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ふく屈折くっせつ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
方解石ほうかいせき結晶けっしょうとおすと、そのした文字もじが2つにずれてえる

ふく屈折くっせつ(ふくくっせつ、えい: Birefringence)とは、光線こうせんがあるしゅ物質ぶっしつたとえば方解石ほうかいせきという結晶けっしょう)を透過とうかしたときに、そのへんこう状態じょうたいによって、2つの光線こうせんけられることをいう。それぞれは通常つうじょう光線こうせん異常いじょう光線こうせんばれ、光学こうがくじくたいするへんこう方向ほうこう電場でんじょうベクトルのき)がことなる。この現象げんしょうは,それぞれのへんこうきにたいして2つのことなる物質ぶっしつ屈折くっせつりつあたえることで説明せつめいされる。物質ぶっしつ透過とうかするときひかりはやさが、透過とうかするひかり電場でんじょうベクトルきに依存いぞんしているといいかえることもできる。

ふく屈折くっせつせいつぎのように定量ていりょうされる。

ここで 通常つうじょう光線こうせんについての屈折くっせつりつ異常いじょう光線こうせんについての屈折くっせつりつである。ふたつの光線こうせんについての屈折くっせつりつ入射にゅうしゃこう光学こうがくじく同軸どうじく入射にゅうしゃするときは一致いっちする。通常つうじょう光線こうせんについての屈折くっせつりつ入射にゅうしゃこう光学こうがくじくたいする角度かくどには依存いぞんしない。一方いっぽうで、異常いじょう光線こうせんについての屈折くっせつりつ入射にゅうしゃこう光学こうがくじくたいする角度かくどによって変化へんかし、入射にゅうしゃこう光学こうがくじくのなすかく垂直すいちょくとき最大さいだいになる。

もっと一般いっぱんてきには、あやかたてき誘電ゆうでんたい誘電ゆうでんりつを2かいテンソル(3×3行列ぎょうれつ)で記述きじゅつする。ふく屈折くっせつせい物質ぶっしつじつ対称たいしょう誘電ゆうでんりつテンソル 特別とくべつ場合ばあいであり、3つの直交ちょっこうするへんごく主軸しゅじくについての固有値こゆうち、および であるものに対応たいおうする(または、ひかり伝播でんぱ方向ほうこう固定こていしてかんがえ、のこりの2つのじくだけをかんがえることもある)。

ふく屈折くっせつ原理げんりてきには誘電ゆうでんたいだけではなく磁性じせいたいでもしょうるが、とおる磁率ひかり振動しんどうすう領域りょういきではほとんど変化へんかしない。

セロハンかみは、安価あんかはいふく屈折くっせつせい物質ぶっしついちれいである。

水晶すいしょうたま本物ほんものであるかどうか判断はんだんする場合ばあいは、ふく屈折くっせつ確認かくにんするとよい。天然てんねん水晶すいしょう場合ばあいふく屈折くっせつにより透過とうかした景色けしき輪郭りんかくにじんでえる。透明とうめいであっても、輪郭りんかくがにじまず明瞭めいりょうえる場合ばあいは、ガラスひとしふく屈折くっせつせいのない物質ぶっしつだと区別くべつできる。

材料ざいりょうあやかたせい以外いがい由来ゆらいする光学こうがくふく屈折くっせつ

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ふく屈折くっせつあやかたせい結晶けっしょう由来ゆらいすることが一般いっぱんてきだが、光学こうがくてきひとしかた材料ざいりょうからふく屈折くっせつ発生はっせいさせる方法ほうほうとして以下いかげられる。

  • ひかり弾性だんせい : ひとしかたせい材料ざいりょう応力おうりょくくわわったり、変形へんけい引張ひっぱりないしはきょくげ)したりしたときに、けいひとしかたせいくずれる結果けっか発生はっせいする。
  • 旋光 : 光学こうがく活性かっせいのある分子ぶんし溶液ようえきなどで、光学こうがく純度じゅんどかがみぞうたい過剰かじょうりつ)にかたよりがある場合ばあい発生はっせいする。
  • 構造こうぞうふく屈折くっせつ : 波長はちょうよりちいさい周期しゅうき構造こうぞう起因きいんして発生はっせいする。たとえば、円柱えんちゅう波長はちょうより十分じゅうぶんちいさい間隔かんかく配列はいれつされている場合ばあいには円柱えんちゅう方向ほうこう屈折くっせつりつ円柱えんちゅう垂直すいちょく方向ほうこうでの屈折くっせつりつことなるようになる。また、波長はちょうよりせま間隔かんかくみぞ周期しゅうきてきならんだ構造こうぞう(ラインアンドスペース構造こうぞう)があった場合ばあいには、みぞ平行へいこう方向ほうこう垂直すいちょく方向ほうこう屈折くっせつりつことなるようになる。メタマテリアル一種いっしゅ
  • カー効果こうか : 外部がいぶからつよ電場でんじょう印加いんかされた場合ばあいに、ひとしかたせい材料ざいりょうちゅう電場でんじょうじょう比例ひれいしたふく屈折くっせつ発生はっせいする。印加いんか電場でんじょうひかり電場でんじょう由来ゆらいする場合ばあいとくひかりカー効果こうかばれ、非線形ひせんけい光学こうがく効果こうか一種いっしゅとしてあつかわれる。
  • ファラデー効果こうか : ひとしかたてき材料ざいりょう磁場じば印加いんかすることで、旋光せい発生はっせいする。磁場じば印加いんかされているときだけ、ひだりえんへんこうにおける屈折くっせつりつと、みぎえんへんこうにおける屈折くっせつりつことなるために光学こうがくてき活性かっせいになる。この光学こうがく活性かっせい印加いんか磁場じばるとただちにうしなわれる。
  • 自発じはつてきないしは強制きょうせいてき配向はいこう : 両親りょうしんなかだちせい分子ぶんしや、脂質ししつや、界面かいめん活性かっせいざいや、液晶えきしょう薄膜うすまくにしたさい発生はっせいする。

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外部がいぶリンク

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