(Translated by https://www.hiragana.jp/)
神経細胞 - Wikipedia コンテンツにスキップ

神経しんけい細胞さいぼう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ずいさやをもつ神経しんけい細胞さいぼう構造こうぞう

神経しんけい細胞さいぼう(しんけいさいぼう、ニューロン、neuron)は、神経しんけいけい構成こうせいする細胞さいぼうで、その機能きのう情報処理じょうほうしょり情報じょうほう伝達でんたつとくしており、動物どうぶつ特有とくゆうである。なお、日本にっぽんにおいては「神経しんけい細胞さいぼう」という言葉ことばでニューロン(neuron)ではなく神経しんけい細胞さいぼうたい(soma)を慣習かんしゅうがあるが、本稿ほんこうでは「神経しんけい細胞さいぼう」のかたりを、ひとつの細胞さいぼう全体ぜんたいして「ニューロン」と同義どうぎてきもちいる。

'神経しんけい細胞さいぼう'構造こうぞう en:Dendrites=じょう突起とっきen:Rough ER (en:Nissl body)=あらめんしょう胞体ニッスル小体こてい)、en:Polyribosomes=ポリリボソームen:Ribosomes=リボソームen:Golgi apparatus=ゴルジたいen:Nucleus=細胞さいぼうかくen:Nucleolus=かく小体こていen:Membrane=まくen:Microtubule=微小びしょうかんen:Mitochondrion=ミトコンドリアen:Smooth ER=すべりめんしょう胞体en:Synapse (Axodendritic)=シナプスじくさくじょう突起とっきen:Synapse=シナプスen:Microtubule en:Neurofibrils=微小びしょうかんニューロフィラメントen:Neurotransmitter=神経しんけい伝達でんたつ物質ぶっしつen:Receptor=受容じゅようたいen:Synaptic vesicles=シナプスしょうen:Synaptic cleft=シナプス間隙かんげきen:Axon terminal=じくさく末端まったんen:Node of Ranvier =ランヴィエのしぼen:Myelin Sheath(en:Schwann cell)=ミエリンさやシュワン細胞さいぼう)、en:Axon hillock=じくさくしょうおかen:Nucleus (en:Schwann cell)=細胞さいぼうかくシュワン細胞さいぼう)、en:Microfilament=マイクロフィラメントen:Axon=じくさく

概略がいりゃく

[編集へんしゅう]
この画像がぞうはニッスル染色せんしょくされたかじるい海馬かいば組織そしき断片だんぺんである。
様々さまざま分類ぶんるい細胞さいぼうえる。

神経しんけい細胞さいぼう基本きほんてき機能きのうは、神経しんけい細胞さいぼう入力にゅうりょく刺激しげきはいってきた場合ばあいに、活動かつどう電位でんい発生はっせいさせ、細胞さいぼう情報じょうほう伝達でんたつすることである。ひとつの神経しんけい細胞さいぼう複数ふくすう細胞さいぼうから入力にゅうりょくしたり、活動かつどう電位でんいがおきる閾値を変化へんかさせたりすることにより、情報じょうほう修飾しゅうしょくおこなわれる。

神経しんけい細胞さいぼうおもに3つの部分ぶぶん区分くわけされ、細胞さいぼうかくのある細胞さいぼうたい細胞さいぼうからの入力にゅうりょくけるじょう突起とっき細胞さいぼう出力しゅつりょくするじくさくけられる。じょう突起とっきじくさく発生はっせいてきにはほぼおな過程かていをたどるため、両者りょうしゃをまとめて神経しんけい突起とっき(neurite)ともう。まえ細胞さいぼうじくさく終末しゅうまつうしろの細胞さいぼうじょう突起とっきあいだ情報じょうほう伝達でんたつする部分ぶぶんには、微小びしょう間隙かんげきシナプスばれる化学かがく物質ぶっしつによる伝達でんたつ構造こうぞう形成けいせいされている。

神経しんけい細胞さいぼうなかには、ひかり機械きかいてき刺激しげきなどに反応はんのうする感覚かんかく細胞さいぼうや、筋繊維きんせんい出力しゅつりょくする運動うんどう神経しんけい細胞さいぼうなどもある。

なお「ニューロン」は、「神経しんけいもと」ともやくされ、神経しんけいけい構成こうせい単位たんい意味いみするかたりとしてされた造語ぞうごである。神経しんけい構造こうぞうかんする論争ろんそうなかつくられた。詳細しょうさい歴史れきしふし参照さんしょう現在げんざい[いつ?]においては、たん細胞さいぼう名前なまえとして「神経しんけい細胞さいぼう」と同義どうぎてきもちいられる。

細胞さいぼう構築こうちく

[編集へんしゅう]

細胞さいぼうたい

[編集へんしゅう]

細胞さいぼうたい(cell body, soma)は神経しんけい細胞さいぼうなか細胞さいぼうかくなどの細胞さいぼうしょう器官きかん集中しゅうちゅうし、じょう突起とっきじくさく会合かいごうする部位ぶいである。神経しんけい細胞さいぼうないでのタンパク合成ごうせいなど、一般いっぱんてき細胞さいぼうとしての機能きのうはほとんどここでおこなわれる。細胞さいぼうたいおおきさはヒトでは直径ちょっけい3~18マイクロメートル程度ていどだが、脊椎動物せきついどうぶつなかには1ミリメートルにたっするものもある。細胞さいぼう骨格こっかくには中間ちゅうかんみちフィラメント一種いっしゅであるニューロフィラメント高密度こうみつど分布ぶんぷする。細胞さいぼうたいには神経しんけい細胞さいぼう以外いがい細胞さいぼう存在そんざいするほろ細管さいかん相当そうとうする神経しんけい細管さいかん存在そんざいし、細胞さいぼうたいじょう突起とっきじくさくあいだ物質ぶっしつ輸送ゆそう関連かんれんしているとかんがえられている。また、かく周辺しゅうへんにはあらめんしょう胞体しゅうかたまりであるニッスル物質ぶっしつ存在そんざいし、ニッスル染色せんしょくによって染色せんしょくされる。このことから、細胞さいぼうたいではタンパク合成ごうせいさかんであることがわかる。

じくさく

[編集へんしゅう]

じくさく(axon)とは、細胞さいぼうたいからびている突起とっきじょう構造こうぞうで、神経しんけい細胞さいぼうにおいて信号しんごう出力しゅつりょくになう。神経しんけい細胞さいぼうちゅうではながさがおおきくことなってくる部分ぶぶんであり、ヒトの場合ばあい隣接りんせつする細胞さいぼう接続せつぞくするためのすうミリメートル程度ていどのものから、脊髄せきずいなかびるすうじゅうセンチメートルのものまである。じくさく基本きほんてきひとつの細胞さいぼうたいからは一本いっぽんしかびていないが、しばしばじくさくがわえだ(axon collateral)とばれる枝分えだわかれを形成けいせいする。

じくさくは、その細長ほそなが構造こうぞう維持いじするためになが細胞さいぼう骨格こっかくゆうする。この細胞さいぼう骨格こっかくは、細胞さいぼうたい合成ごうせいされた物質ぶっしつじくさく先端せんたんまで輸送ゆそうするためのレールとしても振舞ふるまう。またじくさくは、細胞さいぼう内外ないがいイオン濃度のうど勾配こうばい利用りようして情報じょうほう伝達でんたつするが、そのためじくさく表面ひょうめんにはおおくのイオンチャネル存在そんざいする。じくさく細胞さいぼうたいからはじめる場所ばしょじくさくしょうおか(axon hillock、またはじくさくおこりはじめ、axon initial segment、じくさくおか、axonal cones)とばれており、イオンチャネルが高密度こうみつど存在そんざいする。

じくさく一部いちぶには、グリア細胞さいぼうきついて出来できずいさや(ミエリン)とばれる構造こうぞうつものがある。ずいさや構成こうせいする細胞さいぼうは、中枢ちゅうすう神経しんけいけいではオリゴデンドロサイト、また末梢まっしょう神経しんけいけいではシュワン細胞さいぼうである。ずいさや脂質ししつ重層じゅうそう構成こうせいされた細胞さいぼうまくなんじゅうにもきつくかたち構成こうせいされている。脂質ししつ絶縁ぜつえんたい性質せいしつつため、ずいさやは、イオン電流でんりゅう漏洩ろうえいふせぎ、電気でんきてき信号しんごう伝導でんどう速度そくどげる効果こうか跳躍ちょうやく伝導でんどうにも寄与きよしている。ずいさやのあるじくさくゆうずい繊維せんいじくさくずい繊維せんいぶ。ずいさやたいしてかく存在そんざいする外側そとがわ部分ぶぶん神経しんけいさやといい、ずいさやたない神経しんけいずい神経しんけいという。ここで注意ちゅういしたいのはずい神経しんけい神経しんけいさやっているということである。

じくさく先端せんたん細胞さいぼう接続せつぞくしてシナプス形成けいせいする。じくさくのシナプス結合けつごうはやや膨大ぼうだいしており、これをシナプスぜん終末しゅうまつ(presynaptic terminal)とぶ。シナプスぜん終末しゅうまつには神経しんけい伝達でんたつ物質ぶっしつ貯蔵ちょぞうしているシナプスしょう電位でんい依存いぞんせいカルシウムイオンチャネル神経しんけい伝達でんたつ物質ぶっしつ回収かいしゅうするためのトランスポーター、およびシナプス細胞さいぼうからのフィードバックやシナプスぜん抑制よくせいなどの役割やくわり各種かくしゅ受容じゅようたい存在そんざいし、これによってじくさくシナプスつうじて細胞さいぼう信号しんごう伝達でんたつする。

じょう突起とっき

[編集へんしゅう]

じょう突起とっき(dendrite)は、細胞さいぼうたいから文字もじどおりえだのように分岐ぶんきしながらひろがる構造こうぞうであり、神経しんけい細胞さいぼうなどから信号しんごうはたらきをする。ひとつの神経しんけい細胞さいぼうに、じくさく基本きほんてきには一本いっぽんしかないが、じょう突起とっきなんほんもありうる。小脳しょうのうプルキンエ細胞さいぼうのように、じょう突起とっき特徴とくちょうてきかたちしめ神経しんけい細胞さいぼうすくなくない。じょう突起とっきには、細胞さいぼうとのあいだのシナプスがたくさんある。ニューロンの種類しゅるいによっては(大脳だいのうしん皮質ひしつきりたい細胞さいぼう (神経しんけい細胞さいぼう)や、線条せんじょうたい中型ちゅうがたゆうとげニューロンなど)、じょう突起とっきうえちいさなとげじょう隆起りゅうきであるとげ(スパイン、spine)が無数むすうにあってシナプス部位ぶいとして機能きのうしており、神経しんけい活動かつどうなどに依存いぞんしてとげ形態けいたい変化へんかし、電流でんりゅうながかた変化へんかしたり、シナプスそのものが形成けいせい消滅しょうめつしたりすることが神経しんけい可塑かそせいのメカニズムのひとつだとかんがえられている。じくさくとの区別くべつひとつの指標しひょうとして、じょう突起とっきにはしょう胞体リボソーム存在そんざいするが、じくさくにはほとんどいことがあげられる。

グリア細胞さいぼう

[編集へんしゅう]

グリア細胞さいぼう神経しんけいけい構成こうせいする神経しんけい細胞さいぼうではない細胞さいぼうであり、神経しんけいけい維持いじ関与かんよする細胞さいぼうぐんのことをう。神経しんけい細胞さいぼうたいし、位置いち固定こてい栄養素えいようそ供給きょうきゅうなど恒常こうじょうせい維持いじにな細胞さいぼうずいさや(ミエリン)の構成こうせいなどの機能きのうをもつ細胞さいぼう免疫めんえきけいのようないをする細胞さいぼうなどがある。近年きんねん、シグナル伝達でんたつへの関与かんよ示唆しさする証拠しょうこつかりつつある。ヒトののうでは、細胞さいぼうすう神経しんけい細胞さいぼうの50ばいほど存在そんざいしていると見積みつもられていたが近年きんねん研究けんきゅうによると、動物どうぶつのうふくめグリア細胞さいぼう神経しんけい細胞さいぼうはほぼおな割合わりあい存在そんざいしているとされている。

細胞さいぼう生理せいり

[編集へんしゅう]

活動かつどう電位でんい

[編集へんしゅう]

動物どうぶつ体液たいえきには多量たりょうカリウムイオン、ナトリウムイオン、塩化えんかぶつイオンなどがふくまれているが、細胞さいぼうがいえき神経しんけい細胞さいぼう細胞さいぼうしつのイオン構成こうせい通常つうじょうおおきくことなっており、細胞さいぼう内外ないがい電位差でんいさがある。微小びしょう電極でんきょくもちいて細胞さいぼう内外ないがい電位差でんいさ測定そくていすると、細胞さいぼうない細胞さいぼうがいくらべ-60~-70mVほどまけ電位でんいしめす。これを静止せいしまく電位でんいぶ。これらのイオンは細胞さいぼうまく透過とうかして拡散かくさんするため、神経しんけい細胞さいぼうまく貫通かんつうタンパクのナトリウムポンプなどによりATP利用りようしてエネルギーを消費しょうひしながらイオンを輸送ゆそうし、濃度のうど維持いじしている。

活動かつどう電位でんい非常ひじょう短時間たんじかん電位でんい変化へんかであり振幅しんぷく一定いっていしている。これをはかって時間じかんじくグラフえがくと、活動かつどう電位でんいはりのような急速きゅうそく電位でんい変化へんかとして描画びょうがされることがおおい。このため電気でんき工学こうがくてきインパルスばれることもある。

代謝たいしゃ

[編集へんしゅう]

神経しんけい細胞さいぼうでも代謝たいしゃ一般いっぱん細胞さいぼうおなじく、タンパク質たんぱくしつとう合成ごうせいにはかく必要ひつようとする。つまり神経しんけい細胞さいぼうでは細胞さいぼうたいタンパク質たんぱくしつ合成ごうせいされる。神経しんけい細胞さいぼうながじくさくつことがおおいが、細胞さいぼうたい生産せいさんされた物質ぶっしつ拡散かくさんによってじくさく先端せんたんにまでたっするには時間じかんがかかり、おも微小びしょうかんうえモータータンパクによって能動のうどうてきじくさく先端せんたん輸送ゆそうされる。

シナプスではさかんに神経しんけい伝達でんたつ物質ぶっしつ放出ほうしゅつされているが、放出ほうしゅつされた神経しんけい伝達でんたつ物質ぶっしつ一部いちぶ能動のうどうてき回収かいしゅうされ、シナプスしょう胞にさい充填じゅうてんされる。

神経しんけい細胞さいぼうでは、静止せいしまく電位でんい維持いじ活動かつどう電位でんいからの回復かいふくのために莫大ばくだいなATPを消費しょうひしている。ヒトののう質量しつりょう体重たいじゅうの2%程度ていどなのにたいし、グルコース消費しょうひりょう全身ぜんしんの25%と非常ひじょうおおい。

増殖ぞうしょく成長せいちょう

[編集へんしゅう]

神経しんけい細胞さいぼう増殖ぞうしょくは、ヒトでは小児しょうにに、神経しんけいみき細胞さいぼうさかんに分裂ぶんれつして分化ぶんかすることでこる。

神経しんけい細胞さいぼう分化ぶんかすすむとともに、じくさく誘導ゆうどうによって特定とくてい位置いちにある神経しんけい細胞さいぼう特定とくてい細胞さいぼうじくさくばし、シナプスを形成けいせいして神経しんけい回路かいろ形成けいせいしていく。じくさく誘導ゆうどうする因子いんしとして、標的ひょうてき細胞さいぼうがわからされる特定とくてい化学かがく物質ぶっしつ関与かんよしているとわれている。

神経しんけい細胞さいぼうあいだ接続せつぞく関係かんけい調節ちょうせつには、神経しんけい栄養えいよう因子いんし(ニューロトロフィン; NGF、BDNF、NT-3、NT-4)とその特異とくいてき受容じゅようたい(TrkA、TrkBTrkC)が関与かんよしているといわれる。BDNFは中枢ちゅうすう神経しんけいとく豊富ほうふで、神経しんけい活動かつどう依存いぞんてき合成ごうせい分泌ぶんぴつされる。これらの物質ぶっしつった細胞さいぼう活動かつどうやシナプスの接続せつぞく関係かんけい強化きょうかするため、神経しんけいけい学習がくしゅう記憶きおく制御せいぎょする中心ちゅうしんてき物質ぶっしつかんがえられている。[1]また、神経しんけい細胞さいぼうぐん初期しょき過剰かじょう接続せつぞく形成けいせいしたのち必要ひつようなものだけをのこしてシナプスをらすとかんがえられている。これは「み」とばれている。 [2]

20世紀せいき初頭しょとうラモン・イ・カハール以来いらいヒト成人せいじんのうではあらたな神経しんけい細胞さいぼう形成けいせいされないとかんがえられてきたが、1990年代ねんだい神経しんけいみき細胞さいぼう新生しんせい神経しんけい細胞さいぼう成人せいじんのうにも存在そんざいすることがしめされ、成人せいじん神経しんけい新生しんせいこる可能かのうせい検討けんとうされている。ただし、その生理せいりてき意味いみはよくかっていない。

変性へんせい再生さいせい

[編集へんしゅう]

神経しんけい細胞さいぼう一部いちぶきずつけられると、その場所ばしょよりも細胞さいぼうたいからとおがわ変性へんせいしてこわれてしまう。これを順行じゅんこうせい変性へんせいという。細胞さいぼうたいのあるがわにも変性へんせい進行しんこうすることがあり、これを逆行ぎゃっこうせい変性へんせいという。また、神経しんけい細胞さいぼうたがいに神経しんけい栄養えいよう因子いんしなどをやりりしており、シナプスで接続せつぞくしている細胞さいぼうこわれた場合ばあいにも、神経しんけい栄養えいよう因子いんし不足ふそくからプログラム細胞さいぼうこすことがある。この場合ばあいも、ぜんシナプス細胞さいぼうんだことによりのちシナプス細胞さいぼう場合ばあい順行じゅんこうせい変性へんせいこうシナプス細胞さいぼうんだことによりぜんシナプス細胞さいぼう場合ばあい逆行ぎゃっこうせい変性へんせいぶことがある。

障害しょうがい程度ていどはげしくて細胞さいぼうたいんでしまうと、その神経しんけいはもはや再生さいせい不能ふのうである。しかし、末梢まっしょう神経しんけい場合ばあいには、細胞さいぼうたいきていれば、ふたたじくさくばして目的もくてき細胞さいぼうとの結合けつごう回復かいふくできることがおおい。その過程かていには、基底きていまくシュワン細胞さいぼう関与かんよ必要ひつようとされる。一方いっぽう末梢まっしょう神経しんけいくらべて中枢ちゅうすう神経しんけいはほとんど再生さいせい能力のうりょくがなく、のう脊髄せきずい損傷そんしょう生涯しょうがいわたって後遺症こういしょうのこすことがすくなくない。末梢まっしょう神経しんけい再生さいせい促進そくしんする再生さいせい医療いりょう技術ぎじゅつ実用じつようはいっているが、中枢ちゅうすう神経しんけい再生さいせい開発かいはつ途上とじょうである。人工じんこう神経しんけい参照さんしょう

種類しゅるい分布ぶんぷ

[編集へんしゅう]

一般いっぱんてき分類ぶんるい

[編集へんしゅう]

以下いか神経しんけい細胞さいぼう形態けいたいによる分類ぶんるいであり、細胞さいぼう機能きのう特定とくていされていない場合ばあい一般いっぱんてき分類ぶんるいである。あちこちの神経しんけい細胞さいぼうおな名前なまえばれるが、基本きほんてき形態けいたい以外いがい共通きょうつうてん考慮こうりょされていない。しかし局所きょくしょてきには形態けいたいちがい、すなわちじくさくびるさきじょう突起とっきつシナプスすう機能きのうちがいを反映はんえいしていると仮定かていした研究けんきゅうおおい。

きりたい細胞さいぼう
ピラミッドじょうえる細胞さいぼう
ほしじょう細胞さいぼう
じょう突起とっき四方八方しほうはっぽうび、トゲトゲの球形きゅうけいえる細胞さいぼう
顆粒かりゅう細胞さいぼう
じょう突起とっきすくなく粒状りゅうじょうえる細胞さいぼう

大脳皮質だいのうひしつにおいては、きりたい細胞さいぼう皮質ひしつ領野りょうやあいだ皮質ひしつかくをつなぐ興奮こうふんせい細胞さいぼうであり、ほしじょう細胞さいぼう領野りょうやないでの抑制よくせいせいおよび興奮こうふんせい介在かいざい神経しんけい細胞さいぼうかんがえられている。これら介在かいざい神経しんけい細胞さいぼうは、形態けいたいからこまかくすうじゅう種類しゅるい分類ぶんるいされることがある。

特徴とくちょうてき分類ぶんるい

[編集へんしゅう]

以下いか特定とくてい部位ぶい存在そんざいし、特徴とくちょうてき機能きのう形態けいたい分類ぶんるいである。

網膜もうまく神経しんけいぶし細胞さいぼう
網膜もうまく細胞さいぼうたいがあり、じくさくたばとなって視神経ししんけい形成けいせいしている細胞さいぼう
プルキンエ細胞さいぼう
小脳しょうのうのプルキンエ細胞さいぼうそうられる、うちわかたじょう突起とっき細胞さいぼう。うちわをかさねるように密集みっしゅうして存在そんざいし、さらにプルキンエ細胞さいぼうじゅうなりをつらぬくように平行へいこう繊維せんいびてシナプスを形成けいせいしており、システマティックな構造こうぞう形成けいせいしている。

歴史れきし

[編集へんしゅう]

19世紀せいき後半こうはん中枢ちゅうすう神経しんけいをはじめとした神経しんけいけい網状もうじょう構造こうぞうをとることまではられていたが、カミッロ・ゴルジらは、神経しんけい繊維せんい末端まったんたがいに途切とぎれることなく連続れんぞくしてあみ形成けいせいしているとする網状もうじょうせつ主張しゅちょうし、ラモン・イ・カハールらの神経しんけい線維せんい細胞さいぼう集合しゅうごうであるとするニューロンせつ対立たいりつした。1906ねんノーベル生理学せいりがく医学いがくしょうはゴルジとカハールが同時どうじ受賞じゅしょうし、両者りょうしゃはまったくせい反対はんたい立場たちば受賞じゅしょう記念きねん講演こうえんおこなっている。なお、ゴルジ染色せんしょくほうによりニューロンせつ有力ゆうりょくとなり、電子でんし顕微鏡けんびきょう分子ぶんし設計せっけいによる染色せんしょくほう発達はったつともなって、神経しんけい細胞さいぼうとしての微小びしょう構造こうぞう特性とくせい解明かいめい急速きゅうそくすすんだ。

付記ふき

[編集へんしゅう]

おわりのう大脳だいのう)はいろ表面ひょうめんはいしろしつ内部ないぶはくただしけられるが、細胞さいぼうたいおもはいしろしつにあり、はくただしはそこからびたじくさくたばになったものがおもである。ずいさや神経しんけい細胞さいぼうよりしろっぽくえる。しろしつしろえるのははいしろしつくらべてゆうずい神経しんけい線維せんいおおいからである。

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ Yamada K, Nabeshima T (2004). “Brain-derived neurotrophic factor/TrkB signaling in memory processes.”. J. Pharmacol. Sci. 91 (4): 267-70. PMID 12719654. 
  2. ^ 神経しんけい細胞さいぼうの「外科げか手術しゅじゅつ」に必要ひつよう目印めじるし発見はっけん”. 国立こくりつ遺伝いでんがく研究所けんきゅうじょ. 2008ねん1がつ15にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]
  • Neuron 英語えいご - スカラーペディア百科ひゃっか事典じてん神経しんけい細胞さいぼう」の項目こうもく