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アメリカ国立こくりつ標準ひょうじゅん技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ

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NISTから転送てんそう
アメリカ国立こくりつ標準ひょうじゅん技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ
ロゴ
正式せいしき名称めいしょう National Institute of Standards and Technology
日本語にほんご名称めいしょう アメリカ国立こくりつ標準ひょうじゅん技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ
略称りゃくしょう NIST
組織そしき形態けいたい 監督かんとく連邦れんぽう機関きかん
所在地しょざいち アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
メリーランドしゅう
北緯ほくい398ふん9びょう 西経せいけい7847ふん5びょう / 北緯ほくい39.13583 西経せいけい78.78472 / 39.13583; -78.78472 (アメリカ国立こくりつ標準ひょうじゅん技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ)座標ざひょう: 北緯ほくい398ふん9びょう 西経せいけい7847ふん5びょう / 北緯ほくい39.13583 西経せいけい78.78472 / 39.13583; -78.78472 (アメリカ国立こくりつ標準ひょうじゅん技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ)
予算よさん 11おくドル(2011ねん
人数にんずう 3000にんせい職員しょくいん
所長しょちょう パトリック・D・ギャラガー
活動かつどう領域りょういき 計量けいりょうがく標準ひょうじゅん基礎きそ技術ぎじゅつ
設立せつりつ年月日ねんがっぴ 1901ねん7がつ1にち (NBS)
前身ぜんしん アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく財務省ざいむしょう標準ひょうじゅん度量衡どりょうこうきょく国立こくりつ標準ひょうじゅんきょく (NBS)
所管しょかん アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく商務省しょうむしょう
拠点きょてん メリーランドしゅうゲイザースバーグコロラドしゅうボルダー
発行はっこう雑誌ざっし Journal of Research of the National Institute of Standards and Technology
出版しゅっぱんぶつ Handbook 44
ウェブサイト https://www.nist.gov/
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国立こくりつ標準ひょうじゅん技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ(こくりつひょうじゅんぎじゅつけんきゅうしょ、National Institute of Standards and Technology、NIST)は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく国立こくりつ計量けいりょう標準ひょうじゅん研究所けんきゅうじょであり、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく商務省しょうむしょう配下はいか技術ぎじゅつ部門ぶもんであり監督かんとく(non-regulatory)機関きかんである。1901ねんから1988ねんまでは国立こくりつ標準ひょうじゅんきょく (National Bureau of Standards、NBS) としょうしていた。その公式こうしき任務にんむつぎとお[1]

経済けいざいてき安全あんぜん保障ほしょう強化きょうか生活せいかつしつたかめるような手法しゅほうで、計量けいりょうがく標準ひょうじゅん規格きかく産業さんぎょう技術ぎじゅつ進歩しんぽさせることによって、アメリカの技術ぎじゅつ革新かくしん産業さんぎょう競争きょうそうりょく促進そくしんすることが目的もくてきである。

—NIST

2007会計かいけい年度ねんど(2006ねん10がつ1にち-2007ねん9がつ30にち)の予算よさんやく8おく4330まんドルだった。2009ねん予算よさんは9おく9200まんドルだが、アメリカ復興ふっこうさい投資とうしほう一部いちぶとして6おく1000まんドルをべつっている[2]。2013ねん現在げんざい、NISTにはやく3000にん科学かがくしゃ工学こうがくしゃ技術ぎじゅつしゃがいる(にサポートスタッフと運営うんえい部門ぶもん)。また、国内こくない企業きぎょう海外かいがいからやく2700にん科学かがくしゃ工学こうがくしゃれている。さらに国内こくないやく400ヶ所かしょ提携ていけい機関きかんで1300にん製造せいぞう技術ぎじゅつ専門せんもんやスタッフがかかわっている[1]。NISTの出版しゅっぱんしている Handbook 44 は「計測けいそく機器ききについての仕様しよう許容きょよう誤差ごさ技術ぎじゅつてき要件ようけん」を提供ていきょうしている。

歴史れきし[編集へんしゅう]

背景はいけい[編集へんしゅう]

1821ねんジョン・クインシー・アダムズは「度量衡どりょうこうは、人間にんげん社会しゃかいのあらゆる人々ひとびと生活せいかつにとって必須ひっすなこととしてランクけされるかもしれない」とべた[3]。1781ねん、13の植民しょくみん批准ひじゅんした連合れんごう規約きやくには、「合衆国がっしゅうこくまたは各州かくしゅうみずからの権威けんいにおいて、貨幣かへい成分せいぶんめ、鋳造ちゅうぞうした貨幣かへい価値かちめる独占どくせんてき権利けんりゆうし、合衆国がっしゅうこく全土ぜんど度量衡どりょうこう標準ひょうじゅんさだめる権利けんりゆうする」という一節いっせつがある。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく憲法けんぽう (1789) だい1じょうだい8せつでは、その権限けんげん連邦れんぽう議会ぎかいゆだねており、「連邦れんぽう議会ぎかいつぎ権限けんげんゆうする……貨幣かへい鋳造ちゅうぞうし、その価値かちおよび外国がいこく貨幣かへい価値かちさだめ、また度量衡どりょうこう標準ひょうじゅんさだめること」とある。

1790ねん1がつジョージ・ワシントン最初さいしょ年頭ねんとう教書きょうしょ演説えんぜつで「合衆国がっしゅうこくにおける通貨つうかおよび度量衡どりょうこう均一きんいつせいきわめて重要じゅうようであり、それをただしく遂行すいこうさせるべく…」などとべ、国務こくむ長官ちょうかんトーマス・ジェファーソンにそのための計画けいかく立案りつあんめいじた。のちにその報告ほうこくしょJefferson reportばれるようになる。1791ねん10がつ25にち、ワシントンは連邦れんぽう議会ぎかいで「国内こくない度量衡どりょうこう均一きんいつせいは、憲法けんぽうとしてあなたがた(連邦れんぽう議会ぎかい)に提出ていしゅつされた重要じゅうよう目標もくひょうひとつであり、不変ふへんかつ普遍ふへん標準ひょうじゅんからられるなら、公共こうきょう利便りべんせい貢献こうけんするだけでなく自治体じちたいにとっても名誉めいよあることだ」とべたが、実際じっさい一様いちよう標準ひょうじゅんぐん完成かんせいしたのは1838ねんのことである。

きょく変遷へんせん[編集へんしゅう]

国立こくりつ標準ひょうじゅんきょくワシントンD.C.撮影さつえい不明ふめい(1910ねん〜1926ねん

1830ねんから1901ねんまで、度量衡どりょうこう監督かんとくアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく財務省ざいむしょう標準ひょうじゅん度量衡どりょうこうきょく (Office of Standard Weights and Measures) が担当たんとうした[4]

度量衡どりょうこうきょくは1901ねん7がつ1にちに「標準ひょうじゅんきょく」(Bureau of Standards) としてワシントンD.C.にて独立どくりつし、1903ねんに「国立こくりつ標準ひょうじゅんきょく」(National Bureau of Standards, NBS)と改称かいしょうされた[5]。 1905ねんには米国べいこく計量けいりょう会議かいぎ (NCWM) が創立そうりつされた。 1960年代ねんだい前半ぜんはんにはメリーランドしゅうゲイザスバーグに227ヘクタールの用地ようち取得しゅとくし、移転いてんした[6]。 1988ねんには現在げんざい名称めいしょうとなった[4]

度量衡どりょうこう[編集へんしゅう]

NISTが保有ほゆうするキログラム原器げんきK20ばんレプリカ。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおけるキログラムの国家こっかいち標準ひょうじゅんであり、ポンドもこの標準ひょうじゅん参照さんしょうし0.453 592 37キログラムと定義ていぎされている。

1866ねん連邦れんぽう議会ぎかい度量衡どりょうこう体系たいけい法律ほうりつ合衆国がっしゅうこく法典ほうてん1952年版ねんばんだい15へんだい6しょう、204こうと205こう)でさだめた[7]世界せかいてきには1875ねん5がつ20日はつか、17カ国かこくトル法とるほう署名しょめいし、国際こくさい度量衡どりょうこう総会そうかい選出せんしゅつした国際こくさい委員いいんかい監督かんとく国際こくさい度量衡どりょうこうきょく創設そうせつした[8]

機構きこう[編集へんしゅう]

NISTの本部ほんぶメリーランドしゅうゲイザースバーグにある。またコロラドしゅうボルダー研究所けんきゅうじょっている。NISTの活動かつどうは、研究けんきゅうプログラムと学外がくがいプログラムにけられる。2010ねん10がつ1にち、NISTの研究けんきゅうユニットは10から6にさい編成へんせいされた[9]つぎ研究けんきゅうユニットがある[10]

学外がくがいプログラムとしては、以下いかのものがある。

  • Hollings Manufacturing Extension Partnership (MEP)中小ちゅうしょう製造せいぞう業者ぎょうしゃ支援しえんする全米ぜんべい規模きぼのネットワークで、効率こうりつ向上こうじょうあらたな職業しょくぎょう創造そうぞう製造せいぞう工程こうてい改善かいぜんによる廃棄はいきぶつ削減さくげん技術ぎじゅつ革新かくしんによる市場いちば競争きょうそうりょく増強ぞうきょう目的もくてきとしている。
  • Technology Innovation Program (TIP) は、最先端さいせんたんのリスクのたか技術ぎじゅつ開発かいはつ一部いちぶをNISTが費用ひよう負担ふたんするものである。
  • マルコム・ボールドリッジ国家こっか品質ひんしつしょう英語えいごばんプログラムは、品質ひんしつたか企業きぎょう選定せんていして表彰ひょうしょうするものである。

NISTの物理ぶつり測定そくてい研究所けんきゅうじょ時間じかん周波数しゅうはすう部門ぶもんのボルダーの研究所けんきゅうじょには有名ゆうめいNIST-F1英語えいごばんがある。これはフランスパリにあるものと同様どうようもっと正確せいかく原子げんし時計とけいであり、国家こっか標準時ひょうじゅんじとしての公式こうしき時刻じこくどころとなっている。セシウム共振きょうしん周波数しゅうはすうから精密せいみつびょうめていて、電波でんぱ時計とけいなどが使用しようする標準ひょうじゅん電波でんぱ長波ちょうは放送ほうそうきょく(WWVB;フォート・コリンズ)と短波たんぱ放送ほうそうきょく(WWV (無線むせんきょく);フォート・コリンズ、WWVH;ハワイしゅうカウアイとうケカハ)がある。とくに、WWVはアメリカにおける最古さいこ無線むせんきょくひとつでもある。また、NTPのサービスも提供ていきょうしている。

NIST AML ビル

NISTは中性子ちゅうせいし発生はっせい施設しせつNIST中性子ちゅうせいし研究けんきゅうセンター (NCNR) を運営うんえいしている。NCNRは様々さまざま中性子ちゅうせいし散乱さんらん装置そうちそろえており、様々さまざま分野ぶんや物質ぶっしつ科学かがく燃料ねんりょう電池でんち、バイオテクノロジーなど)の研究けんきゅう使つかわれている。

SURF III シンクロトロン紫外線しがいせん放射ほうしゃ施設しせつ放射光ほうしゃこうみなもとであり、1961ねんから運営うんえいしている。SURF III はアメリカにおけるひかりスペクトルの標準ひょうじゅんとして使つかわれている。NASA開発かいはつした紫外線しがいせん観測かんそく装置そうちは1970年代ねんだいからSURFで較正こうせいされており、極端きょくたん紫外線しがいせんリソグラフィーのためのシステムの計測けいそくなどにも使つかわれている。

ナノスケール科学かがく技術ぎじゅつセンター (CNST) はナノテクノロジー研究けんきゅうおこなっており、内部ないぶ研究けんきゅう同時どうじ外部がいぶユーザーがアクセスできるナノ製造せいぞうようクリーンルーム提供ていきょうしている。このナノファブにはフォトリソグラフィーようのツールぐん電子でんし顕微鏡けんびきょう原子げんしあいだりょく顕微鏡けんびきょうなど)もそなえている。

Advanced Encryption Standard(AES、アルゴリズムとしてはRijndael)、Secure Hash Standard(SHS、アルゴリズムとしてはSecure Hash Algorithm (SHA)シリーズ。SHA-0SHA-1SHA-2SHA-3)など、暗号あんごう技術ぎじゅつ選定せんていおよび標準ひょうじゅんおこなっている。ISOちがいちこく機関きかんぎないが、その影響えいきょうりょくおおきく、AESやSHAシリーズはデファクトスタンダード暗号あんごうのひとつとなっている。AESのまえのデファクトスタンダード暗号あんごうであったData Encryption Standard (DES)もNISTの前身ぜんしんであるNBSが選定せんていおこなっている。

委員いいんかい[編集へんしゅう]

NISTにはつぎの7つの常任じょうにん委員いいんかいがある。

  • 技術ぎじゅつガイドライン開発かいはつ委員いいんかい (TGDC)
  • 地震じしん危険きけんせい低減ていげんのための諮問しもん委員いいんかい (ACEHR)
  • 建築けんちく安全あんぜんせいチーム諮問しもん委員いいんかい (NCST Advisory Committee)
  • 情報じょうほうセキュリティとプライバシー諮問しもん委員いいんかい (ISPAB)
  • 先端せんたん技術ぎじゅつ視察しさつ委員いいんかい (VCAT)
  • ボールドリッジ国立こくりつ品質ひんしつプログラム監督かんとく委員いいんかい (BNQP Board of Overseers)
  • 生産せいさん拡大かくだいパートナーシップ国立こくりつ諮問しもん委員いいんかい (MEPNAB)

おも事業じぎょう成果せいか[編集へんしゅう]

標準ひょうじゅん物質ぶっしつ[編集へんしゅう]

NISTのかた標準ひょうじゅん物質ぶっしつ (SRM 2811)。ロックウェルかた試験しけんほうにおいてスケールCのかたさであることが保証ほしょうされている。

その任務にんむ一部いちぶとして、NISTは1300しゅもの最高さいこう純度じゅんど正確せいかくりょう標準ひょうじゅん物質ぶっしつ (Standard Reference Material, SRM) を産業さんぎょう学界がっかい政府せいふ、およびのユーザーに供給きょうきゅうする。これらの人造じんぞうぶつは、特定とくてい性質せいしつ材料ざいりょう構成こうせいつことを保証ほしょうされており、測定そくてい機器きき測定そくてい手順てじゅん較正こうせい使つかわれたり、実験じっけん対照たいしょうサンプルとして使つかわれる。たとえば、食品しょくひん製造せいぞう分野ぶんやのための NIST SRM としては以下いかのようなものがある。

Handbook 44[編集へんしゅう]

NISTは毎年まいとしアメリカ計量けいりょう会議かいぎ英語えいごばん (NCWM) にわせて "Handbook 44" を出版しゅっぱんしている。編集へんしゅうはNCWMの仕様しよう公差こうさ委員いいんかいとNISTの度量衡どりょうこう部門ぶもん (WMD) がおこなっている。このほん法律ほうりつさだめられた「度量衡どりょうこう均一きんいつせい確保かくほするべく協力きょうりょくする」という責任せきにんたすための一環いっかんでもある。

"Handbook 44" は1949ねんからいま名称めいしょうとなったが、1918ねんから同様どうようほん様々さまざま名称めいしょう出版しゅっぱんしてきた経緯けいいがある。2010年版ねんばんでは、1988ねん包括ほうかつ通商つうしょうほう (Omnibus Foreign Trade and Competitiveness Act)ですで推奨すいしょうされていた国際こくさい単位たんいけいおも使用しようすることを推奨すいしょうしている[11][12]

国土こくど安全あんぜん保障ほしょう[編集へんしゅう]

NISTは連邦れんぽう政府せいふぜん職員しょくいんおよび契約けいやくしゃ共通きょうつう身分みぶん証明しょうめいしょ開発かいはつしており、許可きょか人物じんぶつ政府せいふ建物たてものやコンピュータシステムにちかづくのをふせごうとしている。

世界せかい貿易ぼうえきセンタービル崩壊ほうかいかんする調査ちょうさ[編集へんしゅう]

ニューヨーク世界せかい貿易ぼうえきセンタービルの2001ねん9がつ11にち崩壊ほうかいかんして、NISTはさん段階だんかい計画けいかくからなる事業じぎょう遂行すいこうした。だいいち段階だんかいはビル崩壊ほうかい原因げんいん調査ちょうさだい段階だんかい建築けんちく技術ぎじゅつ防火ぼうか技術ぎじゅつ研究けんきゅう開発かいはつだいさん段階だんかいはその成果せいか建築けんちく業界ぎょうかいひろめ、技術ぎじゅつてき援助えんじょおこなうこと。計画けいかく原因げんいん調査ちょうさ部分ぶぶん(だいいち段階だんかい)は2006ねんまつまでに完了かんりょうした。航空機こうくうき直撃ちょくげきけたタワーにかんする報告ほうこくしょ2005ねん9月26にち提出ていしゅつされたが、そこには30以上いじょう改善かいぜん提案ていあんふくまれていた。

2002ねんNational Construction Safety Team Act建築けんちく安全あんぜんせいチームほう)により、NISTはワールドトレードセンターの2つのちょう高層こうそう建築けんちくぶつと47かいての7 ワールドトレードセンター崩壊ほうかいについての調査ちょうさめいじられた。この調査ちょうさ指揮しきしたシャーム・スンダル[13]は、3つのビルの崩壊ほうかい原因げんいん推測すいそくするため、建築けんちく防火ぼうか研究けんきゅうふくめた3つの観点かんてんをカバーした。NISTはまた、建築けんちく防火ぼうかについての規約きやく標準ひょうじゅん慣習かんしゅう研究けんきゅう開発かいはつプログラムを確立かくりつし、提案ていあんした慣習かんしゅう標準ひょうじゅん規約きやく変化へんか実際じっさい建築けんちく業界ぎょうかい普及ふきゅうさせ技術ぎじゅつてき支援しえんおこな計画けいかく立案りつあんした。NISTはまた、施設しせつ所有しょゆうしゃ契約けいやくしゃ建築けんちく技術ぎじゅつしゃ緊急きんきゅう応答おうとうしゃ、および関係かんけい当局とうきょくに、未来みらい災害さいがい反応はんのうする心構こころがまえをさせるための実用じつようてきなガイダンスとツールを提供ていきょうしている。計画けいかく調査ちょうさ部分ぶぶんは、2008ねん11月20にちに7 ワールドトレードセンターについての最終さいしゅう報告ほうこく完了かんりょうした。WTCタワーについての最終さいしゅう報告ほうこくは2005ねん10がつ26にちにリリースされ、建物たてもの入居にゅうきょしゃ安全あんぜんかんして30項目こうもく改善かいぜん提案ていあんふくんでいた[14]

選挙せんきょ技術ぎじゅつ[編集へんしゅう]

NISTは選挙せんきょ支援しえん委員いいんかい技術ぎじゅつガイドライン策定さくてい委員いいんかい共同きょうどうで、選挙せんきょ自動じどうする機械きかいやシステムについてのガイドラインである Voluntary Voting System Guidelines策定さくていした。

SAMATE[編集へんしゅう]

SAMATE (Software Assurance Metrics And Tool Evaluation) はNISTのプロジェクトの1つで、ソフトウェアツールや技法ぎほう効果こうか評価ひょうか測定そくていし、それらの差異さいあきらかにする技法ぎほう開発かいはつソフトウェア品質ひんしつ保証ほしょう改善かいぜんすることを目的もくてきとしている[15]

国家こっかてき脆弱ぜいじゃくせいデータベース(NVD)[編集へんしゅう]

NVDは、セキュリティ・コンテンツ・オートメーション・プロトコル(SCAP)を使用しようして表示ひょうじされた、アメリカ政府せいふによる標準ひょうじゅんてきベースである脆弱ぜいじゃくせい管理かんりデータのリポジトリである。このデータは、脆弱ぜいじゃくせい管理かんり、セキュリティ判定はんてい、コンプライアンスの自動じどう可能かのうにする。NVDには、セキュリティチェックリスト資料しりょう、セキュリティ関連かんれんソフトウェアの欠陥けっかん設定せっていミス、製品せいひんめい、インパクトメトリクスのデータベースがふくまれている[16]

NVDは 2000ねん作成さくせいされた(これは Internet - Categorization of Attacks Toolkit または ICAT とばれている)が、そのなんかえしと改良かいりょうかさね、サービスを提供ていきょうつづけている。NVDは、情報じょうほう技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょコンピュータセキュリティ部門ぶもん製品せいひんであり、国土こくど安全あんぜん保障ほしょうしょう国家こっかサイバーセキュリティ部門ぶもんがスポンサーとなっている[17]

公式こうしき標準時ひょうじゅんじ提供ていきょう[編集へんしゅう]

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく公式こうしき時刻じこく公表こうひょうする任務にんむっている。国立こくりつ標準ひょうじゅん技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ(NIST)に所属しょぞくする「Time and Frequency Division」によって提供ていきょうされている。ウェブサイトに表示ひょうじされている時刻じこく参照さんしょうは、協定きょうてい世界せかいであって、これはNISTで管理かんりされている協定きょうてい世界せかいスケールであるUTC(NIST)を使用しようしている。UTC(NIST)は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける周波数しゅうはすう時間じかん間隔かんかく時間じかんたい国家こっかてき標準ひょうじゅんとして機能きのうしている[18]

著名ちょめいじん[編集へんしゅう]

NISTの研究けんきゅうしゃノーベル物理ぶつりがくしょう獲得かくとくしたひと以下いかとおりである。

また、ダニエル・シェヒトマンは、1982ねんから84ねんにかけてNISTでおこなった研究けんきゅうもととなってノーベル化学かがくしょう(2011ねん)を受賞じゅしょうした。つぎのような研究けんきゅうしゃられている。

歴代れきだい所長しょちょう[編集へんしゅう]

NISTの所長しょちょう大統領だいとうりょう指名しめいし、上院じょういん助言じょげん同意どうい任命にんめいする。これまで15にん所長しょちょうつとめている(うち3にん後任こうにんまるまでの代理だいり)。

  • Samuel W. Stratton, 1901ねん-1922ねん
  • George K. Burgess, 1923ねん-1932ねん
  • Lyman J. Briggs, 1932ねん-1945ねん
  • Edward U. Condon, 1945ねん-1951ねん
  • Allen V. Astin, 1951ねん-1969ねん
  • Lewis M. Branscomb, 1969ねん-1972ねん
  • Richard W. Roberts, 1973ねん-1975ねん
  • Ernest Ambler, 1975ねん-1989ねん
  • John W. Lyons, 1990ねん-1993ねん
  • Arati Prabhakar, 1993ねん-1997ねん
  • Raymond G. Kammer, 1997ねん-2000ねん
  • Karen Brown(代理だいり), 2000ねん-2001ねん
  • Arden L. Bement Jr., 2001ねん-2004ねん
  • Hratch Semerjian(代理だいり), 2004ねん - 2005ねん
  • William Jeffrey, 2005ねん-2007ねん
  • James Turner(代理だいり), 2007ねん-2008ねん
  • Patrick D. Gallagher, 2008ねん-現在げんざい

NBS時代じだい局長きょくちょう Allen V. Astin は俳優はいゆうジョン・アスティンちちであり、おなじく俳優はいゆうショーン・アスティン祖父そふである。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b NIST General Information” (英語えいご). NIST. 2013ねん10がつ28にち閲覧えつらん
  2. ^ NIST Budget, Planning and Economic Studies” (英語えいご). National Institute of Standards and Technology (2010ねん10がつ5にち). 2010ねん10がつ6にち閲覧えつらん
  3. ^ NBS special publication 447”. 2011ねん9がつ28にち閲覧えつらん
  4. ^ a b Records of the National Institute of Standards and Technology (NIST), (Record Group 167), 1830-1987.”. National Archives website. 2012ねん6がつ1にち閲覧えつらん
  5. ^ From NBS to NIST”. NIST at 100: Foundations for Progress. NIST (2000ねん11月1にち). 2013ねん10がつ28にち閲覧えつらん
  6. ^ The Space Age”. NIST at 100: Foundations for Progress. NIST (2000ねん11月2にち). 2013ねん10がつ28にち閲覧えつらん
  7. ^ NIST history page 41-Retrieved 2011-09-28
  8. ^ International standards: page 22; -Retrieved 2011-09-28
  9. ^ NIST Strengthens Laboratory Mission Focus with New Structure
  10. ^ NIST Laboratories. National Institute of Standards and Technology. Retrieved on October 6, 2010.
  11. ^ Handbook 44- "Forward; page 5" Retrieved: 2011-09-28
  12. ^ 100th Congress (1988) (1988ねん6がつ16にち). “H.R. 4848”. Legislation. GovTrack.us. 2011ねん9がつ28にち閲覧えつらん。 “Omnibus Trade and Competitiveness Act of 1988”
  13. ^ Eric Lipton (2008ねん8がつ22にち). “Fire, Not Explosives, Felled 3rd Tower on 9/11, Report Says”. New York Times. http://www.nytimes.com/2008/08/22/nyregion/22wtccnd.html 
  14. ^ Final Reports of the Federal Building and Fire Investigation of the World Trade Center Disaster”. National Institute of Standards and Technology (2005ねん10がつ). 2012ねん6がつ1にち閲覧えつらん
  15. ^ Introduction to SAMATE National Institute of Standards and Technology. Retrieved on October 12, 2009.
  16. ^ NVD - General”. nvd.nist.gov. 2020ねん4がつ11にち閲覧えつらん
  17. ^ NVD - General”. nvd.nist.gov. 2020ねん4がつ12にち閲覧えつらん
  18. ^ andrew.novick@nist.gov (2019ねん12月23にち). “ABOUT TIME.GOV” (英語えいご). NIST. 2020ねん4がつ11にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]