Red Hat Enterprise Linux

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
Red Hat Enterprise Linux
RHEL 9のGNOME Shell 40デスクトップ
開発かいはつしゃ レッドハット
OSの系統けいとう Unixけい, Linux, Red Hat Linux
最新さいしん安定あんていばん
9:9.4 / 2024ねん4がつ30にち (27にちまえ) (2024-04-30)
8:8.9 / 2023ねん11月14にち (6かげつまえ) (2023-11-14)
7:7.9 / 2020ねん9がつ29にち (3ねんまえ) (2020-09-29)
6:6.10 / 2018ねん6がつ19にち (5ねんまえ) (2018-06-19)
パッケージ管理かんり RPM
既定きていUI GNOME
ウェブサイト www.redhat.com/ja/technologies/linux-platforms/enterprise-linux
テンプレートを表示ひょうじ

Red Hat Enterprise Linux(レッドハット・エンタープライズ・リナックス)、りゃくしてRHEL(レル)とは、レッドハットしゃによって開発かいはつ販売はんばいされている業務ぎょうむけのLinuxディストリビューション

サポート体制たいせい[編集へんしゅう]

RHELは、リリースされてから10年間ねんかんはRed Hatにより、セキュリティアップデートをふくめた公式こうしきサポートをけることができる[1]。ただし、RHEL 3, 4は8ねん以降いこう最後さいごの3年間ねんかんべつ契約けいやく必要ひつよう。また、RHEL 5, 6はセキュリティアップデート終了しゅうりょう3年間ねんかんはダウンロードすることができる。

新規しんきのリリースは、2ねん程度ていどごとにおこなわれるとされている。

RHELのライセンス料金りょうきん無料むりょうで、関連かんれんしたサービス(バイナリの配布はいふ、アップデート、サポート、特許とっきょ訴訟そしょうからの保護ほご)にたいして料金りょうきん支払しはらうサブスクリプション契約けいやくとなっている。契約けいやく期間きかんちゅうには追加ついか料金りょうきん支払しはらうことしにアップグレードおよびダウングレードを自由じゆうおこなうことができる。バイナリパッケージを入手にゅうしゅするためにはサブスクリプション契約けいやく必要ひつようだが、ソースコードはレッドハットのFTPサイトで公開こうかいされている。サブスクリプションの種類しゅるいは、RHELの種類しゅるいとサポート時間じかん(8あいだまたは24あいだ)、サポート期間きかん(1ねんまたは3ねん)のわせによりさらにこまかくかれている。

また、レッドハットはRHELの運用うんよう技術ぎじゅつのトレーニングを提供ていきょうしている。運用うんよう技術ぎじゅつしゃ認定にんてい資格しかくとしてRHCSA、RHCA、RHCSS、RHCDSといった資格しかく提供ていきょうしている。詳細しょうさいレッドハット#認定にんてい資格しかく

バリエーション[編集へんしゅう]

RHELにはいくつかの種類しゅるいがあり、バージョン4まではRed Hat Desktop(デスクトップ用途ようとけ)、WS(ワークステーション用途ようとけ)、ES(エントリークラスのサーバけ)、AS(比較的ひかくてきだい規模きぼなサーバけ)の4種類しゅるいのバリエーションが存在そんざいした。バージョン5はDesktop、base server、Advanced Platformの3種類しゅるいとなった。バージョン6はClient、Serverの2種類しゅるいに、必要ひつようおうじてAdd-onを別途べっと追加ついかする。

RHELは、Red Hat Linux (RHL) に由来ゆらいするディストリビューションであるが、Red Hat Linuxと比較ひかくして、リリースサイクルはしっかりと維持いじ管理かんりされている。現在げんざいは、Fedora成果せいか活用かつようしている。

  • Red Hat Linux 6.2 → Red Hat Linux 6.2E
  • Red Hat Linux 7.2 → Red Hat Enterprise Linux 2.1
  • Red Hat Linux 9 → Red Hat Enterprise Linux 3
  • Fedora Core 3 → Red Hat Enterprise Linux 4
  • Fedora Core 6 → Red Hat Enterprise Linux 5
  • Fedora 12 / 13 → Red Hat Enterprise Linux 6
  • Fedora 19 / 20 → Red Hat Enterprise Linux 7
  • Fedora 28 → Red Hat Enterprise Linux 8
  • Fedora 34 → Red Hat Enterprise Linux 9

関係かんけいにある。

CentOSScientific LinuxStartCom LinuxWhite Box Enterprise Linuxなどは、レッドハットが公開こうかいしているソースコードをもとにした無償むしょう利用りようできるLinuxディストリビューションであり、RHELとの互換ごかんせい目標もくひょうとしている。そのOracle LinuxはRHELをベースに独自どくじのカーネルを搭載とうさいしている。

リリースバージョンの経歴けいれき[編集へんしゅう]

[2]

バージョン コードネーム リリース サポート期限きげん カーネルバージョン
Red Hat Linux 6.2E Zoot 2000ねん3がつ27にち
Red Hat Enterprise Linux 2.1 Pensacola (AS)
Panama (ES)
2002ねん3がつ23にち 2009ねん5がつ31にち 2.4.9
RHEL 2.1 Update 1 2003ねん2がつ14にち
RHEL 2.1 Update 2 2003ねん3がつ29にち
RHEL 2.1 Update 3 2003ねん12月19にち
RHEL 2.1 Update 4 2004ねん4がつ21にち
RHEL 2.1 Update 5 2004ねん8がつ18にち
RHEL 2.1 Update 6 2004ねん12月13にち
RHEL 2.1 Update 7 2005ねん4がつ28にち
Red Hat Enterprise Linux 3 Taroon 2003ねん10がつ22にち 2010ねん10がつ31にち標準ひょうじゅん
2014ねん1がつ30にち延長えんちょう
2.4.21
RHEL 3 Update 1 2004ねん1がつ16にち
RHEL 3 Update 2 2004ねん5がつ18にち
RHEL 3 Update 3 2004ねん9がつ3にち
RHEL 3 Update 4 2004ねん12月21にち
RHEL 3 Update 5 2005ねん5がつ20日はつか
RHEL 3 Update 6 2005ねん9がつ28にち
RHEL 3 Update 7 2006ねん3がつ15にち
RHEL 3 Update 8 2006ねん7がつ20日はつか
RHEL 3.9(きゅう表記ひょうき: Update 9) 2007ねん6がつ11にち
Red Hat Enterprise Linux 4 Nahant 2005ねん2がつ15にち 2012ねん2がつ29にち標準ひょうじゅん
2017ねん3がつ31にち延長えんちょう
2.6.9
RHEL 4 Update 1 2005ねん6がつ9にち
RHEL 4 Update 2 2005ねん10がつ5にち
RHEL 4 Update 3 2006ねん3がつ7にち
RHEL 4 Update 4 2006ねん8がつ10日とおか
RHEL 4.5(きゅう表記ひょうき: Update 5) 2007ねん5がつ1にち
RHEL 4.6(きゅう表記ひょうき: Update 6) 2007ねん11月15にち
RHEL 4.7(きゅう表記ひょうき: Update 7) 2008ねん7がつ24にち
RHEL 4.8(きゅう表記ひょうき: Update 8) 2009ねん5がつ18にち
RHEL 4.9(きゅう表記ひょうき: Update 9) 2011ねん2がつ16にち
Red Hat Enterprise Linux 5 Tikanga 2007ねん3がつ14にち 2017ねん3がつ31にち標準ひょうじゅん
2020ねん11月30にち延長えんちょう
2.6.18
RHEL 5.1 2007ねん11月7にち
RHEL 5.2 2008ねん5がつ21にち
RHEL 5.3 2009ねん1がつ20日はつか
RHEL 5.4 2009ねん9がつ2にち
RHEL 5.5 2010ねん3がつ30にち
RHEL 5.6 2011ねん1がつ12にち
RHEL 5.7 2011ねん7がつ21にち
RHEL 5.8 2012ねん2がつ21にち
RHEL 5.9 2013ねん1がつ8にち
RHEL 5.10 2013ねん9がつ30にち
RHEL 5.11 2014ねん9がつ16にち
Red Hat Enterprise Linux 6 Santiago 2010ねん11がつ10日とおか 2020ねん11月30にち標準ひょうじゅん
2024ねん6がつ30にち(6.10でELS利用りようのみ)
2.6.32
RHEL 6.1 2011ねん5がつ19にち
RHEL 6.2 2011ねん12月6にち
RHEL 6.3 2012ねん6がつ20日はつか
RHEL 6.4 2013ねん2がつ21にち
RHEL 6.5 2013ねん11月21にち
RHEL 6.6 2014ねん10がつ14にち
RHEL 6.7 2015ねん7がつ22にち
RHEL 6.8 2016ねん5がつ10日とおか
RHEL 6.9 2017ねん3がつ29にち
RHEL 6.10 2018ねん6がつ19にち
Red Hat Enterprise Linux 7 Maipo 2014ねん6がつ10日とおか 2024ねん6がつ30にち (標準ひょうじゅん)
2028ねん6がつ30にち(7.9でELS利用りようのみ)
3.10.0
RHEL 7.1 2015ねん3がつ5にち
RHEL 7.2 2015ねん11月19にち
RHEL 7.3 2016ねん11月3にち
RHEL 7.4 2017ねん7がつ31にち
RHEL 7.5 2018ねん4がつ10日とおか
RHEL 7.6 2018ねん10がつ30にち
RHEL 7.7 2019ねん7がつ28にち
RHEL 7.8 2020ねん3がつ31にち
RHEL 7.9 2020ねん9がつ29にち
Red Hat Enterprise Linux 8 RHEL 8.0 Ootpa 2019ねん5がつ7にち 2029ねん5がつ31にち (標準ひょうじゅん)
2032ねん5がつ31にち (8.10でELS利用りようのみ)
4.18
RHEL 8.1 2019ねん11月5にち
RHEL 8.2 2020ねん4がつ28にち
RHEL 8.3 2020ねん11月3にち
RHEL 8.4 2021ねん5がつ18にち
RHEL 8.5 2021ねん11月9にち
RHEL 8.6 2022ねん5がつ10日とおか
RHEL 8.7 2022ねん11月9にち
RHEL 8.8 2023ねん5がつ16にち
RHEL 8.9 2023ねん11月14にち
Red Hat Enterprise Linux 9 RHEL 9.0 Plow 2022ねん5がつ18にち 2032ねん5がつ31にち (標準ひょうじゅん)
2035ねん5がつ31にち (9.10でELS利用りようのみ)
5.14
RHEL 9.1 2022ねん11月15にち
RHEL 9.2 2023ねん5がつ10日とおか
RHEL 9.3 2023ねん11月7にち
RHEL 9.4 2024ねん4がつ30にち
いろ 状況じょうきょう
    サポート終了しゅうりょう
    サポートちゅう

バージョンのかたとして、きゅう表記ひょうきでRHEL 4 Update 5だったものは、あたらしい表記ひょうきで4.5とぶようになっている。

派生はせいばん[編集へんしゅう]

Red Hat系統けいとうじゅ

CentOS/RHEL派生はせいばん一覧いちらん掲載けいさいされ、パッケージ管理かんりとう同様どうようのもの

配布はいふばん 説明せつめい
AlmaLinux CloudLinux OSの開発元かいはつもとであるCloudLinux Inc.により支援しえんされたコミュニティによるCentOS代替だいたい
Asianux Red Hat Enterprise Linux派生はせいなかかんこしタイアジア5ヵ国かこく企業きぎょう共同きょうどう開発かいはつ前身ぜんしんMIRACLE LINUXRed Flag Linux英語えいごばんHaansoft Linux韓国かんこくせい)。
CentOS Red Hat Enterprise Linuxの無償むしょうばん
ClearOS英語えいごばん Small Business Server. File, Print, Messaging, UTM, VPN.
Fermi Linux LTS Scientific Linuxの前身ぜんしん。フェルミ国立こくりつ加速器かそくき研究所けんきゅうじょ研究けんきゅう施設しせつ特有とくゆうのソフトウェアを追加ついか[3]
MIRACLE LINUX 商用しょうようOracle対応たいおう日本にっぽんせい。Asianuxへと移行いこう
Oracle Linux OracleがOracle製品せいひん最適さいてきしたUnbreakable Enterprise Kernel (UEK) を採用さいよう
Red Flag Linux英語えいごばん べにLinux これ中国ちゅうごくせい。Asianuxへと移行いこう
Rocky Linux Red Hat Enterprise Linux派生はせい2020ねんのCentOS開発かいはつ方針ほうしん変更へんこうにより、CentOS創設そうせつしゃ一人ひとりであるGregory Kurtzerげた。
Rocks Cluster Distribution英語えいごばん RHEL(初期しょきばん)とCentOS(最近さいきん配布はいふばん)より派生はせい
Scientific Linux Fermi Linuxの後継こうけい。Red Hat Enterprise Linuxから派生はせい
SME Server英語えいごばん CentOSから派生はせい

そのRPMけい[編集へんしゅう]

そのRPMけい派生はせいばん一覧いちらん掲載けいさい

配布はいふばん 説明せつめい
CAOS Linux 複数ふくすう系列けいれつRed Hat Enterprise Linux派生はせいディストリビューション参照さんしょう

その派生はせいばん[編集へんしゅう]

開発かいはつ停止ていし[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Red Hat Enterprise Linux Life Cycle
  2. ^ Red Hat Enterprise Linux Release Dates
  3. ^ DistroWatch.com: Fermi Linux”. distrowatch.com. 2018ねん12月24にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2018ねん12月23にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

ウィキメディア・コモンズには、Red Hat Enterprise Linuxかんするカテゴリがあります。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]