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ダニ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ダニ
クローバーハダニ
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 節足動物せっそくどうぶつもん Arthropoda
もん : やっとこかくもん Chelicerata
つな : クモガタつな Arachnida
つな : ダニつな Acari
学名がくめい
Acari
和名わみょう
ダニ(ダニるい
英名えいめい
acarid(ダニるい
tickマダニ
mite(マダニ以外いがいのダニ)
下位かい分類ぶんるいぐん
本文ほんぶん参照さんしょう

ダニ(ダニるい壁蝨だに、蜱、蟎、螕、えいacarid学名がくめいAcari)は、やっとこかくもんクモガタつなぞくする節足動物せっそくどうぶつ分類ぶんるいぐん分類ぶんるいがくうえダニつなもしくはダニとされる。小型こがた動物どうぶつで、体長たいちょう1mm以下いかのものもおおい。

ぜん世界せかいやく4まん5せんしゅともわれており[1]形態けいたい生態せいたいともに非常ひじょう多様たようせいむ。そのたん系統けいとうせい分子ぶんし系統けいとう解析かいせきにより諸説しょせつかれる[2][3][4]

名称めいしょう俗称ぞくしょうとう

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ダニを意味いみする漢字かんじうち中国ちゅうごくではマダニるいを蜱()、それ以外いがいのケダニるい、コナダニるいなどを蟎(mǎn)と区別くべつし、総称そうしょうとして蜱蟎と[よう出典しゅってん]

欧米おうべいでは大型おおがた吸血きゅうけつせいのダニであるマダニるいとそれ以外いがいのダニを区別くべつし、前者ぜんしゃ英語えいごTick、ドイツでZecke、後者こうしゃ英語えいごMite、ドイツではMilbeという。日本語にほんごでは「ダニ」という単語たんご自体じたい害虫がいちゅうをイメージさせるが、英語えいごけんでは一般いっぱんてき不快ふかいかんつよいのは牧場ぼくじょう人畜じんちくがいあたえる "Tick" であり、"Mite" にはそれほど一般いっぱん不快ふかいかん普遍ふへんてきではない[5]

ササラダニ研究けんきゅう第一人者だいいちにんしゃである青木あおき淳一じゅんいちによると前者ぜんしゃかせるとおおきくかおをしかめるが、後者こうしゃについてはたんちいさいむしという印象いんしょうしかないらしいとのこと[よう出典しゅってん]

ダニを意味いみする日本語にほんご方言ほうげん語彙ごいには、ごさらぎ和歌山わかやまけん)・さらげ熊本くまもとけん)・しだりめ東京とうきょう八丈島はちじょうじま)・たにこ京都きょうと)・たのほじ島根しまねけん)・たんじろう新潟にいがたけん中魚沼なかうおぬまぐん)・だんにゃま鹿児島かごしまけん)・ふつみ山口やまぐちけん)・やえ山口やまぐちけん)などがある。ぎゃく愛知あいちけん知多ちたぐんでは、だにがハエ幼虫ようちゅう意味いみした[6]

また比喩ひゆ表現ひょうげんとして、寄生きせいせいたね一部いちぶ吸血きゅうけつ生物せいぶつとして非常ひじょう特徴とくちょうてきであることをして、他人たにんかせぎをげて生活せいかつするものに社会しゃかいのダニ」などといういいかたをすることがある。このほかひときらわれるもの形容けいようもちいることがある[7]

形態けいたい

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ダニの体制たいせい付属ふぞくのみしめされる)
サビダニの一種いっしゅ Aceria anthocoptesあしは2ついのみ、こうからだてき環節かんせつがある。
Proctolaelaps longisetosusあごからだやっとこかくさわしめす。


ダニるい形態けいたい非常ひじょう多様たようせいむが、がいして小型こがたのものがおおい。マダニるいには吸血きゅうけつ体長たいちょうが1cm以上いじょう肥大ひだいするものもあるが、ほとんどのものはそれよりはるかにちいさく、1mm以下いかのものも非常ひじょうおおい。体型たいけいはずんぐりした楕円だえんがたのものがおおいが、扁平へんぺいなものや細長ほそながいものもある。

基本きほんてき形態けいたいクモガタるい全体ぜんたい共通きょうつうする体制たいせいとして、からださきぶしからだい6からだぶしまでふくぜんからだ(prosoma, またはあたま胸部きょうぶ)と、のこりのからだぶしふくこうからだ(opisthosoma, または腹部ふくぶ)という2つの合体がったいぶしかれている[8]ぜんからだ原則げんそくとしてじゅんだい1-6たいぶし由来ゆらいするやっとこかく(chelicera)、さわ(pedipalp, palp)、および4ついあしというけい6つい付属ふぞく関節かんせつ)を[9]こうからだ付属ふぞくたず、後端こうたんぶし(telson)はない[8]

ぜんからだこうからだ区別くべつできるものもあるが、密着みっちゃくして明瞭めいりょうでない種類しゅるいおおい。からだぶしたがいに癒合ゆごういちじるしく、アシナガダニるいのぞいてこうからだ明確めいかく分節ぶんせつ見当みあたらず、正確せいかくからだぶしすう判断はんだんしにくい[8]フシダニるいニキビダニるいとうには一見いっけんたいぶしえる環節かんせつがあるが、てき表皮ひょうひ構造こうぞうからだぶし反映はんえいしない[10])。そのためにダニるいつぎとおりに独自どくじ体制たいせい区分くぶんめいがある[11][12][8][13]

  • 最先端さいせんたん口器こうき部分ぶぶんあごからだ(gnathosoma, capitulum)とび、やっとこかくさわ上唇うわくちびるなどの口器こうきからなるが、これらの器官きかんからだぶしさきぶしだい1-2たいぶし自体じたいはここにふくまれない[13]
  • それ以外いがい本体ほんたいさきぶしだい1-2たいぶし本体ほんたいおよびのこすべてのからだぶし)をまとめて胴体どうたい(idiosoma)という。これはさらに以下いかのようにける。
    • 4ついあしふく部分ぶぶんあしからだ(podosoma)という。
    • 4ついあしのうち、ぜん2ついあしふく部分ぶぶんぜん胴体どうたい(propodosoma)という。
    • 後方こうほう2ついあしふく部分ぶぶんちゅう胴体どうたい(metapodosoma)という。
    • さい後方こうほうあしよりうしろ、すなわちこうからだひとしい部分ぶぶんこう胴体どうたいともいう。
  • あごからだぜん胴体どうたいわせてぜんからだ(proterosoma)、ちゅう胴体どうたいこう胴体どうたいわせてこうからだ(hysterosoma)ということもある。

やっとこかく原則げんそくとして3せつからなり、先端せんたん2せつやっとこをなす。ただし形態けいたいには変異へんいおおく、たとえばマダニるいやっとこかくいちじるしくとくしたはりじょうで、イトダニるいやっとこかくは4せつわかれている[14]。ハダニるいのようにやっとこかくいと器官きかんをもつものもある。

さわ基本きほんてきには6せつからなるあしちかかたちであるが、ふしすうおおきくげんじたり、退すさちぢみして口器こうきのようになるものもあるなど分類ぶんるいぐんたねにより変異へんいいちじるしい。基部きぶぶしもとぶし coxa)は左右さゆう融合ゆうごうし、前面ぜんめんくちへん(hypostome)に発達はったつする。

あしは4つい基本きほんで、おおくのたねではよく発達はったつするが、一部いちぶ退化たいかさせたものやあしのものもある[10]幼体ようたいあしが3つい脱皮だっぴ成長せいちょう途中とちゅうで4ついえるが、実際じっさいにはたまごないでの発生はっせい過程かていでは4つい形成けいせいされて、そのだい4きゃく消失しょうしつ孵化ふかに3ついになる。

すべ単眼たんがんぜん胴体どうたいつが、くものもおおい。胸板むないたダニるいちゅう(median eye)1たいがわ(lateral eye)1-2ついつが、ちゅうが1つの融合ゆうごうし、かけじょうが3つとなる場合ばあいがある。むねあなダニるいちゅうたず、がわ最多さいた3つい[15]感覚かんかく器官きかんとして体側たいそく体毛たいもうをもつものもある。

呼吸こきゅう器官きかんとして気管きかんけいち、そのもん位置いち構造こうぞう分類ぶんるいじょう重視じゅうしされる。気管きかん退化たいか特定とくてい呼吸こきゅう器官きかんたないものもあり、そのようなものは皮膚ひふ呼吸こきゅうおこなう。

ネコ付着ふちゃく吸血きゅうけつ肥大ひだいしたマダニの1しゅ

生態せいたい

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ダニるい熱帯ねったいからごくいきまで世界中せかいじゅう分布ぶんぷし、高山たかやまから低地ていち乾燥かんそうから湿地しっち土壌どじょうちゅう水中すいちゅう家屋かおくない貯蔵ちょぞう食品しょくひんないとう人工じんこうてき環境かんきょう、さらには植物しょくぶつ動物どうぶつからだ組織そしきちゅうまで様々さまざま環境かんきょう適応てきおうして生息せいそくする。一般いっぱんからだ微小びしょうであることから、様々さまざまほろ環境かんきょうおうじてそれぞれことなるたねけており、分布ぶんぷ局在きょくざいしているたねもあるがコスモポリタンたねおおい。また、一部いちぶ水生すいせいダニるいでは成体せいたい陸上りくじょう生活せいかつするひとし成長せいちょう段階だんかいにより生息せいそく環境かんきょう変化へんかするたねもいる。

しょくせいもそれぞれのたね生息せいそくするほろ環境かんきょう適応てきおうし、きんしょくせい腐食ふしょくせい捕食ほしょくせいうえしょくせい寄生きせいせいとうクモがたるいとしては非常ひじょう多様たようである。注目ちゅうもくされることのおお寄生きせいせいたねについても、寄生きせい生物せいぶつとして高度こうど適応てきおうしているものから、宿主しゅくしゅたいする捕食ほしょくちかいもの、宿主しゅくしゅからだ組織そしき一種いっしゅほろ環境かんきょうとして生息せいそくしているものまで段階だんかい様々さまざまである。また寄生きせいせいのツツガムシるいタカラダニるいとう幼体ようたい成体せいたいとでしょくせい変化へんかするものもある。

繁殖はんしょく通常つうじょう、オス個体こたいがメス個体こたいしらげつつみ直接ちょくせつまたは間接かんせつてきわたして受精じゅせいさせる両性りょうせい生殖せいしょくだが、通常つうじょうはメスのみでたんため生殖せいしょくおこなたねおおい。産卵さんらん土壌どじょう動物どうぶつのイレコダニるいよういちかい1個いっこしかまないものから複数個ふくすうこむもの、体内たいない孵化ふかして幼体ようたいむものまでたねによりことなる。

幼体ようたい脱皮だっぴかえ複数ふくすうれい成体せいたいとなるが、たねにより特定とくてい段階だんかいないし環境かんきょう変化へんかにより、付属ふぞく口器こうき退化たいかさせたシストばれるまゆじょう形態けいたいになるものがある。たんさなぎじょう休眠きゅうみん状態じょうたいをとるものから寒冷かんれい乾燥かんそうとう環境かんきょう悪化あっか高度こうどたいせいつものまで様々さまざまである。

ダニるい形態けいたい多様たようであるため、あし発達はったつさせて活発かっぱつ歩行ほこうしたり、遊泳ゆうえいするものや跳躍ちょうやく能力のうりょくをもつもの、あし退化たいかさせて蠕動ぜんどうおこなうものや固着こちゃく生活せいかつおこなうものひとし様々さまざまであるが、いずれのたねにおいても身体しんたい微小びしょうであるため、個体こたいとしての運動うんどう能力のうりょく非常ひじょう限定げんていてきである。しかし生態せいたい多様たようであることから、哺乳類ほにゅうるいとう大型おおがた動物どうぶつ飛翔ひしょう能力のうりょくのある昆虫こんちゅう寄生きせいあるいはからだひょう付着ふちゃくすることにより長距離ちょうきょり移動いどうするものなど、たねによってはおおきな移動いどう能力のうりょく獲得かくとくしている。とくに、ハダニるいとういとしてバルーニングによる移動いどうおこなたねやシスト形態けいたいふうばされて分散ぶんさんするたねなどでは非常ひじょうひろ分布ぶんぷいきつものがあり、1つのたねひろし世界せかいてき分布ぶんぷしているものもある。

通常つうじょうダニるい医療いりょうじょう農業のうぎょう上等じょうとう有害ゆうがい生物せいぶつとしてとらえられることがおおいが、そのようたねはダニるい全体ぜんたいとしてはごく一部いちぶであり、大半たいはん人間にんげん活動かつどう無関係むかんけいで、ササラダニるいとう土壌どじょう生活せいかつせいのダニるいなどの分解ぶんかいしゃ捕食ほしょく寄生きせいにより特定とくていたねたいする天敵てんてきとして機能きのうしているものひとし生態せいたいけいささえる重要じゅうよう役割やくわりになっている。

アダクチリディウムやアカロフェナックス・トリボリイとう兄妹きょうだいあねおとうと近親きんしん交配こうはい日常にちじょうてきおこなたねがいる[16]

人間にんげんとのかかわり

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ダニるいたねすう個体こたいすうともに膨大ぼうだいであるため、人間にんげん活動かつどうかかわりのあるしゅは、ダニるい全体ぜんたいたいしてはごくわずかな割合わりあいでしかないが、保健ほけん衛生えいせいじょうまた農業のうぎょうじょう有害ゆうがい生物せいぶつとして、その影響えいきょう無視むしできない。

ダニという場合ばあい有害ゆうがい吸血きゅうけつ生物せいぶつのイメージが一般いっぱんてきだが、外部がいぶ寄生きせいにより吸血きゅうけつおこな代表だいひょうてきなものとしてマダニるいとイエダニるいげられる。これらのダニるい通常つうじょうはマダニがシカなどの野生やせい動物どうぶつを、イエダニがじゅうせいのネズミるい寄生きせい対象たいしょうとしており、ワクモツツガムシとう人間にんげん以外いがい生物せいぶつ宿主しゅくしゅとしているたねでも、状況じょうきょうにより人間にんげん吸血きゅうけつ被害ひがいあたえるものがいる。現代げんだいでは日常にちじょう生活せいかつでこれらのダニの寄生きせいける機会きかいはほとんどないが、アウトドアでのレジャーとう野外やがい活動かつどうにマダニるいやツツガムシるい被害ひがいけるれいえている。これらの被害ひがいけると、吸血きゅうけつのダニの唾液だえき物質ぶっしつによるアレルギあれるぎせいの咬症のほか、マダニるい口器こうきにより傷口きずぐち化膿かのうしたり、場合ばあいによってはリケッチアやウィルスとうによるじゅうあつし感染かんせんしょう発症はっしょうすることがある。

直接ちょくせつ吸血きゅうけつはしないが、人体じんたい組織そしき寄生きせいするダニとして、ヒゼンダニニキビダニるいげられる。ヒゼンダニは皮下ひか穿孔せんこうして寄生きせい疥癬かいせんという皮膚ひふびょう発症はっしょうさせる。ニキビダニるいおも顔面がんめんもうつつみ寄生きせいしており、通常つうじょう症状しょうじょうであることがおおいが体質たいしつ状況じょうきょうによりアレルギあれるぎせい皮膚ひふえん原因げんいんとなる。

また人体じんたい寄生きせいはしないが、じゅうちゅうほこりハウスダスト)のなかすうしゅのダニが生息せいそくしており、これらはほこりちゅう有機物ゆうきぶつべているので人体じんたいへの直接ちょくせつ加害かがいはないが、くそ脱皮だっぴから個体こたい死骸しがいとう皮膚ひふえん気管支炎きかんしえんとうアレルギあれるぎせい疾患しっかんこすもとアレルゲン)になることがある。さらにこのダニるい捕食ほしょくするツメダニるい繁殖はんしょくし、偶発ぐうはつてき人体じんたい皮膚ひふえん発生はっせいしている。

人体じんたい被害ひがいあたえるもの以外いがいでは、台所だいどころ食品しょくひん倉庫そうこコナダニ仲間なかま小麦粉こむぎこ乾物かんぶつとう貯蔵ちょぞう食品しょくひんなどに繁殖はんしょくし、食品しょくひん工場こうじょうとうおおきな損害そんがいあたえることがある。

農業のうぎょう害虫がいちゅうとして、植物しょくぶつ寄生きせいするダニのうちでもハダニるいには産業さんぎょうじょう重要じゅうようなものがおおい。この仲間なかま植物しょくぶつ表面ひょうめんにクモのようにいとめぐらしてをつくり集団しゅうだん生活せいかつする。植物しょくぶつ組織そしきない口器こうき挿入そうにゅう細胞さいぼうげん形質けいしつって摂食せっしょくするが、とげ咬時に有害ゆうがい成分せいぶん分泌ぶんぴつするため変色へんしょくし、寄生きせいすうおお場合ばあいかぶごと枯死こしすることもある。ころせダニざいとう農薬のうやく抵抗ていこうせいち、防除ぼうじょ困難こんなんなケースもおおい。

ダニるい人間にんげん活動かつどう有用ゆうよう関与かんよしているれいとして、間接かんせつてきには分解ぶんかいしゃとしての土壌どじょう動物どうぶつのダニるいとう生態せいたいけいささえている重要じゅうようなメンバーとしてのはたらきなどをげることができるが、直接的ちょくせつてき利用りようはあまりおおくない。産業さんぎょうじょう重要じゅうようれいとして、農業のうぎょう害虫がいちゅうのハダニるい防除ぼうじょに、カブリダニるいとうこれらの植物しょくぶつ寄生きせいせいダニるい天敵てんてきである捕食ほしょくせいのダニるい生物せいぶつ農薬のうやくとしてもちいられている。

また、ヨーロッパではミモレットエダムチーズとう伝統でんとうてきチーズ熟成じゅくせいほうとしてチーズダニが利用りようされる[17]

ダニが媒介ばいかいする感染かんせん症例しょうれい

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分類ぶんるい

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ダニるい種類しゅるいすうおおく、きわめて多様たようなメンバーをふくかず非常ひじょうおおい。分類ぶんるい階級かいきゅうについて、かつては階級かいきゅうダニ)であったが、のちにつな階級かいきゅうダニつな)へ昇格しょうかくされるようになった。この場合ばあい、ダニるい下位かい分類ぶんるいおおまかにむねあなダニるいむねあなダニ上目うわめ、マダニ・アシナガダニ・カタダニ・トゲダニふくむ)と胸板むないたダニるい胸板むないたダニ上目うわめひろしササラダニひろしケダニふくむ)の2ぐんとしてまとめられる[21][22]

従来じゅうらいたん系統けいとうぐんかんがえられてきたが、分子ぶんし系統けいとう解析かいせきによって諸説しょせつかれる。むねあなダニるい胸板むないたダニるいはそれぞれべつ系統けいとうで、ダニるい系統けいとうせい示唆しさする結果けっか[3]があれば、両者りょうしゃ姉妹しまいぐんでダニるいたん系統けいとうせい支持しじする結果けっかもある[4]

以下いかはダニるい従来じゅうらいのダニとし、代表だいひょうてきのみをひろげる。また、このなか諸説しょせつもあるので、注意ちゅういしていただきたい。

  • ダニ (Acari)
    • アシナガダニ
      • アシナガダニ
    • トゲダニ (Mesostigmata)
      • ユメダニ
      • イトダニ
      • ヤドリダニ
      • カブリダニ
      • ワクモ - イエダニなど
    • カタダニ
      • カタダニ
    • マダニ (Ixodida)
    • ケダニ (Prostigmata)
      • テングダニ
      • ハシリダニ
      • ウシオダニ - 海中かいちゅうせい
      • ハモリダニ
      • タカラダニ (Erythraeidae)
      • ツツガムシ (Trombiculidae) - ネズミなどから吸血きゅうけつ・ツツガムシびょう媒介ばいかい
      • ナミケダニ (Trombidiidae)
      • ヒヤミズダニ - 水中すいちゅうせい以下いか、いわゆるミズダニるい
      • オオミズダニ
      • オヨギダニ
      • ツメダニ - のダニなどを捕食ほしょく
      • ニキビダニ - 汗腺かんせんなか寄生きせい
      • ハダニ - 植物しょくぶつ組織そしきう・農業のうぎょう害虫がいちゅう
      • シラミダニ - 昆虫こんちゅう外部がいぶ寄生きせい
      • ホコリダニ
    • ササラダニ (Cryptostigmata) - 植物しょくぶつ遺体いたいなどを土壌どじょうせい
      • ムカシササラダニ
      • ヒワダニ
      • チョウチンダニ
      • マイコダニ
      • フシイレコダニ
      • ニセイレコダニ
      • ツツハラダニ
      • ヘソイレコダニ
      • オニダニ
      • ツキノワダニ
      • ウズタカダニ
      • ジュズダニモドキ
      • ジュズダニ
      • クモスケダニ
      • ツヤタマゴダニ
      • イブシダニ
      • クワガタダニ
      • ツブダニ
      • ミズノロダニ - 淡水たんすいせい
      • コバネダニ
      • フリソデダニ
    • コナダニ (Astigmata)

以下いか分類ぶんるい和名わみょう島野しまの (2018, 2021) にしたがってダニるいむねあなダニ上目うわめ胸板むないたダニ上目うわめの2系統けいとうけ、までの分類ぶんるいしめ[21][22]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Zhang (2013)
  2. ^ 島野しまの高久たかく (2016)
  3. ^ a b Sharma, Prashant P.; Kaluziak, Stefan T.; Pérez-Porro, Alicia R.; González, Vanessa L.; Hormiga, Gustavo; Wheeler, Ward C.; Giribet, Gonzalo (2014-11-01). “Phylogenomic Interrogation of Arachnida Reveals Systemic Conflicts in Phylogenetic Signal” (英語えいご). Molecular Biology and Evolution 31 (11): 2963–2984. doi:10.1093/molbev/msu235. ISSN 0737-4038. https://academic.oup.com/mbe/article/31/11/2963/2925668. 
  4. ^ a b Lozano-Fernandez, Jesus; Tanner, Alastair R.; Giacomelli, Mattia; Carton, Robert; Vinther, Jakob; Edgecombe, Gregory D.; Pisani, Davide (2019-05-24). “Increasing species sampling in chelicerate genomic-scale datasets provides support for monophyly of Acari and Arachnida” (英語えいご). Nature Communications 10 (1): 1–8. doi:10.1038/s41467-019-10244-7. ISSN 2041-1723. https://www.nature.com/articles/s41467-019-10244-7. 
  5. ^ 青木あおき(1968)p.14
  6. ^ なおがく図書としょへん、『日本にっぽん方言ほうげんだい辞典じてん』、小学館しょうがくかん、1989ねん
  7. ^ 広辞苑こうじえんはん
  8. ^ a b c d Dunlop, Jason A.; Lamsdell, James C. (2017-05-01). “Segmentation and tagmosis in Chelicerata” (英語えいご). Arthropod Structure & Development 46 (3): 395–418. doi:10.1016/j.asd.2016.05.002. ISSN 1467-8039. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1467803916300731. 
  9. ^ 以下いかしゅとして内田うちだ監修かんしゅう (1966), p142-149、および石川いしかわへん (2008), p.140-142
  10. ^ a b Chetverikov, Philipp; Craemer, Charnie; Bolton, Samuel (2017-12-01). “Exoskeletal transformations in Eriophyoidea: new pseudotagmic taxon Pseudotagmus africanus n. g. & n. sp. from South Africa and remarks on pseudotagmosis in eriophyoid mites”. Systematic and Applied Acarology 22 (12): 2093. doi:10.11158/saa.22.12.6. ISSN 1362-1971. https://biotaxa.org/saa/article/view/saa.22.12.6. 
  11. ^ Bochkov, Andre (2009). A review of mites of the Parvorder Eleutherengona (Acariformes: Prostigmata ) — permanent parasites of mammals. Acarina, KMK Scientific Press. ISBN 978-5-87317-612-0. https://www.researchgate.net/publication/258372256 
  12. ^ Barnett, Austen A.; Thomas, Richard H. (2013-08-30). “Posterior Hox gene reduction in an arthropod: Ultrabithorax and Abdominal-B are expressed in a single segment in the mite Archegozetes longisetosus”. EvoDevo 4 (1): 23. doi:10.1186/2041-9139-4-23. ISSN 2041-9139. PMC 3766265. PMID 23991696. https://doi.org/10.1186/2041-9139-4-23. 
  13. ^ a b Bolton, Samuel J. (2022-02-25). “Proteonematalycus wagneri Kethley reveals where the opisthosoma begins in acariform mites” (英語えいご). PLOS ONE 17 (2): e0264358. doi:10.1371/journal.pone.0264358. ISSN 1932-6203. PMC 8880937. PMID 35213630. https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0264358. 
  14. ^ Cheliceral segmentation”. idtools.org. 2022ねん11月11にち閲覧えつらん
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  16. ^ スティーヴン・ジェイ・グールド『パンダの親指おやゆび じょう進化しんかろん再考さいこう』(早川書房はやかわしょぼう、1996ねん)pp.105-107. ISBN 978-4-150-50206-5
  17. ^ 島野しまの (2015)
  18. ^ Drew, WL (1994), “Rickettsia, Coxiella, Erlichia, and Rochalimaea”, in Ryan, KJ et al, Sherris Medical Microbiology, Stamford: Appleton & Lange, pp. 431-438, ISBN 0838585418 
  19. ^ Plorde, JJ (1994), “Spirochetes”, in Ryan, KJ et al, Sherris Medical Microbiology, Stamford: Appleton & Lange, pp. 385-400, ISBN 0838585418 
  20. ^ 日本にっぽんにもいる! 中国ちゅうごく殺人さつじんダニ」衝撃しょうげき…33にん死亡しぼう ZAKZAK 2010.10.02
  21. ^ a b 智之としゆき, 島野しまのダニるい高次こうじ分類ぶんるい体系たいけい改訂かいていについて-高次こうじ分類ぶんるいぐん一部いちぶ和名わみょう改称かいしょうふくむ-」『日本にっぽんダニ学会がっかいだい27かんだい2ごう、2018ねん、51–68ぺーじdoi:10.2300/acari.27.51 
  22. ^ a b 島野しまの智之としゆきダニるい高次こうじ分類ぶんるいぐんとその和名わみょう」『Edaphologia』だい109かん日本にっぽん土壌どじょう動物どうぶつ学会がっかい、2021ねん、34-35ぺーじ

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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