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電気でんき伝導でんどうりつ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
電気でんき伝導でんどうりつ
electrical conductivity
りょう記号きごう σしぐま, γがんま, κかっぱ
次元じげん M−1 L−3 T3 I2
種類しゅるい スカラー [疑問ぎもんてん]
SI単位たんい S/m
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電気でんき伝導でんどうりつ(でんきでんどうりつ、えい: electrical conductivity)とは、物質ぶっしつなかにおける電気でんき伝導でんどうのしやすさをあらわ物性ぶっせいりょうである。しるべでんりつ(どうでんりつ)や電気でんき伝導でんどう(でんきでんどうど)ともばれる。理学りがくけいでは「電気でんき伝導でんどうりつ」、工学こうがくけいでは「しるべでんりつ」とばれる傾向けいこうがある。また、『学術がくじゅつ用語ようごしゅう』では「電気でんき伝導でんどうりつ」がおおく、いで「電気でんき伝導でんどう」である。 農学のうがく分野ぶんやにおいて肥料ひりょう濃度のうど目安めやすとしてもちいられるが、この場合ばあい英語えいご頭文字かしらもじをとり、「EC濃度のうど」もしくはたんに「EC」とぶことがおおい。通常つうじょう、ギリシア文字もじσしぐま(シグマ)であらわされるが、電気でんき工学こうがくなどではκかっぱ(カッパ)、あるいはγがんま(ガンマ)が使用しようされることもある。

なお、英語えいごelectrical conductance電気でんき伝導でんどうやくされることがあるが、標準ひょうじゅんてき用語ようごコンダクタンスである。

電気でんき伝導でんどうりつ物質ぶっしつごとにことなる物性ぶっせいりょうである。金属きんぞく電気でんき伝導でんどうりつ非常ひじょうおおきいが水晶すいしょうなどの絶縁ぜつえんたいでは電気でんき伝導でんどうりつ非常ひじょうちいさい。たとえば、金属きんぞくであるぎん電気でんき伝導でんどうりつ6.30×107 S/m であるが、ガラスでは 10−15 S/m から 10−11 S/m である。

単位たんい

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国際こくさい単位たんいけい(SI)
ジーメンスまいメートル(S/m)
肥料ひりょう濃度のうどあらわ場合ばあい単位たんいおおきすぎるのでミリジーメンスごとセンチメートル(mS/cm)がもちいられる。
SIによるその単位たんい
まいオームまいメートル(Ωおめが−1 m−1
アンペアまいボルトまいメートル(A V−1 m−1
IACS(international annealed copper standard
電気でんき抵抗ていこうまた電気でんき伝導でんどう)の基準きじゅんとして、国際こくさいてき採択さいたくされた焼鈍しょうどん標準ひょうじゅん軟銅(体積たいせき抵抗ていこうりつ: 1.7241×10−2 μみゅーΩおめが.mしるべでんりつを、100%IACSとして規定きてい

定義ていぎ

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1のようなながlだん面積めんせき A一様いちよう導体どうたい底面ていめんあいだにおける抵抗ていこう R は、

である。このときの比例ひれい係数けいすう ρろー抵抗ていこうりつあるいは、抵抗ていこうといい(ふくまれている不純物ふじゅんぶつ温度おんどによって変化へんかする)、その逆数ぎゃくすう電気でんき伝導でんどうりつという。しきあらわすと電気でんき伝導でんどうりつ σしぐま は、

である。

関係かんけいとしてのオームの法則ほうそく

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電気でんき伝導でんどうりつもちいることでオームの法則ほうそく位置いちベクトル r関数かんすう)の関係かんけいしきとして表現ひょうげんすることができる。2のように rまわりに、側面そくめんE(r) に平行へいこう無限むげんしょう円柱えんちゅうかんがえる。このときの抵抗ていこううちてん r電気でんき伝導でんどう σしぐま(r)、電場でんじょうつよさを E(r)、電流でんりゅう密度みつどj(r) とすると関係かんけいしきとしてのオームの法則ほうそくは、

…(1)

あらわすことができる。しき(1)は2の無限むげんしょう円柱えんちゅう底面ていめんあいだ電位差でんいさ断面だんめんながれる電流でんりゅうによって導出どうしゅつすることができる。無限むげんしょう円柱えんちゅうだん面積めんせきdAたかさを dl とすると、底面ていめんあいだ電位差でんいさ dV

…(2)

断面だんめん dAながれる電流でんりゅう dI

…(3)

である。この円柱えんちゅう抵抗ていこうは(抵抗ていこうりつ定義ていぎより ρろー = 1/σしぐま であるから)

…(4)

である。ここでオームの法則ほうそく

…(5)

両辺りょうへんしき(2)〜(4)を代入だいにゅうすると、

…(6)

よって

…(7)

導出どうしゅつできる。きをふくめてあらわすとしき(1)になる。

しょ法則ほうそく

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ウィーデマン・フランツの法則ほうそく

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金属きんぞくねつ伝導でんどうりつは、電気でんき伝導でんどうりつにほぼ比例ひれいする。さらにその比例ひれい係数けいすうねつ力学りきがく温度おんど比例ひれいする。 ウィーデマン・フランツの法則ほうそくばれており、ねつ力学りきがく温度おんどTねつ伝導でんどうりつκかっぱ とすれば

あらわされる。ここで L はローレンツすうばれる定数ていすうである。

ドルーデ模型もけい

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導体どうたいちゅう電子でんしなどのキャリア気体きたいとみなして気体きたい分子ぶんし運動うんどうろん適用てきようしたドルーデ模型もけいにおいては、キャリアの電荷でんか q質量しつりょう mかず密度みつど n、および緩和かんわ時間じかん τたう によりしるべでんりつ

あらわされる[1]

電気でんき伝導でんどうりつ周期しゅうきせい

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20 °Cのうえらん)はにちけいきんのホームページの抵抗ていこうりつのデータの逆数ぎゃくすうをもちいた。 0 °Cのデータ(しもらん)はコットレルの「金属きんぞくがく」のデータである。

H He
Li
10.7
11.8
Be
30.3
18
B C N O F Ne
Na
21.2
23
Mg
23.8
25
Al
37.4
40
Si
9.6
P S Cl Ar
K
14.7
15.9
Ca
27.0
23.5
Sc
1.5
Ti
1.8
1.2
V
0.5
Cr
7.5
6.5
Mn
0.6
Fe
9.9
11.2
Co
15.7
16
Ni
14.5
16
Cu
59.0
64.5
Zn
16.8
18.1
Ga Ge As Se
8.3
Br Kr
Rb
8.2
Sr
4.4
Y
1.8
Zr
2.2
Nb
6.2
Mo
17.5
Tc Ru
13.0
Rh
21.2
Pd
9.2
Ag
61.4
66.7
Cd
13.7
15
In
11.3
Sn
7.9
10
Sb
2.4
Te I Xe
Cs
5.0
Ba
2.0
1.7
* Hf
3.1
Ta
7.4
W
18.5
Re
5.3
Os
11.4
Ir
19.6
Pt
9.4
Au
45.5
49
Hg
1.0
Tl
6.0
Pb
4.8
5.2
Bi
0.9
1.0
Po At Rn

単位たんい106 S/m である。 0 °Cでの > 20 °Cでの になっていないのは出典しゅってんちがうことによる。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 理論りろん電磁気でんじきがく p.79

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 砂川すなかわ重信しげのぶ理論りろん電磁気でんじきがく』(だい3はん紀伊国屋きのくにや書店しょてん、1999ねんISBN 4-314-00854-7 

関連かんれん項目こうもく

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