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いろ空間くうかん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
加法かほう混合こんごう
スペクトル
減法げんぽう混合こんごう

いろ空間くうかん(いろくうかん、えい: color space)は、立方りっぽうてき記述きじゅつされるいろ空間くうかんである。カラースペースともいう。いろ秩序ちつじょてて配列はいれつする形式けいしきであり、いろ座標ざひょう指示しじできる。いろ構成こうせい方法ほうほう多様たようであり、いろかたには観察かんさつしゃ同士どうし差異さいもあることから、いろ定量ていりょうてきあらわすには、いくつかの規約きやくもうけることが要請ようせいされる。また、いろ空間くうかん表現ひょうげんできるいろ範囲はんいいろいきという。いろ空間くうかんは3種類しゅるいか4種類しゅるい数値すうちわせることがおおい。いろ空間くうかん数値すうちによる場合ばあい、その変数へんすうはチャンネルとばれる。

いろ空間くうかん形状けいじょうはその種類しゅるいおうじ、円柱えんちゅう円錐えんすい多角錐たかくすいたまなどの幾何きか形体けいたいとして説明せつめいされ、多様たようである。

基礎きそ知識ちしき

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ひょうしょくけい

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ひょうしょくけいは、心理しんりてき概念がいねんあるいは心理しんり物理ぶつりてき概念がいねんしたがい、いろ定量ていりょうてきあらわ体系たいけいである。通常つうじょうは3つの方向ほうこうせいそなえる空間くうかん表現ひょうげんされ、いろ空間くうかん構成こうせいする。

こんしょくけい (えい: color mixing system) とは、いろ心理しんり物理ぶつりりょうとらしょく刺激しげき特性とくせいによってあらわすものである。数値すうちとして伝達でんたつする場合ばあいてきしている。後述こうじゅつのXYZひょうしょくけい代表だいひょうてきれいである。

あらわしょくけい (えい: color appearance system) は、いろいろの3つの特徴とくちょうしたがって配列はいれつして、その間隔かんかく調整ちょうせい整合せいごうせいたかめ、尺度しゃくどともすものである。後述こうじゅつマンセルひょうしょくけいPCCSNCS代表だいひょうてきれいである[1]

いろ具現ぐげんのガイドが厳格げんかくいろ体系たいけいは、いろ直接ちょくせつつく場面ばめんもちいられることがおおく、そうでないいろ空間くうかんは、いろ情報じょうほうとして伝達でんたつする場面ばめんもちいられることがおおい。

数学すうがくてきには3つの変数へんすうがあれば、すべてのいろ表現ひょうげんできるとえる。しかし、すべてのいろ表示ひょうじできる必要ひつようがない状況じょうきょうや、そのほか実用じつよう便宜べんぎのために、2変数へんすう以下いか、あるいは4変数へんすう以上いじょうもちいるいろ空間くうかんもある。また変数へんすうかたもさまざまなものがあり、目的もくてきおうじて多種たしゅ多様たよう規格きかく存在そんざいする。

計算けいさんによってあるいろ空間くうかんからべついろ空間くうかんへの変換へんかんおこなえるが、変換へんかんいろ空間くうかん表現ひょうげんできないいろ情報じょうほううしなわれてしまう。また、その計算けいさんはふつう不完全ふかんぜんである。いろあつかうにあたっては、なるべくいろ空間くうかん統一とういつして作業さぎょうすることがもとめられる。なお、いろ空間くうかんにはカラープロファイルとして記録きろく可能かのういろ空間くうかん (RGB, RGBA, YCbCr, CMYK, Lab color) と記録きろくできないいろ空間くうかんがある。

均等きんとうしょく空間くうかん

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Uniform Color Spaceのこと。いろ空間くうかんじょうでの距離きょり間隔かんかくが、知覚ちかくてきいろ距離きょり間隔かんかく類似るいじするよう設計せっけいされている空間くうかんいろ物理ぶつりてき差異さいよりも、人間にんげん知覚ちかくじょうでの差異さい主眼しゅがんいたいろ空間くうかん工業こうぎょうてきには、工業こうぎょう製品せいひん色彩しきさい管理かんり要請ようせいされる。

ひょうしょくけい

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こんしょくけい

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オストワルトひょうしょくけい

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1923ねんヴィルヘルム・オストワルト考案こうあんしたひょうしょくけい[2]色彩しきさい調和ちょうわ目的もくてきとしておりデザイン分野ぶんやなどで利用りようされ、PCCSのトーンによる調和ちょうわかんがかたにもつうじ、DINひょうしょくけいにも影響えいきょうあたえている[2]

CIEひょうしょくけい

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CIE(国際こくさい照明しょうめい委員いいんかい)がさだめるひょうしょくけい

CIExyしょく
RGBひょうしょくけい
はら刺激しげきをR(あか、700nm)、G(みどり、546.1nm)、B(あお、435.8nm)とするひょうしょくけいを、CIEのRGBひょうしょくけいという。XYZひょうしょくけい実験じっけんてき基盤きばんである。まけつため実用じつようてきひょうしょくけいではない。なお、ディスプレイデバイスとうもちいられる後述こうじゅつのRGBしょく空間くうかんとは別物べつものである。
XYZひょうしょくけい
RGBひょうしょくけいいろ知覚ちかくのよい近似きんじであるが、知覚ちかくできるいろ完全かんぜん合成ごうせいできるわけではない。たとえばレーザーこうなどにみられる単一たんいつ波長はちょういろはRGBしょく空間くうかん外側そとがわであって、しょくによって再現さいげんすることができない。この問題もんだいは、RGBの係数けいすうまけ許可きょかすることによっていろ空間くうかん拡張かくちょうすれば表現ひょうげんすることができるが、あつかいに不便ふべんである。したがってRGBひょうしょくけい変換へんかんまけあらわれないようにさだめたXYZひょうしょくけいを、CIEは1931ねんにRGBひょうしょくけい同時どうじさだめた。XYZひょうしょくけいのCIEひょうしょくけい基礎きそとなる。RGBひょうしょくけいことなりXYZひょうしょくけいでは、それぞれの数値すうち色彩しきさいとの関連かんれんがわかりにくい。Yは物理ぶつりてき輝度きど一般いっぱんてきには直感ちょっかんてきなわかりやすさを優先ゆうせんして「反射はんしゃ透過とうかりつ」という用語ようご使用しようされることがおおいが、厳密げんみつには反射はんしゃ透過とうかめんをある方向ほうこうから観察かんさつしたとき輝度きどりつとして表現ひょうげんすべきものである。物体ぶったいしょく表面ひょうめんしょく)におけるかん反射はんしゃ透過とうかりつ Y は、ヒトの感度かんどである標準ひょうじゅん分光ぶんこうかん効率こうりつV ( λらむだ ) で反射はんしゃりつ厳密げんみつには輝度きどりつ)を評価ひょうかしたもので、完全かんぜん拡散かくさん反射はんしゃ透過とうかめんでの観察かんさつ方向ほうこう輝度きどたいする試料しりょうめんから観察かんさつ方向ほうこうへの輝度きどである。物体ぶったいしょく場合ばあいには、このかん反射はんしゃりつ Y をもっ刺激しげき Y と定義ていぎする。)をあらわし、Zはおおむねあおみの度合どあいをあらわすとかんがえてよい。Xは、それら以外いがい要素ようそふくむと解釈かいしゃくできる。
xyYひょうしょくけい
XYZひょうしょくけいでは数値すうちいろ関連かんれんがわかりにくい。そこでXYZひょうしょくけいから絶対ぜったいてき色合いろあいを表現ひょうげんするためのxyYひょうしょくけい考案こうあんされた。

YはXYZのYをそのまま使つかう。このxとyをいろ座標ざひょうび、すべてのいろはxとyによる2次元じげん平面へいめん、および明度めいどしめすYで表現ひょうげんできる。当然とうぜんながら、xyYからXYZに変換へんかんすることもできる。

L*u*v*ひょうしょくけい
CIEが1976ねんさだめた均等きんとうしょく空間くうかんのひとつ。CIELUV(エルスター、ユースター、ブイスターとむのが一般いっぱんてき)はひかり波長はちょう基礎きそ考案こうあんされたもので、XYZひょうしょくけいのxyしょく波長はちょう間隔かんかく均等きんとうせい改善かいぜんしたものである。日本にっぽんではJIS Z8518廃止はいし規格きかく)に規定きていされていた。
L*a*b*ひょうしょくけい
CIE L*a*b*(エルスター、エースター、ビースター、慣用かんようてきにはシーラブとむ)はXYZから、知覚ちかく装置そうちちがいによるいろ測定そくていするために派生はせいした。L*はLuminosity(明度めいど)を意味いみする。1976ねん勧告かんこくされ、日本にっぽんではJIS Z 8729廃止はいし規格きかく)に規定きていされていた。均等きんとうしょく空間くうかんである。あるいろいろいろるには、2しょく座標ざひょうユークリッド距離きょり
もとめればよい。CIE 1976 L*a*b*はCIE XYZを直接ちょくせつ基礎きそとして、いろ知覚ちかく線形せんけいこころみている。L*、a*、b*の直線ちょくせん関係かんけいは、対数たいすうてき感応かんおうせい模倣もほう目的もくてきとしている。いろ情報じょうほうは、いろ区間くかん白色はくしょくてんnのいろ参照さんしょうする。AdobeシステムズしゃAdobe Photoshopなど、高価こうかなグラフィック編集へんしゅうソフトはL*a*b*をサポートしているが、L*a*b*のいろ空間くうかんはAdobe RGBよりもひろいため既製きせいディスプレイでは対応たいおうしていない。レタッチ用途ようととしてはもっぱら輝度きどチャンネル(L*)を使つかって内部ないぶ処理しょり使用しようすることがおおい。a*b*のカラーチャンネルにはれないため画像がぞう劣化れっかふせげる。(L*u*vやL*a*b*から派生はせいして、計算けいさん便宜べんぎはかった妥協だきょうてき実用じつようてき)な均等きんとうしょく空間くうかんがいくつか存在そんざいする)

あらわしょくけい

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マンセルひょうしょくけい

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1905ねん画家がかアルバート・マンセル基礎きそとなった概念がいねん発表はっぴょうし、その1943ねんアメリカこう学会がっかい修正しゅうせいして完成かんせいさせたひょうしょくけい[3][4]いろ整理せいりしていろさん属性ぞくせい尺度しゃくどして、数字すうじ記号きごうもちいて正確せいかく表示ひょうじすることを目的もくてきとしている[3][4]

1966ねん日本にっぽん色彩しきさい研究所けんきゅうじょ発表はっぴょうした、色彩しきさい調和ちょうわ目的もくてきとしたひょうしょくけい[1][3]明度めいどいろどりふくあわした要素ようそ「トーン」の概念がいねん特徴とくちょうで、トーンをもちいることで実際じっさいいろのイメージがしやすく、カラーデザインにいている[3]

1981ねんスウェーデンまれた、いろ知覚ちかくてき表現ひょうげん目的もくてきとしたひょうしょくけい[1]。6つの基本きほんしょく配合はいごうすべてのいろ表現ひょうげんできるとかんがえ、明度めいどいろどり概念がいねん存在そんざいしないてん特徴とくちょう[1]比較的ひかくてきあたらしいひょうしょくけいだが、スウェーデン・ノルウェースペインなどの工業こうぎょう規格きかくとして採用さいようされており、ヨーロッパ中心ちゅうしん普及ふきゅうしている[5]

DINひょうしょくけい

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DINひょうしょくけいはM.リヒターたちのいろかんする研究けんきゅうまえ均等きんとうしょく空間くうかん実現じつげん目指めざしたひょうしょくけいである。1955ねんDIN採用さいようされ、いろひょうしゅう刊行かんこうされている。いろ色相しきそう明度めいど飽和ほうわ表現ひょうげんされる。ヘリングの反対はんたいしょくせつのっとるが、合衆国がっしゅうこくのマンセルひょうしょくけいことなり、色相しきそうからはじまる。これはゲーテ思想しそうとの縁故えんこ指摘してき[6] されている。

一般いっぱんてきいろ空間くうかん

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RGBは一般いっぱんに、加法かほう混合こんごう表現ひょうげんするのに使つかわれる。RGBは、それぞれあか (red) みどり (green) あお (blue) の頭文字かしらもじである。ひかり三原色さんげんしょくであり、数値すうちすごとにしろくなる。反対はんたいに、数値すうちらすごとにくろくなる。コンピュータのモニタでもちいられるのも、このRGBである。

視覚しかくじょうでは、いろひかり三原色さんげんしょくちかい、3波長はちょう対応たいおうした網膜もうまくきりたい細胞さいぼうって知覚ちかくされる。これには若干じゃっかん個人こじんがあり、また実際じっさい問題もんだいとして純粋じゅんすいな3波長はちょう用意よういすることがむずかしい場合ばあいおおいため、こんしょくけいいろ空間くうかんにはさまざまな種類しゅるいのものがある。さまざまなひょうしょくけい存在そんざいするが、それぞれのひょうしょくけいごとに、あかみどりあお基準きじゅんさだめられている。

コンピュータで表示ひょうじ可能かのういろすうかくピクセルなにビット情報じょうほうるかにより決定けっていされる。ほとんどの人間にんげん識別しきべつ可能かのう限界げんかい必要ひつよう情報じょうほうはRGBかく8ビット(けい24ビット)の1677まん7216しょくとされフルカラーやトゥルーカラーとばれる。1990年代ねんだい前半ぜんはんごろまでビデオメモリが高価こうかなこともあり表示ひょうじしょくは2しょくやRGBかく5ビット(けい15ビット)の32768しょくなどにかぎられていた。画像がぞう編集へんしゅうにおいて編集へんしゅう過程かていでの劣化れっか考慮こうりょしてRGBかく16ビット(けい48ビット)などよりビットであつかうことがある。

「RGBでは人間にんげん知覚ちかくできるいろをすべて表現ひょうげんできる」と説明せつめいされることがあるが、これは若干じゃっかん誤解ごかいふくむ。これについてはXYZ詳述しょうじゅつ

CIExyしょくにおけるsRGB三角形さんかっけい内側うちがわ)の範囲はんい
sRGB
国際電気こくさいでんき標準ひょうじゅん会議かいぎ (IEC) がさだめた国際こくさい標準ひょうじゅん規格きかく一般いっぱんてきモニタプリンタデジタルカメラなどではこの規格きかく準拠じゅんきょしており、たがいの機器ききをsRGBにのっとったいろ調整ちょうせいおこなうことで、入力にゅうりょく出力しゅつりょくいろ差異さいすくなくすること可能かのうになる。
Adobe RGB
Adobe RGBアドビによって提唱ていしょうされたいろ空間くうかん定義ていぎで、sRGBよりもひろい(とくみどりひろい)RGBしょく再現さいげん領域りょういきち、印刷いんさついろ校正こうせいなどでの適合てきごうせいたかく、DTPなどの分野ぶんやでは標準ひょうじゅんてき使用しようされている。
DCI-P3
デジタルシネマけのひろいろいきとくあかひろい)をいろ空間くうかんDigital Cinema Initiatives提唱ていしょう
ITU-R BT.2020
BT.2020はBT.2100の下位かい規格きかくであり、要求ようきゅう仕様しようはほぼ同等どうとうであるが、フルHDとHDRには対応たいおうである。フルHDの映像えいぞうもちいられるBT.709を拡張かくちょうして策定さくていされている。2012ねん制定せいていされ、2015ねん更新こうしんされた。
ITU-R BT.2100
Broadcasting service (television) 2100の省略しょうりゃくめいである。国際こくさい電気でんき通信つうしん連合れんごう無線むせん通信つうしん部門ぶもん(ITU-R)が2016ねん7がつ制定せいていした、フルHD(2K)・4K・8Kの解像度かいぞうどあつかうデバイスがたすべき仕様しようについての国際こくさい規格きかくである。デジタルシネマのいろ空間くうかん包含ほうがんし、実在じつざいする物体ぶったいしょくいろ空間くうかんのうち、99.9パーセントを再現さいげんする。また、HDRにも対応たいおうし、現実げんじつ世界せかいひかりのコントラストをより再現さいげんする。現状げんじょうではもっとひろいろ空間くうかんである。BT.2020を拡張かくちょうして策定さくていされている。
RGBA(もしくはARGB)はRGBのいろ空間くうかんくわえて、アルファチャンネルいろ決定けってい考慮こうりょさせる。これは、透過とうか透明とうめい)を表現ひょうげんするものである(厳密げんみつにはいろ空間くうかんではない)。

CMY印刷いんさつ過程かてい利用りようする減法げんぽう混合こんごう表現ひょうげんほうである。絵具えのぐ三原色さんげんしょく基本きほんしょくしろで、それにいろ度合どあいをくわえて、黒色こくしょくにしていく。すなわち、はじめはしろいキャンバスからはじめ、インクをくわえてくらくしていく(反射はんしゃこうらす、すなわち減法げんぽう)ということである。CMYには、シアン(cyan)、マゼンタ (magenta)、イエロー (yellow) インクの数値すうちふくまれている。

CMYK
理論りろんじょうCMYをすべて均等きんとうぜると黒色こくしょくになるが、インクやかみ特性とくせいじょうCMYのインクをぜて綺麗きれい黒色こくしょくつくるのは技術ぎじゅつてき困難こんなんであり、通常つうじょうはすべてをぜてもにごった茶色ちゃいろにしかならない。そこで、くろKey plate)の発色はっしょくくするために、別途べっとくろインクをもちいるようになったのがCMYKである。キー・プレート (key plate) とは画像がぞう輪郭りんかくなど細部さいぶしめすためにもちいられた印刷いんさつばんのことであり、通常つうじょうくろインクのみがもちいられた。なお、Kは"blacK"のりゃくとされることがおおいが、これは俗説ぞくせつ本来ほんらいあやまりであり、ブラックはBkく。日本にっぽん印刷いんさつ業界ぎょうかいではくろインクを「スミ(すみ)」とぶことがある。印刷物いんさつぶつでは、くろ文字もじなどで多用たようされることから、インクの節約せつやくにもなるため現在げんざいではもっとも使つかわれている。Kuro(くろ)のりゃくとも説明せつめいされるがこれもあやまりである。
CMK
CMK印刷いんさつ過程かてい利用りようする減法げんぽう混合こんごう表現ひょうげんほうで、絵具えのぐ三原色さんげんしょくからイエロー (yellow) をのぞいた表現ひょうげんである。CMKには、シアン (cyan)、マゼンタ (magenta)、そしてくろ (black) のインクの数値すうちふくまれている。一般いっぱんてきにイエローの使用しよう頻度ひんどすくなく、CMKだけで十分じゅうぶん表現ひょうげん可能かのうであり、印刷いんさつコストもがることからチラシなどてい価格かかく印刷物いんさつぶつ利用りようされている。

HSVはコンピュータじょうえが場合ばあいや、いろ見本みほんとして使つかわれる。これは、いろ色相しきそう色味いろみ)といろどりという観点かんてんからかんがえる場合ばあい加法かほう混合こんごう減法げんぽう混合こんごうよりも自然しぜん直感ちょっかんてきだからである。HSVには色相しきそう (hue)、いろどり (saturation)、明度めいど (value) がふくまれている。HSB (hue, saturation, brightness) ともばれる。

HLSは、HSL、HSIなどともばれる。色相しきそう (hue)、いろどり (saturation)、輝度きど (luminance) よりなる、HSVにちか表現ひょうげんほうである。明度めいど輝度きどとのちがいは算出さんしゅつ方法ほうほうである。HSVではじゅんしょくしろおな明度めいどあらわされるろく角錐かくすいモデルだったのにたいし、HLSではじゅんしょく輝度きどを50%とするそうろく角錐かくすいモデルで表現ひょうげんする。

放送ほうそうよう

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YIQは、NTSC内部ないぶ処理しょり使用しようされるコンポーネント方式ほうしきである。通常つうじょう外部がいぶには出力しゅつりょくされず、機器きき内部ないぶ使用しようされるが、過去かこには松下電器まつしたでんき開発かいはつしたMビジョンVTRが、テープにYIQ信号しんごうをコンポーネント記録きろくしていたというれいもある。現在げんざい使用しようされているいろコンポーネント信号しんごうのクロマ成分せいぶん(Cb,Cr)にたいして33°回転かいてんした色相しきそうとなり、IじくとQじく直交ちょっこうする。

人間にんげんがIじく(オレンジ-ライトブルーあいだ)の変化へんかには比較的ひかくてき敏感びんかんであるのにたいして、Qじくあおむらさき-みどりあいだ)の変化へんかには鈍感どんかんである性質せいしつ利用りようして、すこしでもせま帯域たいいきで、すこしでも視覚しかくてき良好りょうこう結果けっかようとした、設計せっけいじょう選択せんたくによるものである。Y、I、Qにたいする人間にんげん分解能ぶんかいのうは4:1.5:0.5と評価ひょうかされており、RGB4:4:4信号しんごうをYIQ4:1.5:0.5に変換へんかんすることで、人間にんげんには劣化れっかかんじられないものの、伝送でんそう必要ひつよう情報じょうほうりょうらした信号しんごうることができる。NTSCは、このYIQ信号しんごう直角ちょっかくそう変調へんちょうする。

欧州おうしゅう中心ちゅうしんに(べいにちおよべい影響えいきょうつよ範囲はんい以外いがいで)使用しようされているPALは、クロマにIQ成分せいぶんわりにUV成分せいぶん使つかう。これは現在げんざい使用しようされているCb,Cr(あるいはPb,Pr)成分せいぶんちかいものであり、IQ方式ほうしきとは色相しきそうことなる。

YUV / YCbCr / YPbPr

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過去かこもちいられていたいろ空間くうかん

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青色あおいろ(Blue)でなく菫色すみれいろ(Violet)をもちいた加法かほう混合こんごう。RGBほういた以前いぜん初期しょき研究けんきゅうもちいられたのみ。

あか (Red) とみどり (Green) の強度きょうどいろ指定していする方法ほうほうあかみどり合成ごうせいは、RGBしょく空間くうかん同様どうように、加算かさんによりおこなわれる。あお (Blue) がないので、あお成分せいぶんふくいろただしく表現ひょうげんできない。初期しょきテクニカラーフィルムで使つかわれていた。RGKしょく空間くうかんはRGしょく空間くうかんにキー(Key, インクのくろ、CMYKしょく空間くうかんでも使つかわれる)を追加ついかしたいろ空間くうかんである。

光源こうげん

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RGB単色たんしょくこう光源こうげん使用しようした場合ばあい白色はくしょくこう光源こうげんとした場合ばあいくら再現さいげんいきひろがる。CRTの場合ばあい蛍光けいこうたい特性とくせいにより純度じゅんどたか単色たんしょくこうられるかでディスプレイのいろ再現さいげんせいまる。ひや陰極いんきょくかんをバックライトとして使用しようする液晶えきしょうディスプレイやハロゲンランプや放電ほうでんランプを光源こうげんとするDLP、液晶えきしょうプロジェクタでは白色はくしょくこうをフィルタや誘電ゆうでんたい薄膜うすまくでRGBに分離ぶんりしているため単色たんしょくこう光源こうげんとする場合ばあいくら再現さいげんせいおとる。レーザープロジェクタでは単色たんしょくこう光源こうげんとしているためいろ再現さいげんいきひろ[よう出典しゅってん]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d まききわむちょ『カラーデザインのための色彩しきさいがく』(2006ねんム社むしゃ
  2. ^ a b オストワルトひょうしょくけいとは”. DIC color & comfort. 2021ねん7がつ12にち閲覧えつらん
  3. ^ a b c d 色彩しきさい活用かつよう研究所けんきゅうじょサミュエル監修かんしゅういろ事典じてん 色彩しきさい基礎きそ配色はいしょく使つかかた』(2012ねん西東さいとうしゃ
  4. ^ a b 東洋とうようインキSCホールディングス (2015ねん1がつ29にち). “仕事しごと使つかえる色彩しきさいがく #03 マンセルカラーシステム”. TOYO INK. 2021ねん7がつ7にち閲覧えつらん
  5. ^ 仕事しごとでつかえる色彩しきさいがく”. 東洋とうようインキ (2014ねん11月26にち). 2021ねん7がつ8にち閲覧えつらん
  6. ^ 千々ちじがん英彰ひであき色彩しきさいがく概説がいせつ東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱんかい、2001ねんISBN 4-13-082085-0 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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