この項目 こうもく では、抵抗 ていこう の単位 たんい であるオームについて説明 せつめい しています。その他 た の用法 ようほう については「オーム (曖昧 あいまい さ回避 かいひ ) 」をご覧 らん ください。
オーム (英 えい : ohm 、記号 きごう : Ω おめが )は、国際 こくさい 単位 たんい 系 けい (SI )において一貫 いっかん 性 せい のある電気 でんき 抵抗 ていこう (レジスタンス)、およびインピーダンス やリアクタンス の単位 たんい である。固有 こゆう の名称 めいしょう をもつSI組立 くみたて 単位 たんい のひとつであり、この名称 めいしょう は電気 でんき 抵抗 ていこう に関 かん するオームの法則 ほうそく を発見 はっけん したドイツ の物理 ぶつり 学者 がくしゃ ゲオルク・ジーモン・オーム に由来 ゆらい する。
単位 たんい の記号 きごう にはギリシャ文字 もじ の大文字 おおもじ のΩ おめが (オメガ)が用 もち いられる。これはオームの頭文字 かしらもじ であるラテン文字 もじ のO (オー)では、数字 すうじ の0 (ゼロ)と混同 こんどう されやすいからである。なお、ゲオルグ・オームの名前 なまえ をギリシャ文字 もじ で表記 ひょうき すると Γκέοργκ Ω おめが μ みゅー である。
電気 でんき 抵抗 ていこう を表 あらわ すための単位 たんい は、初期 しょき の電信 でんしん 業務 ぎょうむ に関連 かんれん して経験 けいけん 的 てき にいくつか作 つく られてきた。1861年 ねん に英国 えいこく 科学 かがく 振興 しんこう 協会 きょうかい (英語 えいご 版 ばん ) が、メ め ートル法 とるほう の力学 りきがく 単位 たんい から組 く み立 た てられる絶対 ぜったい 単位 たんい を、実用 じつよう 上 じょう 便利 べんり な大 おお きさとなるように10の冪 べき 乗 じょう の倍量 ばいりょう 単位 たんい としてオームを提唱 ていしょう した。オームの定義 ていぎ はその後 ご 何 なん 度 ど か修正 しゅうせい された。
現行 げんこう の国際 こくさい 単位 たんい 系 けい (SI)では、7つの物理 ぶつり 定数 ていすう の数値 すうち を固定 こてい することでSIを定義 ていぎ し、すべてのSI単位 たんい が定義 ていぎ 定数 ていすう から直接 ちょくせつ に構成 こうせい される。一貫 いっかん 性 せい のある電気 でんき 抵抗 ていこう のSI単位 たんい であるオーム(記号 きごう : Ω おめが )は、電気 でんき 素 もと 量 りょう e とプランク定数 ていすう h により
Ω おめが
=
h
/
e
2
(
6.626
070
15
×
10
−
34
)
/
(
1.602
176
634
×
10
−
19
)
2
=
h
/
e
2
25
812.807
45
…
{\displaystyle \Omega ={\frac {h/e^{2}}{(6.626~070~15\times 10^{-34})/(1.602~176~634~\times 10^{-19})^{2}}}={\frac {h/e^{2}}{25~812.807~45\ldots }}}
として構成 こうせい される。
他 た の単位 たんい との関係 かんけい [ 編集 へんしゅう ]
すべてのSI単位 たんい が7つの定義 ていぎ 定数 ていすう から直接 ちょくせつ に構成 こうせい されるが、現行 げんこう のSIでも基本 きほん 単位 たんい と組立 くみたて 単位 たんい の分類 ぶんるい は維持 いじ されており、組立 くみたて 単位 たんい であるオームは、基本 きほん 単位 たんい の秒 びょう (記号 きごう : s)、メートル (記号 きごう : m)、キログラム (記号 きごう : kg)、およびアンペア (記号 きごう : A)に
Ω おめが
=
kg
m
2
s
3
A
2
{\displaystyle \Omega ={\frac {{\text{kg}}\ {\text{m}}^{2}}{{\text{s}}^{3}\ {\text{A}}^{2}}}}
で関係付 かんけいづ けられる。
オームに関 かん する主要 しゅよう な単位 たんい 方程式 ほうていしき としては、オームの法則 ほうそく に基 もと づいて電圧 でんあつ と電流 でんりゅう のSI単位 たんい ボルト (記号 きごう : V)とアンペアに関係付 かんけいづ ける
Ω おめが
=
V
A
{\displaystyle \Omega ={\frac {\text{V}}{\text{A}}}}
が挙 あ げられる。
電気 でんき 工学 こうがく において基本 きほん 的 てき な3つの物理 ぶつり 量 りょう の単位 たんい オーム、ボルト、アンペアを結 むす びつけるこの関係 かんけい 式 しき は、電気 でんき 計測 けいそく と電気 でんき 単位 たんい の発展 はってん において重要 じゅうよう な役割 やくわり を果 は たした。
すなわち、電気 でんき 計測 けいそく における測定 そくてい 標準 ひょうじゅん (英語 えいご 版 ばん ) は、単位 たんい の一貫 いっかん 性 せい を保 たも つためには抵抗 ていこう 標準 ひょうじゅん 、電圧 でんあつ 標準 ひょうじゅん 、電流 でんりゅう 標準 ひょうじゅん のすべてを独立 どくりつ に取 と ることはできない。
電気 でんき 抵抗 ていこう における発熱 はつねつ (ジュール熱 ねつ )に関 かん するジュールの法則 ほうそく に基 もと づいて仕事率 しごとりつ のSI単位 たんい であるワット (記号 きごう : W)と関係付 かんけいづ ける
Ω おめが
=
W
A
2
=
V
2
W
{\displaystyle \Omega ={\frac {\text{W}}{{\text{A}}^{2}}}={\frac {{\text{V}}^{2}}{\text{W}}}}
も電気 でんき 単位 たんい の発展 はってん に重要 じゅうよう な役割 やくわり を果 は たした関係 かんけい 式 しき である。
ワットは力学 りきがく 単位 たんい であり、この関係 かんけい 式 しき は力学 りきがく と関係付 かんけいづ けられた絶対 ぜったい 単位 たんい による絶対 ぜったい 測定 そくてい と、電気 でんき 標準 ひょうじゅん により現 げん 示 しめせ された単位 たんい による直接 ちょくせつ 測定 そくてい とを結 むす びつける関係 かんけい 式 しき の一 ひと つである。さらには精密 せいみつ な電気 でんき 計測 けいそく と力学 りきがく 計測 けいそく の結 むす びつきはワット天秤 てんびん 法 ほう によるプランク定数 ていすう の測定 そくてい を可能 かのう として、現行 げんこう のSIへの再 さい 定義 ていぎ に際 さい して重要 じゅうよう な役割 やくわり を果 は たした。
容量 ようりょう 性 せい と誘導 ゆうどう 性 せい のリアクタンス の関係 かんけい から、静 しずか 電 でん 容量 ようりょう とインダクタンス の単位 たんい ファラド (記号 きごう : F)とヘンリー (記号 きごう : H)とは
Ω おめが
=
s
F
=
H
s
{\displaystyle \Omega ={\frac {\text{s}}{\text{F}}}={\frac {\text{H}}{\text{s}}}}
で関係付 かんけいづ けられる。また、コンダクタンス の単位 たんい ジーメンス (記号 きごう : S)とは
Ω おめが
=
1
S
{\displaystyle \Omega ={\frac {1}{\text{S}}}}
で関係付 かんけいづ けられる。
倍量 ばいりょう ・分量 ぶんりょう 単位 たんい [ 編集 へんしゅう ]
オーム (Ω おめが ) の倍量 ばいりょう ・分量 ぶんりょう 単位 たんい
分量 ぶんりょう
倍量 ばいりょう
値 ね
記号 きごう
名称 めいしょう
値 ね
記号 きごう
名称 めいしょう
10−1 Ω おめが
dΩ おめが
デシオーム
101 Ω おめが
daΩ おめが
デカオーム
10−2 Ω おめが
cΩ おめが
センチオーム
102 Ω おめが
hΩ おめが
ヘクトオーム
10−3 Ω おめが
mΩ おめが
ミリオーム
103 Ω おめが
kΩ おめが
キロオーム
10−6 Ω おめが
µΩ おめが
マイクロオーム
106 Ω おめが
MΩ おめが
メガオーム
10−9 Ω おめが
nΩ おめが
ナノオーム
109 Ω おめが
GΩ おめが
ギガオーム
10−12 Ω おめが
pΩ おめが
ピコオーム
1012 Ω おめが
TΩ おめが
テラオーム
10−15 Ω おめが
fΩ おめが
フェムトオーム
1015 Ω おめが
PΩ おめが
ペタオーム
10−18 Ω おめが
aΩ おめが
アトオーム
1018 Ω おめが
EΩ おめが
エクサオーム
10−21 Ω おめが
zΩ おめが
ゼプトオーム
1021 Ω おめが
ZΩ おめが
ゼタオーム
10−24 Ω おめが
yΩ おめが
ヨクトオーム
1024 Ω おめが
YΩ おめが
ヨタオーム
10−27 Ω おめが
rΩ おめが
ロントオーム
1027 Ω おめが
RΩ おめが
ロナオーム
10−30 Ω おめが
qΩ おめが
クエクトオーム
1030 Ω おめが
QΩ おめが
クエタオーム
よく使 つか われる単位 たんい を太字 ふとじ で示 しめ す
電気 でんき ・電子 でんし の分野 ぶんや で一般 いっぱん 的 てき に用 もち いられる倍量 ばいりょう ・分量 ぶんりょう 単位 たんい は、マイクロオーム、ミリオーム、キロオーム、メガオーム、ギガオームである。英語 えいご 圏 けん において、キロオーム (kiloohm)、メガオーム (megaohm) について接頭 せっとう 辞 じ の最後 さいご の母音 ぼいん が欠落 けつらく した「キルオーム」(kilohm)、「メグオーム」(megohm) の形 かたち で表記 ひょうき ・発音 はつおん されることがあり、NIST は慣習 かんしゅう としてこれらを容認 ようにん している[注釈 ちゅうしゃく 1] 。同様 どうよう に、ギガオーム (gigaohm) についても非公式 ひこうしき に「ギグオーム」(gigohm)と表記 ひょうき ・発音 はつおん されることがある[2] 。
日本 にっぽん においては、かつてはメグオームの読 よ みが使 つか われていたが、若年 じゃくねん の技術 ぎじゅつ 者 しゃ を中心 ちゅうしん にメガオームという読 よ みが広 ひろ まっており、年配 ねんぱい の技術 ぎじゅつ 者 しゃ がこれを誤 あやま りと指摘 してき する場面 ばめん がしばしば見 み られる。法令 ほうれい では、「メガオーム」という正式 せいしき な表記 ひょうき が、電気 でんき 通信 つうしん 事業 じぎょう 法 ほう などにある[注釈 ちゅうしゃく 2] [注釈 ちゅうしゃく 3] 。
オームの測定 そくてい 値 ち の逆数 ぎゃくすう は、コンダクタンス の単位 たんい であるジーメンス の測定 そくてい 値 ち となる。コンダクタンスの単位 たんい は、かつては ohm を逆 ぎゃく につづった mho(モー 、℧ )が用 もち いられていた。
電気 でんき 抵抗 ていこう R (Ω おめが ) は R = ρ ろー L /A と表 あらわ される(L : 導体 どうたい 長 ちょう (m)、A : 導体 どうたい 断 だん 面積 めんせき (m2 ))。比例 ひれい 係数 けいすう ρ ろー を電気 でんき 抵抗 ていこう 率 りつ といい、その単位 たんい は Ω おめが ·m2 /m = Ω おめが ·m(オーム・メートル )となる。1オーム・メートルは、「長 なが さ1メートル、断 だん 面積 めんせき 1平方 へいほう メートルの導体 どうたい の電気 でんき 抵抗 ていこう が1オームであるときの導体 どうたい の電気 でんき 抵抗 ていこう 率 りつ 」と定義 ていぎ できる。
19世紀 せいき 後半 こうはん の電気 でんき 工学 こうがく の急速 きゅうそく な発達 はったつ は、電気 でんき に関 かん する物理 ぶつり 量 りょう のための、合理 ごうり 的 てき で、一貫 いっかん 性 せい のある、矛盾 むじゅん のない、国際 こくさい 的 てき な単位 たんい 系 けい の需要 じゅよう を引 ひ き起 お こした。19世紀 せいき の電信 でんしん 技手 ぎしゅ や他 た の初期 しょき の電気 でんき の利用 りよう 者 しゃ は、実際 じっさい 的 てき で標準 ひょうじゅん 的 てき な電気 でんき 抵抗 ていこう のための計測 けいそく 単位 たんい を必要 ひつよう とした。電気 でんき 抵抗 ていこう は、しばしば基準 きじゅん とする長 なが さの電信 でんしん 用 よう 電線 でんせん の抵抗 ていこう の倍数 ばいすう として表 あらわ されたが、異 こと なる機関 きかん では異 こと なる基準 きじゅん を使 つか われたので、単位 たんい はすぐに換算 かんさん できなかった。このように定義 ていぎ された電気 でんき の単位 たんい は、エネルギーや時間 じかん などの力学 りきがく 単位 たんい と一貫 いっかん 性 せい がないため、エネルギーや仕事率 しごとりつ と電気 でんき 抵抗 ていこう を関連付 かんれんづ ける計算 けいさん においては、変換 へんかん 係数 けいすう が必要 ひつよう であった[3] 。
電気 でんき の単位 たんい 系 けい を構成 こうせい するに当 あ たって、異 こと なる2つの方法 ほうほう を選 えら ぶことができた。1つは定 さだ まった大 おお きさの電気 でんき 抵抗 ていこう や電圧 でんあつ などを与 あた える電気 でんき 標準 ひょうじゅん として、特定 とくてい の長 なが さの電線 でんせん や標準 ひょうじゅん 電池 でんち などの人工 じんこう 物 ぶつ を指定 してい する方法 ほうほう である。もう1つは、電気 でんき の単位 たんい を力学 りきがく の単位 たんい に関連 かんれん づけて定義 ていぎ する方法 ほうほう である。例 たと えば、電流 でんりゅう の単位 たんい は2本 ほん の電線 でんせん に電流 でんりゅう を流 なが した時 とき に電線 でんせん に働 はたら く力 ちから により定義 ていぎ することができるし、電荷 でんか の単位 たんい は2つの荷電 かでん した物体 ぶったい に働 はたら く力 ちから により定義 ていぎ することができる。後者 こうしゃ の方法 ほうほう は、エネルギーの単位 たんい との間 あいだ で一貫 いっかん 性 せい を確実 かくじつ にする。エネルギーや時間 じかん の単位 たんい と一貫 いっかん 性 せい のある抵抗 ていこう の単位 たんい を定義 ていぎ するためには、実際 じっさい には電圧 でんあつ と電流 でんりゅう の定義 ていぎ も必要 ひつよう となる。「1単位 たんい の電圧 でんあつ が1単位 たんい の電気 でんき 抵抗 ていこう に1単位 たんい の電流 でんりゅう を流 なが し、このとき1単位 たんい の時間 じかん で1単位 たんい の電気 でんき 量 りょう が運 はこ ばれ、1単位 たんい の仕事 しごと が行 おこな われる」というように定義 ていぎ できれば望 のぞ ましい[1] 。そうでなければ、あらゆる電気 でんき に関 かん する計算 けいさん に換算 かんさん が必要 ひつよう になる。
電気 でんき 抵抗 ていこう の測定 そくてい 標準 ひょうじゅん として、様々 さまざま な人工 じんこう 物 ぶつ が提案 ていあん された。1860年 ねん にヴェルナー・フォン・ジーメンス は再現 さいげん 可能 かのう な電気 でんき 抵抗 ていこう の標準 ひょうじゅん についての提案 ていあん を行 おこな った[4] 。彼 かれ の提案 ていあん は断 だん 面積 めんせき 1 mm2 、長 なが さ 1 m の水銀 すいぎん 柱 はしら の温度 おんど 0 °C における電気 でんき 抵抗 ていこう を単位 たんい とするもので、ジーメンス水銀 すいぎん 単位 たんい と呼 よ ばれる。水銀 すいぎん を用 もち いて定義 ていぎ されたのは、常温 じょうおん で液体 えきたい の金属 きんぞく (電気 でんき 導体 どうたい )である水銀 すいぎん は断 だん 面積 めんせき の調整 ちょうせい が容易 ようい なためである。ジーメンス水銀 すいぎん 単位 たんい は後 のち に定義 ていぎ されたオームにほぼ等 ひと しく、およそ 0.9534 Ω おめが であり、したがって温度 おんど 0 °C における水銀 すいぎん の電気 でんき 抵抗 ていこう 率 りつ はおよそ 0.9534 µΩ おめが m である。このジーメンスの提案 ていあん による単位 たんい は他 た の単位 たんい との一貫 いっかん 性 せい がない。水銀柱 すいぎんちゅう の長 なが さを調整 ちょうせい して、一貫 いっかん 性 せい を持 も った単位 たんい に値 ね を合 あ わせるという提案 ていあん もあった。要求 ようきゅう される精度 せいど で計測 けいそく 学 がく 実験 じっけん を行 おこな うためのリソースを単位 たんい の全 すべ てのユーザーが持 も っているわけではないので、物理 ぶつり 的 てき な定義 ていぎ に基 もと づいた標準 ひょうじゅん は必要 ひつよう とされた。
電荷 でんか と電流 でんりゅう のいわゆる「絶対 ぜったい 単位 たんい 」 (absolute units)が質量 しつりょう ・長 なが さ・時間 じかん の単位 たんい の組合 くみあわ せとして表 あらわ されるので、電圧 でんあつ ・電流 でんりゅう ・電気 でんき 抵抗 ていこう の間 あいだ の次元 じげん 解析 かいせき により、電気 でんき 抵抗 ていこう は時間 じかん あたりの長 なが さ、つまり速度 そくど の単位 たんい で表 あらわ されることが示 しめ される。初期 しょき の電気 でんき 抵抗 ていこう の単位 たんい の定義 ていぎ は、例 たと えば、単位 たんい 抵抗 ていこう を「1秒 びょう につき地球 ちきゅう の外周 がいしゅう の四半分 しはんぶん (= 109 cm/s )」のように定義 ていぎ した。
絶対 ぜったい 単位 たんい 系 けい は、磁気 じき 的 てき ・静 せい 電 でん 的 てき な量 りょう を質量 しつりょう ・時間 じかん ・長 なが さのメ め ートル法 とるほう の基本 きほん 単位 たんい と関連 かんれん づけた。これらの単位 たんい には、電磁気 でんじき の問題 もんだい の解決 かいけつ で使 つか われる方程式 ほうていしき を単純 たんじゅん 化 か するという大 おお きな利点 りてん があり、電気 でんき に関 かん する量 りょう についての計算 けいさん で換算 かんさん が不要 ふよう になった。しかし、CGS単位 たんい では、実際 じっさい 的 てき な寸法 すんぽう のために非 ひ 実用 じつよう 的 てき な大 だい さきを持 も つことがわかった。
1861年 ねん の英国 えいこく 科学 かがく 振興 しんこう 協会 きょうかい (BAAS)の第 だい 31回 かい 会議 かいぎ において、ジョサイア・ラティマー・クラーク とチャールズ・ティルストン・ブライト (英語 えいご 版 ばん ) らは、電気 でんき 計測 けいそく における標準 ひょうじゅん の必要 ひつよう 性 せい を指摘 してき し、電圧 でんあつ 、電気 でんき 量 りょう 、電流 でんりゅう および電気 でんき 抵抗 ていこう の標準 ひょうじゅん を提案 ていあん すると同時 どうじ に、それらの名称 めいしょう として著名 ちょめい な学者 がくしゃ に由来 ゆらい する「オーマ」(Ohma )、「ファラド」(Farad )、「ガルバ」(Galvat )および「ボルト」(Volt )を提案 ていあん した[5] [6] 。同 どう 会議 かいぎ において、ウィリアム・トムソン らを電気 でんき 抵抗 ていこう の標準 ひょうじゅん について報告 ほうこく させる委員 いいん として指名 しめい した[7] 。翌 よく 1862年 ねん のBAASの第 だい 32回 かい 会議 かいぎ の報告 ほうこく 書 しょ では、最 もっと も利便 りべん 性 せい の高 たか い電気 でんき 抵抗 ていこう の単位 たんい を決定 けってい する要件 ようけん として
使 つか いやすい大 おお きさであること
電気 でんき 計測 けいそく のための完全 かんぜん なシステムの一部 いちぶ であること
エネルギーの単位 たんい と一貫 いっかん 性 せい があること
補正 ほせい や置換 おきか えが要求 ようきゅう されず、不変 ふへん であること
正確 せいかく に再現 さいげん 可能 かのう であること
が挙 あ げられた[1] [8] 。同時 どうじ にフランスの計量 けいりょう 体系 たいけい (メ め ートル法 とるほう )に基 もと づくべきであるとの見解 けんかい も示 しめ された。
1864年 ねん の委員 いいん 会 かい の第 だい 3報告 ほうこく 書 しょ では、抵抗 ていこう の単位 たんい は「B.A.単位 たんい (B.A. unit) 」または「オーマド (Ohmad)」と呼 よ ばれていた[9] 。1867年 ねん までに、単位 たんい は単 たん に「オーム (Ohm)」と呼 よ ばれるようになった[10] 。1874年 ねん 、BAASは、電圧 でんあつ の単位 たんい ボルト と共 とも に、新 あたら しく定義 ていぎ したオーム(B.A.オーム)を採用 さいよう した。B.A.オームは現行 げんこう のオームとほぼ同 おな じ大 おお きさであるが、定義 ていぎ の仕方 しかた は異 こと なる。当時 とうじ の単位 たんい 系 けい の標準 ひょうじゅん はCGS-emu単位 たんい 系 けい であり、B.A.オームはCGS-emuの電気 でんき 抵抗 ていこう の単位 たんい [注釈 ちゅうしゃく 4] の109 倍 ばい とすることを意図 いと していたが、計算 けいさん 誤 あやま りにより1.3%小 ちい さく定義 ていぎ された。この109 という係数 けいすう は、ジーメンスの水銀 すいぎん 単位 たんい とほぼ同 おな じ量 りょう になるように選 えら ばれたものである。これは、実験 じっけん 室 しつ で再現 さいげん 可能 かのう な量 りょう をSI接頭 せっとう 語 ご なしで表 あらわ すための、倍量 ばいりょう 単位 たんい の便利 べんり な別名 べつめい であり、実用 じつよう 単位 たんい (practice unit ) と呼 よ ばれた。
1881年 ねん 9月 がつ 21日 にち 、国際電気 こくさいでんき 会議 かいぎ (国際電気 こくさいでんき 標準 ひょうじゅん 会議 かいぎ (IEC)の前身 ぜんしん )は実用 じつよう 単位 たんい としてのオームを承認 しょうにん した。その定義 ていぎ は、ジーメンスの水銀 すいぎん 単位 たんい とほぼ同 おな じである。1884年 ねん にパリで開 ひら かれた国際 こくさい 電気 でんき 会議 かいぎ で、再現 さいげん 可能 かのう な標準 ひょうじゅん である「法的 ほうてき オーム (legal ohm) 」を、指定 してい された重 おも さで長 なが さ106cmの水銀柱 すいぎんちゅう の電気 でんき 抵抗 ていこう と定義 ていぎ した。この106cmという値 ね は、B.A.単位 たんい (104.7cmに等 ひと しい)、シーメンス単位 たんい (定義 ていぎ 上 じょう 100cm)、CGS単位 たんい の間 あいだ の妥協 だきょう によるものである。「法的 ほうてき 」という名称 めいしょう にもかかわらず、この標準 ひょうじゅん はどの国 くに も国家 こっか 標準 ひょうじゅん として採用 さいよう しなかった。「国際 こくさい オーム (international ohm) 」は、1893年 ねん にシカゴで開 ひら かれた国際 こくさい 電気 でんき 会議 かいぎ で採択 さいたく されたもので、長 なが さ106.3cm、質量 しつりょう 14.4521g 、温度 おんど 0°C の水銀柱 すいぎんちゅう の電気 でんき 抵抗 ていこう と定義 ていぎ された。この定義 ていぎ は、いくつかの国 くに で採用 さいよう された。
1946年 ねん の国際 こくさい 度量衡 どりょうこう 委員 いいん 会 かい (CIPM) の決議 けつぎ により、人工 じんこう 物 ぶつ による定義 ていぎ に代 か えて、ボルトとアンペアから組 く み立 た てる現行 げんこう の定義 ていぎ になった。元 もと が実用 じつよう 単位 たんい であったにもかかわらず、オームが基本 きほん 単位 たんい アンペアから導出 どうしゅつ できるのは、アンペアもかつては実用 じつよう 単位 たんい で、恣意 しい 的 てき に選 えら ばれた係数 けいすう を含 ふく むからである。
歴史 れきし 的 てき な電気 でんき 抵抗 ていこう の単位 たんい [ 編集 へんしゅう ]
単位 たんい [11]
定義 ていぎ
B.A.オームによる値 ね
備考 びこう
絶対 ぜったい フィート毎秒 まいびょう (absolute foot/second) × 107
FPS単位 たんい 系 けい
0.3048
1884年 ねん 時点 じてん で既 すで に時代遅 じだいおく れであるとみなされていた。
トムソン単位 たんい (Thomson's unit)
FPS単位 たんい 系 けい
0.3202
108 フィート毎秒 まいびょう 。1884年 ねん 時点 じてん で既 すで に時代遅 じだいおく れであるとみなされていた。
ヤコビの抵抗 ていこう 単位 たんい (Jacobi's unit of resistance)
特定 とくてい の銅 どう の合金 ごうきん でできた、直径 ちょっけい 1ミリメートルの円形 えんけい の横断 おうだん 面 めん による1メートルの銅 どう 線 せん の電気 でんき 抵抗 ていこう [12]
0.6367
1850年代 ねんだい に使用 しよう された
ウェーバーの絶対 ぜったい 単位 たんい (Weber's absolute unit) × 107
メートルと秒 びょう に基 もと づく
0.9191
ジーメンス水銀 すいぎん 単位 たんい
1860年 ねん
0.9537
断 だん 面積 めんせき 1 mm2 、長 なが さ100 cmの純粋 じゅんすい な水銀柱 すいぎんちゅう の0 °C における電気 でんき 抵抗 ていこう
B.A.オーム
1863年 ねん
1.000
1863年 ねん にキュー天文台 てんもんだい に預 あづ けられた標準 ひょうじゅん コイルの電気 でんき 抵抗 ていこう [13]
Digney, Breguet, Swiss
9.266–10.420
断 だん 面積 めんせき 4 mm2 、長 なが さ1 kmの鉄線 てっせん の電気 でんき 抵抗 ていこう
Matthiessen
13.59
直径 ちょっけい 1/16インチ、長 なが さ1マイルのなまし銅 どう 線 せん の15.5 °C における電気 でんき 抵抗 ていこう
Varley
25.61
直径 ちょっけい 1/16インチ、長 なが さ1マイルの銅 どう 線 せん の電気 でんき 抵抗 ていこう
German mile
57.44
直径 ちょっけい 1/6インチ、長 なが さ1ドイツマイル(8238ヤード)の鉄線 てっせん の電気 でんき 抵抗 ていこう
アブオーム (abohm)
10−9
CGS単位 たんい 系 けい の電磁 でんじ 単位 たんい
スタットオーム (statohm)
8.987551787×1011
CGS単位 たんい 系 けい の静 せい 電 でん 単位 たんい
標準 ひょうじゅん の現 げん 示 しめせ [ 編集 へんしゅう ]
水銀柱 すいぎんちゅう によるオームの標準 ひょうじゅん の現 げん 示 しめせ 法 ほう は再現 さいげん が難 むずか しいことがわかった。これは、ガラス管 かん の断 だん 面積 めんせき が一定 いってい でないためである。様々 さまざま な抵抗 ていこう コイルが英国 えいこく 学術 がくじゅつ 協会 きょうかい やその他 た の団体 だんたい によって造 つく られ、抵抗 ていこう の単位 たんい の物理 ぶつり 的 てき な人工 じんこう 物 ぶつ 基準 きじゅん として使用 しよう された。温度 おんど ・気圧 きあつ ・湿気 しっけ ・時間 じかん の標準 ひょうじゅん に対 たい する効果 こうか が見 み つけられ分析 ぶんせき されたため、これらの人工 じんこう 物 ぶつ の長期 ちょうき の安定 あんてい 性 せい と再現 さいげん 可能 かのう 性 せい は研究 けんきゅう の進行 しんこう 中 ちゅう の分野 ぶんや となった。
人工 じんこう 物 ぶつ による標準 ひょうじゅん は未 いま だに使 つか われているが、正確 せいかく に形成 けいせい された誘導 ゆうどう 子 こ とコンデンサによる計測 けいそく 学 がく の実験 じっけん により、基本 きほん 的 てき な基礎 きそ がオームの定義 ていぎ に提供 ていきょう された。1988年 ねん の国際 こくさい 度量衡 どりょうこう 委員 いいん 会 かい の勧告 かんこく により、1990年 ねん よりオームの値 ね は量子 りょうし ホール効果 こうか に基 もと づき、フォン・クリッツィング定数 ていすう (R K = 25812 .807459 304 5 ... Ω おめが )を用 もち いて決定 けってい されている。較正 こうせい のために扱 あつか いやすい値 ね を持 も つ他 ほか の標準 ひょうじゅん の安定 あんてい 性 せい をチェックするのに、量子 りょうし ホール効果 こうか は使 つか われる[14] 。
オームの単位 たんい 記号 きごう は、コードポイントU+2126 Ω ohm sign でUnicode にコード化 か されている。しかしこれは、既存 きそん の文字 もじ コードとの互換 ごかん 性 せい のために用意 ようい されている互換 ごかん 文字 もじ である。Unicode標準 ひょうじゅん では、この文字 もじ の代 か わりにU+03A9 Ω おめが greek capital letter omega 、つまりギリシャ文字 もじ の大文字 おおもじ のΩ おめが (オメガ)を使 つか うことを推奨 すいしょう している。「次 つぎ の3つの文字 もじ 様 さま 記号 きごう は、普通 ふつう の文字 もじ と正 ただし 準 じゅん 等価 とうか である: U+2126 Ω ohm sign 、U+212A K kelvin sign 、U+212B Å おんぐすとろーむ angstrom sign 。これら3つの全 すべ ての文字 もじ については、普通 ふつう の文字 もじ が使 つか われなければならない。」[15]
記号 きごう
Unicode
JIS X 0213
文字 もじ 参照 さんしょう
名称 めいしょう
㌊
U+330A
-
㌊
㌊
全角 ぜんかく オーム
㏀
U+33C0
-
㏀
㏀
キロオーム
㏁
U+33C1
-
㏁
㏁
メガオーム
また、Unicodeには、オームおよびその倍量 ばいりょう 単位 たんい を表 あらわ す上記 じょうき の文字 もじ が収録 しゅうろく されている。これらはCJK互換 ごかん 用 よう 文字 もじ であり、既存 きそん の文字 もじ コードに対 たい する後方 こうほう 互換 ごかん 性 せい のために収録 しゅうろく されているものであるので、使用 しよう は推奨 すいしょう されない[16] [17] 。
^ The NIST Guide to the SI: 9.3 Spelling unit names with prefixes reports that IEEE/ASTM SI 10-2002 IEEE/ASTM Standard for Use of the International System of Units (SI): The Modern Metric System states that there are three cases in which the final vowel of an SI prefix is commonly omitted: megohm , kilohm , and hectare . "In all other cases in which the unit name begins with a vowel, both the final vowel of the prefix and the vowel of the unit name are retained and both are pronounced."
^ 電気 でんき 通信 つうしん 事業 じぎょう 法 ほう 「端末 たんまつ 設備 せつび 等 とう 規則 きそく 」第 だい 十 じゅう 三 さん 条 じょう 二 に 項 こう 一 いち 号 ごう 「直流 ちょくりゅう 回路 かいろ の直流 ちょくりゅう 抵抗 ていこう 値 ち は、一 いち メガオーム以上 いじょう であること。 」
^ 「事業 じぎょう 用 よう 電気 でんき 通信 つうしん 設備 せつび 規則 きそく 」第 だい 二 に 十 じゅう 九 きゅう 条 じょう 三 さん ・四 よん 項 こう 「一 いち メガオーム以上 いじょう の直流 ちょくりゅう 抵抗 ていこう 値 ち 」。
^ CGS-emuは三 さん 元 げん 系 けい なので本来 ほんらい は単位 たんい 名称 めいしょう を使 つか わないが、便宜上 べんぎじょう アブオーム (abohm ) と呼 よ ばれる
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