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農地のうち

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

農地のうち(のうち、えい: agricultural land)とは、一般いっぱんてきには耕作こうさく目的もくてききょうされる土地とちのこと[1]国際こくさいてき統計とうけいでは農業のうぎょう地域ちいき農地のうち)は耕作こうさく永年えいねん草地くさち放牧ほうぼく総称そうしょうをいう[2]農林のうりん統計とうけいじょう使つかわれる用語ようごとしては、耕地こうちばれる[3]

概説がいせつ

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家畜かちく農作物のうさくもつそだてるためには土地とち必要ひつようである。農作物のうさくもつすべ植物しょくぶつであり、基本きほんてきに、呼吸こきゅうをし大気たいきから窒素ちっそ二酸化炭素にさんかたんそなどをとりこみ組織そしき成長せいちょうさせまたそれを原料げんりょうに(光合成こうごうせいしたものを)備蓄びちくしている[ちゅう 1]のにくわえて、地面じめんからも水分すいぶん養分ようぶん吸収きゅうしゅうし、太陽たいようひかりけて光合成こうごうせいおこなっているわけで、農地のうちには、適度てきど空気くうきながれがあること、十分じゅうぶん水分すいぶんふくまれていること、相応そうおう養分ようぶんふくまれていること、適度てきど日照ひでりがあることなど、もとめられる条件じょうけんおおい。灌漑かんがいにより、もともとかわいていて農業のうぎょうにはてきさない土地とちにも水分すいぶんあたえられるようになり農地のうちひろげることができるようになった。さらに井戸いど地下水ちかすいをくみげることでも農地のうちやせるようになった。せた土地とち養分ようぶんすくない土壌どじょう)には家畜かちくくそ人糞じんぷんほどこ養分ようぶんおぎなうことでも農地のうちとすることができるようになった。20世紀せいき化学かがく肥料ひりょうがさかんに開発かいはつ多用たようされるようになると農地のうち開発かいはつはさらに簡便かんべんになったが、これは長期ちょうきてきるとさまざまな深刻しんこく副作用ふくさようもあり、近年きんねんではむしろ有機ゆうき農法のうほう回帰かいきすることもさかんにおこなわれている。なお地中ちちゅう有害ゆうがい物質ぶっしつふくまれている土地とち塩分えんぶん過剰かじょう土地とち農地のうちには不適ふてきである。

また、家畜かちくそだてるための土地とちにははないならば牧草ぼくそう地帯ちたい最適さいてきである。

30かこく統計とうけいによると農地のうち面積めんせき平均へいきんやく75%が世帯せたい個人こじん所有しょゆうであり、これら30かこくでは家族かぞく農家のうか食料しょくりょうの80%以上いじょう生産せいさんしていると推定すいていされている[2]家族かぞく農家のうか所有しょゆうする農地のうち森林しんりん牧草ぼくそう漁場ぎょじょうなどもふく生産せいさん環境かんきょう一部いちぶになっていることがおお[2]。そのため、食料しょくりょう安全あんぜん保障ほしょう栄養えいようがく生物せいぶつがく生物せいぶつ多様たようせいみず土壌どじょう保全ほぜん涵養かんよう収入しゅうにゅう創出そうしゅつなど多様たよう側面そくめんゆうする[2]

国際こくさいてき統計とうけい分類ぶんるい

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国際こくさいてき統計とうけいでは農業のうぎょう地域ちいき農地のうち)は耕作こうさく永年えいねん草地くさち放牧ほうぼく総称そうしょうをいう[2]耕作こうさくには可耕地かこうち永年えいねん作物さくもつがある[2]

FAOSTAT(FAO統計とうけいデータベース)による農業のうぎょう地域ちいき分類ぶんるい以下いかのとおり。

各地かくち農地のうち

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ヨーロッパ
アフリカ
中東ちゅうとう
中央ちゅうおうアジア
ロシア
ひがしアジア・東南とうなんアジア
日本にっぽん

日本にっぽん農地のうちほうでは、農地のうちは「耕作こうさく目的もくてききょうされる土地とち」と定義ていぎされている[4][1]。これ以外いがい土地とちで、しゅとして耕作こうさくもしくはやしなえ事業じぎょうのための採草さいそうまたは家畜かちく放牧ほうぼく目的もくてききょうされるものは、とくに採草さいそう放牧ほうぼくというが、広義こうぎにはこれをふくみ、農用地のうようちともいう[5]。さらにひろ意味いみでの農地のうちは、のう畜産ちくさんぶつ生産せいさん貯蔵ちょぞうなどのための農業のうぎょうよう施設しせつ用地ようちふく[ちゅう 2]

日本にっぽんにおける法令ほうれいじょう農地のうち分類ぶんるい以下いかのとおり(農地のうち転用てんようのための立地りっち基準きじゅんもとづく)[6][7]

  • 農用地のうようち区域くいき - 市町村しちょうそんさだめる農業のうぎょう振興しんこう地域ちいき整備せいび計画けいかくにおいて指定していのうほうだい8じょうだい2こうだい1ごう
  • 甲種こうしゅ農地のうち - だい1しゅ農地のうち条件じょうけんたす農地のうちであって、市街しがい調整ちょうせい区域くいきうち土地とち改良かいりょう事業じぎょうひとし対象たいしょうとなった農地のうちとうとく良好りょうこう営農えいのう条件じょうけんそなえている農地のうち農地のうちほうだい4じょうだい6こうだい1ごうロ、どうほうだい5じょうだい2こうだい1ごうロ、どう施行しこうれいだい6じょう
  • 乙種おつしゅ農地のうち
    • だい1しゅ農地のうち - 10ha以上いじょう規模きぼ一団いちだん農地のうち土地とち改良かいりょう事業じぎょうとう対象たいしょうとなった農地のうちとう良好りょうこう営農えいのう条件じょうけんそなえている農地のうち農地のうちほうだい4じょうだい6こうだい1ごうロ、どうほうだい5じょうだい2こうだい1ごうロ、どう施行しこうれいだい5じょう
    • だい2しゅ農地のうち - 市街地しがいち見込みこまれる農地のうち農地のうちほうだい4じょうだい6こうだい1ごうロ(1)、どうほうだい5じょうだい2こうだい1ごうロ(2)、どう施行しこうれいだい8じょうどう施行しこうれいだい15じょう)、また生産せいさんせいひくしょう集団しゅうだん農地のうち農地のうちほうだい4じょうだい6こうだい2ごうロ(1)、どうほうだい5じょうだい2こうだい2ごう
    • だい3しゅ農地のうち - 市街地しがいち区域くいきまた市街地しがいち傾向けいこういちじるしい区域くいきにある農地のうち農地のうちほうだい4じょうだい6こうだい1ごうロ(1)、どうほうだい5じょうだい2こうだい1ごうロ(1)、どう施行しこうれいだい7じょうどう施行しこうれいだい14じょう

日本にっぽん耕地こうち面積めんせき(2018ねん)(出典しゅってん平成へいせい30ねん耕地こうちおよ作付さくづけ面積めんせき統計とうけい)は、4まん4200平方へいほうキロメートルである[8]

北米ほくべい
南米なんべい

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 根菜こんさいるいなどは、おも大気たいきからんだ成分せいぶん合成ごうせいし、備蓄びちくしている。
  2. ^ 法令ほうれいじょうは、農業のうぎょう振興しんこう地域ちいき整備せいびかんする法律ほうりつ農業のうぎょう経営けいえい基盤きばん強化きょうか促進そくしんほうにおいて、「農用地のうようちとう」という。

出典しゅってん

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  1. ^ a b 農地のうちほうにおける農業のうぎょうハウスとう取扱とりあつかいについて”. 農林水産省のうりんすいさんしょう経営けいえいきょく. 2020ねん8がつ17にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f g h i 世界せかい食料しょくりょう農業のうぎょう白書はくしょ 2014ねん報告ほうこく”. 公益社こうえきしゃだん法人ほうじん 国際こくさい農林のうりんぎょうきょうはたらけ協会きょうかい. 2020ねん8がつ17にち閲覧えつらん
  3. ^ 耕地こうち』 - コトバンク
  4. ^ 農地のうちほう2じょう1こう
  5. ^ 土地とち改良かいりょうほう2じょう1こう
  6. ^ 農地のうち転用てんよう許可きょか制度せいど - 農林水産省のうりんすいさんしょう
  7. ^ 農地のうち評価ひょうかじょう分類ぶんるい - 国税庁こくぜいちょう
  8. ^ 帝国ていこく書院しょいん統計とうけい資料しりょう 日本にっぽん 面積めんせき人口じんこう 耕地こうち面積めんせき

外部がいぶリンク

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