がんもどき

がんもどき

がんもどきは、豆腐とうふをつぶして、ニンジンやレンコン、ゴボウなどと混まぜて、油あぶらで揚あげた料理りょうり。がんもや飛竜頭ひりょうず（ひりょうず）ともよばれる 。 「雁擬がんもどき」と字じを宛あてて表記ひょうきすることもある。

解説かいせつ

煮付につけ

水気みずけをしぼった豆腐とうふにすったヤマイモ・ニンジン・ゴボウ・シイタケ・コンブ・ギンナンなどを混まぜ合あわせて丸まるく成型せいけいし油あぶらで揚あげたものである。おでんや煮物にものに用もちいられることが多おおい。

元々もともとは精進しょうじん料理りょうりで肉にくの代だい用品ようひんとして作つくられたものである。名前なまえの由来ゆらいは、雁かりの肉にくに味あじを似にせて作つくったから、鳥類ちょうるいの肉にくのすり身みを丸まるめた料理りょうり「丸まる（がん）」に似にせて作つくったから、など諸説しょせつある。

江戸えど時代じだいに書かかれた『豆腐とうふ百ひゃく珍ちん』には尋常じんじょう品ひんとして26品ひんが掲載けいさいされているが、がんもどきはその一品いっぴんとして「飛龍頭ひりょうず」（ひりょうず）の名なで記述きじゅつがある。ただし、『豆腐とうふ百ひゃく珍ちん』に紹介しょうかいされているものによると、江戸えど時代じだいのがんもどきは現代げんだいのように豆腐とうふに具ぐ材ざいを混まぜ込こんで揚あげたものではなく饅頭まんじゅうのように豆腐とうふで具ぐ材ざいの餡あんを包つつんで揚あげたものである。

飛竜頭ひりょうず

ひろうす

がんもどきを飛竜頭ひりょうず（ひりうず、ひろうす、ひりょうず）と呼よぶこともある。語源ごげんはポルトガルのフィリョス（filhós、小麦粉こむぎこと卵たまごを混まぜ合あわせて油あぶらで揚あげたお菓子かし）であるといわれている。