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伐採ばっさい

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでの伐採ばっさい風景ふうけい20世紀せいき初頭しょとう
間伐かんばつ展示てんじりん東京とうきょうあきる

伐採ばっさい(ばっさい)は、森林しんりんたけたおすことであり、通常つうじょう丸太まるた生産せいさんする行為こういをいう。林業りんぎょうにおける伐採ばっさい種類しゅるいにはおも(しゅばつ)、間伐かんばつ(かんばつ)、じょ(じょばつ)、みな(かいばつ)、(たくばつ)がある。

過剰かじょう伐採ばっさいにより森林しんりん維持いじ回復かいふく困難こんなんになる現象げんしょうについては「森林しんりん破壊はかい」を参照さんしょう

伐採ばっさい方法ほうほう

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チェーンソー登場とうじょうするまではおののこたおしていた[1]たおがわおのみき三角さんかくみをれ、反対はんたいがわからおのまたはのこたお[1]たお方向ほうこう調節ちょうせつしたりおもみでのこけなくならないようくち道具どうぐという[1]

このほか伐採ばっさい機械きかいハーベスター高性能こうせいのう林業りんぎょう機械きかい)がある[2]

おの、チェーンソーをもちいて、伐採ばっさいする職業しょくぎょうやその手法しゅほうについては「きこり#伐採ばっさい作業さぎょう」を参照さんしょう

おも

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おもは、森林しんりん樹木じゅもく収穫しゅうかくするために伐採ばっさいすること。林業りんぎょうしゅたる収入しゅうにゅう源泉げんせんみながある。

みな

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みなは、対象たいしょうとなる区画くかくにある森林しんりん樹木じゅもくすべ伐採ばっさいすること。おもいち手法しゅほう

みなは、伐採ばっさいのための経費けいひすくなくてすむことから、収入しゅうにゅうをよりおおくするためには合理ごうりてき方法ほうほうであるが、周囲しゅうい環境かんきょうあたえる影響えいきょうおおきいことから、近年きんねん区画くかく面積めんせきちいさくして環境かんきょうへの負荷ふか軽減けいげんするようになっている。

なお、日本にっぽんにおいては昭和しょうわ中期ちゅうきまでの植林しょくりんにおける伐採ばっさいは、尾根おねすじおおきくのこすもので、みなであっても山肌やまはだいちめんはだかにするような施行しこうおこなわなかったようである。

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は、対象たいしょうとなる区画くかくからたっしたなど一定いってい基準きじゅん樹木じゅもくえらび、適量てきりょうずつすうねんからすうじゅうねんおきにりして、林内りんないでの更新こうしんはかること。

対象たいしょうとなるはやしぶんからその成長せいちょうりょうぶん該当がいとうするざいせき以内いない伐採ばっさいするという手法しゅほうおこなわれることから、持続じぞくてき林業りんぎょう経営けいえいぎょうなえる。一方いっぽう伐採ばっさいりょう決定けってい困難こんなんである。 また、10 - 20 %程度ていど本数ほんすうりつ伐採ばっさいすることもあり、のこされた樹木じゅもくはそのまま育成いくせいされ、一定いってい年数ねんすう同様どうようかえされる。 なお、伐採ばっさいによりおおきなしょうじた場合ばあいには、苗木なえぎうえ栽されることもある。

一般いっぱんに、ねらった特別とくべつ樹木じゅもくのみをり、それ以外いがい樹木じゅもくらないので森林しんりんへの影響えいきょうちいさいとかんがえられる。そのため、あとあらたな樹木じゅもく生長せいちょうすれば、をつけたことがわからない場合ばあいもありる。いわゆる原生げんせいりんといわれる森林しんりんにおいても、実際じっさいにはこのような過程かていがあるものがふくまれる(人工じんこうりん天然てんねんりんの)可能かのうせいがあり、注意ちゅういようする。

なお、環境かんきょう考慮こうりょして道路どうろ開設かいせつしないと、このような判断はんだんただしいとはえないれいがある。たとえば熱帯ねったい多雨たうりん荒廃こうはい一因いちいんがあり、この場合ばあい、ある樹木じゅもく機械きかいはこんでちかづけるため、重機じゅうきとおはば周囲しゅういたおしてすすむことになり、1ほんるためにひろ面積めんせき森林しんりん荒廃こうはいさせている。

間伐かんばつ

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間伐かんばつのスギりん神奈川かながわけん相模原さがみはら

間伐かんばつは、樹木じゅもく生長せいちょうともなってってきたがおもにはいたらない森林しんりんで、樹木じゅもく生育せいいくうながすために間引まびための伐採ばっさいである。森林しんりん荒廃こうはいふせぐことで自然しぜん環境かんきょうまもこと林業りんぎょうでは長期ちょうきてき収入しゅうにゅうこと目的もくてきとする[3]。また、はやしゆか太陽光たいようあきらせんとどくようになり、日当ひあたりが改善かいぜんすること下草したくさ生育せいいくしやすい環境かんきょうができる。このため、土壌どじょう流出りゅうしゅつ防止ぼうしにもつながることから、土砂どしゃ災害さいがい防止ぼうしのためにも重要じゅうようされる保育ほいく作業さぎょうである。

日本にっぽん国内こくない人工じんこうりん太平洋戦争たいへいようせんそう終戦しゅうせん前後ぜんご政策せいさくてきえられたスギヒノキおおく、2010年代ねんだいには伐採ばっさいむかえている。人工じんこうりん里山さとやまなどひとはいった天然てんねんりんおこなわれる。樹木じゅもく相互そうご競争きょうそうけた劣勢れっせいにゅうかわしょうじたなどを中心ちゅうしん伐採ばっさいし、将来しょうらい木材もくざいとしての利用りよう価値かちたかいとおもわれる樹木じゅもくのこすなどする定性ていせい間伐かんばつと、伐採ばっさい経費けいひおさえるために機械きかいてき一定いっていりょう伐採ばっさいする定量ていりょう間伐かんばつとに大別たいべつされる。

そんななかでいわゆる「放置ほうちりん」の増加ぞうかによる森林しんりん荒廃こうはい深刻しんこくしており、安価あんか輸入ゆにゅう木材もくざい流入りゅうにゅうともな価格かかく下落げらくから、採算さいさんわずに森林しんりん管理かんりとどかない地域ちいきえている。 必要ひつよう時期じき間伐かんばつおこなわない場合ばあい材質ざいしつ低下ていか製品せいひんとしての価値かちくなるばかりでなく、森林しんりん全体ぜんたい不健康ふけんこうとなり、森林しんりん公益こうえきてき機能きのう十分じゅうぶん発揮はっきされないおそれがしょうずる。間伐かんばつおこなわないことにより、ほそよわ林立りんりつしてしまった状態じょうたいは「線香せんこうはやし」「もやしはやし」とばれる。こうなると日光にっこうしたまでとどかなくなり、下草したくさえなくなるため保水ほすいりょく低下ていかし、ちょっとした風雨ふううたおれ、表土ひょうど流出りゅうしゅつしやすくなる。さらに、線香せんこうりんしてから無理むり間伐かんばつおこなうと、のこった自然しぜん災害さいがい全滅ぜんめつしかねないため、こうなってしまうと小規模しょうきぼ間伐かんばつすこしずつおこなうしかなくなる。

そのための方法ほうほうとして、いくつかのれつつくり、その部分ぶぶんをまとめて伐採ばっさいする「れつじょう間伐かんばつ」や、伐採ばっさいせずかわいてさせる「まきらし間伐かんばつ」、表皮ひょうひがして水分すいぶんくことで1ねんほどでれさせる「かわむき間伐かんばつ」などが実施じっしされている。かわむき間伐かんばつは、表皮ひょうひナタたけベラれてめくれた部分ぶぶん人力じんりきるだけなので重機じゅうき必要ひつようとせず、水分すいぶんりょうすくなくなったのちかるいため簡単かんたんはこすこともできる。

日本にっぽんにおいては、温暖おんだんガスである二酸化炭素にさんかたんそ吸収きゅうしゅうする森林しんりん機能きのう維持いじ拡大かくだいする目的もくてきもあって森林しんりん間伐かんばつとう実施じっし促進そくしんかんする特別とくべつ措置そちほう間伐かんばつとう特措法とくそほう)が制定せいていされている[4]

じょ

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じょは、将来しょうらいにわたって育成いくせいすることを目指めざすもの以外いがい種類しゅるい樹木じゅもく伐採ばっさいのうにおける除草じょそう相当そうとう間伐かんばつことなり、目的もくてきとする樹木じゅもく生長せいちょううながすためだけでなく、森林しんりん管理かんりするじょう支障ししょうとなる樹木じゅもく除去じょきょする側面そくめんもある。しかし近年きんねんでは、生物せいぶつ多様たようせい環境かんきょう保全ほぜん観点かんてんから、目的もくてき樹木じゅもくでなくてものこ方法ほうほう認知にんちされつつある(はりこう混淆こんこうりん)。

本数ほんすう調整ちょうせい

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本数ほんすう調整ちょうせいは、日本にっぽん独自どくじ用語ようごしゅとして治山ちさん事業じぎょうにおいておこなわれる伐採ばっさい名称めいしょうであり実際じっさいほどこせぎょう間伐かんばつ酷似こくじするが、しゅ目的もくてき当該とうがい保安ほあんりん機能きのう維持いじ増進ぞうしんである。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c やまはたら”. 熊本くまもとけん総合そうごう博物館はくぶつかんネットワーク・ポータルサイト. 2019ねん11月2にち閲覧えつらん
  2. ^ ハーベスタ(たおせえだばらい・たまり・集積しゅうせき[リンク]林野庁りんやちょうホームページ
  3. ^ ただし、日本にっぽんにおける現状げんじょうは、高度こうど成長せいちょう需要じゅよう見込みこまれて植林しょくりんされたものの、木材もくざい以外いがい材料ざいりょうへのシフト、安価あんか輸入ゆにゅう木材もくざい普及ふきゅうなどの事情じじょう変化へんかから国内こくない森林しんりん経済けいざいてき価値かち低下ていかし、間伐かんばつされていないところおおいようである。収入しゅうにゅう目的もくてきというよりは、環境かんきょう保全ほぜん土砂どしゃ災害さいがい防止ぼうしなどやめむにやまれぬ間伐かんばつをしているところもある。また、費用ひようめんから間伐かんばつざいはこせず、やまにそのまま放置ほうちしていることもある。
  4. ^ 森林しんりん間伐かんばつとう実施じっし促進そくしんかんする特別とくべつ措置そちほう 林野庁りんやちょうホームページ(2021ねん6がつ23にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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