脂肪酸 しぼうさん の例 れい
脂肪酸 しぼうさん (しぼうさん、Fatty acid、FA)とは、炭化 たんか 水素 すいそ 鎖 くさり にカルボキシ基 もと を有 ゆう した1価 か のカルボン酸 さん である[ 1] 。不 ふ 飽和 ほうわ 結合 けつごう の有無 うむ により、飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん および不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん に分 わ けられる場合 ばあい が多 おお い。天然 てんねん に存在 そんざい する脂肪酸 しぼうさん の大 だい 部分 ぶぶん は分岐 ぶんき のない炭化 たんか 水素 すいそ 鎖 くさり をもつが、分 ぶん 枝 えだ 鎖 くさり 、環状 かんじょう 構造 こうぞう を持 も つ脂肪酸 しぼうさん も存在 そんざい する。生体 せいたい 内 ない において、細胞 さいぼう 膜 まく を構成 こうせい する多 おお くの脂質 ししつ 分子 ぶんし の主要 しゅよう 成分 せいぶん として重要 じゅうよう である(リン脂質 ししつ 、スフィンゴ脂質 ししつ 、コレステロールエステル など)。脂肪酸 しぼうさん がグリセリン とエステル 結合 けつごう したアシルグリセロール は油脂 ゆし を構成 こうせい する。
脂肪酸 しぼうさん は主 おも に炭素 たんそ 数 すう および不 ふ 飽和 ほうわ 結合 けつごう の有無 うむ 、幾何 きか 異性 いせい 体 たい の種類 しゅるい によって分類 ぶんるい される。
炭素 たんそ 数 すう に応 おう じて短 たん 鎖 くさり ・中 ちゅう 鎖 くさり ・長 ちょう 鎖 くさり 脂肪酸 しぼうさん と区別 くべつ する。
なお炭素 たんそ 数 すう 10以上 いじょう のものを高級 こうきゅう 脂肪酸 しぼうさん (higher fatty acid)とも呼 よ ぶ。
不 ふ 飽和 ほうわ 度 ど による分類 ぶんるい はさまざまであるが、基本 きほん 的 てき には以下 いか の分類 ぶんるい に従 したが う。
また不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん は二 に 重 じゅう 結合 けつごう の数 かず が1つであるか、複数 ふくすう であるかによって以下 いか の分類 ぶんるい がなされる。
モノエン脂肪酸 しぼうさん (一価 いっか 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん 、monounsaturated fatty acid, MUFA) — 二 に 重 じゅう 結合 けつごう の数 かず が1つである
ポリエン脂肪酸 しぼうさん (多 た 価 あたい 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん 、polyunsaturated fatty acid, PUFA)— 二 に 重 じゅう 結合 けつごう の数 かず が2つ以上 いじょう である。二 に 重 じゅう 結合 けつごう の数 かず が4つ以上 いじょう のものを高度 こうど 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん と呼 よ ぶ場合 ばあい もある。
また、二 に 重 じゅう 結合 けつごう の有無 うむ および炭素 たんそ 数 すう の差異 さい によって名称 めいしょう が異 こと なる。脂肪酸 しぼうさん #命名 めいめい 法 ほう にて述 の べる。
不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん は、幾何 きか 異性 いせい 体 たい にcis型 がた とtrans型 がた がある。天然 てんねん に存在 そんざい するのはほとんどがcis型 がた である。trans型 がた のものを特 とく にトランス脂肪酸 しぼうさん と呼 よ んで区別 くべつ することがある。
その他 た の分類 ぶんるい には以下 いか のようなものがある。
分 ぶん 枝 えだ 脂肪酸 しぼうさん — 分 ぶん 枝 えだ 鎖 くさり を有 ゆう する脂肪酸 しぼうさん
環状 かんじょう 脂肪酸 しぼうさん — 環状 かんじょう 構造 こうぞう を有 ゆう する
ヒドロキシ脂肪酸 しぼうさん — ヒドロキシ基 もと を含 ふく む
奇数 きすう 炭素 たんそ 脂肪酸 しぼうさん — 偶数 ぐうすう 炭素 たんそ 脂肪酸 しぼうさん と比較 ひかく して酸化 さんか 効率 こうりつ が低 ひく い(β べーた 酸化 さんか )
偶数 ぐうすう 炭素 たんそ 脂肪酸 しぼうさん — 奇数 きすう 炭素 たんそ 脂肪酸 しぼうさん と比較 ひかく して酸化 さんか 効率 こうりつ が高 たか い
炭素 たんそ 数 すう 10以上 いじょう の飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん の融点 ゆうてん は鎖 くさり 長 ちょう の順 じゅん に高 たか くなり炭素 たんそ 数 すう 30のトリアコンタン酸 さん の融点 ゆうてん は 93.6 ℃だが、炭素 たんそ 数 すう 9以下 いか の飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん では解離 かいり 、水素 すいそ 結合 けつごう によるクラスター形成 けいせい 等 とう 様々 さまざま な原因 げんいん で、炭素 たんそ 鎖 くさり の長 なが さの順 じゅん になる訳 わけ ではない。炭素 たんそ 数 すう 2の酢酸 さくさん では融点 ゆうてん が16.7 ℃なのに対 たい して、炭素 たんそ 数 すう 5のペンタン酸 さん が融点 ゆうてん が最 もっと も低 ひく く−34.5 ℃である。
飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん は同 おな じ炭素 たんそ 数 すう の不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん に比 くら べて高 たか い融点 ゆうてん を示 しめ す。
ヒト を含 ふく む多 おお くの生体 せいたい 内 ない ではエネルギー源 げん として好 こう 気 き 的 てき に代謝 たいしゃ される(β べーた 酸化 さんか )。脂肪酸 しぼうさん は体内 たいない においてはほとんどが筋肉 きんにく 細胞 さいぼう に存在 そんざい している。筋肉 きんにく 細胞 さいぼう 内 ない において、脂肪酸 しぼうさん はカルニチン によってミトコンドリア 内部 ないぶ に輸送 ゆそう される。ミトコンドリア内 ない 膜 まく はアシルCoAを直接 ちょくせつ 透過 とうか しないため、カルニチンが脂肪酸 しぼうさん アシル 運搬 うんぱん 体 たい の役割 やくわり を果 は たす(動植物 どうしょくぶつ 共通 きょうつう )。脂肪酸 しぼうさん アシルCoAはカルニチンと一時 いちじ 的 てき に結合 けつごう し、脂肪酸 しぼうさん アシルカルニチンを生成 せいせい する。この反応 はんのう はミトコンドリア外 がい 膜 まく に埋 う め込 こ まれたカルニチンアシルトランスフェラーゼIにより触媒 しょくばい される。その後 ご 、脂肪酸 しぼうさん はミトコンドリア内 ない でβ べーた 酸化 さんか を受 う け酢酸 さくさん にまで分解 ぶんかい され、生成 せいせい したアセチルCoA はクエン酸 くえんさん 回路 かいろ を通 つう じてエネルギーに転換 てんかん される。
マウス を対象 たいしょう とした動物 どうぶつ 実験 じっけん において、ある種 しゅ の脂肪酸 しぼうさん には腫瘍 しゅよう 細胞 さいぼう の脂肪 しぼう 代謝 たいしゃ を阻害 そがい することにより抗 こう がん効果 こうか がある事例 じれい が複数 ふくすう 報告 ほうこく されている[ 2] [ 3] [ 4] [ 5] 。
奇数 きすう 炭素 たんそ 脂肪酸 しぼうさん は、偶数 ぐうすう 炭素 たんそ 脂肪酸 しぼうさん と比較 ひかく して酸化 さんか 効率 こうりつ が低 ひく いため、白血病 はっけつびょう 患者 かんじゃ の骨髄 こつづい に含 ふく まれるがん細胞 さいぼう のエネルギー源 げん である脂肪酸 しぼうさん の代謝 たいしゃ を阻害 そがい する効果 こうか がある事 こと が判明 はんめい しており、がん阻害 そがい 剤 ざい としての効果 こうか が期待 きたい される[ 6] [ 7] 。
脂肪酸 しぼうさん はグリセリン とのエステル 体 からだ (トリグリセリド )の形 かたち で摂取 せっしゅ されることが多 おお い。例 たと えば医学 いがく 用語 ようご で「脂肪 しぼう 」や「中性 ちゅうせい 脂肪 しぼう 」と言 い えば、通常 つうじょう 「脂肪酸 しぼうさん トリグリセリド 」のことを指 さ す。長 ちょう 鎖 くさり 脂肪酸 しぼうさん グリセリド(LCT)と中 ちゅう 鎖 くさり 脂肪酸 しぼうさん トリグリセリド(MCT)とでは、摂取 せっしゅ 後 ご 全 まった く異 こと なる吸収 きゅうしゅう 形態 けいたい を取 と る[ 8] 。LCT及 およ びMCTも小腸 しょうちょう において、エステラーゼ で加水 かすい 分解 ぶんかい され、脂肪酸 しぼうさん とグリセリン になるまでは共通 きょうつう である。しかしLCTは小腸 しょうちょう 上皮 じょうひ から摂取 せっしゅ 後 ご 、リンパ管 りんぱかん に入 はい って全身 ぜんしん 循環 じゅんかん し、胸 むね 管 かん を通 つう じて徐々 じょじょ に血液 けつえき に入 はい る[ 9] 。これに対 たい してMCTは直接 ちょくせつ 血液 けつえき 循環 じゅんかん に入 はい る。従 したが ってMCTはすみやかに代謝 たいしゃ されるのに対 たい して、LCTの代謝 たいしゃ はMCTより遅 おそ い(少 すく なくとも数時間 すうじかん )[ 10] 。俗説 ぞくせつ ではMCTはすみやかにケトン体 たい に変 か わりケトン体 たい 濃度 のうど の増加 ぞうか (生理 せいり 的 てき ケトーシス )を誘導 ゆうどう するが、LCTは中性 ちゅうせい 脂肪 しぼう になり体内 たいない に蓄積 ちくせき するという。MCTはケトン体 たい に変 か わりやすいのは確 たし かだが、インスリン がMCTがケトン体 たい に変 か わることを阻害 そがい しているため、糖 とう 質 しつ を摂取 せっしゅ する通常 つうじょう の食事 しょくじ ではMCTはケトン体 たい を増加 ぞうか させることはない[ 11] 。すなわちMCTは糖 とう 質 しつ 制限 せいげん 食 しょく またはケトン食 しょく とともに食 た べないと、MCTはケトン体 たい を増加 ぞうか させることはない。最近 さいきん ではケトン食 しょく にMCTが取 と り入 い れられている。
飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん を取 と り過 す ぎると、カロリー不足 ふそく でない限 かぎ り血清 けっせい 総 そう コレステロール 濃度 のうど を上昇 じょうしょう させ、虚 きょ 血 ち 性 せい 心 こころ 疾患 しっかん を起 お こしやすくすると言 い われている。飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん は、WHO/FAOが肥満 ひまん 問題 もんだい に対 たい する戦略 せんりゃく のひとつとして摂取 せっしゅ 制限 せいげん を挙 あ げている[ 12] 。
複 ふく 脂肪酸 しぼうさん 生 せい 合成 ごうせい 系 けい クリックで拡大 かくだい ・解説 かいせつ
脂肪酸 しぼうさん の合成 ごうせい という場合 ばあい 、通常 つうじょう は炭素 たんそ 数 すう 16のパルミチン酸 さん の合成 ごうせい 、さらにパルミチン酸 さん を起点 きてん とした各種 かくしゅ 合成 ごうせい 経路 けいろ を指 さ す(不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪 しぼう さの合成 ごうせい など)。炭素 たんそ 数 すう 15以下 いか の脂肪酸 しぼうさん については統一 とういつ 的 てき な生 なま 合成 ごうせい 回路 かいろ は存在 そんざい しない。多 おお くは細菌 さいきん による発酵 はっこう 作用 さよう や、より長 なが い炭素 たんそ 鎖 くさり をもつ脂肪酸 しぼうさん のβ べーた 酸化 さんか により生成 せいせい する[ 13] [ 14] 。
パルミチン酸 さん は、脂肪酸 しぼうさん 合成 ごうせい 酵素 こうそ (fatty acid synthase; FAS)によりアセチルCoA およびマロニルCoA から合成 ごうせい される。I型 がた およびII型 がた の2種類 しゅるい (FAS IおよびFAS II)が知 し られており、動物 どうぶつ や一部 いちぶ の菌類 きんるい ・細菌 さいきん はFAS Iを、その他 た の生物 せいぶつ はFAS IIを持 も つ。反応 はんのう 過程 かてい はどちらも同 おな じである。まず、アセチルCoAおよびマロニルCoAはそれぞれアシルキャリアータンパク質 しつ (acyl career protein; ACP) に結合 けつごう して活性 かっせい 化 か される(アセチルACPおよびマロニルACP)。続 つづ いてアセチルACP(炭素 たんそ 数 すう 2)を出発 しゅっぱつ 物質 ぶっしつ (プライマー)として、ここにマロニルACP(炭素 たんそ 数 すう 3)が脱 だつ 炭酸 たんさん 的 てき に繰 く り返 かえ し縮 ちぢみ 合 あわ していく(クライゼン縮 ちぢみ 合 あい )。反応 はんのう サイクルごとに炭素 たんそ 数 すう は2個 こ ずつ増加 ぞうか し、最終 さいしゅう 生成 せいせい 物 ぶつ はパルミトイルACPである。生成 せいせい したパルミトイルACPはチオエステラーゼ によってパルミチン酸 さん (C16)とACPに加水 かすい 分解 ぶんかい される。生成 せいせい した脂肪酸 しぼうさん は、グリセロールに結合 けつごう してトリグリセリド となって蓄積 ちくせき されるほか、グリセロリン脂質 ししつ の生産 せいさん に使用 しよう され、これは細胞 さいぼう 膜 まく の主要 しゅよう 構成 こうせい 物質 ぶっしつ となる。細菌 さいきん の場合 ばあい 、すみやかに細胞 さいぼう 膜 まく の脂質 ししつ 分子 ぶんし に組 く み込 こ まれるため蓄積 ちくせき は起 お きない。炭素 たんそ 数 すう 16以上 いじょう についても、同様 どうよう に炭素 たんそ 鎖 くさり が2個 こ ずつ伸長 しんちょう される(例 たと えばC18 ステアリン酸 さん )。
飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん がエネルギー代謝 たいしゃ に関与 かんよ する一方 いっぽう 、不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん は栄養素 えいようそ として重要 じゅうよう である。例 たと えば、動物 どうぶつ の場合 ばあい リノール酸 さん 、α あるふぁ -リノレン酸 さん などは自身 じしん で作 つく り出 だ すことができないため、外部 がいぶ から摂取 せっしゅ することが必要 ひつよう となる必須 ひっす 脂肪酸 しぼうさん (ビタミンF)である。同様 どうよう に高度 こうど 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん もプロスタグランジン 類 るい の原料 げんりょう として、新生児 しんせいじ ・乳児 にゅうじ の中枢 ちゅうすう 神経 しんけい 系 けい の発育 はついく の為 ため に必須 ひっす である[ 15] [ 16] 。
不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん は飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん に不 ふ 飽和 ほうわ 結合 けつごう を導入 どうにゅう することで合成 ごうせい され、嫌気 いやけ 性 せい および好 こう 気性 きしょう の2つの生 なま 合成 ごうせい 経路 けいろ が知 し られている。シアノバクテリア および真 ま 核 かく 生物 せいぶつ では好 こう 気性 きしょう 経路 けいろ が利用 りよう されるのに対 たい して、他 た の細菌 さいきん は嫌気 いやけ 性 せい 経路 けいろ を有 ゆう する。天然 てんねん に見 み つかっている不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん はほとんどが偶数 ぐうすう 炭素 たんそ 数 すう で直 ちょく 鎖 くさり のcis型 がた である。不 ふ 飽和 ほうわ 結合 けつごう の位置 いち は、脂肪酸 しぼうさん のカルボニル基 もと から数 かぞ えた炭素 たんそ の個数 こすう (Δ でるた )、もしくはメチル基 もと 末 まつ 端 はし から数 かぞ えた個数 こすう (ω おめが )で表 あらわ す。また、不 ふ 飽和 ほうわ 結合 けつごう の個数 こすう を総 そう 炭素 たんそ 数 すう の後 うし ろにつけて表 あらわ す。例 たと えば炭素 たんそ 数 すう 18の脂肪酸 しぼうさん の直 ちょく 鎖 くさり 中 ちゅう に2重 じゅう 結合 けつごう を1つもつ場合 ばあい 、18:1と表 あらわ す(オレイン酸 さん )。
好 こう 気性 きしょう の不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん 合成 ごうせい はデサチュレーゼ と呼 よ ばれる酵素 こうそ により触媒 しょくばい される。不 ふ 飽和 ほうわ 結合 けつごう が導入 どうにゅう される脂肪酸 しぼうさん の炭素 たんそ 鎖 くさり 上 じょう の位置 いち に対 たい して、それぞれ異 こと なるデサチュレーゼが存在 そんざい する。ステアリン酸 さん (18:0)のΔ でるた 9位 い (ω おめが 9位 い でもある)に二 に 重 じゅう 結合 けつごう が付加 ふか されると18:1のオレイン酸 さん となる。オレイン酸 さん はω おめが 9位 い に不 ふ 飽和 ほうわ 結合 けつごう をもつため、ω おめが -9脂肪酸 しぼうさん に分類 ぶんるい される。リノール酸 さん やリノレン酸 さん など、2つ以上 いじょう の不 ふ 飽和 ほうわ 結合 けつごう をもつ脂肪酸 しぼうさん は多 た 価 あたい 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん と呼 よ ばれ、ヒトにとって重要 じゅうよう な生理 せいり 機能 きのう をもつ。しかし自身 じしん では合成 ごうせい できないため、外部 がいぶ から摂取 せっしゅ する必要 ひつよう のある必須 ひっす 脂肪酸 しぼうさん である。多 た 価 あたい 不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん は天然 てんねん では植物 しょくぶつ や微生物 びせいぶつ により合成 ごうせい される。リノール酸 す およびリノレン酸 さん はそれぞれω おめが -6脂肪酸 しぼうさん およびω おめが -3脂肪酸 しぼうさん である。
ヒトを含 ふく めた動物 どうぶつ の体内 たいない では、リノール酸 さん はさらにアラキドン酸 さん へ変換 へんかん される。さらに、このアラキドン酸 さん (20:4(n-6))から変換 へんかん されて生成 せいせい される炎症 えんしょう ・アレルギー反応 はんのう と関連 かんれん した強 つよ い生理 せいり 活性 かっせい 物質 ぶっしつ であるω おめが -6プロスタグランジン 、n-6ロイコトリエン 等 ひとし のオータコイド 類 るい は、アテローム性 せい 動脈 どうみゃく 硬化 こうか 症 しょう 、喘息 ぜんそく 、関節 かんせつ 炎 えん 、血管 けっかん の病気 びょうき 、血栓 けっせん 症 しょう 、免疫 めんえき 炎症 えんしょう の過程 かてい 、腫瘍 しゅよう 増殖 ぞうしょく における過度 かど のω おめが -6作用 さよう を抑制 よくせい する調合 ちょうごう 薬 やく 開発 かいはつ の標的 ひょうてき となっている[ 17] 。n-3とn-6エイコサノイド前駆 ぜんく 体 たい の生成 せいせい について代謝 たいしゃ 酵素 こうそ が共通 きょうつう しているため、n-6脂肪酸 しぼうさん とn-3脂肪酸 しぼうさん とが競争 きょうそう 的 てき な相互 そうご 作用 さよう をする。
ヒトを含 ふく めた動物 どうぶつ の体内 たいない では、α あるふぁ -リノレン酸 さん はエイコサペンタエン酸 さん (EPA)を経由 けいゆ してドコサヘキサエン酸 さん (DHA)が生成 せいせい される[ 17] 。DHAは不 ふ 飽和 ほうわ 度 ど が極 きわ めて高 たか く細胞 さいぼう 膜 まく の流動 りゅうどう 性 せい の保持 ほじ に寄与 きよ している。神経 しんけい 細胞 さいぼう は、軸 じく 索 さく や樹 き 状 じょう 突起 とっき などの凹凸 おうとつ の多 おお い入 い り組 く んだ構造 こうぞう を有 ゆう しているため、膜 まく 成分 せいぶん が極端 きょくたん に多 おお くなっている[ 18] 。DHAは精液 せいえき や脳 のう 、網膜 もうまく のリン脂質 ししつ に含 ふく まれる脂肪酸 しぼうさん の主要 しゅよう な成分 せいぶん である。
トランス脂肪酸 しぼうさん (上 うえ )とシス脂肪酸 しぼうさん (下 した )
トランス脂肪酸 しぼうさん は、構造 こうぞう 中 ちゅう にトランス型 がた の二 に 重 じゅう 結合 けつごう を持 も つ不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん である。トランス脂肪酸 しぼうさん は天然 てんねん にはほとんど存在 そんざい しない。植物 しょくぶつ 油 ゆ や魚油 ぎょゆ などから得 え られる天然 てんねん の(シス型 がた )不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん は融点 ゆうてん が低 ひく く、常温 じょうおん で液体 えきたい である。また、酸化 さんか による劣化 れっか が起 お こりやすいという側面 そくめん がある。そのため水素 すいそ 付加 ふか を行 おこな って、融点 ゆうてん が高 たか く常温 じょうおん で固体 こたい の、かつ酸化 さんか による劣化 れっか が起 お こりにくい飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん に変換 へんかん する(硬化 こうか 油 ゆ と呼 よ ばれる)。この際 さい 、飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん にならなかった一部 いちぶ の不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん のシス型 がた 結合 けつごう がトランス型 がた に変化 へんか (エライジン化 か )して、トランス脂肪酸 しぼうさん となる。部分 ぶぶん 硬化 こうか 油 ゆ を原料 げんりょう に含 ふく むマーガリン 、ファットスプレッド 、ショートニング などにトランス脂肪酸 しぼうさん が含 ふく まれる。多量 たりょう に摂取 せっしゅ するとLDLコレステロール (悪玉 あくだま コレステロール)を増加 ぞうか させ心臓 しんぞう 疾患 しっかん のリスク を高 たか めるといわれ、2003年 ねん 以降 いこう 、トランス脂肪酸 しぼうさん を含 ふく む製品 せいひん の使用 しよう を規制 きせい する国 くに が増 ふ えている[要 よう 出典 しゅってん ] 。
トランス脂肪酸 しぼうさん は天然 てんねん にもわずかながら存在 そんざい する。牛 うし や羊 ひつじ などの反芻 はんすう 動物 どうぶつ が作 つく るミルクや肉 にく には少量 しょうりょう のトランス脂肪酸 しぼうさん が含 ふく まれている[ 19] 。これは反芻 はんすう 動物 どうぶつ の体内 たいない にいる細菌 さいきん の発酵 はっこう によって生成 せいせい する。工業 こうぎょう 的 てき に生産 せいさん されたトランス脂肪酸 しぼうさん の健康 けんこう への影響 えいきょう に対 たい して、天然 てんねん 由来 ゆらい のトランス脂肪酸 しぼうさん については、今 いま のところ健康 けんこう への影響 えいきょう は確認 かくにん されていない[ 19] 。これは同時 どうじ に摂取 せっしゅ することになる飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん の方 ほう がはるかに量 りょう が多 おお いので、トランス脂肪酸 しぼうさん が量的 りょうてき に問題 もんだい となるレベルになっていないためである。
遊離 ゆうり 脂肪酸 しぼうさん は他 た の化合 かごう 物 ぶつ と結合 けつごう していない脂肪酸 しぼうさん を指 さ し、中性 ちゅうせい 脂肪 しぼう の分解 ぶんかい に由来 ゆらい する。遊離 ゆうり 脂肪酸 しぼうさん は水 みず に不溶 ふよう であるため、これらの脂肪酸 しぼうさん は血漿 けっしょう 蛋白 たんぱく アルブミン に結合 けつごう して、可 か 溶化、循環 じゅんかん 輸送 ゆそう されている。血 ち 中 ちゅう の遊離 ゆうり 脂肪酸 しぼうさん の濃度 のうど は、アルブミン結合 けつごう 部位 ぶい の有無 うむ の状況 じょうきょう によって制限 せいげん される。
遊離 ゆうり 脂肪酸 しぼうさん は、リポ蛋白質 たんぱくしつ リパーゼ (LPL)によってリポ蛋白質 たんぱくしつ から「放出 ほうしゅつ され」て、脂肪 しぼう 細胞 さいぼう に入 はい る。そこで、それは、グリセロール とともにエステル化 か されることによって、トリグリセリド へと再 さい 構成 こうせい される。脂肪 しぼう 細胞 さいぼう には、トリグリセリド維持 いじ における重要 じゅうよう な生理 せいり 的 てき 役割 やくわり とインスリン 耐 たい 性 せい と遊離 ゆうり 脂肪酸 しぼうさん 水準 すいじゅん を決定 けってい する役割 やくわり がある。
脂肪酸 しぼうさん の命名 めいめい 法 ほう はIUPAC生化学 せいかがく 命名 めいめい 法 ほう [ 20] に定義 ていぎ されている。(尚 なお 、この項 こう の符号 ふごう Rule Lip-…は同 どう 命名 めいめい 法 ほう の節 ふし 番号 ばんごう を示 しめ す)
脂肪酸 しぼうさん は天然 てんねん の脂肪 しぼう を加水 かすい 分解 ぶんかい して得 え られる脂肪 しぼう 族 ぞく モノカルボン酸 さん である。広 ひろ く使用 しよう されている遊離 ゆうり 脂肪酸 しぼうさん (free fatty acids)や非 ひ エステル化 か 脂肪酸 しぼうさん (nonesterified fatty acids)という語 かたり が使用 しよう されているが、遊離 ゆうり や非 ひ エステル化 か という修飾 しゅうしょく 語 ご は徐々 じょじょ に廃止 はいし すべきである(Rule[ 20] Lip-1.1)。また、これらのアクロニム であるFFA やNEFA などは使用 しよう すべきではない(Rule[ 20] Lip-1.14)。い換 いか えると、厳密 げんみつ には炭素 たんそ 数 すう が3以下 いか など天然 てんねん の脂肪 しぼう に含 ふく まれないものは脂肪 しぼう 族 ぞく モノカルボン酸 さん と呼 よ ぶべきであるが総称 そうしょう として脂肪酸 しぼうさん と呼 よ ばれる。
尚 なお 、脂肪酸 しぼうさん 基 もと をアシル (基 もと )という語 かたり で示 しめ す場合 ばあい があるが、アシル(acyl)はIUPAC有機 ゆうき 化合 かごう 物 ぶつ 命名 めいめい 法 ほう によるものである。アシルは任意 にんい の長 なが さの直 ちょく 鎖 くさり 構造 こうぞう を持 も つがIUPAC生化学 せいかがく 命名 めいめい 法 ほう の脂肪酸 しぼうさん は炭素 たんそ 数 すう が4以上 いじょう のものを指 さ す。そして、炭素 たんそ 数 すう が10を超 こ える(>C10 )脂肪酸 しぼうさん は高級 こうきゅう 脂肪酸 しぼうさん (higher fatty acids)と呼 よ ばれている。(Rule[ 20] Lip-1.2)
脂肪酸 しぼうさん とそのアシル基 もと の命名 めいめい はIUPAC有機 ゆうき 化合 かごう 物 ぶつ 命名 めいめい 法 ほう (Rule C-4)に従 したが うまた許容 きょよう 慣用 かんよう 名 めい や略号 りゃくごう については下 した の表 ひょう に示 しめ す。いままでは2つ以上 いじょう の二 に 重 じゅう 結合 けつごう を有 ゆう する不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん でギリシャ文字 もじ を使用 しよう して異性 いせい 体 たい を示 しめ していた(例 れい α あるふぁ -ないしはγ がんま -リノレン酸 さん )、これは二 に 重 じゅう 結合 けつごう の位置 いち 番号 ばんごう を列挙 れっきょ する方法 ほうほう (例 れい (9,12,15)-リノレン酸 す ないしは(6,9,12)-リノレン酸 さん )に変 か えるべきである。しかし、二 に 重 じゅう 結合 けつごう の位置 いち を示 しめ すさいに接頭 せっとう 辞 じ としてギリシャ文字 もじ を使 つか う方法 ほうほう は位置 いち を列挙 れっきょ する方法 ほうほう の省略形 しょうりゃくけい として使用 しよう しても良 よ い(Rule[ 20] Lip-1.6)。あるいは二 に 重 じゅう 結合 けつごう の位置 いち はIUPAC有機 ゆうき 化合 かごう 物 ぶつ 命名 めいめい 法 ほう の省略形 しょうりゃくけい であるΔ でるた を使用 しよう してもよい(例 れい Δ でるた 9 ,Δ でるた 12 ,Δ でるた 15 -リノレン酸 さん )。
また脂肪酸 しぼうさん を炭素 たんそ 数 すう と二 に 重 じゅう 結合 けつごう の数 かず の組 く み合 あ わせ(例 れい 16:0 = パルミチン酸 さん , 18:1 = オレイン酸 さん )で示 しめ しても良 よ い。アシル基 もと の場合 ばあい は(stearyl-の代 か わりに)(18:0)acyl- と表 あらわ しても良 よ い (Rule[ 20] Lip-1.15)。
脂肪酸 しぼうさん 末 まつ 端 はし (カルボキシ基 もと から最 もっと も離 はな れた位置 いち )から同 おな じ位置 いち に二 に 重 じゅう 結合 けつごう を持 も つことを示 しめ す場合 ばあい は(例 れい 、末端 まったん から9番目 ばんめ に二 に 重 じゅう 結合 けつごう を持 も つ脂肪酸 しぼうさん グループの場合 ばあい )はn-9 (nは具体 ぐたい 的 てき には当該 とうがい 脂肪酸 しぼうさん の炭素 たんそ 数 すう を意味 いみ する)、あるいはω おめが 9 と示 しめ す(ω おめが は二 に 重 じゅう 結合 けつごう の位置 いち を示 しめ すギリシャ文字 もじ 省略形 しょうりゃくけい )。すなわちオレイン酸 さん の二 に 重 じゅう 結合 けつごう 18-9 とネルボン酸 さん の24-9 とはω おめが 9[ 21] と総称 そうしょう する (Rule[ 20] Lip-1.16)。不 ふ 飽和 ほうわ 脂肪酸 しぼうさん は、ω おめが 3 系列 けいれつ か、ω おめが 6 系列 けいれつ かをはっきりさせるため、20:5 ω3あるいは20:5(n-3)と表記 ひょうき することもある。
脂肪酸 しぼうさん の命名 めいめい 例 れい (Rule[ 20] Lip. Appendix A, Appendix B)
数値 すうち 表現 ひょうげん (Numerical symbol)
示 しめせ 性 せい 式 しき CH3 -(R)-CO2 H
組織 そしき 名 めい
慣用 かんよう 名 めい
略号 りゃくごう
融点 ゆうてん (℃)[ 22]
4:0
-(CH2 )2 -
ブタン酸 さん
酪酸 (ブチル酸 さん )
Bu
5:0
-(CH2 )3 -
ペンタン酸 さん
吉 よし 草 くさ 酸 さん (バレリアン酸 さん )
Pe
6:0
-(CH2 )4 -
ヘキサン酸 さん
カプロン酸 さん
Hx
7:0
-(CH2 )5 -
ヘプタン酸 さん
エナント酸 さん (ヘプチル酸 さん )
Hp
8:0
-(CH2 )6 -
オクタン酸 さん
カプリル酸 さん
Oc
9:0
-(CH2 )7 -
ノナン酸 さん
ペラルゴン酸 さん
Nn
10:0
-(CH2 )8 -
デカン酸 さん
カプリン酸 さん
Dec
12:0
-(CH2 )10 -
ドデカン酸 さん
ラウリン酸 さん
Lau
44.2
14:0
-(CH2 )12 -
テトラデカン酸 さん
ミリスチン酸 さん
Myr
53.9
15:0
-(CH2 )13 -
ペンタデカン酸 さん
ペンタデシル酸 さん
16:0
-(CH2 )14 -
ヘキサデカン酸 さん
パルミチン酸 さん
Pam
63.1
16:1(n-7)
16:1(Δ でるた 9 )
-(CH2 )5 CH=CH(CH2 )7 -
9-ヘキサデセン酸 さん
パルミトレイン酸 さん
Δ でるた Pam
0.5
17:0
-(CH2 )15 -
ヘプタデカン酸 さん
マルガリン酸 さん
18:0
-(CH2 )16 -
オクタデカン酸 さん
ステアリン酸 さん
Ste
69.6
18:1(n-9)
18:1(Δ でるた 9 )
-(CH2 )7 CH=CH(CH2 )7 -
cis -9-オクタデセン酸 さん
オレイン酸 さん
Ole
14.0
18:1(n-7)
18:1(Δ でるた 11 )
-(CH2 )5 CH=CH(CH2 )9 -
11-オクタデセン酸 さん
バクセン酸 さん
Vac
18:2(n-6)
18:2(Δ でるた 9,12 )
-(CH2 )3 (CH2 CH=CH)2 (CH2 )7 -
cis ,cis -9,12-オクタデカジエン酸 さん
リノール酸 さん
Lin
-5.0
18:3(n-3)
18:3(Δ でるた 9,12,15 )
-(CH2 CH=CH)3 (CH2 )7 -
9,12,15-オクタデカントリエン酸 さん
(9,12,15)-リノレン酸 さん
α あるふぁ Lnn
-11.3
18:3(n-6)
18:3(Δ でるた 6,9,12 )
-(CH2 )3 (CH2 CH=CH)3 (CH2 )4 -
6,9,12-オクタデカトリエン酸 さん
(6,9,12)-リノレン酸 さん
γ がんま Lnn
18:3(n-5)
18:3(Δ でるた 9,11,13 )
-(CH2 )3 (CH=CH)3 (CH2 )7 -
9,11,13-オクタデカトリエン酸 さん
エレオステアリン酸 さん
eSte
20:0
-(CH2 )18 -
エイコサン酸 さん
アラキジン酸 さん
Ach
75.6
20:2(n-9)
20:2(Δ でるた 8,11 )
-(CH2 )6 (CH2 CH=CH)2 (CH2 )6 -
8,11-エイコサジエン酸 さん
Δ でるた 2 Arc
20:3(n-9)
20:3(Δ でるた 5,8,11 )
-(CH2 )6 (CH2 CH=CH)3 (CH2 )3 -
5,8,11-エイコサトリエン酸 さん
ミード酸 さん
Δ でるた 3 Arc
20:4(n-6)
20:4(Δ でるた 5,8,11,14 )
-(CH2 )3 (CH2 CH=CH)4 (CH2 )3 -
5,8,11,14-エイコサテトラエン酸 さん
アラキドン酸 さん
Δ でるた 4 Arc
-49.5
22:0
-(CH2 )20 -
ドコサン酸 さん
ベヘン酸 さん
Beh
81.5
24:0
-(CH2 )22 -
テトラコサン酸 さん
リグノセリン酸 さん
Lig
86.0
24:1
-(CH2 )7 CH2 CH=CH(CH2 )13 -
cis -15-テトラコサン酸 さん
ネルボン酸 さん
Ner
26:0
-(CH2 )24 -
ヘキサコサン酸 さん
セロチン酸 さん
Crt
28:0
-(CH2 )26 -
オクタコサン酸 さん
モンタン酸 さん
Mon
30:0
-(CH2 )28 -
トリアコンタン酸 さん
メリシン酸 さん
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^ 板倉 いたくら 弘 ひろし 重 じゅう 、『脂質 ししつ の科学 かがく 』、朝倉書店 あさくらしょてん 、1999年 ねん ISBN 4-254-43514-2
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