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御用ごよう組合くみあい

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

御用ごよう組合くみあいごようくみあいえい: yellow unionどく: Gelbe Gewerkschaftなか: 黄色おうしょくこうかい)は、雇傭こようしゃ使用しようしゃがわ実権じっけんにぎっている労働ろうどう組合くみあいす。欧米おうべい中国ちゅうごく訳語やくごにもあるようにぞく黄色おうしょく組合くみあいおうしょくくみあいきいろくみあい)とばれる。御用ごよう組合くみあい国際こくさい労働ろうどう機関きかん98ごう条約じょうやく違反いはんする。

対義語たいぎご紅色こうしょく組合くみあい

概要がいよう

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本来ほんらい被用者ひようしゃ労働ろうどうしゃ)によって組織そしきされている労働ろうどう組合くみあいは、労働ろうどう組合くみあいほうによって雇用こようしゃ使用しようしゃがわ直接ちょくせつ介入かいにゅうきんじるものと定義ていぎづけられているが、間接かんせつてき介入かいにゅうによって合法ごうほうてきに、または監督かんとく機関きかんぬすんでの直接的ちょくせつてき介入かいにゅうによって雇用こようしゃがわ労働ろうどう組合くみあい手中しゅちゅうおさめること可能かのうである(たとえば組合くみあい幹部かんぶ出世しゅっせ約束やくそくすることをえに首切くびき給与きゅうよ増加ぞうか保留ほりゅうおうじさせる、など)。こうして雇用こようしゃがわ支配しはいされた労働ろうどう組合くみあいをこのようにぶ。これらの行為こうい日本にっぽんにおいては労働ろうどう組合くみあいほう支配しはい介入かいにゅうとして禁止きんしされている。

被用者ひようしゃたいする賃金ちんぎんげや労働ろうどう条件じょうけん変更へんこうなどは、労働ろうどう組合くみあい了承りょうしょうをとらねば事実じじつじょう実行じっこうすることができない(法的ほうてきにはつね絶対ぜったい条件じょうけんとはれないが、経営けいえいじょう労組ろうそ決定的けっていてき対立たいりつしていては円滑えんかつ人事じんじ労務ろうむ管理かんり困難こんなん)ため、御用ごよう組合くみあいがある企業きぎょうにおいては、雇用こようしゃ被用者ひようしゃ社会しゃかいてき生殺与奪せいさつよだつ権利けんりすら組合くみあいが「だい人事じんじ」と揶揄やゆされることもある。経営けいえいしゃ癒着ゆちゃくした労働ろうどう組合くみあい幹部かんぶが、労働ろうどう貴族きぞくすこともすくなくない。

かつての総評そうひょうは、全日本ぜんにほん労働ろうどうそう同盟どうめいけい労組ろうそを「御用ごよう組合くみあい労使ろうし協調きょうちょう」とする主張しゅちょうをした[1]

なお、社会しゃかい主義しゅぎこくにおいては、労働ろうどう組合くみあいふく社会しゃかい全体ぜんたいにわたって前衛ぜんえいとう指導しどう浸透しんとうすることが体制たいせい基本きほんであるため、その体制たいせいなか政権せいけん批判ひはんてき労働ろうどう運動うんどうこころざがわからすれば、社会しゃかい主義しゅぎこく労働ろうどう組合くみあいすなわ御用ごよう組合くみあいであるということになる。たとえば1980ねんポーランド人民じんみん共和きょうわこく独立どくりつ自主じしゅ管理かんり労働ろうどう組合くみあい連帯れんたい結成けっせいされたのは、支配しはい政党せいとうたるポーランド統一とういつ労働ろうどうしゃとう影響えいきょう公認こうにん労組ろうそである労働ろうどう組合くみあい中央ちゅうおう評議ひょうぎかいげられない労働ろうどうしゃこえ反映はんえいする労働ろうどう組合くみあい必要ひつようとされたためである。

国際こくさい労働ろうどう機関きかん

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御用ごよう組合くみあい一般いっぱんてきに、労働ろうどうしゃによって自由じゆう選出せんしゅつされない組織そしきであり、雇用こようしゃがそれをなんらかのかたち支配しはいする組織そしきであると認識にんしきされている。国際こくさい労働ろうどう機関きかん(ILO)は御用ごよう組合くみあいを「単一たんいつ企業きぎょう支配しはいてきまたはつよ影響えいきょうりょくをもっており、その影響えいきょう制限せいげんされている組合くみあい」と定義ていぎする[2]団結だんけつけんおよ団体だんたい交渉こうしょうけんについての原則げんそく適用てきようかんする条約じょうやく(ILO98ごう条約じょうやく、1949ねん[3]だい2じょうでは、そのいかなる形態けいたい組合くみあい事実じじつじょうきんじている。

だいじょう

  1. 労働ろうどうしゃ団体だんたいおよ使用しようしゃ団体だんたいは、その設立せつりつ任務にんむ遂行すいこうまた管理かんりかんして相互そうご直接ちょくせつまた代理人だいりにんしくは構成こうせいいんつうじておこな干渉かんしょうたいして充分じゅうぶん保護ほごける。
  2. とくに、労働ろうどうしゃ団体だんたい使用しようしゃまた使用しようしゃ団体だんたい支配しはいしたくため、使用しようしゃしくは使用しようしゃ団体だんたい支配しはいされる労働ろうどうしゃ団体だんたい設立せつりつ促進そくしんし、また労働ろうどうしゃ団体だんたい経理けいりじょう援助えんじょその援助えんじょあたえる行為こういは、本条ほんじょう意味いみにおける干渉かんしょうとなるものとする。

関連かんれん文献ぶんけん記事きじ

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 教育きょういく文化ぶんか協会きょうかいへん戦後せんご労働ろうどう運動うんどう』(1998ねんだいいち書林しょりん
  2. ^ ILO.
  3. ^ 1949ねん団結だんけつけんおよ団体だんたい交渉こうしょうけん条約じょうやくだい98ごう”. ILOちゅうにち事務所じむしょ. 2018ねん11月29にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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