ぶん (角度かくど)

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ふん
ぶん
記号きごう
けい SI単位たんいSI併用へいよう単位たんい
りょう 角度かくど
SI (πぱい/10800) rad = やく290.88820867 μみゅーrad
定義ていぎ (1/60)
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角度かくど単位たんいとしてのぶん(ふん, minute (of arc), MOA)は、1の60ぶんの1の角度かくどである。なお、びょうは、ぶんの60ぶんの1の角度かくどである。

定義ていぎ[編集へんしゅう]

ぶんは、の60ぶんの1である[1]。1円弧えんこの360ぶんの1の角度かくど定義ていぎされているので、1ふん円弧えんこ21600ぶんの1となり、(πぱい/10800) ラジアンである。

記号きごう[編集へんしゅう]

ぶん単位たんい記号きごうは、唯一ゆいいつ、「′」である[2][3]。この単位たんい記号きごうプライム (′, U+2032, ′) であり、32.5ふんを 32.5′ と表記ひょうきする。

記法きほう[編集へんしゅう]

数値すうちと「′」(ぶん)とのあいだにはスペースを挿入そうにゅうしない。これは、びょう場合ばあいおなじである。国際こくさい単位たんいけい規則きそくでは、数値すうち単位たんい°Cや%の場合ばあいふくめて)とのあいだかならずスペースを挿入そうにゅうすることになっているが、このたびふんびょう場合ばあい唯一ゆいいつ例外れいがいである[4]

れい:「32.5′」とする。半角はんかくスペースをれた「32.5 ′」の表記ひょうき不可ふか

使用しよう[編集へんしゅう]

ぶんSI単位たんい ではないが、ひろ使用しようされていることからSIと併用へいようしても単位たんいSI併用へいよう単位たんい)となっている。

θしーた=1ふんかく(MOA)の直角ちょっかく三角形さんかっけいでは、となりあたり(距離きょり)が100ヤードの場合ばあい対辺たいへん(たかさ)はやく1.047インチとなり1インチにきわめてちかいため、射撃しゃげき世界せかいでは精度せいど誤差ごさあらわ単位たんいのほか標的ひょうてきまでの距離きょりはか指標しひょうとしてひろもちいられている。

ぶんおよびびょうは、ちいさな角度かくどあらわすのに便利べんりで、天文学てんもんがく測量そくりょう航海こうかいにおいて多用たようされる。伝統でんとうてきに、地球ちきゅうじょうでの位置いち、すなわち緯度いど経度けいどふんびょうによってあらわされる。これによって地球ちきゅうじょうでのどんな位置いち正確せいかくあらわすことができる。

ただし、ISO 31 (JIS 8202-1) では、のみをもちいて、以下いか小数しょうすうによって表示ひょうじするのがのぞましいとしている[5]。また国際こくさい単位たんいけい(SI)国際こくさい文書ぶんしょでも、ISO 31引用いんようして、おな注意ちゅういあたえている[6]

のみをもちいた場合ばあい小数点しょうすうてん以下いか4けたまであたえれば、ぶんびょうによってあらわすのとほぼおな精度せいどられる。

地球ちきゅうは1あいだで15°回転かいてんし、1分間ふんかんで15′回転かいてんし、1秒間びょうかんで15″回転かいてんする。うみさと元々もともと定義ていぎは、地球ちきゅう大円だいえんうえにおける1′のながさであった。GRS80地球ちきゅう楕円だえんたいめんじょうにおける、緯度いど1′に相当そうとうする平均へいきんてき子午線しごせんちょうは、およそ1852.22 mである。現在げんざいでは1海里かいり正確せいかく1852 m定義ていぎされている。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 計量けいりょう単位たんいれい平成へいせい4ねん政令せいれいだい357ごう別表べっぴょうだいいち こうばん はち角度かくどぶん 「ろくじゅうぶんいち」とある。
  2. ^ 計量けいりょう単位たんい規則きそく平成へいせい4ねん通商産業省つうしょうさんぎょうしょうれいだい80ごう別表べっぴょうだい角度かくどぶん」のらん
  3. ^ 国際こくさい単位たんいけい (SI) 国際こくさい文書ぶんしょだい8はん 2006ねん日本語にほんごやく)、わけ監修かんしゅう (どく)産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょ 計量けいりょう標準ひょうじゅん総合そうごうセンター p. 36のだい6ひょう、「平面へいめんかく」のらん
  4. ^ 国際こくさい単位たんいけい (SI) 国際こくさい文書ぶんしょだい8はん 2006ねん日本語にほんごやく)、わけ監修かんしゅう (どく)産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょ 計量けいりょう標準ひょうじゅん総合そうごうセンター 5.3.3 りょう書式しょしき、p. 45. 「この原則げんそくにおける唯一ゆいいつ例外れいがいは,平面へいめんかくあらわ単位たんいであるたび(degree),ふん(minute),およびょう(second)であり,それぞれの単位たんい記号きごうである°,′,および″にたいしては,数値すうち単位たんい記号きごうとのあいだ空白くうはく挿入そうにゅうしない.」
  5. ^ JIS 8202-1 : 2000 p. 4, 単位たんい番号ばんごう1-1.b 1-1.c 1-1.d の「換算かんさんりつおよ備考びこう」のらんによる。「は,十進法じっしんほう表示ひょうじするのがのぞましい。れい 17°15′とするよりも 17.25°とする。」
  6. ^ 国際こくさい単位たんいけい (SI) 国際こくさい文書ぶんしょだい8はん 2006ねん日本語にほんごやく)、わけ監修かんしゅう (どく)産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょ 計量けいりょう標準ひょうじゅん総合そうごうセンター p. 36のだい6ひょう 注記ちゅうき(b)「ISO 31 は平面へいめんかく単位たんいふんおよびょうもちいるよりも,十進法じっしんほうによる小数点しょうすうてん以下いか数値すうち使用しようしてあらわすことを推奨すいしょうしている.」

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]