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だい9ぞく元素げんそ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

だい9ぞく元素げんそ(だいきゅうぞくげんそ、Group 9 element)はIUPAC形式けいしきでの周期しゅうきひょうにおいてだい9ぞくぞくする元素げんそコバルトロジウムイリジウムマイトネリウムから構成こうせいされる。

ちょう周期しゅうきひょうだい8ぞくだい10ぞく元素げんそさいそとからの4s電子でんしを2つち、たん周期しゅうきひょうで VIIIぞく、あるいは VIIIBぞく としてまとめられたようにどう一周いっしゅう元素げんそ化学かがくてき性質せいしつ似通にかよっている。それだい4周期しゅうき26Fe、27Co、28Niをてつぞく元素げんそび、だい5周期しゅうきあるいはだい6周期しゅうき44Ru、45Rh、46Pd、76Os、77Ir、78Ptを白金はっきんぞく元素げんそぶ。したがってぞく代表だいひょう元素げんそぞくめい別名べつめいとするほかぞくとの場合ばあいとのちがいを留意りゅういする必要ひつようがある。

閉殻していないd軌道きどうち、遷移せんい元素げんそとしてあつかわれる。

性質せいしつ

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だい9ぞく元素げんそではあたい電子でんしおよびうちから電子でんし電子でんし構造こうぞう周期しゅうきによりことなる。

コバルト
27Co
ロジウム
45Rh
イリジウム
77Ir
電子でんし配置はいち
だい1イオン化いおんかエネルギー
(kJ mol-1
758.8 720 870
だい2イオン化いおんかエネルギー
(kJ mol-1
1646 1744  
だい3イオン化いおんかエネルギー
(kJ mol-1
3230 2997  
だい4イオン化いおんかエネルギー
(kJ mol-1
4950    
電子でんし親和力しんわりょく
電子でんしボルト)
0.661 1.137 1.565
電気でんき陰性いんせい
(Allred-Rochow)
1.70 1.45 1.55
金属きんぞく結合けつごう半径はんけい
(pm)
125 135 136
融点ゆうてん
(K)
1768 2237 2739
沸点ふってん
(K)
3200 3968 4701

コバルトはニッケルとともヒ素ひそ化合かごうぶつあるいは硫黄いおう化合かごうぶつとして産出さんしゅつすることがおおい。岩石がんせきけんひろ分布ぶんぷする(10-3%)ものの、金属きんぞく共存きょうぞんすることがおおく、コバルト単独たんどくからなるの鉱石こうせきすくない。一方いっぽう、ロジウムあるいはイリジウムは白金はっきんぞく元素げんそとも産出さんしゅつし、白金はっきんぞく元素げんそわせて岩石がんせきけんの2×10-6%をめる。

単体たんたいコバルトはてつぞく元素げんそ同様どうよう高温こうおん発火はっか酸化さんかぶつ形成けいせいし、おなじく高温こうおん炭素たんそ、リン、硫黄いおう反応はんのうする。またてつぞく元素げんそ単体たんたい共通きょうつうしてつよ磁性じせいたいである。一方いっぽう貴金属ききんぞくぞくするロジウムあるいはイリジウムの単体たんたいはコバルトにくらべて非常ひじょう空気くうき酸化さんかされにくい。

コバルトの酸化さんか状態じょうたいは-1, 0, +1, +2, +3, +4がられているが、+2おおくのたんしお化合かごうぶつがしられており、+3少数しょうすうたんしお化合かごうぶつられている。そして+2,+3場合ばあいふくめて種々しゅじゅ酸化さんかすう錯体さくたい化合かごうぶつられている。一方いっぽう、ロジウムあるいはイリジウムの酸化さんか状態じょうたいは-1, 0, +1, +2, +3, +4, +6がられているが、それにくわえてイリジウムは+5化合かごうぶつられている。そして、ロジウムは+1、+3化合かごうぶつおおく、イリジウムは+1、+3、+4化合かごうぶつおおい。

ロジウムあるいはイリジウムは白金はっきんぞく元素げんそことなり、オキソアニオンやこう原子げんし酸化さんかぶつ形成けいせいしない。

引用いんよう文献ぶんけん

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  1. 日本にっぽん学会がっかいへん,『化学かがく便覧びんらん基礎きそへん, 改訂かいてい5はん, 丸善まるぜん
  2. R.B.ヘスロップ, K. ジョーンズ, 『無機むき化学かがく』, 東京とうきょう化学かがく同人どうじん
  3. F.A.コットン, G.ウイルキンソン, 『無機むき化学かがく』, 培風館ばいふうかん ISBN 4-563-04066-5