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この項目では、学問的概念のゆらぎについて説明しています。
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ゆらぎとは、ある量の平均値からの変動をいう。
物理学において、ゆらぎとは、広がりまたは強度を持つ量(エネルギー・密度・電圧など)の空間的または時間的な平均値からの変動を指す。ゆらぎの大きさを表すのに用いられる二乗平均ゆらぎは、統計学における分散と同じものである。
すなわち、
の測定を多数回行ったとき、測定値の平均値を
、
番目の測定値を
とすると、二乗平均ゆらぎ(分散)は
![{\displaystyle \langle X^{2}\rangle -\langle X_{i}\rangle ^{2}}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/7e3d6fcfaf9da1b2aad4e394aa232fafaccfd56d)
と表される。
ゆらぎの性質を分類する方法として、パワースペクトルがよく用いられる。
平衡ゆらぎについては、アインシュタインがブラウン運動から一般論を展開し、オンサーガーが相反定理という形でまとめあげた。
このゆらぎの一般論は、平衡から遠く離れた状態においても適応できるように拡張された。その典型例がゆらぎの定理であり、またジャルジンスキー等式と呼ばれる恒等式である。特にゆらぎの定理は、平衡近傍で適応すると古典系の線形応答理論が導かれ、等温系で適応するとジャルジンスキー等式を導くことが出来る枠組になっている。[1]
熱力学において、ゆらぎとは熱平衡状態からのずれ、もしくは熱平衡にほど遠い系の状態を指す。
パルス列の位相が短時間にゆらぐ現象で、周波数が10ヘルツ未満である場合はワンダといわれ、10ヘルツ以上はジッタという[2]。
- ^ 早川尚男『臨時別冊数理科学 SGCライブラリ 54 「非平衡統計力学」 2007年 03月号』サイエンス社、2007年。
- ^ 電気通信主任技術者 平成29年