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波動はどう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
表面ひょうめんれい水面すいめんぼうき、いた箇所かしょから同心円どうしんえんじょう波面はめんしょうじている。水面すいめん金属きんぞくのような光沢こうたくは、照明しょうめいひく角度かくどから照射しょうしゃしていることによる。

波動はどう(はどう、えい: wave)またはなみ(なみ)は、エネルギーつたわる現象げんしょう幾何きかがくてきおなじようなパターン(波形はけい)が空間くうかん伝播でんぱする現象げんしょうのことである。

波動はどうれいとして、水面すいめん振動しんどうによってしょうじる水面すいめんや、電波でんぱ可視かし光線こうせんのような電磁波でんじは空気くうきちゅう物質ぶっしつちゅうつたわる音波おんぱなどがある。また透過とうか電子でんし顕微鏡けんびきょうなどは結晶けっしょう透過とうかする電子でんしせん回折かいせつぞうしょうじるという性質せいしつ利用りようしている。

音波おんぱなどの波動はどうつたえる物質ぶっしつ波動はどう媒質ばいしつぶ。媒質ばいしつ存在そんざいかならずしも必要ひつようでなく、たとえば電磁波でんじは電磁場でんじばそのものの振動しんどうであり、一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんにおける重力じゅうりょく質量しつりょう物体ぶったい振動しんどうによりしょうじる時空じくうゆがみである。

波動はどう進行しんこう方向ほうこう振動しんどう方向ほうこうによってたて横波よこなみ分類ぶんるいされる。進行しんこう方向ほうこう平行へいこう振動しんどうするなみたて進行しんこう方向ほうこう垂直すいちょく振動しんどうするなみ横波よこなみぶ。

横波よこなみ振動しんどう方向ほうこうが(進行しんこう方向ほうこう平行へいこう平面へいめんじょうで)規則きそくてき変化へんかする状態じょうたいへんきょくといい、とくひかりたいしてはへんこうという。横波よこなみ振動しんどう進行しんこう方向ほうこうたいして複数ふくすうきをるが、たて進行しんこう方向ほうこう平行へいこうきにしか振動しんどうせずへんきょくたない。

波動はどう特徴とくちょうてき現象げんしょうとして、干渉かんしょう回折かいせつげられる。干渉かんしょう複数ふくすう波動はどうかさなりたがいをったりつよったりする現象げんしょうであり、回折かいせつ障害しょうがいぶつ開口かいこうとおった波動はどう幾何きか光学こうがくてき到達とうたつできない領域りょういき伝播でんぱする現象げんしょうである。 数学すうがくてきには、干渉かんしょうおよび回折かいせつ波動はどう方程式ほうていしきかい性質せいしつとしてられる。また物理ぶつりがくにおいて、波動はどう干渉かんしょうかさわせの原理げんりによって、波動はどう回折かいせつホイヘンス=フレネルの原理げんりによって説明せつめいされる。

性質せいしつ[編集へんしゅう]

なみって移動いどうするてんは、なみおおきさにわせて振動しんどうする。

波動はどう方程式ほうていしきあらわせるような波動はどう線形せんけい波動はどうという。線形せんけい波動はどうについてかさわせの原理げんりつ。

  • 進行しんこう同士どうしたがいに影響えいきょうあたえない
  • 複数ふくすうなみかさなる領域りょういきでの振幅しんぷくは、それらの波形はけい振幅しんぷくひとしい

かさわせの原理げんりによって説明せつめいされる現象げんしょうに、干渉かんしょうがある。位相いそうそろったなみかさわせはたがいをつようが、位相いそう半分はんぶん程度ていどずれたなみかさわせはたがいをう。

波動はどう障害しょうがいぶつちかくをとおると、障害しょうがいぶつまわりに波面はめんまわんでつたわることがある。この現象げんしょう回折かいせつという。回折かいせつ現象げんしょうホイヘンス=フレネルの原理げんりにより説明せつめいされる。ホイヘンス=フレネルの原理げんりによれば、前進ぜんしん波面はめんからてき球面きゅうめんもともとなみ)がしょうじ、それらがかさわさることで回折かいせつこすとかんがえられる。

周期しゅうきせい波動はどうとくに、正弦せいげんでは、振動しんどうすう周期しゅうき振幅しんぷく波数はすう波長はちょうなどの物理ぶつりりょう定義ていぎされる。

おな時刻じこくりょうおなをとるてんあつまりによってできるめん波面はめんという。波面はめん球面きゅうめんのものを球面きゅうめんという。波面はめん平面へいめんのものを平面へいめんという。

平面へいめんにおけるたて変化へんかあらわした動画どうが
平面へいめんにおける横波よこなみ変化へんかあらわした動画どうが
定常波ていじょうは
てん音源おんげんからしょうじる粗密そみつたて)のシミュレーション

歴史れきし[編集へんしゅう]

もっと初期しょきられた波動はどう現象げんしょう水面すいめんつたわる振動しんどうとしてのなみであるとかんがえられる。

ひかり波動はどうせい[編集へんしゅう]

波動はどうせいつものとしてよくられているものにひかりがある。しかしかつてはひかりなみであるか粒子りゅうしであるか議論ぎろんがあった。 ひかり粒子りゅうしせつ初期しょき支持しじしゃアイザック・ニュートンがいる。ニュートンは粒子りゅうしせつもとづいてひかり直進ちょくしんせい屈折くっせつ説明せつめいした。ニュートンの光学こうがく研究けんきゅう成果せいかは1704ねん著作ちょさく光学こうがく』におさめられている。 ひかり波動はどうせつ初期しょき支持しじしゃルネ・デカルトロバート・フッククリスティアーン・ホイヘンスらがいる。とくにホイヘンスは1678ねんに「ホイヘンスの原理げんり」としてられる原理げんり提案ていあんした。ホイヘンスの光学こうがくかんする仕事しごとは1690ねん著作ちょさく Traité de la Lumière英語えいごばんおさめられている。波動はどうせつによってもひかり屈折くっせつ説明せつめいされたが、媒質ばいしつちゅう光速こうそくあつかいは粒子りゅうしせつ波動はどうせつことなり、粒子りゅうしせつでは光速こうそく屈折くっせつりつ比例ひれいし、波動はどうせつでは屈折くっせつりつ反比例はんぴれいするとかんがえられた。ホイヘンスやニュートンの時代じだいには媒質ばいしつちゅう光速こうそく測定そくていすることができなかったが、1850ねんレオン・フーコーおこなった実験じっけんにより水中すいちゅう光速こうそく空気くうきちゅうよりおそくなるという波動はどうせつ支持しじする結果けっかしめされた。

光学こうがく現象げんしょうかんして、1665ねんフランチェスコ・マリア・グリマルディによってひかり回折かいせつ現象げんしょう報告ほうこくされた。 1805ねんごろトーマス・ヤングによる干渉かんしょう実験じっけんヤングの実験じっけん)がおこなわれた。

ひかりなみであるという主張しゅちょうには、こうたてであるというものと横波よこなみであるというものがある。デカルトやフックはたてであると主張しゅちょうしたが、ラスムス・バルトリンが1669ねん発見はっけんした(へんこうによってしょうじる)ふく屈折くっせつ説明せつめいできなかった。ひかり横波よこなみであるということと、ふく屈折くっせつへんこうによって説明せつめいできることはオーギュスタン・ジャン・フレネルによってしめされた。フレネルはまたホイヘンスの原理げんり改良かいりょうし、後進こうしん問題もんだい解決かいけつした。

人間にんげんにするこう電磁波でんじは一種いっしゅであることは1864ねん提案ていあんされたジェームズ・クラーク・マクスウェル電磁気でんじきがく理論りろんから予想よそうされた。マクスウェル方程式ほうていしきから電磁場でんじば波動はどう方程式ほうていしきられ、その位相いそう速度そくど当時とうじられている真空しんくうちゅう光速こうそくちかいことがしめされた。 1887ねんごろからハインリヒ・ヘルツ電磁波でんじは性質せいしつ調しらべ、干渉かんしょう回折かいせつへんこうなどがこることをたしかめ、マクスウェルの理論りろんただしいことを裏付うらづけた。 マクスウェルの理論りろんにおいて、電磁波でんじは波数はすうベクトル直交ちょっこうする電磁場でんじば振動しんどうとしてあたえられる。これは電磁波でんじは(したがってひかり)が横波よこなみであることの理論りろんてき裏付うらづけといえる。

ひかり波動はどうせつさい波動はどうつたえる媒質ばいしつ必要ひつようであるというかんがえから、ひかり媒質ばいしつとしてエーテルという物質ぶっしつ存在そんざい仮定かていされた。エーテルの性質せいしつは1851ねんフィゾーの実験じっけんや1887ねんマイケルソン・モーリーの実験じっけんなどをつうじて検証けんしょうされたが、マイケルソン・モーリーの実験じっけん結果けっか特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろんつうじて、現在げんざいではエーテルのような媒質ばいしつ存在そんざいせず、電磁波でんじは真空しんくうちゅう伝播でんぱすると理解りかいされている。

ヤングにはじまるひかり波動はどうせい検証けんしょうつうじ、ひかり波動はどうせつただしさはたしかなものとなったが、一方いっぽう波動はどうせつ説明せつめいできない電磁気でんじき現象げんしょう発見はっけんされている。たとえば1886ねんごろにヘルツが発見はっけんしたひかりでん効果こうか古典こてんてき電磁気でんじきがくでは説明せつめいできず、ひかりでん効果こうかはアインシュタインによる光量子こうりょうし仮説かせつ光子こうし)と仕事しごと関数かんすう導入どうにゅうによって説明せつめいされることになる。このひかりかんする粒子りゅうし波動はどうじゅうせい電磁場でんじば量子りょうしによって理解りかいされる。

物質ぶっしつ波動はどうせい[編集へんしゅう]

1924ねんルイ・ド・ブロイアルベルト・アインシュタイン光量子こうりょうし仮説かせつ触発しょくはつされ物質ぶっしつというかんがかた提案ていあんした。エルヴィン・シュレーディンガーはド・ブロイの物質ぶっしつ理論りろん一般いっぱんこころ波動はどう力学りきがく創始そうしした。波動はどう力学りきがくは、先行せんこうして発表はっぴょうされたヴェルナー・ハイゼンベルクらによる行列ぎょうれつ力学りきがくわせて量子力学りょうしりきがくとして発展はってんした。

物質ぶっしつかんがえは1923ねんから1927ねんおこなわれたデイヴィソン=ガーマーの実験じっけんによって実験じっけんてき裏付うらづけられた。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]