 よういん によって構築 こうちく された制度 せいど であり、実在 じつざい しないと提唱 ていしょう する者 もの も多 おお くいる
[13] 。例 たと えば、フランツ・ボアズ は米国 べいこく へやってきた移民 いみん とその子 こ どもの頭蓋 とうがい を研究 けんきゅう して、環境 かんきょう の影響 えいきょう を強調 きょうちょう し、「人種 じんしゅ 」という概念 がいねん を「文化 ぶんか 」に置 お き換 か えるべきだと早 はや い時期 じき から主張 しゅちょう していた。
白人 はくじん などの人種 じんしゅ 概念 がいねん はその成立 せいりつ 過程 かてい において多分 たぶん に偏見 へんけん や、宗教 しゅうきょう をはじめとする文化 ぶんか 的 てき な判断 はんだん 要素 ようそ を含 ふく んでおり、民族 みんぞく と似 に た社会 しゃかい 科学 かがく 的 てき な部分 ぶぶん を持 も つとする論者 ろんしゃ は多 おお い。
「人間 にんげん は生物 せいぶつ 学 がく 的 てき 、遺伝子 いでんし 的 てき に細 こま かく見 み ていけば差異 さい はあり、また個人 こじん の特徴 とくちょう は多様 たよう である、しかし、人 ひと の生物 せいぶつ 学 がく 的 てき 差異 さい 、遺伝子 いでんし の差異 さい は人種 じんしゅ として人 ひと を分 わ けるほどの大 おお きなものではなく、現代 げんだい 人 じん は単一 たんいつ の種 たね である。人 ひと に科学 かがく 的 てき な差異 さい があったとしても、人種 じんしゅ の概念 がいねん は歴史 れきし が作 つく り出 だ したものであり、生物 せいぶつ 学 がく 的 てき 、遺伝子 いでんし 的 てき な小 ちい さな差異 さい をもって人種 じんしゅ として分 わ ける行為 こうい は人種 じんしゅ 差別 さべつ 的 てき な行為 こうい でもある[21] [22] 」というのが現在 げんざい の潮流 ちょうりゅう である。
一方 いっぽう で人種 じんしゅ 概念 がいねん が社会 しゃかい 構築 こうちく 物 ぶつ であるという見解 けんかい に懐疑 かいぎ 的 てき な意見 いけん もあり[23] 、事実 じじつ に対 たい する言明 げんめい は社会 しゃかい 運動 うんどう (たとえ差別 さべつ 追放 ついほう など動機 どうき は妥当 だとう だとしても)に基 もと づいてはならないという批判 ひはん がある[24] 。遺伝 いでん 関係 かんけい が不明瞭 ふめいりょう なことから、遺伝 いでん 学 がく 志向 しこう の強 つよ い人類 じんるい 学者 がくしゃ は人種 じんしゅ という概念 がいねん を認 みと めない潮流 ちょうりゅう にあるが、現実 げんじつ に身体 しんたい 的 てき 特徴 とくちょう の類似 るいじ 性 せい を持 も つ人類 じんるい 集団 しゅうだん が地域 ちいき 的 てき に分布 ぶんぷ することを無視 むし することはできない[25] 、との見解 けんかい もある。むしろ、近年 きんねん の分子 ぶんし 人類 じんるい 学 がく が示 しめ すミトコンドリアDNAハプログループ 、Y染色 せんしょく 体 たい ハプログループ といった遺伝子 いでんし 指標 しひょう の拡散 かくさん 経路 けいろ は、従来 じゅうらい の形質 けいしつ 人類 じんるい 学 がく が示 しめ した人種 じんしゅ 区分 くぶん と概 おおむ ね一致 いっち している[26] [27] が、最近 さいきん の人類 じんるい 学者 がくしゃ は、政治 せいじ 的 てき な曲解 きょっかい を恐 おそ れて、人種 じんしゅ そのものに触 ふ れることを避 さ ける傾向 けいこう がある[25] 。医学 いがく においては人種 じんしゅ として分類 ぶんるい しないことが、逆 ぎゃく にマイノリティの抹殺 まっさつ や無視 むし につながるとする意見 いけん もある[28] 。
人種 じんしゅ の概念 がいねん に対 たい する声明 せいめい など
ユネスコは1951年 ねん 「人種 じんしゅ の本質 ほんしつ と人種 じんしゅ の違 ちが いに関 かん する声明 せいめい 」を作成 さくせい し、両 りょう 声明 せいめい において人種 じんしゅ の生物 せいぶつ 学 がく 的 てき 差異 さい は存在 そんざい しないと断言 だんげん し、人種 じんしゅ とは「社会 しゃかい 的 てき 神話 しんわ 」であると強調 きょうちょう した[注釈 ちゅうしゃく 5] [22] [29] 。
アメリカでは、1996年 ねん にアメリカ自然 しぜん 人類 じんるい 学会 がっかい (AAPA)が19世紀 せいき から20世紀 せいき 初頭 しょとう にかけて作 つく られてきた生物 せいぶつ 学 がく 的 てき な「人種 じんしゅ 」概念 がいねん の無効 むこう 性 せい を一般 いっぱん に周知 しゅうち するための声明 せいめい を出 だ した[注釈 ちゅうしゃく 6] [21] [30] [31] 。1998年 ねん 5月 がつ 17日 にち アメリカ人類 じんるい 学会 がっかい (AAA)の理事 りじ 会 かい によって「『人種 じんしゅ 』についてのアメリカ人類 じんるい 学会 がっかい 声明 せいめい 」がだされ、今世紀 こんせいき の科学 かがく 的 てき 知識 ちしき の進歩 しんぽ により、人 ひと の集団 しゅうだん は生物 せいぶつ 学 がく 的 てき に明確 めいかく に区別 くべつ ですることのできる集団 しゅうだん ではないことが明 あき らかになったとした[注釈 ちゅうしゃく 7] [8] [32] 。
日本 にっぽん では1995年 ねん 日本 にっぽん 学術 がくじゅつ 会議 かいぎ の下 した に、「人種 じんしゅ ・民族 みんぞく 」概念 がいねん 検討 けんとう 小 しょう 委員 いいん 会 かい が設置 せっち され、2001年 ねん に「人種 じんしゅ 」概念 がいねん が科学 かがく 的 てき ではないと確認 かくにん したと最終 さいしゅう 報告 ほうこく された[8] [33] 。
伝統 でんとう 的 てき な人種 じんしゅ の分類 ぶんるい 例 れい (肌 はだ の色 いろ )[ 編集 へんしゅう ]
Felix von Luschan による肌 はだ の色 いろ のカラーチャート
各国 かっこく の先住民 せんじゅうみん の皮膚 ひふ 色 しょく を分配 ぶんぱい したマップ
肌 はだ の色 いろ は実際 じっさい の居住 きょじゅう 地域 ちいき の環境 かんきょう の影響 えいきょう を受 う けるために、肌 はだ の色 いろ や風貌 ふうぼう によって集団 しゅうだん 間 あいだ の遺伝 いでん 的 てき 距離 きょり を測 はか ることはできないとされる。ただし同 おな じ緯度 いど でも人種 じんしゅ によって濃淡 のうたん の差異 さい がある。例 たと えばモンゴロイドであるアメリカ先住民 せんじゅうみん は赤道 せきどう 域 いき においてもネグロイド やオーストラロイド ほど黒褐色 こっかっしょく にならない。アボリジニ は比較的 ひかくてき 中 ちゅう 緯度 いど においても皮膚 ひふ 色 しょく が薄 うす くならない。これらは適応 てきおう のみならず、皮膚 ひふ の色 いろ が遺伝 いでん 的 てき にも支配 しはい されていることを示唆 しさ している。また、現生 げんなま 人類 じんるい の祖先 そせん はネグロイド のような黒褐色 こっかっしょく の皮膚 ひふ を持 も っており、出 で アフリカ後 ご 、ユーラシアにおいてモンゴロイド とコーカソイド が独立 どくりつ に皮膚 ひふ を白色 はくしょく 化 か させたと考 かんが えられ、両 りょう 人種 じんしゅ における肌 はだ を白色 はくしょく 化 か させる遺伝子 いでんし は異 こと なると推定 すいてい されている。
人類 じんるい 集団 しゅうだん の遺伝 いでん 的 てき 系統 けいとう [ 編集 へんしゅう ]
左 ひだり 図 ず は多 た 型 かた マイクロサテライト により求 もと められた人類 じんるい 集団 しゅうだん の系統 けいとう 樹 じゅ である[34] 。この系統 けいとう 樹 じゅ が意味 いみ するところは、最初 さいしょ にアフリカ人 じん とその他 た の集団 しゅうだん が分岐 ぶんき したこと、次 つぎ にヨーロッパ人 じん とその他 た の集団 しゅうだん が分岐 ぶんき したこと、その次 つぎ に東 ひがし ・東南 とうなん アジア人 じん とオーストラリア人 じん が分岐 ぶんき し、最後 さいご の大 おお きな分岐 ぶんき として東 ひがし ・東南 とうなん アジア人 じん とアメリカ先住民 せんじゅうみん が分岐 ぶんき したということである。この系統 けいとう 樹 じゅ で見 み られた主要 しゅよう な特徴 とくちょう は、従来 じゅうらい のタンパク質 たんぱくしつ 多 た 型 がた や最近 さいきん の核 かく DNAの多 た 型 がた によって明 あき らかにされた人類 じんるい 集団 しゅうだん 間 あいだ の系統 けいとう 関係 かんけい と大筋 おおすじ において一致 いっち する。(外部 がいぶ リンクを参照 さんしょう )
近年 きんねん の遺伝子 いでんし 研究 けんきゅう により、中 ちゅう 図 ず のように北 きた アフリカ人 じん や中東 ちゅうとう 人 じん は遺伝子 いでんし 的 てき にヨーロッパ人 じん に近 ちか いが、長年 ながねん の間 あいだ にサハラ以南 いなん のアフリカ人 じん と同化 どうか していることもあり、ヨーロッパ人 じん とサハラ以南 いなん のアフリカ人 じん の間 あいだ に位置 いち している。同様 どうよう に、中央 ちゅうおう アジア人 じん やインド人 じん も地理 ちり 的 てき 配置 はいち からヨーロッパ人 じん と東 ひがし アジア人 じん (オーストラリア先住民 せんじゅうみん 、アメリカ先住民 せんじゅうみん を含 ふく む)の間 あいだ に位置 いち している。[35]
右 みぎ 図 ず は世界 せかい の18人 にん 類 るい 集団 しゅうだん の遺伝 いでん 的 てき 近 きん 縁 えん 関係 かんけい を23種類 しゅるい の遺伝子 いでんし の情報 じょうほう をもとに近隣 きんりん 結合 けつごう 法 ほう によって作成 さくせい された人種 じんしゅ の遺伝 いでん 的 てき 近 きん 縁 えん 図 ず である。この分析 ぶんせき が証明 しょうめい する人類 じんるい 集団 しゅうだん の系統 けいとう は、アフリカン(ネグロイド )からコーカソイド (白人 はくじん )が分岐 ぶんき し、コーカソイドからオセアニアン(オーストラロイド )・イーストアジアン(モンゴロイド )が分岐 ぶんき 、そしてイーストアジアンからネイティブアメリカンが分岐 ぶんき した、と云 い うものである。この人類 じんるい 集団 しゅうだん の近 きん 縁 えん 関係 かんけい は上記 じょうき の遺伝 いでん 的 てき 系統 けいとう 樹 じゅ と現在 げんざい の人類 じんるい 集団 しゅうだん の地理 ちり 的 てき 配置 はいち に一致 いっち する。
ただしこれらの系統 けいとう 樹 じゅ には混血 こんけつ の歴史 れきし が反映 はんえい されないため、より厳密 げんみつ な手法 しゅほう やハプログループによる系統 けいとう で分析 ぶんせき すべきという意見 いけん もある。
近年 きんねん の研究 けんきゅう においては現生 げんなま 人類 じんるい の分類 ぶんるい 中 ちゅう 、純粋 じゅんすい なホモ・サピエンス (従来 じゅうらい のネグロイド)と、ホモ・サピエンスの祖先 そせん と「ホモ・ネアンデルターレンシス」との雑種 ざっしゅ (ネグロイド以外 いがい の現生 げんなま 人類 じんるい )が存在 そんざい するとの論文 ろんぶん が発表 はっぴょう されている[36] 。
最近 さいきん の研究 けんきゅう から、東 ひがし アジア人 じん (モンゴロイド)を特徴付 とくちょうづ ける遺伝子 いでんし があることがわかった[37] [38] 。
Y染色 せんしょく 体 たい ・mtDNAハプログループと人種 じんしゅ [ 編集 へんしゅう ]
Y染色 せんしょく 体 たい ハプログループの拡散 かくさん と人種 じんしゅ ミトコンドリアDNAやY染色 せんしょく 体 たい のようなゲノムの組 くみ 換 か えしない部分 ぶぶん を用 もち いた系統 けいとう 樹 じゅ の作成 さくせい は、集団 しゅうだん の移動 いどう とルーツを辿 たど るのに用 もち いられる。例 たと えば日本人 にっぽんじん のミトコンドリアDNAのハプロタイプ の割合 わりあい と、周辺 しゅうへん の集団 しゅうだん (韓国 かんこく や中国 ちゅうごく 、台湾 たいわん 、シベリア先住民 せんじゅうみん など)を比較 ひかく することで、祖先 そせん がどのようなルートを辿 たど って日本 にっぽん 列島 れっとう にたどり着 つ いたかを推定 すいてい できる。
崎谷 さきや 満 みつる は人類 じんるい のY染色 せんしょく 体 たい ハプログループ およびミトコンドリアDNA ハプログループが出 で アフリカ後 ご にイラン 付近 ふきん を起点 きてん にして南 みなみ ルート (イランからインド、オーストラリアへ)、北 きた ルート (イランからアルタイ山脈 さんみゃく 付近 ふきん へ)、西 にし ルート (イランから中東 ちゅうとう ・カフカス山脈 さんみゃく 付近 ふきん へ)の3ルートで拡散 かくさん したとしている[39] [40] 。なお、見 み かけによって人類 じんるい を分類 ぶんるい する人種 じんしゅ と父系 ふけい 先祖 せんぞ からのみ遺伝 いでん されるY染色 せんしょく 体 たい は根本 こんぽん 的 てき に異 こと なる概念 がいねん であり、混同 こんどう することは甚 はなは だしく不合理 ふごうり である。
人種 じんしゅ 概念 がいねん が誕生 たんじょう した要因 よういん は大 おお きく2つに分 わ けられる。1つは外見 がいけん 上 じょう の表現 ひょうげん 型 がた の差異 さい が存在 そんざい するため、もう1つはそのような外見 がいけん 上 じょう の差異 さい を認識 にんしき する人間 にんげん の認知 にんち 能力 のうりょく が存在 そんざい するためである。
集団 しゅうだん 間 あいだ の表現 ひょうげん 型 がた の差異 さい は、全 ぜん 地球 ちきゅう 的 てき な距離 きょり や山脈 さんみゃく 、気候 きこう 要因 よういん など地理 ちり 的 てき 障壁 しょうへき によって遺伝子 いでんし 流動 りゅうどう が制限 せいげん された異 こと なる集団 しゅうだん が時間 じかん の経過 けいか とともに異 こと なる自然 しぜん 選択 せんたく を受 う けたり(性 せい 選択 せんたく も関 かか わっているかも知 し れない)、異 こと なる遺伝 いでん 的 てき 浮動 ふどう を経験 けいけん することで生 う み出 だ される。
2つの集団 しゅうだん 全体 ぜんたい が十分 じゅうぶん に交流 こうりゅう していれば、それぞれの集団 しゅうだん 中 ちゅう の遺伝子 いでんし の頻度 ひんど は平均 へいきん 化 か され、表現 ひょうげん 型 がた の差異 さい は生 う み出 だ されない。このメカニズムは異 こと なる種 たね を作 つく り出 だ す種 たね 分化 ぶんか のメカニズムの一部 いちぶ であり、十分 じゅうぶん な時間 じかん 、2つの集団 しゅうだん の遺伝子 いでんし 流動 りゅうどう が制限 せいげん され続 つづ ければその集団 しゅうだん は別個 べっこ の2種 しゅ となる。自然 しぜん の中 なか にも人種 じんしゅ と同 おな じように、連続 れんぞく した亜種 あしゅ の連 つら なりを示 しめ すクラインを形成 けいせい する種 たね が存在 そんざい する(例 たと えば輪状 りんじょう 種 しゅ )
人類 じんるい アフリカ単一 たんいつ 起源 きげん 説 せつ のモデル図 ず [41]
人類 じんるい のアフリカ単一 たんいつ 起源 きげん 説 せつ
現生 げんなま 人類 じんるい の起源 きげん と分散 ぶんさん を説明 せつめい する理論 りろん は2つあり、1つはアフリカ単一 たんいつ 起源 きげん 説 せつ 、もう1つは多 た 地域 ちいき 起源 きげん 説 せつ である。どちらの説 せつ も十分 じゅうぶん に遡 さかのぼ れば人類 じんるい の起源 きげん はアフリカであることに同意 どうい しており、大 おお きな違 ちが いはいつ我々 われわれ の祖先 そせん がアフリカを出発 しゅっぱつ したかである。DNA分析 ぶんせき によれば、全 ぜん 人類 じんるい の共通 きょうつう 祖先 そせん は遠 とお くとも25万 まん 年 ねん 前 まえ には存在 そんざい していたとされる(これは共通 きょうつう 祖先 そせん が100万 まん 年 ねん 以上 いじょう 遡 さかのぼ ると見積 みつ もる多 た 地域 ちいき 起源 きげん 説 せつ への重大 じゅうだい な反証 はんしょう である)。つまり人類 じんるい のアフリカ単一 たんいつ 起源 きげん 説 せつ に基 もと づけば、約 やく 25万 まん 年 ねん 前 まえ 以降 いこう に出 で アフリカを果 は たした人類 じんるい が、距離 きょり や山脈 さんみゃく など地理 ちり 的 てき 障壁 しょうへき によって遺伝子 いでんし 流動 りゅうどう が制限 せいげん された結果 けっか 、異 こと なる遺伝 いでん 的 てき 特徴 とくちょう を持 も った集団 しゅうだん が成立 せいりつ したとされる。
人種 じんしゅ 的 てき 境界 きょうかい と地理 ちり 的 てき 境界 きょうかい は一致 いっち する(移動 いどう の妨 さまた げとなる自然 しぜん 環境 かんきょう が人種 じんしゅ を誕生 たんじょう させた)
上述 じょうじゅつ の「人類 じんるい 集団 しゅうだん の遺伝 いでん 的 てき 系統 けいとう -1.2」も参照 さんしょう 。
また、「人類 じんるい 集団 しゅうだん の遺伝 いでん 的 てき 系統 けいとう -1・2」を世界 せかい 地図 ちず に重 かさ ね合 あ わせると、ネグロイドはアフリカ大陸 たいりく 、コーカソイドはユーラシア大陸 たいりく のヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく 及 およ びアラカン山脈 さんみゃく の南西 なんせい 側 がわ (DNA分析 ぶんせき によればインド・アラブ・トルコ人 じん もコーカソイドである)、モンゴロイドはヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく 及 およ びアラカン山脈 さんみゃく の東 ひがし および北側 きたがわ 、オーストラロイドはインド亜 あ 大陸 たいりく からオーストラリア大陸 たいりく とスンダ列島 れっとう 周辺 しゅうへん 、そしてネイティブアメリカンは南北 なんぼく アメリカ大陸 あめりかたいりく に分布 ぶんぷ することが分 わ かる。
つまり、出 で アフリカ を果 は たした現生 げんなま 人類 じんるい の祖先 そせん が各 かく 大陸 たいりく に移住 いじゅう した後 のち 、ジブラルタル海峡 かいきょう ・地中海 ちちゅうかい ・スエズ地峡 ちきょう ・紅海 こうかい ・ヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく ・アラカン山脈 さんみゃく ・中央 ちゅうおう アジアの乾燥 かんそう 地帯 ちたい ・ベ べ ーリング海 りんぐかい 峡 かい 等 とう の自然 しぜん 環境 かんきょう により、それぞれ交流 こうりゅう が遮断 しゃだん された地域 ちいき が、そのまま現在 げんざい の主要 しゅよう 人種 じんしゅ の居住 きょじゅう 地域 ちいき となっている。
人種 じんしゅ 間 あいだ の遺伝 いでん 的 てき 距離 きょり と地理 ちり 的 てき 距離 きょり に相関 そうかん がある
人種 じんしゅ 間 あいだ の遺伝 いでん 的 てき 距離 きょり と、対象 たいしょう となる人種 じんしゅ と人種 じんしゅ が居住 きょじゅう する地理 ちり 的 てき 距離 きょり は相関 そうかん がある。つまり、人類 じんるい 誕生 たんじょう の地 ち であるアフリカに住 す むネグロイドと各 かく 人種 じんしゅ との遺伝 いでん 的 てき 距離 きょり は、各 かく 人種 じんしゅ の住 す む地域 ちいき のアフリカからの地理 ちり 的 てき 距離 きょり が離 はな れている程 ほど 、大 おお きくなる。
例 れい :「人類 じんるい 集団 しゅうだん の遺伝 いでん 的 てき 系統 けいとう -1・2」にある通 とお り、アフリカ人 じん との遺伝 いでん 的 てき 距離 きょり がもっとも近 ちか いのはアフリカ大陸 たいりく の隣接 りんせつ 地 ち である地中海 ちちゅうかい 沿岸 えんがん のユーラシア大陸 たいりく に住 す むコーカソイド であり、逆 ぎゃく にもっとも遺伝 いでん 的 てき 距離 きょり が遠 とお いのは、アフリカ大陸 たいりく から地理 ちり 的 てき に最 もっと も遠 とお いアメリカ大陸 あめりかたいりく に住 す むネイティブアメリカン である。
人種 じんしゅ を知覚 ちかく する人間 にんげん の認知 にんち 能力 のうりょく [ 編集 へんしゅう ]
人種 じんしゅ 差別 さべつ や人種 じんしゅ に基 もと づいたステレオタイプ 視 し は意識 いしき 的 てき に抑制 よくせい できるが、人種 じんしゅ の認識 にんしき は自動的 じどうてき に無意識 むいしき に行 おこな われるようである。なぜ人間 にんげん は人種 じんしゅ に敏感 びんかん なのかを説明 せつめい する仮説 かせつ は大 おお きく分 わ けると3つある。石器 せっき 時代 じだい の祖先 そせん の頃 ころ は、他 た の人種 じんしゅ と出会 であ うことはまず無 な く、従 したが って人種 じんしゅ を見分 みわ ける能力 のうりょく は他 た の能力 のうりょく の副産物 ふくさんぶつ であると考 かんが えられる[18] 。
色 いろ や形 かたち を見分 みわ ける視覚 しかく 能力 のうりょく が肌 はだ の色 いろ を感知 かんち するだけであり、人種 じんしゅ 概念 がいねん は実在 じつざい しない社会 しゃかい 構築 こうちく 物 ぶつ に過 す ぎない。
人種 じんしゅ の認識 にんしき は自然 しぜん の物体 ぶったい を区別 くべつ する本質 ほんしつ 主義 しゅぎ 的 てき で生得 しょうとく 的 てき な推論 すいろん システムの副産物 ふくさんぶつ である。本質 ほんしつ 主義 しゅぎ 的 てき な推論 すいろん システムとは、例 たと えば無機物 むきぶつ と動物 どうぶつ と植物 しょくぶつ を区別 くべつ し、それぞれに共通 きょうつう の特性 とくせい (例 たと えば動物 どうぶつ なら動 うご く、逃 に げる、襲 おそ いかかってくる)があると理解 りかい する専門 せんもん 化 か された認知 にんち 能力 のうりょく のことで、外見 がいけん が異 こと なる人 ひと には異 こと なる本質 ほんしつ が存在 そんざい すると直観 ちょっかん する。
人種 じんしゅ の認識 にんしき は連合 れんごう や協力 きょうりょく のために進化 しんか した計算 けいさん 機 き 的 てき メカニズムの副産物 ふくさんぶつ である。
実験 じっけん によれば、無意識 むいしき に人種 じんしゅ で人 ひと を区別 くべつ するが、他 た に顕著 けんちょ な目印 めじるし があるとそちらに注目 ちゅうもく し、人種 じんしゅ によるカテゴリ化 か が行 おこな われなくなるようである(対照 たいしょう 的 てき に性別 せいべつ によるカテゴリ化 か は根強 ねづよ く残 のこ った)[42] 。また同 おな じチームを応援 おうえん するなどの共通 きょうつう 点 てん がある場合 ばあい には、人種 じんしゅ 的 てき な偏見 へんけん やステレオタイプ視 し は弱 よわ まるようである。
行政 ぎょうせい 的 てき な概念 がいねん としての人種 じんしゅ [ 編集 へんしゅう ]
アメリカ食品 しょくひん 医薬品 いやくひん 局 きょく (Food and Drug Administration、FDA))は2005年 ねん 、特定 とくてい 人種 じんしゅ 用 よう 医薬 いやく を承認 しょうにん した。認可 にんか された薬 くすり バイディル (英語 えいご 版 ばん ) はアフリカ系 けい アメリカ人 じん 専用 せんよう の心不全 しんふぜん 治療 ちりょう 薬 やく として喧伝 けんでん されたもので、患者 かんじゃ 個人 こじん の特定 とくてい 遺伝子 いでんし に働 はたら くようデザインされた医薬 いやく を目指 めざ すオーダーメード医療 いりょう 時代 じだい に向 む けた第一歩 だいいっぽ として,FDAはこの承認 しょうにん を広 ひろ くアピールした。もっとも、この薬 くすり は人種 じんしゅ 関係 かんけい なく処方 しょほう されている2つのジェネリック薬 やく の合 ごう 剤 ざい であり、しかもいかなる遺伝子 いでんし との相関 そうかん も見 み つかっておらず、他 た の人種 じんしゅ と比 くら べてバイディルがアフリカ系 けい アメリカ人 じん によく効 き いたり、違 ちが った効果 こうか を発揮 はっき したりすることを裏 うら づける確 たし かな証拠 しょうこ はない[43] 。結局 けっきょく 発売 はつばい 元 もと のNitroMed社 しゃ は2008年 ねん に、発売 はつばい を中止 ちゅうし した[44] 。
人種 じんしゅ や民族 みんぞく の相違 そうい ・混同 こんどう [ 編集 へんしゅう ]
「人種 じんしゅ 」と「民族 みんぞく 」という概念 がいねん の相違 そうい ・混同 こんどう から、以下 いか のような事例 じれい が存在 そんざい する。
ユダヤ人 じん
ユダヤ人 じん はセム系 けい とされ『旧約 きゅうやく 聖書 せいしょ 』等 とう の記述 きじゅつ は人種 じんしゅ 概念 がいねん を形成 けいせい する際 さい に大 おお いに利用 りよう された。しかし、現代 げんだい イスラエル国家 こっか は"ユダヤ人 じん は人種 じんしゅ を問 と わずユダヤ教 きょう の信仰 しんこう を中心 ちゅうしん としたユダヤ文化 ぶんか を共有 きょうゆう する民族 みんぞく の総称 そうしょう にすぎない"としている。イスラエルに「移住 いじゅう 」するユダヤ人 じん には様々 さまざま な人種 じんしゅ が含 ふく まれている。
日本人 にっぽんじん
日本人 にっぽんじん については、長谷部 はせべ 言 げん 人 じん が「日本人 にっぽんじん 種 しゅ 」の存在 そんざい を主張 しゅちょう した事 こと もあるが、学会 がっかい の主流 しゅりゅう をなす意見 いけん では、日本人 にっぽんじん という人種 じんしゅ は存在 そんざい せず、日本人 にっぽんじん という言葉 ことば は日本 にっぽん の国籍 こくせき を持 も つ日本 にっぽん 国民 こくみん の事 こと を指 さ す。
人食 ひとく い人種 じんしゅ
人 ひと 食 ぐ いを行 おこな う民族 みんぞく のことであり、人食 ひとく い人種 じんしゅ と呼 よ ばれる人々 ひとびと は、ここで定義 ていぎ される人種 じんしゅ ではない。
^ なお、今日 きょう ではヒトの分類 ぶんるい は科学 かがく 的 てき な妥当 だとう 性 せい は認 みと められず、社会 しゃかい の作 つく り出 だ した文化 ぶんか 的 てき 概念 がいねん とみなされている。
^ 人種 じんしゅ は生物 せいぶつ 学 がく 的 てき な種 たね や亜種 あしゅ ではなく、現生 げんなま するヒトは、遺伝 いでん 的 てき に、種 たね や亜種 あしゅ に値 あたい する程 ほど の差異 さい は存在 そんざい しないとされる。この場合 ばあい の「種 たね 」は、生物 せいぶつ 学 がく の概念 がいねん としての「種 たね 」と混同 こんどう してはならない。英語 えいご では、生物 せいぶつ 学 がく 的 てき な「種 たね 」は speciesであり、人種 じんしゅ はraceであり、両者 りょうしゃ はまったく異 こと なる単語 たんご である。にもかかわらず、日本語 にほんご では同 おな じ「種 たね 」という訳語 やくご が採用 さいよう されているので、両者 りょうしゃ が混同 こんどう されやすい。「人種 じんしゅ 」の「種 たね 」が意図 いと しているのは、あくまでも現生 げんなま 人類 じんるい を、さらに細 こま かく形質 けいしつ 的 てき 特徴 とくちょう によって区分 くぶん する試 こころ みである。しかも、この区分 くぶん の基準 きじゅん は、時代 じだい や社会 しゃかい によって異 こと なる流動的 りゅうどうてき なものであることに留意 りゅうい する必要 ひつよう がある。[要 よう 出典 しゅってん ]
^ 同 おな じ漢字 かんじ 表記 ひょうき の「種 たね 」は生物 せいぶつ 学 がく 的 てき な種 たね (species)とは異 こと なる。
^ 他 た の生物 せいぶつ における亜種 あしゅ に該当 がいとう する。
^ 「すべての人間 にんげん は単一 たんいつ の種 たね に属 ぞく し、共通 きょうつう の先祖 せんぞ の子孫 しそん である。すべての人間 にんげん は尊厳 そんげん と権利 けんり において平等 びょうどう に生 う まれ、誰 だれ もが欠 か くことのできない一員 いちいん として人類 じんるい を形成 けいせい している」
^ 「人類 じんるい の多様 たよう 性 せい は人類 じんるい が環境 かんきょう に適応 てきおう し選択 せんたく され、また遺伝 いでん 的 てき 浮動 ふどう や遺伝 いでん 的 てき 混入 こんにゅう によって生 う まれてきたもので、その多様 たよう 性 せい は連続 れんぞく 的 てき で、カテゴリーに分 わ けられるものではない」
^ 「遺伝 いでん 学 がく (DNAなど)の解析 かいせき から得 え られた証拠 しょうこ は、約 やく 94%の身体 しんたい 的 てき 変異 へんい がいわゆる人種 じんしゅ 集団 しゅうだん 内 ない にあることを示 しめ している。従来 じゅうらい の地理 ちり 的 てき 「人種 じんしゅ 的 てき 」グループ分 わ けでは、その遺伝子 いでんし の約 やく 6%においてのみ互 たが いに異 こと なる。このことは、人 ひと の遺伝子 いでんし 変異 へんい は集団 しゅうだん 間 あいだ よりも集団 しゅうだん 内 ない で大 おお きく変異 へんい していることを意味 いみ している。隣接 りんせつ する集団 しゅうだん では、遺伝子 いでんし とその表現 ひょうげん 型 がた (物理 ぶつり 的 てき )発現 はつげん の重複 じゅうふく が多 おお く、歴史 れきし を通 つう じて、異 こと なる集団 しゅうだん が接触 せっしょく するたびに交配 こうはい が行 おこな われてきた。遺伝 いでん 物質 ぶっしつ の継続 けいぞく 的 てき な共有 きょうゆう は、人類 じんるい 全体 ぜんたい を単一 たんいつ 種 しゅ として維持 いじ してきた。」
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「人種 じんしゅ 」は虚構 きょこう か 自然 しぜん 史 し 学会 がっかい 連合 れんごう エッセイ - 山口 やまぐち 敏 さとし (国立 こくりつ 科学 かがく 博物館 はくぶつかん 名誉 めいよ 研究 けんきゅう 員 いん 、日本人 にっぽんじん 類 るい 学会 がっかい )
生命 せいめい 科学 かがく 研究 けんきゅう 館 かん 宮田 みやた 隆 たかし の進化 しんか の話 はなし ネアンデルタール人 じん のDNAが語 かた るヒトの進化 しんか
遺伝 いでん 学 がく 電子 でんし 博物館 はくぶつかん DNA人類 じんるい 進化 しんか 学 がく 日本人 にっぽんじん の起源 きげん
遺伝子 いでんし からみた東 ひがし ユーラシア人 じん - 斎藤 さいとう 成 しげる 也
フォーラム 白人 はくじん 性 せい と帝国 ていこく
ネグロイド コーカソイド モンゴロイド オーストラロイド 混血 こんけつ 肌 はだ の色 いろ による分類 ぶんるい ※2
※1:インドネシア・マレー人種 じんしゅ の古 こ モンゴロイド的 てき 特徴 とくちょう はオーストラロイドとの混血 こんけつ によるものとする。 ※2:肌 はだ の色 いろ による人種 じんしゅ 分類 ぶんるい の類縁 るいえん 関係 かんけい は科学 かがく 的 てき に否定 ひてい されている。
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