SI基本 きほん 単位 たんい の再 さい 定義 ていぎ (SIきほんたんいのさいていぎ、英 えい : en:2019 redefinition of the SI base units )とは、2018年 ねん の第 だい 26回 かい 国際 こくさい 度量衡 どりょうこう 総会 そうかい で採択 さいたく されたSI基本 きほん 単位 たんい の根本 こんぽん 的 てき な再 さい 定義 ていぎ である。
国際 こくさい 度量衡 どりょうこう 委員 いいん 会 かい (CIPM) はSI基本 きほん 単位 たんい の定義 ていぎ を改訂 かいてい する決議 けつぎ 案 あん を提案 ていあん していた[1] 。この提案 ていあん は2018年 ねん 11月16日 にち に第 だい 26回 かい 国際 こくさい 度量衡 どりょうこう 総会 そうかい (CGPM)で決議 けつぎ ・承認 しょうにん された[2] [3] [4] 。この結果 けっか 、SI基本 きほん 単位 たんい はそれまでの人工 じんこう 物 ぶつ による定義 ていぎ から全面 ぜんめん 的 てき に解放 かいほう され、より根源 こんげん 的 てき な自然 しぜん 法則 ほうそく に基 もと づく定義 ていぎ に移行 いこう した[5] [6] 。この決議 けつぎ に基 もと づく国際 こくさい 単位 たんい 系 けい は2019年 ねん 5月 がつ 20日 はつか より施行 しこう されている。この日 ひ は1875年 ねん にメートル条約 じょうやく が締結 ていけつ された日 ひ であり、これにちなむ世界 せかい 計量 けいりょう 記念 きねん 日 び である。
本 ほん 記事 きじ の記述 きじゅつ は、主 しゅ として国際 こくさい 単位 たんい 系 けい の第 だい 9版 はん Ver.2.01[注釈 ちゅうしゃく 1] [7] とその日本語 にほんご 版 ばん [8] を基 もと にしている。
旧 きゅう 定義 ていぎ と新 しん 定義 ていぎ における7つのSI基本 きほん 単位 たんい の間 あいだ の関係 かんけい と、基本 きほん 単位 たんい と物理 ぶつり 定数 ていすう の関係 かんけい
かつて、度量衡 どりょうこう としてのメ め ートル法 とるほう は、一貫 いっかん 性 せい のある単位 たんい 系 けい である国際 こくさい 単位 たんい 系 けい (SI)の1960年 ねん の採択 さいたく ・発効 はっこう によって大 おお きく変化 へんか した。SIは定義 ていぎ された7つのSI基本 きほん 単位 たんい と、SI基本 きほん 単位 たんい から組立 くみた てられた20の組立 くみたて 単位 たんい により構成 こうせい されている。これらの単位 たんい 系 けい は一貫 いっかん 性 せい を持 も ったシステムとして構築 こうちく されている[注釈 ちゅうしゃく 2] 。
SI基本 きほん 単位 たんい の定義 ていぎ は、かつてはメートル原器 げんき やキログラム原器 げんき 、天体 てんたい の運動 うんどう などに依存 いぞん していた。原器 げんき 類 るい は人 ひと の手 て による有形 ゆうけい 的 てき 存在 そんざい であり、普遍 ふへん 的 てき な単位 たんい を定 さだ める為 ため に十分 じゅうぶん な「不変 ふへん の存在 そんざい 」とは言 い い難 がた い。自転 じてん 周期 しゅうき や公転 こうてん 周期 しゅうき といった天体 てんたい の運動 うんどう にかかわる数値 すうち も、長 なが い時 とき を経 へ ていずれは変化 へんか を受 う ける。そこで、これまでのSIの改訂 かいてい によって、たとえば、天体 てんたい の運動 うんどう を秒 びょう (時間 じかん の単位 たんい )の定義 ていぎ から排 はい し、メートル原器 げんき をメートル (長 なが さ の単位 たんい )の定義 ていぎ に用 もち いないようするなど、よりSIの理念 りねん に沿 そ うように単位 たんい の定義 ていぎ の改訂 かいてい を重 かさ ねてきた。
今回 こんかい の国際 こくさい 度量衡 どりょうこう 総会 そうかい による採択 さいたく による新 あたら しい定義 ていぎ では、基本 きほん 単位 たんい の導出 どうしゅつ おいて基本 きほん 的 てき な自然 しぜん 法則 ほうそく にあらわれる物理 ぶつり 定数 ていすう や特定 とくてい の物質 ぶっしつ に固有 こゆう の物性 ぶっせい 量 りょう の値 ね ついて、これらを定義 ていぎ された固定 こてい 値 ち (不確 ふたし かさを一切 いっさい 含 ふく まない値 ね )としてまず定義 ていぎ している。そのうえで、これらの物理 ぶつり 定数 ていすう や物性 ぶっせい 値 ち に整合 せいごう するように、新 あたら しい単位 たんい の定義 ていぎ が定 さだ めらるようになった。
単位 たんい
旧 きゅう 定義 ていぎ で参照 さんしょう ・使用 しよう する値 ね の数 かず
新 しん 定義 ていぎ で参照 さんしょう ・使用 しよう する値 ね の数 かず
人工 じんこう 物 ぶつ
物性 ぶっせい 値 ち
物理 ぶつり 定数 ていすう
依存 いぞん する単位 たんい
人工 じんこう 物 ぶつ
物性 ぶっせい 値 ち
物理 ぶつり 定数 ていすう
依存 いぞん する単位 たんい
s
0
1 (Δ でるた ν にゅー 133 Cs )
0
0
0
1 (Δ でるた ν にゅー 133 Cs )
0
0
m
0
0
1 (c )
1 (s)
0
0
1 (c )
1 (s)
kg
1 (原器 げんき )
0
0
0
0
0
1 (h )
2 (s, m)
A
0
0
1 (μ みゅー 0 )
3 (s, m, kg)
0
0
1 (e )
1 (s)
K
0
1 (T TPW )
0
0
0
0
1 (k B )
3 (s, m, kg)
mol
0
1 (m 12 C )
0
1 (kg)
0
0
1 (N A )
0
cd
0
0
1 (K cd )
3 (s, m, kg)
0
0
1 (K cd )
3 (s, m, kg)
旧 きゅう 定義 ていぎ および新 しん 定義 ていぎ において、それぞれの単位 たんい が定義 ていぎ に使用 しよう している人工 じんこう 物 ぶつ [注釈 ちゅうしゃく 3] 、物質 ぶっしつ の物性 ぶっせい 値 ち [注釈 ちゅうしゃく 4] 、物理 ぶつり 定数 ていすう [注釈 ちゅうしゃく 5] の数 かず を表 ひょう に示 しめ した。あわせて、その定義 ていぎ に必要 ひつよう な他 ほか の単位 たんい の定義 ていぎ の数 かず も示 しめ した。今回 こんかい の改訂 かいてい で定義 ていぎ 値 ち として定 さだ められている物理 ぶつり 定数 ていすう および物性 ぶっせい 値 ち は7つあり、これらに対応 たいおう するSI基本 きほん 単位 たんい も7つある。
このなかで、今回 こんかい 大 おお きな改訂 かいてい があったもののひとつはキログラム (質量 しつりょう の単位 たんい )の定義 ていぎ である。改訂 かいてい 前 まえ の定義 ていぎ には、SIのなかで唯一 ゆいいつ の有形 ゆうけい 的 てき 存在 そんざい である原器 げんき (国際 こくさい キログラム原器 げんき )が未 いま だに用 もち いられていた。今回 こんかい のSI基本 きほん 単位 たんい の再 さい 定義 ていぎ では、キログラムはプランク定数 ていすう (量子力学 りょうしりきがく の基本 きほん 的 てき な物理 ぶつり 定数 ていすう のひとつ)を固定 こてい 値 ち とすることで定義 ていぎ されており、国際 こくさい キログラム原器 げんき は不要 ふよう となった[9] 。この結果 けっか 、旧 きゅう 定義 ていぎ において既 すで に自然 しぜん 法則 ほうそく (物理 ぶつり 定数 ていすう や物性 ぶっせい 値 ち )でより厳格 げんかく 化 か された秒 びょう やメートルなどに続 つづ き、キログラムも同 おな じ理念 りねん のもとに普遍 ふへん 的 てき な定義 ていぎ へと移行 いこう した。さらに、ケルビン やモル では、物性 ぶっせい 値 ち に拠 よ る定義 ていぎ を廃止 はいし し、物理 ぶつり 定数 ていすう を用 もち いた定義 ていぎ へと変更 へんこう された。[注釈 ちゅうしゃく 6]
かつてのメ め ートル法 とるほう の時代 じだい では、光速 こうそく が不変 ふへん だとさえ認識 にんしき されていなかったが、相対性理論 そうたいせいりろん が十分 じゅうぶん に普及 ふきゅう した1983年 ねん の改訂 かいてい によって、定数 ていすう としての光速 こうそく を用 もち いる定義 ていぎ へと至 いた った。今回 こんかい (2019年 ねん )の改訂 かいてい では、量子力学 りょうしりきがく や統計 とうけい 力学 りきがく でそれぞれ基本 きほん 定数 ていすう であるプランク定数 ていすう とボルツマン定数 ていすう 等 ひとし が採用 さいよう され、自然 しぜん 科学 かがく の発展 はってん による成果 せいか がさらにSIに取 と り込 こ まれることとなった。この改訂 かいてい の結果 けっか として、SI基本 きほん 単位 たんい のなかで特定 とくてい の物質 ぶっしつ (物性 ぶっせい 値 ち )に依存 いぞん する単位 たんい は、時間 じかん を表 あらわ す秒 びょう だけとなった。一方 いっぽう で、モル以外 いがい の[注釈 ちゅうしゃく 7] すべての単位 たんい は、秒 びょう すなわちセシウム133 の物性 ぶっせい 値 ち (原子 げんし スペクトルの周波数 しゅうはすう )に依存 いぞん することになった。SIから「物質 ぶっしつ 」であるセシウム を追放 ついほう することが、次 つぎ なる改訂 かいてい では重要 じゅうよう な議題 ぎだい になるだろうとの指摘 してき もある[10] 。これまでのSIでは、相対性理論 そうたいせいりろん や量子力学 りょうしりきがく といったそれまでの科学 かがく に大 おお きなパラダイム の変化 へんか をもたらした発見 はっけん が、改訂 かいてい に反映 はんえい されてきた。もし、いつかSIの秒 びょう の定義 ていぎ が特定 とくてい の物質 ぶっしつ に拠 よ らなくなるとしたら、それは自然 しぜん 科学 かがく がさらなる段階 だんかい に至 いた ったときではないかとも予想 よそう されている[10] 。
長 なが さの単位 たんい のメートルの定義 ていぎ は1960年 ねん に国際 こくさい メートル原器 げんき から光 ひかり の速度 そくど (光速 こうそく )に拠 よ るものに置 お き換 か えられている。それ以降 いこう 、SI基本 きほん 単位 たんい の中 なか で定義 ていぎ が人工 じんこう の有形 ゆうけい 的 てき 存在 そんざい に由来 ゆらい するものはキログラム のみとなった。年 とし を重 かさ ねるにつれて、キログラムの定義 ていぎ となっている国際 こくさい キログラム原器 げんき の質量 しつりょう に、1年 ねん で最大 さいだい 20× 10^ −9 キログラムの変化 へんか があることが分 わ かってきた[注釈 ちゅうしゃく 8] [11] 。これを受 う けた1999年 ねん の第 だい 21回 かい 国際 こくさい 度量衡 どりょうこう 総会 そうかい (CGPM)で、各国 かっこく の研究 けんきゅう 機関 きかん に対 たい し、キログラムを人工 じんこう 物 ぶつ によらずに定義 ていぎ する方法 ほうほう を研究 けんきゅう するよう要請 ようせい した。
温度 おんど の計測 けいそく については、2007年 ねん に測 はか 温 ぬる 諮問 しもん 委員 いいん 会 かい から国際 こくさい 度量衡 どりょうこう 委員 いいん 会 かい (CIPM)にて、「温度 おんど の現行 げんこう の定義 ていぎ では20 K 以下 いか の低温 ていおん および 1300 K 以上 いじょう の高温 こうおん では十分 じゅうぶん な計測 けいそく ができない」という報告 ほうこく がなされた。測 はか 温 ぬる 諮問 しもん 委員 いいん 会 かい では、現行 げんこう の水 みず の三重 みえ 点 てん による定義 ていぎ よりもボルツマン定数 ていすう を基準 きじゅん にした定義 ていぎ の方 ほう が、より正確 せいかく に温度 おんど の計量 けいりょう ができ、低温 ていおん や高温 こうおん での計測 けいそく 困難 こんなん 性 せい も克服 こくふく できる、との意見 いけん が表明 ひょうめい された[12] 。
2007年 ねん の第 だい 23回 かい CGPMでは、CIPMに対 たい し全 すべ ての単位 たんい を「定義 ていぎ 値 ち とされた物理 ぶつり 定数 ていすう 」に基 もと づく定義 ていぎ にするための調査 ちょうさ が命 めい じられた。翌年 よくねん に、この方針 ほうしん は国際 こくさい 純粋 じゅんすい ・応用 おうよう 物理 ぶつり 学 がく 連合 れんごう (IUPAP)にも承認 しょうにん された[13] 。やがて、2010年 ねん 9月 がつ に開 ひら かれた単位 たんい 諮問 しもん 委員 いいん 会 かい (CCU)において、2010年 ねん 10月 がつ のCIPMに提出 ていしゅつ される決議 けつぎ [14] およびSI文書 ぶんしょ 変更 へんこう について草案 そうあん が作成 さくせい された[15] 。しかしながら、2010年 ねん 10月、CIPMは「草案 そうあん は、第 だい 23回 かい CGPMが要求 ようきゅう した水準 すいじゅん にはまだ満 み たないため、現時点 げんじてん ではCIPMは草案 そうあん でのSIの改訂 かいてい は提案 ていあん しない」と決定 けってい した[16] 。
続 つづ く第 だい 24回 かい CGPMにおいて、CIPMは検討 けんとう 事項 じこう として決議 けつぎ された内容 ないよう を示 しめ し、新 しん 定義 ていぎ の詳細 しょうさい まだ定 さだ まってなかったものの、新 あたら しい定義 ていぎ への改訂 かいてい についておおむね合意 ごうい された[17] [18] [注釈 ちゅうしゃく 9] [19] 。しかし、第 だい 25回 かい CGPMでは、「提示 ていじ されたデータは、新 あたら しいSIの定義 ていぎ を採択 さいたく するには、十分 じゅうぶん 頑強 がんきょう ではない」とされ[20] 、2018年 ねん に行 おこな われる次 つぎ の第 だい 26回 かい CGPM以降 いこう に改訂 かいてい は延期 えんき された。このとき、次回 じかい CGPMでの検討 けんとう に用 もち いる新 しん データ[注釈 ちゅうしゃく 10] は2017年 ねん 7月 がつ 1日 にち までに受理 じゅり された査読 さどく 論文 ろんぶん とすることが取 と り決 き められた[21] 。
第 だい 26回 かい CGPMあたって、新 あら たに得 え られたデータが研究 けんきゅう 者 しゃ らにより蓄積 ちくせき され、科学 かがく 技術 ぎじゅつ データ委員 いいん 会 かい (CODATA)がこれらを評価 ひょうか したところ、SIの再 さい 定義 ていぎ に必要 ひつよう な精度 せいど を有 ゆう していると確認 かくにん された。これを受 う けて2018年 ねん 2月 がつ に、CIPMはCGPMに提出 ていしゅつ する決議 けつぎ 案 あん を決定 けってい した[1] 。この決議 けつぎ 案 あん は第 だい 26回 かい CGPM[注釈 ちゅうしゃく 11] の最終 さいしゅう 日 び に諮 はか られ、決議 けつぎ ・承認 しょうにん された。こうして、2018年 ねん 11月16日 にち に承認 しょうにん された新 あたら しいSIは、翌年 よくねん の2019年 ねん 5月 がつ 20日 はつか に施行 しこう されることが決 き まり[22] 、現在 げんざい に至 いた っている。
日本 にっぽん の対応 たいおう [ 編集 へんしゅう ]
CGPMで決議 けつぎ された新 しん SIをうけ、日本 にっぽん では法令 ほうれい の対応 たいおう が取 と られた。計量 けいりょう 法 ほう 第 だい 3条 じょう の規定 きてい [23] に基 もと づいた計量 けいりょう 単位 たんい 令 れい (平成 へいせい 4年 ねん 政令 せいれい 第 だい 357号 ごう )は、計量 けいりょう 単位 たんい 令 れい の一部 いちぶ を改正 かいせい する政令 せいれい (令 れい 和 わ 元年 がんねん 5月 がつ 17日 にち 政令 せいれい 第 だい 6号 ごう )により改正 かいせい された。この政令 せいれい の内容 ないよう は、SIの再 さい 定義 ていぎ が発効 はっこう する2019年 ねん 5月 がつ 20日 はつか より施行 しこう された。計量 けいりょう 単位 たんい 令 れい の改正 かいせい によって、キログラム とアンペア 、ケルビン (およびセルシウス度 ど )、モル の定義 ていぎ が、日本 にっぽん の法令 ほうれい 上 じょう も改正 かいせい された。ただし、定義 ていぎ の実用 じつよう 的 てき な部分 ぶぶん に変化 へんか のない秒 びょう 、メートル 、カンデラ についての変更 へんこう はない[24] 。
単位 たんい 諮問 しもん 委員 いいん 会 かい (CCU)は現行 げんこう の光 ひかり 速度 そくど のように、以下 いか の4つの物理 ぶつり 定数 ていすう も新 あら たに定義 ていぎ 値 ち とすることを提案 ていあん し、2017年 ねん 10月 がつ に4つの定数 ていすう を発表 はっぴょう した[25] [26] 。定義 ていぎ 値 ち であるので、これらの数値 すうち には不 ふ 確 かく かさ はない。
以下 いか の物理 ぶつり 定数 ていすう については、これまで通 とお り定義 ていぎ 値 ち であることに変更 へんこう はなく、これらにも不確 ふたし かさはない。
組立 くみたて 単位 たんい (ジュール、クーロン、ヘルツ、ルーメン、ワット)を使用 しよう した場合 ばあい 、上記 じょうき の物理 ぶつり 量 りょう は基本 きほん 単位 たんい を使用 しよう して以下 いか のように書 か き表 あらわ される。それぞれの数値 すうち はもちろん変 か わらないし、不確 ふたし かさのない定義 ていぎ 値 ち であることも同 おな じである。
Δ でるた ν にゅー (133 Cs)hfs = 9192 631 770 s−1
c = 299792 458 m⋅s−1
h = 6.626070 15 × 10^ −34 kg⋅m2 ⋅s−1
e = 1.602176 634 × 10^ −19 A⋅s
k = 1.380649 × 10^ −23 kg⋅m2 ⋅K−1 ⋅s−2
N A = 6.022140 76 × 10^ 23 mol−1
K cd = 683 cd⋅sr⋅s3 ⋅kg−1 ⋅m−2 [注釈 ちゅうしゃく 12]
以上 いじょう の物理 ぶつり 定数 ていすう や物質 ぶっしつ に固有 こゆう の物性 ぶっせい 値 ち によって、これらに整合 せいごう するようSI単位 たんい が定義 ていぎ されることとなった(⇒単位 たんい の定義 ていぎ の詳細 しょうさい )。加 くわ えて、国際 こくさい 度量衡 どりょうこう 総会 そうかい は、旧 きゅう 定義 ていぎ の単位 たんい 取 と り扱 あつか いについて以下 いか のように決議 けつぎ した。
国際 こくさい キログラム原器 げんき は廃止 はいし し、現行 げんこう のキログラムの定義 ていぎ は廃止 はいし される。
現行 げんこう のアンペア の定義 ていぎ は廃止 はいし される。
現行 げんこう のケルビン の定義 ていぎ は廃止 はいし される。
現行 げんこう のモル の定義 ていぎ は改訂 かいてい される。
基本 きほん 単位 たんい の定義 ていぎ の変更 へんこう [ 編集 へんしゅう ]
新 あたら しい国際 こくさい 単位 たんい 系 けい (SI)文書 ぶんしょ では、全 すべ ての基本 きほん 単位 たんい の定義 ていぎ が改訂 かいてい されている。それぞれの旧 きゅう 定義 ていぎ [27] と新 しん 定義 ていぎ [28] を以下 いか の各 かく 節 ふし に示 しめ した。特 とく に断 ことわ りのないかぎり、掲載 けいさい した定義 ていぎ 文 ぶん の和訳 わやく は産業 さんぎょう 技術 ぎじゅつ 総合 そうごう 研究所 けんきゅうじょ 計量 けいりょう 標準 ひょうじゅん 総合 そうごう センターによるものである[8] 。旧 きゅう 定義 ていぎ での単位 たんい の多 おお くが「自然 しぜん 現象 げんしょう 等 ひとし を観測 かんそく して得 え た結果 けっか の定数 ていすう 倍 ばい 」である一方 いっぽう 、新 しん 定義 ていぎ の多 おお くでは自然 しぜん 法則 ほうそく ・現象 げんしょう を大前提 だいぜんてい とした表現 ひょうげん をとっている。具体 ぐたい 的 てき には、基本 きほん 的 てき な物理 ぶつり 定数 ていすう や物質 ぶっしつ に固有 こゆう の物性 ぶっせい 値 ち を一切 いっさい の不確 ふたし かさがない固定 こてい された数値 すうち として定義 ていぎ し、それらとの関係 かんけい (自然 しぜん 法則 ほうそく )と整合 せいごう するように[注釈 ちゅうしゃく 13] 単位 たんい を定 さだ めるといった文言 もんごん となっている。
時間 じかん の単位 たんい である秒 びょう の定義 ていぎ については上述 じょうじゅつ の文言 もんごん の変化 へんか があるが、セシウム 133のスペクトル 観測 かんそく を問題 もんだい にするかぎりは、実質 じっしつ 的 てき な変更 へんこう はない。単位 たんい としての秒 びょう の位置付 いちづ けを宣言 せんげん したのちに、当該 とうがい 原子 げんし の超 ちょう 微細 びさい 構造 こうぞう の計測 けいそく についてより詳 くわ しい説明 せつめい が加 くわ えられている。
旧 きゅう 定義 ていぎ
秒 びょう は、セシウム133原子 げんし の基底 きてい 状態 じょうたい の 2 つの超 ちょう 微細 びさい 準 じゅん 位 い 間 あいだ の遷移 せんい に対応 たいおう する放射 ほうしゃ の周期 しゅうき の 9192 631 770 倍 ばい の継続 けいぞく 時間 じかん である。
新 しん 定義 ていぎ
秒 びょう (記号 きごう は s)は、時間 じかん のSI単位 たんい であり、セシウム周波数 しゅうはすう Δ でるた ν にゅー Cs 、すなわち、セシウム133原子 げんし の摂動 せつどう を受 う けない基底 きてい 状態 じょうたい の超 ちょう 微細 びさい 構造 こうぞう 遷移 せんい 周波数 しゅうはすう を単位 たんい Hz (s−1 に等 ひと しい) で表 あらわ したときに、その数値 すうち を 9192 631 770 と定 さだ めることによって定義 ていぎ される。
長 なが さ の単位 たんい であるメートル の定義 ていぎ については、既 すで に今回 こんかい の再 さい 定義 ていぎ の時点 じてん でメートル原器 げんき による古 ふる い定義 ていぎ の廃止 はいし は済 す んでおり、今回 こんかい 変更 へんこう された定義 ていぎ においても光速 こうそく が不 ふ 変量 へんりょう (物理 ぶつり 定数 ていすう )であることを前提 ぜんてい とした定義 ていぎ であることには変更 へんこう はない。ただし、単位 たんい を規定 きてい する文言 もんごん が冒頭 ぼうとう に加 くわ わり、内容 ないよう も自然 しぜん 法則 ほうそく に重 おも きをおいた表現 ひょうげん となった。なお、メートルの定義 ていぎ は、光速 こうそく のほかに秒 びょう の定義 ていぎ にも依存 いぞん している。
旧 きゅう 定義 ていぎ
メートルは、1 秒 びょう の 1/ 299792 458 の時間 じかん に光 ひかり が真空 しんくう 中 ちゅう を伝 つた わる行程 こうてい の長 なが さである[29] 。
新 しん 定義 ていぎ
メートル(記号 きごう は m)は、長 なが さのSI単位 たんい であり、真空 しんくう 中 ちゅう の光 ひかり の速 はや さc を単位 たんい m s−1 で表 あらわ したときに、その数値 すうち を 299792 458 と定 さだ めることによって定義 ていぎ される。ここで、秒 びょう はセシウム周波数 しゅうはすう Δ でるた ν にゅー Cs によって定義 ていぎ される。
質量 しつりょう の単位 たんい であるキログラム の定義 ていぎ は根本 こんぽん 的 てき に変更 へんこう された。旧 きゅう 定義 ていぎ は「国際 こくさい キログラム原器 げんき の質量 しつりょう 」によるものであるが、新 しん 定義 ていぎ から当該 とうがい 原器 げんき は排除 はいじょ された。これにより、人 ひと の手 て による有形 ゆうけい 的 てき 存在 そんざい としての原器 げんき 類 るい は、SIでは一切 いっさい 用 もち いられなくなった。新 あたら しい定義 ていぎ では、プランク定数 ていすう を定義 ていぎ された不確 ふたし かさのない値 ね として定 さだ め、このうえで自然 しぜん 法則 ほうそく に整合 せいごう する質量 しつりょう の単位 たんい (キログラム)として定 さだ められている。旧 きゅう 定義 ていぎ はキログラム原器 げんき (ただし不確 ふたし かさがある)のみが定義 ていぎ の要素 ようそ であったが、新 しん 定義 ていぎ のキログラムは、プランク定数 ていすう の他 ほか に、秒 びょう とメートルの各 かく 定義 ていぎ に依存 いぞん するようになった。
新 しん 定義 ていぎ において重要 じゅうよう なプランク定数 ていすう を定義 ていぎ 値 ち として採用 さいよう するにあたっては、当時 とうじ において観測 かんそく 結果 けっか から得 え ていた複数 ふくすう のプランク定数 ていすう の値 ね を参照 さんしょう し、信頼 しんらい 性 せい の高 たか い値 ね を定義 ていぎ 値 ち として決 き める必要 ひつよう があった。この検討 けんとう に際 さい しては、2015年 ねん から2017年 ねん にかけて報告 ほうこく されたプランク定数 ていすう の8つの実験 じっけん 値 ち を鑑 かんが みて決定 けってい された[30] 。そのうちの4つは、ワット天秤 てんびん を用 もち いて直接 ちょくせつ 測定 そくてい されたものである。残 のこ りの4つは、X線 せん 結晶 けっしょう 密度 みつど 法 ほう で測定 そくてい されたアボガドロ定数 ていすう から、モルプランク定数 ていすう を介 かい して得 え られたものである。
旧 きゅう 定義 ていぎ
キログラムは質量 しつりょう の単位 たんい であり、国際 こくさい キログラム原器 げんき の質量 しつりょう に等 ひと しい。
新 しん 定義 ていぎ
キログラム(記号 きごう は kg)は質量 しつりょう のSI単位 たんい であり、プランク定数 ていすう h を単位 たんい J s (kg m2 s−1 に等 ひと しい)で表 あらわ したときに、その数値 すうち を 6.626070 15 × 10−34 と定 さだ めることによって定義 ていぎ される。ここで、メートルおよび秒 びょう は c および Δ でるた ν にゅー Cs に関連 かんれん して定義 ていぎ される。
電流 でんりゅう の単位 たんい であるアンペア の定義 ていぎ は大幅 おおはば な見直 みなお しが行 おこな われた。旧 きゅう 定義 ていぎ の単位 たんい 電流 でんりゅう の大 おお きさは、充分 じゅうぶん な精度 せいど をもって現 げん 示 しめせ するのが難 むずか しいという問題 もんだい があった[注釈 ちゅうしゃく 14] 。新 しん 定義 ていぎ は、電気 でんき 素 もと 量 りょう を用 もち いた直感 ちょっかん 的 てき な定義 ていぎ となった[注釈 ちゅうしゃく 15] 。今回 こんかい のアンペアの再 さい 定義 ていぎ における電気 でんき 素 もと 量 りょう は、不確 ふたし かさのない固定 こてい された値 ね として新 あら たに定 さだ められた。この変更 へんこう により、アンペアの定義 ていぎ はキログラムとメートルの定義 ていぎ に依存 いぞん しなくなった。ただし、秒 びょう の定義 ていぎ には引 ひ き続 つづ き依存 いぞん する。
電気 でんき 素 もと 量 りょう を定義 ていぎ 値 ち としたことで、電気 でんき 素 もと 量 りょう と密接 みっせつ な関係 かんけい にある真空 しんくう の誘電 ゆうでん 率 りつ 、真空 しんくう の透 とおる 磁率[注釈 ちゅうしゃく 16] および真空 しんくう の特性 とくせい インピーダンス は、かつては定義 ていぎ 値 ち であったが、今回 こんかい の再 さい 定義 ていぎ によって不確 ふたし かさのある値 ね (電気 でんき 素 もと 量 りょう をはじめとする他 ほか の定義 ていぎ 値 ち により自然 しぜん 法則 ほうそく から観測 かんそく して得 え る値 ね )となった。
旧 きゅう 定義 ていぎ
アンペアは、無限 むげん に長 なが く、無限 むげん に小 ちい さい円形 えんけい 断 だん 面積 めんせき を持 も つ 2 本 ほん の直線 ちょくせん 状 じょう 導体 どうたい を真空 しんくう 中 ちゅう に 1 メートルの間隔 かんかく で平行 へいこう においたとき、導体 どうたい の長 なが さ 1 メートルにつき 2× 10−7 ニュートンの力 ちから を及 およ ぼしあう導体 どうたい のそれぞれに流 なが れる電流 でんりゅう の大 おお きさである。
新 しん 定義 ていぎ
アンペア(記号 きごう は A)は、電流 でんりゅう のSI単位 たんい であり、電気 でんき 素 もと 量 りょう e を単位 たんい C (A s に等 ひと しい)で表 あらわ したときに、その数値 すうち を 1.602176 634 × 10−19 と定 さだ めることによって定義 ていぎ される。ここで、秒 びょう は Δ でるた ν にゅー Cs によって定義 ていぎ される。
温度 おんど の単位 たんい であるケルビン の定義 ていぎ は根本 こんぽん 的 てき に変更 へんこう された。旧 きゅう 定義 ていぎ は、地球 ちきゅう 上 じょう の物質 ぶっしつ である水 みず の状態 じょうたい 変化 へんか に関 かん する温度 おんど (三重 みえ 点 てん )の測定 そくてい によって温度 おんど 目盛 めも りを定義 ていぎ するものであった。新 しん 定義 ていぎ は、熱 ねつ 力学 りきがく ・統計 とうけい 力学 りきがく における基本 きほん 的 てき な物理 ぶつり 定数 ていすう であるボルツマン定数 ていすう を用 もち いる。ボルツマン定数 ていすう を不確 ふたし かさのない固定 こてい された定義 ていぎ 値 ち として定 さだ めることにより、熱 ねつ 現象 げんしょう にかかわる自然 しぜん 現象 げんしょう を通 つう じて、ケルビンは定義 ていぎ されるようになった。
旧 きゅう 定義 ていぎ は水 みず の三重 みえ 点 てん (ただし不確 ふたし かさのある値 ね である)のみに依存 いぞん していたが、ケルビンの新 しん 定義 ていぎ は秒 びょう とメートル、キログラムの定義 ていぎ に依存 いぞん することになった。
旧 きゅう 定義 ていぎ
熱 ねつ 力学 りきがく 温度 おんど の単位 たんい ケルビンは、水 みず の三重 みえ 点 てん の熱 ねつ 力学 りきがく 温度 おんど の 1/ 273.16 である。
新 しん 定義 ていぎ
ケルビン(記号 きごう は K)は、熱 ねつ 力学 りきがく 温度 おんど のSI単位 たんい であり、ボルツマン定数 ていすう k を単位 たんい J K−1 (kg m2 s−2 K−1 に等 ひと しい)で表 あらわ したときに、その数値 すうち を 1.380649 × 10−23 と定 さだ めることによって定義 ていぎ される。ここで、キログラム、メートルおよび秒 びょう は h 、 c および Δ でるた ν にゅー Cs に関連 かんれん して定義 ていぎ される。
物質 ぶっしつ 量 りょう の単位 たんい であるモル の定義 ていぎ は根本 こんぽん 的 てき に変更 へんこう された。旧 きゅう 定義 ていぎ は、特定 とくてい の物質 ぶっしつ (炭素 たんそ 12 )に固有 こゆう の性質 せいしつ とキログラムの定義 ていぎ によっていた。新 しん 定義 ていぎ では、アボガドロ数 すう あるいはアボガドロ定数 ていすう (単位 たんい 物質 ぶっしつ 量 りょう に含 ふく まれる構成 こうせい 要素 ようそ の数 かず )を不確 ふたし かさのない定義 ていぎ 値 ち とすることで定 さだ められている。今回 こんかい の定義 ていぎ の変更 へんこう により、モルはキログラムの定義 ていぎ に依存 いぞん しなくなった。のみならず、定義 ていぎ 値 ち のアボガドロ定数 ていすう (アボガドロ数 すう )のみによって定 さだ められており、他 た のいかなる単位 たんい の定義 ていぎ (すなわち他 た の物理 ぶつり 定数 ていすう や物質 ぶっしつ の特性 とくせい 値 ち )にも依存 いぞん しない単位 たんい となった。
この定義 ていぎ の変更 へんこう によって、従来 じゅうらい は定義 ていぎ 値 ち であったいくつかの物理 ぶつり 量 りょう や物質 ぶっしつ 固有 こゆう の物性 ぶっせい 値 ち に不確 ふたし かさが生 しょう じるようになった(後述 こうじゅつ )。
旧 きゅう 定義 ていぎ
1. モルは、 0.012 kg の炭素 たんそ 12に含 ふく まれる原子 げんし と等 ひと しい数 かず の構成 こうせい 要素 ようそ を含 ふく む系 けい の物質 ぶっしつ 量 りょう である。 2. モルを使 つか うときは、要 よう 素粒子 そりゅうし が指定 してい されなければならないが、それは原子 げんし 、分子 ぶんし 、イオン、電子 でんし 、その他 た の粒子 りゅうし またはこの種 たね の粒子 りゅうし の特定 とくてい の集合 しゅうごう 体 たい であってよい。
新 しん 定義 ていぎ
モル(記号 きごう は mol)は物質 ぶっしつ 量 りょう のSI単位 たんい であり、1 モルには、厳密 げんみつ に 6.022140 76 × 1023 の要 よう 素粒子 そりゅうし が含 ふく まれる。この数 かず は、アボガドロ定数 ていすう N A を単位 たんい mol−1 で表 あらわ したときの数値 すうち であり、アボガドロ数 すう と呼 よ ばれる。
系 けい の物質 ぶっしつ 量 りょう (記号 きごう はn )は、特定 とくてい された要 よう 素粒子 そりゅうし の数 かず の尺度 しゃくど である。要 よう 素粒子 そりゅうし は、原子 げんし 、分子 ぶんし 、イオン、電子 でんし 、その他 た の粒子 りゅうし 、あるいは、粒子 りゅうし の集合 しゅうごう 体 たい のいずれであってもよい。
モルの定義 ていぎ の変更 へんこう が他 た の物理 ぶつり 量 りょう ・単位 たんい に与 あた えた影響 えいきょう
モルの再 さい 定義 ていぎ に伴 ともな い、以下 いか の値 ね は不確 ふたし かさのある値 ね 、すなわち観測 かんそく ・実験 じっけん によって得 え られる値 ね となった。
12 C のモル質量 しつりょう : 旧 きゅう 定義 ていぎ では正確 せいかく に 12 g/mol であった。新 しん 定義 ていぎ では、 11.999999 995 8 (36) g/mol である[31] 。
モル質量 しつりょう 定数 ていすう : 旧 きゅう 定義 ていぎ では正確 せいかく に 1 g/mol であった。新 しん 定義 ていぎ では、 0.999999 999 65 (30) g/mol である[32] 。
0.012 kg の12 C の物質 ぶっしつ 量 りょう : 旧 きゅう 定義 ていぎ では正確 せいかく に 1 mol であった。
次 つぎ の値 ね は、旧 きゅう 定義 ていぎ でも新 しん 定義 ていぎ でも、不確 ふたし かさのある値 ね である。
0.012 kg の12 C に含 ふく まれる原子 げんし 数 すう : 旧 きゅう 定義 ていぎ ではアボガドロ定数 ていすう に不確 ふたし かさがある為 ため 、新 しん 定義 ていぎ ではアボガドロ定数 ていすう と無関係 むかんけい な数値 すうち となった為 ため 、それぞれ不確 ふたし かさがある。
統一 とういつ 原子 げんし 質量 しつりょう 単位 たんい (ダルトン)の定義 ていぎ は、現行 げんこう どおり12 C の質量 しつりょう の1 / 12 のままである。よって、ダルトンを単位 たんい とする限 かぎ りは、新旧 しんきゅう の定義 ていぎ によらず以下 いか の値 ね に影響 えいきょう ・変化 へんか はない。
ダルトンで表 あらわ したときの12 C の質量 しつりょう : 新 あたら しい国際 こくさい 単位 たんい 系 けい の定義 ていぎ でも、現行 げんこう どおり正確 せいかく に 12 ダルトン である。キログラムで表 あらわ したときに不確 ふたし かさのある値 ね となることも、現行 げんこう どおりである。
ダルトンで表 あらわ したときの原子 げんし 質量 しつりょう 定数 ていすう : 現行 げんこう 通 どお り正確 せいかく に 1 ダルトン である。キログラムで表 あらわ したときに不確 ふたし かさのある値 ね となることも、現行 げんこう どおりである。
なお、先述 せんじゅつ の通 とお りボルツマン定数 ていすう も定義 ていぎ 値 ち であり、アボガドロ定数 ていすう もこの定義 ていぎ で定義 ていぎ 値 ち となった。したがって、これらの積 せき である気体 きたい 定数 ていすう も不確 ふたし かさのない定義 ていぎ 値 ち となった。
光度 こうど の単位 たんい であるカンデラ の定義 ていぎ は、上述 じょうじゅつ の自然 しぜん 法則 ほうそく に重 おも きをおいた表現 ひょうげん に変更 へんこう されたほかは、実質 じっしつ 的 てき な変更 へんこう はなされていない。周波数 しゅうはすう が 540× 1012 Hz の単色 たんしょく 光 こう の視 み 感 かん 効果 こうか 度 ど の値 ね は、再 さい 定義 ていぎ の前後 ぜんご で変 か わらず固定 こてい された不確 ふたし かさのない定義 ていぎ 値 ち のままである。また、秒 びょう とメートル、キログラムの定義 ていぎ に依存 いぞん するという点 てん も、再 さい 定義 ていぎ の前後 ぜんご で変更 へんこう はない。
旧 きゅう 定義 ていぎ
カンデラは光度 こうど の単位 たんい であり、周波数 しゅうはすう 540× 1012 ヘルツの単色 たんしょく 放射 ほうしゃ を放出 ほうしゅつ し、所定 しょてい 方向 ほうこう の放射 ほうしゃ 強度 きょうど が 1/683 ワット毎 ごと ステラジアン である光源 こうげん のその方向 ほうこう における光度 こうど と定義 ていぎ される。
新 しん 定義 ていぎ
カンデラ(記号 きごう は cd )は、所定 しょてい の方向 ほうこう における光度 こうど のSI単位 たんい であり、周波数 しゅうはすう 540× 1012 Hz の単色 たんしょく 放射 ほうしゃ の視 み 感 かん 効果 こうか 度 ど K cd を単位 たんい lm W−1 (cd sr W−1 あるいは cd sr kg−1 m−2 ·s3 に等 ひと しい)で表 あらわ したときに、その数値 すうち を 683 と定 さだ めることによって定義 ていぎ される。ここで、キログラム、メートルおよび秒 びょう は h 、 c および Δ でるた ν にゅー Cs に関連 かんれん して定義 ていぎ される。
再現 さいげん 性 せい への影響 えいきょう [ 編集 へんしゅう ]
今回 こんかい のSI基本 きほん 単位 たんい の定義 ていぎ の変更 へんこう は、「実践 じっせん 的 てき 技術 ぎじゅつ 」を用 もち いた基本 きほん 単位 たんい の再現 さいげん において、以下 いか の表 ひょう のように不 ふ 確 かく かさ に改善 かいぜん をもたらした[15] [33] 。具体 ぐたい 的 てき には、アンペアの定義 ていぎ において相対 そうたい 的 てき な不確 ふたし かさはおよそ1/36に減少 げんしょう した。改訂 かいてい が実質 じっしつ 的 てき な内容 ないよう に及 およ んだ他 ほか の単位 たんい (kg, Kおよびmol)も旧 きゅう 定義 ていぎ においての相対 そうたい 的 てき 不確 ふたし かさの小 ちい ささを維持 いじ できており、このことは新 しん 定義 ていぎ の受容 じゅよう において重要 じゅうよう である。
新旧 しんきゅう のSI基本 きほん 単位 たんい の定義 ていぎ において、対応 たいおう する物理 ぶつり 定数 ていすう ・物性 ぶっせい 値 ち の物理 ぶつり 学 がく 的 てき 測定 そくてい の相対 そうたい 的 てき 不確 ふたし かさ
単位 たんい
参照 さんしょう される定数 ていすう
記号 きごう
旧 きゅう 定義 ていぎ
新 しん 定義 ていぎ
s
セシウム133の基底 きてい 状態 じょうたい の超 ちょう 微細 びさい 構造 こうぞう の周波数 しゅうはすう
Δ でるた ν にゅー Cs
Δ でるた ν にゅー Cs を定義 ていぎ 値 ち として、sには 1× 10−14 [34]
m
光速 こうそく
c
c を定義 ていぎ 値 ち として、mには2.5× 10−8 [34]
kg
国際 こくさい キログラム原器 げんき の質量 しつりょう
m (K)
定義 ていぎ 値 ち
5.0× 10 −8
プランク定数 ていすう
h
5.0× 10 −8
定義 ていぎ 値 ち
A
磁気 じき 定数 ていすう
μ みゅー 0
定義 ていぎ 値 ち
6.9× 10 −10
電気 でんき 素 もと 量 りょう
e
2.5× 10 −8
定義 ていぎ 値 ち
K
水 みず の三重 みえ 点 てん の温度 おんど
T TPW
定義 ていぎ 値 ち
1.7× 10 −6
ボルツマン定数 ていすう
k
1.7× 10 −6
定義 ていぎ 値 ち
mol
12 Cのモル質量 しつりょう
M (12 C)
定義 ていぎ 値 ち
1.4× 10 −9
アボガドロ定数 ていすう
N A
1.4× 10 −9
定義 ていぎ 値 ち
cd
540 THzの単色 たんしょく 光 こう の視 み 感 かん 効果 こうか 度 ど
K cd
定義 ていぎ 値 ち [注釈 ちゅうしゃく 17]
注釈 ちゅうしゃく
^ 初版 しょはん は2019年 ねん 5月 がつ 20日 はつか 公表 こうひょう 、当該 とうがい 版 ばん の改訂 かいてい は2022年 ねん 12月 がつ である。
^ なお、定義 ていぎ の仕組 しく み上 じょう 、原理 げんり 原則 げんそく 的 てき には7つのSI基本 きほん 単位 たんい は、27ある単位 たんい のなかから「任意 にんい に」選 えら ばれ定義 ていぎ されたものである。すなわち、7つのSI基本 きほん 単位 たんい と20の組立 くみたて 単位 たんい に根本 こんぽん 的 てき な原理 げんり 上 じょう の差異 さい はない。
^ ここでは、人工 じんこう の有形 ゆうけい 的 てき 存在 そんざい という意味 いみ である。すなわちキログラム原器 げんき (あるいは既 すで に廃止 はいし されたがメートル原器 げんき )等 とう のことである。
^ 人工 じんこう 物 ぶつ ではないが、人類 じんるい が利用 りよう しやすい特定 とくてい の物質 ぶっしつ の物性 ぶっせい 値 ち という意味 いみ である。ここでは、表 ひょう にある通 とお り、水 みず 、炭素 たんそ 12、セシウム133が該当 がいとう する。
^ 自然 しぜん を記述 きじゅつ する、すなわち、自然 しぜん 法則 ほうそく を表 あらわ すのに用 もち いられる物理 ぶつり 定数 ていすう のことである。
^ なお、アンペア は、もとより物理 ぶつり 定数 ていすう による定義 ていぎ だが、単位 たんい をさだめるにあたって精度 せいど が向上 こうじょう するよう改訂 かいてい されている。
^ なお、今回 こんかい 改訂 かいてい された単位 たんい のモルは「非常 ひじょう に大 おお きな数 かず の構成 こうせい 粒子 りゅうし を実用 じつよう 的 てき に数 かぞ えるための単位 たんい 」であり、その定義 ていぎ の為 ため に参照 さんしょう する唯一 ゆいいつ の固定 こてい 値 ち (アボガドロ定数 ていすう )もモルの逆数 ぎゃくすう (mol-1 )を単位 たんい とするものであり、独立 どくりつ 性 せい の強 つよ い単位 たんい である。(もちろん、統計 とうけい 力学 りきがく や熱 ねつ 力学 りきがく や化学 かがく 、生物 せいぶつ 学 がく などの実践 じっせん において、モルが他 た の単位 たんい と不可分 ふかぶん に重要 じゅうよう な単位 たんい であることに変 か わりはない。)
^ 国際 こくさい キログラム原器 げんき の質量 しつりょう こそが「1 kg」なのだから、「キログラム原器 げんき の質量 しつりょう が何 なに kg変化 へんか した」と言 い うのは奇妙 きみょう ない回 いまわ しではある。が、ここでは「キログラム原器 げんき として造 つく られた有形 ゆうけい 的 てき 存在 そんざい である一 ひと つ一 ひと つの器物 きぶつ について、以前 いぜん に校正 こうせい した天秤 てんびん で質量 しつりょう を計 はか ると20 μ みゅー g程度 ていど 値 ち が変 か わる可能 かのう 性 せい がある」という意味 いみ である。
^ この際 さい 、次回 じかい の第 だい 25回 かい CGPMを2015年 ねん から2014年 ねん に前倒 まえだお して開催 かいさい することも決定 けってい した。
^ SIの構築 こうちく に必要 ひつよう な物理 ぶつり 学 がく 上 じょう の基礎 きそ 定数 ていすう など。
^ 開催 かいさい 期日 きじつ は2018年 ねん 11月13から16日 にち である。
^ sr は無 む 次元 じげん の単位 たんい ステラジアン である。
^ なおかつ、単位 たんい の従来 じゅうらい の定義 ていぎ からの変更 へんこう によって、人類 じんるい の社会 しゃかい 活動 かつどう 等 とう に実用 じつよう 的 てき な水準 すいじゅん で大 おお きな変化 へんか がないように
^ 旧 きゅう 定義 ていぎ に沿 そ うならば、無限 むげん に細 ほそ く、無限 むげん に長 なが い理想 りそう 的 てき な導 しるべ 電 でん 体 たい に同一 どういつ の大 おお きさの電流 でんりゅう を流 なが し、それらの間 あいだ にはたらく微細 びさい な力 ちから を理想 りそう 的 てき な環境 かんきょう 下 か で計測 けいそく する必要 ひつよう があった。
^ 新 しん 定義 ていぎ では、単位 たんい 時間 じかん に自然 しぜん 現象 げんしょう (電子 でんし の運動 うんどう 等 とう )に関与 かんよ する電荷 でんか の量 りょう と定 さだ められており、文字通 もじどお り単位 たんい が指 さ す量 りょう である「電流 でんりゅう 」が定義 ていぎ となっている。
^ ただし、真空 しんくう 中 ちゅう の誘電 ゆうでん 率 りつ と透 とおる 磁率の積 せき は光速 こうそく の2乗 じょう の逆数 ぎゃくすう である。光速 こうそく は上 うえ に述 の べたように不確 ふたし かさのない定義 ていぎ 値 ち であるから、誘電 ゆうでん 率 りつ と透 とおる 磁率の不確 ふたし かさは独立 どくりつ ではなく、光速 こうそく 値 ち を介 かい して相互 そうご に関係 かんけい がある。
^ ヒト の眼 め がある波長 はちょう の特定 とくてい の強度 きょうど の光 ひかり をどの程度 ていど 明 あか るく感 かん じる かという観点 かんてん の単位 たんい であり、相対 そうたい 的 てき 不確 ふたし かさのような数値 すうち 評価 ひょうか とは一線 いっせん を画 かく している。敢 あ えて乱暴 らんぼう ない方 いかた をするならば「SIにおいてヒトは、1/683 W sr-1 の540 THzの単色 たんしょく 光 こう の点 てん 光源 こうげん を1 cdの明 あか るさであると感 かん じよ」という定義 ていぎ であるが、光 ひかり の明 あか るさをどう感 かん じるかということ自体 じたい は当然 とうぜん 個人 こじん の主観 しゅかん や視覚 しかく 能力 のうりょく によって変 か わるものである。この点 てん をどう客観 きゃっかん 視 し するかについては、光度 こうど やカンデラ 、心理 しんり 的 てき 物理 ぶつり 量 りょう の各 かく 記事 きじ を参照 さんしょう 。
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書籍 しょせき ・ドキュメンタリー[ 編集 へんしゅう ]
臼田 うすだ 孝 たかし 、”新 あたら しい1キログラムの測 はか り方 かた - 科学 かがく が進 すす めば単位 たんい が変 か わる”、ブルーバックスB-2056、講談社 こうだんしゃ 、2018年 ねん 4月 がつ 20日 はつか 第 だい 1刷 さつ 、ISBN 978-4-06-502056-2
安田 やすだ 正美 まさみ 、”単位 たんい は進化 しんか する - 究極 きゅうきょく の精度 せいど をめざして”、DOJIN選書 せんしょ 078、化学 かがく 同人 どうじん 、2018年 ねん 8月 がつ 20日 はつか 第 だい 1版 はん 第 だい 1刷 さつ 、ISBN 978-4-7598-1678-5
The Last Artifact Montana PBS , 57分間 ふんかん (広告 こうこく を除 のぞ く)、2020 SI基本 きほん 単位 たんい (特 とく にキログラム)の再 さい 定義 ていぎ をテーマにしたドキュメンタリーフィルム