ピクセル

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液晶えきしょうディスプレイのピクセル(画素がそ)。右側みぎがわにオレンジとあお表示ひょうじされている。左側ひだりがわはその拡大かくだいで、1ピクセルたりRGBのさんしょくわせで、いろ(オレンジ、あお)が表現ひょうげんされていることがわか

ピクセルえい: pixel)、または画素がそ(がそ)とは、コンピュータ画像がぞうあつかさいに、いろ情報じょうほう (色調しきちょうかい調ちょう) を最小さいしょう単位たんい最小さいしょう要素ようそのこと(画素がそという和訳わやく定着ていちゃくする以前いぜんは、ぞうもと畫素がそもととも呼称こしょうされた)。

しばしばピクセルと同一どういつ言葉ことばとして使つかわれるドットとは、後者こうしゃたんなる物理ぶつりてきてん情報じょうほう(あるいろたとえばドットを「黒色こくしょく」で表示ひょうじされるものとすれば、1ピクセルのRGBが「すべえている状態じょうたい」)であることで区別くべつされる。たとえばディスプレイにおいて320×240ピクセルの画像がぞうを100%表示ひょうじすれば320×240ドットとなるが、200%表示ひょうじならば640×480ドットとなる。

ピクセルは、一般いっぱんてきに「写真しゃしん要素ようそ」を意味いみする英語えいごの「picture element」からの造語ぞうご、または「写真しゃしん細胞さいぼう」を意味いみする英語えいごの「picture cell」からの造語ぞうごとされる[1]。picture elementのもうひとつの略語りゃくごpelは、日本語にほんご絵素えそ(えそ)と表現ひょうげんされ、その場合ばあいかぎり「画素がそ」をサブピクセルを意味いみする用語ようごとして使つかわれたが、この用法ようほう歴史れきしてき用語ようごとなりつつあり、電光でんこう掲示板けいじばん仕様しよう時折ときおりみられる程度ていどとなっている。

ピクセルの拡大かくだいれい

コンピュータでは、連続れんぞくてきあつかえないため、画像がぞうあつかうにも量子りょうしする必要ひつようがある。たとえば、640×480ピクセルの画像がぞうは、よこ640たて480てんならべて表現ひょうげんされていることをしめす。ディスプレイなどのデバイスにおいては、一般いっぱんてきラスタディスプレイでは、ピクセルを単位たんいとして画像がぞう表示ひょうじする。

アスペクト[編集へんしゅう]

画像がぞうにおけるアスペクトは、1画面がめんたてよこ意味いみする (画面がめんアスペクト参照さんしょう)。同様どうように、画素がそにおけるアスペクトは、1画素がそたてよこ意味いみする。

コンピュータディスプレイでのピクセルは、画像がぞう2次元じげん平面へいめんとしてあつか都合つごうじょう正方形せいほうけいをしている。これは、補正ほせいのための余分よぶん演算えんざん必要ひつようないからである。

テレビ(NTSC規格きかくなど)のように、ピクセルの縦横じゅうおうピクセルアスペクト)が1:1でない場合ばあいもある[ちゅう 1]。この場合ばあい表示ひょうじつね補正ほせいおこなっている。

いろ[編集へんしゅう]

ピクセルアート

大半たいはんのカラー画像がぞうにおいて、ひとつのピクセルは、三原色さんげんしょくかく原色げんしょくあかみどりあお)で独立どくりつした明度めいど情報じょうほうゆうする[ちゅう 2]。ピクセルにどれだけの情報じょうほうりょうあたえるかによって、そのピクセルが表現ひょうげんできるいろすうまる。れいとして、1ピクセルに1ビット情報じょうほうしかてない場合ばあい、ピクセルは2しょくしか表現ひょうげんできない。それぞれの原色げんしょくのチャンネルに8ビット(28=256 かい調ちょう)、けい24ビット情報じょうほうてれば、(28)3=16,777,216 しょく再現さいげんできる(一般いっぱんてきに、ヒトは750まんしょく~1000まんしょく程度ていど識別しきべつ可能かのうであるといわれており、これを十分じゅうぶんにカバーできる)。また、1ピクセルに32ビット情報じょうほうてる場合ばあいもあり、このときいろ表現ひょうげんに24ビットを使用しようし、のこりの8ビットアルファチャンネル (透明とうめい) を記述きじゅつするために使用しようすることがある。

コンピュータにおいては、1ピクセルあたりにてる情報じょうほうりょうによって、16ビット (あかあおは5ビット=32かい調しらべみどりは6ビット=64かい調ちょう) で表現ひょうげんする場合ばあいハイカラー英語えいごばん、24ビット (かく原色げんしょく8ビット=256諧調かいちょう) で表現ひょうげんする場合ばあいトゥルーカラーぶ。 ディスプレイデバイスとうにおいて、アルファチャンネル意味いみをなさないが、24ビットにくらべて、メモリアドレスやデータのあつかいが簡単かんたんであることから、かくピクセルに32ビットをてる場合ばあいもある (この場合ばあいは「トゥルーカラー」となる)。商業しょうぎょう印刷いんさつ用途ようとなどでは、48ビット(かく原色げんしょく16ビット=65,536かい調ちょう)ももちいられる。

アンチエイリアス[編集へんしゅう]

コンピュータであつか画像がぞうではピクセル単位たんいよりこまかく描画びょうがすることはできない。このため、物体ぶったい輪郭りんかくジャギーばれるギザギザが発生はっせいしてしまう。このジャギーを軽減けいげんするために、物体ぶったい輪郭りんかく背景はいけい融合ゆうごうするように、いろなめらかに変化へんかさせることをアンチエイリアス (えい: anti-alias) といい、その処理しょりをアンチエイリアシングという。アンチエイリアスをかけると輪郭りんかくがぼやけてしまうため、ビットマップフォントなどではアンチエイリアス処理しょり(アンチエイリアシング)はおこなわれないことがおおい。アンチエイリアス処理しょり前述ぜんじゅつアルファチャンネル利用りようされることもある。

メガピクセル[編集へんしゅう]

メガピクセル(英語えいご: Megapixel)は、まん単位たんいのピクセルをしめ単位たんいとしてもちいられる。1メガピクセルは100まん画素がそである。おもデジタルカメラ性能せいのう指標しひょうとしてもちいられる場合ばあいおおい。しかし日本にっぽんではあまりもちいられておらず、数字すうじおおきくせるために「1000まん画素がそ」などと表現ひょうげんされることがおおい。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ テレビでは走査そうさせんかずまっているため、高画質こうがしつにするために水平すいへい解像度かいぞうどやすためである。(画面がめんアスペクト#DVD-Videoの画面がめんサイズ参照さんしょう
  2. ^ いろ情報じょうほう(Cr、Cb)、輝度きど情報じょうほう(Y)などをもちいる場合ばあいもある。詳細しょうさいいろ空間くうかん参照さんしょう

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ こう (CG 用語ようご辞典じてん)”. 日本にっぽん大学だいがく理工学部りこうがくぶ応用おうよう情報じょうほう工学科こうがっか吉川よしかわ山口やまぐち研究けんきゅうしつ. 1996ねん11月3にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2024ねん2がつ9にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]