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旅客輸送(りょかくゆそう, Passenger Transport)とは主に、人(旅客)を運ぶことを指す。対義語は貨物輸送。運輸業の一分野であり、「公共交通機関」と呼ばれるものがこれを担う場合が多い。客を運んでいる場合の、乗り物の運転を、旅客運転と呼ぶ。
ある対象を、場所的に移動させるサービス業、即ち運送業の一種で、運送する対象が人間の場合を「旅客運送業」と呼ぶ。具体的には、旅客機(飛行機)・バス・タクシー(自動車)・旅客船(船舶)・旅客列車(鉄道車両)などがその代表例である。これらの旅客運送業は、客を乗せていない間は、運転しても旅客運転に当たらない。
客とは、運送に対する代価的給付として金銭(運賃)を給付する者を指し、無償で運ぶ場合は「客」に当たらない。例えば、家族を自家用自動車やレンタカーで運ぶことや、工場従業員無料送迎バス等は旅客運送には当たらない。従って、運転者の免許は第1種でかまわず、ナンバープレートも事業用自動車(営業)用のものである必要が無い。
日本における旅客輸送
(人数ベース; 2021年)[1]
鉄道 (81.7%)
乗合バス (14.4%)
タクシー (3.5%)
航空 (0.2%)
旅客船 (0.2%)
日本の鉄道には個人所有の「自家用車」が存在しないので、その運転免許である「動力車操縦者」免許には、自動車運転免許での1・2種に当たる区別が無く、直ちに旅客列車の運転に使用出来る。しかしながら、同じ会社の従業員を業務での移動のために列車に乗せるとしても(例えば貨物列車や回送運転に「添乗」する乗務員等)、旅客運転では無い。
日常生活圏を超える移動について、距離別の交通機関シェアは以下の通り。都道府県を超えるものを対象とし、通勤・通学等は除外[3]。
日常生活圏を超える移動における交通機関 旅客輸送シェア(%; 2015年)[1]
移動距離
|
航空 |
鉄道 |
幹線旅客船 |
幹線バス |
乗用車など
|
母集団に 占める割合
|
100km未満 |
N/A |
3 |
N/A |
1 |
95 |
20
|
100-200km |
N/A |
11 |
N/A |
2 |
86 |
45
|
200-300km |
N/A |
16 |
N/A |
3 |
81 |
12
|
300-500km |
2 |
43 |
N/A |
4 |
19 |
12
|
500-700km |
12 |
64 |
N/A |
3 |
11 |
5
|
700-1000km |
43 |
42 |
N/A |
3 |
11 |
3
|
1000km以上 |
87 |
7 |
N/A |
N/A |
5 |
4
|
2018年度の路線別旅客輸送実績は以下の通り。
路線別旅客輸送実績
(2018年度 資料: 国土交通省統計)
順位 |
路線名 |
旅客数 |
座席利用率
|
1位 |
羽田 - 新千歳 |
905万7,780人 |
74.5%
|
2位 |
羽田 - 福岡 |
872万4,502人 |
78.2%
|
3位 |
羽田 - 那覇 |
595万3,185人 |
78.7%
|
4位 |
羽田 - 伊丹 |
547万8,134人 |
77.8%
|
5位 |
羽田 - 鹿児島 |
251万8,809人 |
70.9%
|
6位 |
羽田 - 熊本 |
197万5,558人 |
68.6%
|
7位 |
羽田 - 広島 |
188万2,798人 |
67.6%
|
8位 |
福岡 - 那覇 |
187万9,098人 |
74.9%
|
9位 |
成田 - 新千歳 |
187万6,979人 |
81.9%
|
10位 |
羽田 - 長崎 |
176万5.366人 |
70.4%
|
11位 |
羽田 - 松山 |
157万1,237人 |
69.0%
|
12位 |
中部 - 新千歳 |
150万9,447人 |
70.1%
|
13位 |
羽田 - 宮崎 |
142万4,813人 |
63.0%
|
14位 |
羽田 - 関西 |
127万0,427人 |
72.7%
|
15位 |
羽田 - 高松 |
126万2,184人 |
67.9%
|
16位 |
羽田 - 北九州 |
125万3,158人 |
69.7%
|
17位 |
羽田 - 大分 |
124万0,156人 |
64.5%
|
18位 |
中部 - 那覇 |
119万4,286人 |
76.8%
|
19位 |
伊丹 - 那覇 |
115万4,349人 |
74.1%
|
20位 |
那覇 - 石垣 |
114万7,669人 |
63.1%
|