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バイオマスエタノール

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
バイオエタノールから転送てんそう
ブラジルのバイオマスエタノール製造せいぞうプラント
バイオマスエタノールの貯蔵ちょぞうタンク
エタノール・スタンド

バイオマスエタノール (Biomass Ethanol)、またはバイオエタノール (Bioethanol) は、産業さんぎょう資源しげんとしてのバイオマスから生成せいせいされるエタノールす。一般いっぱんには内燃ないねん機関きかん燃料ねんりょうとしての利用りよう意識いしきした用語ようごである。微細びさい藻類そうるい炭化たんか水素すいそなま合成ごうせい[1]本稿ほんこうではあつかわない。

概要がいよう

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バイオマスエタノールとは、サトウキビトウモロコシなどのバイオマスを発酵はっこうさせ、蒸留じょうりゅうして生産せいさんされるエタノールをす。エタノールは石油せきゆ天然てんねんガスから合成ごうせいすることもでき、そうして生産せいさんされるエタノールを合成ごうせいエタノールとぶが、合成ごうせいエタノールにたいする概念がいねん発酵はっこうエタノールまたは醸造じょうぞうエタノールであり、バイオマスエタノールというかたりは、エネルギーげんとしての再生さいせい可能かのうせいカーボンニュートラルせい念頭ねんとうにおいて使つかわれる。

バイオマスエタノールは、再生さいせい可能かのう自然しぜんエネルギーであること、および、その燃焼ねんしょうによって大気たいきなか二酸化炭素にさんかたんそCO2)りょうやさないてんから、エネルギーげんとしての将来しょうらいせい期待きたいされている。他方たほう生産せいさん過程かてい全体ぜんたいとおしてみた場合ばあいCO2削減さくげん効果こうか、エネルギー生産せいさん手段しゅだんとしての効率こうりつせい食料しょくりょうとの競合きょうごう、といった問題もんだいてん指摘してきされている。

なお、燃料ねんりょうとして利用りようされる場合ばあいには、飲料いんりょうへの転用てんようふせぐため、出荷しゅっかガソリンメタノールなどが添加てんかされる。

原料げんりょう

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バイオマスエタノールの原料げんりょうは、理論りろんてきには炭水化物たんすいかぶつふく生物せいぶつ由来ゆらい資源しげんであればなんでもよい。しかし、生産せいさん効率こうりつめんからとうしつあるいはデンプンしつおおふく種子しゅし地下茎ちかけい木質もくしつリグニン選好せんこうされており、現在げんざいではおもつぎのような農産物のうさんぶつ原料げんりょうとして利用りようされている。ブラジルではサトウキビに由来ゆらいするモラセスが、米国べいこくではトウモロコシが、欧州おうしゅうではテンサイおも原料げんりょうとなっている。

研究けんきゅう段階だんかいふく原料げんりょうれい

製造せいぞう手順てじゅんれい

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アルコール発酵はっこう蒸留じょうりゅうともな方法ほうほう直接ちょくせつエタノールを生成せいせいする方法ほうほう大別たいべつされる。いずれの技術ぎじゅつにおいても原料げんりょう収集しゅうしゅう運搬うんぱん[5]とアルコール生産せいさん廃棄はいきぶつ処理しょりかる費用ひよう最大さいだい課題かだいである[6]

アルコール発酵はっこう蒸留じょうりゅう

植物しょくぶつ由来ゆらい原料げんりょうみず硫酸りゅうさんくわえて酵母こうぼ代謝たいしゃできるとうのち酵母こうぼによるアルコール発酵はっこうてい濃度のうどのエタノール溶液ようえき生成せいせいする。そのてい濃度のうど溶液ようえき濃縮のうしゅく蒸留じょうりゅうして95 %程度ていどのエタノール濃度のうどとし、さらに分子ぶんしふるいなどを使つかって精製せいせい脱水だっすい)することで、99.5 %の無水むすいエタノール生産せいさんされる。

直接ちょくせつエタノールを生成せいせい

セルロース原料げんりょうとする技術ぎじゅつもちいられる。(後述こうじゅつ、セルロースを原料げんりょうとした製造せいぞう工程こうてい

サトウキビを原料げんりょうとした製造せいぞう工程こうてい

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サトウキビは酵母こうぼ代謝たいしゃできるとうおおふくんでいるため、バイオマスエタノールの原料げんりょうとしててきしている。もっとも、一般いっぱんてきにはサトウキビのしぼじるをそのまま発酵はっこうさせるのではなく、精糖せいとう分離ぶんりしたのちモラセス(はい糖蜜とうみつ発酵はっこう原料げんりょうとなる。

サトウキビを原料げんりょうとしたエタノール生産せいさん工程こうていにおいて特筆とくひつすべきは、副産物ふくさんぶつであるサトウキビのしぼかす(バガス)と蒸留じょうりゅう廃液はいえき(ビナス)の利用りようである。バガスはしゅとして植物しょくぶつ繊維せんいであるが、サトウキビの処理しょり工場こうじょうでは熱源ねつげん燃料ねんりょうとして活用かつようされている。バガスの燃焼ねんしょうによってられるエネルギーは精糖せいとうおよびエタノール生産せいさん工程こうてい必要ひつようなエネルギーをえており、自家じか発電はつでん装置そうちそなえたエタノール工場こうじょうなかには地元じもと電力でんりょく会社かいしゃへの余剰よじょう電力でんりょくうれでんによって収入しゅうにゅうているところもある。また、バガスを製紙せいし原料げんりょうとして活用かつようしたり、それ自体じたい分解ぶんかいしてエタノールの原料げんりょうとする研究けんきゅうすすんでいる。

ビナスは高温こうおんつよ酸性さんせいかつこうBOD廃液はいえきであるため、河川かせん投棄とうきされると深刻しんこく公害こうがい発生はっせいさせる。これを防止ぼうしするため、最近さいきんではこれを工場こうじょう排水はいすい混合こんごうして希釈きしゃくし、サトウキビ栽培さいばい肥料ひりょうとして活用かつようする努力どりょくがみられる。

トウモロコシを原料げんりょうとした製造せいぞう工程こうてい

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トウモロコシをバイオマスエタノールの原料げんりょうとする場合ばあい、トウモロコシのじつふくまれるデンプン酵母こうぼ代謝たいしゃできるとう糖化とうかする工程こうてい必要ひつようになる。トウモロコシのからはもともとこう純度じゅんどのデンプンを効率こうりつよくすことができるが、最近さいきんでは乾式かんしき製法せいほう下記かき参照さんしょう)によるエタノールの生産せいさんによりてきしたハイブリッド品種ひんしゅ開発かいはつされ、エタノール生産せいさん効率こうりつせい向上こうじょう貢献こうけんしている。

トウモロコシを原料げんりょうとしたバイオマスエタノールの生産せいさんには湿式しっしき製法せいほう(wet milling)と乾式かんしき製法せいほう(dry-grind process)とがある。湿式しっしき製法せいほうは、トウモロコシのみず亜硫酸ありゅうさんガスにひたしたのち粉砕ふんさいし、デンプン、グルテン、繊維せんいしつはいなどに分離ぶんりし、それぞれを加工かこうする方法ほうほうで、加工かこう工程こうていられるデンプン溶液ようえき糖化とうかされ、発酵はっこう原料げんりょうとなる。これにたいし、乾式かんしき製法せいほうではとうもろこしの乾燥かんそうした状態じょうたいまるごと製粉せいふんし、そのこなみずくわえたマッシュを糖化とうか発酵はっこうさせる。最近さいきんでは工程こうてい標準ひょうじゅんもあって乾式かんしき製法せいほうのコストががっており、米国べいこく新設しんせつされるトウモロコシを原料げんりょうとするバイオマスエタノール工場こうじょうすべ乾式かんしき製法せいほう工場こうじょうである。

湿式しっしき製法せいほうにせよ乾式かんしき製法せいほうにせよ、副産物ふくさんぶつとして飼料しりょうなどが生産せいさんされるので、バイオマスエタノールと食料しょくりょうとの競合きょうごうという場合ばあいにはどのように競合きょうごうしているか注意ちゅうい必要ひつようであるという意見いけんもある。たとえば、トウモロコシから生産せいさんされる飼料しりょうはトウモロコシにふくまれるタンパク質たんぱくしつ(グルテン)がおも原料げんりょうとなっており、エタノール生産せいさんのためにトウモロコシの処理しょりりょうえれば自動的じどうてき増産ぞうさんされる。また、食用しょくよう(トウモロコシの胚芽はいが、いわゆる「コーン」)についても、湿式しっしき製法せいほうでエタノールを生産せいさんする場合ばあいには、副産物ふくさんぶつとして生産せいさんされるので、エタノールの増産ぞうさん食用しょくよう増産ぞうさんつながる可能かのうせいがある。他方たほう乾式かんしき製法せいほうにおいても、食用しょくようのような有用ゆうよう成分せいぶん発酵はっこうかすから分離ぶんりする研究けんきゅうすすめられている[よう出典しゅってん]

一方いっぽうでそれは詭弁きべんであり、上記じょうきれいえば、飼料しりょうグルテン生産せいさん結果けっかふくされたデンプンをエタノール醸造じょうぞうではなく食料しょくりょうまわせば貧困ひんこんもの食料しょくりょうなん緩和かんわされるように、しょく部分ぶぶん醸造じょうぞう原料げんりょう使つかかぎりエタノールは食料しょくりょう競合きょうごうするので、バガスやむぎわら、いねわらなどを使つかっただい世代せだいエタノールでなければ、貧困ひんこんこく食料しょくりょうなん悪化あっかさせるという意見いけんや、環境かんきょう政治せいじ農民のうみんひょうかせぐためにメタノールよりコストのたかいエタノール醸造じょうぞう補助ほじょきんをばらまき、国税こくぜい収入しゅうにゅう浪費ろうひして、穀物こくもつ相場そうばげて貧民ひんみん食料しょくりょううばっているという批判ひはんもある[よう出典しゅってん]

なお、湿式しっしき製法せいほうにおいては発酵はっこうかすが「distillers grains」とばれる飼料しりょうとして利用りようされており、これがエタノール生産せいさん採算さいさん向上こうじょう貢献こうけんしている。反面はんめん飼料しりょうとしての鮮度せんど保持ほじのためにかす乾燥かんそうさせる過程かていおおくのエネルギーが消費しょうひされ、最終さいしゅうてきなエネルギー収支しゅうし悪化あっかさせている。

セルロースを原料げんりょうとした製造せいぞう工程こうてい

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バイオマスからセルロースを分離ぶんりし、セルロースを酵素こうそもちいて糖分とうぶん分解ぶんかいし、微生物びせいぶつによってアルコール変換へんかんする方法ほうほうである。だい世代せだいバイオ燃料ねんりょうとして期待きたいされる。セルロースけいバイオマスからのエタノール生産せいさんかんしては、地球ちきゅう環境かんきょう産業さんぎょう技術ぎじゅつ研究けんきゅう機構きこう本田ほんだ技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょがコアとなる製造せいぞう技術ぎじゅつ発表はっぴょうしていたり[7]参考さんこうアルコール燃料ねんりょう)、独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょ実証じっしょう実験じっけん[8]おこなったりしている。米国べいこくでも、ブッシュ大統領だいとうりょうスイッチグラスというくさ利用りようしたバイオエタノールの生産せいさんについて一般いっぱん教書きょうしょ演説えんぜつとうなん言及げんきゅうをし、予算よさんをつけている。エタノール燃料ねんりょうだい規模きぼ導入どうにゅうするためには、セルロースからのエタノール製造せいぞう必要ひつようになるのはほぼ確実かくじつであるとサイエンスにも記事きじ掲載けいさいされている[9]。セルロースの加水かすい分解ぶんかいによる糖化とうか処理しょり必要ひつようでこれまではセルラーゼ臨界りんかいすい使用しようしてセルロースを加水かすい分解ぶんかいしてきたが、メリーランド大学だいがくカレッジパークこうのSteve Hutcheson はチェサピークわん沼地ぬまち発見はっけんされたバクテリアサッカロファガス デグラダンス英語えいごばん)が強力きょうりょくなセルロース細胞さいぼうかべ分解能ぶんかいのうゆうすることをめた[10][11][12]。Zymetisしゃではさらに効率こうりつよくとう変更へんこうするために遺伝子いでんしえて、72あいだで1トンのセルロースバイオマスをとう変換へんかんできることを実証じっしょうした[13][11]

はい木材もくざい

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建築けんちく廃材はいざいは、野焼のやふく不法ふほう投棄とうきをされることがあり、一方いっぽうぎゃく有償ゆうしょうでの回収かいしゅう不法ふほう投棄とうきまねやすい。リサイクルの方策ほうさくの1つとして、バイオエタノール・ジャパン・関西かんさいでは、まれ硫酸りゅうさんによる糖化とうかほうもちいて、C6とうであるブドウ糖ぶどうとう重合じゅうごうしてできたセルロースと、C5とうおもキシロース)が重合じゅうごうして出来できヘミセルロース分解ぶんかいしている。フロリダ大学だいがく開発かいはつしたC5とうをZymomonas mobilis由来ゆらい遺伝子いでんしんだ大腸菌だいちょうきん(Ko11)をもちいて発酵はっこうし、C6由来ゆらいとう酵母こうぼもちいて、エタノールを醸造じょうぞうしている。木材もくざいふくまれるリグニンペレットにしてボイラー使用しようしている。

なお秋田あきたけんでは、製材せいざいざん渣や間伐かんばつざいもちいたエタノールプラントが建設けんせつされている[14]水酸化すいさんかナトリウムもちいてリグニンを除去じょきょ出来できパルプ糖化とうかするアルカリふけ解法かいほうと、C5とうとC6とう分離ぶんりしない酵素こうそセルラーゼ)と酵母こうぼによる同時どうじ糖化とうか発酵はっこうほうもちいる。

また、シロアリ消化しょうか器官きかんうち共生きょうせいきんによるセルロース分解ぶんかいプロセスがバイオマスエタノールの製造せいぞう役立やくだつことが期待きたいされ、琉球大学りゅうきゅうだいがく理化学研究所りかがくけんきゅうしょとう研究けんきゅうすすめられる[15][16][17][18][19][20][21][22]

いねわら

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いねわらみや野焼のやきにより肥料ひりょうとして水田すいでん還元かんげんされうるが、野焼のやきはスモッグによる環境かんきょう被害ひがいがあり、寒冷かんれいでは十分じゅうぶん堆肥たいひみのみではおこなわれない現状げんじょうがある。そのため秋田あきたけんではカワサキプラントシステムが開発かいはつしたねつすい処理しょりによるいねわら糖化とうかプラント[23]実証じっしょうプラントを平成へいせい21ねん建設けんせつした。粉砕ふんさい処理しょりしたワラを有機ゆうきさんとともに200 ℃で3分間ふんかん処理しょりし、ヘミセルロースを糖化とうかしC5発酵はっこうさせたあと、のこりを2だんのセルロース糖化とうかプラントで200 ℃で10秒間びょうかん処理しょりしてC6発酵はっこうし、それぞれのエタノールをみず分離ぶんりするとともに、発酵はっこうざん渣を肥料ひりょうとして水田すいでん還元かんげんする。

ネピアグラス

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ネピアグラスという熱帯ねったい食用しょくよう植物しょくぶつ原料げんりょうとするもので、トヨタ自動車とよたじどうしゃ(トヨタ)が2020ねん実用じつよう目指めざし、研究けんきゅうすすめている[24]遺伝子いでんし技術ぎじゅつもちいた酵母こうぼきんはたらきでセルロースをエタノールへ変換へんかんする。とうの87 %をエタノールとして利用りようでき、セルロースけいなかではもっと変換へんかん効率こうりつたかい。食用しょくようのため物価ぶっかへの影響えいきょういとかんがえられている[25]

内燃ないねん機関きかん燃料ねんりょうとしての特性とくせいとその利用りよう

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沖縄おきなわけん宮古島みやこじまのE3/E10(エタノールを容積ようせきで3 %/10 %ふく燃料ねんりょう専用せんよう給油きゅうゆしょ

エタノールは、アルコール飲料いんりょうふくまれるなど、多様たようかたち利用りようされているが、内燃ないねん機関きかん燃料ねんりょう以外いがい用途ようと利用りようされるエタノールをバイオマスエタノールとぶことはまずない。したがって、ここではバイオマスエタノールの内燃ないねん機関きかん燃料ねんりょうとしての特性とくせい利用りよう方法ほうほうについて説明せつめいする。

特性とくせい

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バイオマスエタノールには内燃ないねん機関きかん燃料ねんりょうとしてのいくつかのこのましい特性とくせいがある。

  • 再生さいせい可能かのう生物せいぶつ植物しょくぶつ資源しげんから生産せいさんされるために持続じぞく可能かのうなエネルギーである。
  • 燃焼ねんしょうしても地表ちひょう循環じゅんかん炭素たんそりょうやさない。
  • 内燃ないねん機関きかんでの燃料ねんりょうとして利用りようする場合ばあい、ガソリンと比較ひかくしてノッキング発生はっせいしにくい。
  • ガソリンと混合こんごうしやすく、ある程度ていど混合こんごうまでであれば既存きそんガソリン内燃ないねん機関きかん改造かいぞうなしに利用りようつづけられる。

他方たほうつぎのようなこのましくない特性とくせいもある。

  • おなりょうのガソリンとくらべ、熱量ねつりょうやく34 %ちいさい。
  • 燃料ねんりょう供給きょうきゅう装置そうちなかゴムせいプラスチックせい部品ぶひん劣化れっか内燃ないねん機関きかん使用しようされているアルミニウムせい部品ぶひん腐食ふしょくする可能かのうせいがある。
  • アルコールけい物質ぶっしつみずとの親和しんわせい非常ひじょうたかいため、燃料ねんりょうタンクない外気がいき温度おんどによって発生はっせいした結露けつろみず結合けつごうし、水分すいぶん高温こうおんだかあつ燃焼ねんしょうしつおく腐食ふしょく急激きゅうげきはやめる可能かのうせいがある。
  • 現行げんこう内燃ないねん機関きかんでのガソリン燃焼ねんしょうくらべ、人体じんたい有害ゆうがいとされるNOxけい物質ぶっしつおお排出はいしゅつされる。

近年きんねんバイオマスエタノールが内燃ないねん機関きかん燃料ねんりょうとして注目ちゅうもくされている背景はいけいとしては、地球ちきゅう温暖おんだん対策たいさく一環いっかんとして温室おんしつ効果こうかガスの1つであるCO2排出はいしゅつ削減さくげんたいする関心かんしんたかまっていることを指摘してきできる。バイオマスエタノールにふくまれる炭素たんそ植物しょくぶつ光合成こうごうせいによって固定こていされた大気たいきちゅうCO2由来ゆらいすることから、エタノールの燃焼ねんしょうによってCO2大気たいきちゅう放出ほうしゅつされても地表ちひょう存在そんざいする炭素たんそ総量そうりょう変化へんかしないとかんがえられている。炭素たんそ循環じゅんかんするにぎないという意味いみでこのかんがかたカーボンニュートラルという。ただし、生産せいさん過程かていでエネルギーげんとして化石かせき燃料ねんりょう使つかわれ、石油せきゆ石炭せきたんから合成ごうせいされる肥料ひりょう農薬のうやく原料げんりょうとなる植物しょくぶつ栽培さいばいにおいて使つかわれる可能かのうせいがあるので、生産せいさん過程かていまでふくめると完全かんぜんにカーボンニュートラルでない可能かのうせいたかい。

なお、温室おんしつ効果こうかガスの削減さくげんというめんでは、いねわらなど、通常つうじょう廃棄はいきされてやがて腐敗ふはいする植物しょくぶつせい資源しげんがエタノールの原料げんりょうとして実用じつようてき利用りようできるようになれば、腐敗ふはいする植物しょくぶつから放出ほうしゅつされるメタン削減さくげんつうじた温室おんしつ効果こうかガスの削減さくげん期待きたいできる。

バイオマスエタノールの利用りようについては温暖おんだんガスの排出はいしゅつ削減さくげん効果こうかという文脈ぶんみゃく議論ぎろんされることがおおいが、利用りよう是非ぜひかんがえるにたってはそれ以外いがい有用ゆうよう特性とくせい上記じょうき参照さんしょう)も考慮こうりょしなければならない。

燃料ねんりょうとしての利用りようほう

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バイオマスエタノールを内燃ないねん機関きかん燃料ねんりょうとして利用りようする場合ばあい、エタノールのみで利用りようすることもガソリンなど燃料ねんりょう混合こんごうして利用りようすることもできる。一般いっぱんてきに、ガソリンと混合こんごうした場合ばあい、エタノールの混合こんごう比率ひりつによって「Exx」(xxは百分比ひゃくぶんひあらわしたエタノールの混合こんごうりょう)と表記ひょうきされる。たとえば、E10とはエタノールを容積ようせきで10%ふく混合こんごう燃料ねんりょうである。このほか、エタノール混合こんごう燃料ねんりょうではないが、バイオマスエタノールから生成せいせいされたエチルターシャリーブチルエーテル (ETBE) という添加てんかざいをガソリンに混合こんごうしたものもひろ意味いみではバイオマスエタノールの燃料ねんりょう利用りよういち形態けいたいとされている。

バイオマスエタノールを燃料ねんりょうとする内燃ないねん機関きかんは、構造こうぞうてきには純粋じゅんすいなガソリンを燃料ねんりょうとするものとおなじでつかえない。とくにエタノールをてい濃度のうど混合こんごうした燃料ねんりょう場合ばあい純粋じゅんすいなガソリンを燃料ねんりょうとして利用りようすることを前提ぜんていとした内燃ないねん機関きかん燃焼ねんしょうさせても問題もんだいしょうじないとされる。とくに対策たいさくこうじることなしにどの程度ていどのエタノール混合こんごうまで許容きょようできるかは社会しゃかいにどのような内燃ないねん機関きかん存在そんざいしているかに左右さゆうされるため、一概いちがいせんくことはできない。たとえば、米国べいこく現在げんざい走行そうこうしているガソリンエンジン自動車じどうしゃについてみるとE10までは許容きょようできるとされており、米国べいこく一部いちぶしゅうではE10の販売はんばい義務付ぎむづけられている。また、現在げんざいブラジルで販売はんばいされている標準ひょうじゅんてき自動車じどうしゃようエタノール・ガソリン混合こんごう燃料ねんりょうは、E20である。これにたいし、日本にっぽんでは総合そうごう資源しげんエネルギー調査ちょうさかい燃料ねんりょう政策せいさくしょう委員いいんかいが、2003ねん6がつ25にちにエタノールは混合こんごうりつ3%まで (E3) なら自動車じどうしゃ使つかっても安全あんぜんという結論けつろんしている[26]

エタノールの混合こんごう比率ひりつたかくなると、内燃ないねん機関きかん圧縮あっしゅく燃料ねんりょうへの点火てんかシステムなどを調整ちょうせいしないと十分じゅうぶん性能せいのうられない。これは、エタノールはガソリンとくらべノッキングをこしにくい反面はんめん容量ようりょう1単位たんいあたりの熱量ねつりょうひくいことに起因きいんする。また、エタノールの腐食ふしょくせいへの対策たいさく必要ひつようである。ブラジルではこのような対策たいさくほどこし、純粋じゅんすいエタノールから純粋じゅんすいガソリンまでどのような混合こんごう燃料ねんりょう利用りようしても十分じゅうぶん性能せいのうられる自動車じどうしゃ(「flexible-fuel vehicles」とばれている)が販売はんばいされており、近年きんねんでは国内こくない自動車じどうしゃ販売はんばいのほとんどをめている。

なお、バイオマスエタノールをガソリンと混合こんごうして内燃ないねん機関きかん燃料ねんりょうとするさいには、エタノールとガソリンがあい分離ぶんりすることをふせぐため、水分すいぶん混入こんにゅうしないようにしなければならない。これにたいし、エタノールのみを内燃ないねん機関きかん燃料ねんりょうとして利用りようする場合ばあい (E100) にはある程度ていど水分すいぶん残存ざんそんしていてもつかえなく、実際じっさい、ブラジルで販売はんばいされている純粋じゅんすいエタノール燃料ねんりょうはエタノール蒸留じょうりゅう脱水だっすい工程こうていはぶいたもので、5 %程度ていど水分すいぶんふくまれている。

秋田あきたけん実証じっしょう実験じっけんもちいているバイオエタノールも含水(バイオエタノールすい:99.5vol%)である。走行そうこう実証じっしょう実験じっけんにはダイハツが開発かいはつした「2燃料ねんりょう自動車じどうしゃ」(DFV)をもちいている[27]。バイオエタノールすいとガソリンの2系統けいとうそなえ、起動きどうはガソリンのみ、定常ていじょう運転うんてんにバイオエタノールすい使用しようすることで、ガソリンタンクないでのあい分離ぶんり回避かいひしている。

世界せかい各国かっこくにおけるエタノール燃料ねんりょう利用りよう

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  • 日本にっぽんでは、政府せいふ全体ぜんたいが「バイオマス・ニッポン総合そうごう戦略せんりゃく」にんでおり、輸送ゆそうよう燃料ねんりょうにおけるバイオマス由来ゆらい燃料ねんりょう普及ふきゅう目指めざもとで、ETBE(上記じょうき参照さんしょう、バイオマス由来ゆらいガソリン添加てんかざい)、E3などの導入どうにゅう推進すいしんされている。2010年度ねんど原油げんゆ換算かんさんで50まんkL相当そうとうバイオ燃料ねんりょう輸送ゆそうよう燃料ねんりょうとして導入どうにゅうする目標もくひょうてられており、そのうちの21まんkL相当そうとうぶん実現じつげんについて協力きょうりょくもとめられた石油せきゆ連盟れんめいでは、どうりょうのETBE供給きょうきゅう目指めざして態勢たいせい整備せいび開始かいしした。2007ねん4がつにはその第一歩だいいっぽとして、首都しゅとけん50かしょのガソリンスタンドにおいてETBE混合こんごうガソリンの供給きょうきゅうはじまった[28]。また2007ねん10がつからは、沖縄おきなわけん宮古みやふるとうにおいてだい規模きぼなE3実証じっしょう実験じっけんおこなわれようとしたが、結局けっきょく反対はんたいにより失敗しっぱいした。さらに、E3よりもこう濃度のうどのエタノール混入こんにゅう対応たいおうするため、国土こくど交通こうつうしょうでは、E10対応たいおう車両しゃりょう安全あんぜん環境かんきょう性能せいのうかんする技術ぎじゅつ指針ししん整備せいびすすめている。現在げんざい法律ほうりつでは「揮発きはつとう品質ひんしつ確保かくほとうかんする法律ほうりつ」で、ガソリンへのエタノールの混合こんごう許容きょよう上限じょうげんが3%または10%までとさだめられており、普及ふきゅうのためにはほう改正かいせい必要ひつようである。
  • 米国べいこくでは、2005ねんエネルギー政策せいさくほうによって2012ねんまでに生物せいぶつ資源しげん由来ゆらい燃料ねんりょう使用しようりょうを75おくガロン(やく0.28おくkL)までやすことがさだめられたが、そのかなりの部分ぶぶんがバイオマスエタノールでまかなわれるとみられている。また、ガソリンのあらためしつざいとしてひろ利用りようされてきたメチルターシャリーブチルエーテル (MTBE) が環境かんきょう問題もんだいこしたことから、代替だいたいてきあらためしつざいとしてエタノールの利用りよう拡大かくだいしている。このほか、しゅうレベルでみると、コネチカットしゅうやミネソタしゅうではE10の販売はんばい義務付ぎむづけられている。中西部ちゅうせいぶしゅうにはE85(エタノール70〜85%)を販売はんばいするガソリンスタンドが存在そんざいし、販売はんばいおこなわれている[よう出典しゅってん]
  • ブラジルでは、サトウキビ栽培さいばいさかんでバイオマスエタノールが国内こくない供給きょうきゅうできることから、1970年代ねんだいはつ石油せきゆショックのさいにプロアルコール(国家こっかアルコール)政策せいさく(1975ねん - )が策定さくていされ、自動車じどうしゃへのエタノール燃料ねんりょう普及ふきゅうすすんだ[29]一時いちじ国内こくない走行そうこうする自動車じどうしゃのほとんどが純粋じゅんすいエタノール燃料ねんりょう利用りようしていた。ところが、1990年代ねんだい原油げんゆ価格かかく低迷ていめいどう時期じきにエタノール供給きょうきゅう混乱こんらんしたこともあり、ブラジル国内こくないでは一転いってんして純粋じゅんすいガソリン燃料ねんりょう利用りようする自動車じどうしゃ主流しゅりゅうになってしまった。その、2000年代ねんだいはい原油げんゆ価格かかく再度さいど上昇じょうしょうするようになるとあらためてエタノールの自動車じどうしゃ燃料ねんりょうへの混合こんごう義務付ぎむづけられるようになった。現在げんざいでは、様々さまざまなエタノールとガソリンとの混合こんごう比率ひりつ対応たいおう可能かのうなflexible-fuel vehiclesが人気にんきあつめるようになったが、ぎゃくにエタノール供給きょうきゅう増加ぞうかする需要じゅよういつかなくなり、エタノールの混合こんごう義務ぎむが25%から20%にげられるという皮肉ひにく結果けっかまねいている。
  • 中国ちゅうごくでは2011ねん以前いぜん穀物こくもつ由来ゆらいのバイオエタノールにたいして補助ほじょきんして優遇ゆうぐうしていたが、近年きんねんでは段階だんかいてき補助ほじょきん削減さくげんしつつある[30]実験じっけんてきなセルロース由来ゆらいのエタノール事業じぎょうへの補助ほじょきんは1トンあたり800〜1,000げんである[30]

問題もんだいてん

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バイオマスエタノールは、再生さいせい可能かのう自然しぜんエネルギーであり、燃焼ねんしょうさせても地表ちひょう循環じゅんかん炭素たんそりょうやさないと同時どうじに、既存きそん化石かせき燃料ねんりょう供給きょうきゅうインフラや利用りよう技術ぎじゅつおおきく変更へんこうせずに利用りようできるため、地球ちきゅう温暖おんだんたいする関心かんしんたかまるなか代替だいたい燃料ねんりょうとして注目ちゅうもくされている。しかし、かり地球ちきゅうじょうぜん耕地こうち面積めんせきでエタノールの原料げんりょう栽培さいばいしてエタノールを生産せいさんしても、現在げんざい消費しょうひされているガソリンをえることができない[よう出典しゅってん]ことや、バイオマスエタノールの利用りよう拡大かくだいしていくにつれ発生はっせいする問題もんだいおおきさをかんがえると、バイオマスエタノールを中心ちゅうしんてき代替だいたい燃料ねんりょうとして期待きたいすることは適当てきとうではないという意見いけんつよい。またさとうきびにせよトウモロコシにせよ栽培さいばいする必要ひつようがあり、そのためには農業のうぎょう機械きかいうごかし、肥料ひりょう農薬のうやく投入とうにゅうするためのエネルギーが必要ひつようである。このようなバイオマスエタノールの代替だいたいエネルギーげんとしての妥当だとうせい懐疑かいぎてき立場たちばからは、米国べいこくなどにおいてエタノールの生産せいさん多額たがく補助ほじょきん投入とうにゅうされていることもつよ批判ひはんされている。

バイオマスエタノールの問題もんだいてんとしては、おおきくけて、排気はいきガス、インフラ、再生さいせい可能かのう代替だいたいエネルギーとしての適格てきかくせい、エタノール原料げんりょう生産せいさん過程かていにおける環境かんきょう破壊はかい可能かのうせい、および、エタノール原料げんりょう食料しょくりょうとの競合きょうごうがある。

排気はいきガス

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バイオマスエタノールは、完全かんぜん燃焼ねんしょうさせれば二酸化炭素にさんかたんそみずになるので、理論りろんてきにはクリーンエネルギーといえる。しかし、内燃ないねん機関きかん燃焼ねんしょうした場合ばあい有害ゆうがい物質ぶっしつ発生はっせいについてはNOxとうがガソリン燃焼ねんしょうよりおお排出はいしゅつされるとうのデータがあり、今後こんご課題かだいとされている。

インフラ

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バイオマスエタノールの供給きょうきゅう利用りようには既存きそん石油せきゆけい燃料ねんりょうけインフラをほぼ転用てんようできるとされているが、あらたな対応たいおう必要ひつよう部分ぶぶんもある。

蒸気じょうきあつ
エタノールは水分すいぶん融合ゆうごうしやすい。そのため、ガソリンとの混合こんごう燃料ねんりょうにおけるエタノールとガソリンとのあい分離ぶんりふせぐため、水分すいぶん混入こんにゅう防止ぼうし対策たいさく強化きょうかすることが必要ひつようである。エタノール直接ちょくせつ混合こんごうガソリンにみず混入こんにゅうすると、蒸気じょうきガスが増加ぞうかし、光化学こうかがくオキシダントがおお発生はっせいする可能かのうせいがあるほか、エンジンとう部品ぶひんいためることも懸念けねんされる。そのため、エタノールをイソブチレンと反応はんのうさせてエチルtert-ブチルエーテル(ETBE)とすることで、この問題もんだい回避かいひさせるうごきもあるが、現在げんざい販売はんばいされているバイオガソリンに使用しようされているETBEはフランスからの輸入ゆにゅうひんたよっている。
腐食ふしょくせい
エタノールには腐食ふしょくせいがあるため、現在げんざいではパイプライン以外いがい輸送ゆそう方法ほうほうをとらなければならない。結果けっかとして米国べいこくではエタノールの鉄道てつどう輸送ゆそう拡大かくだいしているが、輸送ゆそうちゅう事故じこによって沿線えんせん住民じゅうみん被害ひがいおよぶリスクの増大ぞうだい懸念けねんされている。

代替だいたいエネルギーとしての適格てきかくせい

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カーボンニュートラル
バイオマスエタノールの原料げんりょう生産せいさんするためには、農業のうぎょう機械きかいうごかし、肥料ひりょう農薬のうやく投入とうにゅうしなければならない。また、原料げんりょうからエタノールを生産せいさんするさいにもエネルギーが必要ひつようである。かりにこうした投入とうにゅう資源しげんやエネルギーの相当そうとうりょう原油げんゆ石炭せきたんなどの化石かせき燃料ねんりょう由来ゆらいする場合ばあい、バイオマスエタノール自体じたいはカーボンニュートラルであっても、生産せいさんから消費しょうひまでのすべての過程かていつうじてみれば追加ついかてきなCO2放出ほうしゅつされている可能かのうせい否定ひていできない。そのため、バイオエタノールの生産せいさん方法ほうほうべつによるライフサイクルCO2によって評価ひょうかをする必要ひつようがある。
エネルギー収支しゅうし
バイオマス・エタノールを生産せいさんする過程かてい投入とうにゅうされるエネルギーとバイオマス・エタノールを燃焼ねんしょうしてられるエネルギーとをくらべて、生産せいさん合理ごうりせいがあるかを考慮こうりょする必要ひつようがある。投入とうにゅうエネルギーとられるエネルギーのちいさければ、農作物のうさくもつ消費しょうひしてまでバイオマス・エタノールを生産せいさんする必要ひつようがないかもれない。
投入とうにゅうエネルギーとられるエネルギーの数値すうちしてあらわすのには、EPR(Energy profit ratio、エネルギー利益りえきりつ)というかんがえが使つかわれる。
EPR = 出力しゅつりょくエネルギー/入力にゅうりょくエネルギー
たとえば、原油げんゆ場合ばあい初期しょき油田ゆでんでは自噴じふんするなどで簡単かんたん採掘さいくつできるためEPRは100程度ていどとなるが、はじめた油田ゆでんでは10程度ていど低下ていかする。オイルサンドは流動りゅうどうせいのないおもすなからじゅうしつ分離ぶんり処理しょりする必要ひつようがあるので、1.5程度ていどとなりきわめて効率こうりつわるいエネルギー資源しげんであることがわか[31]。バイオマス・エタノールはかなりひく数値すうちであるといわれているが、作物さくもつ製法せいほうによってもことなる[32]ことから、信頼しんらいできる情報じょうほうられていない。

環境かんきょう破壊はかい可能かのうせい

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バイオマスエタノールの原料げんりょうとなる作物さくもつ増産ぞうさんするために野放図のほうず開墾かいこんおこなわれる場合ばあい作物さくもつ生産せいさん過程かてい農薬のうやく肥料ひりょう過剰かじょう投入とうにゅうされる場合ばあい原料げんりょうからエタノールを生産せいさんする工場こうじょう廃棄はいきぶつ対策たいさく十分じゅうぶんでない場合ばあいなどには、バイオマスエタノールの生産せいさん拡大かくだいされることによって生態せいたいけい破壊はかいされ深刻しんこく環境かんきょう問題もんだい発生はっせいする可能かのうせいがある。

もっとも、バイオマスエタノールの推進すいしんがわは、エタノールがクリーンな自然しぜんエネルギーであることを標榜ひょうぼうしていることもあって、こうした環境かんきょう問題もんだいには敏感びんかんであり、問題もんだい解決かいけつけたうごきがみられる。たとえば、サトウキビの処理しょり過程かていしょうじるこうBODの廃液はいえき(ビナス、製造せいぞう工程こうていこう参照さんしょう)については、かつては深刻しんこく河川かせん汚染おせん原因げんいんとなっていたが、最近さいきんではさい利用りようすすめられている。

サトウキビの生産せいさん適地てきちとされる地域ちいきはサンパウロ周辺しゅうへんであり、今後こんご栽培さいばい拡大かくだいもこの地域ちいき中心ちゅうしんになるとかんがえられている。

食料しょくりょうとの競合きょうごう

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2000年代ねんだい以降いこう各国かっこく穀物こくもつ作付さくづでバイオ燃料ねんりょうよう穀物こくもつ栽培さいばいえており、これまで飼料しりょうようだった穀物こくもつ相場そうば高騰こうとうしている[33]。この原因げんいん一因いちいんはアメリカやブラジルとう穀物こくもつ生産せいさんこくでのバイオエタノールけのトウモロコシの需要じゅよう急増きゅうぞうげられる[34]。そのため、先進せんしんこく消費しょうひする燃料ねんりょうよう穀物こくもつ価格かかく急騰きゅうとうして、その一方いっぽう食料しょくりょうよう穀物こくもつ生産せいさんり、所得しょとく水準すいじゅんひく国々くにぐにでの調達ちょうたつ困難こんなんになりつつある[34]

2007ねん1がつ、トウモロコシの価格かかくが1ブッシェルやく21kg)あたり4あめりかドルを突破とっぱしたが、これは2004ねんから2006ねんにかけての平均へいきん価格かかくのほぼ2ばい水準すいじゅんである。また、砂糖さとう価格かかくどう時期じき比較ひかくで2わりほどたかくなっている。このあいだ、トウモロコシやサトウキビがバイオマスエタノールの主要しゅよう原料げんりょうとなっており、バイオマスエタノールの生産せいさんりょう増勢ぞうせい維持いじしていることを背景はいけいに、バイオマスエタノールの増産ぞうさん原料げんりょうとなる農産物のうさんぶつ価格かかく高騰こうとうまねきエタノールと食料しょくりょうとの競合きょうごうしょうじているという見方みかたひろまった。とくに米国べいこくにおけるトウモロコシを原料げんりょうとするバイオマスエタノールの生産せいさんには多額たがく補助ほじょきん支出ししゅつされているため、補助ほじょきん支出ししゅつしてまで食料しょくりょうひん燃料ねんりょう転換てんかんすることで食料しょくりょうひん価格かかく上昇じょうしょうさせることはないという批判ひはんかれた。

このような批判ひはんは、バイオマスエタノールの商業しょうぎょうてき生産せいさん増加ぞうかすることによってバイオマスエタノールの原料げんりょうとなる作物さくもつたい追加ついかてき需要じゅようしょうじているとみられることをかんがえると一定いってい説得せっとくりょくがある。たとえば米国べいこく場合ばあい平年へいねんのトウモロコシ生産せいさんりょうの15%がエタノールの原料げんりょうとなっている(2006ねん)。トウモロコシのような農産物のうさんぶつ場合ばあい需要じゅよう増加ぞうか対応たいおうして供給きょうきゅう増加ぞうかするためには最低さいていでも翌年よくねん生育せいいく収穫しゅうかくまで1ねん時間じかん必要ひつようであることをかんがえると、たとえ需要じゅよう増加ぞうかがわずかであっても大幅おおはば価格かかく上昇じょうしょうまねくことはありないことではない。また、作物さくもつからバイオマスエタノールの原料げんりょう作物さくもつ転作てんさくする生産せいさんしゃ増加ぞうかすれば、転作てんさくによって供給きょうきゅう減少げんしょうする作物さくもつ(とくに大豆だいず)の価格かかく今後こんご高騰こうとうする可能かのうせい指摘してきされている。

ほう整備せいび

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2000ねんごろ日本にっぽん国内こくない複数ふくすうのエタノールけい燃料ねんりょう流通りゅうつう販売はんばいされ販売はんばい会社かいしゃ参入さんにゅういちてき市場いちば拡大かくだい活性かっせいしたものの、こう濃度のうどアルコール燃料ねんりょう問題もんだいについての報道ほうどうやトラブルの風聞ふうぶんひろがり、徐々じょじょ販売はんばい増加ぞうかペースが鈍化どんかした。

2003ねん平成へいせい15ねん)、安全あんぜんじょう理由りゆうから燃料ねんりょう品質ひんしつ規定きていする「揮発きはつとう品質ひんしつ確保かくほとうかんする法律ほうりつ」が改正かいせいされ[35][36]、ガソリンへのアルコールとう混合こんごう許容きょようは「エタノールは混合こんごうりつ3%まで、その含酸もと化合かごうぶつは含酸もとりつ1.3 %まで」とさだめられた。これによりこう濃度のうどアルコール燃料ねんりょう販売はんばい禁止きんしされることとなり[37]こう濃度のうどアルコール含有がんゆう燃料ねんりょう販売はんばい業者ぎょうしゃ一挙いっきょ減少げんしょうした。このときできた法律ほうりつにより日本にっぽんでのバイオエタノール普及ふきゅう阻害そがいされていると指摘してきされている。

2012ねん平成へいせい24ねん)4がつ1にちようやくエタノール燃料ねんりょう日本にっぽん国内こくないでの普及ふきゅうさまたげていた揮発きはつとう品質ひんしつ確保かくほとうかんする法律ほうりつ施行しこう規則きそく改正かいせい[38]され、とりあえずエタノール混合こんごうりつ10%のE10までの販売はんばいがE10対応たいおう車両しゃりょうみとめられることになった。どう規則きそくだい10じょうの2だい2こう揮発きはつ規格きかくとくそく)。

石油せきゆ関連かんれん団体だんたい圧力あつりょく

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2000ねんごろから日本にっぽん国内こくない流通りゅうつうしていた、天然てんねんガスが原料げんりょうであるとされるガソリン代替だいたいエタノール燃料ねんりょうは、ベンチャー企業きぎょうガイアックス (燃料ねんりょう)開発かいはつ販売はんばいしていたが現在げんざい流通りゅうつうしていない。2000ねん8がつ6にち サンデープロジェクトテレビ朝日てれびあさひ系列けいれつ放送ほうそうされたガイアックスの特集とくしゅうで、石油せきゆ関連かんれん団体だんたい政治せいじ圧力あつりょく指摘してきされた。放送ほうそうなかで、備蓄びちくよう大型おおがたタンクがりられず安定あんてい供給きょうきゅうできないようにされていると報道ほうどう当時とうじガイアックスの備蓄びちくようタンクは横浜よこはまにあるだけだった[39]

このことは、バイオエタノール日本にっぽん国内こくない普及ふきゅうしない理由りゆうの1つと指摘してきされ、しんエネルギーメタンハイドレートでもどう問題もんだい指摘してきされている。

材質ざいしつごとの影響えいきょう実験じっけん

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日本にっぽんでは2003ねん8がつに「揮発きはつとう品質ひんしつ確保かくほとうかんする法律ほうりつ」によってエタノールの混合こんごうりつが3体積たいせき%以下いかのものまで自動車じどうしゃようのエタノール混合こんごうガソリンとして販売はんばい許可きょかされるようになったが、この3 %という数値すうちおもにアルミけい材料ざいりょう腐食ふしょくせい根拠こんきょとなって決定けっていされた。

セルロースとサトウキビのそれぞれを原料げんりょうとするエタノールでガソリンとの混合こんごう度合どあいをえて、アルミへん(アルミダイカスト:ADC12)を120 ℃で720あいだ浸漬しんせき状態じょうたいくと、E3とばれる3 %の混合こんごうえきでは2しゅとももととなったガソリン100 %えき同様どうよう変化へんかられなかったが、E10では2しゅともくろへんして溶解ようかいけて全体ぜんたいちいさくなってしまった。てつ亜鉛あえんでも同様どうよう試験しけんおこなわれたが、変色へんしょく溶解ようかいといった変化へんかられず、アルミニウムだけがつよ腐蝕ふしょくされた。

燃料ねんりょうホースなどに使つかわれている材料ざいりょうへの影響えいきょう確認かくにんするために、フッ素ふっそゴム(FKM)、フロロシリコーンゴム(FVMQ)、ニトリルゴム(NBR)、水素すいそ添加てんかニトリルゴム(HNBR)、ニトリル・ポリ塩化えんかビニルブレンドゴム(NBR/PVC)、エピクロロヒドリンゴム(CO)のゴム6しゅと、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ポリアミド(PA11)、ポリアセタール(POM)の樹脂じゅし3しゅたいしても同様どうよう試験しけんおこなわれたが、いずれも膨潤しぶつせい低下ていかられ、100 %ガソリンよりもよりつよ影響えいきょうけて、とく水素すいそ添加てんかニトリルゴムとエピクロロヒドリンゴムでは膨潤によって体積たいせき変化へんかりつがE3で+20 %や+12 %、E10では+30 %や+17 %といったぐあいに顕著けんちょおおきくなった。これら金属きんぞく高分子こうぶんし化合かごうぶつへの影響えいきょう確認かくにん実験じっけんでは、セルロースとサトウキビの原料げんりょうちがいによる影響えいきょう差異さいみとめられなかった[40]

自動車じどうしゃメーカートヨタでは、CO2削減さくげん化石かせき燃料ねんりょう消費しょうひ抑制よくせい観点かんてんから、バイオエタノール燃料ねんりょうをガソリンへの混合こんごう燃料ねんりょうとして幅広はばひろ普及ふきゅうさせることが有効ゆうこうであるとのかんがえのもと、すでに2006ねん6がつ以降いこう世界せかい各地かくち生産せいさんしているすべてのガソリンエンジンしゃにおいて、燃料ねんりょうけい部品ぶひん材質ざいしつ変更へんこうおこなうなど、E10への技術ぎじゅつてき対応たいおう完了かんりょうしている[41]

脚注きゃくちゅう出典しゅってん

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  1. ^ 岡田おかだしげる、「バイオ燃料ねんりょうとして期待きたいされる微細びさい藻類そうるい炭化たんか水素すいそせい合成ごうせい酵素こうそ」 『化学かがく生物せいぶつ』 Vol.50 (2012) No.2 p.93-102, doi:10.1271/kagakutoseibutsu.50.93
  2. ^ 小川おがわ喜八郎きはちろうセルロースおよびクズのなま変換へんかん-21世紀せいきのバイオエタノール-
  3. ^ うどんじるからバイオ燃料ねんりょう精製せいせい中国ちゅうごく新聞しんぶん '09/8/29)[リンク]
  4. ^ 内田うちだはじめはれ、「日本にっぽん水産すいさん分野ぶんやにおけるバイオ燃料ねんりょう研究けんきゅう動向どうこう」 『日本水産にっぽんすいさん学会がっかい』 Vol.75 (2009) No.6 P.1106-1108, doi:10.2331/suisan.75.1106
  5. ^ 佐賀さがきよしたかし横山よこやま伸也しんや芋生いもう憲司けんじ稲作いなさくからのバイオエタノール生産せいさんシステムのエネルギー収支しゅうし分析ぶんせき 電子でんしジャーナル2008「エネルギー・資源しげん学会がっかい論文ろんぶん」2008ねん1がつごう, Vol.29 No.1, 通巻つうかん167ごう
  6. ^ 折笠おりかさたかひろし, とくあんけん, 井上いのうえたかいたり ほか、「いねわら由来ゆらいのバイオエタノール生産せいさんにおけるエタノール変換へんかん効率こうりつちがいがコスト,CO2排出はいしゅつおよびエネルギ収支しゅうしおよぼす影響えいきょう」 『農業のうぎょう機械きかい学会がっかい』 2009ねん 71かん 5ごう p.5_45-5_53, doi:10.11357/jsam.71.5_45
  7. ^ セルロースけいバイオマスからのエタノール製造せいぞうしん技術ぎじゅつ共同きょうどう開発かいはつ
  8. ^ 食料しょくりょう競合きょうごうしない多様たようなバイオマス資源しげんもちいて環境かんきょうやさしい硫酸りゅうさん方式ほうしきによるエタノール製造せいぞう
  9. ^ Ethanol Can Contribute to Energy and Environmental Goals
  10. ^ UM Scientists Find Key to Low-Cost Ethanol in Chesapeake Bay
  11. ^ a b セルロースを分解ぶんかいしディーゼル、アルコールとうつくあたらしい微生物びせいぶつ
  12. ^ 正念場しょうねんばむかえた米国べいこくだい世代せだいバイオエタノール(2)
  13. ^ セルロース分解ぶんかい細菌さいきん「Saccharophagus dengradans」の パイロット試験しけん
  14. ^ 北秋田きたあきた木質もくしつバイオエタノール製造せいぞう実証じっしょう施設しせつ安全あんぜん祈願きがんしき
  15. ^ シロアリによるバイオエタノール製造せいぞうはず
  16. ^ シロアリがエタノール生産せいさん救世主きゅうせいしゅに? 代替だいたい燃料ねんりょう技術ぎじゅつ現在げんざい
  17. ^ シロアリのちょうからバイオ燃料ねんりょう生産せいさん効率こうりつたかめるしん酵素こうそ発見はっけん
  18. ^ くにエネルギえねるぎしょう(DOE: Department of Energy)の共同きょうどうゲノム研究所けんきゅうじょ
  19. ^ 廃材はいざいをバイオ燃料ねんりょうに”. 沖縄おきなわタイムス (沖縄おきなわ: 沖縄おきなわタイムス): pp. 1めん. (2008ねん7がつ3にち) 
  20. ^ シロアリのあたらしい利用りようほう
  21. ^ シロアリちょうない共生きょうせいけいこう効率こうりつ木質もくしつバイオマス糖化とうか酵素こうそ網羅もうらてき解析かいせき
  22. ^ バイオエネルギー生産せいさんのためのシロアリ共生きょうせいけい高度こうど利用りよう技術ぎじゅつ基盤きばんてき研究けんきゅう
  23. ^ バガスとうねつすい処理しょりによる自動車じどうしゃよう エタノール製造せいぞう技術ぎじゅつ研究けんきゅう開発かいはつ
  24. ^ アグリバイオ 環境かんきょうやさしい燃料ねんりょうづくり - トヨタ自動車とよたじどうしゃ更新こうしん不明ふめい)2018ねん11月23にち閲覧えつらん
  25. ^ トヨタ、バイオ燃料ねんりょう実用じつよう酵母こうぼきん使づかい2020ねんメド - 日本経済新聞にほんけいざいしんぶん 2011/10/3 20:18はん
  26. ^ 総合そうごう資源しげんエネルギー調査ちょうさかい石油せきゆ分科ぶんかかい石油せきゆ部会ぶかい燃料ねんりょう政策せいさくしょう委員いいんかいだいかい議事ぎじろく(2009ねん7がつ17にちアーカイブ) - 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんWeb Archiving Project
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  28. ^ http://www.paj.gr.jp/eco/biogasoline/index.html
  29. ^ ブラジルのバイオエタノールをめぐる動向どうこう,柴田しばた明夫あきお,独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじんのう畜産ちくさんぎょう振興しんこう機構きこう,2012ねん
  30. ^ a b 国内こくない事情じじょう変化へんかする中国ちゅうごくにおける自動車じどうしゃよう代替だいたい燃料ねんりょう展望てんぼう, http://www.pecj.or.jp/japanese/minireport/pdf/H26_2014/2014-033.pdf 
  31. ^ 石井いしい吉徳よしのりちょ石油せきゆ最終さいしゅう争奪そうだつせん日刊工業新聞社にっかんこうぎょうしんぶんしゃ 2006ねん7がつ30にち初版しょはん1さつ発行はっこう ISBN 4526056987
  32. ^ ブラジル・バイオ燃料ねんりょう現状げんじょう展望てんぼう
  33. ^ だい世代せだいバイオ燃料ねんりょう可能かのうせい
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  35. ^ 揮発きはつとう品質ひんしつ確保かくほとうかんする法律ほうりつ一部いちぶ改正かいせいする法律ほうりつあん(2004ねん12月21にちアーカイブ) - 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんWeb Archiving Project 経済けいざい産業さんぎょうしょう報道ほうどう発表はっぴょうどう法案ほうあん平成へいせい15ねん5がつ成立せいりつ
  36. ^ 揮発きはつとう品質ひんしつ確保かくほとうかんする法律ほうりつ施行しこう規則きそく改正かいせいあんについて(概要がいよう(2004ねん12月21にちアーカイブ) - 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんWeb Archiving Project 2003ねん平成へいせい15ねん)6がつ26にち資源エネルギしげんえねるぎちょう資源しげん燃料ねんりょう石油せきゆ精製せいせい備蓄びちく石油せきゆ流通りゅうつう
  37. ^ こう濃度のうどアルコール含有がんゆう燃料ねんりょうは、くるま安全あんぜんNOのー環境かんきょうNOのー!」)(2008ねん2がつ6にちアーカイブ) - 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんWeb Archiving Project 経済けいざい産業さんぎょうしょう資源エネルギしげんえねるぎちょうHP
  38. ^ しなかくほう施行しこう規則きそく改正かいせいおよ告示こくじ制定せいていについて(12/03/30)(2012ねん10がつ1にちアーカイブ) - 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんWeb Archiving Project
  39. ^ ガソリン代替だいたいしん燃料ねんりょうガイアックスがつぶされる[リンク]
  40. ^ 社団しゃだん法人ほうじんアルコール協会きょうかいへん 『バイオエタノール製造せいぞう技術ぎじゅつ工業こうぎょう調査ちょうさかい 2007ねん12月25にち初版しょはん1さつ発行はっこう ISBN 9784769371571
  41. ^ トヨタ自動車とよたじどうしゃ、バイオエタノール混合こんごうりつ10%燃料ねんりょう対応たいおうしゃ国土こくど交通こうつう大臣だいじん認定にんてい取得しゅとく

文献ぶんけん情報じょうほう

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