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HyperText Markup Language

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出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
ウィキペディア ウィキペディアにおけるHTMLの扱あつかいについては、「Help:ウィキテキストにおけるHTML」をご覧らんください。
HTML
HTMLコードの例れい。
拡張子かくちょうし.html, .htm
MIMEタイプtext/html[1][2]
タイプコードTEXT
HTML
UTIpublic.html
開発かいはつ者しゃW3C
WHATWG
初版しょはん1989年ねん1月がつ1日にち (36年ねん前まえ) (1989-01-01)
最新さいしん版ばん
HTML Living Standard
種別しゅべつマークアップ言語げんご
派生はせい元もとSGML
拡張かくちょうXHTML
国際こくさい標準ひょうじゅんHTML Living Standard
HTML
各種かくしゅ項目こうもく
比較ひかく

HTML[注釈ちゅうしゃく 1]またはHyperText Markup Language（ハイパーテキスト マークアップ ランゲージ）[注釈ちゅうしゃく 2]は、ハイパーテキストを記述きじゅつするためのマークアップ言語げんごの1つで、プログラミング言語げんごではない。主おもにWorld Wide Web（WWW）において、ウェブページを表現ひょうげんするために用もちいられる。ハイパーリンクや画像がぞう等とうのマルチメディアを埋うめ込こむハイパーテキストとしての機能きのう、見出みだしや段落だんらくといったドキュメントの抽象ちゅうしょう構造こうぞう、フォントや文字もじ色いろの指定していなどの見みた目めの指定してい、などといった機能きのうがある。

ティム・バーナーズ＝リーによってSGMLを元もとに開発かいはつされた。1993年ねんに最初さいしょのドラフトが公開こうかいされ、最初さいしょ期きにおいてはIETFが、1996年ねん以降いこうはW3Cが、2019年ねん以降いこうはWHATWGが規格きかくの策定さくてい、仕様しよう公開こうかいを行おこなっている[3][4]。

特徴とくちょう

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HTMLは木き構造こうぞう（入子いれこ構造こうぞう）のマークアップ言語げんごであり、形式けいしき言語げんごである。「プレーンテキストの文書ぶんしょを要素ようそで括くくって意味いみ付づけ」という一般いっぱん的てきな説明せつめい[5]は間違まちがいである。「『タグ』と『タグ』で括くくられたもの全体ぜんたい」が「要素ようそ」（element）であり、タグすなわち要素ようそではない。マークアップ言語げんごとしての特徴とくちょうは、先祖せんぞであるSGMLや、兄弟きょうだいのXMLと共通きょうつうしているため、以下いかではWWWというシステムにおける「ハイパーテキスト記述きじゅつ言語げんご」としての側面そくめんについてのみ記述きじゅつする。

HTMLの要素ようそには、文書ぶんしょを表現ひょうげんするものとしてごく一般いっぱん的てきなものである見出みだし（ヘッドライン、h1〜）、段落だんらく（パラグラフ、p）、ハイパーテキストとして特徴とくちょう的てきな「アンカー」（a）に関係かんけいするもの、画像がぞうなど（imgなど）の電子でんしメディア的てきなもの、などがある。また文字もじ色しょくの指定していなどといった、意味いみではなく直接ちょくせつ見みた目めのみを指定していするようなものは、近年きんねんではスタイルシートなどに分離ぶんりするべきとされているが、歴史れきし的てき事情じじょう、及および、スタイルシートよりもこの、HTMLでの記述きじゅつが簡便かんべんになる場合ばあいが度々たびたびあること[注釈ちゅうしゃく 3]から現在げんざいでもしばしば使つかわれている。その他た主要しゅような要素ようそは、HTMLの要素ようその記事きじで解説かいせつしている。

形式けいしき言語げんごとして見みた場合ばあい「構文こうぶん規則きそく」（あるいは文法ぶんぽう）に相当そうとうする「スキーマ」は、HTML4まではDTDとして公開こうかいされ要素ようそごとに記載きさいすることの出来できる属性ぞくせい、内容ないように含ふくむことの出来できる要素ようそなどが定さだめられていた。HTML 4.01では厳密げんみつなもの[注釈ちゅうしゃく 4]、HTML 3.2からの移行いこう過渡かと期きのためのもの[注釈ちゅうしゃく 5]、フレームを用もちいた文書ぶんしょのためのもの[注釈ちゅうしゃく 6]といった3つのDTDが定義ていぎされていた。

HTML 3.2では見みた目めを左右さゆうする要素ようそや属性ぞくせいが追加ついかされたがHTMLは本来ほんらい文書ぶんしょ構造こうぞうを示しめすためだけにその存在そんざい意義いぎがあり、それらの要素ようそは目的もくてきに反はんするものとされた。そのため視覚しかく的てき・感覚かんかく的てき効果こうかを定義ていぎする手段しゅだんとしてスタイルシート（一般いっぱんにはその中なかのCSS）が考案こうあんされた。見みた目めを左右さゆうする要素ようそや属性ぞくせいの一部いちぶはHTML4以降いこうでは非ひ推奨すいしょうとされており、HTML 4.01 Strictでは定義ていぎされていないので使用しようできない。ただしHTML 4.01 Strictで定義ていぎされ、非ひ推奨すいしょうとされない要素ようそや属性ぞくせいの一部いちぶにも見みた目めを左右さゆうするものがある。装飾そうしょく的てきな視覚しかく表現ひょうげんのためにそれらの要素ようそや属性ぞくせいを用もちいているのであればその内容ないように適てきする要素ようそを用もちいた上うえで、スタイルシートで表現ひょうげんを指定していするのが望のぞましいとされている。

標準ひょうじゅん仕様しよう

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2023年ねん4月がつ現在げんざい、HTMLの有効ゆうこうな標準ひょうじゅん仕様しようは以下いかの2点てんである。

文書ぶんしょ 策定さくてい者しゃ 構文こうぶん 説明せつめい 開発かいはつ時期じき
HTML Living Standard WHATWG HTML構文こうぶん
またはXML		 現在げんざいのデファクトスタンダード。
HTML文書ぶんしょだけでなく、DOMなどのAPIも含ふくむ仕様しようとなっている。
2021年ねんにはHTML5の勧告かんこくが廃止はいしされ、新あらたなW3C勧告かんこくとなった。		 2004年ねん～現在げんざい
ISO/IEC 15445:2000
(ISO-HTML)		 ISO/IEC JTC 1/SC 34 SGML 2000年ねんに発表はっぴょうされ、2003年ねんに改訂かいていされた[注釈ちゅうしゃく 7][注釈ちゅうしゃく 8]。
HTML 4.01 Strictを元もとに、より厳密げんみつに規格きかく化かされた。
日本語にほんごに翻訳ほんやくされたものが、JIS規格きかくの「JIS X 4156:2000」[6]「JIS X 4156:2005」[7]となっている。		 2000年ねん～2003年ねん[注釈ちゅうしゃく 9]

下表かひょうは失効しっこう済ずみのかつての標準ひょうじゅん仕様しよう（またはドラフト）の一覧いちらんである。

名称めいしょう 策定さくてい者しゃ 文書ぶんしょ 発効はっこう日び 失効しっこう日び
HTML[注釈ちゅうしゃく 10] IETF Hypertext Markup Language (HTML) -[注釈ちゅうしゃく 11] -
HTML+ HTML+ (Hypertext markup format) -[注釈ちゅうしゃく 11] -
HTML 2.0 RFC 1866 1995年ねん11月24日にち 2000年ねん6月がつ[8]
RFC 1867 1995年ねん11月25日にち
RFC 1942 1996年ねん5月
RFC 1980 1996年ねん8月がつ
RFC 2070 1997年ねん1月がつ
HTML 3.0 HTML 3.0 Draft -[注釈ちゅうしゃく 11] -
HTML 3.2 W3C HTML 3.2 Reference Specification[注釈ちゅうしゃく 12] 1997年ねん1月がつ13日にち 1997年ねん12月[注釈ちゅうしゃく 13]
HTML 3.2 Reference Specification[注釈ちゅうしゃく 14] 1997年ねん1月がつ14日にち
HTML 4.0 HTML 4.0 Specification 1997年ねん12月18日にち 2018年ねん3月27日にち[9]
HTML 4.0 Specification[注釈ちゅうしゃく 15] 1998年ねん4月がつ24日にち
HTML 4.01 HTML 4.01 Specification 1999年ねん12月24日にち 2018年ねん3月27日にち[10]
HTML5 HTML5 2014年ねん10月28日にち 2018年ねん3月27日にち[11]
HTML 5.1 HTML 5.1 2016年ねん11月1日にち 2021年ねん1月がつ28日にち[12]
HTML 5.1 2nd Edition 2017年ねん10月3日にち
HTML 5.2 HTML 5.2 2017年ねん12月14日にち 2021年ねん1月がつ28日にち[13]
HTML 5.3 HTML 5.3 -[注釈ちゅうしゃく 16] -

以下いか、言語げんご仕様しようについては歴史れきし的てきな経緯けいいなど特別とくべつな事情じじょうがない限かぎり、WHATWGの策定さくていする「HTML Living Standard」を基準きじゅんに説明せつめいを行おこなう。失効しっこう済ずみの仕様しようについては下記かき「#歴史れきし」の項こうも参照さんしょう。

言語げんご仕様しよう

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→「HTML要素ようそ」および「en:HTML attribute」も参照さんしょう

HTMLはドキュメント構造こうぞう（モデル）、各かく要素ようその役割やくわり/意味いみ（セマンティクス）、表現ひょうげんする構文こうぶん（シンタックス）を定義ていぎする。

構造こうぞう

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HTMLは要素ようそ（Element）の木き構造こうぞうを扱あつかう。各かく要素ようそは以下いかの3つから構成こうせいされる。

  • 要素ようそ名めい
  • 属性ぞくせい（attribute）: 0個こ以上いじょう。属性ぞくせい名めいと値ねのペア、値ねは文字もじ列れつに限定げんてい[14]
  • 子こ要素ようそ: 0個こ以上いじょう

要素ようそが子こ要素ようそをもつため、総体そうたいとして要素ようその木き構造こうぞうでモデル化かされる。

構文こうぶん

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HTMLを表現ひょうげんするための構文こうぶんとしては、HTML構文こうぶん（HTML Syntax）およびXML構文こうぶん（XML Syntax）が存在そんざいする。XML構文こうぶんで記述きじゅつされたHTMLはかつてXHTMLと呼よばれていたが、現在げんざいの仕様しようではそのような呼よび分わけは行おこなわない[15]。また、現在げんざいの仕様しようではHTML構文こうぶんの使用しようが推奨すいしょうされている[16]。

HTML文書ぶんしょは文書ぶんしょ型がた宣言せんげんとHTML要素ようそ、そして（任意にんいの）BOM、コメント、空白くうはく文字もじからなる[注釈ちゅうしゃく 17]。

HTML構文こうぶんの場合ばあい、要素ようそは 

<要素ようそ名めい 属性ぞくせい名めい=値ね>コンテンツ</要素ようそ名めい>

というテキスト形式けいしきで記述きじゅつされる。コンテンツを挟はさむ 

<要素ようそ名めい>...</要素ようそ名めい>

はタグと呼よばれ、前方ぜんぽう部分ぶぶんは開始かいしタグ、後方こうほう部分ぶぶんは終了しゅうりょうタグと呼よばれる。コンテンツ部ぶに子こ要素ようそをもつことで総体そうたいとしての木き構造こうぞうが表現ひょうげんされる。
また、子こ要素ようそをもたない単一たんいつの構文こうぶん

<要素ようそ名めい />

は単一たんいつ/単独たんどくタグ[注釈ちゅうしゃく 18]またHTML5では空そら要素ようそ[17]と呼よばれる(例れい：<br />、<img src="something.jpg" />)。これらはしばしば / が省略しょうりゃくされることがある(例れい：<br>、<hr>)。


注意ちゅうい点てんとして、要素ようそはタグではない[18]。要素ようそは構造こうぞう上じょう規定きていされる存在そんざいであり、構文こうぶん上じょうの表現ひょうげんであるタグと併記へいきされるものではない。また要素ようそはタグ+コンテンツで表現ひょうげんされるため、タグは要素ようそを表現ひょうげんするものの一部いちぶに過すぎない。

機能きのう

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HTMLは異ことなる意味いみをもつ様々さまざまな要素ようそを定義ていぎする[19]。各かく要素ようそでは受うけ入いれ可能かのうな属性ぞくせいが定義ていぎされ、要素ようその振ふる舞まいを調整ちょうせいできるようになっている。ほとんどの要素ようそでは、要素ようそ名めいが機能きのうを指さし、属性ぞくせいが自身じしんの特性とくせいを指さし、子こ要素ようそが収納しゅうのうされる別べつコンテンツを指さす。

例たとえば <title> はタイトルを意味いみし、<a> はハイパーテキストアンカーを意味いみする。<a href="https://example.com"> では href 属性ぞくせいによってリンク先さきが指定していされている。

HTMLは要素ようそのセマンティクスを定義ていぎしているに過すぎないので、それを具体ぐたい的てきにどう表現ひょうげん・利用りようするかは利用りよう側がわに委ゆだねられている[20]。通常つうじょうはウェブブラウザでの利用りようが想定そうていされているが、音声おんせい対話たいわエージェントが利用りようするケースもあり得える。

HTML文書ぶんしょ

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HTMLで書かかれた文書ぶんしょをHTML文書ぶんしょと言いい、HTMLでは、まず文書ぶんしょ型がた宣言せんげんを書かく。HTML構文こうぶんを用もちいる場合ばあいは文書ぶんしょ型がた宣言せんげんを以下いかの通とおり書かかなければならない[注釈ちゅうしゃく 19]。 

<!DOCTYPE html>

次つぎに基本きほん的てきなHTML文書ぶんしょの例れいを挙あげる。 

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
 <head>
  <meta charset="UTF-8">
  <meta name="viewport" content="width=device-width">
  <title lang="en">HyperText Markup Language - Wikipedia</title>
 </head>
 <body>
  <article>
   <h1 lang="en">HyperText Markup Language</h1>
   <p>HTMLは、<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/SGML">SGML</a>
      アプリケーションの一ひとつで、ハイパーテキストを利用りようしてワールド
      ワイドウェブ上じょうで情報じょうほうを発信はっしんするために作つくられ、
      ワールドワイドウェブの<strong>基幹きかん的てき役割やくわり</strong>をなしている。
      情報じょうほうを発信はっしんするための文書ぶんしょ構造こうぞうを定義ていぎするために使つかわれ、
      ある程度ていど機械きかいが理解りかい可能かのうな言語げんごで、
      写真しゃしんの埋うめ込こみや、フォームの作成さくせい、
      ハイパーテキストによるHTML間あいだの連携れんけいが可能かのうである。</p>
  </article>
 </body>
</html>

このHTML文書ぶんしょは次つぎのような構造こうぞうを示しめしている。

  • <!DOCTYPE html>:文書ぶんしょ型がた宣言せんげん
    このテキストが最新さいしんのHTMLであることを示しめす。
  • <html lang="ja">:html要素ようそ。また、lang="ja"で、言語げんごコードjaの言語げんごが使つかわれていることの明示めいじ。
    • <head>:head要素ようそ（この文書ぶんしょのヘッダ情報じょうほうの明示めいじ）
      • <meta ... (/)>:meta要素ようそ（文書ぶんしょのメタ情報じょうほう）。ここでは、charset="UTF-8"で、文字もじコードが、「UTF-8」であることを示しめす。
      • <meta ... (/)>:meta要素ようそ。name="viewport"で、ビューポートの設定せっていであることを示しめし、content="width="device-width"で、設定せっていは、幅はばを画面がめんの幅はばに合あわせることを示しめしている(Googleは推奨すいしょう)。
      • <title lang="en">:title要素ようそ（この文書ぶんしょのタイトル)の明示めいじ。また、この部分ぶぶんはenの言語げんごが使つかわれていることの明示めいじ。
    • <body>:body要素ようそ（この文書ぶんしょの内容ないようの明示めいじ）
      • <article>:article要素ようそ（この要素ようそが、記事きじであることを明示めいじ）
        • <h1 lang="en">:h1要素ようそ（第だい一いちレベル)の見出みだしを明示めいじ。また、lang="en"で、この部分ぶぶんの見出みだしは enの言語げんごが使つかわれていることを明示めいじ。
        • <p>:p(段落だんらく)要素ようその明示めいじ。
          • <a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/SGML/">SGML</a>:a(アンカー)要素ようそ（他たのリソースへのアンカー)であることの明示めいじ。hrefで、「""」内ないにリンク先さきのURLを記述きじゅつする。ちなみに、このURLの場合ばあいは、ウィキペディア日本語にほんご版ばんのSGMLの記事きじ。
          • <strong>:strong要素ようそ（強つよい強調きょうちょうであることの明示めいじ）

タグによって文字もじ列れつを括くくることによりその文字もじ列れつの意味いみ付づけがなされる。ユーザーエージェントはそれを解釈かいしゃくして、例たとえば h1要素ようそで括くくられたテキストは「その文書ぶんしょ中ちゅうで最もっとも重要じゅうような見出みだし」という意味いみを持もつようになり、 GUI によるウェブブラウザであれば大おおきく太字ふとじで表示ひょうじするなどする。また、スタイルシートを用もちいることで見みた目めなどを指定していすることができるようになっている。

なお、通常つうじょうはマークアップ中ちゅうに改行かいぎょう文字もじを挿入そうにゅうしてもウェブブラウザ上じょうでは描画びょうがされない。改行かいぎょうを行おこなう場合ばあいはbr要素ようそを用もちいる必要ひつようがあるが、br要素ようそは本来ほんらい見みた目めのためではなく、詩しや住所じゅうしょのように実際じっさいにコンテンツの一部いちぶである改行かいぎょうのためにのみに使用しようされなければならない[21]。

歴史れきし

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1989年ねん、CERNのティム・バーナーズ＝リーは、オリジナルのHTML（および多おおくの関連かんれんしたプロトコル、HTTPなど）のメモを提案ていあんし、1990年ねん5月にコード化かした[22]。NEXTSTEPの動作どうさするNeXTcubeワークステーション上じょうで開発かいはつされた。当時とうじのHTMLは仕様しようではなく、直面ちょくめんしていた問題もんだいを解決かいけつするためのツール群ぐんであった。直面ちょくめんしていた問題もんだいとは、ティム・バーナーズ＝リーやその同僚どうりょうたちがどのように情報じょうほうや進行しんこう中ちゅうの研究けんきゅうを共有きょうゆうするかということである。彼かれの成果せいかは後のちに国際こくさい的てきかつ公開こうかいのネットワークの出現しゅつげんとして結実けつじつし、世界せかい的てきな注目ちゅうもくを集あつめることになった。

HTMLの初期しょきのバージョンはゆるい文法ぶんぽう規則きそくによって定義ていぎされており、ウェブ技術ぎじゅつになじみのない層そうに受うけ入いれられる助たすけとなった。ウェブブラウザはウェブページの意図いとを推測すいそくし、レンダリングを実行じっこうするのが一般いっぱん的てきであった。やがて公式こうしき規格きかくにおいては厳格げんかくな言語げんご構文こうぶんを作つくることを志向しこうするようになっていったが、それに加くわえ、ウェブブラウザの挙動きょどうを元もとに構文こうぶんエラーの取とり扱あつかいも規格きかくに含ふくめることで、既存きそんのウェブページに対たいする互換ごかん性せいの維持いじが図はかられている[23]。

HTMLが公式こうしきな仕様しようとして定義ていぎされたのは1990年代ねんだいからである。それは従来じゅうらいのマークアップ言語げんごであるSGMLに、インターネットのためのハイパーテキストの機能きのうを取とり入いれるというティム・バーナーズ＝リーの提案ていあんに大おおきく影響えいきょうを受うけたものだった。

1993年ねんにはIETFからHTML仕様しよう書しょバージョン1.0が公開こうかいされ、SGMLからの拡張かくちょうとして文法ぶんぽう定義ていぎのDTDを持もつようになった。また1994年ねんにIETFのHTMLワーキンググループが発足ほっそくした。しかし、2.0以降いこうのIETFの元もとでの開発かいはつは他たの開発かいはつとの競合きょうごうから停滞ていたいした。1996年ねんからはW3Cによって商用しょうようソフトウェア・ベンダーからの支援しえんも受うけ、HTMLの仕様しようが標準ひょうじゅん化かされている[24]。また2000年ねんからは国際こくさい標準ひょうじゅんともなった（ISO/IEC 15445:2000）。W3Cから勧告かんこくされた最新さいしんのHTML仕様しようはHTML 5.2である。

HTML 1.0、HTML+

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1993年ねん6月がつに、IETFのIIIR Workingグループより提出ていしゅつされたHTML仕様しよう書しょがインターネット・ドラフトとして発表はっぴょうされた。本来ほんらいはバージョン番号ばんごうが付ついていないが通常つうじょうHTML 1.0と呼よぶ。このドラフトはティム・バーナーズ＝リーおよびダニエル・コノリーによって、ティム・バーナーズ＝リーの出だしたHTML Design Constraintsに極力きょくりょく従したがうように書かかれた。

1993年ねん11月に、HTMLの上位じょうい互換ごかんな HTML+が発表はっぴょうされた。テーブルなどが追加ついかになっている。HTML+仕様しよう書しょ。

HTML 2.0

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1995年ねん11月に、IETFのHTMLワーキンググループによってRFC 1866 （日本語にほんご訳やく）として仕様しようが発表はっぴょうされた。下記かきの補助ほじょ的てきなRFCもリリースされた。HTML 2.0はRFC 2854によって廃止はいしされHTMLはIETFではなくW3Cが管理かんりすることとなった。

  • 1995年ねん11月：フォームベースのファイルアップロード。RFC 1867
  • 1996年ねん5月がつ：テーブル。RFC 1942
  • 1996年ねん8月がつ：クライアントサイドイメージマップ。RFC 1980
  • 1997年ねん1月がつ：HTMLの国際こくさい化か。RFC 2070（非公式ひこうしきな日本語にほんご訳やく）。「HTML i18n」とも呼よばれる。日本語にほんごを扱あつかえるHTMLのバージョンとしては、最もっとも古ふるい。

HTML 3.0、HTML 3.2

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HTML 3.0は策定さくてい作業さぎょうが行おこなわれたが、ドラフトの段階だんかいで策定さくてい途中とちゅうに破棄はきされた。HTML 3.0仕様しよう書しょ。

1997年ねん1月がつ14日にちに、HTML 3.2がW3C勧告かんこくとして仕様しようが発表はっぴょうされた。HTML 3.2 Reference Specification（非公式ひこうしきな日本語にほんご訳やく）。

HTML 4.0、HTML 4.01

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1997年ねん12月18日にちに、W3C勧告かんこくとしてHTML 4.0の仕様しようが発表はっぴょうされた。HTML 4.0は1998年ねん4月がつ24日にちに仕様しようが改訂かいてい[注釈ちゅうしゃく 20]された。この仕様しようにいくらかのマイナーな修正しゅうせいが加くわえられたHTML 4.01は1999年ねん12月24日にちにW3C勧告かんこくとなった。Strict DTDの他ほかにHTML 3.2からの移行いこう過渡かと期きのためのTransitional DTDとフレームを使つかうことのできる Frameset DTDの3つのスキーマを持もつ。

この後のち、HTML 4.01をベースとしてXHTML 1.0が策定さくていされることになる。

2018年ねん3月28日にちに代替だいたいされた勧告かんこくに指定していされ、最新さいしんの勧告かんこくを参照さんしょうすることを推奨すいしょうされている。

ISO/IEC 15445:2000

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ISO/IEC JTC 1による規格きかく。HTML 4.01を参考さんこうにし、より厳密げんみつに規格きかく化かされた。これは2000年ねんに翻訳ほんやくされJIS X 4156:2000というJIS規格きかくになった。

ISO/IEC 15445:2000は2003年ねんに訂正ていせい版ばん[注釈ちゅうしゃく 21]が発行はっこうされた（ただし訂正ていせいなので、その後ごも名称めいしょうはISO/IEC 15445:2000のまま）。JIS X 4156は2005年ねんに改正かいせいされ、JIS X 4156:2005（日本にっぽん産業さんぎょう標準ひょうじゅん調査ちょうさ会かい、経済けいざい産業さんぎょう省しょう）となっている。

HTML5、HTML 5.1、HTML 5.2

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→詳細しょうさいは「HTML5」を参照さんしょう
HTML5のロゴ

その後ご、HTMLの改良かいりょうにW3Cが興味きょうみを示しめさなかったことから、2004年ねんにWHATWGが開発かいはつを開始かいしした[25]。2007年ねんには、W3Cもワーキンググループを設立せつりつし[26]、WHATWGと共同きょうどうでの開発かいはつが始はじまった。しかし、2012年ねん7月がつ、両者りょうしゃは別個べっこに作業さぎょうする体制たいせいとなった[27]。WHATWGの仕様しよう策定さくていはHTML Living Standard（英語えいご版ばん）として継続けいぞくしている。

2014年ねん10月28日にちにHTML5がW3Cより勧告かんこくされた[28]。ブログや記事きじ向むけの「article」要素ようそやマルチメディアのための「audio」および「video」要素ようそなどをはじめとした新しん要素ようそ・属性ぞくせいが追加ついかされ、以前いぜんは見みた目めを規定きていしていた要素ようその殆ほとんどは変更へんこうまたは削除さくじょされた。2016年ねん11月1日にちに HTML 5.1が勧告かんこくされ[29]、2017年ねん12月14日にちに HTML 5.2が勧告かんこくされた[30]。

W3CによるHTML5～HTML 5.2は、WHATWGのHTML Living Standardを元もとに編集へんしゅうが加くわえられたものであり、HTML Living Standardとの差異さいが発生はっせいしている状態じょうたいとなっていた。これについてWHATWGのIan Hickson（英語えいご版ばん）がW3C側がわを強つよく非難ひなんする事態じたいとなっている[31]。W3CはHTML 5.3への作業さぎょうを進すすめられていたものの、2019年ねんのWHATWGとの合意ごういにより、取とりやめている[3]。

HTML Living Standard

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→「en:HTML Living Standard」も参照さんしょう

HTML Living Standard[32]は WHATWGが更新こうしんし続つづけている HTMLの最新さいしん仕様しよう。2019年ねんまではW3CのHTML5～HTML 5.2と並行へいこうして仕様しよう策定さくていが進すすめられている状態じょうたいだった。これを元もとにしてW3Cの勧告かんこくが作つくられていた。

HTML形式けいしきの電子でんしメール

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→詳細しょうさいは「電子でんしメール § メール形式けいしき」を参照さんしょう

脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ HTMLという名前なまえは従来じゅうらいはHyperText Markup Languageの略称りゃくしょうだったが、2023年ねん4月がつ現在げんざい最新さいしんの規格きかくであるWHATWGのHTML Living Standardには「HyperText Markup Language」という名前なまえの記載きさいはなく、単たんにそのままHTMLと呼よばれている。
  2. ^ 廃止はいしされた従来じゅうらいの規格きかく（HTML5.2まで）で使つかわれていた呼称こしょう。現在げんざいでもISO/IEC 15445:2000で使用しようされている。
  3. ^ 例たとえば、太字ふとじ指定していの「<b></b>」等ひとし
  4. ^ 英えい: Strict
  5. ^ 英えい: Transitional
  6. ^ 英えい: Frameset
  7. ^ 英えい: corrected version
  8. ^ 訂正ていせいなので、改定かいてい版ばんも名称めいしょうはISO/IEC 15445:2000のまま
  9. ^ 5年ねん毎ごとにレビューと承認しょうにんが行おこなわれており、手続てつづき上じょうは現在げんざいも有効ゆうこうなISO規格きかくである。最もっとも新あたらしい日付ひづけは2023年ねんのもの。ただし2004年ねん以降いこう、文書ぶんしょの改訂かいていはない。
  10. ^ バージョン番号ばんごうはないが「HTML 1.0」などとも呼よばれる
  11. ^ a b c ドラフトのみ
  12. ^ 現在げんざいはリダイレクト。Internet Archive参照さんしょう。
  13. ^ Introducing HTML 3.2 には「HTML 3.2 was superseded by HTML 4.0 in December, 1997.」とあり、仕様しよう書しょには「Superseded 15-March-2018」とある。前者ぜんしゃはHTML 4.0を、後者こうしゃはHTML5を後継こうけい仕様しようとして案内あんないしている。
  14. ^ 修正しゅうせい版ばん。現在げんざいはリダイレクト。Internet Archive参照さんしょう。
  15. ^ revised（改訂かいてい版ばん）
  16. ^ ワーキングループノートとして公開こうかい
  17. ^ XML構文こうぶんの場合ばあいは任意にんいの処理しょり命令めいれいも記述きじゅつ可能かのう
  18. ^ 英語えいご表記ひょうきではSingle tagsと記載きさいされる。
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出典しゅってん

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  32. ^ HTML Living Standard

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