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Zstandard

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
Zstandard
作者さくしゃ Yann Collet
開発元かいはつもと Meta Platforms, Inc.
初版しょはん 2015年ねん1月がつ23日にち (9年ねん前まえ) (2015-01-23)
最新さいしん版ばん
1.5.6[1] ウィキデータを編集 / 27 3月がつ 2024
リポジトリ
ウィキデータを編集
プログラミング
言語げんご		 C言語げんご
対応たいおうOS クロスプラットホーム
プラットフォーム ポータブル
サポート状じょう況きょう 開発かいはつ中ちゅう
種別しゅべつ データ圧縮あっしゅく
ライセンス 三さん条項じょうこうBSDライセンスとGPLv2のデュアルライセンス
公式こうしきサイト facebook.github.io/zstd/ ウィキデータを編集
テンプレートを表示ひょうじ
Zstandard
拡張子かくちょうし.zst
MIMEタイプapplication/zstd
種別しゅべつデータ圧縮あっしゅく
国際こくさい標準ひょうじゅんRFC 8878
オープン
フォーマット		Yes
ウェブサイトfacebook.github.io/zstd/

Zstandard (zstd) は、圧縮あっしゅく・展開てんかいが速はやいことを特徴とくちょうとする可逆かぎゃく圧縮あっしゅくアルゴリズムである[2]。またC言語げんごで書かかれた前述ぜんじゅつのアルゴリズムのリファレンス実装じっそうの名前なまえでもある。Meta Platforms, Inc.に所属しょぞくしているYann Colletによって2015年ねんから開発かいはつされている。

この実装じっそうのバージョン1.0.0は2016年ねん8月がつ31日にちにフリーソフトウェアとして公開こうかいされた[3][4]。2018年ねん10月がつに RFC 8478 で規格きかく化かされ、2021年ねん2月がつに RFC 8878 に更新こうしんされた。メディアタイプは application/zstd [5]。英語えいご発音はつおんはズィースタンダード（zee standard）[5]。

特徴とくちょう

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Zstandardは、デフォルトの圧縮あっしゅくレベル3の場合ばあい、現在げんざい主流しゅりゅうであるDeflate (ZIP, gzip) アルゴリズムとほぼ同おなじ圧縮あっしゅく率りつだが、より高速こうそくに圧縮あっしゅくと解凍かいとうが行おこなえるように設計せっけいされている[2][6]。

圧縮あっしゅくレベルは正せいの側がわは1～22が指定してい可能かのうで、圧縮あっしゅくレベルを上あげると圧縮あっしゅく率りつは上あがり、幅広はばひろいレンジの圧縮あっしゅく率りつに対応たいおうしている。Arch Linuxのパッケージ圧縮あっしゅくはZstandardを採用さいようしているが、圧縮あっしゅくレベル20を採用さいようしていて[7]、xzと比較ひかくしてサイズの増加ぞうかは0.8%に留とまり、解凍かいとうは14倍ばい高速こうそくである[8]。圧縮あっしゅくレベルは-1以下いかも存在そんざいし、コマンドライン版ばんでは --fast=# で指定していすることが可能かのうで、Zstandardの開発かいはつ者しゃによる調査ちょうさだと --fast=2 は QuickLZ や Snappy 相当そうとう、--fast=3 は LZO 相当そうとう、--fast=4 は LZ4 相当そうとうである[9]。

Zstandardは大おおきな検索けんさく窓まどの辞書じしょ式しき圧縮あっしゅくアルゴリズム (LZ77) とエントロピー符号ふごう化かを併用へいようしており、エントロピー符号ふごう化かステージで有限ゆうげん状態じょうたいエントロピー(FSE)のtANS（英語えいご版ばん） あるいはハフマン符号ふごう化かを使用しようしている[10]。Zstandardの実装じっそうで特徴とくちょう的てきなのはエントロピー復号ふくごう時じに逆ぎゃく方向ほうこうから読よみ取とることである。

デフォルトでは利用りようしないが、並列へいれつ圧縮あっしゅくにも対応たいおうしていて、コマンドライン版ばんは-T#で指定していする。#に並列へいれつ度どを入いれ、0の場合ばあいはCPUのコア数すうとなる[11]。標準ひょうじゅんの Zstandard は並列へいれつ解凍かいとうには対応たいおうしていないが[12]、ファイルをチャンクサイズで分割ぶんかつして圧縮あっしゅく・解凍かいとうする Parallel Zstandard (PZstandard) があり、こちらは並列へいれつ解凍かいとうに対応たいおうしている[13]。

コマンドラインプログラム

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  • zstd - メインプログラム
  • unzstd - zstd の解凍かいとう用よう。zstd -d と同おなじ。
  • zstdmt - 並列へいれつ圧縮あっしゅく。zstd -T0 と同おなじ。[14]
  • zstdcat - zstd で圧縮あっしゅくされたファイルに対たいして cat する。zstd -dcf と同おなじ。
  • zstdless - zstd で圧縮あっしゅくされたファイルに対たいして less する。[15]
  • zstdgrep - zstd で圧縮あっしゅくされたファイルに対たいして grep する。[16]
  • pzstd - Parallel Zstandard 。ファイルをチャンクサイズで分割ぶんかつして並列へいれつ圧縮あっしゅく・並列へいれつ解凍かいとうする。並列へいれつ解凍かいとうでなくても良よいならば普通ふつうの zstd で解凍かいとうできる。[17]

API

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C言語げんごで実装じっそうされ、APIが提供ていきょうされている。それに対たいして、様々さまざまなプログラミング言語げんごでのバインディングおよび再さい実装じっそうが存在そんざいする。[2]

ライセンス

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バージョン1.0.0から1.3.0までは、リファレンス実装じっそうがBSDライセンスにてGitHubで公開こうかいされていて、関連かんれんする特許とっきょの使用しようを認みとめる追加ついかライセンス[18] も付属ふぞくしていた。

2017年ねん8月がつ21日にちにリリースされたバージョン1.3.1 [19] から、この特許とっきょ条項じょうこうは削除さくじょされ、ライセンスは三さん条項じょうこうBSDとGPLv2のデュアルライセンスに変更へんこうされた[20]。

利用りよう例れい

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Linuxカーネルには2017年ねん11月(バージョン4.14)からZstandardが含ふくまれており、btrfsやsquashfsファイルシステムでの圧縮あっしゅく方法ほうほうとして利用りよう可能かのうとなっている。また、2020年ねん10月がつ(バージョン5.9)からカーネルイメージの圧縮あっしゅく方法ほうほうとして利用りよう可能かのうとなった。

FreeBSDカーネルには2017年ねんからZstandardが含ふくまれており、コアダンプ(ユーザープログラムとカーネルパニックの両方りょうほう)の圧縮あっしゅくオプションとして利用りよう可能かのうとなっている。

GNU tar は2019年ねん1月がつ2日にちにリリースされた 1.31 から対応たいおうしている。拡張子かくちょうしは .tar.zst もしくは .tzst 。bsdtar (libarchive) は2019年ねん4月がつ11日にちにリリースされた 3.3.3 から対応たいおうしている。[21][22]

rsync では2020年ねん6月がつ19日にちにリリースされた 3.2.0 から zlib 以外いがいに、Zstandard と LZ4 に対応たいおうした。[23]

Ubuntu 21.10[24]（非ひデフォルトとしてはUbuntu 18.04より[25]）、Red Hat Enterprise Linux 9[26]、Fedora 31[27]、2019年ねん12月27日にち以降いこうのArch Linux[8]等ひとし、多おおくのLinuxディストリビューションでデフォルトのパッケージ圧縮あっしゅく方式ほうしきとしてZstandardを利用りようしている。Ubuntuでは圧縮あっしゅくレベル19[25]、Arch Linuxでは圧縮あっしゅくレベル20[7]を採用さいようしたが、xzの圧縮あっしゅくレベル6に比くらべて、Zstandardの圧縮あっしゅくレベル19では6%[25]、圧縮あっしゅくレベル20では0.8%[8]パッケージのサイズが増加ぞうかするが、展開てんかい速度そくどは格段かくだんに高速こうそくになる[8]。Debian からフォークしている Ubuntu が先行せんこうした形かたちで、Debian 側がわの dpkg は2023年ねん1月がつ10日とおかに Zstandard に対応たいおうしたが[28]、Debian 12 現在げんざいは引ひき続つづき xz をデフォルトとしている。

Google Chrome 123（2024年ねん3月がつ19日にちリリース）、Microsoft Edge 123、Mozilla Firefox 126 より、HTTP の Content-Encoding に zstd が使つかえる。[29][30]

参照さんしょう

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参考さんこう文献ぶんけん

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  1. ^ “Release Zstandard v1.5.6 - Chrome Edition · facebook/zstd” (英語えいご). 27 3月がつ 2024閲覧えつらん。
  2. ^ a b c “Zstandard - Real-time data compression algorithm”. facebook.github.io. 4 May 2024閲覧えつらん。
  3. ^ Sergio De Simone, Facebook Open-Sources New Compression Algorithm Outperforming Zlib / InfoQ, Sep 02, 2016
  4. ^ “Life imitates satire: Facebook touts zlib killer just like Silicon Valley's Pied Piper”. The Register. (2016年ねん8月がつ31日にち). http://www.theregister.co.uk/2016/08/31/facebook_open_source_database/ 2016年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。 
  5. ^ a b RFC 8878
  6. ^ Smaller and faster data compression with Zstandard - Engineering at Meta
  7. ^ a b arch-dev-public RFC: (devtools) Changing default compression method to zstd
  8. ^ a b c d Arch Linux - News: Now using Zstandard instead of xz for package compression
  9. ^ Release Zstandard v1.3.4 - faster everything · facebook/zstd
  10. ^ https://github.com/facebook/zstd/blob/master/doc/zstd_compression_format.md#entropy-encoding
  11. ^ “zstd(1) — Arch manual pages”. March 31, 2024閲覧えつらん。
  12. ^ “Multithreaded decompression · Issue #2470 · facebook/zstd - GitHub”. March 31, 2024閲覧えつらん。
  13. ^ “zstd/contrib/pzstd/README.md at v1.5.6 · facebook/zstd - GitHub”. March 31, 2024閲覧えつらん。
  14. ^ “zstdmt(1) — zstd — Debian bookworm — Debian Manpages”. manpages.debian.org. 4 May 2024閲覧えつらん。
  15. ^ “zstdless(1) — zstd — Debian bookworm — Debian Manpages”. manpages.debian.org. 4 May 2024閲覧えつらん。
  16. ^ “zstdgrep(1) — zstd — Debian bookworm — Debian Manpages”. manpages.debian.org. 4 May 2024閲覧えつらん。
  17. ^ “pzstd(1) — zstd — Debian bookworm — Debian Manpages”. manpages.debian.org. 4 May 2024閲覧えつらん。
  18. ^ zstd/PATENTS "Additional Grant of Patent Rights Version 2", Facebook
  19. ^ "Zstd v1.3.1 release", GitHub
  20. ^ "New license", GitHub
  21. ^ tar-1.31 released stable
  22. ^ Release Feature and Security Release · libarchive/libarchive
  23. ^ NEWS for rsync 3.2.0 (19 Jun 2020) - NEWS for rsync
  24. ^ Hello zstd compressed .debs in Ubuntu! | Obsessed with reality
  25. ^ a b c zstd compression for packages - ubuntu devel
  26. ^ “22.1. Notable changes to software management - Considerations in adopting RHEL 9 Red Hat Enterprise Linux 9 | Red Hat Customer Portal”. Red Hat Customer Portal. 2 May 2024閲覧えつらん。
  27. ^ “Changes/Switch RPMs to zstd compression - Fedora Project Wiki”. fedoraproject.org. 2 May 2024閲覧えつらん。
  28. ^ “1.21.18 : dpkg package : Debian”. Launchpad. 22 July 2023閲覧えつらん。
  29. ^ “Chrome 123 の新しん機能きのう  |  Blog  |  Chrome for Developers”. May 4, 2024閲覧えつらん。
  30. ^ “Content-Encoding - HTTP”. May 4, 2024閲覧えつらん。

外部がいぶリンク

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