脱水だっすい反応はんのう

脱水だっすい反応はんのう（だっすいはんのう:Dehydration reaction）とは、分子ぶんし内うちあるいは分子ぶんし間あいだから水分すいぶん子こが脱だつ離はなれすることで進行しんこうする化学かがく反応はんのうである。

分子ぶんし間あいだ脱水だっすい

水みずは非常ひじょうに安定あんていな物質ぶっしつのひとつであり、加熱かねつや脱水だっすい剤ざいとの反応はんのうによって容易よういに脱だつ離はなれする。例たとえば、カルボン酸さん RCOOH とアルコール R'OH を酸さんなどの触媒しょくばいの存在そんざい下かで混合こんごうして加熱かねつすると、分子ぶんし間あいだで水分すいぶん子こ H₂O が生成せいせいし、残のこった部分ぶぶんが結合けつごうしてエステル RCOOR' が生しょうじる（フィッシャーエステル合成ごうせい反応はんのう）。このような脱水だっすい反応はんのうは分子ぶんし間あいだ脱水だっすいとよばれる。本ほん例れいは付加ふか脱だつ離反りはん応おうに分類ぶんるいされる反応はんのうであるが、付加ふか脱だつ離反りはん応おうには形式けいしき的てきに脱水だっすい反応はんのうであるものが非常ひじょうに多おおい。

分子ぶんし内ない脱水だっすい

アルコールなどヒドロキシ基もとを持もつ化合かごう物ぶつ、例たとえばエタノール CH₃CH₂OH に脱水だっすい剤ざいとして濃こ硫酸りゅうさんを加くわえ、160–170°Cに加熱かねつすると、1分子ぶんしの水みずが脱だつ離はなして二に重じゅう結合けつごうをもつエチレン CH₂=CH₂ を生しょうじる。このような反応はんのうは分子ぶんし内ない脱水だっすいと呼よばれる。

水分すいぶん子こを直接ちょくせつ脱だっ離はなさせるためには上記じょうきのように苛烈かれつな条件じょうけんを必要ひつようとする。より温和おんわに脱水だっすい反応はんのうを行おこなうためには、ヒドロキシ基もとをよりよい脱だつ離はなれ基もとに変換へんかんする手法しゅほうが用もちいられる。例たとえば、アルコールにメタンスルホン酸さんクロリド（メシルクロリド）を作用さようさせてスルホン酸さんエステルとし、ここに三さん級きゅうアミンなど強つよ塩基えんきを存在そんざいさせておくとメタンスルホン酸さんが脱だつ離はなしてC=C二に重じゅう結合けつごうが生成せいせいする。

${\ce {{RCH2CH2-OH}+ MsCl ->\ {RCH2-OMs}+ HCl (Ms- = CH3SO2-)}}$

${\ce {{RCH2CH2-OMs}+R'3N->\ {RCH=CH2}+R'3N\cdot MsOH}}$

また、アルコールに二硫化炭素にりゅうかたんそとヨウ化かメチルを作用さようさせてキサントゲン酸さんエステルとし、熱ねつ分解ぶんかいしてアルケンに変換へんかんする方法ほうほうはシュガエフ脱だつ離はなれとして知しられている。

${\ce {{RCH2CH2-OH}+ {CS2}+ {CH3I}+ NaOH ->\ {RCH2CH2-O-C(=S)SCH3}+ {NaI}+ H2O}}$

${\ce {RCH2CH2-O-C(=S)SCH3 ->\ {RCH=CH2}+ O=C(-SH)SCH3}}$

関連かんれん項目こうもく

• 脱水だっすい
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