凶作きょうさく

凶作きょうさく（きょうさく）は、栽培さいばいしている農作物のうさくもつの収穫しゅうかく量りょうが通常つうじょうより極端きょくたんに少すくない状態じょうたいのこと。反対はんたいの状況じょうきょうは豊作ほうさくという。通常つうじょうよりやや少すくない状態じょうたいは不作ふさくと呼よばれる。

概要がいよう

凶作きょうさくは農作物のうさくもつが

1. 長雨ながあめや日照ひでり不足ふそく・冷夏れいかなどにより成長せいちょうに適てきする環境かんきょうが続つづかなかった
2. 河川かせんの氾濫はんらんなどの自然しぜん災害さいがいに襲おそわれた
3. 害虫がいちゅう・細菌さいきん・ウイルスの影響えいきょうを受うけた
4. 台風たいふうや高潮こうちょう、津波つなみによる塩害えんがいを受うけた

などの原因げんいんで起おこる。

凶作きょうさくが広ひろい範囲はんいで起おこると、その農作物のうさくもつは市場いちばへあまり出回でまわらなくなり、需要じゅようが供給きょうきゅうを上回うわまわることで価格かかくが上昇じょうしょうする。近代きんだい以前いぜんにおいては農業のうぎょう分野ぶんやにおける技術ぎじゅつ水準すいじゅんの低ひくさから、数すう年ねんに一いち度どの頻度ひんどで発生はっせいしていたとされており、人々ひとびとの生活せいかつは食料しょくりょう不足ふそくと常つねに隣となり合あわせであった。主要しゅよう農産物のうさんぶつが極端きょくたんな凶作きょうさくに見舞みまわれた場合ばあい、十分じゅうぶんな蓄たくわえがない、あるいはその農産物のうさんぶつの代替だいたい財ざいが存在そんざいしない場合ばあいは大だい規模きぼな飢饉ききんが起おこった。高度こうど成長せいちょう以降いこうの日本にっぽんでは飢饉ききんは克服こくふくされたものの天候てんこう不順ふじゅんが無なくなったわけではなく、コメが極端きょくたんな凶作きょうさくとなった1993年ねん米まい騒動そうどうは社会しゃかい的てきな問題もんだいとなった。

また、豊作ほうさく気候きこうでも不作ふさくになる場合ばあいがある。猛暑もうしょ気味きみで豊作ほうさくペースだった2004年ねんは日本海にほんかい側がわの穀倉こくそう地帯ちたいを重要じゅうよう生育せいいく期きに台風たいふうが通過つうかして塩害えんがいが大量たいりょう発生はっせい。凶作きょうさくとなった。

転用てんよう

本来ほんらいの意味いみから転てんじて、

1. ロット単位たんいで見みた製品せいひん全体ぜんたいの出来できの悪わるさや、高こう不良ふりょう率りつ・高こう故障こしょう率りつなど。
2. 質的しつてきな人材じんざい確保かくほ難なん

これらを形容けいようする表現ひょうげんとして用もちいられることがある。

たとえば、プロ野球やきゅうの新人しんじん選手せんしゅの獲得かくとくに際さいして行おこなわれるプロ野球やきゅうドラフト会議かいぎにおいては、かつてはアマチュア選手せんしゅしか参加さんかできなかったオリンピックの日本にっぽん代表だいひょう選考せんこうなどの影響えいきょうから選考せんこう対象たいしょうとなるプロ野球やきゅう選手せんしゅ志望しぼう者しゃの層そうが薄うすくなる年度ねんどが見みられ、その様ような場合ばあいに「凶作きょうさくドラフト」などという表現ひょうげんが用もちいられることがあった。

関連かんれん項目こうもく

• 作況さっきょう指数しすう
• 水不足みずぶそく
• 蝗いなご害がい
• 義ぎ倉くら
• 一揆いっき
• 米べい騒動そうどう