網膜 もうまく (もうまく、英 えい : retina )は、眼 め の構成 こうせい 要素 ようそ の一 ひと つである。視覚 しかく 細胞 さいぼう が面 めん 状 じょう に並 なら んだ部分 ぶぶん があればこう呼 よ び、視覚 しかく 的 てき な映像 えいぞう (光 ひかり 情報 じょうほう )を神経 しんけい 信号 しんごう (電気 でんき 信号 しんごう )に変換 へんかん する働 はたら きを持 も ち、視神経 ししんけい を通 とお して脳 のう 中枢 ちゅうすう へと信号 しんごう を伝達 でんたつ する。その働 はたら きからカメラ のフィルム に例 たと えられる。
脊椎動物 せきついどうぶつ の外側 そとがわ 眼 め [注 ちゅう 1] では眼球 がんきゅう の後 うし ろ側 がわ の内壁 ないへき を覆 おお う薄 うす い膜 まく 状 じょう の組織 そしき であり、神経 しんけい 細胞 さいぼう が規則 きそく 的 てき に並 なら ぶ層 そう 構造 こうぞう をしている。
脊椎動物 せきついどうぶつ の網膜 もうまく では、目 め に入 はい った光 ひかり は網膜 もうまく の奥 おく (眼球 がんきゅう の壁 かべ 側 がわ )の視 み 細胞 さいぼう 層 そう に存在 そんざい する光 ひかり 受容 じゅよう 細胞 さいぼう である視 し 細胞 さいぼう (桿体 および錐 きり 体 たい )によって感受 かんじゅ される。視 し 細胞 さいぼう で光 ひかり から神経 しんけい 信号 しんごう へと変換 へんかん され、その信号 しんごう は網膜 もうまく にある様々 さまざま な神経 しんけい 細胞 さいぼう により複雑 ふくざつ な処理 しょり を受 う け、最終 さいしゅう 的 てき に網膜 もうまく の表面 ひょうめん (眼球 がんきゅう の中心 ちゅうしん 側 がわ )に存在 そんざい する網膜 もうまく 神経 しんけい 節 ぶし 細胞 さいぼう から視神経 ししんけい を経 へ て、脳 のう 中枢 ちゅうすう へ情報 じょうほう が伝 つた えられる。
ビタミンA 群 ぐん (Vitamin A)はレチノイドと言 い われ、その代表 だいひょう 的 てき なレチノール (Retinol)の生理 せいり 活性 かっせい として網膜 もうまく の保護 ほご が知 し られており、網膜 もうまく の英語 えいご 名 めい である「retina」に由来 ゆらい して命名 めいめい されている。
ヒト の成人 せいじん の網膜 もうまく は厚 あつ さ0.2-0.3mm、直径 ちょっけい 40mm前後 ぜんこう である。網膜 もうまく の中心 ちゅうしん 部 ぶ は視力 しりょく に最 もっと も関係 かんけい している部位 ぶい であり、黄 き 褐色 かっしょく に見 み えるため、黄 き 斑 むら 部 ぶ と呼 よ ばれる。さらに黄 き 斑 まだら の中央 ちゅうおう 部 ぶ は網膜 もうまく が0.05mm程度 ていど と薄 うす くすり鉢 ばち 状 じょう に凹 へこ んでおり、中心 ちゅうしん 窩 と呼 よ ばれる。
黄 き 斑 むら 部 ぶ の4-5mm内側 うちがわ には、網膜 もうまく 全体 ぜんたい の神経 しんけい 線維 せんい が集 あつ まり眼球 がんきゅう 外 がい へと出 で て行 い く視神経 ししんけい 乳頭 にゅうとう が存在 そんざい している。
視神経 ししんけい 乳頭 にゅうとう には視 み 細胞 さいぼう が存在 そんざい していないため、この部位 ぶい では物 もの を見 み ることができない。いわゆる盲点 もうてん (マリオット盲点 もうてん )はこの部分 ぶぶん に相当 そうとう する。
網膜 もうまく の辺 あたり 縁 えん はギザギザになっていて、鋸 のこ 状 じょう 縁 えん と呼 よ ばれる。
網膜 もうまく の光 ひかり 感受性 かんじゅせい 受容 じゅよう 器 き である杆体(桿体)と錐 きり 体 たい の分布 ぶんぷ は異 こと なる。明 あか るい光 ひかり を受 う けて働 はたら き、明 あかり 所 しょ 視 し を司 つかさど る錐 きり 体 たい は中心 ちゅうしん 窩に多 おお く存在 そんざい しており、その密度 みつど は中心 ちゅうしん 窩から離 はな れると速 すみ やかに減少 げんしょう する。中心 ちゅうしん 窩は高密度 こうみつど の錐 きり 体 たい の存在 そんざい と同時 どうじ に、それらの受容 じゅよう 器 き 同士 どうし での視覚 しかく 情報 じょうほう の統合 とうごう をあまり受 う けずに個別 こべつ の視神経 ししんけい へ出力 しゅつりょく されることによって、ヒトの脳 のう へ伝 つた えられる画像 がぞう の分解能 ぶんかいのう が最 もっと も高 たか くなっている。
一方 いっぽう 、杆体は中心 ちゅうしん 窩を取 と り巻 ま くように網膜 もうまく 周辺 しゅうへん 部 ぶ に多 おお く存在 そんざい し、暗 くら い場所 ばしょ で働 はたら き、暗 くら 所 しょ 視 し を司 つかさど る。
脊椎動物 せきついどうぶつ の網膜 もうまく 構造 こうぞう [ 編集 へんしゅう ]
網膜 もうまく の断面 だんめん 図 ず
網膜 もうまく は、組織 そしき 学 がく 的 てき に10層 そう に分 わ けることができる。外側 そとがわ から順 じゅん に、網膜 もうまく 色素 しきそ 上皮 じょうひ 層 そう 、視 し 細胞 さいぼう 層 そう 、外 そと 境界 きょうかい 膜 まく 、外 そと 顆粒 かりゅう 層 そう 、外 そと 網状 もうじょう 層 そう 、内 うち 顆粒 かりゅう 層 そう 、内 うち 網状 もうじょう 層 そう 、神経 しんけい 節 ぶし 細胞 さいぼう 層 そう 、神経 しんけい 繊維 せんい (線維 せんい )層 そう 、内 うち 境界 きょうかい 膜 まく である。外界 がいかい から網膜 もうまく に照射 しょうしゃ された光 ひかり は、内 うち 境界 きょうかい 膜 まく 側 がわ から網膜 もうまく 層 そう を透過 とうか し、視 し 細胞 さいぼう 層 そう にある錐 きり 体 たい ・杆体視 し 細胞 さいぼう に到達 とうたつ する。
網膜 もうまく には大別 たいべつ すると、視 み 細胞 さいぼう (錐 きり 体 たい 、杆体)、双極 そうきょく 細胞 さいぼう 、水平 すいへい 細胞 さいぼう 、アマクリン細胞 さいぼう 、神経 しんけい 節 ぶし 細胞 さいぼう の5つの神経 しんけい 細胞 さいぼう が存在 そんざい する。光 こう は視 し 細胞 さいぼう で電気 でんき 信号 しんごう に変換 へんかん され、その信号 しんごう (情報 じょうほう )はグルタミン酸 ぐるたみんさん を介 かい して双極 そうきょく 細胞 さいぼう と水平 すいへい 細胞 さいぼう に伝達 でんたつ される。双極 そうきょく 細胞 さいぼう はアマクリン細胞 さいぼう や神経 しんけい 節 ぶし 細胞 さいぼう へとシナプス 結合 けつごう してグルタミン酸 ぐるたみんさん を放出 ほうしゅつ し、神経 しんけい 節 ぶし 細胞 さいぼう の軸 じく 索 さく が視神経 ししんけい として、外側 そとがわ 膝 ひざ 状 じょう 帯 たい などを介 かい して、大脳 だいのう の視覚 しかく 野 の に連絡 れんらく している。
網膜 もうまく 外 がい 網状 もうじょう 層 そう で視 み 細胞 さいぼう と双極 そうきょく 細胞 さいぼう 、水平 すいへい 細胞 さいぼう がシナプス結合 けつごう しており、内 うち 網状 もうじょう 層 そう で双極 そうきょく 細胞 さいぼう とアマクリン細胞 さいぼう 、神経 しんけい 節 ぶし 細胞 さいぼう がシナプス形成 けいせい をしている。外 そと 顆粒 かりゅう 層 そう には視 み 細胞 さいぼう 、内 うち 顆粒 かりゅう 層 そう には双極 そうきょく 細胞 さいぼう 、水平 すいへい 細胞 さいぼう 、アマクリン細胞 さいぼう 、神経 しんけい 節 ぶし 細胞 さいぼう 層 そう には神経 しんけい 節 ぶし 細胞 さいぼう の細胞 さいぼう 体 たい が位置 いち する。
網膜 もうまく における神経 しんけい 細胞 さいぼう [ 編集 へんしゅう ]
視 み 細胞 さいぼう (杆体・錐 きり 体 たい )[ 編集 へんしゅう ]
左 ひだり が網膜 もうまく 表面 ひょうめん 。右 みぎ に杆体細胞 さいぼう (棒状 ぼうじょう のもの)と錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう (コーン状 じょう のもの)がある。
視 み 細胞 さいぼう (photoreceptor)は網膜 もうまく の視 み 細胞 さいぼう 層 そう から外 そと 網状 もうじょう 層 そう にかけて存在 そんざい し、光 ひかり 刺激 しげき を吸収 きゅうしゅう して電気 でんき 信号 しんごう へと変換 へんかん する役割 やくわり を持 も つ。視 し 細胞 さいぼう には、明 あかり 所 しょ で機能 きのう する錐 きり 体 たい (cone)と、暗 くら 所 ところ で機能 きのう する杆体 (または桿体、rod)の2種類 しゅるい がある。錐 きり 体 たい には光 ひかり 吸収 きゅうしゅう の波長 はちょう 特性 とくせい が異 こと なるものが存在 そんざい する。
錐 きり 体 たい や杆体の外 そと 節 ぶし と呼 よ ばれる部分 ぶぶん には視 み 物質 ぶっしつ が蓄 たくわ えられている。視 し 物質 ぶっしつ は蛋白質 たんぱくしつ オプシン にレチナールが結合 けつごう した色素 しきそ 蛋白質 たんぱくしつ で、オプシンのアミノ酸 あみのさん 配列 はいれつ の違 ちが いにより吸収 きゅうしゅう 波長 はちょう が異 こと なる。錐 きり 体 たい の持 も つオプシンとしては、紫 むらさき 外 がい 型 がた ・青 あお 型 がた ・緑 みどり 型 がた ・赤 あか 型 がた の4種類 しゅるい が知 し られる。
ヒトの錐 きり 体 たい では、視 し 物質 ぶっしつ として異 こと なる蛋白質 たんぱくしつ オプシンを持 も つ3種類 しゅるい の細胞 さいぼう がある。それぞれ吸収 きゅうしゅう 波長 はちょう が異 こと なっており、L錐 きり 体 たい (赤 あか 錐 きり 体 たい )、M錐 きり 体 たい (緑 みどり 錐 きり 体 たい )、S錐 きり 体 たい (青 あお 錐 きり 体 たい )と呼 よ ばれる。これら3種類 しゅるい の錐 きり 体 たい の興奮 こうふん の割合 わりあい の違 ちが いを利用 りよう して色 いろ を区別 くべつ している。この3種類 しゅるい の錐 きり 体 たい の1個 いっこ 〜複数個 ふくすうこ の欠損 けっそん または吸収 きゅうしゅう 波長 はちょう の違 ちが いにより色覚 しきかく 異常 いじょう (色盲 しきもう 、色弱 しきじゃく )が生 しょう じる。一方 いっぽう の杆体は視 み 物質 ぶっしつ ロドプシン を持 も つ。杆体は1種類 しゅるい しかなく、色 いろ (波長 はちょう )の違 ちが いを区別 くべつ できない。
このような視 し 物質 ぶっしつ は数 すう 段階 だんかい の化学 かがく 変化 へんか を経 へ て、細胞 さいぼう 膜 まく のイオンチャネル を開閉 かいへい させ、その結果 けっか 、イオン電流 でんりゅう が発生 はっせい して緩 ゆる やかな電位 でんい 変化 へんか をもたらす。網膜 もうまく の多 おお くの神経 しんけい 細胞 さいぼう は、脳神経 のうしんけい 系 けい などで見 み られる活動 かつどう 電位 でんい と呼 よ ばれるスパイク状 じょう の電位 でんい 変化 へんか とは異 こと なり、緩 ゆる やかな電位 でんい 変化 へんか を発生 はっせい する。
祖先 そせん 型 がた の脊椎動物 せきついどうぶつ は紫 むらさき 外 がい 型 がた ・青 あお 型 がた ・緑 みどり 型 がた ・赤 あか 型 がた の錐 きり 体 たい (および杆体)を持 も つ4色 しょく 型 がた 色覚 しきかく であったと考 かんが えられる。現生 げんなま の魚類 ぎょるい 、両生類 りょうせいるい 、爬虫類 はちゅうるい 、鳥類 ちょうるい は進化 しんか の過程 かてい で各 かく オプシンを失 うしな わず、現在 げんざい でも4色 しょく 型 がた 色覚 しきかく を持 も つ。一方 いっぽう 、哺乳類 ほにゅうるい では、4タイプ錐 きり 体 たい のうち2タイプの錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう を失 うしな い、青 あお を中心 ちゅうしん に感知 かんち するS錐 きり 体 たい と赤 あか を中心 ちゅうしん に感知 かんち するL錐 きり 体 たい の2錐 きり 体 たい のみを保有 ほゆう するに至 いた った。これは赤 あか と緑 みどり を十分 じゅうぶん に区別 くべつ できないいわゆる「赤 あか 緑色 みどりいろ 盲 めくら 」の状態 じょうたい である。この色覚 しきかく が哺乳類 ほにゅうるい の子孫 しそん に遺伝 いでん 的 てき に受 う け継 つ がれることとなった。ヒトを含 ふく む旧 きゅう 世界 せかい の霊長 れいちょう 類 るい (狭 せま 鼻 はな 下目 しため )の祖先 そせん は、約 やく 3000万 まん 年 ねん 前 まえ 、X染色 せんしょく 体 たい にL錐 きり 体 たい から変異 へんい した緑 みどり を中心 ちゅうしん に感知 かんち する新 あら たなタイプの錐 きり 体 たい (M錐 きり 体 たい )視 し 物質 ぶっしつ の遺伝子 いでんし が出現 しゅつげん し、ヘテロ接合 せつごう 体 たい の2本 ほん のX染色 せんしょく 体 たい を持 も つメスのみが3色 しょく 型 がた 色覚 しきかく を有 ゆう するようになり、さらにヘテロ接合 せつごう 体 たい のメスにおいて相 あい 同 どう 組 くみ 換 か え による遺伝子 いでんし 重複 じゅうふく の変異 へんい が起 お こり、同一 どういつ のX染色 せんしょく 体 たい 上 じょう に2タイプの錐 きり 体 たい 視 し 物質 ぶっしつ の遺伝子 いでんし が保持 ほじ されることとなり、X染色 せんしょく 体 たい を1本 ほん しか持 も たないオスも3色 しょく 型 がた 色覚 しきかく を有 ゆう するようになった。これによって、第 だい 3の錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう が「再生 さいせい 」された。3色 しょく 型 がた 色覚 しきかく は果実 かじつ 等 とう の発見 はっけん に有利 ゆうり だったと考 かんが えられる[2] [3] [4] 。
中心 ちゅうしん 窩 と呼 よ ばれる部位 ぶい には受容 じゅよう 野 の が小 ちい さい錐 きり 体 たい が数多 かずおお く集 あつ まり、最 もっと も視力 しりょく が高 たか い領域 りょういき を形成 けいせい している。
水平 すいへい 細胞 さいぼう (horizontal cell)は、視 し 細胞 さいぼう とシナプス結合 けつごう をする神経 しんけい 細胞 さいぼう である。名前 なまえ のとおり、網膜 もうまく に水平 すいへい に軸 じく 索 さく が伸 の び、広 ひろ い受容 じゅよう 野 の を持 も つ。視 し 細胞 さいぼう から双極 そうきょく 細胞 さいぼう への信号 しんごう 伝達 でんたつ 経路 けいろ に対 たい して水平 すいへい 細胞 さいぼう は抑制 よくせい 的 てき に結合 けつごう しており、視 し 細胞 さいぼう の興奮 こうふん 活動 かつどう の空間 くうかん 的 てき な差異 さい が双極 そうきょく 細胞 さいぼう で強調 きょうちょう されるように抑制 よくせい 的 てき に働 はたら く。錐 きり 体 たい と水平 すいへい 細胞 さいぼう は選択 せんたく 的 てき なシナプス結合 けつごう が形成 けいせい されており、3原色 げんしょく 信号 しんごう を反対 はんたい 色 しょく 信号 しんごう に色 いろ 情報 じょうほう を変換 へんかん している。
網膜 もうまく の障害 しょうがい [ 編集 へんしゅう ]
網膜 もうまく 振盪 しんとう (症 しょう )(英 えい : concussion of retina 、羅 ら : commotio retinae )は、ベルリン混濁 こんだく (英 えい : Berlin's edema )、外傷 がいしょう 性 せい 網膜 もうまく 浮腫 ふしゅ (英 えい : traumatic retinal edema )とも呼 よ ばれ、前方 ぜんぽう から眼球 がんきゅう に強 つよ い打撲 だぼく が加 くわ わることにより生 しょう じる、眼底 がんてい 後 ご 極 きょく 部 ぶ における境界 きょうかい 不鮮明 ふせんめい な乳白色 にゅうはくしょく の一過 いっか 性 せい 網膜 もうまく 浮腫 ふしゅ をいう。打撲 だぼく の程度 ていど によっては周辺 しゅうへん 部 ぶ にも起 お こるが、通常 つうじょう は黄 き 斑 むら 部 ぶ 、視神経 ししんけい 乳頭 にゅうとう 周囲 しゅうい に現 あらわ れる。
症状 しょうじょう として視力 しりょく の低下 ていか があるが、外傷 がいしょう 後 ご 24時 じ 間 あいだ を経過 けいか する頃 ころ から始 はじ まる浮腫 ふしゅ の消 きえ 退 ずさ とともに次第 しだい に改善 かいぜん する。打撲 だぼく の程度 ていど によっては一過 いっか 性 せい の浮腫 ふしゅ にとどまらず組織 そしき 損傷 そんしょう が進行 しんこう して視力 しりょく 低下 ていか が回復 かいふく しないことがあり、その場合 ばあい には振盪 しんとう 壊死 えし (英 えい : concussion necrosis )という。
メタノール 中毒 ちゅうどく による症状 しょうじょう としては、目 め の網膜 もうまく を損傷 そんしょう することによる失明 しつめい がよく知 し られている。
眼球 がんきゅう の機能 きのう には異常 いじょう がないにもかかわらず、網膜 もうまく が機能 きのう しないため重 じゅう 篤 あつし な視力 しりょく 障害 しょうがい または失明 しつめい 状態 じょうたい となる黒内障 こくないしょう が知 し られている。遺伝 いでん 的 てき な原因 げんいん のほか、網膜 もうまく への栄養 えいよう 血管 けっかん の栓塞 せんそく によるものがある。
ブレイン・マシン・インターフェース (BMI)技術 ぎじゅつ の一環 いっかん として、眼鏡 めがね 型 かた などのカメラで撮影 さつえい した画像 がぞう 情報 じょうほう を、側 がわ 頭部 とうぶ に取 と り付 つ けた装置 そうち や網膜 もうまく 近 ちか くに置 お いた電極 でんきょく チップで脳 のう に伝 つた える「人工 じんこう 網膜 もうまく 」が開発 かいはつ されている[5] 。
フィクションの法医学 ほういがく における描写 びょうしゃ [ 編集 へんしゅう ]
網膜 もうまく に見 み た光景 こうけい が残 のこ るという考 かんが えはかつて法医学 ほういがく などの研究 けんきゅう 対象 たいしょう にもなっていたことから、リラダン が怪奇 かいき 小説 しょうせつ 『クレール・ルノワール』(1867年 ねん )で初 はじ めて使用 しよう して以来 いらい 、ミステリ やSF などのフィクション作品 さくひん ではしばしば実際 じっさい にある現象 げんしょう のように描 えが かれることがある(例 れい :『4匹 ひき の蝿 はえ 』『永劫 えいごう より 』)[注 ちゅう 2] 。
^ 脊椎動物 せきついどうぶつ の中 なか でもヤツメウナギ 類 るい やトカゲ 類 るい の一部 いちぶ は通常 つうじょう の両 りょう 眼 め の他 ほか に頭頂 とうちょう 部 ぶ に頭頂 とうちょう 眼 め と呼 よ ばれる皮下 ひか の奥 おく まった位置 いち に光 ひかり 受容 じゅよう 器 き を持 も っており、外界 がいかい の光 ひかり 刺激 しげき を検知 けんち していると考 かんが えられている。頭頂 とうちょう 眼 め と普通 ふつう の眼 め はかなり異 こと なる構造 こうぞう を持 も つ。このため、脊椎動物 せきついどうぶつ の通常 つうじょう の眼 め は頭頂 とうちょう 眼 め と区別 くべつ するために外側 そとがわ 眼 め と呼 よ ばれる[1] 。
^ 漫画 まんが 『ブラック・ジャック 』のエピソード「春一番 はるいちばん 」では、像 ぞう が残 のこ るのは、他人 たにん に移植 いしょく された角膜 かくまく とされている。
^ 岩 いわ 堀 ほり 修明 のぶあき 『図解 ずかい 感覚 かんかく 器 き の進化 しんか ―原始 げんし 動物 どうぶつ からヒトへ水中 すいちゅう から陸上 りくじょう へ』講談社 こうだんしゃ ブルーバックス 、2011年 ねん 1月 がつ 20日 はつか 第 だい 1刷 さつ 発行 はっこう 、ISBN 9784062577
^ 岡部 おかべ 正隆 まさたか 、伊藤 いとう 啓 あきら 「なぜ赤 あか オプシン遺伝子 いでんし と緑 みどり オプシン遺伝子 いでんし が並 なら んで配置 はいち しているのか 」『細胞 さいぼう 工学 こうがく 』第 だい 21巻 かん 第 だい 7号 ごう 、2002年 ねん 7月 がつ 。
^ 三上 みかみ 章 あきら 允 まこと (2004年 ねん 9月 がつ 18日 にち ). “霊長 れいちょう 類 るい の色覚 しきかく と進化 しんか ” (PDF). 公開 こうかい 講座 こうざ 「遺伝子 いでんし から社会 しゃかい まで」 . 京都大学霊長類研究所 きょうとだいがくれいちょうるいけんきゅうしょ . 2013年 ねん 9月 がつ 20日 はつか 閲覧 えつらん 。
^ Surridge, A. K., and D. Osorio (2003). “Evolution and selection of trichromatic vision in primates”. Trends in Ecol. And Evol. 18 (4): 198–205. doi :10.1016/S0169-5347(03)00012-0 .
^ 【拡張 かくちょう する脳 のう 】第 だい 1部 ぶ 広 ひろ がる医療 いりょう 応用 おうよう (4)生 い き残 のこ った神経 しんけい 細胞 さいぼう に機器 きき 接続 せつぞく /人工 じんこう 網膜 もうまく 進 すす む臨床 りんしょう 研究 けんきゅう :全盲 ぜんもう 者 しゃ 「光 ひかり が見 み えた」 『毎日新聞 まいにちしんぶん 』朝刊 ちょうかん 2022年 ねん 6月 がつ 3日 にち 6面 めん (2022年 ねん 8月 がつ 25日 にち 閲覧 えつらん )
福原 ふくはら 武彦 たけひこ ・入来 いりき 正 ただし 躬 訳 やく 『生理学 せいりがく アトラス第 だい 2版 はん 』(文光 ぶんこう 堂 どう 、1982年 ねん )300-315頁 ぺーじ
R. W. Rodieck, The First Steps in Seeing , Sunderland, Massachusetts: Sinauer Associates, Inc., (1998)
郷 ごう 康広 やすひろ ・颯田葉子 ようこ 「五感 ごかん の遺伝子 いでんし からみたヒトの進化 しんか 」『日経 にっけい サイエンス 』2006年 ねん 03月 がつ 号 ごう
T.H.ゴールドスミス「鳥 とり たちが見 み る色 いろ あざやかな世界 せかい 」『日経 にっけい サイエンス』2006年 ねん 10月 がつ 号 ごう
河村 かわむら 正二 しょうじ 「サルの色覚 しきかく が教 おし えてくれること」『日経 にっけい サイエンス』2006年 ねん 10月 がつ 号 ごう
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