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そらぶクルマ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
The Leisure Hour英語えいごばん掲載けいさいされたそらくるま (aërial motor-car) (1905ねん) 。

そらぶクルマ(そらとぶクルマ、えい: Flying car)[1]は、しょう人数にんずう定員ていいん自動車じどうしゃのように日常にちじょうてき利用りようができる、空中くうちゅう移動いどう可能かのうもののこと。とく交通こうつう手段しゅだんとしては、そらぶタクシーとも呼称こしょうされる。

身近みぢかそらものという概念がいねんふるくからSF作品さくひん未来みらい予想よそう登場とうじょうしており、20世紀せいき初頭しょとう以来いらい種々しゅじゅ飛行ひこう技術ぎじゅつ利用りようして多数たすうのプロトタイプが製造せいぞうされてきたが実用じつようにはとおかった。

2010年代ねんだい以降いこうになりドローン登場とうじょうAI技術ぎじゅつ発展はってんスマートフォン普及ふきゅう[注釈ちゅうしゃく 1]によりeVTOL呼称こしょうされる機体きたい開発かいはつさかんになり、きん未来みらい実用じつよう予想よそうされる次世代じせだい交通こうつう手段しゅだんとして注目ちゅうもくあつめている。

eVTOLが実用じつようされ社会しゃかいひろ普及ふきゅうすれば、生活せいかつ様々さまざま場面ばめん影響えいきょうあたえることから、各国かっこく企業きぎょう政府せいふ開発かいはつ利用りよう規制きせいのルールづくりに鎬をけずっている。

安全あんぜん飛行ひこうできる機体きたい開発かいはつ操縦そうじゅうしゃ免許めんきょ運行うんこう事業じぎょうしゃへの許認可きょにんか制度せいど設計せっけい飛行ひこうしてよい空域くういき高度こうど設定せってい離着陸りちゃくりく場所ばしょ確保かくほおよびこれらの国際こくさいてき調整ちょうせい課題かだいとなる[3]

オートバイちかいコンセプトのものは「そらぶバイク」を参照さんしょうのこと。

過去かこ未来みらい予想よそう

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"La Sortie de l'opéra en l'an 2000"(2000ねんのオペラからの帰宅きたく

そらくるまは、いまむかし人々ひとびと想像そうぞうりょくをかきたてる存在そんざいである[4]過去かこ人々ひとびとおもえがいていた未来みらいぞう (レトロフューチャー) にとってそらぶクルマは飛行船ひこうせん真空しんくう列車れっしゃ空中くうちゅう都市としなどと同様どうよう主要しゅようなテーマであった[5]

フランスのイラストレーターアルベール・ロビダは、1882ねん発表はっぴょうした『オペラからの帰宅きたく』のなかそらくるまって移動いどうする2000ねん人々ひとびとえがいた[6]。ロビダのそらくるまは、なんらかの技術ぎじゅつによって飛行ひこうする魚雷ぎょらいかたちものである[7]

1923ねんSF作家さっかヒューゴー・ガーンズバックサイエンス・アンド・インヴェンション (Science and Invention) なか自動車じどうしゃヘリコプターわせたヘリカー (Helicar) を発表はっぴょうした[8]構想こうそうによれば、2つの車輪しゃりん走行そうこうきな場所ばしょ離着陸りちゃくりく可能かのうであった[8]

ヘリカーは当時とうじニューヨーク問題もんだいになっていた交通こうつう渋滞じゅうたい解消かいしょう可能かのうにするものとして紹介しょうかいされた[8]。ガーンズバックが設定せっていしたヘリカーの実用じつようねん1973ねんだった[8]

20世紀せいきはいると、原子力げんしりょく利用りようさかんになり、原子力げんしりょく自動車じどうしゃ原子力げんしりょく飛行機ひこうきなどのアイデアがまれ、そらくるまにも影響えいきょうあたえた。1955ねんのスミソニアン・マガジンは、2000ねんには原子力げんしりょく駆動くどうするそらくるま普及ふきゅうしているであろうといた[9]

1957ねんポピュラー・メカニクスにエアリアル・セダン (Aerial Sedan) としょうされるそらくるま記事きじ掲載けいさいされた[10]開発かいはつしゃはスタンレー・ヒラーという人物じんぶつで、機体きたい前後ぜんごにあるダクトファン飛行ひこうする仕組しくみだった[10]。この記事きじ影響えいきょうけた Science et Vie と Meccano Magazine はダクトファンで飛行ひこうするそらくるまカバーアート掲載けいさいした[10]

日本にっぽんにおいては、1959ねん小松崎こまつざきしげるが『大空おおぞらのドライブ』のなかプロペラ飛行ひこうするそらくるまえがいている[11][12]

Where's my flying car?

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1950年代ねんだいには飛行機ひこうき自動車じどうしゃ合体がったいさせたそらくるま一種いっしゅである空陸くうりく両用りょうようしゃ開発かいはつされたが、実用じつようせいとぼしく、ひろ普及ふきゅうすることはなかった[13]。また、同年代どうねんだいには空気くうき地面じめん噴射ふんしゃして走行そうこうするエアカー開発かいはつされたが実用じつようされることはなかった[14]

1999ねん、アメリカじんジャーナリストのゲイル・コリンズ英語えいごばん以下いかのように指摘してきしている。

Here we are, less than a month until the turn of the millennium, and what I want to know is, what happened to the flying cars? We're about to become Americans of the 21st century. People have been predicting what we'd be like for more than 100 years, and our accoutrements don't entirely live up to expectations. (...) Our failure to produce flying cars seems like a particular betrayal since it was so central to our image.[15]

我々われわれはここにいる。ミレニアムわりまで、のこり1ヶ月かげつった。わたしりたいのは、そらくるまなにこったのか?ということである。我々われわれはもうすぐ21世紀せいきのアメリカじんになろうとしている。人々ひとびとは100ねん以上いじょうまえから21世紀せいき世界せかいがどのようになるかを予測よそくしてきたが、我々われわれまわりを見渡みわたかぎり、完全かんぜん予測よそく実現じつげんできたとはがたい。( ... ) 未来みらい予測よそく中心ちゅうしんにあったそらくるま実現じつげん失敗しっぱいしたことは、特別とくべつ裏切うらぎりのようにおもえる。

次第しだいそらくるまは「Where's my flying car?」という質問しつもん冗談じょうだんじりに言及げんきゅうされるようになった[注釈ちゅうしゃく 2]。これは、現代げんだい技術ぎじゅつがそれ以前いぜんすうじゅう年間ねんかんおこなわれた未来みらい予測よそくいてないことをしめしている[17][18]

ピーター・ティールひきいるファウンダーズ・ファンド英語えいごばんは「そらくるま夢見ゆめみていたのに、にしたのは140文字もじだ」というマニフェストをサイトじょう掲載けいさいした[19]。ティールは過去かこ未来みらい予想よそうわって到来とうらいした情報じょうほう社会しゃかいあらたな雇用こようしていないと批判ひはんしている[20]

開発かいはつ

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陸上りくじょう走行そうこうおよび空中くうちゅう飛行ひこう可能かのう個人こじんよう (ないししょう人数にんずうけ)のものは、20世紀せいき初頭しょとう以来いらい様々さまざま動力どうりょくげん使つかって継続けいぞくして開発かいはつされてきた。プロトタイプとして飛行ひこう実験じっけん成功せいこうさせた機体きたい存在そんざいするが、商業しょうぎょうてき成功せいこうしたものは存在そんざいしない。

20世紀せいき初頭しょとう

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パンアメリカン航空こうくう博覧はくらんかい展示てんじされた『カーチス・オートプレーン』(1917ねん

航空機こうくうきエンジニアのパイオニアであるグレン・カーチスは、1917ねんカーチス・オートプレーン製造せいぞうした[21]航空こうくう史家しかによれば、路上ろじょう走行そうこう可能かのう飛行機ひこうき製造せいぞう史上しじょうはつこころみであるとなされている[22]。ただし、機体きたい短時間たんじかん離陸りりく滑空かっくうすることはできたものの、完全かんぜん飛行ひこうをすることはできなかった。

オートジャイロ・カンパニー・オブ・アメリカ AC-35英語えいごばんは、1930年代ねんだいにアメリカで開発かいはつされたりくはし可能かのうなオートジャイロである。テスト飛行ひこうには成功せいこうしたものの、生産せいさん販売はんばいにはいたらなかった。

陸上りくじょう走行そうこう可能かのう最初さいしょ固定こていつばさは、ウォルドー・ウォーターマンにより開発かいはつされたアローバイル英語えいごばんである。1937ねん2がつ21にちはつ飛行ひこうし、5のみが生産せいさんされた。

1942ねん英国えいこく陸軍りくぐんハフナー ロータバギー製造せいぞうした。これは空中くうちゅう投下とうか可能かのうなオフロードしゃ開発かいはつする目的もくてきがあり、試作しさくは70 mph (113 km/h) で飛行ひこうできたものの、車両しゃりょう運搬うんぱん可能かのう軍用ぐんようグライダーの開発かいはつによりロータバギーの開発かいはつ中止ちゅうしされた。

20世紀せいき後半こうはん

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クワッドローターの『カーチス・ライト VZ-7』(1958ねんごろ

だい世界せかい大戦たいせんちゅう航空こうくう技術ぎじゅつ発展はってんと、戦後せんご経済けいざい成長せいちょう背景はいけいとして、とくアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくで1950年代ねんだいから1960年代ねんだいにかけてそらぶクルマの開発かいはつはブームとなった。

1946 ねん、アメリカじん発明はつめいロバート・エジソン・フルトン・ジュニアは、フルトン・エアフィビアン開発かいはつした。独立どくりつしたサスペンションおよび小型こがた車輪しゃりんそなえ、6気筒きとう165馬力ばりきのエンジンを搭載とうさいしたアルミニウムせい機体きたいであった。はず可能かのう布製ぬのせいつばさ脱着だっちゃくすることにより自動車じどうしゃ飛行機ひこうき両方りょうほう用途ようと利用りよう可能かのうであった。試作しさくは4だい製造せいぞうされたものの、商業しょうぎょうてき成功せいこうにはいたらなかった。(型式けいしき証明しょうめい取得しゅとく財政ざいせいてきコストにより、フルトンは会社かいしゃ支配しはいけん放棄ほうきせざるをなくなり、以降いこう開発かいはつされることはなかった) 現在げんざいは1だい国立こくりつ航空こうくう宇宙うちゅう博物館はくぶつかん保存ほぞんされている。

モルト・テイラーによって設計せっけいおよび製造せいぞうされたエアロカー英語えいごばんは、 1949ねん12月はつ飛行ひこう成功せいこうし、そのすう年間ねんかん一連いちれん走行そうこう飛行ひこう試験しけんおこなわれた。チャック・ベリーは 1956ねんきょく「ユー・キャント・キャッチ・ミー」でこのそらぶクルマをげ、1956ねん12月には民間みんかん航空局こうくうきょく量産りょうさん設計せっけい承認しょうにんした。ひろ宣伝せんでんされ、1989ねんにも改良かいりょうばん作成さくせいされたにもかかわらず、商業しょうぎょうてき成功せいこうにはかからなかった。最終さいしゅうてきにはけい6だいのエアロカーが製造せいぞうされた。エアロカーは、最初さいしょ実用じつようてきそらぶクルマとなされている[23]

1956ねんアメリカ陸軍りくぐんは、危険きけん困難こんなん地形ちけいえてけるもの実現じつげんもとめ、1957ねん初頭しょとうにプロトタイプ開発かいはつ契約けいやくクライスラーカーチス・ライトパイアセッキ・エアクラフトの3しゃむすんだ。3しゃは、VTOL (垂直すいちょく離着陸りちゃくりく) のクライスラー・VZ-6カーチス・ライト VZ-7パイアセッキ VZ-8 エアジープ試作しさく飛行ひこう試験しけんおこなっているが採用さいようまでいたらなかった[24]

ポール・モラーは、1960年代ねんだいから40ねん以上いじょうにわたってVTOL (垂直すいちょく離着陸りちゃくりく) 機能きのうそなえたそらぶクルマ、モラー・M400・スカイカー英語えいごばん開発かいはつつづけている。ただし、2022ねん現在げんざい、M400 スカイカーは飛行ひこう成功せいこうしておらず、プロジェクトは2015ねんごろから休眠きゅうみん状態じょうたいにあり、モラーは詐欺さぎ容疑ようぎ告発こくはつされている[25][26]

21世紀せいき

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eVTOLの登場とうじょう

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ボロコプターの機体きたい。(2020ねん撮影さつえい)

2010年代ねんだいはいると電動でんどう技術ぎじゅつマルチコプター技術ぎじゅつ発展はってんけた、eVTOLばれる電動でんどう航空機こうくうきそらぶクルマとしてメディアに登場とうじょうした。

2011ねんドイツの e-volo (げん:ボロコプター) が電動でんどうマルチコプターひとせる実験じっけん成功せいこう2016ねんにはアメリカUberそらぶクルマを使つかったエアタクシーサービス「UberAir」をしたことでむなしぶクルマ業界ぎょうかいひと資金しきん流入りゅうにゅうした。

そらぶクルマ (eVTOL) は世界せかい全体ぜんたいやく200の企業きぎょう団体だんたい開発かいはつんでおり、有人ゆうじん試験しけん飛行ひこう成功せいこうした機体きたいもある[3]かく開発かいはつ母体ぼたいアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく日本にっぽんドイツなどを本拠地ほんきょちとしており、欧州おうしゅうエアバスのような国籍こくせき企業きぎょうもあるほか、ウーバーヒュンダイ韓国かんこく)、ボーイングポルシェJALとボロコプター(ドイツ)のような国際こくさいてき提携ていけいおこなわれている[3]

アメリカのモルガン・スタンレーによれば、2040ねんまでにそらぶクルマの世界せかい市場いちばやく170ちょうえんたっすると予測よそくしている[27]

年表ねんぴょう

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  • 1991ねん、ジョーベン・ビバートはそらぶクルマ研究けんきゅう大家たいかであるカリフォルニア大学だいがくデービスこうポール・モラー英語えいごばん教授きょうじゅ従事じゅうじした[28]。モラーのした研究けんきゅうつづけたビバートは現状げんじょうでは電動でんどう技術ぎじゅつ発達はったつであり、そらぶクルマの実現じつげんには20ねんほどの歳月さいげつ必要ひつようであると結論けつろんけた[28]
    eVTOLパーソナルエアビークルNASA パフィン』の想像そうぞう(2010ねん
  • 2009ねんNASAのマーク・ムーアがパフィンばれる電動でんどうのVTOL構想こうそう論文ろんぶん発表はっぴょうした。ムーアは論文ろんぶんなか電動でんどうであれば騒音そうおんおさえることができ、機体きたい部品ぶひんすうらすことが可能かのうであるといた。この論文ろんぶんそらぶクルマの開発かいはつけた[29]
  • 2009ねん、シリコンバレーにエンジニアたちあつまり電気でんき飛行機ひこうきかんする資金しきん調達ちょうたつはじめた。そこにはビバートやスタンフォード大学だいがくのイラン・クルー、Googleの共同きょうどう創業そうぎょうしゃとしてられるラリー・ペイジらがいた[29]。クルーとペイジはジーアエロ(Zee.Aero)をげ、ビバートはジョビー・アビエーション創業そうぎょうした[29]
  • 2010ねん、フランスの企業きぎょうパロットがホビーようeVTOLARドローン英語えいごばん発売はつばい
  • 2011ねん、e-voloしゃげん:ボロコプターしゃ)が電動でんどうマルチコプターひとせることに世界せかいはじめて成功せいこうした[30]
  • e-voloしゃのテスト以降いこう、eVTOLの数々かずかずメリットがあきらかになり、各国かっこく有人ゆうじんeVTOLの開発かいはつさかんになった。
  • 2011ねん12月には日本にっぽんGEN CORPORATION英語えいごばんが、1995ねん同社どうしゃ開発かいはつした垂直すいちょく離着陸りちゃくりくであるGEN H-4電動でんどうしたGEN H-4Eの試験しけん飛行ひこう成功せいこう[31][32][33]
  • 2014ねん1がつ日本にっぽん有志ゆうし団体だんたいCARTIVATORが『SkyDrive』の開発かいはつ開始かいし[34]
  • 2016ねん1がつ開催かいさいされたCESで中国ちゅうごく企業きぎょうイーハンがマルチコプターがた機体きたい『EHang184』を発表はっぴょうした[35]
  • 2016ねん世界せかいてきライドシェア企業きぎょうウーバー都市としにおけるそらぶクルマの相乗あいのりサービス「UberAir」を発表はっぴょうしたことで、それまではスタートアップ企業きぎょう中心ちゅうしんだったそらぶクルマ開発かいはつ事業じぎょう大手おおて企業きぎょう参入さんにゅうした[36]
マルチローターの『ボロコプター2X』(2017ねん9がつ
  • 2017ねん、ムーアがNASAを退職たいしょくしウーバーのそらぶタクシー部門ぶもん「Uber Elevate」に移籍いせき[37]
  • 2018ねん1がつ31にち、ヴァーハナプロジェクトの『エアバス A³ ヴァーハナ』がはつ飛行ひこう
試験しけん飛行ひこうおこなう『 ウィスク・コーラ』(2018ねん3がつ
試験しけん飛行ひこうちゅうの『エアバス・シティエアバス』 (2020ねん1がつ
  • 2020ねん1がつ16にち日本にっぽんトヨタジョビーたいしてやく430おくえん出資しゅっし、トヨタとジョビーの提携ていけい発表はっぴょうされた[42]
  • 2020ねん2がつ日本にっぽんのテトラがアメリカで開催かいさいされた1人ひとり航空機こうくうき国際こくさい大会たいかい『GoFly』で革新かくしんてき開発かいはつ手掛てがけたものあたえられる「プラット・アンド・ホイットニー・ディスラプターしょう」を受賞じゅしょうし、賞金しょうきんの10まんドルを獲得かくとくした[43]
  • 2020ねん5がつにはアーチャー・アヴィエーション大型おおがた『Archer』を発表はっぴょうした。
ベータ・テクノロジーズ英語えいごばんの『ALIA-250』(2020ねん6がつ
  • 2020ねん6がつベータ・テクノロジーズ英語えいごばんそらぶクルマ『Alia』を発表はっぴょうした。Aliaは移植いしょくよう臓器ぞうき輸送ゆそう使用しようされる。
  • 2020ねん10がつ15にち、ブラジルの航空機こうくうきメーカーエンブラエル子会社こがいしゃ設立せつりつそらぶクルマ開発かいはつ参入さんにゅうすることを発表はっぴょうした[44]
  • 2020ねん12月、Uberは新型しんがたコロナウィルス影響えいきょう自社じしゃそらぶタクシー部門ぶもん「Uber Elevate」をジョビーに売却ばいきゃく[45]。Uberとジョビーは今後こんごもサービスめんでの連携れんけい継続けいぞくする[45]
  • 2021ねん1がつ開催かいさいされたCESにてアメリカのゼネラル・モーターズ1人ひとりりのそらぶクルマを発表はっぴょうした[46]実用じつようは2030ねん予定よていしている[41]
  • 2021ねん7がつ1にち、スロバキアのクライン・ビジョンしゃ変形へんけいおこなう「AirCar」の試験しけん飛行ひこう成功せいこう[47]
  • 2021ねん7がつ26にち、アメリカの航空こうくうショーEAA AirVenture Oshkosh 2021にて日本にっぽんのテトラ・アビエーションは『Mk-5』を公開こうかいした。機体きたいは32垂直すいちょく離着陸りちゃくりくようローターと、1つの水平すいへい飛行ひこうようローターで構成こうせいされる[48]
  • 2021ねん9がつ30にち日本にっぽんホンダゆうつばさ『Honda eVTOL』を発表はっぴょうした。機体きたいはシリーズハイブリッド方式ほうしきり、航続こうぞく距離きょりは400km、都市としあいだ移動いどう可能かのうで、商用しょうようは2030ねん以降いこう想定そうていしている[49]
  • 2022ねん9がつべいGoogle創業そうぎょうしゃ1人ひとりであるラリー・ペイジ出資しゅっししたeVTOL開発かいはつ会社かいしゃ Kitty Hawk(キティホーク)は事業じぎょう終了しゅうりょうすると発表はっぴょうした[50]
  • 2022ねん10がつ18にち - アメリカのジョビー・アビエーション日本にっぽん国土こくど交通省こうつうしょう型式けいしき証明しょうめい取得しゅとく申請しんせいしたと発表はっぴょうした[51]。ジョビーの型式けいしき証明しょうめい申請しんせいはアメリカ、イギリスにつづき3カ国かこくで、日本にっぽんそらぶクルマの型式けいしき証明しょうめい申請しんせいは2021ねんスカイドライブつづき、2れい[51]

実用じつようせいについての議論ぎろん

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そらぶクルマは1世紀せいき以上いじょうにわたって開発かいはつつづけられており、21世紀せいきはいってからも様々さまざま人々ひとびとがその実用じつようせいについて意見いけん発信はっしんしている。

航空こうくう工学こうがくしゃ鈴木すずき真二しんじは、実用じつよう可能かのうそらくるま条件じょうけんとして、くるまおな値段ねだん購入こうにゅうでき、安全あんぜんせい担保たんぽされた4にんりの小型こがた飛行機ひこうきげている[52]起業きぎょうピーター・ティールは、そらくるま実現じつげんさまたげる要素ようそとして、技術ぎじゅつてき問題もんだいよりも硬直こうちょくした法律ほうりつなどをげている[53]

一方いっぽうで、そらぶクルマは、コスト、安全あんぜんせい騒音そうおん操縦そうじゅう技術ぎじゅつ習得しゅうとくとう問題もんだいによりけっして普及ふきゅうしないという懐疑かいぎてき意見いけん根強ねづよ存在そんざいする。テスラ創業そうぎょうしゃイーロン・マスクは、都市とし空間くうかんさん次元じげんてき活用かつようしたいのであれば、空中くうちゅうよりも地上ちじょう利用りようすることが合理ごうりてきであるとべた[54]技術ぎじゅつ史家しかジョン・マイケル・グリア英語えいごばんは、そらぶクルマ (空陸くうりく両用りょうようしゃ) というアイデアは、「おとった飛行機ひこうきおとった自動車じどうしゃわせであり…ベンチプレスをしながら100メートルはしをするようなバカげたかんがえ」であるとべた[55]。また、そらぶクルマによる近距離きんきょり中距離ちゅうきょり移動いどうたいして、そもそもおおきな需要じゅよう存在そんざいしないという指摘してきもある[56]

また、げん段階だんかいにおいて製造せいぞうされたそらぶクルマは、おおくのめん旧来きゅうらいがたのヘリコプターを上回うわまわ性能せいのうにはたっしていない[57]

種類しゅるい

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2010年代ねんだい以降いこうは、おもeVTOL(マルチコプターがた固定こていつばさがた)と、自動車じどうしゃはねえた空陸くうりく両用りょうようしゃ研究けんきゅうされている。過去かこには圧縮あっしゅく空気くうき使つかったエアカー構想こうそうされていた。

機体きたい

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Vertical Aerospaceのセラフ(Seraph)。2020ねん撮影さつえい

そらぶクルマは機体きたい構造こうぞうによってマルチコプターかた固定こていつばさがたおおきくけられ[36]地上ちじょう走行そうこう能力のうりょく有無うむでさらに細分さいぶんできる[58]

マルチコプターがた小型こがたドローンのよう複数ふくすうのローターを回転かいてんさせて垂直すいちょく離着陸りちゃくりく水平すいへい飛行ひこうおこな[59]

このタイプはかくローターの回転かいてんすうけることによってすべての機体きたい操作そうさまかなうため固定こていつばさがなく揚力ようりょくることができない[59]

そのため、水平すいへい飛行ひこう効率こうりつわる長距離ちょうきょり移動いどうより短距離たんきょり移動いどうてきしている[59]かたくらべた場合ばあいのメリットとしてはホバリングや垂直すいちょく離着陸りちゃくりくけている[59]機体きたいがコンパクトである[60]などかげられる。

固定こていつばさがたはローターに固定こていつばさくわえたタイプである[36]水平すいへい飛行ひこうつばさ利用りようできるためマルチコプターがたより長距離ちょうきょり移動いどう可能かのうである[59]

固定こていつばさがた離着陸りちゃくりく水平すいへいにプロペラのきだけを変更へんこうするティルトローターかた、プロペラがいている固定こていつばさごとかたむけるティルトウィングかた離着陸りちゃくりく水平すいへいにそれぞれべつ機構きこう使用しようする分離ぶんりがた細分さいぶんできる[61]

マルチコプターがた開発かいはつ費用ひようすうせんまんえん程度ていどなのにたい固定こていつばさがた開発かいはつコストはすうおくえんほどになる[36]

動力どうりょく

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2010年代ねんだいからのそらぶクルマは電動でんどう前提ぜんていとしているが、現在げんざいリチウムイオン電池でんち充電じゅうでんなしにいち飛行ひこうできるのは30ふん程度ていどであり飛行ひこう距離きょりえると100kmから150kmほどである[62]。そのため長距離ちょうきょり移動いどう可能かのうそらぶクルマの実現じつげんにはぜん固体こたい電池でんち実用じつようなどが必要ひつようになる[63]。ただし、都市としないでの移動いどうのような短距離たんきょり用途ようとであれば現行げんこう技術ぎじゅつでも十分じゅうぶん可能かのうである[63][64]

そらぶクルマはフル電動でんどうおおいがバッテリーがかかえる問題もんだいにより、モーターとエンジンのハイブリッドを場合ばあいもある。ハイブリッドにはいくつかタイプがあり、パラレルハイブリッド方式ほうしきとシリーズハイブリッド方式ほうしきわかられる。

パラレルハイブリッド方式ほうしきはエンジンとモーターの両方りょうほう動力どうりょくとすることによってケースバイケースで適切てきせつ動力どうりょく使つかけることが可能かのうになるが、構造こうぞう複雑ふくざつするうえにエンジンを使用しようするとプロペラの回転かいてんすう機体きたい操作そうさおこなうタイプの機体きたいでは繊細せんさい応答おうとうむずかしくなる[65]

シリーズハイブリッド方式ほうしきはエンジンを発電はつでんにしてされた電気でんきでモーターを動作どうささせる。パラレルハイブリッドがもつ構造こうぞう複雑ふくざつはある程度ていどおさえられ、相性あいしょうわるさも発生はっせいしないため後者こうしゃ方式ほうしき採用さいようする企業きぎょうおお[65]

また、Alaka’i Technologiesの機体きたい「Skai」やイスラエルの企業きぎょうの「CityHawk」はバッテリーではなく水素すいそ燃料ねんりょう電池でんちをエネルギーげんにしている[66][67]水素すいそ燃料ねんりょう電池でんちはバッテリーよりもエネルギーをよりおおたくわえられより長距離ちょうきょり移動いどうできる[66]。その場合ばあい燃料ねんりょう電池でんち価格かかくがネックになる[66]

高級こうきゅうモデル

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そらぶクルマの高級こうきゅうモデルの開発かいはつすすめられている。

アストン・マーティンは2018ねん開催かいさいされたファーンボロー国際こくさい航空こうくうショーそらぶクルマの高級こうきゅうモデル「Volante Vision Concept」を発表はっぴょうした[68]機体きたいはハイブリッドのeVTOLで、2020年代ねんだいなかばの生産せいさん目指めざし、価格かかくは10おくえんほどを予定よていしている[68]

2019ねん10がつ高級こうきゅうしゃメーカーのポルシェはボーイングとの共同きょうどうチームを発足ほっそくさせ、そらぶクルマの高級こうきゅうモデルについて研究けんきゅうおこなうことをあきらかにした[69]

イギリスの企業きぎょうVRCOは高級こうきゅうモデル「NeoXcraft」を販売はんばい予定よていである[70]価格かかくは2おくえんほどで、世界せかい年間ねんかん200-300販売はんばい目指めざしている[70]2021ねん後半こうはんには日本にっぽんでの販売はんばい体制たいせいととのうという[70]

利用りよう

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このふし特記とっきがないかぎりeVTOLタイプのそらぶクルマについて解説かいせつする。

そらぶクルマは個人こじん所有しょゆうよりライドシェアでの利用りよう見込みこまれている[71]運用うんよう形態けいたい機体きたい開発かいはつ機体きたい運用うんようをそれぞれべつ企業きぎょうおこなうケースと機体きたい開発かいはつメーカーが運用うんよう兼任けんにんするケースにかれる[72]

そらぶクルマを個人こじん自家用車じかようしゃのように購入こうにゅう利用りようできるのは2030年代ねんだいからとられている[73]ただし、2030ねん段階だんかいで2000まんえん程度ていどという販売はんばい単価たんかたかさから、当面とうめん販売はんばい対象たいしょう富裕ふゆうそうとなる可能かのうせいたか[74]

都市とし

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都市としない

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近年きんねん世界せかい各国かっこくでは都市としでの交通こうつう渋滞じゅうたい問題もんだいになっているが、そらぶクルマを使用しようすれば渋滞じゅうたいしている道路どうろけて移動いどうすることができる。

アメリカ航空こうくう宇宙うちゅうきょく (NASA) は都市としにおけるそらぶクルマの利用りよう方法ほうほうとしてエアメトロがたとエアタクシーがたげている[75]

エアメトロがた地上ちじょうにおけるバスや地下鉄ちかてつ同様どうようあらかじめられたルートを時間じかんどおりに運航うんこうするものである[75]。エアタクシーがた乗客じょうきゃくそらぶクルマを自由じゆうせるタイプできたい場所ばしょ直線ちょくせんてき移動いどうすることができる[75]。これは地上ちじょうにおけるライドシェアやタクシーに相当そうとうする[75]。なお、どちらのサービスも電動でんどう自律じりつ飛行ひこう可能かのう垂直すいちょく離着陸りちゃくりく使用しよう前提ぜんていとしている[75]

日本にっぽんすで交通こうつうインフラがととのっているため、都市としそらぶタクシーは海外かいがいほどのたか需要じゅようはないとみられ[76]東京とうきょうとう大都市だいとしでは終電しゅうでん交通こうつう手段しゅだんとしてのニーズのほうたかいとかんがえられる[77]

都市とし - 空港くうこうあいだ

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都市としあいだ

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地方ちほう

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そらぶクルマは地方ちほうにおけるあらたな交通こうつう手段しゅだんとして注目ちゅうもくあつめている。

専門せんもんからはそらぶクルマを都心としんでのそらぶタクシーとして運用うんようするより、ずは地方ちほうでのあらたな交通こうつう手段しゅだんとして導入どうにゅうすべきと意見いけんがある[78]

災害さいがい対応たいおう

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地震じしん洪水こうずい道路どうろ寸断すんだんされると人命じんめい救助きゅうじょ支援しえん物資ぶっし輸送ゆそうとうむずかしくなる。現在げんざいでも災害さいがいにはドクターヘリが活用かつようされているがそらぶクルマは機体きたいがよりちいさいため、よりピンポイントな支援しえん可能かのうになる。

不安定ふあんてい場所ばしょへの離着陸りちゃくりく夜間やかん飛行ひこう必要ひつようになり平時へいじでの運用うんようとはことなる課題かだいがあるが[79]具体ぐたいてき役割やくわりとしてはケガじん救助きゅうじょ救援きゅうえん部隊ぶたい投入とうにゅう被災ひさいへの支援しえん物資ぶっし運搬うんぱんなどが想定そうていされている[80]

実際じっさいに2023ねんから災害さいがい救助きゅうじょそらぶクルマを使用しようすることを「そら移動いどう革命かくめいけた官民かんみん協議きょうぎかい」 (後述こうじゅつ) がロードマップで発表はっぴょうしている[79]

医療いりょう

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イスラエルの企業きぎょう開発かいはつちゅうの「Cormorat」。戦場せんじょう負傷ふしょうした兵士へいし運搬うんぱんする。

そらぶクルマは、現在げんざいドクターヘリがその役割やくわりになっている救急きゅうきゅう医療いりょうなどにも利用りようできる[80]。ドクターヘリは医師いし患者かんじゃ高速こうそく搬送はんそうなどで使用しようされ成果せいかげている一方いっぽう離着陸りちゃくりく可能かのう場所ばしょおおくない、夜間やかん飛行ひこう実施じっしされてない、若手わかてパイロットがすくないなどの問題もんだいかかえている[81]

そらぶクルマは機体きたいがコンパクトで離着陸りちゃくりく場所ばしょ選択肢せんたくしおおく、自律じりつ飛行ひこうであれば夜間やかん飛行ひこう可能かのうで、操縦そうじゅう容易よういであることからフライトドクターなどから注目ちゅうもくあつめている[81]

日本にっぽんにドクターヘリを普及ふきゅうさせた医師いし松本まつもとしょうそらぶクルマはドクターヘリの補完ほかんではなくえる存在そんざいだと発言はつげんしている[82]

アメリカの大手おおて資産しさん運用うんよう会社かいしゃARK Invest英語えいごばんは、そらぶクルマを使つかった救急きゅうきゅうしゃはレスポンスタイムを短縮たんしゅくさせ年間ねんかんで2まんにんしん停止ていし患者かんじゃあらたにすく可能かのうせいがあると指摘してきしている[83][注釈ちゅうしゃく 3]機体きたい運用うんようには28おくドルの追加ついかコストが必要ひつようになるが救命きゅうめいされた人々ひとびとがもたらす経済けいざいてき利益りえきは183おくドルにのぼると推定すいていされる[83]

そらぶクルマを救急きゅうきゅうしゃとして使用しようする場合ばあい課題かだいとしては、病院びょういんがわ患者かんじゃ体制たいせい人員じんいん拡充かくじゅう導入どうにゅう初期しょきはバッテリーの問題もんだい医療いりょう従事じゅうじしゃ医療いりょう器具きぐ重量じゅうりょうがドクターヘリとくらべて制限せいげんされること、離着陸りちゃくりくにヘリコプターよりはちいさいもののダウンウォッシュ発生はっせいすることなどが指摘してきされている[81]

2020ねん2がつ中国ちゅうごく企業きぎょうイーハンの「EHang 216」が中国ちゅうごく救急きゅうきゅうしゃとして運用うんようされ医療いりょうひんひと運搬うんぱんした[84]

実現じつげんけた

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都市とし上空じょうくうそらぶクルマが飛行ひこうする場合ばあい騒音そうおん安全あんぜんせい、テロとうへの悪用あくよう防止ぼうし既存きそん航空こうくうシステムとの統合とうごう、そして社会しゃかい受容じゅようなどが問題もんだいになる[85]日本にっぽん国内こくないにおいては航空機こうくうきどうレベルの安全あんぜんせいせいおんせいもとめられる[86]

動力どうりょくとしてさい有力ゆうりょくなのは電力でんりょくである。従来じゅうらいがた航空機こうくうき比較ひかくして電動でんどうであれば環境かんきょう負荷ふかひく騒音そうおん発生はっせいしにくくなる[87]電動でんどう機体きたい構造こうぞう簡素かんそすることによって機体きたい設計せっけい自由じゆうぎゃく様々さまざまなコストは低下ていかする[88]。また、自律じりつ飛行ひこうであれば人件じんけん削減さくげん可能かのうになる[87]。さらに、離着陸りちゃくりく垂直すいちょく離着陸りちゃくりく採用さいようすると滑走かっそうひとし不要ふようになり、現在地げんざいちからきたいところてんからてんへの移動いどう可能かのうになる[87]

このふし特記とっきがないかぎりeVTOLタイプのそらぶクルマについて解説かいせつする。

騒音そうおん対策たいさく

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そらぶクルマは航空機こうくうきとドローンのあいだくらいのところ飛行ひこうする予定よていである。これはヘリコプターが利用りようするたかさとおなじかややひく高度こうど[89]であるが、騒音そうおん内燃ないねん機関きかん使用しようするヘリコプターとくらべて電力でんりょく利用りようするそらぶクルマのほうがひく[62]

プロペラが騒音そうおんについても議論ぎろんがある。風切かざきおんはプロペラの形状けいじょう工夫くふうすることで20%-30%程度ていど低下ていかさせることができる[90]。また、イヤホンのノイズキャンセラー要領ようりょう機体きたいぎゃく位相いそうおと発生はっせいさせることで風切かざきおん軽減けいげんする研究けんきゅうおこなわれている[90]

また、ヘリコプターとそらぶクルマでは風切かざきおん伝播でんぱ仕方しかたちがいがある。そらぶクルマはヘリコプターとくらべてプロペラが小型こがたであり十分じゅうぶん揚力ようりょくるためには回転かいてんすう上昇じょうしょうさせる必要ひつようがある。プロペラの回転かいてんすうげると高周波こうしゅうはおと発生はっせいするが、高周波こうしゅうはおととおくにはとどきにくいという特性とくせいがあり、上空じょうくう飛行ひこうするぶんには騒音そうおん問題もんだいになりにくい[91]

ただし、まちちゅう離着陸りちゃくりくするには現在げんざい技術ぎじゅつでは騒音そうおんおおきすぎるため、当面とうめん専用せんようのポートを使用しようする必要ひつようがあると指摘してきされている[92]

安全あんぜんせい

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そらぶクルマは複数ふくすうのローターを使用しようすることで冗長じょうちょうせいたかく1つのローターが停止ていししたとしてもそく墜落ついらくするわけではない[93]。ただし、動力どうりょく停止ていししてすべてのローターがうごかなくなることはかんがえられる。動力どうりょく停止ていしした場合ばあい機体きたいごとバリスティック・パラシュート英語えいごばんなどでげてゆるやかに着陸ちゃくりくする方法ほうほうかんがえられる[94]。また、ヒューマンエラーなどによってきる事故じこ防止ぼうしするみもおこなわれている。また、そらぶクルマはヘリコプターよりもひく高度こうど (150~500m) を飛行ひこうする想定そうていであるため、とく都市とし上空じょうくう飛行ひこうする場合ばあいはエンジン停止ていし空中くうちゅう衝突しょうとつなどの重大じゅうだい事故じこ発生はっせいした場合ばあい地上ちじょう被害ひがいをもたらさないための対策たいさくもとめられる。

そらぶクルマはパイロットレスの自律じりつ飛行ひこう採用さいようするものがおおい。理由りゆうの1つは安全あんぜんせい問題もんだいである。これは現在地げんざいちじょうにおいても自動車じどうしゃによる事故じこえない以上いじょうそらぶクルマを人間にんげん運転うんてんするのは危険きけんだという判断はんだんがある[95]自動じどう運転うんてんすで地上ちじょうくるまにおいて実現じつげんのために実験じっけんすすめられているが、障害しょうがいぶつひと存在そんざいする地上ちじょうより空中くうちゅうのほうがむしろ自動じどう運転うんてん難易なんいひく[95]。そのため地上ちじょうにおける自動じどう運転うんてんしゃ実現じつげんよりそらぶクルマの自動じどう運転うんてんのほうがはやいという指摘してきもある[96]。ただし社会しゃかい導入どうにゅう初期しょき段階だんかいでは訓練くんれんされたパイロットに操縦そうじゅうしてもらうというかたち想定そうていされる[36]飛行ひこうにプロのパイロットが必要ひつようだと人件じんけん高騰こうとうしてしまうため最終さいしゅうてきにはパイロットレスの自律じりつ飛行ひこう移行いこうする[36]

テロ対策たいさく

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個人こじんよう航空機こうくうきひろ普及ふきゅうした場合ばあいばくだん可燃かねんぶつ搭載とうさいして目標もくひょう衝突しょうとつする自爆じばくテロ使用しようされたり、ハイジャックされるなどの懸念けねんがあり、それらの犯罪はんざいへの対策たいさくもとめられる。

既存きそん航空こうくうシステムとの

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そらぶクルマは、小型こがたドローン、ヘリコプターやジェット機じぇっときなど既存きそん航空機こうくうきとのけをもとめられる。高度こうどにより利用りよう可能かのう場所ばしょ分離ぶんりする、あるいは既存きそん航空機こうくうきにADS-Bなど自己じこ位置いち発信はっしん情報じょうほう義務付ぎむづけることがかんがえられる[90]

離発着りはっちゃくじょう

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ベータ・テクノロジーズ離発着りはっちゃくじょう

そらぶクルマの離着陸りちゃくりくじょうバーティポート (Vertiport) またはスカイポート(Skyport)とばれる。バーティポート必要ひつよう設備せつびおも充電じゅうでん機器ききなどである。充電じゅうでん方法ほうほうはバッテリーを急速きゅうそく充電じゅうでんする方式ほうしきとバッテリーを充電じゅうでんされたものにえる方式ほうしきの2つにけられる[97]

後者こうしゃ交換こうかんのための人手ひとで余分よぶん必要ひつようになると見込みこまれるため[97]、ボロコプターのようにバッテリー交換こうかんよう自動じどうロボットをバーティポートに設置せっちすることでコスト低下ていか目指めざ企業きぎょうもある。

離着陸りちゃくりくにはひとによる誘導ゆうどう必要ひつようになる[97]そらぶタクシーの場合ばあい多数たすうバーティポート必要ひつようになり、結果けっかとして莫大ばくだい人件じんけん発生はっせいするため、離着陸りちゃくりく自動じどう必要ひつようである[97]着陸ちゃくりく自動じどうかんしては『安全あんぜん帰還きかん緊急きんきゅう自動じどう着陸ちゃくりくシステム』(Safe Return Emergency Autoland System)をそらぶクルマに応用おうようすることもかんがえられている[98]

日本にっぽんにおけるバーティポート候補こうほとしてはビル屋上おくじょうのヘリポート、えきやコンビニの駐車ちゅうしゃスペースなどがげられる[97]後者こうしゃ場合ばあい人件じんけん削減さくげんのため一般人いっぱんじん離着陸りちゃくりく誘導ゆうどうおこなってもらうというあんされている[97]。アメリカでは立体りったい駐車ちゅうしゃじょう大型おおがたホテルなどが候補こうほである[99][100]

くに行政ぎょうせいによる

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エアバスとアウディの『Pop.Up Next』。飛行ひこう上部じょうぶのドローン、走行そうこう下部かぶくるまがそれぞれ連結れんけつする。

アメリカ

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米国べいこくおいてはそらぶクルマははしりできることが前提ぜんていであることがおおく、はしできない垂直すいちょく離着陸りちゃくりく(VTOL)とは区別くべつされることもある[101][102]

ロサンゼルスでは2020ねん市長しちょうきもいりでUrban Movement Labs (UML) が設置せっちされ、同市どうしにおけるエアタクシーの導入どうにゅうけた様々さまざまなルールの制定せいていバーティポート候補こうほ選定せんていんでいる[99]。UMLはジョビー、アーチャー、ヒュンダイそらぶクルマ部門ぶもん、ボロコプターなどと協力きょうりょく関係かんけいむすんでいる[99]

Agility Prime
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ジョビー・アビエーション、ベータ・テクノロジーズ、リフト・エアクラフトなどアメリカの企業きぎょう3しゃが、アメリカ空軍くうぐんのAgility Primeプログラムでぐんたいそらせい認証にんしょうており、直近ちょっきんでは2021ねん7がつにキティー・ホークのHeavisideが承認しょうにんされた[103]

日本にっぽん

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2017ねんなつ経済けいざい産業さんぎょうしょう若手わかて官僚かんりょうのもとに海外かいがい航空機こうくうきメーカーがおとず日本にっぽんにおけるそらぶクルマの開発かいはつじょうきょうたずねた[104]若手わかて官僚かんりょうはこの出来事できごとにきっかけにそらぶクルマやドローンについての情報じょうほう収集しゅうしゅうおこないこの業界ぎょうかいがもつ可能かのうせいづいたが、そらぶクルマの開発かいはつ必要ひつようしょ分野ぶんやはそれぞれべつしょう担当たんとうっていた[104]

そこで、けいさんしょう若手わかて官僚かんりょう国土こくど交通省こうつうしょう若手わかて官僚かんりょうけて2しょうあいだ連携れんけい関係かんけい構築こうちく両省りょうしょう若手わかて官僚かんりょう7にん時間じかん使つかって独自どくじ勉強べんきょうかい開催かいさい議論ぎろんかさねていった[105]

2018ねん両省りょうしょう若手わかて官僚かんりょう主導しゅどうで「そら移動いどう革命かくめいけた官民かんみん協議きょうぎかい」が開催かいさいされた[105]協議きょうぎかいではそらぶクルマの実用じつようかんするロードマップ作成さくせいされた[106]

ロードマップによると2019ねんから実証じっしょう実験じっけん飛行ひこう試験しけんをスタートさせ、2023ねん事業じぎょう2030年代ねんだいにはそれをさら拡大かくだいさせていく予定よていである[106]最初さいしょもの運搬うんぱんからスタートさせて徐々じょじょ地方ちほうでのひと移動いどううつっていき、最終さいしゅうてきには都市としにおけるひと移動いどうになうという[106]

また、大阪おおさかにおいても2025ねん日本にっぽん国際こくさい博覧はくらんかい大阪おおさか関西かんさい万博ばんぱく)での利用りよう見据みすえて、やく40しゃ参加さんかする産官学さんかんがく連携れんけいのラウンドテーブルを2020ねん11月に設立せつりつし、2023ねん事業じぎょう目指めざしている[107]

日本にっぽん経済けいざい産業さんぎょうしょうはeVTOLについて「電動でんどう垂直すいちょく離着陸りちゃくりくがた操縦そうじゅうしゃ航空機こうくうき」を正式せいしき名称めいしょうとしている[108]。つまり、電気でんき動力どうりょく電動でんどう航空機こうくうき)として、垂直すいちょく離着陸りちゃくりく (VTOL) が可能かのうであり、飛行ひこう航空機こうくうきパイロット必要ひつようとしない航空機こうくうき[87]

2022ねん9がつ7にち大阪おおさかは2025ねん大阪おおさか関西かんさい万博ばんぱくでの商用しょうよう運航うんこう目指めざす「そらぶクルマ」について、2023ねん2がつ大阪城公園おおさかじょうこうえん有人ゆうじん実証じっしょう飛行ひこうおこなうと発表はっぴょうした[109]大阪おおさかによると、日本にっぽん国内こくないでの有人ゆうじん実証じっしょう飛行ひこうはじめてという[109]機体きたい米国べいこく「LIFT AIRCRAFT」しゃせいの「HEXE(ヘクサ)」(全長ぜんちょう4.5メートル、たかさ2.6メートル、定員ていいん1)の1人ひとりりの機体きたい使用しようし、巡航じゅんこう速度そくど時速じそくやく100キロ[110]大阪城公園おおさかじょうこうえん敷地しきちない離着陸りちゃくりく昇降しょうこう動作どうさ確認かくにんする[110]観覧席かんらんせきもうける予定よてい[110]

日本にっぽんにおける型式けいしき証明しょうめい
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2021ねんにはアーチャー、ジョビー、リリウム、バーティカルなど、幾多いくたそらぶクルマ企業きぎょうSPAC買収ばいしゅうされ公開こうかい企業きぎょうとなった[115][116]。2021ねん2がつ、1しゃアーチャー・アビエーションは、SPAC上場じょうじょうどう時期じきユナイテッド航空こうくうから10おくドルぶん機体きたい発注はっちゅうけた [117]

発注はっちゅう

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バーティカル・エアロスペースしゃは、2021ねん6がつアメリカン航空こうくうヴァージン・アトランティック航空こうくう航空機こうくうきリースのアボロンしゃなどから、そらぶクルマ1000やく注文ちゅうもんけたことを発表はっぴょうした[118]

影響えいきょう

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じゅん電動でんどうとパイロットレスが達成たっせいされたそらぶクルマ が量産りょうさんされることで、交通こうつうあらたな『そら移動いどう革命かくめい』がもたらされ、これまでは飛行機ひこうきヘリコプターなどをとおした限定げんていてきなものにとどまっていた人類じんるいによるそら利用りよう変化へんかき、『そら移動いどう大衆たいしゅう』としょうされる一個人いっこじん日常にちじょう交通こうつう手段しゅだんそら利用りようする時代じだい到来とうらいすると予想よそうされている[87]。その影響えいきょうだい世界せかい大戦たいせんモータリゼーション社会しゃかいあたえた革新かくしん匹敵ひってきする可能かのうせいがあるという[87]

不動産ふどうさんでは、現在げんざい鉄道てつどうなどを中心ちゅうしん住宅じゅうたく商業しょうぎょう施設しせつつくられているが、そらぶクルマが普及ふきゅうすれば既存きそんインフラにしばられない移動いどう可能かのうになりひとぶつ移動いどう分散ぶんさんされると予想よそうされている[119]

それによって既存きそんインフラ中心ちゅうしんのまちづくりに変化へんかこり、現在げんざい価値かちがないとされている土地とちあらたな価値かちまれる可能かのうせい指摘してきされているが、ぎゃくにインフラが整備せいびされ価値かちたかいとされる土地とち価値かち低下ていかしてしまうこともかんがえられる[119]

既存きそんインフラにしばられない開発かいはつ可能かのうになれば、都市としへの一極いっきょく集中しゅうちゅう解消かいしょうされ、山間さんかん離島りとうなど以前いぜんおもむくのがむずかしかった土地とち大型おおがたショッピングモール高級こうきゅう住宅じゅうたくてられるといったことも予測よそくされている[119]

フィクションにおけるそらぶクルマ

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そらくるまは、ファンタジーSFなどでは一般いっぱんてき存在そんざいである[120]。SF作品さくひんではローターなどで飛行ひこうするものではなく、くるまがそのままそらぶようにえがかれることがおお[121]

ヘリコプターの専門せんもん Matt Garratt は、SF映画えいが登場とうじょうするようなそらくるまには、あるしゅはん重力じゅうりょく必要ひつようであり、現在げんざい (2000年代ねんだい時点じてん) の技術ぎじゅつ実現じつげんするのはむずかしいとかたっている[16][注釈ちゅうしゃく 4]

実写じっしゃ映画えいが

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  • アニマトリックス (2003)
    アニマトリックスのセカンド・ルネッサンスというエピソードでは、そらくるまの 「Versatran」 を紹介しょうかいするテレビCMがながされている[125][126]

ギャラリー

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色々いろいろそらくるま

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ センサーなどの価格かかく大幅おおはば低下ていかした[2]
  2. ^ For example, see Scott, 2007, where she asks "This is not 1901, we all own pocket-sized remote voice receiver/transmitters. The glittering, futuristic year of 2000 was done and dusted over seven years ago... The future is now — so where is my flying car?"[16]
  3. ^ しん停止ていし患者かんじゃとは病院びょういんがいしん停止ていしこしたひと (OHCA) のことをいう。Arkしゃはアメリカでは毎年まいとし35まんけんのOHCAが発生はっせいしており、その生存せいぞんりつは12%であるとしている。そらぶクルマ (eVTOL) を使つかえば生存せいぞんりつを18%にげられると分析ぶんせきしている[83]
  4. ^ 物理ぶつり学者がくしゃロバート・L・フォワード浮揚ふようはん重力じゅうりょく使用しようした場合ばあいものなかにもはん重力じゅうりょくフィールドがおよぶため、どんなにくるまのスピードを加速かそくしたところでなか人間にんげん影響えいきょうおよばず、もしそのよう技術ぎじゅつ実現じつげんされれば、交通こうつう様々さまざま革命かくめいきると[122]

出典しゅってん

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関連かんれん文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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