Salix OS

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Salix OS
Salix OS 13.1.2 (Xfce)
開発かいはつしゃ Cyrille Pontvieux, George Vlahavas, Pierrick Le Brun, Thorsten Mühlfelder, and others[1]
OSの系統けいとう Unix-like
開発かいはつじょうきょう Current
ソースモデル Open source
初版しょはん 2009ねん9がつ16にち
最新さいしん安定あんていばん 14.2.1 / 2017ねん4がつ11にち (7ねんまえ) (2017-04-11)
既定きていUI Xfce, LXDE, KDE, Fluxbox, Ratpoison
ライセンス Various
ウェブサイト www.salixos.org
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Salix OS とは、Slackwareもとにできた多目的たもくてきよう Linuxディストリビューションひとつであり、無償むしょう提供ていきょうされている。

概要がいよう[編集へんしゅう]

Salix OS は、2009ねんZenwalk使用しようしていたもとユーザ、コントリビュータ、開発かいはつしゃFOSSのっとったコーペラティブでオープンな環境かんきょうもとめGeorge Vlahavasをプロジェクト·リーダーとしてはじまった。[2]Slackwareとの完全かんぜん互換ごかんせい保持ほじすること、そしてSlackwareをもとにすることによってられる安定あんていせい重点じゅうてんをおいたディストリビューションである。 さらに、この完全かんぜん互換ごかんせいのおかげでSlackwareのユーザは、Salix OSのレポジトリにあるソフトウェアをSlackwareで使用しようすることができる。 しかしSlackwareの KISSの原則げんそく での「シンプル」が基本きほんてきにはシステム·デザインをしているのにたいして、Salix OSは、この原則げんそく適用てきよう範囲はんい日常にちじょう使用しようまでひろげて解釈かいしゃくしている。つまりユーザが、迅速じんそくかつ簡単かんたん使つかえるようなシステムを目指めざしている。[3]

いかえてみれば、Salix OSがねらっているユーザそうは、一般いっぱんてきにすでにLinuxまたは、Slackwareをある程度ていど理解りかいしており、Slackware の安定あんていせい最大限さいだいげん利用りようしながら作業さぎょう負担ふたん追加ついかツールでらすことに抵抗ていこうのない「よりもっとなまものなSlacker」とってもいい。たとえばSalix OSは、依存いぞんパッケージの関係かんけい自動的じどうてき処理しょりできる。さらには、強化きょうかされたローカライゼーション、またSalix OSのレポジトリは、Slackware互換ごかんせいのあるパッケージのレポジトリのなかでも比較ひかくてき豊富ほうふなアプリケーションをそろえており、システム管理かんりおよび構成こうせいのためのGUIとコマンドラインの両方りょうほう使つかうことのできるツールもSalix OSにどうこりされている。 このように、Salix OS は、あたらしいユーザにたいしてもバニラのSlackwareよりも手間てまをかけずにぐに使つかえるような設計せっけいをしている。 [4]

デスクトップ環境かんきょう[編集へんしゅう]

現在げんざいSalixOSは、Xfce、KDE、LXDE、Fluxbox、Ratpoisonと、5つのデスクトップ環境かんきょうをそろえている。[5] Salix Ratpoisonをのぞいてすべ日本語にほんご対応たいおうしていて、デフォルトでどうこりされているibusまたはSCIMをAnthyと一緒いっしょ使つかうことによって日本語にほんご入力にゅうりょくできる。(mozcもアンオフィシャルのパッケージとして存在そんざいする。)

インストレーション[編集へんしゅう]

インストレーションようのCDは、いずれのエディションもいちまいおさめている。これは、ひとつのタスクに基本きほんてきには、ひとつのアプリケーションというデザインによるものである。

またサポートされているアーキテクチャは、i486 / i686x64と2つのアーキテクチャがサポートされており、インストールようのCDも別々べつべつ用意よういされている。[5][6]

Salix OSで使つかわれているインストーラは、Slackwareにならいテキスト·ダイアログであるが、使つかかたきわめて簡単かんたんである。またSpkgが、バックエンドでインストール使つかわれているために、「フル」でSalix OSをインストールしたとしてもさしてふるいコンピュータでかぎすうふんわる。[7] テキスト·ダイアログよりもGUIでのインストールしたい場合ばあいは、Salix Live についてくるSalix Live Installerをつかってインストールできる。

Salix OSは、インストールにあたり3つのことなるインストール·モードを提供ていきょうしていて、ユーザのこのみによって選択せんたくできる。

「コア」モード: 必要ひつよう最低限さいていげんのものだけをインストールするモード。GUIをつかうアプリケーションは、一切いっさいインストールされない。Salix Osのシステム管理かんりようツールは、ncursesでのみのインストールとなる。このモードは、Webサーバ、ファイルサーバなどの特定とくてい目的もくてきのためにカスタムしたい経験けいけん豊富ほうふなユーザのために用意よういされている。

「ベーシック」モード:コア·モードのに最低限さいていげんのデスクトップ環境かんきょうくわえたもの。Webブラウザ、Salix OS のシステム管理かんりツール(GUIとコンソール両方りょうほう)そしてgslaptパッケージ·マネージャーがインストールされる。この環境かんきょうは、まず軽量けいりょうなデスクトップ環境かんきょうをインストールしたのち、アプリケーションを独自どくじ選択肢せんたくし追加ついかしたい上級じょうきゅうユーザーけにできている。

「フル」モード:日々ひび利用りようできるえらばれたアプリケーションをベーシック·モードにつけくわえたもの。 アプリケーションは、Claw-mailメール·クライエント、LibreOffice、Java Runtime Environment、Paroleメディア·プレーヤー、Exaile、ミュージック·マネージャーなどその、「ひとつのタスクに基本きほんてきには、ひとつのアプリケーション」という設計せっけいのもとにえらばれている。

上記じょうきの3つのモードのどれをインストールしても、開発かいはつ環境かんきょう完備かんびされてあり、ユーザは、アプリケーションの開発かいはつ、またはコンパイルするにあたらり、べつのパッケージをインストール必要ひつようはない。

Salix OS リリース
version date
Salix OS (Xfce) 13.0 September 16, 2009
Salix OS (Xfce) 13.0.1 November 2, 2009
Salix OS (Xfce) 13.0.2 December 23, 2009
Salix Live (Xfce) 13.0 April 8, 2010
Salix OS (Xfce) 13.1 June 4, 2010
Salix OS (LXDE) 13.1 June 16, 2010
Salix Live (Xfce) 13.0.1 July 27, 2010
Salix OS (Xfce) 13.1.1 August 8, 2010
Salix OS (LXDE) 13.1.1 September 6, 2010
Salix Live (Xfce) 13.1.1 September 16, 2010
Salix Live (LXDE) 13.1.1 September 16, 2010
Salix OS (KDE) 13.1.2 October 30, 2010
Salix OS (Xfce) 13.1.2 November 9, 2010
Salix OS (Fluxbox) 13.1.2 December 7, 2010
Salix OS (LXDE) 13.1.2 December 27, 2010
Salix OS (Xfce) 13.37 May 12, 2011
Salix OS (Fluxbox) 13.37 June 15, 2011
Salix OS (KDE) 13.37 July 22, 2011
Salix OS (LXDE) 13.37 August 18, 2011
Salix OS (Ratpoison) 13.37 October 05, 2011

パッケージ管理かんりとシステム管理かんり[編集へんしゅう]

Salix OS は、slapt-get package management ツールをパッケージ管理かんりのために使用しようしている。[8] (GUIのフロントエンドは、Gslaptを使つかっている。)Slackwareで使つかわれている .tgz/.txz パッケージ·フォーマットをそのまま使つかっているが、依存いぞんパッケージもパッケージ·インストール自動的じどうてきにインストールされるようになっている。[9] さらにslapt-get(gslapt)を使つかえば、依存いぞんパッケージのリストをふくむ .dep ファイルだけではなく パッケージの説明せつめいなどをみられる。Slackwareのためにコンパイルされたパッケージは、基本きほんてきにはSalix OSとSlackwareの互換ごかんせいのおかげでそもままインストールしても問題もんだいはない。

Salix OSにおけるシステム管理かんりは、すべてSlackwareとおなじやりかたでできる。さらに管理かんり簡単かんたんにするために、Salix OSは、コンソールようだけでなくGUIでシステム管理かんりができるようにSalix Os特有とくゆうのツールも用意よういしてある。

ライブ·CD[編集へんしゅう]

Salix Liveは、Salix OSのLive CD はんである。[5]Salix OSをハード·ドライブにじかにインストールしなくてもよくSalix OSをため感覚かんかく利用りようすることができる。ライブ·CDには、GUIインストーラもどうこりされており、ハード·ドライブにインストールしたくなった場合ばあいは、ライブ·CDからぐにインストールすることができる。とくにハードウェアとSalix Osとの相性あいしょうをみるのに便利べんりである。

GUIインストーラ(Salix Live Installer)は、Salix Osとおなじくきなインストール·モードをえらぶことができる。

Live installer, time configuration. Live installer, package mode settings.

ライブ·CDには、そのLiveCloneとよばれるGUIのアップリケーションもあり、バニラ、またはカスタムしたSalix LiceCDをCD-ROM、もしくはUSBキーに作成さくせいすることができる。さらには、LILO bootloader問題もんだいこしたときのレスキュー·キット、パーティションのためのツールなどSalix OSにはなくSalix LiveCDだけについてくるアプリケーションも ある。

開発かいはつ[編集へんしゅう]

Salix OSの開発かいはつはすべてオープンまたコーポラティブにおこなわれている。開発かいはつようのソースは Sourceforge SVNでみられる。[10] またアプリケーションの翻訳ほんやくTransifex使つかっておこなわれている。[11]

ドキュメンテーション[編集へんしゅう]

Salix OSにかんしての情報じょうほうは、Salixウィキで調しらべられる。[12] また初心者しょしんしゃのためには、Startup Guideも用意よういされている。[13]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]