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黄色おうしょく

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出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

黄色おうしょく
きいろ
 
16しん表記ひょうき #FFD400
RGB (255, 212, 0)
CMYK (1, 14, 99, 0)
HSV (50°, 100%, 100%)
マンセル 4.0Y 8.5/12.3
表示ひょうじされているいろいちれいです

黄色おうしょく黃色おうしょく、きいろ、オウショク)は、基本きほんしょくめいひとつであり、いろ三原色さんげんしょくひとつである。ヒマワリ花弁はなびらのようないろ暖色だんしょくひとつ。波長はちょう 570〜585 nm の単色たんしょくこう黄色きいろであり、長波ちょうはちょうがわ橙色だいだいいろに、たん波長はちょうがわ緑色みどりいろ近付ちかづく。(き、オウ、コウ)は同義語どうぎご

現代げんだい日本語にほんごでは一般いっぱんに「黄色おうしょく」(名詞めいし)、「黄色きいろい」(形容詞けいようし)とぶ。これは小学校しょうがっこう学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうでも使つかわれている[1]

しかし JIS 基本きほんしょくめいやマンセルしょく体系たいけいでは「黄色おうしょく」ではなく「、き)」としている。複合語ふくごうごうち形態素けいたいそとしては、みどり黄身きみ信号しんごうなど、「」がすくなくない。

物体ぶったいしょくとしての黄色おうしょく

イエロー
yellow
 
16しん表記ひょうき #FFD800
RGB (255, 216, 0)
CMYK (0, 13, 100, 0)
HSV (51°, 100%, 100%)
マンセル 5Y 8.5/14
表示ひょうじされているいろいちれいです

黄色おうしょくいろりょう三原色さんげんしょくひとつである。

印刷いんさつなどの分野ぶんやではイエロー(yellow)場合ばあいたん黄色おうしょく英語えいごめいではなく「いろりょう三原色さんげんしょくひとつとしての黄色おうしょく」であることを指示しじすることがおおい。インクやトナーの基本きほんしょくである黄色おうしょくyellow)は、シアン (cyan)・マゼンタ (magenta)・キープレート(キープレート、key plate) とわせてCMYKばれる。

具体ぐたいてき物質ぶっしつとしての黄色おうしょくあらわしょく成分せいぶんについては、黄色おうしょく天然てんねん染料せんりょう黄色おうしょく合成ごうせい染料せんりょう黄色おうしょく有機ゆうき顔料がんりょう黄色おうしょく無機むき顔料がんりょう参照さんしょう

JIS規格きかくにおける黄色おうしょく・イエロー

黄色おうしょくJIS慣用かんようしょくめい
  マンセル 5Y 8/14
イエローJIS慣用かんようしょくめい
  マンセル 5Y 8.5/14

JIS では黄色きいろおよびイエローがそれぞれ定義ていぎされている。この黄色おうしょくとイエローはわずかにことなるいろとしてしめされている。

光源こうげんしょくとしての黄色おうしょく

Yellow (webcolor)
  16しん表記ひょうき #FFFF00
LightYellow (webcolor)
  16しん表記ひょうき #FFFFE0

ひかり三原色さんげんしょくであるあか (#FF0000) とみどり (#00FF00) を一対一いちたいいち割合わりあい混合こんごうしたいろ(#FFFF00)である。RGB では(R, G, B) = (255, 255, 0)であらわされる。物体ぶったいしょくとしてむしろレモンしょくちかいろである。

ウェブカラーYellow#FFFF00同等どうとうあつかわれる。ウェブカラーでは黄色おうしょく系統けいとういろとしてほかにLightYellow(#FFFFE0)やGold(#FFD700)などを定義ていぎしている。

黄色おうしょくいろりょう

着色ちゃくしょく使用しようされる黄色おうしょく色素しきそ様々さまざまあるが、様々さまざま着色ちゃくしょくのシステムにもちいられる色素しきそなか黄色おうしょくていするもののたいこうせいは、そうじておとっている。くわえて、無機むき顔料がんりょうについては毒性どくせいゆうするものがおおいが、被覆ひふくりょくふくめた様々さまざま特性とくせい全面ぜんめんてき代替だいたいする顔料がんりょう存在そんざいしない。

染料せんりょうについては、天然てんねん染料せんりょう合成ごうせい染料せんりょう大別たいべつし、顔料がんりょうについては有機ゆうき顔料がんりょう無機むき顔料がんりょう大別たいべつして、記述きじゅつする。この区分くぶんは、顔料がんりょう染料せんりょうのそれぞれの分野ぶんや尊重そんちょうされている典型てんけいてき区分くぶんである。なお一般いっぱんてき使用しようされる安全あんぜんいろりょうさき記述きじゅつし、その有毒ゆうどく一般いっぱんてき使つかわれないいろりょう記述きじゅつする。

黄色おうしょく天然てんねん染料せんりょう

黄色おうしょく染料せんりょうのうち植物しょくぶつ由来ゆらいのもの。黄色おうしょく天然てんねん染料せんりょう伝統でんとうてき染料せんりょうで、一部いちぶは、日本語にほんご来歴らいれき証言しょうげんする性格せいかくゆうする。

ふじ gamboge

黄金おうごんしょくのガム樹脂じゅしで、ひがしアジアではすうひゃくねん以上いじょうむかしから絵具えのぐとして使用しようされた。しゅとしてフクギきゅうオトギリソウフクギぞくマンゴスチンもこのぞくふくまれる)でタイインドシナひとし自生じせいするガンボジ学名がくめい: Garcinia hanburyi)や、同属どうぞくインドスリランカひとし自生じせいするガンボウジノキ別名べつめい: インドガンボジ; 学名がくめい: Garcinia morella)といった各種かくしゅ樹木じゅもくから採取さいしゅされる[2]。ヨーロッパではふるくから商品しょうひんとしてつたえられており、初期しょきフランドル絵画かいが使用しようされたともわれる。しゅとして水性すいせい絵具えのぐ揮発きはつせいニス (varnish)、金属きんぞくラッカーの用途ようとがある。くさめすともう。

キハダ

キハダ黄檗おうばく黄蘗きはだ)は「はだ」という意味いみで、ミカン植物しょくぶつである。5から6がつごろみどりはなをつける。樹皮じゅひ内側うちがわ黄色きいろであり苦味にがみがある。樹皮じゅひ染色せんしょく使用しようされる。樹皮じゅひ薬用やくようめい黄檗おうばく(オウバク)であり、健胃剤けんいざい火傷かしょうくすりである。なおキハダで染色せんしょくする場合ばあい媒染剤ばいせんざいもちいず直接ちょくせつ染料せんりょうとしてもちいる。

カリヤス

カリヤス刈安かりやす)はイネ植物しょくぶつである。灰汁あく媒染剤ばいせんざいもちいる。

ウコン

ウコン鬱金うこん)はショウガ植物しょくぶつである。地下茎ちかけい黄金おうごんしょく染料せんりょうとしてもちいる。媒染剤ばいせんざい不要ふよう直接ちょくせつ染料せんりょう香辛料こうしんりょう食品しょくひんよう天然てんねん着色ちゃくしょくりょうとしてももちいられる。

オウレン

オウレンキンポウゲ植物しょくぶつである。黄色きいろ染料せんりょうとしてもちいる。媒染剤ばいせんざい不要ふよう直接ちょくせつ染料せんりょう

クチナシ

クチナシアカネ植物しょくぶつである。果実かじつ黄色きいろ染料せんりょうとしてもちいる。媒染剤ばいせんざい不要ふよう直接ちょくせつ染料せんりょう食品しょくひんよう天然てんねん着色ちゃくしょくりょうとしてももちいられるが、天然てんねん着色ちゃくしょくりょうとしてもちいる場合ばあい黄色おうしょくからみどりあおにかけての幅広はばひろ色調しきちょうをカヴァーする。

ズミ

ズミバラ植物しょくぶつである。樹皮じゅひ黄色きいろ染料せんりょうとしてもちいる。ミョウバン媒染剤ばいせんざいもちいる。煎餅せんべい着色ちゃくしょくにももちいられる。

ハイノキ

ハイノキハイノキ植物しょくぶつである。黄色きいろ染料せんりょうとしてもちいる。灰汁あく媒染剤ばいせんざいもちいる。

メギ

メギメギ植物しょくぶつである。樹皮じゅひ黄色きいろ染料せんりょうとしてもちいる。媒染剤ばいせんざい不要ふよう直接ちょくせつ染料せんりょう

黄色おうしょく合成ごうせい染料せんりょう

黄色おうしょく染料せんりょうのうち石油せきゆから化学かがくてき合成ごうせいされたもの。代表だいひょうてきなものとしてアゾけい黄色おうしょく染料せんりょうやピラゾロンけい黄色おうしょく染料せんりょうげられる。なお黄色おうしょく合成ごうせい染料せんりょうはレーキすることによって黄色おうしょく有機ゆうき顔料がんりょうとしてももちいられる。レーキがたアゾけい黄色おうしょく顔料がんりょうやレーキがたピラゾロンけい黄色おうしょく顔料がんりょうはアゾけい黄色おうしょく染料せんりょうやピラゾロンけい黄色おうしょく染料せんりょうをレーキして顔料がんりょうとしたものである。

黄色おうしょく有機ゆうき顔料がんりょう

一般いっぱん工業こうぎょう製品せいひん学校がっこう使つかわれる絵具えのぐなどには、しばしば毒性どくせいすくない有機ゆうき顔料がんりょう使用しようされる。ただ一般いっぱん印刷いんさつ使用しようされている安価あんか製品せいひん安価あんか赤色あかいろ色素しきそ同様どうよう紫外線しがいせんよわく、数箇月すうかげつほど屋外おくがい掲示けいじされたポスターなどはマゼンタやイエローが退色たいしょくし、あおえる。なお、レーキがた有機ゆうき顔料がんりょうは、水溶すいようせいゆうする有色ゆうしょく物質ぶっしつ電離でんりさせ、担体としての金属きんぞくイオン電気でんきてき結合けつごうさせたものである。

アゾ

アゾもと

アゾ顔料がんりょうアゾもとゆうする化合かごうぶつで、顔料がんりょうとしては顔料がんりょう色素しきそがたとレーキ顔料がんりょうがたがある。ただし高分子こうぶんしするにつれたい溶剤ようざいせいたかまる。レーキ顔料がんりょうがた鮮明せんめい色相しきそうゆうたい溶剤ようざいせいゆうする。一般いっぱん印刷いんさつようインキや塗料とりょう安価あんか絵具えのぐとう使つかわれている。

モノアゾ

黄色おうしょくのモノアゾ (monoazo) 顔料がんりょう種類しゅるいおおいががいしてたい溶剤ようざいせいおとる。Color Index には Colour Index Generic Name、Pigment Yellow 1、Pigment Yellow 3、Pigment Yellow 74、Pigment Yellow 65、Pigment Yellow 111とう記載きさいされている[3]。Pigment Yellow 3は有機ゆうき顔料がんりょうとしてはかなり以前いぜん開発かいはつされた顔料がんりょうであるが、みどりあじていする比較的ひかくてき不透明ふとうめい黄色おうしょく顔料がんりょうで、その色相しきそうやコストパフォーマンスから重要じゅうよう顔料がんりょうである。Pigment Yellow 65は日本にっぽんでは、Pigment Yellow 83によって駆逐くちくされた傾向けいこう見出みだせる顔料がんりょうであるが、世界せかいてきには依然いぜんとして重要じゅうよう顔料がんりょうである。アリライドイエロー (arylide yellow) ともう。

ジスアゾ

ジスアゾ (disazo) 顔料がんりょう種類しゅるいおおい。モノアゾ顔料がんりょう比較ひかくして着色ちゃくしょくりょくつよく、たい溶剤ようざいせいたかい。Color Index には Colour Index Generic Name、Pigment Yellow 81、Pigment Yellow 83とう記載きさいされている[3]。ジアリライドイエロー (diarylide yellow) ともう。

ちぢみあいジスアゾ

ちぢみあいジスアゾ (condensed disazo) 顔料がんりょう従来じゅうらい不溶性ふようせいアゾ顔料がんりょうくらべ、たいこうせいたい溶剤ようざいせいなどがたかいが、生産せいさんコストもたかい。ジスアゾちぢみあいともばれる。具体ぐたいてきには、Pigment Yellow 93、Pigment Yellow 94、Pigment Yellow 95、Pigment Yellow 128、Pigment Yellow 155、Pigment Yellow 166がある[3]。Pigment Yellow 94は生産せいさん終了しゅうりょう

Pigment Yellow 128は、現行げんこうもっとみどりあじちぢみあいジスアゾ顔料がんりょうで、インクジェットインキとうにも使用しようされる実績じっせきのある、透明とうめいせいたかわり鮮明せんめい顔料がんりょうである。

Pigment Yellow 155は、Pigment Yellow 17にちか色相しきそうそなえた鮮明せんめい黄色おうしょく顔料がんりょうである。耐久たいきゅうせいたか塗料とりょう、インキ、プラスチックなど様々さまざま分野ぶんや使用しようされている重要じゅうよう顔料がんりょうで、色相しきそう物性ぶっせいことなる様々さまざま製品せいひん流通りゅうつうしている。塗料とりょう分野ぶんやではたか隠蔽いんぺいせいそなえた製品せいひん使用しようされていて、たいこうせいはかなりすぐれている。印刷いんさつインキようとしては、透明とうめいタイプも隠蔽いんぺいタイプも使用しようされているが、透明とうめいタイプは流動りゅうどうせいなんがある。たんにジスアゾ顔料がんりょうにも分類ぶんるいされることもある。

ピラゾロン

ピラゾロンけいあかあじつよ黄色おうしょく系統けいとう顔料がんりょうである。Colour Index Generic Name、Pigment Orange 13、Colour Index Generic Name、Pigment Orange 34 がよく使用しようされる[4]。レーキがたピラゾロンけい黄色おうしょく顔料がんりょうとして、タートラジンイエローがある。色合いろあいはうつくしいがたいこうせいなんがある。そのため、あまり普及ふきゅうしていない。

ベンツイミダゾロン

ベンツイミダゾロン (benzimidazolon) 顔料がんりょう近年きんねん重要じゅうようせいたかまっているアゾ顔料がんりょうで、そのなかでもとく重要じゅうようなのはベンツイミダゾロンけいモノアゾ (benzimidazole monoazo) である。具体ぐたいてきにはPigment Yellow 151、Pigment Yellow 154、Pigment Yellow 175 とうがある[3]。ベンツイミダゾロン顔料がんりょううちあかあじのものは橙色だいだいいろしめすが、それほどすぐれた顔料がんりょうではない。具体ぐたいてきにはPigment Orange 36、Pigment Orange 72がある[4]

キノキサリン
キノキサリン

キノキサリン顔料がんりょうとしては、Pigment Yellow 213がある。Pigment Yellow 175のベンツイミダゾロンもとキノキサリンジオンもと置換ちかんした構造こうぞうである。つまり、Pigment Yellow 175に炭素たんそ原子げんし1個いっこ酸素さんそ原子げんし1個いっこ追加ついかされた分子ぶんし構造こうぞうのモノアゾ顔料がんりょうである。分子ぶんししきは、C22H19N5O8で、分子ぶんしりょうやく481 g/mol。色相しきそうはPigment Yellow 175よりあかあじで、Pigment Yellow 154よりみどりあじであり、幾分いくぶんみどりあじ黄色おうしょくていする顔料がんりょうである。しょくではPigment Yellow 154よりも不透明ふとうめいで、淡色たんしょくでは着色ちゃくしょくりょくつよさが際立きわだつ。耐久たいきゅうせいかんしては、全面ぜんめんてきにPigment Yellow 154と同等どうとう以上いじょうで、Pigment Yellow 154の弱点じゃくてんであるたい溶剤ようざいせいたいオーバーラッカーせい格段かくだん向上こうじょうさせている。現在げんざいはまだ黄色おうしょく顔料がんりょうとしては高価こうかである。N-メチルピロリドンちゅう加熱かねつして製造せいぞうされる[5]

アゾメチン

イミン(シッフ塩基えんき)

アゾメチン顔料がんりょうは、シッフ塩基えんきそのもの、あるいは、シッフ塩基えんき一部いちぶ置換ちかんした構造こうぞうとくイミン分子ぶんし構造こうぞうちゅうゆうする顔料がんりょう

金属きんぞく錯体さくたい顔料がんりょう
バルビツールさん
ニトロソもと

金属きんぞく錯体さくたい顔料がんりょうは、たか透明とうめいせいしょく淡色たんしょくいろ特徴とくちょうであるが、いろどりひくさなどから市場いちばせい限定げんていてきであり、比較的ひかくてき短期間たんきかん生産せいさん終了しゅうりょうしたものもある。

具体ぐたいてきにはPigment Yellow 117、Pigment Yellow 129、Pigment Yellow 150、Pigment Yellow 153がカラーインデックス記載きさいされている[3]

Pigment Yellow 117とPigment Yellow 129はしょくではいわゆるオリおりブ色ぶいろで、淡色たんしょくみどりあじである。Pigment Yellow 129は、Pigment Yellow 117に類似るいじした構造こうぞう顔料がんりょうで、Pigment Yellow 117よりは幾分いくぶんあざやかである。Pigment Yellow 117はBASF製品せいひんであったが生産せいさん終了しゅうりょう

Pigment Yellow 150はしょくではていいろどりてい明度めいどあかあじであり、淡色たんしょく不鮮明ふせんめいなかである。チタンしろとの併用へいようで「レモンイエロー」になると表現ひょうげんされるが、実際じっさいにはレモンイエローとぶには随分ずいぶんあかあじであり、幾分いくぶん宣伝せんでんてき表現ひょうげんである。Pigment Yellow 150は、2つのバルビツールさん炭素たんそ化合かごうしている水素すいそ原子げんし2をアゾもと置換ちかんした構造こうぞう、いいかえると、2つのバルビツールさんをアゾもと架橋かきょうした構造こうぞうニッケル錯体さくたい顔料がんりょうである。関連かんれんする合衆国がっしゅうこく特許とっきょは、United States Patent 3869439である。

Pigment Yellow 153はしょくではややくら橙色だいだいいろていし、淡色たんしょくあかあじである。濃淡のうたんかかわらず、発色はっしょくおもくやや不透明ふとうめいくもりがある。いろどり比較的ひかくてきたかいが、おおくのアゾ顔料がんりょうほど明度めいどたかさはい。色相しきそうつぶ外観がいかん性状せいじょう透明とうめいせいなどいくつもの理由りゆうから、プロセスカラーにはてきさない。ニッケル錯体さくたい顔料がんりょうで、窒素ちっそ原子げんし酸素さんそ原子げんし化合かごうした箇所かしょおおく、複数ふくすう構造こうぞうしきられている。構造こうぞうちゅうニトロソもとゆうする。

キノフタロン
無水むすいフタルさん

黄色おうしょく顔料がんりょうのキノフタロンイエローは 1968 ねん開発かいはつされた。無水むすいフタルさんキナルジンから合成ごうせいされる顔料がんりょうで、フタロシアニン顔料がんりょう匹敵ひってきするたか堅牢けんろうせいそなえる。高価こうかであるため、あまり普及ふきゅうしていない。Colour Index には Colour Index Generic Name Pigment Yellow 138 が記載きさいされている[3]

イソインドリノン
イソインドール

イソインドリノン顔料がんりょうは、イソインドールいんたまき構成こうせいする炭素たんそ化合かごうしている水素すいそ1個いっこ酸素さんそ置換ちかんし、もう一方いっぽう水素すいそ脱落だつらくさせた構造こうぞうとして説明せつめい可能かのうな、イソインドリノン骨格こっかくゆうする顔料がんりょうである。

具体ぐたいてきには、Pigment Yellow 109[3]、Pigment Yellow 110[3]、Pigment Yellow 173[3]、Pigment Orange 61[4] がある。蛍光けいこうはっするが不安定ふあんていなイソインドールを塩素えんそ導入どうにゅうなどによって、耐久たいきゅうせい改良かいりょうした顔料がんりょうシリーズである。Pigment Yellow 173はもっとみどりあじで、透明とうめいせいたかい。導入どうにゅうされている塩素えんそ原子げんしは1分子ぶんしたり2。これ以外いがいのPigment Yellow 109、Pigment Yellow 110、Pigment Orange 61に導入どうにゅうされている塩素えんそ原子げんしは1分子ぶんしたり8で、高塩たかしお素顔すがおりょうである。Pigment Orange 61は、構造こうぞうちゅうアゾもとゆうする。

イソインドリン

イソインドリン顔料がんりょうは、イソインドールいんたまき構成こうせいする炭素たんそ化合かごうしている水素すいそ2炭素たんそ置換ちかんした構造こうぞうとして説明せつめい可能かのう構造こうぞうゆうする顔料がんりょうである。現在げんざいまでに、対称たいしょうせいたか分子ぶんし構造こうぞう顔料がんりょう存在そんざいしていない。具体ぐたいてきには、Pigment Yellow 139[3]、Pigment Yellow 185[3]、Pigment Orange 66[4]、Pigment Orange 69[4]、Pigment Red 260[6] がある。Pigment Red 260は、構造こうぞうちゅうシッフ塩基えんきゆうする。

アントラキノン

アントラキノン

黄色おうしょくのアントラキノンけい顔料がんりょうとしてColour Index にはColour Index Generic Name、Pigment Yellow 24 が記載きさいされている[3]。このフラバントロンイエローは、1901 ねん開発かいはつされた。アントラキノン一部いちぶ置換ちかんした構造こうぞうそなえた顔料がんりょうであり、アントラキノン顔料がんりょう分類ぶんるいされる。260℃まで安定あんていであるたい熱性ねっせい希釈きしゃくたいこうせい際立きわだっている。いろすうとぼしく高価こうかであり、用途ようと限定げんていてきである。現在げんざい製造せいぞう中止ちゅうし

黄色おうしょく無機むき顔料がんりょう

色合いろあいやたいこうせい被覆ひふくりょくなどの性能せいのうから有機ゆうき顔料がんりょうでは代替だいたいできないものがある。毒性どくせいつよいものもある。

黄土おうど

世界中せかいじゅうきわめてふるくから使用しようされてきた黄色おうしょく顔料がんりょうで、フランスイギリス良質りょうしつのものが産出さんしゅつする。いわゆるシエナ組成そせい黄土おうどとほとんどおなじで、類似るいじしている。みず酸化さんかてつ Fe2O3・H2O をしゅたる発色はっしょく成分せいぶんとし、珪酸けいさんアルミを含有がんゆうする。様々さまざま成分せいぶんによる自然しぜん色合いろあいに特徴とくちょうがある。色合いろあいも多様たようであるが、いわゆる黄土おうどしょくていするとってざわりない。毒性どくせいのない黄色おうしょく無機むき顔料がんりょうとしてられ、有機ゆうき顔料がんりょう使用しようできない用途ようとでの使用しようがある。Colour Index Generic Nameは天然てんねん黄土おうどがPigment Yellow 43で[3]合成ごうせい黄土おうどがPigment Yellow 42である[3]

コバルト

コバルトは、含水硝酸しょうさんだいコバルトカリである。いろどりたか堅牢けんろうで、黄色おうしょく無機むき顔料がんりょうなか唯一ゆいいつ透明とうめいである。たいこうせいはあまりたかくない。オーレオリンの名前なまえ絵具えのぐとして使用しようされている。Colour Index Generic NameはPigment Yellow 40である[3]。ただし、コバルトによらない「オーレオリン」も存在そんざいする。このように、絵具えのぐ名称めいしょうから顔料がんりょう組成そせい即断そくだんすることはできない。

黄色おうしょくふくあい酸化さんかぶつ顔料がんりょう

チタン-ニッケル-アンチモン 酸化さんかぶつ、チタン-ニッケル-バリウム 酸化さんかぶつ、チタン-クロム-アンチモン 酸化さんかぶつ、ジルコニウム-バナジウム 酸化さんかぶつなどは、黄色おうしょくていするふくあい酸化さんかぶつ顔料がんりょうである。ふくあい酸化さんかぶつ顔料がんりょう (mixed metal oxide pigment) とは、複数ふくすう金属きんぞく酸化さんかぶつ混合こんごうし、1000℃以上いじょう高温こうおん焼成しょうせいした顔料がんりょうである。ふくあい酸化さんかぶつ顔料がんりょう着色ちゃくしょくりょくちいさいものの、たい熱性ねっせいたいこうせいすぐれる。セラミックやたいねつ塗料とりょう使用しようされる。焼成しょうせい顔料がんりょう (calcination pigment) ともばれる[7]

チタンけい

黄色おうしょくのチタンけい顔料がんりょうは、しも掲のものがられている。

チタン-ニッケル-アンチモン 酸化さんかぶつ

レモン調ちょうきわめて堅牢けんろう顔料がんりょう。チタン、ニッケル、アンチモンの酸化さんかぶつ固溶体こようたい安全あんぜん無機むき顔料がんりょうとしてられている。1950年代ねんだいUSA製造せいぞうされるようになった。Colour Index Generic NameはPigment Yellow 53である[3]

チタン-ニッケル-バリウム 酸化さんかぶつ

いろどりたかみどりあじがかったレモン調ちょう顔料がんりょう。チタン-ニッケル-アンチモン酸化さんかぶつ同様どうよう安全あんぜん無機むき顔料がんりょうとしてられている。Colour Index Generic NameはPigment Yellow 157である[3]

チタン-クロム-アンチモン 酸化さんかぶつ

鮮明せんめい黄土おうどしょくといった色合いろあいの顔料がんりょうクロムふく黄色おうしょく顔料がんりょうではあるがクロムがろくではなくさん状態じょうたいになっており、クロム化合かごうぶつであるが、現在げんざい使用しようされている安全あんぜんせいたかいクロムけい顔料がんりょう同様どうよう安全あんぜん顔料がんりょうとしてられている。Colour Index Generic NameはPigment Brown 24である[8]

チタン-クロム-ニオブ 酸化さんかぶつ

チタン-クロム-アンチモン 酸化さんかぶつ同様どうようクロムがさん状態じょうたいふくまれる黄色おうしょく顔料がんりょうであり、クロム化合かごうぶつであるが安全あんぜんせいたか顔料がんりょうとしてられている。Colour Index Generic NameはPigment Yellow 162である[3]

チタン-クロム-タングステン 酸化さんかぶつ

チタン-クロム-アンチモン 酸化さんかぶつやチタン-クロム-ニオブ 酸化さんかぶつ同様どうようクロムがさん状態じょうたいふくまれる黄色おうしょく顔料がんりょうであり、クロム化合かごうぶつであるが安全あんぜんせいたか顔料がんりょうとしてられている。Colour Index Generic NameはPigment Yellow 163である[3]

バナジウムジルコニウム

ジルコニアバナジウムイオンをかた溶させて製造せいぞうされる黄色おうしょく顔料がんりょうで、セラミック顔料がんりょうとして使用しようされる。Colour Index Generic NameはPigment Yellow 160である[3]

バナジウムスズ

酸化さんかスズにバナジウムイオンをかた溶させて製造せいぞうされる黄色おうしょく顔料がんりょうで、セラミック顔料がんりょうとして使用しようされる。バナジウムジルコニウムよりも色調しきちょうあざやかである。Colour Index Generic NameはPigment Yellow 158である[3]

ビスマスバナジウム

ビスマス化合かごうぶつメタバナジンさんアンモニウム反応はんのうさせて製造せいぞうされる黄色おうしょく顔料がんりょうで、ビスマスバナジンさんしおである。ビスマス (Bismuth Yellow) ともばれる。あざやかな色調しきちょうをもちたい熱性ねっせいすぐれた毒性どくせいのない黄色おうしょく無機むき顔料がんりょうであることから、あざやかな色調しきちょうながら毒性どくせいつよくなおかつ発色はっしょく効果こうかめん黄色おうしょく有機ゆうき顔料がんりょうによる代替だいたいゆるさなかったカドミウム代替だいたいひんとして使用しようされることがある[9]。Colour Index Generic NameはPigment Yellow 184である[3]

プラセオジム

ジルコンに4プラセオジムイオンをかた溶させて製造せいぞうされる黄色おうしょく顔料がんりょうで、セラミック顔料がんりょうとして使用しようされる。黄色おうしょく無機むき顔料がんりょうなかでは安全あんぜんせいたかく、近年きんねん絵具えのぐにも使用しようされている。

いし Orpiment

黄色おうしょくていする硫化りゅうかヒ素ひそで、各地かくちさんするが毒性どくせいがあり、その供給きょうきゅうかぎりがあり今日きょうではかえりみられない。純度じゅんどたかいものは、かがやきのあるえたレモンしょくていする。いにしえにあっては、あらつぶもちいられ、現在げんざいでもゆたかな黄色おうしょくたもっている。しばしば、ちか関係かんけいにあるリアルガーふくんでいる。プリニウスウィトルウィウス言及げんきゅうしている、古典こてん時代じだい使用しようされた顔料がんりょうである。ド・ヴィルトの調査ちょうさによれば、オランダおよびフランドルの絵画かいがにはいちれい使用しようい。これはすず - なまり - 登場とうじょうによって、不要ふようになったからだとかんがえられている。Colour Index Generic NameはPigment Yellow 39である[3]

すず - なまり -

14世紀せいきにおいてもわずかに使用しようされたが、15-17世紀せいき使用しようされた顔料がんりょうである。17世紀せいきのナポリ出現しゅつげんにより忘却ぼうきゃくされ、かつては、ナポリ混同こんどうされていた。1940ねんデルナー研究所けんきゅうじょのヤコビ博士はかせのスペクトル分析ぶんせきによってさい発見はっけんされるまで、様々さまざま文献ぶんけんにもあらわれない。隠蔽いんぺいりょくすぐれ、油性ゆせい媒材ばいざい水性すいせい媒材ばいざいともなじむ。

みつ陀僧 Massicot

みつ陀僧・マシコット、きむひそか陀・リサージ (litharge) はとも黄色おうしょくていする一酸化いっさんかなまり呼称こしょうである。塩基えんきせい炭酸たんさんなまり長時間ちょうじかん高温こうおん加熱かねつすると黄色おうしょく一酸化いっさんかなまりられる。かつてはヨーロッパ絵画かいが使用しようされたとわれているが、自然しぜん科学かがくてき方法ほうほう調査ちょうさするとすず - なまり - である。日本にっぽんにおいては法隆寺ほうりゅうじ壁画へきが使用しようされた。とうから日本にっぽんみつ陀僧がつたわり乾燥かんそう促進そくしんざいとして使用しようされた。

ナポリ

主成分しゅせいぶんはアンチモンさんなまり。イタリアのベスビオス火山かざんられたとされる。Colour Index Generic NameはPigment Yellow 41である[3]絵具えのぐのネープルスイエローは、名前なまえとしてのこる。ただしセラミック顔料がんりょうのネープルスイエローは本物ほんもののアンチモンさんなまり使用しようされている。

クロムさんけい

なまりジンククロメートバリウムクロメートストロンチウムクロメートカルシウムひとしクロムさんしおからなる黄色おうしょく顔料がんりょうろくクロムをふくむため毒性どくせいつよく、またたいこうせいよわじょう硫化りゅうか水素すいそによりくろへんするといった欠点けってんがある。クロムさんけいのうちなまりとジンククロメートは 2000ねんころまでは錆止さびど塗料とりょう黄色おうしょく塗料とりょう大量たいりょう使つかわれていたが、毒性どくせい環境かんきょう問題もんだいから使用しよう制限せいげんされてきている。たとえば自動車じどうしゃよう塗料とりょうではすでなまりろくクロムをふく顔料がんりょうはほとんど使用しようされていない(日本にっぽん自動車じどうしゃ工業こうぎょうかい JAMAGAZINE より)。また日本にっぽん塗料とりょう工業こうぎょうかいでも自主じしゅ規格きかく JPMS 26 をもうけ、塗料とりょうちゅうなまりらすようにうごいている。

バリウム

バリウムクロムさんバリウムで、あわみどり顔料がんりょうでクロムさんカリウムと塩化えんかバリウムの溶液ようえきからつくる。塩化えんかバリウムが塩化えんかストロンチウムにわる以外いがいは、ストロンチウムおな製法せいほうである。1809ねんヴォークランはクロムさんバリウムの製法せいほう発表はっぴょうしたが、これはこの顔料がんりょう最初さいしょ記録きろくである。バライタイエローバライトイエロー、レモンイエローともわれる。Colour Index Generic NameはPigment Yellow 31である[3]

ストロンチウム

あわみどり顔料がんりょうでクロムさんカリウムと塩化えんかストロンチウムの溶液ようえきからつくる。塩化えんかストロンチウムが塩化えんかバリウムにわる以外いがいは、バリウムおな製法せいほうである。ウルトラマリンイエローの名称めいしょうももつがウルトラマリンとは無関係むかんけい。クロムさんストロンチウム。ストロンシャンイエロー、レモンイエローともわれる。Colour Index Generic NameはPigment Yellow 32である[3]

カルシウム

クロムさんカルシウムを主成分しゅせいぶんとする黄色おうしょく顔料がんりょう。Colour Index Generic NameはPigment Yellow 33である[3]

なまり Chrome Yellow

なまりはクロムさんなまり主成分しゅせいぶんとする。L.N.ヴォークランは、回想かいそうろくの 1909 ねんらんにおいてクロムさんなまり製法せいほうおよび性質せいしつしるしている。そして1818ねん大量たいりょう生産せいさん開始かいしされた。かつて塗料とりょう大量たいりょう使用しようされていたが最近さいきん毒性どくせい考慮こうりょして使用しよう減少げんしょうしている。くろへんする。ジャック=ルイ・ダヴィッドは、この顔料がんりょうのパレットへの採用さいようかんして保守ほしゅてきだった。フィンセント・ファン・ゴッホがよく使用しようしたこともられている。ゴッホの黄色おうしょく独特どくとく色合いろあいをしているのは、なまりくろへんするためであり、かならずしもかれ色彩しきさい感覚かんかく独創どくそうてきだったことを意味いみしない。Colour Index Generic NameはPigment Yellow 34である[3]

亜鉛あえん

クロムさん亜鉛あえん、クロムさんカリ亜鉛あえん塩基えんきせいクロムさん亜鉛あえんによる顔料がんりょうなどを亜鉛あえん呼称こしょうする。ジンクイエロー。レモンイエローともわれる。Colour Index Generic NameはPigment Yellow 36である[3]

カドミウム

組成そせい硫化りゅうかカドミウム(Colour Index Generic Name、Pigment Yellow 37[3])もしくは硫化りゅうかカドミウム-硫化りゅうか亜鉛あえん(Colour Index Generic Name、Pigment Yellow 35[3])である。Colour Index Generic Nameからはカドモポンであるかかは判別はんべつできない。ただし欧米おうべいでは、カドミウムでも毒性どくせいたかいPigment Yellow 37ではなく、Pigment Yellow 37よりは毒性どくせいよわいPigment Yellow 35に代替だいたいされている。淡色たんしょく淡色たんしょくのビスマスバナジウムにも色合いろあいであるが、しょくのカドミウムしょくのビスマスバナジウムでは到底とうていおよばない、こうあや不透明ふとうめいせいたか無機むき顔料がんりょうである。堅牢けんろうせいふくあい酸化さんかぶつによる黄色おうしょく顔料がんりょうのほうがたかいが、色合いろあいではカドミウムすぐれる。有毒ゆうどく高価こうかであり、なおかつ絵具えのぐ以外いがいではカドミウム色調しきちょうでなおかつ毒性どくせいのない黄色おうしょく無機むき顔料がんりょうであるビスマスバナジウム代替だいたいされているため[9]今日きょうでは油絵具あぶらえのぐ水彩すいさい絵具えのぐのぞいてほとんど使つかわれない。他方たほう絵具えのぐにおいては、先述せんじゅつ性質せいしつから人気にんきたかく、カドミウムすぐれた特性とくせい全面ぜんめんてきそなえた代替だいたいぶつ存在そんざいしない[10]。したがって、代替だいたい顔料がんりょうはカドミウム顔料がんりょうすぐれた特性とくせい必要ひつようとしない場合ばあいにこそすすめられる。また、世間せけんではカドミウム化合かごうぶつ環境かんきょうおよぼす影響えいきょう懸念けねんするこえ一部いちぶ存在そんざいするが、絵具えのぐメーカーが使用しようするカドミウム顔料がんりょうは、実用じつようにおいてほか物質ぶっしつすことはい。

黄色おうしょくかんする事項じこう

警戒色けいかいしょくとしての黄色おうしょく

踏切ふみきり警報けいほう使用しようされる警戒色けいかいしょく
内燃ないねん除雪じょせつしゃ DSB1かたち

黄色おうしょく視認しにんせいたかいろで、とくくろとのわせは非常ひじょう目立めだつコントラストとなる。この「黄色おうしょくくろ」のわせを一般いっぱんに「警戒色けいかいしょく警告けいこくしょく)」とび、交通こうつう標識ひょうしき警戒けいかい標識ひょうしき)や軽自動車けいじどうしゃのナンバープレート(下記かき参照さんしょう)、鉄道てつどう踏切ふみきり工事こうじ現場げんば各種かくしゅ工場こうじょうなどで多用たようされる。警戒色けいかいしょくとしての黄色おうしょくくろわせは、太陽たいよういろである黄色おうしょくと、闇夜やみよいろであるくろわせることで、視認しにんせいたかめている。ぞくに「とらマーク」ともばれている。

日本海にほんかい海戦かいせんのロシア艦隊かんたいは、煙突えんとつ黄色きいろくろけており、日本にっぽん艦隊かんたいにとって視認しにんしやすかったとわれている。また、はちからだしょくも、黄色おうしょくくろわせ(縦縞たてじま)であることがおおい。これは、はちどくはり能力のうりょく自分じぶんを、視覚しかくてき動物どうぶつ印象いんしょうづけることで、そと動物どうぶつけてくれるようになる効果こうかつとわれており、これを生物せいぶつがく分野ぶんやでも「警戒色けいかいしょく」という。ちなみに、あぶカミキリムシ一部いちぶなど、擬態ぎたいのためにこのからだしょくとなる生物せいぶつすくなくない。

このように、黄色おうしょくくらところでかなり目立めだいろなので、交通こうつう安全あんぜんには必需ひつじゅいろであるとえる。とく小学生しょうがくせいとう下校げこうこうむ通学つうがくぼう黄色きいろ帽子ぼうしや、幼稚園ようちえん通園つうえんバッグや、児童じどうよう雨傘あまがさには、黄色おうしょく一色いっしょくもちいられることがおおい(かつては珠算しゅざんじゅくつうじゅくバッグなどにも黄色おうしょくおお使つかわれていた)。かっぱやヘルメットにも、黄色おうしょく一色いっしょくもちいられることもおおい。関連かんれんしてアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくスクールバスおおくは黄色きいろくろたいのカラーリングを採用さいようする。(en:School bus yellow参照さんしょう

文化ぶんかとしての黄色おうしょく

欧米おうべいでは「Yellow」は「腰抜こしぬけ」の意味いみで、侮辱ぶじょく罵倒ばとうでマイナスイメージがおおい。そのため欧米おうべいでの安易あんい使用しようひかえるべきである。由来ゆらいイスカリオテのユダていたふく黄色きいろというが由来ゆらいとされる[11]。またモンゴロイド言葉ことばとしても適当てきとうとされる[12]

反対はんたい中国ちゅうごくでは黄色おうしょく皇帝こうていしか着用ちゃくようゆるされなかったこともあり、プラスイメージである。[13]

近似きんじしょく

脚注きゃくちゅう

注釈ちゅうしゃく

出典しゅってん

  1. ^ 大阪おおさか教育きょういくセンター, ed. (2005), 色彩しきさい教育きょういく研究けんきゅう美術びじゅつにおける色彩しきさい教育きょういくかた系統けいとう —”, 研究けんきゅう報告ほうこく集録しゅうろく 121, http://www.osaka-c.ed.jp/kak/web/kenkyuu17/01.html 
  2. ^ 熱帯ねったい植物しょくぶつ研究けんきゅうかい へん へん「オトギリソウ GUTTIFERAE」『熱帯ねったい植物しょくぶつ要覧ようらん』(だい4はんよう賢堂かしこどう、1996ねん、123・134ぺーじISBN 4-924395-03-X 
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae The Color of Art Pigment Database : Pigment Yellow, PY
  4. ^ a b c d e The Color of Art Pigment Database : Pigment Orange, PO
  5. ^ https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-H11-100519/5315201237472896C236406C61B33530F6A5CDF6478E5014F9DEF6C9313761DA/11/ja
  6. ^ The Color of Art Pigment Database : Pigment Red, PR
  7. ^ 有機ゆうき顔料がんりょうハンドブック』 橋本はしもといさお カラーオフィス 2006.5
  8. ^ The Color of Art Pigment Database : Pigment Brown, PBr
  9. ^ a b 画材がざいのエコロジー『アートなび』からの提言ていげん - 株式会社かぶしきがいしゃハート・アンド・アート公式こうしきサイト うちのページ
  10. ^ 「WINSOR&NEWTON Artist's Water Colour Perfecting the Fine Art of Water Colours ― パーフェクトな水彩すいさい絵具えのぐ目指めざして ―」Winsor & Newton
  11. ^ 腰抜こしぬけの」,由来ゆらいというせつもあります。 【使つかえる英語えいご表現ひょうげん!】いろ使つかったイディオムを紹介しょうかい ③(くろ”. Fruitful Englishのおいしいブログ~英語えいごまな (2023ねん3がつ7にち). 2024ねん2がつ3にち閲覧えつらん
  12. ^ 小学館しょうがくかんプログレッシブ英和えいわちゅう辞典じてん-yellowgoo辞書じしょ
  13. ^ 中国人ちゅうごくじんはなぜ黄色おうしょくとうとぶのか?-よくある質問しつもん-パンダレッスン中国語ちゅうごくご教室きょうしつ”. 2024ねん2がつ3にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 色彩しきさいろん基本きほん法則ほうそく』ハラルド キュッパース (ちょ), Harald K¨uppers (原著げんちょ), 沢田さわだ 俊一しゅんいち (翻訳ほんやく) 中央公論ちゅうおうこうろん美術びじゅつ出版しゅっぱん 1997.07 ISBN 9784805503348
  • 顔料がんりょう事典じてん伊藤いとう ただし司郎しろう(編集へんしゅう) 朝倉書店あさくらしょてん 2000.10 ISBN 978-4254252439
  • 有機ゆうき顔料がんりょうハンドブック』 橋本はしもといさお カラーオフィス 2006.5
  • 絵具えのぐ科学かがく』 ホルベイン工業こうぎょう技術ぎじゅつへん 中央公論ちゅうおうこうろん美術びじゅつ出版しゅっぱんしゃ 1994.5(新装しんそう普及ふきゅうばんISBN 480550286X
  • 絵具えのぐ材料ざいりょうハンドブック』 ホルベイン工業こうぎょう技術ぎじゅつへん 中央公論ちゅうおうこうろん美術びじゅつ出版しゅっぱんしゃ 1997.4(新装しんそう普及ふきゅうばんISBN 4805502878
  • 絵画かいが技術ぎじゅつ入門にゅうもん―テンペラ絵具えのぐ油絵具あぶらえのぐによる混合こんごう技法ぎほう(しん技法ぎほうシリーズ)』 佐藤さとう 一郎いちろう ちょ 美術びじゅつ出版しゅっぱんしゃ 1988.11 ISBN 978-4568321463
  • 『カラーばん 絵画かいが表現ひょうげんのしくみ―技法ぎほう画材がざいしょう百科ひゃっか森田もりた ひさし監修かんしゅう 森田もりた ひさしほか執筆しっぴつ 美術びじゅつ出版しゅっぱんしゃ 2000.3 ISBN 4568300533
  • 絵画かいが材料ざいりょう事典じてん』 ラザフォード・J・ゲッテンス・ジョージ・L・スタウトちょ 森田もりたひさしこれやく 美術びじゅつ出版しゅっぱんしゃ 1999.6 ISBN 4254252439
  • 広辞苑こうじえん だいはん新村しんむら いずる 岩波書店いわなみしょてん 1998.11 ISBN 978-4000801126
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  • 『ジーニアス英和えいわ辞典じてん小西こにし ともなな,南出みなみで 康世やすよ(編集へんしゅう) 大修館書店たいしゅうかんしょてん だい3はん 2001.11 ISBN 978-4469041583
  • 『ジーニアス和英かずひで辞典じてん小西こにし ともなな,南出みなみで 康世やすよ(編集へんしゅう) 大修館書店たいしゅうかんしょてん だい2はん 2003.11 ISBN 978-4469041651
  • 近江おうみ源太郎げんたろう監修かんしゅう色々いろいろいろ光琳社こうりんしゃ出版しゅっぱん 1996ねん ISBN 4771302324
  • 清野きよのひさしかい島森しまもりいさおいろめい事典じてんしん紀元きげんしゃ、2005ねん7がつISBN 4-7753-0384-8
  • 永田ながた泰弘やすひろ監修かんしゅう新版しんぱん しょく手帖てちょう小学館しょうがくかん 2002ねん ISBN 4095040025
  • 福田ふくだ邦夫くにおちょいろ名前なまえはどこからきたか』 あお書房しょぼう 1999ねん ISBN 4790601803
  • 福田ふくだ邦夫くにおちょいろ名前なまえ507』主婦しゅふ友社ともしゃ 2006ねん ISBN 4072485403
  • 藤井ふじい健三けんぞう監修かんしゅうきょういろ事典じてん330』 平凡社へいぼんしゃ 2004ねん ISBN 4582634125

関連かんれん項目こうもく

外部がいぶリンク

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