(Translated by https://www.hiragana.jp/)
カリホルニウム - Wikipedia コンテンツにスキップ

カリホルニウム

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
バークリウム カリホルニウム アインスタイニウム
Dy

Cf

不明ふめい
外見がいけん
ぎん白色はくしょく
176
一般いっぱん特性とくせい
名称めいしょう, 記号きごう, 番号ばんごう カリホルニウム, Cf, 98
分類ぶんるい アクチノイド
ぞく, 周期しゅうき, ブロック n/a, 7, f
原子げんしりょう [251]
電子でんし配置はいち [Rn] 5f10 7s2[1]
電子でんしから 2, 8, 18, 32, 28, 8, 2(画像がぞう
物理ぶつり特性とくせい
そう 固体こたい
密度みつど室温しつおん付近ふきん 15.1[2] g/cm3
融点ゆうてん 1173 K, 900[2] °C, 1652 °F
原子げんし特性とくせい
酸化さんかすう 2, 3, 4[3]
電気でんき陰性いんせい 1.3[4](ポーリングの
イオン化いおんかエネルギー 1st: 608[5] kJ/mol
共有きょうゆう結合けつごう半径はんけい 168 pm
その
結晶けっしょう構造こうぞう 六方ろっぽうさいみつ充填じゅうてん構造こうぞう (αあるふぁ-Cf)

からだこころ立方りっぽう格子こうし (βべーた-Cf) めんこころ立方りっぽう格子こうし (γがんま-Cf)

モース硬度こうど 3–4[6]
CAS登録とうろく番号ばんごう 7440-71-3[2]
おも同位どういたい
詳細しょうさいカリホルニウムの同位どういたい参照さんしょう
同位どういたい NA 半減はんげん DM DE (MeV) DP
248Cf syn 333.5 d αあるふぁ (100 %) 6.369 244Cm
SF (2.9 × 10-3 %) 0.0029 -
249Cf syn 351 y αあるふぁ (100 %) 6.295 245Cm
SF (5.0 × 10-7 %) 4.4 × 10-7 -
250Cf syn 13.08 y αあるふぁ (99.92 %) 6.129 246Cm
SF (0.08 %) 0.077 -
251Cf syn 898 y αあるふぁ (100 %) 6.172 247Cm
252Cf syn 2.645 y αあるふぁ (96.91 %) 6.217 248Cm
SF (3.09 %) - -
253Cf syn 17.81 d βべーた- (99.69 %) 0.29 253Es
αあるふぁ (0.31 %) 6.126 249Cm
254Cf syn 60.5 d SF (99.69 %) - -
αあるふぁ (0.31 %) 5.930 250Cm
出典しゅってん[7]

カリホルニウムえい: californium [ˌkælɨˈfɔrniəm])は、原子げんし番号ばんごう98の元素げんそ元素げんそ記号きごうCfアクチノイド元素げんそひとつ。ちょうウラン元素げんそでもある。比重ひじゅうは15.1、融点ゆうてんは900 °Cである。安定あんてい同位どういたい存在そんざいしない。物理ぶつりてき化学かがくてき性質せいしつ不明ふめい部分ぶぶんおおい。原子げんしは+3実用じつようてき用途ようとがあるもっと原子げんし番号ばんごうおおきい元素げんそでもある。カリホルニウムには3つの同素体どうそたい(αあるふぁβべーたγがんま)がある。

名称めいしょう

[編集へんしゅう]

元素げんそめいは、地名ちめいであるカリフォルニア米国べいこく)、およびカリフォルニア大学だいがく由来ゆらいする[8]。そのため「カリフォルニウム」と日本語にほんご表記ひょうきされることもあるが、学術がくじゅつ用語ようごしゅうさだめられた日本語にほんご表記ひょうきは「カリルニウム」である[8]

同位どういたい

[編集へんしゅう]

いくつかの同位どういたい発見はっけんされているが、もっと半減はんげんながいのはカリホルニウム251で898ねんである。原子げんしないウラン235中性子ちゅうせいし捕獲ほかくかえして出来できカリホルニウム252は、半減はんげんが2.65ねんである。このカリホルニウム252は、自発じはつ核分裂かくぶんれつ平均へいきん3.8中性子ちゅうせいしす)する。

歴史れきし

[編集へんしゅう]

1949ねんカリフォルニア大学だいがくバークレーこう[:en]グレン・シーボーグ (G.T.Seaborg)、トンプソン (G.Thompson)、ギオルソ (A.Ghiorso) らが、キュリウム242サイクロトロンで35 × 106 eV加速かそくしたαあるふぁ粒子りゅうしをぶつけてカリホルニウム245半減はんげん45ふん)を発見はっけんした。

日本にっぽんでは、1973ねん日本にっぽん原子力げんしりょく研究所けんきゅうじょがカリホルニウムの合成ごうせい検出けんしゅつ成功せいこうしたと発表はっぴょうアメリシウム241中性子ちゅうせいしを46日間にちかん照射しょうしゃ中性子ちゅうせいし吸収きゅうしゅうして成長せいちょうした物質ぶっしつ化学かがくてき手法しゅほう分離ぶんり、これを濃縮のうしゅくした物質ぶっしつからカリホルニウム250カリホルニウム252検出けんしゅつしたもの[9]

用途ようと

[編集へんしゅう]

カリホルニウム252は、中性子ちゅうせいしせんげんや、非破壊ひはかい検査けんさ、その研究けんきゅうよう使用しようされる。また、原子げんし建設けんせつ最初さいしょ中性子ちゅうせいしげんとしても利用りようされるが、必要ひつようりょうμみゅーg単位たんいにすぎない。かりに100 gの価格かかく単純たんじゅん計算けいさんするとやく7ちょうえんになる。

原子げんしばくだん

[編集へんしゅう]

原子げんしばくだんにカリホルニウムを使用しようした場合ばあい非常ひじょう小型こがたできる可能かのうせいたかいため研究けんきゅうされていた時期じきがあり、サイエンス・フィクションでも個人こじんはこびできるものとして描写びょうしゃされている。

しかし、先述せんじゅつのとおり大変たいへん高価こうか物質ぶっしつなので、兵器へいきとしての運用うんよう現実げんじつてきでないとかんがえられている。

カリホルニウムばくだん登場とうじょうするフィクション

[編集へんしゅう]
  • 地球ちきゅう0ねん - 矢野やのとおる小説しょうせつ冒頭ぼうとう自衛隊じえいたい情報じょうほう士官しかんである主人公しゅじんこうが「歩兵ほへいようカリフォルニウムだん発射はっしゃ装置そうち設計せっけい入手にゅうしゅする。
  • トップをねらえ!シリーズ - げきちゅうでカリホルニウムをもちいたかくミサイルが登場とうじょうする。
  • アダルト・ウルフガイシリーズ - カリホルニウムを使用しようしたかく小銃しょうじゅうだん登場とうじょうするエピソードがある。
  • 宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト(石津いしづあらし小説しょうせつばん)ではヤマトの主砲しゅほうとしてカリホルニウムかく砲弾ほうだん使用しようされている。
  • サイコキネシス大戦たいせんそうシリーズ - 豊田とよだ有恒ありつね小説しょうせつ。アニメのメカデザイナーである主人公しゅじんこううでにカリホルニウムのカプセルが仕込しこまれる。
  • タイムトルーパー - 小林こばやしはじめぶんによるSF劇画げきが。1944ねんのヨーロッパにタイムスリップした22世紀せいき火星かせいぐん下士官かしかんへい5めいのうち、1めいがカリホルニウムだん携行けいこう
  • 科学かがく忍者にんじゃたいガッチャマン - だい94でんじゅうアングラー」にカリホルニウムをもちいたペンダントばくだん登場とうじょうする。

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ CRC 2006, p. 1.14.
  2. ^ a b c CRC 2006, p. 4.56.
  3. ^ Greenwood & Earnshaw 1997, p. 1265.
  4. ^ Emsley 1998, p. 50.
  5. ^ CRC 2006, p. 10.204.
  6. ^ CRC 1991, p. 254.
  7. ^ CRC 2006, p. 11.196.
  8. ^ a b 桜井さくらいひろし元素げんそ111のしん知識ちしき講談社こうだんしゃ、1998ねん、400-401ぺーじISBN 4-06-257192-7 
  9. ^ 「カリフォルニウムを合成ごうせい」『朝日新聞あさひしんぶん昭和しょうわ48ねん1がつ26にち朝刊ちょうかん、13めん、3めん

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]
  • CRC contributors (1991). Walker, Perrin; Tarn, William H. (eds.). Handbook of Metal Etchants (英語えいご). CRC Press. ISBN 978-0-8493-3623-2
  • CRC contributors (2006). Lide, David R. (ed.). Handbook of Chemistry and Physics (英語えいご) (87th ed.). CRC Press, Taylor & Francis Group. ISBN 978-0-8493-0487-3
  • Greenwood, N. N.; Earnshaw, A. (1997). Chemistry of the Elements (英語えいご) (2nd ed.). Butterworth-Heinemann. ISBN 978-0-7506-3365-9
  • Emsley, John (1998). The Elements (英語えいご). Oxford University Press. ISBN 978-0-19-855818-7