波なみ

砂浜すなはまへ寄よせる波なみ

砂浜すなはまに打うち寄よせるやや荒あれ気味ぎみの波なみ(瀬戸内海せとないかいにて)

比較的ひかくてき小ちいさな風浪ふうろう

打うち寄よせて水煙すいえんを上あげるうねり

Mavericks Surf Contest 2010での巨大きょだいな波なみとサーファー。米国べいこく西海岸にしかいがん、カリフォルニア州しゅうのMavericksというサーフィン向むきの海岸かいがん（El Granadaの近ちかく）で開ひらかれるサーフィン大会たいかいでの光景こうけい。（2010年ねん2月がつ13日にち）

航行こうこうする船ふねによって引ひき起おこされた引びき波は

葛飾かつしか北斎ほくさいが描えがいた波なみ『富嶽ふがく三さん十じゅう六ろく景けい 神奈川かながわ沖おき浪なみ裏うら』。

波なみ（なみ）とは、水面すいめんの高低こうてい運動うんどうである。浪なみ、濤とも書がき、波浪はろう（はろう）とも言いう。

波なみの分類ぶんるい

原因げんいんによる分類ぶんるい

波なみは、起おきる原因げんいんによって分類ぶんるいすることも可能かのうである。風ふうによって起おきる波なみを風浪ふうろう（ふうろう）と呼よぶ。船舶せんぱくなどが航行こうこうすることによって後方こうほうに生しょうじる波なみは航跡こうせき波はや引びき波はと呼よばれる。これらを含ふくめて人工じんこう的てきに波なみを造つくり出だすことは造みやつこ波は（ぞうは）という。地震じしんなどによって起おきる波なみは津波つなみと呼よばれる。このように波なみができる原因げんいんはいくつもあるが、最もっとも一般いっぱん的てきな原因げんいんは風ふうである。

多方向たほうこうからの波なみが合成ごうせいされてできるピラミッド状じょうの波なみを三角波さんかくなみと言いう。

大おおきさによる分類ぶんるい

特とくに、確かく率りつ的てきに発生はっせいする相対そうたい的てきに波高はこうがかなり大おおきな波なみや、あるいは絶対ぜったい的てきな観点かんてんから波高はこうが巨大きょだいな波なみを、巨きょ大波おおなみと呼よび分類ぶんるいする。海洋かいよう遭難そうなん防止ぼうしの観点かんてんから、この名称めいしょうでこのような波なみを分類ぶんるいし、研究けんきゅうが進すすめられている。

波浪はろう（風浪ふうろうとうねり）

波浪はろうとは風ふうによって起おこる波なみのことである。波浪はろうには風浪ふうろう（ふうろう）とうねりの2種類しゅるいがある。（→#風浪ふうろう）

風浪ふうろう

その場ばで吹ふいている風ふうによって引ひき起おこされた波なみは風浪ふうろうあるいは風波ふうは（ふうは、（かざなみ）と呼よばれる。風かぜが海面かいめんに当あたると、風ふうと海水かいすいの摩擦まさつで海面かいめんが波立なみだつ。風浪ふうろうは波なみの上部じょうぶが尖とがった三角形さんかっけいに近ちかい形かたちをしている。

風ふうが強つよくなるほど風浪ふうろうの高たかさは大おおきくなる傾向けいこうがあり見みた目めの形状けいじょうも変化へんかする。無風むふうで波なみの無ない状態じょうたいの時ときは凪なぎ（なぎ）と呼よばれ、海面かいめんの質感しつかんはほぼ平坦へいたんになる。このような状態じょうたいは「鏡かがみのような海面かいめん」とも表現ひょうげんされる。風かぜがかすかに吹ふくと小ちいさな波なみ（さざ波なみ）が立たつ。風速ふうそくが数すうメートル程度ていどになると波頭なみがしら（なみがしら、（波なみの頂上ちょうじょう部分ぶぶん）の水みずが風ふうに飛とばされ、視野しやを広ひろく見みると海面かいめん全体ぜんたいに白しろい部分ぶぶんがチラチラ、ピョコピョコと動うごいているように見みえる。日本にっぽんでは地域ちいきによってはこの状態じょうたいを「兎うさぎが跳とぶ」と表現ひょうげんする。このような風ふうと風浪ふうろうの形状けいじょうの関係かんけいを利用りようして、風浪ふうろうから風速ふうそくをおおよそ推定すいていできる。

うねり

他たの海域かいいきで風ふうによって起おこされた波なみが伝つたわってきた波なみはうねりと呼よばれる。日本にっぽんの気象庁きしょうちょうでは、うねりについて「遠とおくの台風たいふうなどにより作つくられた波なみが伝つたわってきたもので、滑なめらかな波面はめんを持もち、波長はちょうの長ながい規則きそく的てきな波なみ。」と定義ていぎしている。遠地おんちの台風たいふうや低てい気圧きあつなどによって発生はっせいしている高波たかなみが、減衰げんすいしながら時間じかんをかけて長距離ちょうきょりを伝播でんぱしていくものであり、例たとえば日本にっぽん近海きんかいで発生はっせいしたうねりはハワイにまで到達とうたつすることがある。うねりの波長はちょうは100m以上いじょう、周期しゅうきは8秒びょう以上いじょうであることが多おおい。うねりの代表だいひょう例れいとしては、 暴風ぼうふうの余波よはで起おこる波なみや土用波どようなみなどがある。うねりは、風浪ふうろうに比くらべて周期しゅうきも波長はちょうも長ながく、波頭なみがしらは丸まるみを帯おびるため、水深すいしんが浅あさい海岸かいがんなどでは海底かいていの影響えいきょうで波高はこうが高たかくなりやすい。このため、しばしば海うみの事故じこを誘発ゆうはつしたり船舶せんぱくに影響えいきょうを与あたえたりする。気象庁きしょうちょうは、風浪ふうろうやうねりによって災害さいがいが引ひき起おこされると予測よそくされる場合ばあいは、警報けいほうや注意報ちゅういほうを発表はっぴょうして注意ちゅういを促うながしている。

波浪はろうの地形ちけいなどへの影響えいきょう

波浪はろうは、海岸かいがんの地形ちけいに大おおきな影響えいきょうを及およぼしている。砂浜すなはまの形状けいじょうは波浪はろうの影響えいきょうを受うけて絶たえず変化へんかしている。岩いわ壁かべに絶たえ間まなく打うち寄よせつづける波浪はろうは岩いわ壁かべを侵食しんしょくしてゆく。また、波浪はろうは、海岸かいがんの生物せいぶつ、生態せいたい系けいにも大おおきな影響えいきょうを与あたえている。波なみが打うち寄よせる場所ばしょを波打なみうち際ぎわと言いう。

波高はこうと確かく率りつ

通常つうじょう「波なみの高たかさ」と言いえば有ゆう義ぎ波高はこう（100波はのうち高たかい33波はの平均へいきん値ち）をいい、天気てんき予報よほうなどでの「波なみの高たかさ」もこの値ねの予報よほう値ちである。有ゆう義ぎ波高はこうは100波はのうち高たかい33波はの平均へいきん値ちであるから、最大さいだいではこの2倍ばい程度ていどの波なみが押おし寄よせることもありうる。→#有ゆう義ぎ波高はこう

有ゆう義ぎ波高はこう

天気てんき予報よほうで波なみの高たかさが「波なみの高たかさは2mになるでしょう」などと伝つたえることがあるが、天気てんき予報よほうで伝つたえられる波なみの高たかさは「有ゆう義ぎ波高はこう」という特別とくべつな方法ほうほうで数値すうちをはじいたものである。

通常つうじょう、波なみは大小だいしょうが入はいり混まじっていて、その大おおきさをひとつの数字すうじでい表いあらわすことはできない。しかし最大さいだい波高はこうや最小さいしょう波高はこうを用もちいると、人間にんげんの実感じっかんともかけはなれる。平均へいきん波高はこうを使つかっても、平均へいきん波高はこうより高たかい波なみが数多かずおおく打うち寄よせるので、平均へいきん波高はこうを用もちいるのも防災ぼうさい上じょうよろしくない。そうした配慮はいりょから考かんがえ出だされたのが「有ゆう義ぎ波高はこう」であり、平均へいきん波高はこうを集あつめてそれらを高たかいほうから並ならべ、上位じょうい1/3の平均へいきん値ちを「有ゆう義ぎ波高はこう」としている。この「有ゆう義ぎ波高はこう」は人間にんげんが波なみを目め視しした実感じっかんにかなり近ちかく、実用じつよう的てきである。

しかしながら、この便利べんりな「有ゆう義ぎ波高はこう」でも、それより大おおきい波なみや小ちいさい波なみは発生はっせいする。例たとえば、10波はに1波はは有ゆう義ぎ波高はこうの1.3倍ばい、100波はに1波はは有ゆう義ぎ波高はこうの1.6倍ばい、1000波はに1波はは有ゆう義ぎ波高はこうの2倍ばいとなるので注意ちゅういを要ようする。このように、全体ぜんたいから見みて割合わりあいとしては小ちいさいものの確かく率りつ的てきには発生はっせいする波高はこうの高たかい波なみを高波たかなみ（たかなみ）と呼よぶ。「昨日きのう 埠頭ふとうで（桟橋さんばしで）釣つりをしていた人ひとが、高波たかなみにさらわれ死亡しぼうしました」といったていのニュースは頻繁ひんぱんに流ながれている。海うみ釣づりをする時ときなどは、そうした数すう万まん回かいに1回かい来くる高たかくて強つよい波なみのことも心しんの片隅かたすみに置おいて注意ちゅういしなければならない。けれども、逆ぎゃくに言いえばサーフィンをしている時ときは波なみが小ちいさいと感かんじられても、諦あきらめずに根気こんき強つよく待まち続つづければ半日はんにちに1回かいくらいは大おおきな波なみに出会であえる可能かのう性せいがある。

波高はこうに影響えいきょうする要因よういん

主おもに風力ふうりょくに正比例せいひれいして波なみが大おおきくなるが、地球ちきゅうの大気たいきとの摩擦まさつ面めんである水面すいめんに「油あぶら、流氷りゅうひょう、流木りゅうぼく、海藻かいそうなど」が浮ういてたり、水中すいちゅうの摩擦まさつ力りょくが高たかくなる要素ようそである「氷塊ひょうかい・浮遊生物ふゆうせいぶつなど」があったりする場合ばあい、さらに豪雨ごうう・豪雪ごうせつが水面すいめんに衝突しょうとつする場合ばあいは波高はこうが抑おさえられる。

京都きょうと大学だいがく防災ぼうさい研究所けんきゅうじょ教授きょうじゅの森もり信人のぶとらによる研究けんきゅうでは、地球ちきゅう温暖おんだん化かは海面かいめん上昇じょうしょうだけでなく大気たいきの対流たいりゅうを促うながして風ふうによる波なみのエネルギーを増大ぞうだいさせ、砂浜すなはまなど海岸かいがんの地形ちけいや生態せいたい系けいに大おおきな影響えいきょうを与あたえると警鐘けいしょうを鳴ならしている。

津波つなみ

津波つなみの発生はっせい原理げんりを示しめす図ず

詳細しょうさいは「津波つなみ」を参照さんしょう

津波つなみは、地震じしんによって引ひき起おこされる波なみのことである。長波ちょうはの性質せいしつを持もち、その進行しんこう速度そくどは重力じゅうりょくの加速度かそくどと、水深すいしんの積せきの平方根へいほうこんとなる。気象庁きしょうちょうでは、地震じしんが起おこると直ただちに震源しんげん地ち、震源しんげんの深ふかさ、地震じしんの強つよさなどを計算けいさんし、津波つなみが予測よそくされる場合ばあいは、津波つなみの程度ていどにより、大だい津波つなみ警報けいほう、津波つなみ警報けいほう、津波つなみ注意報ちゅういほうを出だす。

高波たかなみ

台風たいふうや季節風きせつふうなどにより発生はっせいしたうねりが遠とおくまで伝つたわり、干満かんまん差さの影響えいきょうも加くわわると沿岸えんがん部ぶが高波たかなみに襲おそわれ大おおきな被害ひがいを受うけることがある。

高波たかなみの主おもな被害ひがい

• 1934年ねん9月21日にち - 室戸むろと台風たいふうに伴ともなう高波たかなみが大阪おおさか湾わん沿岸えんがん部ぶを襲おそい、大阪おおさか市街地しがいちの大だい部分ぶぶんが水没すいぼつ。死者ししゃ2702名めい、全壊ぜんかい家屋かおく3万まん8771戸こ、流水りゅうすい家屋かおく4277戸この被害ひがい（高波たかなみ以外いがいの被害ひがいも含ふくむ）。
• 1966年ねん9月24日にち、25日にち - 昭和しょうわ41年ねん台風たいふう第だい24・26号ごうの接近せっきんにより、静岡しずおか県けん富士ふじ市し吉原よしはら海岸かいがんに防波堤ぼうはていを越こえる波浪はろうが押おし寄よせ、死者ししゃ13人にん、負傷ふしょう者しゃ64人にんの被害ひがい。
• 2004年ねん9月8日にち - 台風たいふう第だい18号ごうの接近せっきんによる高波たかなみで北海道ほっかいどう神恵内かもえない村むらの国道こくどう229号ごう大森おおもり大橋おおはしが大破たいは。数すう年間ねんかんにわたり通行止つうこうどめとなる。
• 2008年ねん2月がつ24日にち - 強つよい冬型ふゆがたの気圧きあつ配置はいちの中なか、富山湾とやまわんで寄より回まわり波はが発生はっせい、湾内わんない一帯いったいで死者ししゃ1名めい、重軽傷じゅうけいしょう者しゃ15名めい、住じゅう家か全壊ぜんかい4棟むね、半壊はんかい7棟むねの被害ひがい。
• 2018年ねん9月4日にち - 台風たいふう第だい21号ごうの接近せっきんによる高波たかなみで、関西国際空港かんさいこくさいくうこうが水没すいぼつする等ひとし、大阪湾おおさかわん一帯いったいに被害ひがい。

記録きろく

有ゆう義ぎ波はの高たかさでみると、世界せかいの観測かんそく史上しじょう最高さいこうの波なみは以下いかのようになっている。

• 船舶せんぱくによる観測かんそく:2000年ねん2月がつ8日にち22時じ14分ふん（協定きょうてい世界せかい時じ）、北大西洋きたたいせいようの北緯ほくい57度ど30分ふん 西経せいけい12度ど42分ふん（イギリス（スコットランド）・セント・キルダ島西しまにし方かた約やく250キロメートルの地点ちてん）の位置いちで観測かんそくされた18.5メートル。
• ブイによる観測かんそく:2013年ねん2月がつ4日にち6時じ（協定きょうてい世界せかい時じ）、北大西洋きたたいせいようの北緯ほくい59度ど07分ふん 西経せいけい11度ど42分ふん（セント・キルダ島とうの北西ほくせい約やく230キロメートルの地点ちてん）で観測かんそくされた19.0メートル。

波なみと文化ぶんか

ドレスデンの彫刻ちょうこく「Die Woge」

ドビュッシー作曲さっきょく『海うみ』の楽譜がくふ表紙ひょうし

波なみは人間にんげんにとって、大切たいせつな遊あそび相手あいてである。海水浴かいすいよく、サーフィン、ボディボード、ウィンドサーフィンなどで、波なみを体感たいかんして楽たのしむ人々ひとびとも多おおい。 また波なみは形かたち（視覚しかく的てき要素ようそ）でも人々ひとびとを魅了みりょうする。世界せかい的てきに見みれば波なみをテーマとして追求ついきゅうしている画家がかやカメラマンたちが多数たすういる。大型おおがた書店しょてんには波なみの写真しゃしん集しゅうが通常つうじょう何なん種類しゅるいも並ならんでいる。

また、波なみの音おとも人々ひとびとを魅了みりょうする。波なみの音おとは波なみ音おん（なみおと）という。波なみの音おとには適度てきどな規則きそく性せいと適度てきどな不規則ふきそく性せい「ゆらぎ」が含ふくまれている。おだやかな波なみ音おんを聞きいていると、そうでない時ときよりもずっと熟睡じゅくすいできる、という人ひとも多おおいため、近年きんねんでは海うみから離はなれて都会とかいで暮くらしている人々ひとびとのために、波なみ音おんを録音ろくおんしたCDも販売はんばいされている。

物理ぶつり理論りろん

波なみが円えん状じょうに広ひろがっている

画面がめん右みぎから左ひだりへ進すすむ波なみ。防波堤ぼうはていを挟はさんで回折かいせつが起おきている

一部いちぶの分野ぶんやでは水みずの波なみ、そのなかでも波なみが砕くだけ散ちったりしないようなものを「水面すいめん波は」という用語ようごで呼よぶこともある。水面すいめん波はは、物理ぶつり学がく的てきに説明せつめいする場合ばあい、波動はどうの一いち種しゅという位置いちづけになる。水面すいめん波はも他たの波動はどうと同様どうように屈折くっせつ、回折かいせつ、反射はんしゃ、透過とうか、減衰げんすいなどの性質せいしつをもつ。

ここでは、主しゅとして海うみの波なみに関かんする理論りろんを挙あげる。

波なみのパラメータ

• 波長はちょう L、周期しゅうき T、波なみ速そく C (=L/T)
• 波高はこう H、振幅しんぷく a (=H/2)
• 水深すいしん h
• 水面すいめん波形はけい ηいーた

波なみの分類ぶんるい

波なみは、水深すいしんによって、

• 深海ふかうみ波なみ (沖波おきなみ, deep water wave)
• 浅海あさみ波なみ (wave in transitional depth)
• 極ごく浅海あさみ波なみ (長波ちょうは, shallow water wave, long wave)

に分類ぶんるいされる。

水面すいめん変動へんどうの振幅しんぷくが水深すいしんに対たいして十分じゅうぶん小ちいさい波なみのことを微小びしょう振幅しんぷく波はといい、その仮定かていにおける理論りろんを微小びしょう振幅しんぷく波は理論りろんという。それに対たいして、波高はこうがそれほど小ちいさくない場合ばあい、有限ゆうげん振幅しんぷく波はという。

微小びしょう振幅しんぷく波は理論りろん

流体りゅうたい力学りきがくにおける連続れんぞくの方程式ほうていしきであるラプラス方程式ほうていしき

${\frac {\partial ^{2}\varphi }{\partial x^{2}}}+{\frac {\partial ^{2}\varphi }{\partial z^{2}}}=0$

は、ある仮定かていおよび境界きょうかい条件じょうけんのもとで解とくことができる。すなわち、波なみの振幅しんぷくが微小びしょうであること、海水かいすいが完全かんぜん流体りゅうたい（非ひ圧縮あっしゅく・非ひ粘性ねんせい）であることなどの仮定かてい、および、水底みなそこ・水面すいめんにおける力学りきがく的てき・運動うんどう学がく的てき境界きょうかい条件じょうけんから速度そくどポテンシャル φふぁい(x, z, t) を求もとめると、

$\varphi =-{\frac {Hg}{2\omega }}{\frac {\cosh k(h+z)}{\cosh kh}}\sin(kx-\omega t)$

となる。H は波高はこう、ωおめが は角かく周波数しゅうはすう (=2πぱい/T)、k は波数はすう (=2πぱい/L)、cosh は双曲線そうきょくせん余弦よげん関数かんすうである。

水深すいしんが深ふかい場所ばしょの波なみにおいて、水面すいめんの粒子りゅうしが見みせる運動うんどう（赤あかい点てんの運動うんどう）

水深すいしんが浅あさい場所ばしょの波なみで 、水面すいめん・水中すいちゅう・水底みなそこの各かく粒子りゅうしが見みせる運動うんどうの違ちがい。（水色みずいろの点てんおよび線せんで描画びょうが）

速度そくどポテンシャルを微分びぶんすると速度そくどが求もとめられ、この式しきから、海水かいすいの水みず粒子りゅうしは楕円だえん軌道きどうを描えがいて運動うんどうしており、深海しんかい波はでは円軌道えんきどうに近ちかくなることが分わかる。

また、水みず粒子りゅうしが水面すいめんから飛とび出だすことなく水面すいめんの動うごきに追随ついずいすること（水面すいめんにおける運動うんどう学がく的てき境界きょうかい条件じょうけんという）から、分散ぶんさん関係かんけい式しき

$\omega ^{2}=gk\tanh kh\,$

が得えられる。tanh は双曲線そうきょくせん正接せいせつ関数かんすうである。

有限ゆうげん振幅しんぷく波は理論りろん

容器ようきの振動しんどうによって起おきている特殊とくしゅな波なみ

ストークス波は、クノイド波は、孤立こりつ波はなどの理論りろんがある。

浅水あさみず変形へんけい

波なみは沖おきから岸きしに近付ちかづくにつれて形かたちを変かえる。水深すいしんが小ちいさくなるにしたがって、波高はこうが大おおきくなり波長はちょうは短みじかくなる。沖おきでの波高はこうをH₀としたとき、K_s = H/H₀ を浅水あさみず係数けいすうといい、波高はこうの増減ぞうげんの具合ぐあいを示しめす。

他たの媒体ばいたいでの波なみ

電磁波でんじは

詳細しょうさいは「波動はどう」を参照さんしょう

水みずの波なみに類似るいじした現象げんしょうは自然しぜん界かいでは広ひろく見みられる。例たとえば、音おと、光ひかり、電磁波でんじはなどが挙あげられる。

物理ぶつり学がくなどでは、音おと、光ひかり、電磁波でんじはなどの波なみを「波動はどう」という用語ようごで表現ひょうげんしている。

たとえば、重力じゅうりょく波は、地震じしん波は、偏西風へんせいふう波動はどう（大気たいき循環じゅんかんで見みられる現象げんしょう）などがある。

また海うみ波はによって発生はっせいした微小びしょうな波なみのことを脈動みゃくどうといい、地震じしん計けいによって観測かんそくすることができる。

比喩ひゆ

社会しゃかい的てき、心的しんてきな要素ようそも含ふくめて、様々さまざまな変動へんどうを波なみと呼よぶ。

例れい：「時代じだいの波なみ」「感情かんじょうの波なみ」、アルビン・トフラー『第だい三さんの波なみ』。

関連かんれん項目こうもく

• 波なみ飛沫しぶき
• 引びき波は
• 巨きょ大波おおなみ
• 物理ぶつり学がく - 波動はどう - 重力じゅうりょく波は (流体りゅうたい力学りきがく) - 振動しんどう - en:Oscillation
• 海岸かいがん工学こうがく - 津波つなみ - 堤防ていぼう - 消しょう波なみブロック
• 風浪ふうろう階級かいきゅう(Sea State)
• ダグラス海うみ況きょう階級かいきゅう
• ビューフォート風力ふうりょく階級かいきゅう
• 東映とうえい#オープニング

外部がいぶリンク

• 『波なみ』 - コトバンク