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テルル

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
アンチモン テルル ヨウもと
Se

Te

Po
外見がいけん
ぎん白色はくしょく
一般いっぱん特性とくせい
名称めいしょう, 記号きごう, 番号ばんごう テルル, Te, 52
分類ぶんるい はん金属きんぞく
ぞく, 周期しゅうき, ブロック 16, 5, p
原子げんしりょう 127.60
電子でんし配置はいち [Kr] 4d10 5s2 5p4
電子でんしから 2, 8, 18, 18, 6(画像がぞう
物理ぶつり特性とくせい
そう 固体こたい
密度みつど室温しつおん付近ふきん 6.232 g/cm3
融点ゆうてんでの液体えきたい密度みつど 5.70 g/cm3
融点ゆうてん 722.66 K, 449.51 °C, 841.12 °F
沸点ふってん 1261 K, 988 °C, 1810 °F
融解ゆうかいねつ 17.49 kJ/mol
蒸発じょうはつねつ 114.1 kJ/mol
熱容量ねつようりょう (25 °C) 25.73 J/(mol·K)
蒸気じょうきあつ
圧力あつりょく (Pa) 1 10 100 1 k 10 k 100 k
温度おんど (K) (775) (888) 1042 1266
原子げんし特性とくせい
酸化さんかすう 6, 5, 4, 2, -2
じゃく酸性さんせい酸化さんかぶつ
電気でんき陰性いんせい 2.1(ポーリングの
イオン化いおんかエネルギー だい1: 869.3 kJ/mol
だい2: 1790 kJ/mol
だい3: 2698 kJ/mol
原子げんし半径はんけい 140 pm
共有きょうゆう結合けつごう半径はんけい 138 ± 4 pm
ファンデルワールス半径はんけい 206 pm
その
結晶けっしょう構造こうぞう 六方ろっぽうあきらけい
磁性じせい はん磁性じせい[1]
ねつ伝導でんどうりつ (300 K) (1.97 - 3.38) W/(m⋅K)
おとつたわるはや
微細びさいロッド)
(20 °C) 2610 m/s
ヤングりつ 43 GPa
剛性ごうせいりつ 16 GPa
体積たいせき弾性だんせいりつ 65 GPa
モース硬度こうど 2.25
ブリネル硬度こうど 180 MPa
CAS登録とうろく番号ばんごう 13494-80-9
おも同位どういたい
詳細しょうさいテルルの同位どういたい参照さんしょう
同位どういたい NA 半減はんげん DM DE (MeV) DP
120Te 0.09% > 2.2 × 1016y εいぷしろん εいぷしろん 1.701 120Sn
121Te syn 16.78 d εいぷしろん 1.040 121Sb
122Te 2.55% 中性子ちゅうせいし70安定あんてい
123Te 0.89% > 1.0 × 1013 y εいぷしろん 0.051 123Sb
124Te 4.74% 中性子ちゅうせいし72安定あんてい
125Te 7.07% 中性子ちゅうせいし73安定あんてい
126Te 18.84% 中性子ちゅうせいし74安定あんてい
127Te syn 9.35 h βべーた- 0.698 127I
128Te 31.74% 2.2 × 1024 y βべーた-βべーた- 0.867 128Xe
129Te syn 69.6 min βべーた- 1.498 129I
130Te 34.08% 7.9 × 1020 y βべーた-βべーた- 2.528 130Xe

テルルえい: tellurium [tɨˈljʊəriəm, tɛ-]どく: Tellur [tɛˈluːɐ̯])は、原子げんし番号ばんごう52の元素げんそ元素げんそ記号きごうTeだい16ぞく元素げんそひとつ。

名称めいしょう

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語源ごげんラテン語らてんごのTellusで、これは地球ちきゅう意味いみするとともに、ローマ神話しんわ大地だいち女神めがみテルースでもある[2]。また、周期しゅうきひょううえでテルルのひとじょう位置いちするセレンギリシャ神話しんわつき女神めがみセレーネーからきている。

性質せいしつ

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金属きんぞくテルルと無定形むていけいテルルがあり、金属きんぞくテルルはぎん白色はくしょく結晶けっしょうはん金属きんぞく)で、六方ろっぽうあきら構造こうぞうである。テルル化合かごうぶつにんにくにおいびるものがあるが、単体たんたい無臭むしゅうである。 金属きんぞくテルルの比重ひじゅうは6.232[3]融点ゆうてんは449.51 ℃[3]沸点ふってんは988 ℃[3][4]融点ゆうてん沸点ふってんともことなる実験じっけんあり)。酸化さんかりょくのあるさんにはける。ハロゲン元素げんそとははげしく反応はんのうする。酸化さんかすうは-2, +2, +4, +6をとる。また、化学かがくてき性質せいしつセレン硫黄いおうている。やすと二酸化にさんかテルルになる。天然てんねん元素げんそ鉱物こうぶつとして単体たんたい自然しぜんテルル)やテルル金銀きんぎん鉱物こうぶつ、テルル銅鉱どうこうぶつ、テルルなまり鉱物こうぶつなど多数たすう存在そんざいする[5][6]

毒性どくせい

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環境かんきょうちゅう存在そんざいするりょうすくない(下記かき参照さんしょう)が、テルル単体たんたいおよびその化合かごうぶつには毒性どくせいがあることがられている。単体たんたいれることはまれであるが、おおくの化合かごうぶつ生成せいせいして環境かんきょうちゅう露出ろしゅつ体内たいないはいりやすくなる。たとえば二酸化にさんかテルルはなん水溶すいようせいであるものの強酸きょうさんつよしアルカリには不安定ふあんていである。テルルは体内たいないでは代謝たいしゃされてジメチルテルリド生成せいせいし、呼気こきがニンニクに悪臭あくしゅう(テルル呼気こき)をびることがられている。さらに口渇こうかつかたぶけねむり食欲しょくよく不振ふしん悪心あくしん発汗はっかん停止ていし頭痛ずつう呼吸こきゅう困難こんなんゆびかお歯肉はにくかお青黒あおぐろ斑点はんてんあらわれたり発疹はっしんしょうじる皮膚ひふえんくち金属きんぞくあじかんじるなどの症状しょうじょうられている。これらはおも鉱山こうざん労働ろうどうしゃおおられた症状しょうじょう暴露ばくろからとおざけると改善かいぜんしている。反復はんぷく暴露ばくろやラットなどをもちいた長期間ちょうきかん暴露ばくろ試験しけんでは、臓器ぞうき異常いじょう催奇せい報告ほうこくされている。日本にっぽんでは特定とくてい標的ひょうてき臓器ぞうき毒性どくせい反復はんぷく暴露ばくろ)の区分くぶん2(中枢ちゅうすう神経しんけいけい呼吸こきゅう)に分類ぶんるいしている[7]

歴史れきし

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1782ねんF.J.ミュラー単体たんたい分離ぶんり、1798ねんクラプロートによって命名めいめいされた[2]

産出さんしゅつ

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地殻ちかくちゅう元素げんそ存在そんざいけっしておおくなく貴金属ききんぞくにならぶうえ精錬せいれんりょうすくない。天然てんねんには火山かざん温泉おんせんちかくの鉱脈こうみゃくなどに自然しぜんテルルや化合かごうぶつ鉱物こうぶつとしてわずかにふくまれる。テルル単独たんどく採掘さいくつ産出さんしゅつ)はおこなわれず[6]どう精錬せいれん副産物ふくさんぶつである電解でんかいスライムから分離ぶんり精製せいせいする[8]。しかし、どう精錬せいれん方法ほうほう湿式しっしき精錬せいれん電解でんかいスライムをしょうじない手法しゅほう)への変更へんこうともな生産せいさんりょうびは鈍化どんかしている[6]

埋蔵まいぞうりょう生産せいさん消費しょうひ

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鉱業こうぎょう便覧びんらん[9]によると、テルルの埋蔵まいぞうりょう資源しげんりょう)は3まん8000トンである。上位じょういからアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく(6000トン)、ペルー(1600トン)、カナダ(1500トン)[10]。いずれもズリなどをふくまないテルルのじゅん分量ぶんりょうである。2000ねん時点じてん年間ねんかん生産せいさんりょうは322トン。上位じょういからカナダ(80トン)、ベルギー(60トン)、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく(50トン)、ペルー(39トン)、日本にっぽん(36トン)であり、上位じょうい5カ国かこく生産せいさんりょうの82.3%をまかなう[11]。2010ねん日本にっぽん国内こくない生産せいさんりょうは 46トン、輸入ゆにゅうは 16.3トン、輸出ゆしゅつ 39トンと報告ほうこくされている[4]

化合かごうぶつ

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酸化さんかぶつとオキソさん

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ハロゲン化物ばけもの

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その

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同位どういたい

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テルルにはいくつかの安定あんてい同位どういたいがあるが、2.2×1024とし半減はんげん128Te(これは現在げんざいられている放射ほうしゃせい同位どういたい半減はんげんなかもっとながい)や、7.9×1020としとこちらもまた非常ひじょうなが半減はんげん130Teもあり、これらのほうが安定あんてい同位どういたいよりも存在そんざいりょうおおきい。このようなひと以上いじょう安定あんてい同位どういたい元素げんそなか天然てんねん放射ほうしゃせい同位どういたい安定あんてい同位どういたいよりおお存在そんざいしている元素げんそは、テルルのほかインジウムレニウムがある。

用途ようと

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埋蔵まいぞう地域ちいき

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出典しゅってん

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  1. ^ Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds Archived 2012ねん1がつ12にち, at the Wayback Machine., in Handbook of Chemistry and Physics 81st edition, CRC press.
  2. ^ a b 桜井さくらいひろし元素げんそ111のしん知識ちしき講談社こうだんしゃ、1998ねん、238ぺーじISBN 4-06-257192-7 
  3. ^ a b c Haynes.W.M.ed. (2013) : CRC Handbook of Chemistry and Physics on DVD, (Version 2013), CRC Press.
  4. ^ a b c テルルおよびその化合かごうぶつ水素すいそテルルをのぞく) (PDF) 国立こくりつ環境かんきょう研究所けんきゅうじょ
  5. ^ 自然しぜんテルル tellurium Te ろくぽうあきらけい 倉敷くらしき市立しりつ自然しぜん博物館はくぶつかん
  6. ^ a b c d Te あぶら天然てんねんガス・金属きんぞく鉱物こうぶつ資源しげん機構きこう(JOGMEC) (PDF)
  7. ^ GHS分類ぶんるい結果けっか - テルル”. 2018ねん8がつ23にち閲覧えつらん
  8. ^ 今澤いまざわひろし福島ふくしま孝一こういち窪田くぼたはれしゅん ほか、どう電解でんかいスライムとう処理しょり方法ほうほう改善かいぜん 日本にっぽん鉱業こうぎょう会誌かいし 98かん (1982) 1130ごう p.366-368, doi:10.2473/shigentosozai1953.98.1130_366
  9. ^ 経済けいざい産業さんぎょう調査ちょうさかい、『鉱業こうぎょう便覧びんらん 平成へいせい14年版ねんばん』、2003ねんISBN 4806516597
  10. ^ 鉱業こうぎょう便覧びんらん』、p.222
  11. ^ 鉱業こうぎょう便覧びんらん』、p.226
  12. ^ 桜井さくらいひろし元素げんそ111のしん知識ちしき講談社こうだんしゃ1997ねん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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