真正しんしょう双そう子葉しよう類るい

真正しんしょう双そう子葉しよう類るい
	ヒマワリこのクレードの共有きょうゆう派生はせい形質けいしつである三さん溝みぞ粒つぶ花粉かふん; （Arabis アブラナ科かヤマハタザオ属ぞく）
分類ぶんるい（APG, APG II, APG III）
和名わみょう
	真正しんしょう双そう子葉しよう類るい
英名えいめい
	eudicots, tricolpates
クレード
	本文ほんぶん参照さんしょう;

真正しんしょう双そう子葉しよう類るい（しんせいそうしようるい、英語えいご：eudicots、eudicotyledons）は、被子植物ひししょくぶつのクレード（単たん系統けいとう群ぐん）のひとつで、従来じゅうらい^[いつ?]の「双そう子葉しよう類るい」（側がわ系統けいとう群ぐんとされる）の中なかで、単たん子葉しよう類るい（単たん系統けいとう群ぐん）と姉妹しまい群ぐんをなすグループである。

すなわち、従来じゅうらいの双そう子葉しよう類るいの中なかから、単たん子葉しよう類るいが分岐ぶんきする前まえに分岐ぶんきした古ふるいグループを除のぞいたもの。分子ぶんし系統けいとう解析かいせきに基もとづくAPG植物しょくぶつ分類ぶんるい体系たいけいで分類ぶんるい階級かいきゅうのないクレードとして名称めいしょうがつけられている。

概要がいよう[編集へんしゅう]

DoyleとHotton（1991年ねん）により提唱ていしょうされた。単たん子葉しよう類るいが原始げんし的てきな双そう子葉しよう類るいから進化しんかしたとの推測すいそくは古ふるくからあったが、Doyleらは花粉かふんの構造こうぞうなどの形質けいしつに基もとづき、被子植物ひししょくぶつから従来じゅうらいの双そう子葉しよう類るいの一部いちぶと単たん子葉しよう類るいとを除のぞいたものが単たん系統けいとう群ぐんとしてまとまると考かんがえた（Doyleらによればこの一部いちぶの双そう子葉しよう類るいには主要しゅようなグループとしてモクレン類るいが含ふくまれる）。

別名べつめいとして三さん溝みぞ粒つぶ類るい（さんこうりゅうるい Tricolpates）とも呼よばれるが、これは花粉かふんの発芽はつが溝みぞまたは発芽はつが孔あなが基本きほん的てきに3個こある (tricolpate) という意味いみである（二に次じ的てきに数かずが変かわったものもある）。原始げんし的てき双そう子葉しよう類るいと単たん子葉しよう類るいはこれが基本きほん的てきには1個いっこ（単たん溝みぞ粒つぶ）であり、この形質けいしつは裸子植物らししょくぶつとも共通きょうつうで、共有きょうゆう原始げんし形質けいしつと考かんがえられる。1990年代ねんだいには分子ぶんし系統けいとう学がくの立場たちばからも、この考かんがえが支持しじされるようになった。

なお真正しんせい双そう子葉しよう類るい以外いがいの双そう子葉しよう類るい（真正しんしょう双そう子葉しよう類るい・単たん子葉しよう類るいを除のぞいた被子植物ひししょくぶつ）を「原始げんし的てき双そう子葉しよう類るい (paleodicots)」と称しょうすることがあるが、これは単たん系統けいとう群ぐんではなく、古ふるい考かんがえ方かた（下記かき）とも紛まぎらわしいのであまり使つかわれない。

真正しんしょう双そう子葉しよう類るいのうちで初期しょきに分化ぶんかしたやや原始げんし的てきな諸もろ群ぐん（ステムグループ）には、キンポウゲ目め、ハス科か、ヤマグルマ科かなどの原始げんし的てきな形質けいしつ状態じょうたい、例たとえば花はなで多数たすうの心しん皮がわが離はなれ生せいしてらせん状じょうに配置はいちする（ストロビロイド説せつで原始げんし的てきとされる）ものや、道管どうかんのないものなどがある。古ふるくはこれらを「原始げんし的てき双そう子葉しよう類るい」のシキミ科か、モクレン科かなどとまとめて「多た心しん皮かわ類るい」と呼よんでいた（クロンキスト体系たいけいのモクレン亜あ綱つなもこれに近ちかい分類ぶんるい）。これは現代げんだい的てきに見みれば多た系統けいとう群ぐんということになる。

このやや原始げんし的てきな諸しょ群ぐんを除のぞいたクレードをcore eudicotsと呼よび、日本語にほんごではコア真正しんせい双そう子葉しよう類るい^[3]、中核ちゅうかく真正しんせい双そう子葉しよう類るい^[1]、あるいは基幹きかん真正しんせい双そう子葉しよう類るい^[2]という。これらは基本きほん的てきには「双そう子葉しよう類るいらしい」形態けいたい（花弁はなびらとがく片へんが分化ぶんかした花はななど）を持もっており（それからさらに進化しんかして無む花はな被ひになったものなどもある）、種たね数すう的てきにも真正しんせい双そう子葉しよう類るいの大だい多数たすうを占しめる。

さらにコア真正しんせい双そう子葉しよう類るいの主要しゅような群ぐんは、バラ類るいとキク類るいの2つに分わかれる。

下位かい分類ぶんるい[編集へんしゅう]

括弧かっこ内ないは第だい2版はんまでの名称めいしょう

真正しんしょう双そう子葉しよう類るい eudicots
- コア真正しんせい双そう子葉しよう類るい core eudicots
  - バラ類るい rosids
    - マメ類るい fabids（真正しんしょうバラ類るいI eurosids I）
    - アオイ類るい malvids（真正しんしょうバラ類るいII eurosids II）
  - キク類るい asterids
    - シソ類るい lamiids（真正しんしょうキク類るいI euasterids I）
    - キキョウ類るい campanulids（真正しんしょうキク類るいII euasterids II）