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色相 しきそう 環 たまき
色 いろ ( いろ ) は、可視 かし 光 こう の組成 そせい の差 さ によって感覚 かんかく 質 しつ の差 さ が認 みと められる視 し 知覚 ちかく である色 いろ 知覚 ちかく 、および、色 いろ 知覚 ちかく を起 お こす刺激 しげき である色 いろ 刺激 しげき を指 さ す[1] 。
色 いろ の認識 にんしき には、光源 こうげん ・物体 ぶったい ・視覚 しかく の三 さん 要素 ようそ が必要 ひつよう である[2] 。
色 いろ と光 ひかり に何 なん らかの関係 かんけい があることは古 ふる くから知 し られており、アリストテレス は「色 いろ は光 ひかり と闇 やみ 、白 しろ と黒 くろ の間 あいだ から生 しょう じる」と述 の べている[3] 。しかし、色 いろ の本質 ほんしつ が明 あき らかになるのは20世紀 せいき になってからである[3] 。現代 げんだい 科学 かがく では色 いろ は目 め の前 まえ にあるというより色彩 しきさい の認識 にんしき として存在 そんざい すると考 かんが えられている[3] 。
色覚 しきかく は、目 め を受容 じゅよう 器 き とする感覚 かんかく である視覚 しかく の機能 きのう のひとつであり、色 いろ 刺激 しげき に由来 ゆらい する知覚 ちかく である色 いろ 知覚 ちかく を司 つかさど る。色 いろ 知覚 ちかく は、質量 しつりょう や体積 たいせき のような機械 きかい 的 てき な物理 ぶつり 量 りょう ではなく、音 おと の大 おお きさ のような心理 しんり 物理 ぶつり 量 りょう である。例 たと えば、物理 ぶつり 的 てき な対応 たいおう 物 ぶつ が擬似 ぎじ 的 てき に存在 そんざい しないのに色 いろ を知覚 ちかく する例 れい として、ベンハムの独楽 こま がある。同一 どういつ の色 いろ 刺激 しげき であっても同一 どういつ の色 いろ 知覚 ちかく が成立 せいりつ するとは限 かぎ らず、前後 ぜんご の知覚 ちかく や観測 かんそく 者 しゃ の状態 じょうたい によって、結果 けっか は異 こと なる。
物理 ぶつり 学 がく 上 じょう の分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
色 いろ は物理 ぶつり 学 がく 上 じょう では光源 こうげん 色 しょく と物体 ぶったい 色 しょく に大 おお きく分 わ けられる[4] 。
光源 こうげん 色 しょく
太陽 たいよう や電球 でんきゅう 、ネオンサインなどのように光源 こうげん が発 はっ する光 ひかり の色 いろ のことを光源 こうげん 色 しょく という[4] 。
物体 ぶったい 色 しょく
物体 ぶったい に光 ひかり を当 あ てた時 とき に認識 にんしき できるその物 もの の色 いろ のことを物体 ぶったい 色 しょく という[4] 。物体 ぶったい 色 しょく には表面 ひょうめん 色 しょく (反射 はんしゃ 色 しょく )と透過 とうか 色 しょく がある。表面 ひょうめん 色 しょく (反射 はんしゃ 色 しょく )はリンゴ の表面 ひょうめん の赤色 あかいろ のように物体 ぶったい に光 ひかり が当 あ たった際 さい に特定 とくてい の波長 はちょう の光 ひかり のみが反射 はんしゃ されることでもたらされる(白 しろ の場合 ばあい はすべての光 ひかり を反射 はんしゃ し、黒 くろ の場合 ばあい はすべての光 ひかり を吸収 きゅうしゅう する)[4] 。透過 とうか 色 しょく はメロンソーダ の緑色 みどりいろ のように半 はん 透明 とうめい の物体 ぶったい を光 ひかり が通過 つうか する際 さい に吸収 きゅうしゅう されずに透過 とうか した特定 とくてい の波長 はちょう の光 ひかり によってもたらされる[4] 。
色彩 しきさい 学 がく 上 じょう の分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
炎 ほのお や電球 でんきゅう が写 うつ り込 こ んだ写真 しゃしん では実際 じっさい にそこから光 ひかり を放射 ほうしゃ しているように見 み えるなど、実際 じっさい の色 いろ の認識 にんしき は光源 こうげん 色 しょく と物体 ぶったい 色 しょく では説明 せつめい できないことが知 し られている[5] 。そのため色彩 しきさい 学 がく では面 めん 色 しょく と表面 ひょうめん 色 しょく という色 いろ の見 み え方 かた の違 ちが いが重要 じゅうよう とされている[5] 。
面 めん 色 しょく
視界 しかい に入 はい る一 いち 面 めん が青空 あおぞら のときのように位置 いち 関係 かんけい や距離 きょり が不明瞭 ふめいりょう で奥行 おくゆ きのない二 に 次元 じげん の色 いろ の見 み え方 かた [5] 。
表面 ひょうめん 色 しょく
通常 つうじょう 、物体 ぶったい の表面 ひょうめん に現 あらわ れているもので位置 いち 関係 かんけい や距離 きょり などが明瞭 めいりょう に認識 にんしき できる色 いろ の見 み え方 かた [5] 。
色 いろ の三 さん 属性 ぞくせい [ 編集 へんしゅう ]
色 いろ の見 み えは光源 こうげん や物体 ぶったい によって変化 へんか するが、色味 いろみ とその濃淡 のうたん (強度 きょうど )や明暗 めいあん を具 そな えている点 てん で共通 きょうつう する。これは、色相 しきそう (Hue )・彩 いろどり 度 ど (Saturation・Chroma )・明度 めいど (Value・Brightness )と呼 よ ばれる。色相 しきそう ・彩 いろどり 度 ど ・明度 めいど は合 あ わせて色 いろ の三 さん 属性 ぞくせい と呼 よ ぶ[1] 。色 いろ 空間 くうかん の一 ひと つHSV色 しょく 空間 くうかん (英 えい : HSV model )は、この三 みっ つの成分 せいぶん からなる。
白 しろ や灰色 はいいろ 、黒 くろ のグレースケール は、明度 めいど で区別 くべつ され、色相 しきそう を含 ふく まず彩 いろどり 度 ど が0である。このような色 いろ を無 む 彩色 さいしき と呼 よ ぶ。グレースケール以外 いがい の色 いろ は三 さん 属性 ぞくせい すべてを持 も つ有 ゆう 彩色 さいしき である[6] 。
血色 けっしょく などは体調 たいちょう などに対 たい する反応 はんのう に過 す ぎず、色 いろ ではない。上記 じょうき の様 よう に、色 いろ の三 さん 属性 ぞくせい を全 すべ てを具 そな えたものが色 いろ であり、「色 いろ には明度 めいど が無 な い」とか「白 しろ や黒 くろ は色 いろ ではない」などと主張 しゅちょう している人 ひと たちが、志向 しこう しているものは色 いろ ではない。
色相 しきそう は赤 あか ・橙 だいだい ・黄 き ・緑 みどり ・青 あお ・紫 むらさき といった色 いろ の様相 ようそう の相違 そうい である。「ピンク色 ぴんくいろ 」「レモン色 しょく 」「ライム色 しょく 」「空色 そらいろ 」「赤 あか 茶色 ちゃいろ 」「薄紫 うすむらさき 色 しょく 」「肌色 はだいろ 」「水色 みずいろ 」などの色合 いろあ いを表現 ひょうげん する名詞 めいし と知覚 ちかく 内容 ないよう を表 あらわ す述語 じゅつご 、そして、固有 こゆう 色 しょく 名 めい は色相 しきそう を表現 ひょうげん する語彙 ごい ではない。
色相 しきそう は特定 とくてい の波長 はちょう が際立 きわだ っていることによる変化 へんか であり、際立 きわだ った波長 はちょう の範囲 はんい によって、定性的 ていせいてき に記述 きじゅつ できる。ただし、常 つね に同 おな じ帯域 たいいき が同 おな じ色 しょく に見 み える訳 わけ ではない。連続 れんぞく して変化 へんか していく色味 いろみ を円 えん 環 たまき 上 じょう に並 なら べたものを色相 しきそう 環 たまき と言 い う。白 しろ 、黒 くろ 、グレーを除 のぞ く全 すべ ての色 いろ は、色相 しきそう 環 たまき に配置 はいち される色相 しきそう のいずれかに属 ぞく する。
色相 しきそう の連続 れんぞく 的 てき な変化 へんか を示 しめ す例 れい を3つ挙 あ げる。
彩 いろどり 度 ど は色 いろ の鮮 あざ やかさを意味 いみ する。物体 ぶったい の分光 ぶんこう 反射 はんしゃ 率 りつ が平坦 へいたん になる程 ほど 、彩 いろどり 度 ど は低 ひく くなる。また、色相 しきそう によって彩 いろどり 度 ど が高 たか いときの明度 めいど が異 こと なる。
彩 いろどり 度 ど の連続 れんぞく 的 てき な変化 へんか を示 しめ す例 れい を3つ挙 あ げる。
明度 めいど は色 いろ の明 あか るさを意味 いみ する。明度 めいど の高低 こうてい は、物体 ぶったい の反射 はんしゃ 率 りつ との相関 そうかん 性 せい が高 たか い。光 ひかり の明暗 めいあん に関 かん して、明 あか るさ (brightness, luminousity) があるが同様 どうよう の知覚 ちかく 内容 ないよう を指 さ していると言 い える。色相 しきそう に属 ぞく さず、明度 めいど の違 ちが いによって区別 くべつ される、白 しろ 、黒 くろ 、グレーなどの色 いろ を無 む 彩色 さいしき という。対 たい して、色味 いろみ を僅 わず かでも持 も つ色 いろ は有 ゆう 彩色 さいしき と呼 よ ばれる。純 じゅん 色 しょく の中 なか では、ニュートラルな黄色 おうしょく が最 もっと も明度 めいど が高 たか く、ニュートラルな青 あお は最 もっと も明度 めいど が低 ひく い。
明度 めいど の連続 れんぞく 的 てき な変化 へんか を示 しめ す。
ガリウム の結晶 けっしょう 。分光 ぶんこう 反射 はんしゃ 率 りつ はよく似通 にかよ っているが、光 ひかり の経路 けいろ や光度 こうど によって色 いろ は異 こと なる。
色 いろ 上 あ げ前 まえ の赤銅 しゃくどう の板 いた 。
蛍光 けいこう 色 しょく や金属 きんぞく 光沢 こうたく を有 ゆう する色 いろ は特殊 とくしゅ な色 いろ として挙 あ げることができる。なお、ここに掲 かか げる色 いろ 、特 とく に特定 とくてい 条件 じょうけん における特定 とくてい の部分 ぶぶん の色 いろ を色 いろ の三 さん 属性 ぞくせい で指定 してい することは可能 かのう だが、指定 してい される条件 じょうけん への依存 いぞん 度 ど が大 おお きく、色 いろ の指定 してい としては有効 ゆうこう ではない。
蛍光 けいこう 顔料 がんりょう には、昼 ひる 光 ひかり 蛍光 けいこう 顔料 がんりょう (有機 ゆうき 蛍光 けいこう 顔料 がんりょう )と燐光 りんこう 顔料 がんりょう (無機 むき 蓄光 顔料 がんりょう )がある。昼 ひる 光 ひかり 蛍光 けいこう 顔料 がんりょう は蛍光 けいこう 染料 せんりょう の加工 かこう 品 ひん である。昼 ひる 光 ひかり 蛍光 けいこう 顔料 がんりょう は紫外線 しがいせん も含 ふく め吸収 きゅうしゅう した光 ひかり エネルギーの波長 はちょう を変 か え、通常 つうじょう の反射 はんしゃ 光 こう と合 あ わせて反射 はんしゃ する。このため、高 たか い明度 めいど 、高 たか い彩 いろどり 度 ど を示 しめ す。波長 はちょう の移動 いどう は、長波 ちょうは 長 ちょう 側 がわ に向 む かって起 お こるので、蛍光 けいこう 色 しょく は暖色 だんしょく に多 おお い。燐光 りんこう 顔料 がんりょう は、残 ざん 光 こう 性 せい がある物 もの で、蓄光顔料 がんりょう とも言 い う。有機 ゆうき 蛍光 けいこう 顔料 がんりょう とは異 こと なり、顔料 がんりょう そのものの色 いろ は弱 よわ く、夜光 やこう 顔料 がんりょう に利用 りよう される。
光 ひかり の波長 はちょう あるいはそれ以下 いか の微細 びさい 構造 こうぞう による干渉 かんしょう や回折 かいせつ 、散乱 さんらん により物体 ぶったい が色付 いろづ く現象 げんしょう を構造 こうぞう 色 しょく と呼 よ ぶ。構造 こうぞう 色 しょく として有名 ゆうめい なものに、昆虫 こんちゅう のモルフォチョウ 、コウトウキシタアゲハ 、タマムシ 、他 た にカモ の羽根 はね 、宝石 ほうせき のオパール などがある。油膜 ゆまく やコンパクトディスク の記録 きろく 面 めん の虹色 にじいろ も構造 こうぞう 色 しょく といえる。
金属 きんぞく の粉末 ふんまつ で金属 きんぞく 光沢 こうたく を有 ゆう する粉末 ふんまつ を顕 あらわ 色 しょく 成分 せいぶん とする塗料 とりょう などの色 いろ を金属 きんぞく 色 しょく と称 しょう することがある。金属 きんぞく 光沢 こうたく は、金物 かなもの 一般 いっぱん に特有 とくゆう な、滑 なめ らかな表面 ひょうめん に見 み られる光 ひかり を反射 はんしゃ する性質 せいしつ のことである。
類語 るいご に色彩 しきさい ( しきさい ) がある。光 ひかり の刺激 しげき による視覚 しかく 系 けい の感覚 かんかく で物体 ぶったい の表面 ひょうめん がある部分 ぶぶん の波長 はちょう の光 ひかり を反射 はんしゃ することによる「物体 ぶったい 色 しょく 」と、光源 こうげん から発 はっ する一定 いってい の波長 はちょう の光 ひかり による「光源 こうげん 色 しょく 」とに大別 たいべつ される。デザイン の対象 たいしょう となるのはおもに物体 ぶったい 色 しょく で、その見 み え方 かた は、色相 しきそう ・明度 めいど ・彩 いろどり 度 ど の三 さん 属性 ぞくせい で表 あらわ される。
日本 にっぽん 産業 さんぎょう 規格 きかく (JIS)[注 ちゅう 1] においては色 いろ と同義語 どうぎご である[7] ものの、彩 いろど り、傾向 けいこう などを指 さ す語 かたり として知 し られる[8] [注 ちゅう 2] ことから、日常 にちじょう 語 ご のみならず、色 いろ を狭義 きょうぎ に捉 とら えようとする、科学 かがく 、工業 こうぎょう などの文脈 ぶんみゃく においても広 ひろ く色 いろ の語 かたり が用 もち いられている[注 ちゅう 3] 。
ある対象 たいしょう の地域 ちいき ・地区 ちく ・施設 しせつ などの色彩 しきさい に関 かん する計画 けいかく を周辺 しゅうへん の自然 しぜん 環境 かんきょう 、人工 じんこう 環境 かんきょう に配慮 はいりょ して行 おこな うことを色彩 しきさい 計画 けいかく という。
自然 しぜん 、地形 ちけい 、景観 けいかん 的 てき 特長 とくちょう を把握 はあく するとともに、対象 たいしょう の種別 しゅべつ を考慮 こうりょ して計画 けいかく を進 すす めていく必要 ひつよう がある。また、計画 けいかく される色彩 しきさい が整備 せいび 内容 ないよう と整合 せいごう するか、心理 しんり 的 てき な印象 いんしょう と整合 せいごう するかなどの検証 けんしょう も求 もと められる。
景観 けいかん 対象 たいしょう がもつ色彩 しきさい 的 てき 構成 こうせい がその景観 けいかん の印象 いんしょう を決定 けってい づけるような場合 ばあい の表現 ひょうげん を色彩 しきさい 景観 けいかん と呼 よ ぶが、「空 そら 」などはその典型 てんけい 例 れい であり、落 お ち着 つ いた景観 けいかん 、華 はな やぐような景観 けいかん など、人 ひと の感情 かんじょう に訴 うった える風景 ふうけい を生 う み出 だ すうえで色彩 しきさい の果 は たす役割 やくわり は大 おお きい。
また、2つ以上 いじょう の色 いろ を組 く み合 あ わせて「間 あいだ (ま)」をつくり出 だ すことを色彩 しきさい 調和 ちょうわ と呼 よ び、「まとまりのある美 うつく しさ」人 にん の感情 かんじょう の快 かい ・不快 ふかい に関係 かんけい し、色彩 しきさい 調和 ちょうわ 論 ろん も著者 ちょしゃ の数 かず だけの法則 ほうそく があるといわれている。
赤 あか ・緑 みどり ・青 あお の蛍光 けいこう 物質 ぶっしつ の発光 はっこう スペクトル。カラーブラウン管 ぶらうんかん の「加法 かほう 三原色 さんげんしょく 」に使 つか われているもの
スペクトル (色収差 いろしゅうさ )
物理 ぶつり 学 がく 的 まと には、光学 こうがく を基礎 きそ とし、色 いろ の変化 へんか は、物体 ぶったい と物体 ぶったい を照 て らす光 ひかり との相関 そうかん を用 もち いて説明 せつめい される。物体 ぶったい に入射 にゅうしゃ する何 なん らかの波長 はちょう の光 ひかり が観測 かんそく 者 しゃ の方向 ほうこう へ反射 はんしゃ (正 せい 反射 はんしゃ ・乱反射 らんはんしゃ を含 ふく む)する際 さい に、その物体 ぶったい の物性 ぶっせい に応 おう じた特定 とくてい の波長 はちょう のみが反射 はんしゃ されそれ以外 いがい は吸収 きゅうしゅう される(=波長 はちょう に応 おう じ反射 はんしゃ 率 りつ が異 こと なる)という現象 げんしょう が起 お こる。観測 かんそく 者 しゃ には反射 はんしゃ された光 ひかり だけが届 とど くため、その波長 はちょう に基 もと づき判断 はんだん される色 いろ が、「その物体 ぶったい の色 いろ 」として認識 にんしき される(つまり、光 ひかり そのものに色 いろ という性質 せいしつ はなく、光 ひかり を受 う けた器官 きかん が色 いろ を作 つく っている)。
またそのように観測 かんそく 者 しゃ に届 とど く光 ひかり とそれに対 たい する認識 にんしき とに左右 さゆう されるため、一般 いっぱん 的 てき な色 いろ は、人間 にんげん の視覚 しかく すなわち可視 かし 光線 こうせん の範囲 はんい 内 ない を基準 きじゅん として表現 ひょうげん されている。逆 ぎゃく に言 い えば、可視 かし 光線 こうせん の範囲 はんい を超 こ えた波長 はちょう の光 ひかり について観測 かんそく すると、可視 かし 光 こう 域 いき で見 み た場合 ばあい に比 くら べて全 まった く別 べつ の「色 いろ 」や模様 もよう になっている物体 ぶったい もある。例 たと えばチョウ の羽根 はね の模様 もよう は紫外線 しがいせん 領域 りょういき では人 ひと の肉眼 にくがん で見 み る場合 ばあい とはまた異 こと なる鮮 あざ やかな模様 もよう を描 えが き出 だ し、真 ま っ黒 くろ に焼 や け焦 こ げた新聞紙 しんぶんし などは赤外線 せきがいせん 領域 りょういき のある波長 はちょう では燃 も えた紙 かみ とインクが燃 も えた部分 ぶぶん とで反射 はんしゃ 率 りつ が異 こと なるため書 か かれていた元 もと の内容 ないよう を読 よ むことが出来 でき る。
生理学 せいりがく 的 てき に言 い うと、網膜 もうまく 内 うち にある3種類 しゅるい の錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう が吸収 きゅうしゅう する可視 かし 光線 こうせん の割合 わりあい が色 いろ の感覚 かんかく を生 う む。これらの錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう は、それぞれ長波 ちょうは 長 ちょう ・中 ちゅう 波長 はちょう ・短波 たんぱ 長 ちょう に最 もっと も反応 はんのう するタンパク質 たんぱくしつ (オプシンタンパク質 しつ )を含 ふく み、順 じゅん にL錐 きり 体 たい ・M錐 きり 体 たい ・S錐 きり 体 たい と呼 よ ばれる。霊長 れいちょう 類 るい におけるL錐 きり 体 たい とM錐 きり 体 たい はかつて2種類 しゅるい だった色 いろ 刺激 しげき の受容 じゅよう 器 き の片方 かたがた が進化 しんか の過程 かてい で分岐 ぶんき したものであるとされており、分光 ぶんこう 感度 かんど 特性 とくせい が近 ちか い。錐 きり 体 たい が3種類 しゅるい あることはそのまま3種 しゅ の波長 はちょう 特性 とくせい を構成 こうせい する元 もと となるので、L , M , S の各 かく 錐 きり 体 たい を赤 あか ・緑 みどり ・青 あお でなぞらえることもある。
ある人 ひと が視覚 しかく を通 とお して受 う け取 と る光 ひかり の波長 はちょう が変化 へんか すると、それに伴 ともな って変化 へんか する視覚 しかく 経験 けいけん の内容 ないよう が色 いろ であると言 い える。ただし、正常 せいじょう の色覚 しきかく を持 も つ者 もの 以外 いがい に、正常 せいじょう の色覚 しきかく をもつ人 ひと と色 いろ 知覚 ちかく が部分 ぶぶん 的 てき に整合 せいごう しない人 ひと (色覚 しきかく 異常 いじょう [注 ちゅう 4] )、1色覚 しきかく (全 ぜん 色盲 しきもう )や全盲 ぜんもう など色覚 しきかく を持 も たない人 ひと もいるため、この事例 じれい にも例外 れいがい がある。しかしながらこの事態 じたい に限 かぎ っては、色覚 しきかく 特性 とくせい があっても知覚 ちかく 可能 かのう な波長 はちょう にあっては事情 じじょう は同様 どうよう である。また、1色覚 しきかく であっても、波長 はちょう の長短 ちょうたん の知覚 ちかく が成立 せいりつ する場合 ばあい があり、どちらかといえば長波 ちょうは 長 ちょう を好 この む傾向 けいこう がある。
無色 むしょく の紙 かみ のように、全 ぜん 波長 はちょう において高 たか い反射 はんしゃ 率 りつ で乱反射 らんはんしゃ する物体 ぶったい は白 しろ と呼 よ ばれる。一方 いっぽう 、全 ぜん 波長 はちょう において反射 はんしゃ がほとんど無 な い場合 ばあい 、その色 いろ は黒 くろ と呼 よ ばれる。近似 きんじ 的 てき な黒 くろ 体 たい は、例 たと えば中空 なかぞら の物体 ぶったい に微小 びしょう な開口 かいこう 部 ぶ を設 もう けることで実現 じつげん できる。この場合 ばあい 、中空 なかぞら の部分 ぶぶん に入 はい った光 ひかり はほとんど吸収 きゅうしゅう され外 がい に出 で てこないので、反射 はんしゃ 率 りつ はほぼゼロになる。
色 いろ にまつわる見解 けんかい [ 編集 へんしゅう ]
色 いろ を説明 せつめい する場合 ばあい に、様々 さまざま な色彩 しきさい 理論 りろん を集合 しゅうごう 的 てき に概説 がいせつ する場合 ばあい がある。代表 だいひょう 的 てき なものに三原色 さんげんしょく と反対 はんたい 色 しょく 性 せい がある。色彩 しきさい にまつわる現象 げんしょう は様々 さまざま あり、照度 しょうど や輝度 きど 、反射 はんしゃ 率 りつ の変化 へんか に従 したが って、見 み える色 いろ も変化 へんか する。ベツォルト・ブリュッケ現象 げんしょう やアブニーシフト など様々 さまざま な見解 けんかい が知 し られている。
三種 さんしゅ の錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう と三原色 さんげんしょく [ 編集 へんしゅう ]
人間 にんげん の錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう (S, M, L) と桿体細胞 さいぼう (R) が含 ふく む視 し 物質 ぶっしつ の吸収 きゅうしゅう スペクトル
人間 にんげん の視覚 しかく が色 いろ を認識 にんしき する際 さい には、その光 ひかり の分光 ぶんこう 分布 ぶんぷ を直接 ちょくせつ 計 はか っているのではなく、眼球 がんきゅう の錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう に含 ふく まれる3つの色素 しきそ が光 ひかり を吸収 きゅうしゅう する割合 わりあい を計 はか っているに過 す ぎない。そのため、独立 どくりつ した複数 ふくすう の色 いろ を合成 ごうせい する事 こと で人間 にんげん に別 べつ の色 いろ を感 かん じさせる事 こと ができる。
例 たと えば、黄 き の波長 はちょう の光 ひかり は、赤 あか の波長 はちょう の光 ひかり と緑 みどり の波長 はちょう の光 ひかり の組 く み合 あ わせによってほぼ同 おな じ刺激 しげき を与 あた えることが可能 かのう であり、黄 き は赤 あか と緑 みどり の組 く み合 あ わせの光 ひかり として表現 ひょうげん 出来 でき る。そしてこの場合 ばあい 、黄 き の波長 はちょう だけが眼球 がんきゅう に入 はい っている場合 ばあい と、赤 あか の波長 はちょう と緑 みどり の波長 はちょう が組 く み合 あ わされて眼球 がんきゅう に入 はい っている場合 ばあい を人間 にんげん は区別 くべつ できない。
ディスプレイ 、印刷 いんさつ 、絵具 えのぐ など、色 いろ を表現 ひょうげん するメディアは様々 さまざま である。これらを光源 こうげん 、もしくは、透過 とうか 光 こう および反射 はんしゃ 光 こう に着眼 ちゃくがん して分類 ぶんるい した場合 ばあい 、特徴 とくちょう 的 てき な色 いろ の傾向 けいこう が異 こと なる。これを便宜 べんぎ 的 てき に色 いろ に着眼 ちゃくがん してグルーピングして、加法 かほう 混合 こんごう と減法 げんぽう 混合 こんごう 、RGBW とCMYK 、RGB とCMY など、いくつかに分 わ けて説明 せつめい する場合 ばあい がある。
原色 げんしょく はどの色 いろ なのかと問 と う人 ひと がいるが、実際 じっさい に選択 せんたく される塗料 とりょう やインク 、あるいはカラーフィルター その他 た が形成 けいせい する「原色 げんしょく 」の色合 いろあ いが、常 つね に特別 とくべつ に優越 ゆうえつ される色合 いろあ いだという訳 わけ ではない。減法 げんぽう 混合 こんごう においては彩 いろどり 度 ど が高 たか い状態 じょうたい において明 あか るいものにある種 しゅ の優位 ゆうい 性 せい が伴 ともな う。効果 こうか 的 てき に色 いろ を表現 ひょうげん できる着色 ちゃくしょく 材料 ざいりょう は重宝 ちょうほう されるが、一定 いってい の方向 ほうこう 性 せい 、共通 きょうつう 性 せい はあってもその色相 しきそう や色調 しきちょう は一致 いっち しない。原色 げんしょく の説明 せつめい はあくまで単純 たんじゅん 化 か された抽象 ちゅうしょう 論 ろん に過 す ぎない。その上 うえ 、理想 りそう 的 てき な原色 げんしょく は実在 じつざい しない。
ここで挙 あ げるのはあくまで、一般 いっぱん 的 てき な色覚 しきかく を持 も つ人間 にんげん を基準 きじゅん にした色 いろ の混合 こんごう の様態 ようたい である。二色 にしき 型 がた の色覚 しきかく を持 も つ人 ひと は、2つの完全 かんぜん な原色 げんしょく [注 ちゅう 5] でその人 ひと が知覚 ちかく 可能 かのう な全 すべ ての色 いろ を合成 ごうせい することができると考 かんが えられており、4つないしそれ以上 いじょう の錐 きり 体 たい (もしくはそれに相当 そうとう するもの)を持 も つ生物 せいぶつ にとっては、4つないしそれ以上 いじょう の「原色 げんしょく 」が必要 ひつよう になる。また、ヘビ の赤外線 せきがいせん 検知 けんち 器 き であるピットの情報 じょうほう は脳 のう の視覚 しかく 野 の に入 はい っており、視覚 しかく 情報 じょうほう として処理 しょり されていることが証明 しょうめい されている。つまり、ピットを持 も つヘビ(マムシ など)にとっては温度 おんど 情報 じょうほう もまた原色 げんしょく の一 ひと つであろう。人間 にんげん は偏 へん 光 こう をハイディンガーのブラシ と呼 よ ばれる現象 げんしょう を除 のぞ いてほとんど知覚 ちかく できないが、水中 すいちゅう 生物 せいぶつ の一部 いちぶ や昆虫 こんちゅう など、知覚 ちかく できる生物 せいぶつ が存在 そんざい する。それらは透明 とうめい なものを偏 へん 光 こう の回転 かいてん 程度 ていど の違 ちが いにより見 み ることができたり、曇 くも り空 ぞら でも太陽 たいよう の正確 せいかく な方向 ほうこう がわかると考 かんが えられている。そのような生物 せいぶつ には、人間 にんげん が実際 じっさい の色 いろ に近 ちか いと判断 はんだん する写真 しゃしん も、実物 じつぶつ と明 あき らかに異 こと なる色合 いろあ いに見 み えると考 かんが えられる。
色 いろ 光 こう の三原色 さんげんしょく による加法 かほう 混合 こんごう
有色 ゆうしょく の光線 こうせん によって色 いろ を演出 えんしゅつ する場合 ばあい 、光 ひかり を加 くわ える形 かたち で色 いろ を合成 ごうせい する(加法 かほう 混合 こんごう )。このとき、積極 せっきょく 的 てき な発光 はっこう によらない、黒 くろ さ(暗 くら さ)を表現 ひょうげん できる仕組 しく みが求 もと められる。この結果 けっか 、効率 こうりつ 的 てき に光 ひかり の透過 とうか を抑 おさ えることが出来 でき る塩素 えんそ を含 ふく む顔料 がんりょう が採用 さいよう される場合 ばあい が多 おお くなる。
白色 はくしょく の光 ひかり を合成 ごうせい するための波長 はちょう を「光 ひかり の三原色 さんげんしょく 」や「色 いろ 光 こう の三原色 さんげんしょく 」と言 い い、下記 かき の三 さん 色 しょく を用 もち いる。カラーフィルターを用 もち いる場合 ばあい に採用 さいよう される顔料 がんりょう の一 いち 例 れい を上 あ げると、赤 あか がPigment Red 254に少量 しょうりょう のPigment Orange 71、緑 みどり がPigment Green 36に少量 しょうりょう のPigment Yellow 138、青 あお がPigment Blue 15:6に少量 しょうりょう のPigment Violet 23、などである。これはあくまで例 れい であり、これ以外 いがい の顔料 がんりょう の組 く み合 あ わせは使用 しよう されている。以前 いぜん は「橙 だいだい 」「緑 みどり 」「紫 むらさき 」の組 く み合 あ わせも試 こころ みられたが成功 せいこう しなかった。カラーフィルターのスペクトルは下記 かき の波長 はちょう とは性格 せいかく が異 こと なり、一致 いっち しない。
色 いろ 料 りょう の三原色 さんげんしょく による減法 げんぽう 混合 こんごう
一方 いっぽう 、物体 ぶったい の表面 ひょうめん を特定 とくてい の色 いろ にするためにインク などを塗 ぬ る場合 ばあい 、元 もと の光 ひかり を遮 さえぎ る形 かたち で色 いろ を合成 ごうせい する(減法 げんぽう 混合 こんごう )。その合成 ごうせい の元 もと になる色 いろ は一般 いっぱん に「色 いろ の三原色 さんげんしょく 」や「色 いろ 料 りょう の三原色 さんげんしょく 」と言 い われ、シアン 、マゼンタ 、イエロー の三 さん 色 しょく (下 しも 掲)を用 もち いる。この三 みっ つの材料 ざいりょう を混合 こんごう すれば、光 ひかり の三原色 さんげんしょく の場合 ばあい と反対 はんたい に黒 くろ を作 つく ることが出来 でき る。しかし、この三 さん 色 しょく によって白 しろ を構成 こうせい することは出来 でき ない。
故 ゆえ に、印刷 いんさつ などに用 もち いる場合 ばあい には白色 はくしょく 素材 そざい の表面 ひょうめん に使用 しよう することが前提 ぜんてい となる上 うえ 、白色 はくしょく の併用 へいよう が必要 ひつよう になる場合 ばあい もある。また、透明 とうめい 性 せい の高 たか い着色 ちゃくしょく 材 ざい (colorant)を使用 しよう しても、三原色 さんげんしょく の重 かさ ねや混合 こんごう で成立 せいりつ する黒 くろ は理想 りそう とは異 こと なり、純 じゅん 黒 くろ にはならない。このため、より自然 しぜん に色 いろ を現 あらわ す目的 もくてき で黒色 こくしょく の着色 ちゃくしょく 材 ざい が併用 へいよう され、これは一般 いっぱん にCMYK (Cyan, Magenta, Yellow, Key plate) と呼 よ ばれる。
C :シアン (緑 みどり みの青 あお 、藍 あい )(例 たと えば、フタロシアニン 青 あお 、Pigment Blue 15:3)
M :マゼンタ (赤 あか 紫 むらさき 、紅紫 こうし 色 しょく 、紅 べに )(例 たと えば、キナクリドン 赤 あか 、Pigment Red 122[注 ちゅう 6] )
Y :イエロー (黄色 おうしょく )(例 たと えば、アゾ 黄 き 、Pigment Yellow 74やPigment Yellow 128など[9] )
K :ブラック (黒 くろ )
反対 はんたい 色 しょく 性 せい [ 編集 へんしゅう ]
光 ひかり の混合 こんごう においては、橙 だいだい と青 あお によってマゼンタ などの紫 むらさき の色相 しきそう が得 え られ、橙 だいだい と緑 みどり を混 ま ぜると黄 き の色相 しきそう を得 え ることが可能 かのう である。このとき、紫 むらさき には元 もと の赤 あか 味 あじ も青 あお 味 あじ もあるが、黄 き においてこの印象 いんしょう は寡少である。黄 き には元 もと の色彩 しきさい (赤 あか 、緑 みどり )がないと主張 しゅちょう する人 ひと がいる。しかし、現実 げんじつ に得 え られる黄 き は赤 あか 気味 ぎみ であったり、緑 みどり 気味 ぎみ であったりする。赤 あか 気味 ぎみ でも緑 みどり 気味 ぎみ でもない「理想 りそう の黄 き 」が現実 げんじつ に得 え られるとは断言 だんげん できない。また、黄 き と青 あお から白 しろ を作 つく る場合 ばあい も、元 もと の色味 いろみ が極度 きょくど に減少 げんしょう する。このような色味 いろみ を打 う ち消 け しあう性質 せいしつ を反対 はんたい 色 しょく 性 せい 、色 いろ 自体 じたい についてはもう一方 いっぽう の色 いろ の反対 はんたい 色 しょく 、補色 ほしょく という。ただし補色 ほしょく という語 かたり は厳密 げんみつ な反対 はんたい 色 しょく を意味 いみ しない場合 ばあい が多 おお い。
反対 はんたい 色 しょく 性 せい は網膜 もうまく から大脳 だいのう へ効率 こうりつ 的 てき に色 いろ 情報 じょうほう を伝達 でんたつ しようとするために生 しょう じると考 かんが えられている。なぜなら、それぞれの色 いろ は錐 きり 体 たい 応答 おうとう 間 あいだ でも高 たか い相関 そうかん があるからである。そのため、相関 そうかん が低 ひく くなるよう線形 せんけい 変換 へんかん し、冗長 じょうちょう 性 せい を低減 ていげん している。
色覚 しきかく の認知 にんち と比較 ひかく [ 編集 へんしゅう ]
同一 どういつ の個体 こたい の色覚 しきかく は、ふつう安定 あんてい していると考 かんが えられている。光源 こうげん が多少 たしょう 変化 へんか しても同 おな じ物体 ぶったい の色 いろ が同様 どうよう に見 み えるのは、色覚 しきかく の恒常 こうじょう 性 せい があるからである。
複数 ふくすう の個体 こたい 間 あいだ で知覚 ちかく される色 いろ がどのような色 いろ であるかを直接 ちょくせつ すり合 あ わせることは出来 でき ないが、人間 にんげん 同士 どうし であれば言語 げんご やカラーチャート を用 もち いて情報 じょうほう 交換 こうかん することが可能 かのう である。他方 たほう で、人間 にんげん が様々 さまざま な生物 せいぶつ の色覚 しきかく を知 し ろうとする試 こころ みがあり、色覚 しきかく の有無 うむ や性質 せいしつ が研究 けんきゅう されている。
色覚 しきかく の恒常 こうじょう 性 せい [ 編集 へんしゅう ]
人間 にんげん が光線 こうせん の波長 はちょう そのものを知覚 ちかく しているのではなく三 さん 種類 しゅるい の錐 きり 体 たい の出力 しゅつりょく 比 ひ を知覚 ちかく していることを述 の べた。これだけでは例 たと えば、極端 きょくたん に黄色 きいろ い照明 しょうめい の下 した では全 すべ てのものが黄色 きいろ く見 み えてしまうはずだが、実際 じっさい には色味 いろみ のある照明 しょうめい の下 した でもその照明 しょうめい に支配 しはい されない認識 にんしき が得 え られる。これを色覚 しきかく の恒常 こうじょう 性 せい という。
人間 にんげん の視覚 しかく には慣 な れや知識 ちしき などによる補正 ほせい があり、多少 たしょう の光源 こうげん の色 いろ 度 ど の違 ちが いは補正 ほせい される。このため昼 ひる と夕方 ゆうがた とでは日光 にっこう の波長 はちょう 分布 ぶんぷ が違 ちが うにもかかわらず、物体 ぶったい は同 おな じ色 しょく に見 み える。太陽光 たいようあきら と異 こと なる波長 はちょう 分布 ぶんぷ を持 も つ照明 しょうめい 下 か でも「白色 はくしょく 」のものは白色 はくしょく と感 かん じられる。例 たと えば、「白熱 はくねつ 灯 とう 」の波長 はちょう 分布 ぶんぷ はその名 な に反 はん してかなり赤 あか に偏 かたよ っているが、その照明 しょうめい 下 か でも白 しろ い紙 かみ は白 しろ く見 み える。周囲 しゅうい の色々 いろいろ なものの見 み え方 かた からそのときの照明 しょうめい 条件 じょうけん を推定 すいてい し、その推定 すいてい に従 したが って色 いろ の見 み え方 かた を補正 ほせい していると考 かんが えられる[10] 。
太陽光 たいようこう と同 おな じ波長 はちょう 分布 ぶんぷ の光 ひかり が最 もっと も自然 しぜん な白色 はくしょく とされるが、それより青 あお 成分 せいぶん の強 つよ い光 ひかり を「爽 さわ やかな白 しろ 」と感 かん じる人 ひと が多 おお い。故 ゆえ に多 おお くのディスプレイ 上 うえ に表現 ひょうげん される白色 はくしょく は純白 じゅんぱく より青 あお 味 あじ が強 つよ い色 いろ になっている。そのような青 あお 味 あじ の白 しろ も極端 きょくたん でなければ、日常 にちじょう 的 てき に白 しろ を吟味 ぎんみ していないような多 おお くの人 ひと の眼 め には「青 あお 」でなく「爽 さわ やかな白 しろ 」と感 かん じられる。
夜間 やかん など十分 じゅうぶん な光 ひかり の得 え られない環境 かんきょう では、錐 きり 体 たい の機能 きのう が低下 ていか する。暗 くら 所 ところ で働 はたら く桿体は錐 きり 体 たい と比較 ひかく して赤色 あかいろ 光 こう への感度 かんど が低 ひく いため夜間 やかん には赤 あか と黒 くろ の識別 しきべつ が困難 こんなん になるのだが、そのような環境 かんきょう にあっても赤色 あかいろ であると知 し っているものは赤 あか く見 み える場合 ばあい がある。例 たと えば、黒 くろ く塗 ぬ った林檎 りんご を暗 くら い環境 かんきょう 下 か で見 み せると赤 あか く見 み える、といったことが起 お こる。
太陽光 たいようこう 線 せん の波長 はちょう 分布 ぶんぷ は季 き 節 ぶし や時刻 じこく によって異 こと なる。また、周囲 しゅうい に反射 はんしゃ した光 ひかり によっても影響 えいきょう される。例 たと えば周 まわ りが青 あお い物 もの ばかりならば反射 はんしゃ 光 こう によって環境 かんきょう 光 こう は青 あお さが増 ま す。だが、周囲 しゅうい の色 いろ に引 ひ きずられて物 もの の色 いろ が違 ちが って見 み えては困 こま るであろう。色 いろ の恒常 こうじょう 性 せい は、そのような場合 ばあい でも出来 でき るだけ一定 いってい の色覚 しきかく を保 たも つために発達 はったつ したとの考 かんが えは、ある自然 しぜん さを持 も っている。ただし、この補正 ほせい にも限度 げんど があり、極端 きょくたん に偏 かたよ った波長 はちょう 分布 ぶんぷ では補正 ほせい しきれない。
色覚 しきかく の共有 きょうゆう [ 編集 へんしゅう ]
同 おな じ組成 そせい の光 ひかり を受 う けた場合 ばあい でも、それをどのように知覚 ちかく するかは人 ひと それぞれの目 め と脳 のう の相関 そうかん 関係 かんけい によって異 こと なるので、複数 ふくすう の人間 にんげん が全 まった く同一 どういつ の色覚 しきかく を共有 きょうゆう しているわけではない。同様 どうよう に、ある人 ひと が同 おな じ物 ぶつ を見 み ても右目 みぎめ と左目 ひだりめ では角度 かくど や距離 きょり が異 こと なり、見 み えた色 いろ も一致 いっち しない。他者 たしゃ の色 いろ 知覚 ちかく を経験 けいけん する手段 しゅだん は存在 そんざい せず、同一 どういつ の色 いろ 知覚 ちかく を共有 きょうゆう することも不可能 ふかのう である。
また、知覚 ちかく した色 いろ をどのような色 いろ 名 めい で呼 よ ぶかは学習 がくしゅう によって決定 けってい される事柄 ことがら であり、例 たと えば緑色 みどりいろ を見 み て二 に 人 にん の人間 にんげん が異 こと なる知覚 ちかく を得 え たとしても、二人 ふたり ともそれを「緑 みどり 」と呼 よ ぶので、色覚 しきかく の違 ちが いは表面 ひょうめん 化 か しない。
色覚 しきかく の違 ちが いが表面 ひょうめん 化 か するのは、複数 ふくすう の色 いろ の区別 くべつ に困難 こんなん が生 しょう じるなどの場合 ばあい である。大 だい 多数 たすう の人間 にんげん とはっきり異 こと なる判断 はんだん をおこすものの色覚 しきかく 特性 とくせい を指 さ して、その生理 せいり については色覚 しきかく 異常 いじょう 、機能 きのう については色覚 しきかく 障害 しょうがい と呼 よ ぶ。
いわゆるバリアフリー と呼 よ ばれる動向 どうこう において、色覚 しきかく 異常 いじょう の者 もの に対 たい する配慮 はいりょ が必要 ひつよう であるという意見 いけん がある。他方 たほう で、眼 め 科学 かがく においては、1型 がた 色覚 しきかく および2型 がた 色覚 しきかく に代表 だいひょう される多 おお くのケースでは、日常 にちじょう 生活 せいかつ に大 おお きな支障 ししょう をきたしていないという考 かんが え方 かた が定説 ていせつ とされている[11] 。
標準 ひょうじゅん 化 か 団体 だんたい であるW3C は、HTML の色 いろ 使 づか いは色覚 しきかく 異常 いじょう に配慮 はいりょ したコントラストを保 たも つべきだとして綱領 こうりょう を出 だ している[12] 。HTML は 16,777,216 色 しょく (23×8 色 いろ )が表現 ひょうげん 出来 でき るが、環境 かんきょう に依 よ って見 み え方 かた は左右 さゆう される。256 色 しょく 環境 かんきょう で Windows と Macintosh に共通 きょうつう する 216 色 しょく (63 色 いろ )の事 こと をウェブカラー と言 い い、この 216 色 しょく は見 み え方 かた が環境 かんきょう の違 ちが いに左右 さゆう され難 がた いため、使用 しよう が推奨 すいしょう されている。
色 いろ の作用 さよう 、効果 こうか [ 編集 へんしゅう ]
人間 にんげん には感知 かんち し易 やす い色 いろ と知覚 ちかく し難 がた い色 いろ がある。色 いろ の差 さ の認識 にんしき されやすさは色 いろ の視認 しにん 性 せい と呼 よ ばれる。色 いろ が人 ひと の注意 ちゅうい を引 ひ きやすく目立 めだ つ度合 どあ いを、色 いろ の誘 さそえ 目性 めしょう と呼 よ ぶ。一般 いっぱん に彩 いろどり 度 ど が高 たか い方 ほう が視認 しにん 性 せい と誘 さそえ 目性 めしょう は高 たか くなるとされる。寒色 かんしょく 系 けい よりも暖色 だんしょく 系 けい のほうが誘 さそえ 目性 めしょう が高 たか い。一般 いっぱん に、色相 しきそう が離 はな れているほどコントラストが強 つよ くなるため、視認 しにん 性 せい が高 たか まる。
色 いろ は人 ひと の奥行 おくゆ き感 かん や距離 きょり の判断 はんだん に影響 えいきょう を与 あた える。暖色 だんしょく 系 けい の色 いろ は実際 じっさい よりも飛 と び出 だ して見 み える進出 しんしゅつ 色 しょく 、寒色 かんしょく 系 けい の色 いろ は引 ひ っ込 こ んで見 み える後退 こうたい 色 しょく である傾向 けいこう がある。一般 いっぱん に、彩 いろどり 度 ど が高 たか い方 ほう は進出 しんしゅつ し、低 ひく ければ後退 こうたい して見 み え、無 む 彩色 さいしき よりも有 ゆう 彩色 さいしき が進出 しんしゅつ して見 み える。さらに、背景 はいけい の色 いろ との関連 かんれん もあり、背景 はいけい が明 あか るい場合 ばあい は暗 くら いほど、背景 はいけい が暗 くら ければ明 あか るいほど、進出 しんしゅつ して見 み える。
隣接 りんせつ する色 いろ との対比 たいひ で見 み え方 かた が異 こと なってくることを同時 どうじ 対比 たいひ という。明度 めいど 対比 たいひ 、彩 いろどり 度 ど 対比 たいひ 、色相 しきそう 対比 たいひ 、補色 ほしょく による彩 いろどり 度 ど 対比 たいひ 、色 いろ 陰 かげ 現象 げんしょう などがある。反対 はんたい に、隣接 りんせつ する色 いろ に近似 きんじ して見 み える現象 げんしょう を同化 どうか 現象 げんしょう (フォン=べゾルト効果 こうか )という。面積 めんせき 比 ひ が大 おお きい場合 ばあい 、線 せん が細 ほそ い場合 ばあい にその効果 こうか は大 おお きくなる。
配色 はいしょく により、重 かさ なっている部分 ぶぶん を透 す けているように見 み せることができる。これは、透明 とうめい 視 し (セロファン効果 こうか )と言 い われる。
同 おな じ色 しょく でも面積 めんせき が大 おお きくなると明 あか るく彩 いろどり 度 ど が高 たか く見 み え、暗 くら い色 いろ はより暗 くら く感 かん じる。また、線 せん の太 ふと さが同 おな じでも、明度 めいど を落 お とすと細 ほそ い線 せん のように見 み える。
実際 じっさい より大 おお きく見 み える色 いろ を「膨張 ぼうちょう 色 しょく 」、小 ちい さく見 み える「収縮 しゅうしゅく 色 しょく 」という。赤 あか や黄 き など暖色 だんしょく 系 けい の色 いろ および白色 はくしょく は膨張 ぼうちょう 色 しょく で、他 た の色 いろ より知覚 ちかく し易 やす い。日本 にっぽん の児童 じどう の帽子 ぼうし やランドセルカバーが黄色 きいろ なのは、知覚 ちかく し易 やす い色 いろ を採用 さいよう する事 こと で自動車 じどうしゃ 事故 じこ を減 へ らす狙 ねら いがあるからである。反対 はんたい に、青 あお や黒 くろ などの寒色 かんしょく 系 けい の色 いろ は収縮 しゅうしゅく 色 しょく である。実際 じっさい に黒色 こくしょく の自動車 じどうしゃ は他 た の色 いろ に比 くら べて事故 じこ が多 おお く、そのためバスやタクシーの車体 しゃたい は黒色 こくしょく を避 さ けているものが多 おお い。[疑問 ぎもん 点 てん – ノート ] また、囲碁 いご の碁石 ごいし も黒石 くろいし と白石 しらいし が同 おな じ大 おお きさの場合 ばあい は黒石 くろいし の方 ほう が小 ちい さく見 み えてしまうので、黒石 くろいし を一回 ひとまわ り大 おお きく作 つく っている。
人間 にんげん が暗闇 くらやみ で見 み え難 がた い色 いろ は、茶 ちゃ ・黒 くろ ・青 あお ・紫 むらさき であり、見 み え易 やす い色 いろ は、黄 き ・白 しろ ・オレンジの順番 じゅんばん である。
乳幼児 にゅうようじ は赤色 あかいろ を強 つよ く認識 にんしき するので、乳幼児 にゅうようじ の玩具 おもちゃ は赤色 あかいろ を基調 きちょう に作 つく られている。老人 ろうじん 性 せい 白内障 はくないしょう に罹 かか ると水晶 すいしょう 体 たい が黄色 きいろ く濁 にご り、波長 はちょう の短 みじか い青色 あおいろ 緑色 みどりいろ 系統 けいとう の色 いろ は黒 くろ っぽく見 み えるようになる[13] 。このため老人 ろうじん はガスコンロの青 あお い炎 ほのお が見 み え難 がた く、火傷 かしょう や火事 かじ を起 お こし易 やす い。
安定 あんてい した元素 げんそ である炭素 たんそ を素材 そざい とする墨 すみ や複写 ふくしゃ 機 き のトナー の複写 ふくしゃ やコピー で描 えが いた文字 もじ 、図形 ずけい や絵画 かいが などは紫外線 しがいせん に対 たい して耐 たい 光 こう 性 せい があり、また空気 くうき 中 なか や水 みず 中 なか の酸素 さんそ による酸化 さんか によって色褪 いろあ せ、退色 たいしょく や変色 へんしょく することは少 すく ない。木簡 もっかん の文字 もじ はその典型 てんけい 例 れい である。他方 たほう で、玩具 おもちゃ やアニメ 、美術 びじゅつ のように、生理 せいり 的 てき な弁別 べんべつ が容易 ようい で単純 たんじゅん な色 いろ を多用 たよう する分野 ぶんや ・領域 りょういき がある。多 おお くの印刷 いんさつ や塗装 とそう と異 こと なり、明 あか るく鮮 あざ やかな色 いろ を多用 たよう するとか、色素 しきそ の濃度 のうど を高 たか くしたり塗料 とりょう を厚 あつ く塗 ぬ ったりして、色 いろ の飽和 ほうわ 度 ど を高 たか くしたり、色素 しきそ の存在 そんざい 比 ひ を大 おお きくして生理 せいり 的 てき な弁別 べんべつ の容易 たやす さを高 たか めるなどした結果 けっか 、変 か わった色 いろ になっている場合 ばあい が多 おお い。絵具 えのぐ などは消費 しょうひ 量 りょう が少 すく なく、使用 しよう 法 ほう が厳密 げんみつ でない上 うえ に消費 しょうひ 者 しゃ によって随分 ずいぶん 異 こと なる為 ため 、原料 げんりょう の品質 ひんしつ が低 ひく く、色 いろ が良 よ くない[注 ちゅう 7] 。ターナー やゴッホ 、ピカソ やシャガール など著名 ちょめい な画家 がか 達 たち が色覚 しきかく 異常 いじょう だったとの説 せつ もある。
色鉛筆 いろえんぴつ 。美術 びじゅつ において色 いろ は重要 じゅうよう な要素 ようそ である。
データ放送 ほうそう のコンテンツ選択 せんたく 時 じ や双方向 そうほうこう 番組 ばんぐみ の視聴 しちょう 者 しゃ 投票 とうひょう などで用 もち いる、4色 しょく のボタン
一般 いっぱん に、色 いろ は、生活 せいかつ や文化 ぶんか 、産業 さんぎょう や商業 しょうぎょう 、デザイン や視覚 しかく 芸術 げいじゅつ の重要 じゅうよう な要素 ようそ であり、ある「様式 ようしき 」「作風 さくふう 」「文化 ぶんか 」の特徴 とくちょう の一 ひと つに、特定 とくてい の色 いろ の使用 しよう 、特定 とくてい の色 いろ の組 く み合 あ わせ、色 いろ と結 むす び付 つ いた意味 いみ などが含 ふく まれている場合 ばあい も多 おお い。
色 いろ 名 めい とは色 いろ の名 な のことである。基本 きほん 色 しょく 名 めい 、系統 けいとう 色 しょく 名 めい 、固有 こゆう 色 しょく 名 めい などがある。あらゆる文化 ぶんか には、RGB や CMY と同 どう 一 いち 視 し 出来 でき ない、それぞれの文化 ぶんか 的 てき な原色 げんしょく がある。それはその文化 ぶんか の背骨 せぼね となっている言語 げんご の中 なか での、最 もっと も古 ふる い色 いろ 名 めい からたどれる。そのような色 いろ 名 めい は基本 きほん 色 しょく 名 めい と呼 よ ばれる。特別 とくべつ な名前 なまえ が付 つ けられた色 いろ や、また名前 なまえ の付 つ けられていないような色 いろ もあるが、それらは全 すべ て基本 きほん 色 しょく 名 めい でい換 いか える事 こと ができる。例 たと えば、「蘇芳 すおう 色 しょく (すおういろ)」は基本 きほん 色 しょく 名 めい の「赤 あか 」とい換 いか えることができるし、空 そら の色 いろ や海 うみ の色 いろ などをまとめて「青 あお 」と呼 よ べる。
色 いろ に対 たい する一般 いっぱん 的 てき な印象 いんしょう [ 編集 へんしゅう ]
この節 ふし は検証 けんしょう 可能 かのう な参考 さんこう 文献 ぶんけん や出典 しゅってん が全 まった く示 しめ されていないか、不十分 ふじゅうぶん です。 出典 しゅってん を追加 ついか して記事 きじ の信頼 しんらい 性 せい 向上 こうじょう にご協力 きょうりょく ください。(このテンプレートの使 つか い方 かた ) 出典 しゅってん 検索 けんさく ? : "色 しょく " – ニュース · 書籍 しょせき · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2016年 ねん 7月 がつ )
色彩 しきさい は様々 さまざま な感情 かんじょう を表現 ひょうげん したり、事物 じぶつ を連想 れんそう させることがある。国 くに や文化 ぶんか などによって違 ちが いはあるが、一般 いっぱん 的 てき な印象 いんしょう は次 つぎ のようなものである[14] [15] 。しかし、今日 きょう では喪服 もふく は黒 くろ が一般 いっぱん 的 てき だが江戸 えど 時代 じだい までは白 しろ が一般 いっぱん 的 てき だったように、時代 じだい や文化 ぶんか による影響 えいきょう も大 おお きい。
白 しろ
善 ぜん 、雪 ゆき 、無 む 、保守 ほしゅ 、真理 しんり 、清潔 せいけつ 、純粋 じゅんすい 、無罪 むざい 、無知 むち 、賛成 さんせい など
黒 くろ
夜 よる 、権威 けんい 、悪 あく 、死 し 、防衛 ぼうえい 、武 たけ 勇 いさむ 、汚濁 おだく 、有罪 ゆうざい 、炭 すみ 、富裕 ふゆう 層 そう など
栗 ぐり (茶色 ちゃいろ )
土 ど 、豊穣 ほうじょう 、糞 くそ 、執着 しゅうちゃく 、田舎 いなか 、秋 あき など
赤 あか
血 ち 、生命 せいめい 、火 ひ 、左翼 さよく 、革命 かくめい 、力 ちから 、愛 あい 、女 おんな 、情熱 じょうねつ 、危険 きけん 、熱 ねつ 暑 あつ 、勇気 ゆうき 、攻撃 こうげき 、敵 てき 、電気 でんき 、太陽 たいよう (日本 にっぽん )など
橙 だいだい
温暖 おんだん 、快活 かいかつ 、陽気 ようき 、幸福 こうふく 、誇 ほこ り 、野心 やしん 、忍耐 にんたい など
黄 き
太陽 たいよう 、穀類 こくるい 、電子 でんし 、金 きむ 、注意 ちゅうい 、臆病 おくびょう 、活発 かっぱつ 、明快 めいかい 、乾燥 かんそう 、地下 ちか 、王位 おうい 、色欲 しきよく など
緑 みどり
植物 しょくぶつ 、自然 しぜん 、安全 あんぜん 、健康 けんこう 、希望 きぼう 、幼稚 ようち 、平和 へいわ 、新鮮 しんせん 、湿潤 しつじゅん 、嫉妬 しっと (英語 えいご 圏 けん )、エコロジー など
青 あお
水 みず 、冷静 れいせい 、知性 ちせい 、内面 ないめん 、右翼 うよく 、悠久 ゆうきゅう 、未来 みらい 、誠実 せいじつ 、味方 みかた 、防御 ぼうぎょ 、貧乏 びんぼう 、憂鬱 ゆううつ 、寒冷 かんれい 、涙 なみだ 、男 おとこ 、月 つき 、安全 あんぜん など
紫 むらさき
王位 おうい 、高貴 こうき 、正義 まさよし 、優雅 ゆうが 、神秘 しんぴ 、節制 せっせい など
金 きむ
神 かみ 、宝 たから 、光 ひかり 、生 せい など
灰 はい
中立 ちゅうりつ 、不潔 ふけつ 、陰鬱 いんうつ 、不変 ふへん 、沈静 ちんせい など
青 あお は男 おとこ 、赤 あか は女 おんな を意味 いみ するという認識 にんしき は日本 にっぽん のみならず世界 せかい の国々 くにぐに が有 ゆう しているという調査 ちょうさ 結果 けっか がある[16] 。
職種 しょくしゅ 、階層 かいそう 、貧富 ひんぷ をい表 いあらわ す際 さい にも色 いろ が用 もち いられることがある。例 れい :ホワイトカラー (事務職 じむしょく )・ブルーカラー (肉体 にくたい 労働 ろうどう 職 しょく )、ブルーブラッド(貴族 きぞく 。首筋 くびすじ が日焼 ひや けせず静脈 じょうみゃく が見 み える人間 にんげん )・レッドネック (白人 はくじん の肉体 にくたい 労働 ろうどう 者 しゃ 。屋外 おくがい 労働 ろうどう で首筋 くびすじ が赤 あか く日焼 ひや けしていることから。アメリカ南部 なんぶ 者 しゃ )・ホワイトトラッシュ (貧乏 びんぼう な白人 はくじん 。ただしレッドネックが白人 はくじん の男 おとこ を指 さ すのに対 たい し、こちらは女 おんな を限定 げんてい することもある)
政治 せいじ の世界 せかい においては、色 いろ が特定 とくてい の政治 せいじ 的 てき な立場 たちば を現 あらわ すことがよくある。
赤 あか は左翼 さよく ・社会 しゃかい 主義 しゅぎ ・共産 きょうさん 主義 しゅぎ を形容 けいよう する色 いろ としてよく使 つか われ、党派 とうは 的 てき にも容共 ようきょう で政府 せいふ ・資本 しほん 家 か に反 はん く側 がわ を表 あらわ す。一説 いっせつ には、1848年 ねん 革命 かくめい やパリ・コミューン の時 とき に、革命 かくめい 軍 ぐん が掲 かか げていた三 さん 色 しょく 旗 はた が血 ち に染 そ まって赤 あか くなったから、左翼 さよく 的 てき 立場 たちば を形容 けいよう するのに赤 あか を使 つか うようになったとされる。
白 しろ は右翼 うよく ・反共 はんきょう 主義 しゅぎ ・王 おう 党派 とうは ・復古 ふっこ 勢力 せいりょく を指 さ す色 いろ として使 つか われる。反共 はんきょう で政府 せいふ ・資本 しほん 家 か に親 した しい側 がわ を指 さ す。フランス の王 おう 党派 とうは が使 つか い始 はじ めたのが最初 さいしょ で、フランスのブルボン家 か の白 しろ 百 ひゃく 合 ごう 紋章 もんしょう に由来 ゆらい する。以来 いらい 、反 はん 革命 かくめい 軍 ぐん は白旗 しらはた を目印 めじるし として、右翼 うよく 的 てき 立場 たちば を形容 けいよう するのに白 しろ を使 つか うようになった。白 しろ 系 けい ロシア人 じん 、白色 はくしょく テロ など。
黒 くろ はアナキズム を象徴 しょうちょう する色 いろ として使 つか われる。日本 にっぽん では、天皇 てんのう の臣下 しんか を意味 いみ する色 いろ として利用 りよう される事 こと があった。また、しばしばファシズム の象徴 しょうちょう として使 つか われる。ベニート・ムッソリーニ のファシスト 党 とう は、制服 せいふく の色 いろ として使 つか った。
青 あお は保守 ほしゅ 主義 しゅぎ を形容 けいよう する。
黄色 おうしょく は労資 ろうし 協調 きょうちょう 主義 しゅぎ や自由 じゆう 主義 しゅぎ ・リベラル 派 は を形容 けいよう する。御用 ごよう 組合 くみあい は俗 ぞく に「黄色 おうしょく 組合 くみあい 」とも言 い われ、黄色 おうしょく は容共 ようきょう かつ政府 せいふ ・資本 しほん 家 か に親 した しい党派 とうは を表 あらわ す。
緑 みどり は環境 かんきょう 保護 ほご 派 は や「緑 みどり の党 とう 」を形容 けいよう する色 いろ として広 ひろ く使 つか われている。イスラムを象徴 しょうちょう する色 いろ としても利用 りよう される。
茶色 ちゃいろ や褐色 かっしょく は独裁 どくさい 主義 しゅぎ やナチズム を形容 けいよう する。これは、ナチ党 とう の突撃 とつげき 隊 たい (SA)の制服 せいふく にちなむ。また、茶色 ちゃいろ の代 か わりに、赤 あか と黒 くろ の組 く み合 あ わせで示 しめ される場合 ばあい もある(例 れい :クメール・ルージュ )。
複数 ふくすう の色 いろ の組 く み合 あ わせ[ 編集 へんしゅう ]
国旗 こっき には、アイルランドの国旗 こっき などのように、各 かく 色 いろ が意味 いみ を持 も っており、その組 く み合 あ わせと配置 はいち で国家 こっか の在 あ り方 かた を示 しめ している場合 ばあい がある。
また、レインボーフラッグ のように、複数 ふくすう の色 いろ を組 く み合 あ わせること自体 じたい で政治 せいじ 的 てき 主張 しゅちょう を表 あら わす場合 ばあい もある。
商業 しょうぎょう における色 いろ [ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん では、JAPAN FASHION COLOR ASSOCIATION (JAFCA) が毎年 まいとし 流行 りゅうこう 色 いろ を決 き めている。
自動車 じどうしゃ の外 そと 板 いた 色 しょく の好 この みには、その土地 とち の気候 きこう 風土 ふうど や文化 ぶんか が関 かか わっており、自動車 じどうしゃ メーカー では仕向 しむけ 地 ち ごとの色 いろ の設定 せってい や生産 せいさん 割合 わりあい を細 こま かく決 き めている。近年 きんねん はグローバル化 か が進 すす んで均 なら されて来 き てはいるが、地域 ちいき 的 てき な差 さ は高級 こうきゅう 車 しゃ では少 すく なく、大衆 たいしゅう 車 しゃ で顕著 けんちょ であった。車種 しゃしゅ やカテゴリによっても傾向 けいこう に違 ちが いはあるが、各 かく 仕向 しむけ 地 ち の大 おお まかな嗜好 しこう としては、
北米 ほくべい - 濃 こ 色 しょく 、淡色 たんしょく を問 と わずメタリックが好 この まれ、赤 あか や黄色 おうしょく などのソリッドカラーも常 つね に一定 いってい の需要 じゅよう がある。日 にち 欧 おう のメーカーは、自国 じこく 内 ない 向 む けに設定 せってい が無 な い場合 ばあい でも、北米 ほくべい 向 む けには濃緑 こみどり 、濃 こ 赤 あか 、濃 こ 茶 ちゃ 、水色 みずいろ 、ベージュ、シャンパンゴールドなどを設定 せってい してきた。また、数 かず は少 すく ないが、ソリッドピンクに代表 だいひょう される、突飛 とっぴ なビバリーヒルズ カラーの存在 そんざい も特徴 とくちょう である。
欧州 おうしゅう - 近年 きんねん はグローバル化 か で地域 ちいき 的 てき な特徴 とくちょう は薄 うす れつつあるが、以前 いぜん は大衆 たいしゅう 車 しゃ を中心 ちゅうしん に、鮮 あざ やかなものから渋 しぶ い色合 いろあ いまで、多様 たよう なソリッドカラーが用 もち いられていた。
オーストラリア 、中東 ちゅうとう - SUV 、クロスカントリー カー、ピックアップトラック を中心 ちゅうしん にサンドベージュと白 しろ が好 この まれ、中東 ちゅうとう にはオプション でフロントグリル やエンブレム (バッジ )にゴールド調 ちょう めっき のものが用意 ようい されていることも特徴 とくちょう である。
日本 にっぽん - クラスやカテゴリの別 べつ 無 な く白 しろ の需要 じゅよう が高 たか い。
自動車 じどうしゃ 業界 ぎょうかい では自動車 じどうしゃ メーカー の都合 つごう や広告 こうこく 代理 だいり 店 てん の仕掛 しか け、塗料 とりょう メーカーの技術 ぎじゅつ 開発 かいはつ などで、外 そと 板 いた 色 しょく の流行 りゅうこう が繰 く り返 かえ されてきた。日本 にっぽん の販売 はんばい 統計 とうけい (発売 はつばい 後 ご のプレスリリース には、購入 こうにゅう 層 そう 別 べつ 、グレード別 べつ などの他 ほか 、色 いろ 別 べつ の販売 はんばい 台数 だいすう 比率 ひりつ も掲載 けいさい されている。)では、バブル期 き などの好景気 こうけいき にはパール 、濃 こ 色 しょく 系 けい のマイカ やメタリック、鮮 あざ やかなソリッドカラーを中心 ちゅうしん に非常 ひじょう に多様 たよう となり、ツートーンカラーの設定 せってい も多 おお いが、不景気 ふけいき になると白 しろ と銀 ぎん (灰色 はいいろ 系 けい メタリック)に偏 かたよ る傾向 けいこう があり、メーカーも白 しろ 、銀 ぎん 、紺 こん などに色 いろ 数 すう を絞 しぼ る。この時期 じき にはスポーツカー などの趣味 しゅみ 性 せい が強 つよ く、特徴 とくちょう 的 てき な色 いろ が設定 せってい されることの多 おお い車種 しゃしゅ も、生産 せいさん を減 へ らすか、廃止 はいし に追 お いやられる場合 ばあい が多 おお い。一方 いっぽう 、軽自動車 けいじどうしゃ やコンパクトカー のうち、可 か 処分 しょぶん 所得 しょとく の高 たか い女性 じょせい 層 そう に向 む けた車種 しゃしゅ では、景気 けいき 動向 どうこう に影響 えいきょう されながらも(色 いろ の追加 ついか と廃止 はいし を頻繁 ひんぱん に繰 く り返 かえ し、全体 ぜんたい の色 いろ 数 すう を減 へ らしてコストを抑 おさ える)多様 たよう な外 そと 板 いた 色 しょく が設定 せってい されている。
塗料 とりょう としての性質 せいしつ は、カーボン を含 ふく む黒 くろ は耐久 たいきゅう 性 せい ・耐 たい 候 こう 性 せい に優 すぐ れ、焼付 やきつ け時 どき の熱 ねつ 吸収 きゅうしゅう が良 よ く、乾燥 かんそう ・硬化 こうか が速 はや い(フォード・モデルT を参照 さんしょう )。顔料 がんりょう の粒子 りゅうし が大 おお きい白 しろ はそれに次 つ ぐ耐久 たいきゅう 性 せい ・耐 たい 候 こう 性 せい を持 も つ。隠蔽 いんぺい 力 りょく もこの順 じゅん に高 たか く、ソリッドカラーの場合 ばあい 、これらの色 いろ は低 てい コストでもあり、公用 こうよう 車 しゃ や社用 しゃよう 車 しゃ 、商用 しょうよう 車 しゃ にこれらの色 いろ が多 おお い理由 りゆう にもなっている。ハイソカー ブームで人気 にんき となったスーパーホワイトは、当初 とうしょ 高額 こうがく 車 しゃ のみに設定 せってい されていた。この場合 ばあい 専用 せんよう の白 しろ い下地 したじ 塗料 とりょう を用意 ようい する必要 ひつよう はあるが、車両 しゃりょう 価格 かかく に対 たい し、塗料 とりょう と塗装 とそう のコストの割合 わりあい は低 ひく くなり、利益 りえき 率 りつ が増 ま す。
逆 ぎゃく に黄 き 、橙 だいだい 、赤 あか は隠蔽 いんぺい 力 りょく が低 ひく く、発色 はっしょく を良 よ くする場合 ばあい には専用 せんよう のサーフェーサーを用 もち いる。これらの色 いろ は耐 たい 候 こう 性 せい も低 ひく く、退色 たいしょく が目立 めだ ちやすい。
ユニバーサルデザイン の一環 いっかん として、鉄道 てつどう 路線 ろせん ごとに色 いろ を分 わ けたラインカラー の導入 どうにゅう が増 ふ えている。
車体 しゃたい 色 いろ はその鉄道 てつどう 会社 かいしゃ を表 あらわ すものであったが、維持 いじ コスト低減 ていげん に有利 ゆうり なステンレス車両 しゃりょう の普及 ふきゅう やアルミ車両 しゃりょう の無 む 塗装 とそう 化 か が進 すす み、多 おお くの車両 しゃりょう がフィルム 帯 おび を貼付 ちょうふ けるのみとなっている。この帯 おび 色 しょく はラインカラーの表示 ひょうじ を兼 か ねる場合 ばあい もある。
企業 きぎょう ・大学 だいがく ・音楽 おんがく グループ[ 編集 へんしゅう ]
企業 きぎょう や団体 だんたい などの組織 そしき を象徴 しょうちょう する色 いろ をコーポレートカラー と言 い う。大学 だいがく (その他 た 学校 がっこう 法人 ほうじん )を象徴 しょうちょう する色 いろ をスクールカラー と言 い う。音楽 おんがく 活動 かつどう を行 おこな うグループのメンバー個々 ここ に定義 ていぎ づけられた色 いろ のことをメンバーカラー と言 い う。
色 いろ ・色 いろ 名 めい 一覧 いちらん [ 編集 へんしゅう ]
^ JIS Z 8105 :2000「色 いろ に関 かん する用語 ようご 」 (日本 にっぽん 産業 さんぎょう 標準 ひょうじゅん 調査 ちょうさ 会 かい 、経済 けいざい 産業 さんぎょう 省 しょう )11頁 ぺーじ 。
^ 他方 たほう で、日置 ひおき 隆一 りゅういち は『新編 しんぺん 色彩 しきさい 科学 かがく ハンドブック』において、「物体 ぶったい という概念 がいねん が付随 ふずい 」すると主張 しゅちょう している。
^ 『新編 しんぺん 色彩 しきさい 科学 かがく ハンドブック』などの参考 さんこう 文献 ぶんけん を参照 さんしょう 。ただし、著書 ちょしょ の表題 ひょうだい のように例外 れいがい もある。
^ 錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう の数 かず が健常 けんじょう 者 しゃ よりも少 すく ないために色 いろ が異 こと なって見 み える。
^ ただし、完全 かんぜん な原色 げんしょく は実在 じつざい しない。
^ 印刷 いんさつ 技術 ぎじゅつ で多用 たよう されるアゾ赤 あか よりも色相 しきそう 的 てき にマゼンタに近 ちか い。出典 しゅってん :『有機 ゆうき 顔料 がんりょう ハンドブック』 橋本 はしもと 勲 いさお カラーオフィス 2006.5
^ 牛 うし 骨 こつ や石膏 せっこう などの美術 びじゅつ 教材 きょうざい が良 よ くないことや、市販 しはん の写真 しゃしん 用 よう のレンズが産業 さんぎょう 用 よう レンズより良 よ くないことに似 に ている。
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関連 かんれん するカテゴリがあります。
基礎 きそ 的 てき 事象 じしょう 基礎 きそ 的 てき 概念 がいねん 色 いろ の三 さん 属性 ぞくせい 色 いろ 名 めい
基礎 きそ 的 てき な色 いろ 代表 だいひょう 的 てき な二 に 次 じ 色 しょく
分野 ぶんや
研究 けんきゅう 者 しゃ 表 ひょう 色 しょく 系 けい
関連 かんれん 項目 こうもく