大豆 だいず の花 はな
大豆 だいず (学名 がくめい : Glycine max )は、マメ科 か の一 いち 年 ねん 草 くさ 。完熟 かんじゅく 種子 しゅし は主 おも に搾油 さくゆ の原料 げんりょう となり、脱脂 だっし 後 ご の絞 しぼ り粕 かす (大 だい 豆粕 まめかす )は飼料 しりょう として利用 りよう されている。食用 しょくよう にもなり特 とく に東 ひがし アジアでは様々 さまざま な利用 りよう 形態 けいたい が発達 はったつ している。未 み 成熟 せいじゅく の種子 しゅし を枝豆 えだまめ と呼 よ ぶ。
東 ひがし アジア原産 げんさん のツルマメ が原種 げんしゅ と考 かんが えられる。ツルマメは特 とく に日本 にっぽん 、中国 ちゅうごく 、韓国 かんこく に広 ひろ く分布 ぶんぷ しており、歴史 れきし 的 てき に複数 ふくすう の地域 ちいき で栽培 さいばい 化 か が始 はじ まった[ 1] 。
農作物 のうさくもつ として世界中 せかいじゅう で広 ひろ く栽培 さいばい されている。日本 にっぽん には縄文 じょうもん 時代 じだい に存在 そんざい したと思 おも われる大豆 だいず の出土 しゅつど 例 れい があり、『古事記 こじき 』にも大豆 だいず の記録 きろく が記載 きさい されている。
植物 しょくぶつ の中 なか でもタンパク質 たんぱくしつ を多 おお く含有 がんゆう する[ 2] ことから日本 にっぽん ・ドイツ では「畑 はたけ の(牛 うし )肉 にく 」[ 3] 、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく では「大地 だいち の黄金 おうごん 」とも呼 よ ばれている[要 よう 出典 しゅってん ] 。また、日本 にっぽん 料理 りょうり やその調味 ちょうみ 料 りょう の原材料 げんざいりょう として中心 ちゅうしん 的 てき 役割 やくわり を果 は たしている(後述 こうじゅつ )。菜食 さいしょく 主義 しゅぎ や殺生 せっしょう を禁 きん じた宗教 しゅうきょう においては植物 しょくぶつ 性 せい のタンパク源 げん として利用 りよう され、精進 しょうじん 料理 りょうり においても重用 じゅうよう された事 こと で多 おお くの加工 かこう 食品 しょくひん が生 う み出 だ された。加工 かこう 食品 しょくひん の技術 ぎじゅつ が上 あ がるにつれて、肉 にく を模 も した代替 だいたい 食品 しょくひん としても注目 ちゅうもく されている。
葉 は の黄 き 化 か や生育 せいいく 不良 ふりょう 、収穫 しゅうかく 減少 げんしょう などの生育 せいいく 障害 しょうがい の原因 げんいん になっていると考 かんが えられているダイズシストセンチュウ[ 4]
古 ふる くからの在来 ざいらい 種 しゅ ・固定 こてい 種 しゅ が多 おお く現存 げんそん している。両性 りょうせい 花 はな なので自家 じか 受粉 じゅふん 可能 かのう であり、自家 じか 採種 さいしゅ のしやすい植物 しょくぶつ である。その反面 はんめん 、葉 は の黄 き 化 か や生育 せいいく 不良 ふりょう や収穫 しゅうかく 減少 げんしょう などの連作 れんさく 障害 しょうがい を起 お こしやすいため、隔年 かくねん または2年 ねん ごと[ 5] に輪作 りんさく を行 おこ ない、違 ちが う作物 さくもつ を作付 さくづ けし、連作 れんさく を避 さ けるか、連作 れんさく を行 おこ なうために土壌 どじょう 消毒 しょうどく や土壌 どじょう 改善 かいぜん を行 おこな う等 とう の対策 たいさく を練 ね らねばならない。日本 にっぽん 国内 こくない においては、このことが栽培 さいばい 規模 きぼ 拡大 かくだい への障害 しょうがい のひとつとなっている。連作 れんさく 障害 しょうがい にはダイズシストセンチュウ (英語 えいご 版 ばん ) が関与 かんよ していると考 かんが えられている[ 4] 。
それほど耐 たい 湿性 しっせい が高 たか い作物 さくもつ ではないため、稲作 いなさく との輪作 りんさく では水田 すいでん 地形 ちけい 特有 とくゆう の過剰 かじょう な水分 すいぶん や冠水 かんすい などがダイズの生育 せいいく に影響 えいきょう を与 あた えることがある。多 おお くの場合 ばあい 、畝 うね を高 たか く盛 も ることで対応 たいおう するが、アメリカのミシシッピ川 がわ デルタ (英語 えいご 版 ばん ) 地帯 ちたい などの大 だい 規模 きぼ な湿地 しっち 帯 たい の農家 のうか では対応 たいおう が難 むずか しく死活 しかつ 問題 もんだい となる。このため、耐 たい 湿性 しっせい の強 つよ さに着目 ちゃくもく した品種 ひんしゅ の導入 どうにゅう や改良 かいりょう も試 こころ みられている[ 6] 。
ダイズを含 ふく む一部 いちぶ のマメ科 か 植物 しょくぶつ は根 ね に根粒 こんりゅう もしくは茎 くき に茎 くき 粒 つぶ を持 も ち、根粒 こんりゅう 菌 きん という細菌 さいきん が共生 きょうせい している。根粒 こんりゅう 菌 きん は植物 しょくぶつ からリンゴ酸 さん などの効率 こうりつ の良 よ い栄養分 えいようぶん をもらって生活 せいかつ の場 ば を提供 ていきょう してもらう代 か わりに、大気 たいき 中 なか の窒素 ちっそ を植物 しょくぶつ にとって使 つか いやすいアンモニア に転換 てんかん (窒素 ちっそ 固定 こてい )する。窒素 ちっそ は植物 しょくぶつ にとって必須 ひっす 元素 げんそ であり、肥料 ひりょう として取 と り入 い れる成分 せいぶん の一 ひと つであるが、自然 しぜん 界 かい では一部 いちぶ の細菌 さいきん と雷 かみなり などでしか使用 しよう 可能 かのう 形態 けいたい に転換 てんかん できない。根粒 こんりゅう 菌 きん はその能力 のうりょく が高 たか いため、それを持 も つ植物 しょくぶつ は自 みずか ら窒素肥料 ちっそひりょう を作 つく ることができることになり、やせている土地 とち でもよく育 そだ つものが多 おお い[ 7] 。
大豆 だいず はかつては、地力 じりき 涵養 かんよう 作物 さくもつ だと思 おも われてきた。だが、実際 じっさい は大豆 だいず は地力 じりき 消耗 しょうもう 作物 さくもつ であり、子 こ 実 じつ にタンパク質 たんぱくしつ を多 おお く含 ふく むため、多量 たりょう の窒素 ちっそ を必要 ひつよう とするので、大豆 だいず の作付 さくづ けは土壌 どじょう 中 ちゅう の窒素 ちっそ を消耗 しょうもう し地力 じりき の低下 ていか を招 まね く。稲 いね わらのみのすき込 こ みの場合 ばあい 、大豆 だいず 1作 さく の窒素 ちっそ 消耗 しょうもう 量 りょう は水稲 すいとう 6作 さく 分 ぶん の窒素 ちっそ 消耗 しょうもう 量 りょう に匹敵 ひってき する。地力 じりき 窒素 ちっそ の維持 いじ のためには、水稲 すいとう 作 さく との輪作 りんさく が必要 ひつよう である。大豆 だいず の生育 せいいく に使 つか われる窒素 ちっそ は、その3割 わり が地力 じりき 由来 ゆらい 、6割 わり が根粒 こんりゅう 菌 きん 由来 ゆらい 、1割 わり が施肥 せひ 由来 ゆらい と言 い われている[ 8] 。
大豆 だいず は肥料 ひりょう がいらない作物 さくもつ だと思 おも われがちだが、実 じつ は肥沃 ひよく な土 ど で栽培 さいばい しないと収量 しゅうりょう が上 あ がらない。特 とく に根粒 こんりゅう 菌 きん が固定 こてい した窒素 ちっそ の供給 きょうきゅう が盛 さか んになるのは発芽 はつが 後 ご 4週間 しゅうかん からなので、それまでの栄養分 えいようぶん を補 おぎな ってやる必要 ひつよう がある。共生 きょうせい 成立 せいりつ までの過程 かてい に於 お いて、Nodファクターと受容 じゅよう 体 たい による経路 けいろ [ 9] [ 10] とIII型 がた 分泌 ぶんぴつ 系 けい による経路 けいろ [ 11] の複数 ふくすう の経路 けいろ があることが解明 かいめい されている。
大豆 だいず は20世紀 せいき 初頭 しょとう までは、東 ひがし アジア に限 かぎ られた主 おも に食用 しょくよう の作物 さくもつ であった。20世紀 せいき に入 はい り満 まん 鉄 てつ が満州 まんしゅう において「満州 まんしゅう 大豆 だいず 」など大豆 だいず の品種 ひんしゅ 改良 かいりょう や新種 しんしゅ 開発 かいはつ に乗 の り出 だ してから、油 あぶら 糧 かて 作物 さくもつ および飼料 しりょう 作物 さくもつ として世界 せかい に生産 せいさん が広 ひろ まり、世紀 せいき 後半 こうはん には生産 せいさん 量 りょう が急 きゅう 拡大 かくだい した。21世紀 せいき には、大豆 だいず と脱脂 だっし 大豆 だいず を合 あ わせた交易 こうえき 重量 じゅうりょう は長 なが らく世界 せかい 最大 さいだい の交易 こうえき 作物 さくもつ である小麦 こむぎ と並 なら ぶ量 りょう となった[ 12] 。
原産地 げんさんち は東 ひがし アジアである。日本 にっぽん にも自生 じせい しているツルマメ が原種 げんしゅ と考 かんが えられている。
遺伝 いでん 学 がく 的 てき 研究 けんきゅう によれば、東 ひがし アジアの複数 ふくすう の地域 ちいき で野生 やせい ツルマメからの栽培 さいばい 化 か が進行 しんこう し、日本 にっぽん も起源 きげん 地 ち のひとつである[ 13] [ 1] 。2010年代 ねんだい の考古学 こうこがく 的 てき 研究 けんきゅう では、アジアでも他 た の地域 ちいき に先駆 さきが けてダイズの栽培 さいばい 化 か が進行 しんこう した可能 かのう 性 せい が判明 はんめい しており他 ほか の起源 きげん 地 ち は中国 ちゅうごく や朝鮮 ちょうせん 半島 はんとう である[ 14] 。縄文 じょうもん 時代 じだい 中期 ちゅうき 、紀元前 きげんぜん 4000年 ねん 後半 こうはん より日本 にっぽん 列島 れっとう での栽培 さいばい が見 み られることが2015年 ねん の研究 けんきゅう で判明 はんめい し、この時期 じき 以降 いこう に野生 やせい 種 しゅ からの人為 じんい 的 てき な栽培 さいばい に特徴 とくちょう 的 てき な種子 しゅし の大型 おおがた 化 か がみられる[ 13] 。2007年 ねん には、縄文 じょうもん 時代 じだい 後期 こうき 中頃 なかごろ [ 15] 。日本 にっぽん 列島 れっとう においては縄文 じょうもん 時代 じだい においてアズキ やリョクトウ などの炭化 たんか 種実 たねざね が検出 けんしゅつ されているためマメ類 るい の利用 りよう が行 おこな われていたことが判明 はんめい していた。山梨 やまなし 県 けん の酒 さけ 呑場遺跡 いせき から出土 しゅつど した土器 どき のダイズ圧 あつ 痕 こん は蛇体 じゃたい 装飾 そうしょく の把手 とって 部分 ぶぶん から検出 けんしゅつ されており、これは偶然 ぐうぜん 混入 こんにゅう したものではなく意図 いと 的 てき に練 ね りこまれた可能 かのう 性 せい が想定 そうてい されており、その祭祀 さいし 的 てき 意図 いと をめぐっても注目 ちゅうもく されている。
中国 ちゅうごく や日本 にっぽん などでは米 べい ・麦 むぎ ・粟 あわ ・稗 ひえ (ひえ)・豆 まめ (大豆 だいず )が五穀 ごこく として重用 じゅうよう されている。
大豆 だいず 、『成形 せいけい 図説 ずせつ 』の挿絵 さしえ (1804)
ヨーロッパ に伝 つた わったのは18世紀 せいき 、アメリカには19世紀 せいき のことである。ヨーロッパにダイズの存在 そんざい を伝 つた えたのはエンゲルベルト・ケンペル だといわれており、彼 かれ が長崎 ながさき から帰国 きこく した後 のち 、1712年 ねん に出版 しゅっぱん した『廻国 かいこく 奇観 きかん 』において、ダイズ種子 しゅし を醬油 の原料 げんりょう として紹介 しょうかい した。ヨーロッパでは1739年 ねん にフランス での試作 しさく 、アメリカでは1804年 ねん にペンシルベニア州 しゅう での試作 しさく が最初 さいしょ の栽培 さいばい とされている。ベンジャミン・フランクリン の手紙 てがみ の中 なか に、1770年 ねん にイギリス にダイズ種子 しゅし を送 おく る旨 むね が記 しる してある。[要 よう 出典 しゅってん ] ヨーロッパでそれ以前 いぜん にダイズの存在 そんざい を知 し られていなかった理由 りゆう として、既 すで に他 た の豆類 まめるい が栽培 さいばい されていたことや、土壌 どじょう が合 あ わなかったこと、根粒 こんりゅう 菌 きん が土壌 どじょう にない場合 ばあい があったことなどが挙 あ げられている。
このようにダイズの伝搬 でんぱん が遅 おく れたため、英語 えいご 名 めい の「Soy 」は醤油 じょうゆ が語源 ごげん と言 い われる。
ダイズが伝播 でんぱ 後 ご 19世紀 せいき にかけては、アジア 圏 けん 以外 いがい では重要 じゅうよう な作物 さくもつ とはみなされておらず、緑肥 りょくひ や飼料 しりょう 作物 さくもつ としての生産 せいさん に留 とど まっていた。20世紀 せいき に入 はい り搾油 さくゆ 用 よう の需要 じゅよう が拡大 かくだい していった。ヘンリー・フォード は、油脂 ゆし の採取 さいしゅ 、繊維 せんい ・プラスチックの開発 かいはつ 目的 もくてき で大豆 だいず 農園 のうえん を経営 けいえい していた。作物 さくもつ (油 あぶら 糧 かて 作物 さくもつ )として注目 ちゅうもく されるようになったのは1920年代 ねんだい 以降 いこう であり、ヨーロッパで食料 しょくりょう として初 はじ めて収穫 しゅうかく されたのは1929年 ねん とされる。アメリカで本格 ほんかく 的 てき にダイズが栽培 さいばい されるようになったのは、1915年 ねん にワタミハナゾウムシ (英語 えいご 版 ばん ) の侵入 しんにゅう によってアメリカ南部 なんぶ の綿花 めんか が大 だい 打撃 だげき を受 う け、それまでアメリカの製油 せいゆ 業 ぎょう の中心 ちゅうしん であった綿実油 めんじつゆ が不足 ふそく してからである。ワタに代 か わる新 あら たな製油 せいゆ 材料 ざいりょう として、それまでも徐々 じょじょ に栽培 さいばい を拡大 かくだい させてきたダイズは一気 いっき に脚光 きゃっこう を浴 あ びることとなった。1920年代 ねんだい には製油 せいゆ 用 よう や飼料 しりょう 用 よう としての需要 じゅよう の高 たか まりにより、さらに大 だい 規模 きぼ に栽培 さいばい されるようになった[ 16] 。第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 後 ご 、アメリカは世界 せかい 最大 さいだい の大豆 だいず 生産 せいさん 国 こく となったが、1973年 ねん に大豆 だいず の輸出 ゆしゅつ 規制 きせい を実施 じっし 。大豆 だいず の消費 しょうひ の多 おお くをアメリカからの輸入 ゆにゅう 品 ひん に頼 たよ っていた日本 にっぽん は、輸入 ゆにゅう 国 こく の多様 たよう 化 か を図 はか る必要 ひつよう 性 せい に迫 せま られた。当時 とうじ の田中 たなか 角栄 かくえい 政権 せいけん は、ブラジル で放棄 ほうき されてきた内陸 ないりく 部 ぶ のサバンナ 地帯 ちたい (セラード )に着目 ちゃくもく 、大豆 だいず 生産 せいさん を働 はたら きかけたところ軌道 きどう に乗 の り、2010年代 ねんだい のブラジルはアメリカに匹敵 ひってき する規模 きぼ の大豆 だいず 生産 せいさん 国 こく となった[ 17] 。
タンパク質 たんぱくしつ 含有 がんゆう 量 りょう の高 たか いダイズ種子 しゅし は用途 ようと が広 ひろ く、様々 さまざま な食品 しょくひん の製造 せいぞう に加工 かこう されている。そのタンパク質 たんぱくしつ 以外 いがい の成分 せいぶん である脂質 ししつ からは食用 しょくよう 油 ゆ 以外 いがい にもレシチン などが抽出 ちゅうしゅつ され、利用 りよう されている。
原産地 げんさんち である東 ひがし アジアでは、大豆 だいず (中国 ちゅうごく ・日本 にっぽん )、黄 き 豆 まめ (広東 かんとん 語 ご ・贛語 )と呼 よ ばれている。その他 た の多 おお くの地域 ちいき では、東 ひがし アジアにおける名称 めいしょう とは異 こと なった Soy / Soya 、もしくはそれに類似 るいじ した呼称 こしょう が使 つか われている。この Soy の起源 きげん は日本語 にほんご の醤油 じょうゆ であると考 かんが えられている。その経緯 けいい は、17世紀 せいき にオランダが日本 にっぽん との通商 つうしょう をとおして醤油 じょうゆ を soya としてヨーロッパへ紹介 しょうかい したことに遡 さかのぼ る[ 18] 。
英国 えいこく においても、17世紀 せいき の文献 ぶんけん に醤油 じょうゆ を Saio [ 注 ちゅう 1] 、Soy とした記述 きじゅつ が見 み られる。その後 ご 20世紀 せいき に入 はい るまで Soy とは醤油 じょうゆ を意味 いみ する単語 たんご であった。20世紀 せいき に入 はい り、東 ひがし アジア以外 いがい の国 くに で大豆 だいず が主 おも に油 あぶら 糧 かて 作物 さくもつ ・飼料 しりょう 作物 さくもつ として栽培 さいばい ・利用 りよう されるようになり、醤油 じょうゆ の原料 げんりょう であることから英語 えいご では soybean または soya bean 、他 た の国 くに でも同様 どうよう に呼 よ ばれるようになった[ 19] 。
属 ぞく 名 めい Glycine はリンネウス による命名 めいめい である。本属 ほんぞく の命名 めいめい 時 じ 、リンネウスはこの属 ぞく 内 ない の種 たね の一 ひと つが甘 あま い根 ね を持 も つことに気付 きづ いた。この甘味 あまみ に基 もと づいて、ギリシア語 ご で「甘 あま い」を意味 いみ する γλυκός (glykós ) をラテン語 らてんご 化 か した[ 20] 。本属 ほんぞく 名 めい はアミノ酸 あみのさん のグリシン (Glycine ) とは直接 ちょくせつ の関係 かんけい はない。
リンネウスは著者 ちょしゃ 『植物 しょくぶつ の種 たね 』においてダイズを Phaseolus max という学名 がくめい で記載 きさい した。1917年 ねん 、エルマー・ドリュー・メリル は国際 こくさい 植物 しょくぶつ 命名 めいめい 規則 きそく に従 したが って、ダイズの正 ただ しい学名 がくめい は Glycine max となるべきだ、と主張 しゅちょう した。
大豆 だいず 生産 せいさん の推移 すいい (1961 - 2016)単位 たんい 百 ひゃく 万 まん トン[ 21] 国 くに コード; ISO_3166-1 _alpha-3, oth 86; 他 た 86か国 こく 2016年 ねん の上位 じょうい 8か国 こく で94.82%の生産 せいさん
大豆 だいず の生産 せいさん は20世紀 せいき 初頭 しょとう 、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 前 まえ までは中国 ちゅうごく の特 とく に東北 とうほく 地方 ちほう (満州 まんしゅう 国 こく )が世界 せかい 最大 さいだい の生産 せいさん 国 こく であり、輸出 ゆしゅつ 国 こく であった[ 22] 。大豆 だいず の輸入 ゆにゅう が途絶 とだ えた米国 べいこく では国内 こくない での生産 せいさん へシフトし、満 まん 洲 しゅう で品種 ひんしゅ 改良 かいりょう や新種 しんしゅ 開発 かいはつ を培 つちか ってきた日本 にっぽん を占領 せんりょう 下 か に治 おさ めた戦後 せんご から20世紀 せいき 後半 こうはん にかけて世界 せかい 最大 さいだい の生産 せいさん ・輸出 ゆしゅつ 国 こく となった。21世紀 せいき に入 はい り増加 ぞうか し続 つづ ける需要 じゅよう に呼応 こおう し、ブラジル・アルゼンチン他 た 南米 なんべい 各国 かっこく で生産 せいさん が拡大 かくだい していった。
大豆 だいず は生産 せいさん ・輸出 ゆしゅつ トン数 とんすう ではトウモロコシや小麦 こむぎ には及 およ ばないが、輸出 ゆしゅつ 金額 きんがく ではトウモロコシや小麦 こむぎ を抜 ぬ いて世界 せかい 最大 さいだい の交易 こうえき 作物 さくもつ となっている。米国 べいこく の2017年 ねん の作物 さくもつ 輸出 ゆしゅつ 金額 きんがく の一 いち 位 い は大豆 だいず で216億 おく ドル、二 に 位 い はトウモロコシの91億 おく ドルであった[ 23] 。ブラジルは世界 せかい 最大 さいだい のコーヒー豆 まめ と砂糖 さとう キビの生産 せいさん 国 こく であるが、輸出 ゆしゅつ 金額 きんがく トップは大豆 だいず で190億 おく ドル、砂糖 さとう は104億 おく ドル、コーヒー豆 まめ は48億 おく ドルであった[ 24] 。アルゼンチンでも大豆 だいず 製品 せいひん の輸出 ゆしゅつ 金額 きんがく は脱脂 だっし 大豆 だいず 100億 おく ドル、大 だい 豆油 ご 41億 おく ドル、丸 まる 大豆 だいず 32億 おく ドルの計 けい 173億 おく ドルで2位 い のトウモロコシ42億 おく ドルを大 おお きく引 ひ き離 はな している[ 25] 。
大豆 だいず の主 おも な生産 せいさん 国 こく と生産 せいさん 量 りょう (千 せん トン)[ 26]
-
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2015
2019
世界 せかい
31705
43697
64249
81040
101157
108456
126924
161308
214543
265088
323308
333672
ブラジル
523
1509
9893
15156
18279
19898
25683
32821
51182
68756
97465
114269
アメリカ
23014
30675
42140
48922
57128
52416
59174
75055
83507
90663
106954
96793
アルゼンチン
17
27
485
3500
6500
10700
12133
20136
38290
52675
61447
55264
中国 ちゅうごく
6206
8775
7302
7966
10512
11008
13511
15409
16348
15084
11788
15729
インド
10
14
91
442
1024
2602
5096
5276
8274
12736
8570
13268
パラグアイ
22
41
220
537
1172
1795
2212
2980
3988
7460
8856
8520
カナダ
219
283
367
690
1012
1262
2298
2703
3156
4445
6456
6045
大豆 だいず の主 おも な輸入 ゆにゅう 国 こく と輸入 ゆにゅう 量 りょう (千 せん トン)[ 26]
-
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2015
2019
中国 ちゅうごく
0
0
27
576
0.5
0.9
294
10419
26590
54798
81690
88586
メキシコ
3
102
22
522
1494
897
2232
3985
3714
3772
3890
4851
アルゼンチン
0
0
0
1.8
0.04
0.04
0.1
238
748
1.8
0.5
4548
エジプト
0
0.003
0.002
1
5
25
55
243
574
1752
1764
4257
オランダ
391
1105
1282
3495
2960
4122
5372
5381
4870
3553
3467
4113
ドイツ
1332
2134
3502
3935
2900
2718
2907
3840
3884
3383
3787
3666
日本 にっぽん
1847
3244
3334
4401
4910
4681
4813
4829
4181
3456
3243
3392
大豆 だいず の主 おも な輸出 ゆしゅつ 国 こく と輸出 ゆしゅつ 量 りょう (千 せん トン)[ 26]
-
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2015
2019
ブラジル
75
290
3333
1549
3491
4077
3493
11517
22435
29073
54324
74073
アメリカ
6196
11839
12496
21786
17566
15467
22840
27192
25658
42351
48216
52388
アルゼンチン
0
0
0
2700
2963
3214
2550
4123
9962
13616
11650
10054
パラグアイ
1
0
102
235
710
1411
1270
1796
2972
4659
4576
4901
カナダ
83
29
10
96
105
166
654
771
1181
2776
4247
4013
ウルグアイ
0
0
0
9
6
27
0
0
477
1968
3035
2971
ウクライナ
-
-
-
-
-
-
5
8
175
196
2199
2953
日本 にっぽん は現在 げんざい 大 だい 部分 ぶぶん を輸入 ゆにゅう に頼 たよ っているため、2003年 ねん に世界 せかい 的 てき 不作 ふさく から価格 かかく が高騰 こうとう したときには大 おお きな影響 えいきょう を受 う けた。最大 さいだい の生産 せいさん 国 こく はアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 、次 つ いでブラジル 、アルゼンチン 、中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく と続 つづ く。アメリカの大豆 だいず 生産 せいさん 量 りょう は増減 ぞうげん が激 はげ しいが、近年 きんねん アルゼンチンとブラジルの大豆 だいず 生産 せいさん 量 りょう が大 おお きな伸 の びを示 しめ している。輸出 ゆしゅつ 国 こく は、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ 、カナダ の順 じゅん である。日本 にっぽん の輸入 ゆにゅう 量 りょう は、中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく 、EU 27カ国 かこく に次 つ ぐ世界 せかい 第 だい 3位 い である。中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく では経済 けいざい 成長 せいちょう に伴 ともな う食生活 しょくせいかつ の変化 へんか により消費 しょうひ 量 りょう が増加 ぞうか しており、これからも増 ふ え続 つづ けると見 み られている[ 27] 。
日本 にっぽん 国内 こくない のダイズ生産 せいさん 量 りょう は平成 へいせい 22年度 ねんど で222,800トンであり、県 けん 別 べつ では北海道 ほっかいどう が57,100トンで最大 さいだい 産地 さんち となっており、以下 いか 宮城 みやぎ 県 けん の18,100トン、佐賀 さが 県 けん の17,700トン、福岡 ふくおか 県 けん の16,100トンと続 つづ く。日本 にっぽん でダイズ生産 せいさん 量 りょう が1万 まん トンを超 こ えるのはこの4道県 どうけん のみである[ 28] 。平成 へいせい 26年 ねん では231,800トンであり、県 けん 別 べつ では北海道 ほっかいどう が73,600、以下 いか 宮城 みやぎ 県 けん 19,300, 佐賀 さが 県 けん 15,300、福岡 ふくおか 県 けん 14,300となっている。平均 へいきん 収量 しゅうりょう は、北海道 ほっかいどう (233kg/10a)・佐賀 さが (229kg/10a)・福岡 ふくおか (198kg/10a)の順 じゅん で、収穫 しゅうかく 量 りょう の上位 じょうい の収量 しゅうりょう が多 おお い[ 29] 。
中国 ちゅうごく は世界 せかい の大豆 だいず 生産 せいさん 量 りょう の6割 わり を輸入 ゆにゅう する大 だい 消費 しょうひ 地 ち であるが、その輸入 ゆにゅう 元 もと の3割 わり はアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく となっていた。2018年 ねん 、両国 りょうこく 間 あいだ で貿易 ぼうえき 摩擦 まさつ 問題 もんだい が深刻 しんこく 化 か し、アメリカが中国 ちゅうごく 産品 さんぴん に追加 ついか 関税 かんぜい を掛 か けることを予告 よこく すると、中国 ちゅうごく もアメリカ産 さん 大豆 だいず を含 ふく む報復 ほうふく 関税 かんぜい 対象 たいしょう リストを発表 はっぴょう 。春先 はるさき には大豆 だいず 市場 いちば の価格 かかく が2割 わり 近 ちか く下落 げらく する動 うご きが見 み られた[ 30] 。結果 けっか 的 てき に同年 どうねん 7月 がつ には、アメリカと中国 ちゅうごく で追加 ついか 関税 かんぜい 、報復 ほうふく 関税 かんぜい を掛 か けあう米 べい 中 ちゅう 貿易 ぼうえき 戦争 せんそう (2018年 ねん ) に発展 はってん し、大豆 だいず が経済 けいざい 戦争 せんそう 上 じょう の戦略 せんりゃく 物資 ぶっし の一 ひと つとして注目 ちゅうもく を浴 あ びた。なお、中国 ちゅうごく が大豆 だいず を含 ふく む報復 ほうふく 関税 かんぜい 対象 たいしょう リストを発表 はっぴょう した時点 じてん では、すでにアメリカの農家 のうか は大豆 だいず の作付 さくづ け準備 じゅんび が終 お わっており、今後 こんご 、中国 ちゅうごく の需要 じゅよう を見込 みこ んだアメリカ産 さん 大豆 だいず の在庫 ざいこ が積 づ み上 あ がり価格 かかく の下落 げらく 圧力 あつりょく となる可能 かのう 性 せい があること、また中国 ちゅうごく の需要 じゅよう を満 み たすため各国 かっこく の作付 さくづ け面積 めんせき が増 ふ やすなど、国際 こくさい 的 てき な大豆 だいず の生産 せいさん 消費 しょうひ に大 おお きな変化 へんか が生 しょう じることが予想 よそう されている[ 31] 。
2007年 ねん のダイズ(丸 まる 大豆 だいず )の世界 せかい 消費 しょうひ は、大 だい 豆油 ご と脱脂 だっし 大豆 だいず (ミール) への分離 ぶんり 加工 かこう 用 よう が87%と圧倒的 あっとうてき 多数 たすう を占 し め、ついで飼料 しりょう 用 よう が7%、食用 しょくよう が6%であった[ 32] 。また、油分 ゆぶん 分離 ぶんり 後 ご の脱脂 だっし 大豆 だいず は、高 こう タンパクの飼料 しりょう として価値 かち が高 たか く、世界 せかい の穀物 こくもつ 取引 とりひき の中心 ちゅうしん であるシカゴ商品 しょうひん 取引 とりひき 所 しょ にはダイズと大 だい 豆粕 まめかす (大豆 だいず ミール)がともに上場 じょうじょう され、盛 さか んに取 と り引 ひ きされている。
以下 いか は2013年度 ねんど の全 ぜん 世界 せかい の大豆 だいず の需要 じゅよう 供給 きょうきゅう の収支 しゅうし 表 ひょう である。大豆 だいず の総 そう 生産 せいさん 量 りょう は2億 おく 7836万 まん トンで、その38.4%の1億 おく 692万 まん トンが輸出 ゆしゅつ された。輸入 ゆにゅう 量 りょう が1億 おく 209万 まん トン、在庫 ざいこ 変動 へんどう がプラス608万 まん トンであった[ 26] 。
大豆 だいず 需供バランス 2018年 ねん [ 26] (単位 たんい 百 ひゃく 万 まん トン)
総 そう 供給 きょうきゅう 量 りょう 比 ひ
備考 びこう
大豆 だいず 供給 きょうきゅう 量 りょう
345.54
加工 かこう 用 よう 299.49
(86.67%)
油 あぶら 生産 せいさん 55.60 (16.09%)
供給 きょうきゅう 量 りょう 54.76
飼料 しりょう
0.01
0.004%
食用 しょくよう
22.60
6.54%
その他 た
25.67
7.43%
バイオ燃料 ねんりょう 他 ほか
損失 そんしつ
0.005
0.001%
ミール生産 せいさん 179.27 (2013年 ねん )
供給 きょうきゅう 量 りょう 178.91
飼料 しりょう
175.87
65.76%
(2013年 ねん 比 ひ )
その他 た
3.04
1.14%
(2013年 ねん 比 ひ )
飼料 しりょう
22.94
6.64%
食用 しょくよう
10.35
2.99%
種子 しゅし
9.21
2.66%
栽培 さいばい 用 よう
その他 た
1.49
0.43%
損失 そんしつ
5.25
1.52%
以上 いじょう のように大豆 だいず の第 だい 一 いち 次 じ の用途 ようと で最大 さいだい のものは加工 かこう 用 よう 大豆 だいず の85%であり、未 み 加工 かこう 大豆 だいず の食用 しょくよう は4%に達 たっ しない。加工 かこう 用 よう 大豆 だいず から生成 せいせい されるダイズ油 ゆ の食用 しょくよう 分 ぶん 9.1%、醸造 じょうぞう 用 よう などに使 つか われる大 だい 豆粕 まめかす 1.14%を加味 かみ してもヒトの食用 しょくよう は総 そう 生産 せいさん 重量 じゅうりょう の約 やく 14%となっている。一方 いっぽう で飼料 しりょう の用途 ようと では未 み 加工 かこう 大豆 だいず が6.53%、加工 かこう 用 よう 大豆 だいず から搾油 さくゆ された後 のち の副産物 ふくさんぶつ の飼料 しりょう 用 よう 大 だい 豆粕 まめかす が65.76%で合計 ごうけい 72.29%が使 つか われており、重量 じゅうりょう の観点 かんてん から大豆 だいず は重要 じゅうよう な飼料 しりょう 作物 さくもつ のひとつといえる。一方 いっぽう で大豆 だいず の大 だい 部分 ぶぶん が家畜 かちく 飼料 しりょう に使用 しよう されることから、中国 ちゅうごく のように、食料 しょくりょう 安全 あんぜん 保障 ほしょう を確保 かくほ するために家畜 かちく 飼料 しりょう 中 ちゅう の大豆 だいず のシェアを削減 さくげん するよう求 もと める動 うご きもある[ 33] 。
ダイズ油 ゆ のその他 た の利用 りよう は6.53%で、これはバイオマス燃料 ねんりょう や化学 かがく 工業 こうぎょう 用 よう などである。近年 きんねん は加工 かこう 用 よう 大豆 だいず の需要 じゅよう が拡大 かくだい し続 つづ けており、食用 しょくよう の比率 ひりつ は年々 ねんねん 低下 ていか している[ 34] 。
日本 にっぽん 国内 こくない のダイズ消費 しょうひ 量 りょう は2005年度 ねんど に534万 まん 8000トンであり、このうち大 だい 豆油 ご 用 よう が429万 まん 6000トン、食用 しょくよう が105万 まん 2000トンである。ダイズが基幹 きかん 食料 しょくりょう となっている日本 にっぽん では食用 しょくよう 消費 しょうひ の占 し める割合 わりあい が世界 せかい 消費 しょうひ に比 くら べかなり多 おお くなっているが、それでも20%弱 じゃく に過 す ぎない。日本 にっぽん 国内 こくない の食用 しょくよう 消費 しょうひ の内訳 うちわけ は、豆腐 とうふ が49万 まん 6000トンで半数 はんすう 近 ちか くを占 し め、ついで味噌 みそ ・醬油用 よう が17万 まん 1000トン、納豆 なっとう 用 よう が13万 まん 6000トン、煮豆 にまめ や惣菜 そうざい 用 よう が3万 まん 3000トン、その他 た が21万 まん 5000トンとなっている。国産 こくさん 大豆 だいず は食用 しょくよう 消費 しょうひ の21%を占 し めている[ 35] 。
ダイズ のアミノ酸 あみのさん スコア[ 39] [ 40]
大豆 だいず 種子 しゅし はタンパク質 たんぱくしつ ・脂質 ししつ および炭水化物 たんすいかぶつ を豊富 ほうふ に含 ふく んでおり、主 おも にその脂質 ししつ とタンパク質 たんぱくしつ を食用 しょくよう および飼料 しりょう 用 よう に利用 りよう するために大 だい 規模 きぼ に生産 せいさん され利用 りよう されている。サポニンやイソフラボンも含 ふく まれている[ 41] 。
ダイズ種子 しゅし 貯蔵 ちょぞう タンパク質 たんぱくしつ のアミノ酸 あみのさん 残 ざん 基 もと 組成 そせい において、含硫アミノ酸 あみのさん であるメチオニン とシステイン 残 ざん 基 もと が少 すく なく、それらは制限 せいげん アミノ酸 あみのさん となっていると言 い われたことがある。そのため、タンパク質 たんぱくしつ の有効 ゆうこう 利用 りよう 効率 こうりつ を示 しめ すアミノ酸 あみのさん スコア やプロテインスコア を下 さ げていると言 い われていた。
しかし、これらは成長 せいちょう 期 き のラットに基 もと づく数値 すうち であり、その後 ご 、ヒトに基 もと づく数値 すうち に置 お き換 か えられ、具体 ぐたい 的 てき には、大豆 だいず のアミノ酸 あみのさん スコア が1973年 ねん には86点 てん だったものが、1985年 ねん には100点 てん と変更 へんこう された。大豆 だいず は、牛乳 ぎゅうにゅう や卵 たまご と同等 どうとう の良質 りょうしつ なタンパク質 たんぱくしつ であるとの評価 ひょうか を得 え ている[ 42] 。
ダイズから得 え られる大 だい 豆油 ご は、パーム油 ゆ に次 つ ぐ代表 だいひょう 的 てき な食用 しょくよう 油 ゆ であり、大豆 だいず 需要 じゅよう の87%を占 し めている。主要 しゅよう な生産 せいさん 国 こく は、中国 ちゅうごく 、アメリカ、ブラジル、アルゼンチンで、上位 じょうい 5カ国 かこく で8割 わり を占 し める。日本 にっぽん では菜種油 なたねあぶら が好 この まれるため、大 だい 豆油 ご の生産 せいさん 量 りょう は40万 まん トン前後 ぜんこう と菜種油 なたねあぶら の半分 はんぶん 以下 いか に留 と まる。
近年 きんねん では環境 かんきょう 配慮 はいりょ 型 がた の素材 そざい とされる大豆 だいず インキ の原料 げんりょう としての需要 じゅよう も拡大 かくだい している。
残 ざん 渣の大 だい 豆粕 まめかす は醤油 じょうゆ の原料 げんりょう や家畜 かちく の飼料 しりょう 、大豆 だいず ミール として粗 あら タンパク質 たんぱくしつ 源 みなもと に利用 りよう されていたが、最近 さいきん は『ヘルシー』を売 う りにした小麦粉 こむぎこ 代替 だいたい 食品 しょくひん としても拡販 かくはん が進 すす んでいる。
大豆 だいず レシチン
大豆 だいず レシチン は、大 だい 豆油 ご の副産物 ふくさんぶつ で、絞 しぼ ったばかりの大豆 だいず 粗 そ 油 あぶら をろ過 か し、お湯 ゆ を混 ま ぜ、成分 せいぶん を水 みず 側 がわ に移 うつ し遠心分離機 えんしんぶんりき で2層 そう になった油 あぶら を分離 ぶんり 後 ご 、速 すみ やかに水分 すいぶん を乾燥 かんそう させたものである。利用 りよう 用途 ようと としては、化粧 けしょう 品 ひん や食品 しょくひん の乳化剤 にゅうかざい に利用 りよう される[ 43] [ 44] 。
飼料 しりょう 用 よう としては主 おも に大豆 だいず ミール(大 だい 豆粕 まめかす )が利用 りよう される。大豆 だいず はタンパク質 たんぱくしつ 源 げん として良質 りょうしつ で、肉牛 にくぎゅう を肥 こ えさせたり、鳥 とり の産卵 さんらん 率 りつ を上昇 じょうしょう させるのに大 おお きく寄与 きよ している。ただし、含有 がんゆう タンパク質 たんぱくしつ 中 ちゅう のメチオニンやシステイン残 ざん 基 もと 含量が少 すく ないため、タンパク質 たんぱくしつ の有効 ゆうこう 利用 りよう 効率 こうりつ を上 あ げるために、メチオニンやシステインを多 おお く含 ふく む他 ほか の飼料 しりょう と混合 こんごう して利用 りよう されている。飼料 しりょう としての需要 じゅよう は1960年 ねん 頃 ごろ から増加 ぞうか した、理由 りゆう として、飼料 しりょう として大豆 だいず ミールとトウモロコシを1:4の割合 わりあい で配合 はいごう すると家畜 かちく のタンパク質 たんぱくしつ 変換 へんかん 効率 こうりつ が大幅 おおはば に向上 こうじょう することが発見 はっけん されたことと[ 45] 、BSE 問題 もんだい によって飼料 しりょう のタンパク質 たんぱくしつ 源 げん として肉 にく 骨粉 こっぷん の利用 りよう が規制 きせい されたため、肉 にく 骨粉 こっぷん に替 か わるタンパク質 たんぱくしつ 源 げん としてダイズ種子 しゅし の需要 じゅよう は増 ま したためである[ 46] 。
ダイズ種子 しゅし (大豆 だいず )はタンパク質 たんぱくしつ や脂肪 しぼう 、鉄分 てつぶん 、カルシウム など、ミネラル を多 おお く含 ふく む。畑 はたけ の肉 にく と称 しょう されるほどタンパク質 たんぱくしつ が豊富 ほうふ で、調理 ちょうり 法 ほう によっては肉 にく のような食 しょく 感 かん が得 え られるため、戒律 かいりつ によって食肉 しょくにく の扱 あつか いに慎重 しんちょう なイスラム教徒 きょうと などに人気 にんき の食材 しょくざい となっている。
日本 にっぽん では色々 いろいろ な形 かたち に加工 かこう され、利用 りよう されている。まず、大豆 だいず を暗 くら 所 ところ で発芽 はつが させるとモヤシ 、未熟 みじゅく 大豆 だいず を枝 えだ ごと収穫 しゅうかく し茹 ゆ でると枝豆 えだまめ 、さらに育 そだ てて完熟 かんじゅく したら大豆 だいず となる。大豆 だいず を搾 しぼ ると大 だい 豆油 ご 、油 あぶら を絞 しぼ った粕 かす は大 だい 豆粕 まめかす として食用 しょくよう ・醤油 じょうゆ 製造 せいぞう や飼料 しりょう へ、煎 い って粉 こな にするときな粉 こ 、蒸 む した大豆 だいず を麹菌 こうじきん と耐 たい 塩性 えんせい 酵母 こうぼ で発酵 はっこう させると醬油 ・味噌 みそ 、また蒸 む した大豆 だいず を納豆 なっとう 菌 きん で発酵 はっこう させると納豆 なっとう となる。熟 じゅく した大豆 だいず を加水 かすい ・浸漬 しんせき ・破砕 はさい ・加熱 かねつ したものを搾 しぼ ると液体 えきたい は豆乳 とうにゅう 、その残 のこ りはおから 、豆乳 とうにゅう を温 あたた めてラムスデン現象 げんしょう によって液 えき 面 めん に形成 けいせい される膜 まく を湯葉 ゆば 、にがり を入 い れて塩 しお 析 でタンパク質 たんぱくしつ を固 かた めると豆腐 とうふ 、豆腐 とうふ を揚 あ げると「油揚 あぶらあ げ 」「厚 あつ 揚 あ げ 」、焼 や くと「焼 や き豆腐 どうふ 」、凍 こお らせて「凍 し み(高野 たかの )豆腐 とうふ 」となる。代替 だいたい 肉 にく タンパク質 たんぱくしつ 源 げん としても利用 りよう され食肉 しょくにく に似 に た食味 しょくみ の製品 せいひん も作 つく られる。大豆 だいず にはサポニン 等 とう 水溶 すいよう 性 せい の低 てい 分子 ぶんし 化合 かごう 物 ぶつ やタンパク質 たんぱくしつ 性 せい のプロテアーゼ・インヒビターやアミラーゼ・インヒビターやレクチンなども含 ふく まれており、これらの加工 かこう にはそれらの除去 じょきょ の意味 いみ もある。
食用 しょくよう 大豆 だいず の用途 ようと 別 べつ 使用 しよう 量 りょう /1000 t (食料 しょくりょう 産業 さんぎょう 局 きょく 食品 しょくひん 製造 せいぞう 卸売 おろしうり 課 か の推計 すいけい [ 47] )
年 とし
みそ
醤油 じょうゆ
豆腐 とうふ ・油揚 あぶらあ げ
納豆 なっとう
凍豆腐 こおりどうふ
豆乳 とうにゅう
煮豆 にまめ ・惣菜 そうざい
きなこ
その他 た
合計 ごうけい
1997
165
26
494
122
30
3
33
14
132
1,019
1998
162
26
495
128
30
4
33
16
152
1,046
1999
166
30
492
127
29
6
33
17
117
1,017
2000
166
30
492
122
29
7
33
17
114
1,010
2001
149
32
492
129
29
9
33
17
125
1,015
2002
149
35
494
141
29
11
33
17
126
1,035
2003
138
38
494
137
30
19
33
17
128
1,034
2004
139
37
496
139
33
29
33
18
129
1,053
2005
141
40
494
131
33
32
33
18
130
1,052
2006
140
40
492
130
33
30
33
18
130
1,046
2007
139
40
497
130
30
25
33
19
132
1,045
2008
137
39
496
129
29
25
33
19
130
1,037
2009
131
39
490
125
27
29
33
19
100
993
2010
127
39
480
123
26
32
33
19
97
976
2011
126
35
465
122
24
34
31
18
95
950
2012
124
33
450
123
22
40
30
17
93
932
蒸 む した黒豆 くろまめ (黒 くろ 大豆 だいず )を発酵 はっこう させてから乾燥 かんそう させたものは、香 こう 豉(こうし、別名 べつめい :豆 まめ 豉 (ずし))という生薬 きぐすり であり[ 48] [ 49] 、陶 とう 弘 ひろし 景 けい 校 こう 定 じょう による『名医 めいい 別 べつ 録 ろく 』には「豉」として収載 しゅうさい されている[ 48] 。香 こう 豉には発汗 はっかん 作用 さよう 、健 けん 胃 い 作用 さよう があるとされ、香 こう 豉を含有 がんゆう する漢方薬 かんぽうやく には梔 くちなし 子 こ 豉湯、瓜 ふり 蔕 へた 散 ち などがある[ 48] [ 49] 。本来 ほんらい 、黒豆 くろまめ の発酵 はっこう ・乾燥 かんそう 品 ひん を用 もち いるが、現在 げんざい では納豆 なっとう を乾燥 かんそう させたものを代用 だいよう する[ 49] 。
多 おお くのマメ科 か 植物 しょくぶつ の種子 しゅし と同様 どうよう に、ダイズ種子 しゅし 中 ちゅう には、微量 びりょう タンパク質 たんぱくしつ を含 ふく み多様 たよう な機能 きのう を発揮 はっき する。プロテアーゼ ・インヒビター (プロテアーゼ阻害 そがい 剤 ざい ) (トリプシン・インヒビター 、セリンプロテアーゼ ・インヒビター(セルピン ))やアミラーゼ ・インヒビター(Α あるふぁ -グルコシダーゼ阻害 そがい 剤 ざい )やレクチン が含 ふく まれて消化 しょうか を悪 わる くする。
生 なま で大豆 だいず を食 た べると、トリプシン・インヒビターなどにより消化 しょうか 不良 ふりょう で下痢 げり を起 お こすことがある。加熱 かねつ 処理 しょり をすることで変性 へんせい ・失 しつ 活 かつ させて消化 しょうか 吸収 きゅうしゅう 効率 こうりつ を上 あ げている[ 50] 。
大 だい 豆乳 とうにゅう の加熱 かねつ 処理 しょり について、100℃10分間 ふんかん の加熱 かねつ 処理 しょり した大 だい 豆乳 とうにゅう には加熱 かねつ 未 み 処理 しょり 試料 しりょう のトリプシン・インヒビター活性 かっせい の約 やく 34%が残存 ざんそん し、また100℃20分間 ふんかん では約 やく 30%、120℃10分間 ふんかん では約 やく 10%、120℃20分間 ふんかん でも約 やく 5%のトリプシン・インヒビター活性 かっせい が残存 ざんそん した[ 51] 。
黒 くろ 大豆 だいず を95℃で加熱 かねつ した場合 ばあい のトリプシン・インヒビターの活性 かっせい 変化 へんか について、1%のNaCl(食塩 しょくえん )溶液 ようえき 中 ちゅう 、16%のショ糖 とう 溶液 ようえき 中 ちゅう では、いずれも60分 ぶん の加熱 かねつ でトリプシン・インヒビターの70%の活性 かっせい が残存 ざんそん していたが、0.1%の重曹 じゅうそう 溶液 ようえき 中 ちゅう の45分 ぶん の加熱 かねつ でトリプシン・インヒビターの活性 かっせい は完全 かんぜん に失 うしな われた[ 52] 。
納豆 なっとう 菌 きん はトリプシン・インヒビターを分解 ぶんかい するプロテアーゼを作 つく ることができ、それにより消化 しょうか 酵素 こうそ であるトリプシンが正常 せいじょう に機能 きのう して、タンパク質 たんぱくしつ の消化 しょうか 吸収 きゅうしゅう 効率 こうりつ が増大 ぞうだい する。
用途 ようと 別 べつ
蛋白 たんぱく 大豆 だいず =食用 しょくよう
油 あぶら 大豆 だいず =油 あぶら 用 よう
枝豆 えだまめ 用 よう
様々 さまざま な大豆 だいず
豆腐 とうふ の味噌汁 みそしる 。豆腐 とうふ と味噌 みそ はともに大豆 だいず から作 つく られ、日本 にっぽん の食生活 しょくせいかつ の根幹 こんかん を成 な している
インスタント味噌汁 みそしる 。味噌 みそ ・豆腐 とうふ ・油揚 あぶらあ げは、全 すべ て大豆 だいず から作 つく られている
納豆 なっとう
枝豆 えだまめ
現在 げんざい 日本 にっぽん でよく知 し られている大豆 だいず 加工 かこう 食品 しょくひん には以下 いか のようなものがある。
大豆 だいず の原形 げんけい をとどめるもの
乾燥 かんそう 大豆 だいず - 大豆 だいず を保存 ほぞん する際 さい の基本形 きほんけい であり、数時間 すうじかん 以上 いじょう 水 みず にもどしてから調理 ちょうり に用 もち いる。また節分 せつぶん 時 どき のようにそのまま「炒 い り豆 まめ 」にすることも。
煮豆 にまめ - 味 あじ をつけずに煮 に た「水 みず 煮 に 」は調理 ちょうり に用 もち いられる。保存 ほぞん のきく缶詰 かんづめ やレトルトパック に個 こ 装 そう されて市販 しはん もされている。枝豆 えだまめ も参照 さんしょう 。
甘納豆 あまなっとう
大豆 だいず を粉砕 ふんさい したり搾 しぼ ったりしたもの
大 だい 豆油 ご
きな粉 こ
ずんだ - 未 み 成熟 せいじゅく の青 あお い大豆 だいず を茹 ゆ でてから粉砕 ふんさい し、砂糖 さとう または塩 しお を加 くわ え餡 あん 仕立 した てにしたもの
打豆 うちまめ (かち豆 まめ )- 大豆 だいず を粗 あら く粉砕 ふんさい して乾燥 かんそう させたもの。さまざまな調理 ちょうり に用 もち いる。
呉 ご - 水 みず 煮 に した大豆 だいず を摩 ま 砕した状態 じょうたい のもの(豆乳 とうにゅう とおからに分離 ぶんり する前 ぜん 段階 だんかい のもの)
豆乳 とうにゅう - 呉 ご を布 ぬの などで搾 しぼ って得 え られる液体 えきたい
ゆば - 豆乳 とうにゅう を加熱 かねつ して生 しょう じる皮膜 ひまく
豆腐 とうふ - 豆乳 とうにゅう ににがり を加 くわ えて凝固 ぎょうこ させたもの
ごどうふ - 豆乳 とうにゅう に葛粉 くずこ などを加 くわ え、加熱 かねつ して固 がた めたもの
豆汁 ご - 豆乳 とうにゅう を発酵 はっこう させたもの
おから - 呉 ご から豆乳 とうにゅう を搾 しぼ ったあとの皮 かわ や繊維 せんい 質 しつ を中心 ちゅうしん とした残 のこ りの部分 ぶぶん
大豆 だいず ミート - 大豆 だいず を食肉 しょくにく (ミート)のような食 しょく 感 かん に加工 かこう した食材 しょくざい 。ハンバーグ や唐揚 からあ げ などに使 つか われる[ 54] 。
ソイペーパー - 加熱 かねつ 後 ご に潰 つぶ して海苔 のり のように薄 うす く加工 かこう した食材 しょくざい
大豆 だいず を発酵 はっこう させた加工 かこう 食品 しょくひん
ダイズは大豆 だいず オリゴ糖 とう を含 ふく み整 せい 腸 ちょう 作用 さよう がある。大豆 だいず オリゴ糖 とう を関与 かんよ 成分 せいぶん とした特定 とくてい 保健 ほけん 用 よう 食品 しょくひん が許可 きょか されている[ 55] 。
大豆 だいず をよく食 た べる女性 じょせい グループで脳 のう 梗塞 こうそく ・心筋梗塞 しんきんこうそく のリスクが低下 ていか した[ 56] 。疫学 えきがく 調査 ちょうさ では、大豆 だいず の摂取 せっしゅ は肥満 ひまん および閉経 へいけい 後 ご 女性 じょせい で糖尿 とうにょう 病 びょう 発症 はっしょう のリスクが低下 ていか するものの、全体 ぜんたい としては糖尿 とうにょう 病 びょう 発症 はっしょう との関連 かんれん なしとされた[ 57] 。
かつて、デザイナーフーズ計画 けいかく のピラミッドの1群 ぐん に属 ぞく し、ショウガと共 とも に、癌 がん 予防 よぼう 効果 こうか のある食材 しょくざい の第 だい 3位 い として位置 いち づけられていた[ 58] 。2006年 ねん 3月 がつ 27日 にち 、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく の健康 けんこう 専門 せんもん 月刊 げっかん 誌 し 『ヘルス 』による世界 せかい の5大 だい 健康 けんこう 食品 しょくひん が発表 はっぴょう され、スペイン のオリ おり ーブ油 ぶゆ 、日本 にっぽん の大豆 だいず 、ギリシャ のヨーグルト 、インド のダール (豆 まめ 料理 りょうり )、大韓民国 だいかんみんこく のキムチ の5品目 ひんもく が選出 せんしゅつ された。
順天堂大学 じゅんてんどうだいがく の研究 けんきゅう によれば、納豆 なっとう の摂食 せっしょく 頻度 ひんど と月経 げっけい 状態 じょうたい ・月経 げっけい 随伴 ずいはん 症状 しょうじょう は有意 ゆうい の関係 かんけい がみられ、摂食 せっしょく 頻度 ひんど の増加 ぞうか は症状 しょうじょう を軽減 けいげん させている可能 かのう 性 せい があるとしている[ 59] 。
雄 ゆう の2型 がた 糖尿 とうにょう 病 びょう マウスに大豆 だいず サポニン Aグループと大豆 だいず サポニンBグループを別々 べつべつ に投与 とうよ したところ大豆 だいず サポニンBグループに血糖 けっとう 値 ち 上昇 じょうしょう 抑制 よくせい 作用 さよう は認 みと められたが大豆 だいず サポニンAグループにはその作用 さよう は認 みと められなかった[ 60] 。
発酵 はっこう 性 せい 大豆 だいず 食品 しょくひん の摂取 せっしゅ 量 りょう が多 おお いほど総 そう 死亡 しぼう リスクが低 ひく いとの指摘 してき がある[ 61] 。
大豆 だいず はアレルゲンの1つであり、日本 にっぽん のアレルギー原因 げんいん 食物 しょくもつ の全 ぜん 年齢 ねんれい を対象 たいしょう とした調査 ちょうさ 分析 ぶんせき では、大豆 だいず の割合 わりあい は2008年 ねん には全体 ぜんたい の1.5%で11位 い [ 62] 、2017年 ねん の1.6%で10位 い となっている[ 63] [ 64] [ 注 ちゅう 2] 。特定 とくてい 原材料 げんざいりょう に準 じゅん ずるアレルゲンとされ、原材料 げんざいりょう 表示 ひょうじ に可能 かのう な限 かぎ り表示 ひょうじ するよう努 つと めることとなっている[ 65] 。アナフィラキシーショック を起 お こす可能 かのう 性 せい があるため、アトピー や喘息 ぜんそく などアレルギー素因 そいん のある者 もの は注意 ちゅうい が必要 ひつよう である[ 66] [ 67] 。
大豆 だいず イソフラボン とは、大豆 だいず に含 ふく まれるゲニステイン 、ダイゼイン 、グリシテイン などのイソフラボンの総称 そうしょう で、弱 よわ い女性 じょせい ホルモン作用 さよう を示 しめ すことから骨粗鬆症 こつそしょうしょう や更年期 こうねんき 障害 しょうがい の軽減 けいげん が期待 きたい できる[ 68] [ 69] [ 70] 。
イソフラボンはヒトに対 たい する悪影響 あくえいきょう も懸念 けねん されており(詳 くわ しくはイソフラボン を参照 さんしょう )、内閣 ないかく 府 ふ 食品 しょくひん 安全 あんぜん 委員 いいん 会 かい は、食品 しょくひん とサプリメントを合 あ わせた一 いち 日 にち 摂取 せっしゅ 許容 きょよう 量 りょう を、一 いち 日 にち あたり70 - 75mgに設定 せってい している[ 71] 。なお日本人 にっぽんじん の食品 しょくひん 由来 ゆらい の大豆 だいず イソフラボン摂取 せっしゅ 量 りょう は15 - 22mg、多 おお い人 ひと でも40 - 45mg程度 ていど である。
乳 にゅう がん の抑制 よくせい として大豆 だいず 麹 こうじ が注目 ちゅうもく されている。乳 にゅう がんの原因 げんいん としてエストロゲン 過多 かた がある。女性 じょせい ホルモンのエストロゲンは多 おお すぎるとDNAを損傷 そんしょう させ癌 がん 化 か の原因 げんいん となる変異 へんい 原 ばら 性 せい となるが、それを抑制 よくせい する抗 こう 変異 へんい 原 ばら 性 せい が麹 こうじ や大豆 だいず 、特 とく に大豆 だいず 麹 こうじ の発酵 はっこう 食品 しょくひん にあることがわかった。乳 にゅう がん発生 はっせい 率 りつ は西洋 せいよう 諸国 しょこく よりも東洋 とうよう 諸国 しょこく のほうが低 ひく い、これは大豆 だいず の摂取 せっしゅ 量 りょう が関係 かんけい している。東洋 とうよう 人 じん や菜食 さいしょく 主義 しゅぎ 者 しゃ など大豆 だいず を多 おお く食 た べる人々 ひとびと は尿 にょう 中 ちゅう のエストロゲンの排出 はいしゅつ 量 りょう が多 おお い。大豆 だいず イソフラボノイド化合 かごう 物 ぶつ がエストロゲンと似 に た構造 こうぞう を有 ゆう するために同様 どうよう の生理 せいり 作用 さよう をもたらすためだと考 かんが えられる。しかし、大豆 だいず 製品 せいひん の中 なか でも作用 さよう に違 ちが いがあり、非 ひ 発酵 はっこう 大豆 だいず や、発酵 はっこう 大豆 だいず でも納豆 なっとう や醤油 じょうゆ は抗 こう 変異 へんい 原 ばら 性 せい が低 ひく く、味噌 みそ やテンペ の抗 こう 変異 へんい 原 ばら 性 せい が高 たか い。これは麹 こうじ が生産 せいさん するβ べーた -グルコシターゼの活性 かっせい により、イソフラボンの配 はい 糖 とう 体 たい がアグリコン に変化 へんか することが関係 かんけい していると考 かんが えられる。その効果 こうか が大豆 だいず 麹 こうじ の味噌 みそ では効果 こうか が強 つよ く、中 なか でもベータグルコシターゼの活性 かっせい が強 つよ い麹菌 こうじきん は「アグリコン」として流通 りゅうつう している。一方 いっぽう で発酵 はっこう 大豆 だいず でも納豆 なっとう ではβ べーた -グルコシターゼの作用 さよう が弱 よわ く、醤油 じょうゆ では変化 へんか したアグリコンがさらに変化 へんか してしまい抗 こう 変異 へんい 原 ばら 性 せい が低 ひく くなると考 かんが えられる[ 72] 。
イソフラボン摂取 せっしゅ が多 おお い対象 たいしょう 者 しゃ では、認知 にんち 機能 きのう 障害 しょうがい のリスクが高 たか かった。一方 いっぽう で、大豆 だいず 製品 せいひん の摂取 せっしゅ 量 りょう 、豆腐 とうふ 、みそ、納豆 なっとう 、発酵 はっこう 大豆 だいず 食品 しょくひん の摂取 せっしゅ 量 りょう は、認知 にんち 機能 きのう 障害 しょうがい との統計 とうけい 学 がく 的 てき 有意 ゆうい な関連 かんれん は認 みと められなかった[ 73] 。さらに、大豆 だいず の腸 ちょう 内 ない 細菌 さいきん の代謝 たいしゃ 物 ぶつ であるエクオール に認知 にんち 症 しょう リスクを低下 ていか させる可能 かのう 性 せい が報告 ほうこく されている[ 74] 。
生 なま の大豆 だいず には微量 びりょう 含 ふく まれるタンパク質 たんぱくしつ がいくつか存在 そんざい する。その1つにトリプシン・インヒビターがあり、生 せい の大豆 だいず で活性 かっせい がある。生 せい の大豆 だいず を飼料 しりょう としてラットに大量 たいりょう 摂取 せっしゅ させると成長 せいちょう 阻害 そがい や膵臓 すいぞう 肥大 ひだい が起 お こることが報告 ほうこく されている[ 75] 。この膵臓 すいぞう 肥大 ひだい は、腸 ちょう 内 ない で阻害 そがい されるトリプシン を補 おぎな うための膵臓 すいぞう の機能 きのう 亢進 こうしん の結果 けっか として生 しょう じると考 かんが えられる[ 76] 。生 せい の大豆 だいず 粉 こ はラットの膵臓 すいぞう 癌 がん と相関 そうかん するという報告 ほうこく があるが[ 77] 、加熱 かねつ 調理 ちょうり 済 ず みの大豆 だいず 粉 こ の発 はつ ガン性 せい は認 みと められていない[ 78] [ 79] 。ラットに与 あた えられている大豆 だいず の量 りょう は、人間 にんげん が通常 つうじょう 摂食 せっしょく する量 りょう に比 くら べてはるかに大 おお きく[ 80] 、また人間 にんげん は生 なま で大豆 だいず を食 た べず、調理 ちょうり することで微量 びりょう なタンパク質 たんぱくしつ の活性 かっせい は極 きわ めて小 ちい さくなる。別 べつ の研究 けんきゅう において大豆 だいず トリプシンインヒビターをラットとマウスに与 あた えると、短期間 たんきかん (28日間 にちかん )の実験 じっけん において膵臓 すいぞう 肥大 ひだい を起 お こしたが、長期間 ちょうきかん (95週間 しゅうかん )での実験 じっけん では、マウスでは病変 びょうへん は観察 かんさつ されず、ラットでは膵臓 すいぞう 病理 びょうり が観察 かんさつ され、短期間 たんきかん の実験 じっけん での膵臓 すいぞう 肥大 ひだい から長期間 ちょうきかん の病変 びょうへん 形成 けいせい は予測 よそく できないことが報告 ほうこく されている[ 81] 。豚 ぶた に大豆 だいず トリプシン・インヒビターを含 ふく む餌 えさ を与 あた えた研究 けんきゅう では、6週 しゅう 齢 よわい と39週 しゅう 齢 よわい のどちらも膵臓 すいぞう 細胞 さいぼう に影響 えいきょう がなく、血漿 けっしょう 中 ちゅう のコレシストキニン、血清 けっせい アミラーゼ活性 かっせい などにも影響 えいきょう がなかった[ 82] 。またサルについてトリプシン・インヒビターによる膵臓 すいぞう 肥大 ひだい は観察 かんさつ されず、ラット、豚 ぶた 、サルにおいて加熱 かねつ した大豆 だいず 粉 こ や分離 ぶんり 大豆 だいず タンパクによる悪影響 あくえいきょう がなかったことが報告 ほうこく されている。2020年 ねん に公表 こうひょう された多目的 たもくてき コホート研究 けんきゅう で、ヒトの非 ひ 発酵 はっこう 性 せい 大豆 だいず 食品 しょくひん 摂取 せっしゅ 量 りょう と膵がん罹患 りかん リスクが関連 かんれん していることが指摘 してき されたが、発酵 はっこう 性 せい 大豆 だいず 食品 しょくひん 摂取 せっしゅ 量 りょう とは関連 かんれん していないことが指摘 してき されている[ 83] 。トリプシン・インヒビターには、マウスにおいてがんの肺 はい 転移 てんい や肝 かん 転移 てんい を抑制 よくせい したり、がん抑制 よくせい 遺伝子 いでんし の発現 はつげん を高 たか めたり、がんの増殖 ぞうしょく を抑制 よくせい することが報告 ほうこく されており、がんの発生 はっせい 予防 よぼう や治療 ちりょう にその効果 こうか が期待 きたい されている[ 84] 。
BSE 問題 もんだい が顕在 けんざい した結果 けっか 、それまで畜産 ちくさん 飼料 しりょう として利用 りよう されていた肉 にく 骨粉 こっぷん の利用 りよう が規制 きせい され、それに伴 ともな い、肉 にく 骨粉 こっぷん に替 か わるタンパク質 たんぱくしつ 源 げん としてダイズ種子 しゅし の利用 りよう が急激 きゅうげき に増 ふ えた[ 46] 。需要 じゅよう が急増 きゅうぞう したため、南米 なんべい 諸国 しょこく 、特 とく にブラジルやアルゼンチンでの栽培 さいばい が増 ふ えた。その結果 けっか 、アマゾンの熱帯 ねったい 雨林 うりん において、大豆 だいず 生産 せいさん のためのプランテーションの大 だい 規模 きぼ な開発 かいはつ が行 おこな われており、それによる森林 しんりん の消失 しょうしつ が問題 もんだい になっている[ 85] 。
日本 にっぽん においては、節分 せつぶん の日 ひ に炒 い った大豆 だいず をまく「豆撒 まめま き」の風習 ふうしゅう がある。
大豆 だいず の生 なま 豆 まめ を噛 か みつぶし、それを子供 こども の頭 あたま の上 うえ に塗 ぬ るとかんの虫 むし が切 き れるという風習 ふうしゅう が長野 ながの 県 けん 秋山 あきやま 郷 さと 地方 ちほう に伝承 でんしょう されている[ 86] 。
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^ 2018年 ねん の他 ほか のアレルゲンは割合 わりあい の多 おお い順 じゅん に、鶏卵 けいらん 34.7%、牛乳 ぎゅうにゅう 22%、小麦 こむぎ 10.6%、木 こ の実 み 8.2%、落花生 らっかせい 5.1%、果物 くだもの 類 るい 4.5%、魚 さかな 卵 たまご 類 るい 4%、甲殻 こうかく 類 るい 2.9%、ソバ1.8%となっている[ 63] 。
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