ブルー blue
16進 しん 表記 ひょうき
#0040FF RGB
(0, 64, 255) HSV
(225°, 100%, 100%)
表示 ひょうじ されている色 いろ は一 いち 例 れい です
青 あお い空 そら
シャウエン の青 あお い建物 たてもの (モロッコ )
青 あお い地球 ちきゅう
青 あお (あお、靑 あお 、蒼 あおい 、碧 あお )は、可視 かし 光 こう のスペクトル色 しょく の紫 むらさき とシアン の間 あいだ にある色 いろ である。主 しゅ 波長 はちょう (英語 えいご 版 ばん ) は約 やく 450〜495 nm。晴 は れた空 そら の色 いろ や海 うみ の色 いろ 、瑠璃 るり のような色 いろ の総称 そうしょう である。寒 さむ い印象 いんしょう を与 あた える色 いろ で、寒色 かんしょく に分類 ぶんるい される。
青 あお は英語 えいご のblue 、外来 がいらい 語 ご のブルー に相当 そうとう する。青色 あおいろ (セイショク、あおいろ)は同義語 どうぎご 。
また、青 あお は光 ひかり の三原色 さんげんしょく のひとつでもある。RGBカラーモデルでは原色 げんしょく であり、CMYKカラーモデルではマゼンタ とシアンの混 こん 色 しょく によって作 つく られる色 いろ である。青 あお はエヴァルト・ヘリング が提唱 ていしょう した反対 はんたい 色 しょく 説 せつ におけるユニーク色相 しきそう のひとつでもあり、心理 しんり 四 よん 原色 げんしょく (赤 あか ・黄 き ・緑 みどり ・青 あお )のひとつでもある。なお、青 あお は黄 き の補色 ほしょく であるとされる。
「あお」は緑色 みどりいろ などの寒色 かんしょく 全体 ぜんたい を指 さ して用 もち いられることがあり、このように青 あお と緑 みどり が明確 めいかく に分節 ぶんせつ されてこなかった言語 げんご は世界 せかい に例 れい が多 おお い。
JIS規格 きかく では基本 きほん 色 しょく 名 めい の一 ひと つ。
ツユクサ の花 はな 青 あお の染料 せんりょう がとれる
青 あお という基本 きほん 色 しょく 名 めい は、その他 た 多 おお くの固有 こゆう 色 しょく 名 めい を総称 そうしょう として含 ふく んでいる。
たとえば、水色 みずいろ (みずいろ)・空色 そらいろ (そらいろ)と呼 よ ばれるような明度 めいど が高 たか く彩 いろどり 度 ど の低 ひく い、淡 あわ い色合 いろあ いのもの、紺色 こんいろ (こんいろ)や藍色 あいいろ (あいいろ)、群青 ぐんじょう 色 しょく (ぐんじょういろ)などの明度 めいど が低 ひく い、濃 こ い色合 いろあ いのものなどが青 あお に含 ふく まれる。空 そら の色 いろ には「空色 そらいろ 」という固有 こゆう 色 しょく 名 めい があるにもかかわらず、「青空 あおぞら 」と呼 よ ぶことなどが良 よ い例 れい である。
現代 げんだい の青 あお に相当 そうとう する色 いろ として、日本 にっぽん では伝統 でんとう 的 てき には藍 あい (あい)や縹 はなだ (はなだ)を用 もち いてきた。
これは、日本 にっぽん において青 あお を表現 ひょうげん するための染料 せんりょう が古来 こらい はツユクサ であり、その色 いろ を花色 はないろ と呼 よ んだことに由来 ゆらい すると思 おも われる。後 のち には染料 せんりょう としてアイ が用 もち いられるようになり、藍 あい や縹 はなだ が青 あお 系統 けいとう の色 いろ を表 あらわ す総称 そうしょう として定着 ていちゃく した。しかし、これらの色 いろ 名 めい も現在 げんざい は基本 きほん 的 てき に青 あお と総称 そうしょう するようになり、藍 あい や縹 はなだ は固有 こゆう 色 しょく 名 めい としての性格 せいかく が強 つよ くなっている。
日本語 にほんご の「青 あお 春 はる 」「青 あお 葉 は 」「青 あお 信号 しんごう 」と同 おな じく、現代 げんだい の中国 ちゅうごく 語 ご でも、「青 あお 」という字 じ は「緑 みどり 」と同義語 どうぎご である[ 1] (青菜 あおな (チンツァイ)、青草 あおくさ (チンツァオ)、青 あお 椒 はじかみ (チンジャオ)など)。そして、ブルーを「藍 あい 」、グリーンを「緑 みどり 」、インディゴを「靛 」と表記 ひょうき して区別 くべつ されるが「青色 あおいろ 」はシアン の意味 いみ 。
用法 ようほう 例 れい :「綠 みどり 燈 ひ (青信号 あおしんごう )」「藍 あい 天 てん (青空 あおぞら )」[ 2] 「蔚藍 あい 的 てき 大海 たいかい (青々 あおあお とした海 うみ )」(例外 れいがい として、「青天 せいてん 」だけは、緑 みどり 空 そら ではなく青空 あおぞら のことを指 さ す)
「あお」と訓 くん じられる漢字 かんじ として蒼 あおい および碧 あお もある。これらもまた総称 そうしょう としての青 あお の範疇 はんちゅう であるが、「青 あお 」よりも固有 こゆう 色 しょく 名 めい としての性格 せいかく が強 つよ い。
蒼 あおい は、干 ほ した青草 あおくさ のような色 いろ 、生気 せいき の無 な い青色 あおいろ を指 さ し、不透明 ふとうめい 、くすんだ青色 あおいろ を意味 いみ する。「蒼蒼 あおあお 」は、あおあおとしたさま、草木 くさき などの茂 しげ るさまを指 さ す[ 3] 。中国 ちゅうごく では、蒼 あお を時々 ときどき 使 つか う場合 ばあい は曇 くも り空 ぞら 、遠山 とおやま のようなくすんだ青色 あおいろ もしくは灰色 はいいろ を指 さ し、例 たと えば"蒼茫 そうぼう 的 てき 天空 てんくう "、"遠山 とおやま 蒼蒼 そうそう "という表現 ひょうげん [ 4] や、アオサギ のように体毛 たいもう が灰色 はいいろ の動物 どうぶつ の名前 なまえ に使 つか われる場合 ばあい がある。この点 てん で「青 あお 」「碧 あお 」「藍 あい 」とは区別 くべつ される。
ウィクショナリーには、蒼 あおい の項目 こうもく があります。
一方 いっぽう 、碧 あお は、青 あお く澄 す んで見 み える石 いし 、青色 あおいろ の美 うつく しい石 いし の意味 いみ があり、碧空 へきくう 、碧海 へきかい などの言葉 ことば もあるように美 うつく しいものを表 あらわ す色 いろ としてよく使 つか われる。青色 あおいろ ないし緑色 みどりいろ を表 あらわ す。また無色 むしょく の奥 おく から浮 う き出 だ す青 あお 緑色 みどりいろ とある[ 5] 。碧 あお は「みどり」とも読 よ む。その場合 ばあい 、「青 あお 」よりもさらに緑色 みどりいろ に近 ちか い色 いろ であることを強調 きょうちょう して用 もち いるケースが多 おお い。色合 いろあ いとしては「青 あお 緑 みどり 」に近 ちか く、「青 あお 」に含 ふく まれるが「蒼 あお 」や「藍 あい 」とは確 たし かに区別 くべつ される。中国 ちゅうごく では、特 とく に玉石 ぎょくせき の色 いろ を指 さ す[ 6] 。また日本 にっぽん でも、色 いろ ではなく宝石 ほうせき を意味 いみ する漢字 かんじ としても使 つか われている。
日本語 にほんご の「あお(あを)」の推測 すいそく の域 いき を出 で るような語源 ごげん は詳 つまび らかでないが、「しろ」(顕 あらわ 色 しょく )・「くろ」(暗色 あんしょく )・「あか」(明色 めいしょく )とともに色 いろ を表 あらわ す語 かたり として古 ふる くから用 もち いられてきたものである。しかし古代 こだい においてこれは、現在 げんざい の青色 あおいろ ・緑色 みどりいろ ・紫色 むらさきいろ ・灰色 はいいろ のような非常 ひじょう に広 ひろ い範囲 はんい の色 いろ を総称 そうしょう して(漠 ばく 色 しょく )用 もち いられていたと考 かんが えられている[ 7] [ 8] 。現代 げんだい でもいくつかの語 かたり にそうした影響 えいきょう が残 のこ っており、特 とく に緑色 みどりいろ をさす「青 あお 」の用法 ようほう は広 ひろ く見 み られる。
また、各地 かくち 方言 ほうげん で「あを」は黄色 おうしょく まで指 さ していたとされ、『大 だい 日本 にっぽん 方言 ほうげん 辞典 じてん 』によれば、青森 あおもり ・新潟 にいがた ・岐阜 ぎふ ・福岡 ふくおか ・沖縄 おきなわ といった地方 ちほう では、青 あお は黄 き も意味 いみ した。
このようなことから、日本語 にほんご の青 あお を表 あらわ す言葉 ことば の色 いろ 度 ど 範囲 はんい は緑 みどり 〜青 あお 緑 みどり 〜青 あお 〜青 あお 紫 むらさき まで幅 はば が広 ひろ いほか、一部 いちぶ 「くろ」(暗色 あんしょく )と重複 じゅうふく する(『青毛 あおげ の馬 うま 』など)。
片山 かたやま 龍 りゅう 峯 みね が考察 こうさつ した一説 いっせつ として、日本語 にほんご のアオは「アフ=会 あ う・合 あ う」、または、その連用形 れんようけい の「アヒ=間 あいだ (隣合 となりあ うの意 い )」と関連 かんれん した語 かたり であり、アイヌ語 ご のアフ(会 かい )の他界 たかい 観 かん とも関連 かんれん するものと捉 とら えられている。龍 りゅう 峯 みね によれば、アオとは黒 くろ と白 しろ の範囲 はんい の中間色 ちゅうかんしょく を意味 いみ する「間 あいだ (アヒ)」からきているとされ(龍 りゅう 峰 ほう はさらに現世 げんせい と他界 たかい の中間 ちゅうかん の意 い についても触 ふ れている)、沖縄 おきなわ でも青 あお はこの「アヒ(間 あいだ )」から派生 はせい した語 かたり であるとしている。したがって、大和 やまと ・アイヌ・琉球 りゅうきゅう における「アオ」の語源 ごげん の流 なが れは同 おな じところから派生 はせい したものと考察 こうさつ している[ 9] 。
光 ひかり の三原色 さんげんしょく 。左 ひだり の円 えん が青 あお (ブルー)
青 あお (Blue) は光 ひかり の三原色 さんげんしょく のひとつで、カラーモニター やウェブサイト 上 うえ で用 もち いられ、赤 あか (Red)・緑 みどり (Green) と共 とも に使 つか われるためRGB と呼 よ ばれる。この場合 ばあい の青 あお はRGB値 ち で表 あらわ すと
(R, G, B) = (0, 0, 255)
で表 あらわ され、ウェブブラウザでBlue と指定 してい したときは、16進数 しんすう を用 もち いて#0000FF として定義 ていぎ される(右 みぎ 図 ず )[ 10] 。色合 いろあ いとしては日本語 にほんご の「青 あお 」からイメージする色合 いろあ いよりもやや紫 むらさき みを帯 お びた濃 こ い青色 あおいろ (群青 ぐんじょう 色 しょく )である。
ウェブカラー としてはさらにLightBlue、MediumBlue、DarkBlueの三 さん 色 しょく が以下 いか のように定義 ていぎ されている[ 10] 。
LightBlue (webcolor )
16進 しん 表記 ひょうき
#ADD8E6
MediumBlue (webcolor )
16進 しん 表記 ひょうき
#0000CD
現在 げんざい の印刷 いんさつ で使 つか われ青 あお はシアンと呼 よ ばれる。プロセスカラー のシアンには最 もっと もよく使 つか われるのは銅 どう フタロシアニンのβ べーた 結晶 けっしょう であるPigment Blue 15:3で、これの分散 ぶんさん 性能 せいのう を高 たか めたものが、Pigment Blue 15:4である。どちらも、銅 どう フタロシアニン青 あお としては緑 みどり 味 あじ である。また、光 ひかり の三原色 さんげんしょく の青 あお に色合 いろあ いが似 に た色 いろ は、シアン とマゼンタ でも作 つく ることができるし、「特色 とくしょく 」として別 べつ の色 いろ を使 つか う方法 ほうほう もある。
JIS の規格 きかく では青 あお およびブルーがそれぞれ定義 ていぎ されている。この両者 りょうしゃ の色 いろ は微妙 びみょう に異 こと なる色 いろ として定義 ていぎ されている。
実際 じっさい の色 いろ の違 ちが いは右 みぎ の表 ひょう を参照 さんしょう 。
国際 こくさい 照明 しょうめい 委員 いいん 会 かい (CIE) はCIE1931RGB表 ひょう 色 しょく 系 けい において、435.8 nm の波長 はちょう の単色 たんしょく 光 こう を青 あお (B) の原 げん 刺激 しげき と定 さだ めた。ただし、原 はら 刺激 しげき の種類 しゅるい は等 とう 色 いろ 実験 じっけん において研究 けんきゅう 者 しゃ が自由 じゆう に定 さだ めることができるものであり、必 かなら ずしも人々 ひとびと がもっとも赤 あか 、緑 みどり 、青 あお に感 かん じる色 いろ 光 こう を選択 せんたく してはいない点 てん に注意 ちゅうい が必要 ひつよう である。G(緑 みどり )の原 げん 刺激 しげき 546.1 nmとB(青 あお )の原 げん 刺激 しげき 435.8 nm は、1931年 ねん 当時 とうじ すでに普及 ふきゅう していた水銀 すいぎん 灯 とう の出 だ す2波長 はちょう であり、分離 ぶんり して入手 にゅうしゅ しやすい明 あか るい光 ひかり であるという理由 りゆう で選択 せんたく されたにすぎない[ 11] 。
藍 あい は太古 たいこ より使用 しよう されており、現在 げんざい でも重要 じゅうよう な色素 しきそ (染料 せんりょう ・顔料 がんりょう )である。現在 げんざい より遥 はる かに高級 こうきゅう であった古来 こらい の絵画 かいが などで、美 うつく しい紫 むらさき 青色 あおいろ を出 だ す顔料 がんりょう には半 はん 貴石 たかいし ラピスラズリ を原料 げんりょう とした顔料 がんりょう を用 もち いた。これは海 うみ の彼方 かなた から運 はこ ばれてきたのでウルトラマリン と呼 よ ばれ珍重 ちんちょう された。その後 ご 科学 かがく が発達 はったつ し合成 ごうせい 色素 しきそ 、合成 ごうせい 顔料 がんりょう が生産 せいさん されるようになった。1704年 ねん にドイツ で作 つく られた紺青 こんじょう (プルシャンブルー)は暗 くら い青色 あおいろ 顔料 がんりょう であり、最初 さいしょ の合成 ごうせい 顔料 がんりょう とされているが、現在 げんざい でも生産 せいさん されている。青色 あおいろ 顔料 がんりょう として現在 げんざい 最 もっと も多用 たよう されるのは、葉緑素 ようりょくそ に似 に た化学 かがく 構造 こうぞう を持 も つフタロシアニン 青 あお であり、銅 どう フタロシアニンであるColour Index Generic Name、Pigment Blue15:3などが上述 じょうじゅつ シアンとして使用 しよう されている。なおプルシャンブルーやフタロシアニン青 あお より明 あか るい青色 あおいろ 顔料 がんりょう としてはコバルト青 あお (アルミン酸 さん コバルト)やセルリアンブルー(錫 すず 酸 さん コバルト)、コバルトクロム青 あお 、コバルト-アルミ-珪素 けいそ 酸化 さんか 物 ぶつ (Oxide Co-Al-Si)、酸化 さんか コバルト-亜鉛 あえん -珪素 けいそ (:Oxide Co-Zn-Si)、マンガン青 あお 、バナジウムジルコニウム青 あお (トルコ青 あお )等 とう がある。
ウルトラマリン青 あお Ultramarine Blue[ 編集 へんしゅう ]
合成 ごうせい ウルトラマリン青 あお
瑠璃 るり (ラピスラズリ)
現在 げんざい より遥 はる かに高級 こうきゅう であった古来 こらい の絵画 かいが などで、鮮烈 せんれつ で深 ふか い青色 あおいろ を出 だ す顔料 がんりょう には半 はん 貴石 たかいし ラピスラズリ を原料 げんりょう とした顔料 がんりょう を用 もち いた。この顔料 がんりょう はウルトラマリン と呼 よ ばれ珍重 ちんちょう された。フランス・イタリアでは海 うみ のかなたから運 はこ ばれてきた青色 あおいろ だったのでフランスでは「blue oltremare」と、イタリアでは「blu oltremare」と呼 よ ばれていた。Colour Index Generic NameはPigment Blue 29である[ 12] 。
人工 じんこう ウルトラマリン青 あお Ultramarine Blue artificial[ 編集 へんしゅう ]
フレンチウルトラマリンとも言 い われる。極 きわ めて高 こう 彩 いろどり 度 ど で、いかなる顔料 がんりょう でもこの色 いろ は再現 さいげん できない。
天然 てんねん ウルトラマリン青 あお Ultramarine Blue natural[ 編集 へんしゅう ]
ラピスラズリの原石 げんせき を精製 せいせい しウルトラマリン(ブルー)の絵具 えのぐ を作 つく る技術 ぎじゅつ は12、13世紀 せいき に発達 はったつ したとされる。
瑠璃 るり (ラピスラズリ)は精製 せいせい せずに用 もち いられたこともあった。
藍 あい 銅鉱 どうこう
アズライト (Azurite) は鉱石 こうせき の藍 あい 銅鉱 どうこう 、つまり塩基 えんき 性 せい 炭酸 たんさん 銅 どう より得 え られる天然 てんねん の青色 あおいろ 顔料 がんりょう である。15世紀 せいき から17世紀 せいき 中 ちゅう ごろにかけてヨーロッパ絵画 かいが で、最 もっと も重要 じゅうよう な顔料 がんりょう であったことは疑 うたが いがない[ 13] 。緑色 みどりいろ の塩基 えんき 性 せい 炭酸 たんさん 銅 どう であるマラカイト と共存 きょうぞん していることがよくある。他 た の鉱物 こうぶつ 性 せい 顔料 がんりょう と同様 どうよう 、粉砕 ふんさい したものをよく選別 せんべつ した後 のち 、水洗 すいせん 、挽 ひ いて粉 こな にし、水 みず 簸 ひ (すいひ)して製品 せいひん とする。細 こま かく挽 ひ くと淡色 たんしょく になり着色 ちゃくしょく 力 りょく も弱 よわ いので、かなり荒 すさ めに引 ひ く。粗 あら 粒 つぶ のアズライトは紫 むらさき 青色 あおいろ をしている。絵画 かいが におけるアズライトの変色 へんしょく は、ニスによる見 み かけ上 じょう の場合 ばあい が多 おお い。変色 へんしょく はこの顔料 がんりょう は吸水 きゅうすい してマラカイトができることがある。熱 ねつ と温 ゆたか アルカリで黒 くろ 変 へん 、酸 さん に対 たい しては、酢酸 さくさん であっても溶解 ようかい する。ただし、普通 ふつう は安定 あんてい している。Colour Index Generic NameはPigment Blue 30である[ 12] 。
紺青 こんじょう は1704年 ねん にドイツ で作 つく られた青色 あおいろ 顔料 がんりょう であり、最初 さいしょ の合成 ごうせい 顔料 がんりょう とされているが、現在 げんざい でも生産 せいさん されている。通常 つうじょう 、紺青 こんじょう と言 い えばプルシアンブルーのことである。鉄 てつ 青 あお [ 14] 、アイロンブルー(Iron Blue)[ 14] 、プロシア青 あお などとも呼 よ ぶ。Colour Index Generic NameはPigment Blue 27である[ 12] 。
青色 あおいろ 複 ふく 合 あい 酸化 さんか 物 ぶつ 顔料 がんりょう [ 編集 へんしゅう ]
アルミ-コバルト 酸化 さんか 物 ぶつ 、アルミ-亜鉛 あえん -コバルト 酸化 さんか 物 ぶつ 、硅素 けいそ -コバルト 酸化 さんか 物 ぶつ 、硅素 けいそ -亜鉛 あえん -コバルト 酸化 さんか 物 ぶつ などは、顔料 がんりょう として使用 しよう される。これらは青色 あおいろ を呈 てい する複 ふく 合 あい 酸化 さんか 物 ぶつ 顔料 がんりょう である。複 ふく 合 あい 酸化 さんか 物 ぶつ 顔料 がんりょう (mixed metal oxide pigment) とは、複数 ふくすう の金属 きんぞく 酸化 さんか 物 ぶつ を混合 こんごう し、1000℃以上 いじょう の高温 こうおん で焼成 しょうせい した顔料 がんりょう である。複 ふく 合 あい 酸化 さんか 物 ぶつ 顔料 がんりょう は着色 ちゃくしょく 力 りょく が小 ちい さいものの、耐 たい 熱性 ねっせい 、耐 たい 候 こう 性 せい に優 すぐ れる。セラミックや耐 たい 熱 ねつ 塗料 とりょう に使用 しよう される。焼成 しょうせい 顔料 がんりょう (calcination pigment) とも呼 よ ばれる[ 15] 。
スマルト、コバルト青 あお (アルミ酸 さん コバルト)、錫 すず 酸 さん コバルト、コバルトクロム青 あお 、コバルト-アルミ-珪素 けいそ 酸化 さんか 物 ぶつ 、コバルト-亜鉛 あえん -珪素 けいそ 酸化 さんか 物 ぶつ などがある。
スマルトは最古 さいこ のコバルト 系 けい 顔料 がんりょう である。ガラス質 しつ の人工 じんこう 顔料 がんりょう で酸化 さんか コバルトを用 もち い濃 こ く着色 ちゃくしょく した珪酸 けいさん ガラスを粉砕 ふんさい したものである。Colour Index Generic NameはPigment Blue 32である[ 12] 。
コバルト青 あお はアルミ酸 さん コバルトであり、絵画 かいが 用 よう としては1800年代 ねんだい の中 なか ごろから好 この んでよく使用 しよう されるようになった。絵画 かいが 用 よう としては、含水酸化 すいさんか クロムの絵具 えのぐ などと混 こん 合 ごう し用 もち いられ、コバルトクロム緑 みどり などより美 うつく しい緑 みどり を作 つく る。一般 いっぱん 的 てき には酸化 さんか コバルト1に対 たい し、酸化 さんか アルミニウム4-6というものが多 おお く、コバルト含有 がんゆう 率 りつ はそれ程 ほど 高 たか くない。Colour Index Generic NameはPigment Blue 28である[ 12] 。
錫 すず 酸 さん コバルトを、ラウニー商会 しょうかい が油絵具 あぶらえのぐ 等 とう に用 もち いたのは、1860年代 ねんだい になってのことである。そのときの名称 めいしょう が「セルリアン」であり、現在 げんざい でもラウニーは「セルリアン」の名称 めいしょう で販売 はんばい している。錫 すず 酸 さん コバルトは透過 とうか 光 こう では緑青 ろくしょう 色 しょく になる特異 とくい な色合 いろあ いの青色 あおいろ 顔料 がんりょう である。英語 えいご のceruleanは「青空 あおぞら 色 しょく 」を意味 いみ する[ 16] 。Colour Index Generic NameはPigment Blue 35である[ 12] 。
コバルトクロム青 あお Cobalt Chromium Blue[ 編集 へんしゅう ]
コバルトとクロムを含 ふく む酸化 さんか 物 ぶつ 固 かた 熔体で、堅牢 けんろう 性 せい は極 きわ めて高 たか く、絵画 かいが 技法 ぎほう をはじめ、耐 たい 熱性 ねっせい を要求 ようきゅう される分野 ぶんや 、例 たと えば窯業 ようぎょう に至 いた る広 ひろ い用途 ようと を持 も っている。コバルトクロム緑 みどり の変種 へんしゅ でクロム含有 がんゆう 量 りょう が少 すく ないもの。Colour Index Generic NameはPigment Blue 36である[ 12] 。
ケイ酸 けいさん コバルト亜鉛 あえん 青 あお Cobalt Zinc Silicate Blue[ 編集 へんしゅう ]
ケイ酸 けいさん コバルト亜鉛 あえん 青 あお は、コバルト-亜鉛 あえん -珪素 けいそ 酸化 さんか 物 ぶつ である。紫 むらさき 青色 あおいろ の顔料 がんりょう で隠蔽 いんぺい 力 りょく は高 たか くない。重要 じゅうよう な用途 ようと は現在 げんざい のところ存在 そんざい しないが、絵具 えのぐ における濃 こ 色 しょく コバルト青 あお を代替 だいたい している傾向 けいこう にあり、「コバルトブルー ディープ」の名 な で顔料 がんりょう や絵具 えのぐ として流通 りゅうつう している。Colour Index Generic NameはPigment Blue 74である[ 12] 。
アルミ-珪素 けいそ -コバルト 酸化 さんか 物 ぶつ を参照 さんしょう 。紺青 こんじょう と呼 よ ばれる。
マンガン青 あお は極 きわ めて赤 あか 味 あじ の少 すく ない青色 あおいろ 顔料 がんりょう である。1930年代 ねんだい から工業 こうぎょう 的 てき に製造 せいぞう されるようになった。特異 とくい な色相 しきそう を持 も ち、現在 げんざい でも他 た の顔料 がんりょう ・染料 せんりょう で代替 だいたい できない色合 いろあ いをしている。環境 かんきょう 配慮 はいりょ のために現在 げんざい 製造 せいぞう されていない。Colour Index Generic NameはPigment Blue 33である[ 12] 。
青色 あおいろ 有機 ゆうき 顔料 がんりょう 及 およ び青色 あおいろ 染料 せんりょう [ 編集 へんしゅう ]
青色 あおいろ を呈 てい 色 しょく する有機 ゆうき 顔料 がんりょう をここでは、青色 あおいろ 有機 ゆうき 顔料 がんりょう と総称 そうしょう する。インディゴ 、フタロシアニン 以外 いがい に、アントラキノン 系 けい の青色 あおいろ 顔料 がんりょう であるインダンスレンブルー (Pigment Blue 60[ 12] 、Pigment Blue 64)、印刷 いんさつ などに使用 しよう されるアルカリブルー などがある。インディゴ、インダンスレンブルーは建 けん 染 しみ 染料 せんりょう である。
インディゴ
藍 あい は植物 しょくぶつ である藍 あい から取 と れる青 あお 藍 あい の色 いろ 料 りょう である。現在 げんざい では合成 ごうせい 藍 あい が存在 そんざい し組成 そせい は同 おな じである。ただし、植物 しょくぶつ である藍 あい は微量 びりょう ながら赤 あか 紫 むらさき の染料 せんりょう も含 ふく んでいる。これを集 あつ めて赤 あか 紫 むらさき に染色 せんしょく することも不可能 ふかのう ではないが合理 ごうり 的 てき でない。藍 あい は染料 せんりょう として認知 にんち され染色 せんしょく に使用 しよう されるが、顔料 がんりょう であり、体質 たいしつ 顔料 がんりょう に定着 ていちゃく させる等 とう の処理 しょり をせずに顔料 がんりょう として使用 しよう される。Colour Index Generic NameはPigment Blue 66、Vat Blue 1及 およ びNatural Blue 1である[ 12] 。
フタロシアニンの銅 どう 錯体 さくたい
青色 あおいろ 顔料 がんりょう として現在 げんざい 最 もっと も多用 たよう されるのは、葉緑素 ようりょくそ に似 に た化学 かがく 構造 こうぞう を持 も つフタロシアニン である。1933年 ねん 、ICI (インペリアル ケミカル インダストリーズ)社 しゃ のリンステッドたちがフタロシアニンと命名 めいめい 、1935年 ねん に工業 こうぎょう 化 か され、モナストラルブルーの名 な で商品 しょうひん 顔料 がんりょう になった。アメリカでは、1936年 ねん に別 べつ の名 な で取引 とりひき が始 はじ まる。鮮明 せんめい で着色 ちゃくしょく 力 りょく が非常 ひじょう に強 つよ く、プロシア青 あお の倍 ばい 程 ほど の着色 ちゃくしょく 力 りょく がある。濃 こ 色 しょく では赤 あか 味 あじ が強 つよ いが淡色 たんしょく では赤 あか 味 あじ が減 げん じる。有機 ゆうき 溶剤 ようざい には溶解 ようかい しない。濃 こ 硫酸 りゅうさん 塩酸 えんさん 以外 いがい の酸 さん 、アルカリには溶解 ようかい しない。酸化 さんか 剤 ざい 、還元 かんげん 剤 ざい にも耐 たい 性 せい がある。赤 あか と黄 き の光 ひかり を殆 ほとん ど吸収 きゅうしゅう し緑 ろく と青 あお の光 ひかり を反射 はんしゃ するので、三 さん 色 しょく 印刷 いんさつ に求 もと められる、理想 りそう 的 てき な純粋 じゅんすい の青 あお に極 きわ めて近 ちか いものになる。絵具 えのぐ として商品 しょうひん 化 か されたのは1936年 ねん に商品 しょうひん 化 か されたすぐ後 ご である。フタロシアニン 青 あお である銅 どう フタロシアニン Colour Index Generic Name Pigment Blue15:3などが印刷 いんさつ 以外 いがい でも、色 いろ の三原色 さんげんしょく のひとつという認識 にんしき の下 した 使 つか われることがある。Colour Index Generic Nameには銅 どう フタロシアニンのPigment Blue 15[ 12] 、無 む 金属 きんぞく フタロシアニンのPigment Blue 16[ 12] 、銅 どう フタロシアニンのPigment Blue 76等 とう が記載 きさい されている[ 12] 。他 ほか にもアルミニウムフタロシアニン等 とう 様々 さまざま ある。銅 どう フタロシアニンも無 む 金属 きんぞく フタロシアニンも良 よ く用 もち いられる。
フタロシアニンのベンゼン 環 たまき にスルホン 基 もと を導入 どうにゅう して可溶性 かようせい 色素 しきそ (染料 せんりょう )とし、金属 きんぞく 塩 しお を用 もち いてレーキ化 か したものは、鮮明 せんめい で安価 あんか なので学童 がくどう 用 よう に用 もち いられることがある。しかし、耐 たい 光 こう 性 せい に劣 おと り、油絵具 あぶらえのぐ 化 か するとブリード(滲出 しんしゅつ )する。
フタロシアニン緑 みどり はフタロシアニン青 あお に続 つづ いて開発 かいはつ され、塩素 えんそ 化 か 銅 どう フタロシアニンは1838年 ねん に商品 しょうひん 化 か された。Colour Index Generic NameにはPigment Green 7[ 17] 、臭素 しゅうそ 化 か 塩素 えんそ 化 か フタロシアニンのPigment Green 36[ 17] 、臭素 しゅうそ 化 か 塩素 えんそ 化 か 亜鉛 あえん フタロシアニンのPigment Green 58が記載 きさい されている。液晶 えきしょう テレビ を含 ふく む液晶 えきしょう ディスプレイ のカラーフィルタ の緑 みどり には、構成 こうせい 要素 ようそ としてPigment Green 36が使 つか われている。
パイエンネ湖 こ の日 ひ 入 い りの空 そら と水面 すいめん 。青 あお が散乱 さんらん された結果 けっか 、夕焼 ゆうや けは赤 あか みを帯 お びる。斜 なな めから見 み た水面 すいめん は空 そら の色 いろ を映 うつ し出 だ してその色合 いろあ いを変 か える。
スクーバダイビング中 ちゅう に海面 かいめん を見上 みあ げると見 み えるディープブルー(タイのSimilanにて)
オスのクジャクの羽 はね 。イリデッセンスにより角度 かくど によって色 いろ が変化 へんか する。
人々 ひとびと が自然 しぜん の中 なか で最 もっと も身近 みぢか に接 せっ する晴 は れた空 そら の青色 あおいろ は、光 ひかり の波長 はちょう より小 ちい さな空気 くうき 分子 ぶんし が短 みじか い波長 はちょう をより多 おお く散乱 さんらん するレイリー散乱 さんらん によるものである。日 にち 中 ちゅう は太陽 たいよう の光 ひかり のうち波長 はちょう の短 みじか い青色 あおいろ が多 おお く散乱 さんらん されてわれわれの目 め に届 とど くため青 あお く見 み える[ 18] 。この青空 あおぞら の色 いろ の原因 げんいん については、それがあまりに日常 にちじょう 的 てき であったため古代 こだい にはあまり注目 ちゅうもく されてこなかった。それが説明 せつめい されるべきものと考 かんが えられるようになったのはルネサンス 以降 いこう である[ 19] 。
晴 は れた日 ひ に海 うみ など屋外 おくがい の水面 すいめん を斜 なな めから見 み たときそれらは青 あお く見 み え、通常 つうじょう 海 うみ は青 あお いものと思 おも われている。こうして目 め にする青 あお さのほとんどは、青空 あおぞら が映 うつ っているからであり、他 た の状況 じょうきょう では海 うみ はさまざまな色 いろ を呈 てい する。ただし、水 みず は長波 ちょうは 長 ちょう の可視 かし 光 こう をより多 おお く吸収 きゅうしゅう するので、海中 かいちゅう で物 もの は青 あお っぽく見 み え、また、海中 かいちゅう の浮遊 ふゆう 物 ぶつ や、ある程度 ていど の深 ふか さのあるサンゴ礁 さんごしょう のような明 あか るい海底 かいてい に当 あ たって反射 はんしゃ してきた光 ひかり もそれそのものが青 あお く見 み える[ 20] 。
花 はな の色素 しきそ としては青色 あおいろ は比較的 ひかくてき まれである。とくにカーネーション やバラ などにおいては交配 こうはい によって青 あお い花 はな を咲 さ かせる品種 ひんしゅ を作 つく り出 だ すことが困難 こんなん であり、近年 きんねん では遺伝子 いでんし 操作 そうさ によって作 つく り出 だ そうとする研究 けんきゅう が行 おこな われている。青 あお いバラ については、不可能 ふかのう ・幻 まぼろし を表 あらわ す代名詞 だいめいし ともなっている[ 21] 。ちなみに、花色 はないろ という色 いろ 名 めい は青色 あおいろ の一種 いっしゅ であるが、これはツユクサ の花 はな の色 いろ とされる。
鳥 とり の羽 はね の鮮 あざ やかな色 いろ は様々 さまざま な方法 ほうほう で作 つく り出 だ されているが、青色 あおいろ の場合 ばあい は青空 あおぞら と同 おな じように選択 せんたく 的 てき な散乱 さんらん を用 もち いていることが多 おお い。ただしクジャク の羽 はね はチョウ と同 おな じく光 ひかり の干渉 かんしょう をもちいたイリデッセンス による色 いろ である[ 22] 。色 いろ 名 めい の孔雀 くじゃく 青 あお は緑 みどり がかった青色 あおいろ を意味 いみ するが、実際 じっさい のクジャクの羽 はね は光線 こうせん の状態 じょうたい や角度 かくど により様々 さまざま に輝 かがや きを変 か える。
月 つき は極 きわ めてまれに青 あお みがかって見 み えることがある。過去 かこ に大 だい 規模 きぼ な森林 しんりん 火災 かさい や火山 かざん 噴火 ふんか で上空 じょうくう にチリが巻 ま き上 あ げられたときに観測 かんそく されており、1μ みゅー m程度 ていど のチリが赤 あか や黄色 おうしょく の長波 ちょうは 長 ちょう の光 ひかり を多 おお く散乱 さんらん するために起 お こる。火星 かせい の夕焼 ゆうや けも同様 どうよう の理由 りゆう で青 あお い。こうしたことから、英語 えいご でブルームーン (blue moon) は極 きわ めてまれなことを意味 いみ することになった。なお、誤解 ごかい からひと月 がつ に2度目 どめ の満月 まんげつ も実際 じっさい の色 いろ にかかわりなくブルームーンとよばれる。
青色 あおいろ が寒色 かんしょく であるというイメージとは裏腹 うらはら に、オリオン座 ざ β べーた 星 ほし ・リゲル など青 あお みがかって見 み える星 ほし は、通常 つうじょう 、他 た の星 ほし より温度 おんど が高 たか く質量 しつりょう が大 おお きな若 わか い青色 あおいろ 超 ちょう 巨星 きょせい や青色 あおいろ 巨星 きょせい である。寿命 じゅみょう は数 すう 千 せん 万 まん 年 ねん かそれ以下 いか と短 みじか く、われわれの太陽 たいよう のようなより長 なが い寿命 じゅみょう の星 ほし からみれば、ひと時 じ だけ激 はげ しく輝 かがや いて去 さ っていく星 ほし である。最後 さいご には超新星 ちょうしんせい 爆発 ばくはつ を起 お こして中性子星 ちゅうせいしせい やブラックホール になると考 かんが えられている。リゲル同様 どうよう 青白 あおじろ く輝 かがや くおおいぬ座 ざ α あるふぁ 星 ほし ・シリウス は超 ちょう 巨星 きょせい や巨星 きょせい ではなく主 しゅ 系列 けいれつ 星 ぼし だがやはり表面 ひょうめん 温度 おんど は高温 こうおん で、その青白 あおじろ い輝 かがや きから「青 あお 星 ぼし 」という和名 わみょう を持 も つ。また炎 ほのお でも、比較的 ひかくてき 温度 おんど の高 たか い(酸素 さんそ 供給 きょうきゅう 量 りょう が多 おお い)ほうが青 あお く見 み える。
食物 しょくもつ の色 いろ としての青 あお については、着色 ちゃくしょく 料 りょう でチョコレートやこんぺいとうなどの菓子 かし を青 あお く着色 ちゃくしょく することはあるが、自然 しぜん 界 かい に存在 そんざい するものとしては青 あお 魚 ぎょ ぐらいしかなく、青 あお 野菜 やさい は緑色 みどりいろ である。
ペルガモン博物館 はくぶつかん に復元 ふくげん されているバビロンのイシュタル門 もん (前 ぜん 6世紀 せいき )
ジョット 『ラザロの復活 ふっかつ 』。14世紀 せいき ジョットにおいて初 はじ めて空 そら が青 あお く彩色 さいしき された。それまでは主 おも に金色 きんいろ が用 もち いられていた。
洋 よう の東西 とうざい を問 と わず古代 こだい には青色 あおいろ は日常 にちじょう と異 こと なった別世界 べっせかい の色 いろ とされる傾向 けいこう があり、日常 にちじょう の世界 せかい では重要 じゅうよう な役割 やくわり を果 は たさないか、ときに死体 したい の色 いろ を連想 れんそう させることなどから忌避 きひ される色 いろ でもあった[ 23] 。石器 せっき 時代 じだい を通 つう じ、青 あお は作 つく り出 だ すことも難 むずか しく、青 あお く染色 せんしょく されるものはほとんどなかった。黒 くろ に対 たい し、明 あか るさを担 にな う白 しろ 、鮮 あざ やかさを担 にな う赤 あか という多 おお くの古代 こだい 社会 しゃかい での3つの基本 きほん 色 しょく に対 たい し、青 あお は象徴 しょうちょう 的 てき 意味 いみ の弱 よわ いその他 た の色 いろ に甘 あま んじ、色 いろ の分類 ぶんるい 的 てき 機能 きのう に加 くわ わることも少 すく なかった[ 24] 。ヨーロッパではこうした傾向 けいこう は12世紀 せいき ごろまで続 つづ いた。
古代 こだい ギリシャ では色相 しきそう を積極 せっきょく 的 てき に表 あらわ す語彙 ごい そのものが少 すく なかった。青色 あおいろ を表 あらわ すためには2つの言葉 ことば 、キュアノス (kyanos, κυανός ) とグラウコス (glaukos, γλαύκος ) が用 もち いられたがその意味 いみ は曖昧 あいまい である。前者 ぜんしゃ のキュアノスはシアン (cyan) の語源 ごげん でラピスラズリ の深 ふか い青色 あおいろ をさして用 もち いられたものの、むしろ明度 めいど の低 ひく い暗 くら さを意味 いみ し、黒色 こくしょく 、紫色 むらさきいろ 、茶色 ちゃいろ をも表 あらわ した[ 25] 。ホメロス はその深 ふか みを神秘 しんぴ 的 てき なものや、恐 おそ ろしげなもの、または珍 めずら しいものを形容 けいよう するのに好 この んで使用 しよう している[ 26] [ 27] 。一方 いっぽう 、グラウコスは瞳 ひとみ や海 うみ の形容 けいよう として用 もち いられたが、青色 あおいろ 、緑色 みどりいろ 、灰色 はいいろ 、ときに黄色 おうしょく や茶色 ちゃいろ をも表 あらわ し、むしろ彩 いろどり 度 ど の低 ひく さを意味 いみ していた[ 28] 。緑内障 りょくないしょう を表 あらわ す英語 えいご グローコーマ (glaucoma) の語源 ごげん はこのグラウコスであり、多 おお くの場合 ばあい 、失明 しつめい の危機 きき をもたらす緑内障 りょくないしょう などの疾患 しっかん をわずらったくすんだ瞳 ひとみ の色 いろ を表 あらわ すのに用 もち いられている[ 29] 。
古代 こだい ローマ でも青 あお はあまり注目 ちゅうもく されず、青 あお とされるラテン語 らてんご のカエルレウス (caeruleus) はむしろ蝋 ろう の色 いろ 、あるいは緑色 みどりいろ 、黒色 こくしょく を表 あらわ していた[ 30] 。ローマでは青 あお は喪服 もふく の色 いろ であり、何 なに よりケルト人 じん やゲルマン人 じん などの野蛮 やばん さを象徴 しょうちょう する憎 にく むべき、もしくは回避 かいひ すべき色 いろ であった。例 たと えば、青 あお い瞳 ひとみ を持 も つことは醜 みにく さのひとつのようにみなされ、タキトゥス は青 あお く体 からだ を染 そ めたブリトン人 じん の軍隊 ぐんたい を「幽霊 ゆうれい の軍隊 ぐんたい 」と呼 よ び[ 31] 、大 だい プリニウス はブリトン人 じん の女性 じょせい が体 からだ を青 あお く染 そ め忌 い まわしい儀式 ぎしき を行 おこな うと主張 しゅちょう した[ 32] 。古代 こだい ギリシャ、古代 こだい ローマとも虹 にじ の色 いろ をさまざまに分類 ぶんるい したがそこに青 あお が加 くわ えられることはなかった[ 33] 。
中国 ちゅうごく でも青 あお は人 ひと のものではないという意味合 いみあ いがあった。道教 どうきょう であの世 よ とこの世 よ を結 むす ぶ門 もん であるとされる中国 ちゅうごく 豊 ゆたか 都 と 鬼城 きじょう の門 もん は青色 あおいろ に塗 ぬ られており、手 て を触 ふ れると死期 しき が近 ちか づくされる[ 34] 。
他 た の民族 みんぞく では、藍 あい で青 あお く染 そ めることが行 おこな われ、青 あお ないし緑 ろく は神秘 しんぴ さや異 い 世界 せかい の色 いろ を表 あらわ しもした。中東 ちゅうとう やエジプトでは魔除 まよけ けの色 いろ であり、また死者 ししゃ を守 まも る葬儀 そうぎ や死 し と結 むす びついた色 いろ でもあった[ 35] 。バビロン のイシュタル門 もん は青 あお い彩 いろどり 釉煉瓦 れんが で彩 いろど られ、インド のカーリダーサ はシヴァ神 しん の肌 はだ の色 いろ を青 あお と表 あらわ した[ 36] 。『旧約 きゅうやく 聖書 せいしょ 』では翻訳 ほんやく による色彩 しきさい 用語 ようご の変遷 へんせん が大 おお きいものの[ 37] 、神 かみ の足元 あしもと もしくは玉座 ぎょくざ には青 あお いサファイア があった[ 38] [ 39] 。
その後 ご 、ヨーロッパ では12世紀 せいき に青 あお はそれまでの控 ひか えめな地位 ちい を捨 す て、数 すう 十 じゅう 年 ねん のうちに最 もっと も美 うつく しい色 いろ だとされるまでになる大 だい 変化 へんか を遂 と げた。この時期 じき 、絵画 かいが の中 なか の聖母 せいぼ マリア の服装 ふくそう は喪 も に服 ふく す暗 くら い青 あお や黒 くろ から明 あか るい青 あお へと変化 へんか し、マリア崇敬 すうけい とともに青 あお の地位 ちい も向上 こうじょう していくことになった[ 40] 。
^ 漢 かん 典 てん -青 あお の解釈 かいしゃく (中国 ちゅうごく 語 ご )
^ 漢 かん 典 てん -藍 あい の解釈 かいしゃく (中国 ちゅうごく 語 ご )
^ 新村 しんむら 出 いずる 編 へん 『広辞苑 こうじえん 』(第 だい 五 ご 版 はん )岩波書店 いわなみしょてん 、1998年 ねん 11月。ISBN 978-4000801126 。
^ 漢 かん 典 てん -蒼 あお の解釈 かいしゃく (中国 ちゅうごく 語 ご )
^ 大辞泉 だいじせん :碧 あお
^ 漢 かん 典 てん -碧 あお の解釈 かいしゃく (中国 ちゅうごく 語 ご )
^ 『日本 にっぽん 国語 こくご 大 だい 辞典 じてん 』(第 だい 二 に 版 はん )小学 しょうがく 館 かん 。 「青 あお 」の項 こう
^ “青色 あおいろ あれこれ ”. 綺 あやぎぬ 陽 ひ 会 かい 、色彩 しきさい と色目 いろめ . 2011年 ねん 9月 がつ 10日 とおか 閲覧 えつらん 。
^ 『東北 とうほく 学 がく Vol.6 [総 そう 特集 とくしゅう ] <南 みなみ >の精神 せいしん 史 し 』 東北 とうほく 文化 ぶんか 研究 けんきゅう センター 責任 せきにん 編集 へんしゅう 赤坂 あかさか 憲雄 のりお 作品社 さくひんしゃ 2002年 ねん ISBN 4-87893-471-9 pp.230 - 231
^ a b “CSS Color Module Level 3 ” (英語 えいご ). World Wide Web Consortium (2022年 ねん 1月 がつ 18日 にち ). 2024年 ねん 11月8日 にち 閲覧 えつらん 。
^ 池田 いけだ 光男 みつお 『色彩 しきさい 工学 こうがく の基礎 きそ 』朝倉書店 あさくらしょてん 、1980年 ねん 、55-56頁 ぺーじ 。ISBN 9784254210125 。
^ a b c d e f g h i j k l m n The Color of Art Pigment Database: Pigment Blue, PB
^ 『絵画 かいが 材料 ざいりょう 事典 じてん 』 ラザフォード・J・ゲッテンス・ジョージ・L・スタウト著 ちょ 森田 もりた 恒 ひさし 之 これ 訳 やく 美術 びじゅつ 出版 しゅっぱん 社 しゃ 1999/6 ISBN 4254252439
^ a b 『絵具 えのぐ 及 およ び顔料 がんりょう 』桑原 くわばら 利秀 としひで 安藤 あんどう 徳夫 のりお 共著 きょうちょ 共立 きょうりつ 図書 としょ
^ 『有機 ゆうき 顔料 がんりょう ハンドブック』 橋本 はしもと 勲 いさお カラーオフィス 2006.5
^ 『ジーニアス英和 えいわ 辞典 じてん 』 小西 こにし 友 とも 七 なな ,南出 みなみで 康世 やすよ (編集 へんしゅう ) 大修館書店 たいしゅうかんしょてん 第 だい 3版 はん 2001/11 ISBN 4469041580 ISBN 978-4469041583
^ a b The Color of Art Pigment Database: Pigment Green, PG
^ “空 そら はどうして青 あお く、夕焼 ゆうや けはどうして赤 あか いのですか? ”. キリヤ化学 かがく 、色 いろ と化学 かがく についてのQ&A . 2010年 ねん 1月 がつ 7日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Pesic, chs.1–2.
^ “海 うみ が青 あお く見 み えるのはなぜですか? ”. キリヤ化学 かがく 、色 いろ と化学 かがく についてのQ&A . 2009年 ねん 12月28日 にち 閲覧 えつらん 。
^ 最 さい 相 あい 葉月 はづき 『青 あお いバラ』小学 しょうがく 館 かん 。
^ “孔雀 くじゃく の羽 はね の色 いろ も色素 しきそ の色 いろ ですか? ”. キリヤ化学 かがく 、色 いろ と化学 かがく についてのQ&A . 2010年 ねん 1月 がつ 7日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Pesic, p.3f.
^ パストゥロー、pp.10.12ff.
^ パストゥロー、pp.23ff.
^ Pesic, p.8.
^ 例 たと えば、ホメロス 著 ちょ 、松平 まつだいら 千秋 ちあき 訳 やく 『イリアス』〈岩波 いわなみ 文庫 ぶんこ 〉1992年 ねん 、上巻 じょうかん p.334(アキレウスの恐 おそ ろしげな武具 ぶぐ ), p.360(ネストルの美 うつく しい四 よん 脚 きゃく 机 つくえ ), 下巻 げかん p.118(トロイエ船 せん の黒雲 くろくも のような大軍 たいぐん ), p.269(内臓 ないぞう を貫 つらぬ かれた戦士 せんし を襲 おそ う死 し の黒雲 くろくも )頁 ぺーじ 。
^ パストゥロー、p.23.
^ “The Meaning of Glaukos ”. Dienekes' Anthropology Blog (2003年 ねん 5月 がつ 8日 にち ). 2009年 ねん 12月28日 にち 閲覧 えつらん 。 特 とく にそこで引用 いんよう されている Maxwell-Stuart, P.G. (1981). Studies in Greek Colour Terminology . 1 . Leiden: Brill
^ パストゥロー、p.24f.
^ Pesic, p.4.
^ パストゥロー、p.26.
^ パストゥロー、p.28ff.
^ Pesic p.3f.
^ パストゥロー、p.14f.p.22.
^ The Origin of the Young God: Kalidasa's Kumarasambhava . Berkeley: University of California Press. (1985)
^ パストゥロー、pp.16ff,19ff.
^ Pesic. p.25.
^ 『旧約 きゅうやく 聖書 せいしょ 』出 いずる エジプト記 き 24:10, エゼキエル書 しょ 1:26.
^ パストゥロー、pp.50,52ff.
パストゥロー, ミシェル 著 ちょ 、松村 まつむら 恵理 えり , 松村 まつむら 剛 つよし 訳 やく 『青 あお の歴史 れきし 』筑摩書房 ちくましょぼう 、2005年 ねん 。ISBN 9784480857811 。
Pesic, Peter (2005). Sky in a Bottle . Cambridge, MA: MIT Press. ISBN 0262162342
色彩 しきさい 科学 かがく
色 いろ の物理 ぶつり 学 がく 色覚 しきかく 色彩 しきさい 心理 しんり 学 がく 色 いろ 再現 さいげん
基礎 きそ 的 てき 概念 がいねん 色 いろ の三 さん 属性 ぞくせい 色 いろ 名 めい
基礎 きそ 的 てき な色 いろ 代表 だいひょう 的 てき な二 に 次 じ 色 しょく
分野 ぶんや
研究 けんきゅう 者 しゃ 表 ひょう 色 しょく 系 けい (色 いろ 空間 くうかん )
混 こん 色 しょく 系 けい 顕 あらわ 色 しょく 系 けい その他 た
色彩 しきさい の組織 そしき 関連 かんれん 項目 こうもく