色相 しきそう 環 たまき
原色 げんしょく (げんしょく、英 えい : primary colors 、単 たん に primary とも)とは、混合 こんごう することであらゆる種類 しゅるい の色 いろ を生 う み出 だ せるもととなる色 いろ のこと[1] 。
人間 にんげん の目 め においては、原色 げんしょく は三 みっ つの色 いろ の組 く み合 あ わせであることが多 おお い。たとえばテレビモニター や照明 しょうめい などで、異 こと なる色 いろ の光 ひかり を重 かさ ねて新 あら たな色 いろ を作 つく る加法 かほう 混合 こんごう の三原色 さんげんしょく は、通常 つうじょう 赤 あか ・緑 みどり ・青 あお の三 さん 色 しょく である。また、絵具 えのぐ を混 ま ぜたりカラー印刷 いんさつ で色 いろ インクを併置 へいち するときに行 おこな われる減法 げんぽう 混合 こんごう の場合 ばあい の三原色 さんげんしょく は、シアン ・マゼンタ ・イエロー (黄色 おうしょく )の三 さん 色 しょく である[2] 。なお、この主張 しゅちょう がなされた1915年 ねん よりも前 まえ に画家 がか たちは、伝統 でんとう 的 てき に、赤 あか 青 あお 黄 き を減法 げんぽう 三原色 さんげんしょく としていた。
原色 げんしょく とされる色 いろ の選択 せんたく は基本 きほん 的 てき には恣意 しい 的 てき なものである。加法 かほう 混合 こんごう の三原色 さんげんしょく に使 つか う赤 あか ・緑 みどり ・青 あお も多様 たよう であり、表現 ひょうげん のしやすさなどを考 かんが えに入 い れてさまざまな基準 きじゅん が定 さだ められている。またたとえば、リュミエール兄弟 きょうだい が開発 かいはつ した初期 しょき のカラー写真 しゃしん ・オートクローム (Autochrome Lumière) では、赤 あか ・緑 みどり ・青 あお のほかに橙 だいだい (オレンジ )・緑 みどり ・紫 むらさき の組 く み合 あ わせも使 つか われた[3] 。
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レーザー の放 はな つ単色 たんしょく 光 こう (RGB )
網膜 もうまく の断面 だんめん 。左 ひだり が網膜 もうまく 表面 ひょうめん 。右 みぎ に、光 ひかり の強弱 きょうじゃく を認識 にんしき する桿体細胞 さいぼう (棒状 ぼうじょう のもの)と、特定 とくてい の波長 はちょう の光 ひかり を認識 にんしき する錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう (コーン状 じょう のもの)がある
人間 にんげん の錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう (S, M, L) と桿体細胞 さいぼう (R) が含 ふく む視 し 物質 ぶっしつ の吸収 きゅうしゅう スペクトル
原色 げんしょく は電磁波 でんじは の本質 ほんしつ 的 てき な要素 ようそ ではない。原色 げんしょく は、生物 せいぶつ の眼 め が可視 かし 光線 こうせん に対 たい して起 お こす生理学 せいりがく 的 てき 反応 はんのう と結 むす び付 つ けられている。レーザー 光 ひかり のような単色 たんしょく 光 こう は別 べつ として、天然 てんねん 光 こう や照明 しょうめい などの光 ひかり は、あらゆる波長 はちょう の放射 ほうしゃ エネルギーが合成 ごうせい されており連続 れんぞく 的 てき なスペクトル を持 も つ。その刺激 しげき 値 ち 空間 くうかん は無限 むげん 次元 じげん にわたるが、人間 にんげん の目 め はこれを次 つぎ のような受容 じゅよう の仕方 しかた によって三 さん 次元 じげん の情報 じょうほう として処理 しょり している[4] 。
人間 にんげん の目 め の奥 おく の網膜 もうまく には一 いち 面 めん に光 ひかり 受容 じゅよう 細胞 さいぼう (錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう と桿体細胞 さいぼう )があるが、光量 ひかりりょう が充分 じゅうぶん な場合 ばあい は三 さん 種類 しゅるい からなる錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう が反応 はんのう する。錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう には、長波 ちょうは 長 ちょう に反応 はんのう する赤 あか 錐 きり 体 たい 、中 ちゅう 波長 はちょう に反応 はんのう する緑 みどり 錐 きり 体 たい 、短波 たんぱ 長 ちょう に反応 はんのう する青 あお 錐 きり 体 たい の三 さん 種類 しゅるい があり、それぞれの波長 はちょう に最 もっと も反応 はんのう するタンパク質 たんぱくしつ (オプシンタンパク質 しつ )を含 ふく む。これらが可視 かし 光線 こうせん を感受 かんじゅ することで信号 しんごう が視神経 ししんけい を経由 けいゆ して大脳 だいのう の視覚 しかく 連合 れんごう 野 の に入 はい り、ここで赤 あか ・緑 みどり ・青 あお の三 さん 種類 しゅるい の錐 きり 体 たい からの情報 じょうほう の相対 そうたい 比 ひ や位置 いち を分析 ぶんせき し、色 いろ を認識 にんしき している。
人間 にんげん など、三 さん 種類 しゅるい の色覚 しきかく 受容 じゅよう 体 たい をもつ生物 せいぶつ の色覚 しきかく は「三 さん 色 しょく 型 がた 色覚 しきかく 」(trichromacy) とよばれる。これらの種 たね の生物 せいぶつ は、光 ひかり 刺激 しげき を三 さん 種類 しゅるい の錐 きり 体 たい で受 う けとめ三 さん 次元 じげん の感覚 かんかく 情報 じょうほう として処理 しょり し、あらゆる光 ひかり の色 いろ を三 みっ つの原色 げんしょく の混合 こんごう 比 ひ として捉 とら える[4] 。
色覚 しきかく 受容 じゅよう 体 たい の種類 しゅるい の数 かず が違 ちが う生物 せいぶつ は、異 こと なる数 かず の原色 げんしょく によって色 いろ を感 かん じている。たとえば四 よん 色 しょく 型 がた 色覚 しきかく (tetrachromacy) を持 も つ生物 せいぶつ には四 よん 種類 しゅるい の色覚 しきかく 受容 じゅよう 体 たい があり、四 よん 原色 げんしょく の組 く み合 あ わせで色 いろ を認識 にんしき している。人間 にんげん は波長 はちょう 800ナノメートル(赤 あか )から400ナノメートル(紫 むらさき )の範囲 はんい までしか見 み ることができないが、四 よん 色 しょく 型 がた 色覚 しきかく の生物 せいぶつ は波長 はちょう 300ナノメートルの紫外線 しがいせん まで見 み ることができ、四 よん 番目 ばんめ の原色 げんしょく はこの短波 たんぱ 長 ちょう の範囲 はんい にあると考 かんが えられる。
鳥類 ちょうるい や有 ゆう 袋 ぶくろ 類 るい の多 おお くは四 よん 色 しょく 型 がた 色覚 しきかく を持 も つが、人間 にんげん でも女性 じょせい の中 なか には四 よん 色 しょく 型 がた 色覚 しきかく を持 も つ人 ひと もいる[5] [6] 。X染色 せんしょく 体 たい にある赤 あか 錐 きり 体 たい と緑 みどり 錐 きり 体 たい の遺伝子 いでんし は時 とき として変異 へんい により赤 あか ・緑 みどり のハイブリッドの錐 きり 体 たい 細胞 さいぼう を作 つく ってしまい色覚 しきかく 障害 しょうがい を起 お こすことがあるが、女性 じょせい の場合 ばあい はX染色 せんしょく 体 たい が2つあるため、1つのX染色 せんしょく 体 たい でこのような変異 へんい が起 お こってももう一方 いっぽう で正常 せいじょう な赤 あか 錐 きり 体 たい と緑 みどり 錐 きり 体 たい が作 つく られれば、赤 あか ・緑 みどり ・青 あお のほかに長波 ちょうは 長 ちょう の範囲 はんい にもうひとつの原色 げんしょく を認識 にんしき することになる[7] 。人間 にんげん の色覚 しきかく 受容 じゅよう 体 たい が反応 はんのう する波長 はちょう は個々人 ここじん においても多様 たよう であり、色覚 しきかく の「正常 せいじょう 」な人 ひと の間 あいだ でも微妙 びみょう な色覚 しきかく の差 さ として現 あらわ れる[8] 。人間 にんげん 以外 いがい の生物 せいぶつ の場合 ばあい 、こうした多様 たよう 性 せい の幅 はば は大 おお きいが個々 ここ の生物 せいぶつ はそれに適合 てきごう していると考 かんが えられる[9] 。霊長 れいちょう 類 るい 以外 いがい の哺乳類 ほにゅうるい のほとんどは緑 みどり と青 あお の二 に 種類 しゅるい の色覚 しきかく 受容 じゅよう 体 たい しか持 も たないため二色 にしき 型 がた 色覚 しきかく (dichromacy) であり、原色 げんしょく は二 に 色 しょく しかない。一方 いっぽう 、16原色 げんしょく と6種 しゅ の偏 へん 光 こう を捉 とら えられるシャコ のような例 れい も確認 かくにん されている。
大 だい 多数 たすう の人間 にんげん のもつ三 さん 色 しょく 型 がた 色覚 しきかく 以外 いがい の生物 せいぶつ の見 み る世界 せかい は色 いろ が狂 くる って見 み える、と考 かんが えるのは誤 あやま りと言 い える。そのように生 う まれた生物 せいぶつ にとってはそれが普通 ふつう な世界 せかい の色 いろ であり、そうした生物 せいぶつ が色 いろ を知覚 ちかく する能力 のうりょく は人間 にんげん の色覚 しきかく の能力 のうりょく とは種類 しゅるい が違 ちが うであろう。また人間 にんげん にとって自然 しぜん な色 いろ に見 み えるものは、他 た の生物 せいぶつ たちにとっても自然 しぜん に見 み える。しかし加法 かほう 混合 こんごう 三原色 さんげんしょく の光 ひかり を使 つか って人工 じんこう 的 てき に再現 さいげん した色 いろ (たとえばカラーテレビの画面 がめん )を見 み る場合 ばあい 、人間 にんげん にとっては自然 しぜん な色 いろ に見 み えても他 た の生物 せいぶつ にとっては自然 しぜん な色 いろ には見 み えない。つまり、加法 かほう 混合 こんごう 三原色 さんげんしょく を使 つか って色 いろ を再現 さいげん するときには、再現 さいげん する側 がわ の者 もの の色覚 しきかく のシステムに依存 いぞん した再現 さいげん がなされる。
加法 かほう 混合 こんごう
色 いろ 度 ど 図上 ずじょう のsRGB カラートライアングル。パソコン のディスプレイで正確 せいかく に表示 ひょうじ されるのはこの三角形 さんかっけい の範囲 はんい 内 ない 。
CIEが1931年 ねん に定 さだ めたRGBカラートライアングル。
色 いろ を表現 ひょうげん する媒体 ばいたい のうち、様々 さまざま な色 いろ の発光 はっこう 体 からだ を組 く み合 あ わせて観 み る者 もの の方 ほう へ放 はな つことで色 いろ 刺激 しげき を起 お こすものは、加法 かほう 混合 こんごう を使用 しよう して色 いろ を作 つく っている。この場合 ばあい 、典型 てんけい 的 てき に使 つか われる原色 げんしょく は赤 あか (R ed) ・緑 みどり (G reen) ・青 あお (B lue) の三 さん 色 しょく である[疑問 ぎもん 点 てん – ノート ] 。
白色 はくしょく の光 ひかり を合成 ごうせい する為 ため の波長 はちょう を「光 ひかり の三原色 さんげんしょく 」や「色 いろ 光 こう の三原色 さんげんしょく 」と言 い い、下記 かき の三 さん 色 しょく を用 もち いる。
🅡 赤 あか (波長 はちょう : 625 - 740 nm )
🅖 緑 みどり (波長 はちょう : 500 - 560 nm)
🅑 青 あお (波長 はちょう : 445 - 485 nm)
なお、青 あお は厳密 げんみつ には「紫 むらさき みの青 あお (=群青 ぐんじょう 色 しょく )」ともされる。また緑 みどり は絵具 えのぐ の色 いろ などに比 くら べて明 あか るい。
テレビほかディスプレイ 類 るい はこの三原色 さんげんしょく からなる「RGB 」を用 もち いて様々 さまざま な色 いろ を加法 かほう 混合 こんごう で作 つく る代表 だいひょう 的 てき な例 れい である。原色 げんしょく として用 もち いられる三 さん 色 しょく は、幅広 はばひろ い色 いろ を表現 ひょうげん するために色 いろ 度 ど 図上 ずじょう で可能 かのう な限 かぎ り大 おお きなカラートライアングルを描 えが ける色相 しきそう ・純度 じゅんど の色 いろ であり、蛍光 けいこう 体 からだ や燐光 りんこう 体 からだ の手 て に入 はい りやすさ(またはコストや使用 しよう 電力 でんりょく など)も加味 かみ して選 えら ばれている。ITU-R の勧告 かんこく BT.709-2 (ITU-R BT.709-2) で定 さだ められたsRGB はその例 れい である。
赤 あか と緑 みどり の光 ひかり を重 かさ ねて投影 とうえい すると黄色 おうしょく ・橙色 だいだいいろ ・茶色 ちゃいろ の影 かげ ができる[10] 。緑 みどり と青 あお の光 ひかり を重 かさ ねるとシアン の影 かげ が、赤 あか と青 あお の光 ひかり を重 かさ ねると紫 むらさき とマゼンタ の影 かげ ができる。三 みっ つの原色 げんしょく を等 ひと しい割合 わりあい で重 かさ ねると、灰色 はいいろ および白色 はくしょく の影 かげ ができる。こうして生成 せいせい される色 いろ 空間 くうかん を、RGB色 しょく 空間 くうかん という。
国際 こくさい 照明 しょうめい 委員 いいん 会 かい (CIE) が1931年 ねん に定 さだ めたCIE標準 ひょうじゅん 表 ひょう 色 しょく 系 けい (CIE 1931 color space) は、単色 たんしょく の原色 げんしょく の定義 ていぎ に当 あ たりその波長 はちょう を435.8ナノメートル(青 あお )、546.1ナノメートル(緑 みどり )、700ナノメートル(赤 あか )とした。カラー・トライアングルの各 かく 頂点 ちょうてん (三原色 さんげんしょく )は、色 いろ 度 ど 図 ず に描 えが かれた馬蹄 ばてい 形 がた の曲線 きょくせん 上 じょう (最 もっと も彩 いろどり 度 ど の高 たか い「スペクトル色 しょく 」の軌跡 きせき )に置 お かれ、可能 かのう な限 かぎ りの大 おお きさ(色 いろ の幅 はば の広 ひろ さ)を実現 じつげん している。しかしこのトライアングルにある赤 あか と紫 むらさき の限界 げんかい の波長 はちょう を現行 げんこう のディスプレイで表現 ひょうげん するには発光 はっこう 効率 こうりつ が非常 ひじょう に低 ひく くなるため、この三原色 さんげんしょく を実際 じっさい に使 つか うディスプレイ類 るい はない。
色 いろ を表現 ひょうげん する媒体 ばいたい のうち、色 いろ や光 ひかり を反射 はんしゃ して観 み る者 もの に色 いろ 刺激 しげき を起 お こすものは、減法 げんぽう 混合 こんごう を使用 しよう して色 いろ を作 つく っている。
物体 ぶったい の表面 ひょうめん を特定 とくてい の色 いろ にするためにインク 等 ひとし を塗 ぬ る場合 ばあい 、元 もと の光 ひかり を遮 さえぎ る形 かたち で色 いろ を作 つく る。その合成 ごうせい の元 もと になる基本 きほん 色 しょく は一般 いっぱん に「絵 え の具 ぐ の三原色 さんげんしょく 」や「色 いろ 料 りょう (色 いろ 材 ざい )の三原色 さんげんしょく 」などと言 い われ、下記 かき の三 さん 色 しょく を用 もち いる。
この三 さん 色 しょく を合成 ごうせい して着色 ちゃくしょく された物体 ぶったい の表面 ひょうめん は、光 ひかり の三原色 さんげんしょく の場合 ばあい と反対 はんたい に黒色 こくしょく になる。なお、加法 かほう 混合 こんごう の三原色 さんげんしょく も、それによって作 つく り出 だ されている光 ひかり も「色 いろ 」なので、明確 めいかく に区別 くべつ したいときは「色 いろ 料 りょう の三原色 さんげんしょく 」と表現 ひょうげん する。「絵 え の具 ぐ の三原色 さんげんしょく 」は、「色 いろ 料 りょう 」の中 なか でも絵具 えのぐ は一般 いっぱん に広 ひろ く知 し られているので、わかりやすさに重点 じゅうてん を置 お きたい場合 ばあい に適 てき する。しかし実際 じっさい には、減法 げんぽう 混合 こんごう が適用 てきよう できる色 いろ の材料 ざいりょう は絵具 えのぐ に限 かぎ らないので、それを強調 きょうちょう する際 さい に「色 いろ 料 りょう の三原色 さんげんしょく 」が使 つか われる。
かつて使 つか われていた、標準 ひょうじゅん 的 てき なRYB色相 しきそう 環 たまき 。赤 あか ・黄色 おうしょく ・青 あお を等間隔 とうかんかく に置 お き、さらに二 に 次 じ 色 しょく である紫 むらさき ・橙色 だいだいいろ (オレンジ) ・緑 みどり を等間隔 とうかんかく に置 お いていた。
RGB色相 しきそう 環 たまき 。赤 あか ・緑 みどり ・青 あお を等間隔 とうかんかく に置 お き、さらに二 に 次 じ 色 しょく のシアン ・マゼンタ ・黄色 おうしょく (イエロー )を等間隔 とうかんかく に置 お く。
RYB (英語 えいご 版 ばん ) (赤 あか 、黄色 おうしょく 、青 あお )はかつての減法 げんぽう 混合 こんごう における三原色 さんげんしょく (色 いろ 料 りょう の三原色 さんげんしょく )であり、近代 きんだい の科学 かがく 的 てき な色彩 しきさい 理論 りろん に先立 さきだ つものである。美術 びじゅつ および美術 びじゅつ 教育 きょういく において使 つか われ、特 とく に絵画 かいが では盛 さか んに使 つか われた[11] 。
RYBは標準 ひょうじゅん 的 てき な色相 しきそう 環 たまき の中 なか で正三角形 せいさんかっけい をなす。またこの三原色 さんげんしょく を混 ま ぜ合 あ わせてできる二 に 次 じ 色 しょく (VOG:紫 むらさき 、オレンジ 、緑 みどり )がもう一 ひと つの三角形 さんかっけい をなす。特定 とくてい の色相 しきそう 環 たまき の中 なか で等距離 とうきょり にある三 さん 色 しょく が「色 いろ の三角形 さんかっけい 」をなすが、知覚 ちかく 的 てき に均等 きんとう に配 はい された色相 しきそう 環 たまき の中 なか ではRYBもVOGも等距離 とうきょり にはならない。RYB色相 しきそう 環 たまき においては、これらが等距離 とうきょり になるように色相 しきそう 環 たまき が作 つく られていた[12] (ゲーテの色彩 しきさい 論 ろん も参照 さんしょう )。
画家 がか たちは長年 ながねん 、パレットの上 うえ に三 みっ つ以上 いじょう の「原色 げんしょく 」の絵具 えのぐ を置 お いて色 いろ を混 ま ぜていた。たとえば赤 あか 、黄色 おうしょく 、青 あお 、そして緑 みどり が「四 よっ つの原色 げんしょく 」とされた[13] 。この四 よん 色 しょく は現在 げんざい でも心理 しんり 的 てき な原色 げんしょく として認知 にんち されている[14] [15] が、赤 あか 、黄色 おうしょく 、青 あお が三 みっ つの心理 しんり 的 てき な原色 げんしょく として挙 あ げられ[16] 、白 しろ と黒 くろ が第 だい 四 よん ・第 だい 五 ご の原色 げんしょく に加 くわ えられることもある[17] 。
17世紀 せいき 後半 こうはん にアイザック・ニュートン がプリズム により太陽光 たいようこう を分光 ぶんこう させてスペクトル を取 と り出 だ す実験 じっけん を行 おこな ったが、18世紀 せいき の色彩 しきさい 理論 りろん の専門 せんもん 家 か たちはこれを意識 いしき して赤 あか ・黄色 おうしょく ・青 あお を三原色 さんげんしょく と考 かんが えた。これらは基本 きほん 的 てき な感覚 かんかく の性質 せいしつ と推定 すいてい され、すべての物理 ぶつり 的 てき な色 いろ についての感覚 かんかく や、顔料 がんりょう や染料 せんりょう の物理 ぶつり 的 てき な混合 こんごう の中 なか には、この三 さん 色 しょく が混 ま ざっていると考 かんが えられた。しかし、赤 あか ・黄色 おうしょく ・青 あお の三 さん 色 しょく の混合 こんごう では他 た のすべての色 いろ を作 つく ることはできないという多 おお くの反証 はんしょう があったにもかかわらずこの理論 りろん はドグマと化 か し、今日 きょう にまでこの考 かんが えは残 のこ っている[18] 。
赤 あか ・黄色 おうしょく ・青 あお の三 さん 色 しょく を原色 げんしょく として使 つか った場合 ばあい の色 いろ 域 いき は比較的 ひかくてき 小 ちい さなものとなり、なかでも鮮 あざ やかな緑 みどり ・シアン・マゼンタを作 つく ることが困難 こんなん という問題 もんだい があった。これは知覚 ちかく 的 てき に均等 きんとう に配 はい された色相 しきそう 環 たまき においては赤 あか ・黄色 おうしょく ・青 あお は間隔 かんかく が偏 かたよ っていることが原因 げんいん であった。こうしたことから、今日 きょう の三 さん 色 しょく 印刷 いんさつ ・四 よん 色 しょく 印刷 いんさつ やカラー写真 しゃしん ではシアン・マゼンタ・イエローが色 いろ 料 りょう の三原色 さんげんしょく として使用 しよう される[19] 。
絵画 かいが においては色 いろ の合成 ごうせい 方法 ほうほう が印刷 いんさつ とは異 こと なる為 ため 、CMYKが普及 ふきゅう した現在 げんざい でも、多 おお くの画家 がか はシアン、マゼンタ、イエローの絵具 えのぐ の混合 こんごう によって作 つく れない色 いろ を呈 てい する絵具 えのぐ をパレットに加 くわ える。ある者 もの はパレットに置 お く三原色 さんげんしょく に印刷 いんさつ 業者 ぎょうしゃ が使 つか う、より幅広 はばひろ い色 いろ の作 つく れるシアン・マゼンタ・イエローを置 お き、またある者 もの は色 いろ 域 いき を広 ひろ げるために六 むっ つ以上 いじょう の絵具 えのぐ を原色 げんしょく として使用 しよう している[20] 。
減法 げんぽう 混合 こんごう 。原色 げんしょく のうち、シアンとマゼンタはそれぞれ「青 あお 」と「赤 あか 」とも呼 よ ばれることがある。
印刷 いんさつ 産業 さんぎょう では、様々 さまざま な色 いろ を表現 ひょうげん するために減法 げんぽう 混合 こんごう の原色 げんしょく であるシアン、マゼンタ、イエロー(黄色 おうしょく )の三 さん 色 しょく が用 もち いられる。「シアン」や「マゼンタ」という色 いろ 名 めい が標準 ひょうじゅん 的 てき に使 つか われる以前 いぜん は、印刷 いんさつ の三原色 さんげんしょく は「青 あお 緑 みどり (水色 みずいろ に近 ちか い)」や「赤 あか 紫 むらさき 」、あるいは「青 あお 」や「赤 あか 」などとも呼 よ ばれていた。また日本 にっぽん ではそれぞれ「藍 あい 」や「紅 べに 」とも呼 よ んだ。正確 せいかく な三原色 さんげんしょく は長年 ながねん の間 あいだ に、新 あら たな顔料 がんりょう や技術 ぎじゅつ の開発 かいはつ とともに何 なん 度 ど も変 か えられている[21] 。
イエローとシアンを混 ま ぜると緑 みどり が、イエローとマゼンタを混 ま ぜると赤 あか が、マゼンタとシアンを混 ま ぜると青 あお (紫 むらさき みの青 あお )が生 う まれる。理論 りろん 上 じょう は三 さん 色 しょく すべてを均等 きんとう に混 ま ぜると灰色 はいいろ になり、三 さん 色 しょく に充分 じゅうぶん な光学 こうがく 濃度 のうど (光学 こうがく 密度 みつど 、optical density)があれば黒 くろ が生 う まれるはずである。実際 じっさい には、暗色 あんしょく になりきれいな黒 くろ は作 つく れない。美 うつく しい黒 くろ を印刷 いんさつ するため、また三原色 さんげんしょく のインキを節約 せつやく し消費 しょうひ 量 りょう と乾燥 かんそう 時間 じかん を減 へ らすため、この三 さん 色 しょく に加 くわ えて黒 くろ のインキがカラー印刷 いんさつ に使 つか われる。
これはCMYK モデルとよばれるもので、シアン (C yan)、マゼンタ (M agenta)、イエロー (Y ellow)、キー (K ey) の略語 りゃくご である。キーとは印刷 いんさつ する画像 がぞう の細部 さいぶ (輪郭 りんかく や濃淡 のうたん )を表現 ひょうげん するために用 もち いられるキープレートという版 はん の略称 りゃくしょう で、通常 つうじょう は黒 くろ インキが使 つか われる[22] 。
実際 じっさい には、絵具 えのぐ など実際 じっさい の物質 ぶっしつ からできた着色 ちゃくしょく 料 りょう を混 ま ぜることはより複雑 ふくざつ な色 いろ の反応 はんのう を起 お こす。顔料 がんりょう やバインダーといった物質 ぶっしつ が有 ゆう する自然 しぜん 科学 かがく 的 てき な性質 せいしつ は色 いろ の成立 せいりつ 過程 かてい に影響 えいきょう する。たとえば黄 き と青 あお (紫 むらさき 青 あお )の塗料 とりょう やインクなどの着色 ちゃくしょく 材 ざい を混 ま ぜると、黒 くろ い緑 みどり ないし黒 くろ いマゼンタ(赤 あか 紫 むらさき )ができる。これは実際 じっさい の絵具 えのぐ の混合 こんごう [23] が理想 りそう 的 てき な減法 げんぽう 混合 こんごう と異 こと なることを示 しめ している。印刷 いんさつ の場合 ばあい は、三原色 さんげんしょく の顔料 がんりょう は実際 じっさい にはあまり混 ま ぜられることなく、網 あみ 点 てん (ハーフトーン)の状態 じょうたい で印刷 いんさつ され、一定 いってい のパターンで配置 はいち された各 かく 色 いろ の微小 びしょう の網 あみ 点 てん を見 み ることにより、混 ま ぜられた色 いろ が知覚 ちかく されることになる。
減法 げんぽう 混合 こんごう では、白色 はくしょく 顔料 がんりょう を加 くわ えることで一定 いってい の効果 こうか を挙 あ げられる。顕 あらわ 色 しょく 材 ざい の量 りょう を減 へ らすか二酸化 にさんか チタン など反射 はんしゃ 率 りつ の高 たか い白色 はくしょく 顔料 がんりょう を混 ま ぜることで着色 ちゃくしょく 材 ざい の色相 しきそう をあまり変 か えずに彩 いろどり 度 ど を下 さ げることができる。また減法 げんぽう 混合 こんごう の印刷 いんさつ は、印刷 いんさつ 面 めん や紙面 しめん の色 いろ が白 しろ かまたはそれに近 ちか い場合 ばあい 、もっとも効果 こうか を発揮 はっき する。
減法 げんぽう 混合 こんごう のシステムは、RGBのカラートライアングルのように、色 いろ 度 ど 図上 ずじょう で色 いろ 域 いき を簡単 かんたん にあらわす方法 ほうほう はなく、色 いろ 域 いき は三 さん 次元 じげん のモデルで表現 ひょうげん する必要 ひつよう がある。また二 に 次元 じげん の色 いろ 度 ど 図 ず や三 さん 次元 じげん の色 いろ 空間 くうかん でCMYKの色 いろ 域 いき を表現 ひょうげん する試 こころ みは非常 ひじょう に多 おお くある[24] 。
実際 じっさい の印刷 いんさつ では、CMYKに加 くわ えて蛍光 けいこう 色 いろ などの特色 とくしょく インクを用 もち いて色彩 しきさい 表現 ひょうげん の幅 はば を広 ひろ げる事 こと が良 よ く行 おこな われる。またパソコン用 よう のカラープリンタでは、以前 いぜん は低 てい 価格 かかく 機 き ではコストダウンのためにCMYのみのモデルも存在 そんざい したが、現在 げんざい ではCMYKにやはり中間色 ちゅうかんしょく のインク(ライトシアン・ライトマジェンタ・グレーなど)を加 くわ えて色 いろ 再現 さいげん 性 せい を高 たか めるのが主流 しゅりゅう となっている。
NCS における六 ろく 色 しょく 。赤 あか 、黄 き 、緑 みどり 、青 あお の四 よん 色 しょく に加 くわ え、全 ぜん 称 しょう 的 てき な色 いろ の表現 ひょうげん のために白 しろ と黒 くろ も追加 ついか される。
心理 しんり 視覚 しかく の研究 けんきゅう および反対 はんたい 色 しょく 説 せつ 、反対 はんたい 色 しょく 過程 かてい 色 しょく 説 せつ は、赤 あか - 緑 みどり 過程 かてい と、黄 き - 青 あお 過程 かてい による軸 じく に起因 きいん する四 よっ つの「ユニークな」色 しょく の概念 がいねん を導 みちび く[25] 。これらの説 せつ によれば、人間 にんげん の視覚 しかく は錐 きり 体 たい と桿体からの色 いろ 信号 しんごう を敵対 てきたい 的 てき に処理 しょり する。3タイプの錐 きり 体 たい は反応 はんのう する光 ひかり の波長 はちょう にある程度 ていど のオーバーラップをもっているため、錐 きり 体 たい それぞれの反応 はんのう より、錐 きり 体 たい 間 あいだ の反応 はんのう の差 さ を記録 きろく するのが視覚 しかく システムにとってより効率 こうりつ 的 てき である。反対 はんたい 色 しょく 説 せつ は、赤 あか -緑 みどり 、青 あお -黄 き 、黒 くろ -白 しろ の3つの反対 はんたい 色 しょく チャンネルがあることを示唆 しさ する[26] 。ひとつの反対 はんたい 色 しょく チャンネルの片方 かたがた の色 いろ への反応 はんのう はもう一方 いっぽう の色 いろ への反応 はんのう に対 たい して敵対 てきたい 的 てき である。このコンセプトにおいて、観察 かんさつ 者 しゃ にとってユニークに代表 だいひょう 的 てき と扱 あつか われる六 ろく 色 しょく 、赤 あか ・緑 みどり ・黄 き ・青 あお ・白 しろ ・黒 くろ は「心理 しんり 学 がく 的 てき 原色 げんしょく 」と呼 よ ばれるべきもので、なぜなら他 ほか のあらゆる色 いろ はこれらの組 く み合 あ わせで説明 せつめい できるためである。右 みぎ には、ナチュラル・カラー・システム (NCS) の六 ろく 色 しょく を掲 かか げたが、NCSは顕 あらわ 色 しょく 系 けい であり、NCSの赤 あか ・緑 みどり ・青 あお は混 こん 色 しょく 系 けい における原色 げんしょく とは異 こと なる。
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^ 俗 ぞく に、混 こん 色 しょく などと言 い われる。
^ たとえば、googleで“cmyk gamut”(CMYK、色 いろ 域 いき )で画像 がぞう 検索 けんさく をした結果 けっか を参照 さんしょう のこと。
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基礎 きそ 的 てき 事象 じしょう 基礎 きそ 的 てき 概念 がいねん 色 いろ の三 さん 属性 ぞくせい 色 いろ 名 めい
基礎 きそ 的 てき な色 いろ 代表 だいひょう 的 てき な二 に 次 じ 色 しょく
分野 ぶんや
研究 けんきゅう 者 しゃ 表 ひょう 色 しょく 系 けい
関連 かんれん 項目 こうもく