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スペース

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

スペースえい: space)は、ラテン文字もじギリシア文字もじキリル文字もじなどにおいて、かたりかたり区切くぎりをあらわすためにける空白くうはく、またそのあいだ空白くうはくのことである。

ヘブライアラビアにおいては、はや時期じきから単語たんご区切くぎりをあらわすのに空白くうはくかれていた。ラテン文字もじ最初さいしょ使つかわれたのはアイルランドで、時期じき600ねんから800ねんごろとかんがえられている。それまでラテン文字もじでは中黒なかぐろ使つかわれていた。

ラテン文字もじにおけるスペース

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ラテン文字もじにおいては、かたりかたりあいだにスペースがかれる。手書てが文字もじでは、あいだけるほか、筆記ひっきたいではつづけてかない。印刷いんさつ組版くみはんなどの場合ばあい印字いんじエリアのみぎはしをそろえる「ジャスティフィケーション」のためには、スペースを伸縮しんしゅくして調整ちょうせいする。

また様々さまざま形式けいしきぶんぶんあいだにスペースをく。「フレンチ・スペーシング」ではぶんぶんあいだに1文字もじぶんのスペースをく。「ダブル・スペーシング」または「イングリッシュ・スペーシング」では2文字もじぶんのスペースをく。また初期しょきタイプライターでは「拡張かくちょうスペース(1-1/3文字もじぶんのスペース)」をくことがあった。近年きんねんではスペースをかないケースもえている。

ドイツでは、かたり強調きょうちょうするため、または強調きょうちょうして発音はつおんすべきかたりあらわすために、ひとつの単語たんごなかあいだけるということがおこなわれる。たとえば、das Kind において das強調きょうちょうするには、d a s Kind のようにする。この場合ばあいには単語たんごあいだのスペースでないので、ジャスティフィケーションのための伸縮しんしゅく対象たいしょうとならない。

文字もじごとにはばことなる書体しょたいプロポーショナルフォント)の場合ばあいぎゃく文字もじ間隔かんかくめることで、単語たんご形成けいせいする文字もじつらなりを自然しぜんせる技法ぎほうカーニング」もある。

日本語にほんごにおけるスペース

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日本語にほんごではともいい、文法ぶんぽううえ特別とくべつ意味いみかれない(カナで「アキ」とも)。しかし、段落だんらくのはじめにおおくの場合ばあいとし()がおこなわれ、コンピュータによる電子でんし組版くみはん (DTP) ではここに和字わじ間隔かんかく全角ぜんかくスペース)をくことがおおい。JIS X 4051日本語にほんご組版くみはん処理しょり要件ようけん」では、「!」や「?」といった区切くぎやくもののちぶんつづ場合ばあいも、間隔かんかくけること(全角ぜんかくアキ)が規定きていされている[1]

古文書こもんじょにおいては、貴人きじんへの敬意けいいひょうするために、人名じんめい動詞どうしまえ空白くうはくけるといったこと(闕字(けつじ))がおこなわれる。「  上様うえさま」「とう  しろ」などの表記ひょうきがそれである。明治めいじ時代じだいになって正式せいしき廃止はいしされた。

日本語にほんごでは基本きほんてき文中ぶんちゅうでスペースをもちいることはないが、スペースをふく固有名詞こゆうめいしはいくつか存在そんざいする。トヨタモビリティ富山とやま Gスクエア五福ごふくぜん停留ていりゅうじょうだいいちイン新湊しんみなと クロスベイまええきがそのいちれいであり、これはスペースをれることで単語たんご区切くぎれを明確めいかくしたものである。

数字すうじ計量けいりょう単位たんい

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国際こくさい単位たんいけい(SI)の記法きほうさだめた国際こくさい単位たんいけい国際こくさい文書ぶんしょは、つぎの3つの場合ばあいにスペースを挿入そうにゅうすると規定きていしている。

数字すうじ

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けたおお算用さんよう数字すうじくときには、みやすいように、整数せいすう小数しょうすうともに3けたごとにスペースを挿入そうにゅうしてよい[2]

Wikipedia:表記ひょうきガイドでも、科学かがく技術ぎじゅつ分野ぶんやにおいては、3けたごとコンマ( , )(日本にっぽん米国べいこく、イギリスなど)やピリオド( . )(フランス、ドイツなど)を挿入そうにゅうせず半角はんかくスペースをれることになっている(Wikipedia:表記ひょうきガイド#数字すうじ)。この半角はんかくスペースは通常つうじょうen:thin space である。

  • 25486003せんひゃくよんじゅうはちまんろくせんさん
  • 光速こうそくc = 299792458 m/s
  • プランク定数ていすうh = 6.62607015×10−34 J s
  • ジョセフソン定数ていすうKJ = 483597.848416983...×109 Hz/V

単位たんい記号きごうせき

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単位たんい記号きごうせき表現ひょうげんするときには、単位たんい記号きごうあいだに1ぶんのスペースもしくは中黒なかぐろ(・)を挿入そうにゅうすると規定きていしている[3]。この1ぶんのスペースは、通常つうじょう半角はんかくスペース(en:thin space )である。

なお、SI接頭せっとう単位たんい記号きごうとのあいだには、スペースをはさんではならない[4]SI接頭せっとう#SI接頭せっとう書体しょたい)。

数値すうち単位たんい記号きごうあいだ

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数値すうちは、かならず1ぶんのスペース(通常つうじょう半角はんかくスペース(en:thin space ))を使つかって数字すうじ単位たんい記号きごうはな[5]。これは「℃(セルシウス)」、「%(パーセント)」の場合ばあいおなじである。

  • 32.7 kg  (32.7kg としない。)
  • 36.5 ℃  (36.5℃ としない。)

なお、36.5 ° C (°とCが分離ぶんり)としない。「℃」はひとつの単位たんい記号きごうである。

  • 16 %   (16% としない。)

例外れいがい

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このルールの唯一ゆいいつ例外れいがいは、平面へいめんかく(°)、ぶん(′)、びょう(″)の場合ばあいである[6]

数値すうちと「°」()、「′」(ぶん)、「″」(びょう)であらわされる単位たんい記号きごうとのあいだにはスペースを挿入そうにゅうしない。

  • 32.5° (スペースをれた「32.5 °」としない。)

コンピュータにおけるスペース

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コンピュータではかたりあいだあらわ以外いがいにもさまざまな用途ようともちいられる。また、空白くうはくおおきさも様々さまざま必要ひつようである。したがって、用途ようとおおきさがちがうことを区別くべつする方法ほうほう必要ひつようである。現代げんだいおおくのコンピュータでは、おもに文字もじコード使つかけることによって用途ようとおおきさのちがいを区別くべつしているが、実際じっさい空白くうはくはばフォントにも左右さゆうされる。

  • スペース(欧文おうぶん間隔かんかく、ラテン文字もじ通常つうじょう半角はんかくであることから半角はんかくスペースとも)(ASCII 20H) - ラテン文字もじ単語たんごあいだのスペースをあらわすことにもちいる。論理ろんりぎょう改行かいぎょうコード区切くぎられた文字もじつらなり)が物理ぶつりぎょうかけじょうの1ぎょう)からはみ場合ばあいには、はみさないようにこのスペースでつぎくだりおくる。このとき、スペースはかけじょう改行かいぎょうえられ、まえくだり最後さいごにもつぎくだり最初さいしょにもスペースはかれない。とうはばフォント以外いがいでは半角はんかくはばであるとはかぎらず3ふんはばになっていることがおおい。ASCIIにあってJIS X 0213にない唯一ゆいいつ印字いんじ可能かのう文字もじである[7]
  • 整形せいけい目的もくてき挿入そうにゅうされるスペースをタブとぶ。便宜上べんぎじょう区別くべつするため、タブ文字もじ (ASCII 09H) をもちいたものはハードタブ、半角はんかくスペースをもちいたものはソフトタブとぶことがある。
  • キーボードにはスペースキー存在そんざいし、おおくの場合ばあい通常つうじょうのキーよりもおおきい。
  • 日本語にほんご使用しようされるスペースは日本語にほんご中国ちゅうごくなどのCJKの文字もじはば間隔かんかくという意味いみった、和字わじ間隔かんかくという文字もじべつ定義ていぎされている。
  • ホワイトスペース - 半角はんかくスペースとタブと改行かいぎょう総称そうしょうC言語げんごなどいくつかのプログラミング言語げんごや、HTMLなどのマークアップ言語げんご同等どうとうあつかわれる。
記号きごう Unicode JIS X 0213 文字もじ参照さんしょう 名称めいしょう
U+0020 -  
 
SPACE
  U+00A0 1-9-2  
 
 
ノーブレークスペース
NO-BREAK SPACE
U+2002 -  
 
 
EN SPACE
U+2003 -  
 
 
EM SPACE
U+2004 -  
 
THREE-PER-EM SPACE
U+2005 -  
 
FOUR-PER-EM SPACE
U+2006 -  
 
SIX-PER-EM SPACE
U+2007 -  
 
図形ずけい間隔かんかく
FIGURE SPACE
U+2008 -  
 
PUNCTUATION SPACE
U+2009 -  
 
 
THIN SPACE
U+200A -  
 
HAIR SPACE
U+200B - ​
​
ゼロぶくスペース
ZERO WIDTH SPACE
  U+3000 1-1-1  
 
和字わじ間隔かんかく
IDEOGRAPHIC SPACE
 U+FEFF - 

ゼロぶくノーブレークスペース
ZERO WIDTH NO-BREAK SPACE
U+0009 - 	
	
タブ文字もじ
CHARACTER TABULATION

その

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マイナスのスペースという概念がいねん日本語にほんご組版くみはんには存在そんざいし、マイナス2ふんはばなどのはばがある。これは2ふんぶん後退こうたいすることにもちいる。たとえば、括弧かっこ「)」とひら括弧かっこ「(」が連続れんぞくするときはこの括弧かっこ括弧かっこあいだが2ふんはばになるのがただしいが、これを全角ぜんかく括弧かっこ「)」+マイナス2ふんはばのスペース+ひら括弧かっこ「(」であらわ[8][9]

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 日本語にほんご組版くみはん処理しょり要件ようけん日本語にほんごばん)#3.1.6 区切くぎやくものおよびハイフンるい配置はいち方法ほうほう
  2. ^ 国際こくさい単位たんいけい(2019), p.119 「5.4.4 数字すうじ形式けいしきおよび小数点しょうすうてん
  3. ^ 国際こくさい単位たんいけい(2019) 、p.116 「5.2 単位たんい記号きごう
  4. ^ 国際こくさい単位たんいけい(2019) 、p.112 「3 SI単位たんいじゅうしん倍量ばいりょうおよび分量ぶんりょう
  5. ^ 国際こくさい単位たんいけい(2019) 、p.118 「5.4.3 りょう形式けいしき
  6. ^ #国際こくさい単位たんいけい(SI)だい9はん(2019) p.118 りょう形式けいしき数値すうちは、つね単位たんいまえて、かならず1ぶん空白くうはく使つかって数字すうじ単位たんいはなす。このようにりょうは、数字すうじ単位たんいせきあらわされる。数字すうじ単位たんいあいだの1ぶん空白くうはくは、(単位たんい単位たんいあいだ空白くうはくざん示唆しさするのと同様どうように)ざん記号きごうとみなされる。この規則きそく唯一ゆいいつ例外れいがいは、平面へいめんかくたび(°)、ぶん(′)、びょう(″)である。このみっつについては、数値すうち単位たんい記号きごうあいだ空白くうはくらない。」
  7. ^ JIS X 0213のコード対応たいおうひょう
  8. ^ たとえばMicrosoft Wordでも、とうはばフォント(たとえばMS 明朝みんちょう)をもちいて全角ぜんかく括弧かっこひら括弧かっこを「)(」のように入力にゅうりょくすると、そのあいだは2ふんはば調整ちょうせいされる。
  9. ^ W3C 日本語にほんご組版くみはん処理しょり要件ようけん日本語にほんごばん」の「3.1.2 句読点くとうてんや,括弧かっこるいなどの基本きほんてき配置はいち方法ほうほう」のちゅう1

参考さんこう文献ぶんけん

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  • [1] BIPM しる産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょ 計量けいりょう標準ひょうじゅん総合そうごうセンター やく国際こくさい単位たんいけい(SI)だい9はん(2019)日本語にほんごばん産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょ 計量けいりょう標準ひょうじゅん総合そうごうセンター、2020ねん3がつ