日本にっぽんのスポーツ

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相撲すもうは、日本にっぽん古来こらいからおこなわれている。隠岐おきうみたいごうふうたたかえ2014ねん1がつ25にち両国りょうこく国技こくぎかんでの1がつ場所ばしょにて。
野球やきゅう日本にっぽんさかんにおこなわれているスポーツであり、とく高校こうこう野球やきゅう国民こくみんてき行事ぎょうじともなっている。2010ねん8がつ7にちだい92かい全国ぜんこく高等こうとう学校がっこう野球やきゅう選手権せんしゅけん大会たいかい九州学院きゅうしゅうがくいん高校こうこうたい松本まつもと工業こうぎょう高校こうこうせん
サッカーは、1993ねん国内こくないプロリーグ開幕かいまくして以降いこうもっと人気にんきのスポーツの1つとなった。2006ねん11月9にち埼玉さいたまスタジアム2002にて。
日本にっぽん発祥はっしょう柔道じゅうどう国外こくがいでも人気にんきがあり、1964ねんからはオリンピックの競技きょうぎとして採用さいようされている。
駅伝えきでん競走きょうそう日本にっぽん発祥はっしょう陸上りくじょう競技きょうぎであり、おも冬季とうきおこなわれる競技きょうぎとして人気にんきたかい。2007ねん1がつ21にちだい12かい全国ぜんこく都道府県とどうふけん男子だんし対抗たいこう駅伝えきでんだい7しん己斐こいきょう (平和へいわ大通おおどお)を力走りきそうする選手せんしゅたち

日本にっぽんのスポーツ(にほんのスポーツ)では、日本にっぽん国内こくないにおけるスポーツ競技きょうぎについて記述きじゅつする。

日本にっぽんではスポーツがおもさかんであり、古来こらいからつづ相撲すもう日本にっぽん国技こくぎわれている。日本にっぽん伝統でんとう武道ぶどうとして柔道じゅうどう剣道けんどう弓道きゅうどう居合いあいどうなどがあり世界せかいてきにも有名ゆうめいである。

歴史れきし[編集へんしゅう]

日本にっぽんでの最古さいこのスポーツは、弓術きゅうじゅつであろうとかんがえられている。蹴鞠けまり飛鳥あすか時代ときよおこなわれていたことがられている。相撲すもう飛鳥あすか時代ときよかそれ以前いぜんからおこなわれていたとかんがえられている[1]鷹狩たかがはモンゴルの風習ふうしゅうつよ影響えいきょうけていて、飛鳥あすか時代ときよからはじまったとされている。

相撲すもうはスポーツというだけではなく、宗教しゅうきょうてき儀式ぎしきである。これは、伝統でんとうてき日本にっぽんのスポーツの特徴とくちょうのひとつである。相撲すもうしきたりおおくは、神道しんとう密接みっせつ関連かんれんしていて、古代こだい相撲すもうなかには純粋じゅんすい宗教しゅうきょう儀式ぎしきもあり、取組とりくみ勝敗しょうはいつうじてかみへの意思いし伝達でんたつおこなであるとされていた。なお、うらないのひとつとしておこなわれる取組とりくみもあり、たとえば、漁師りょうし農民のうみん取組とりくみにて漁師りょうしつと、そのとし豊漁ほうりょうとなるとかんがえられていた。

格闘技かくとうぎおおくは、鎌倉かまくら時代ときよ出発しゅっぱつてんとなっている。弓道きゅうどう文字通もじどお弓矢ゆみや技術ぎじゅつきそうスポーツであり、弓術きゅうじゅつとして一般いっぱんひろまってさむらい娯楽ごらくとなっていた。流鏑馬やぶさめ鎌倉かまくら時代ときよにスポーツとしてはじまったが、現在げんざいでは宗教しゅうきょう儀式ぎしきとなっている。一般いっぱんてきなスポーツとなり、いぬりのたすけとして使つかわれるようになった。りをしてはなしたいぬてるスポーツもあり、犬追物いぬおうものともばれた。

江戸えど時代じだいには、余暇よかたのしむ方法ほうほうとしてスポーツが一般いっぱんおこなわれるようになった。弓道きゅうどう将軍しょうぐん大名だいみょう娯楽ごらくとして奨励しょうれいして、記録きろくきそうだけではなく、大々的だいだいてき競技きょうぎかいとしても開催かいさいされるようになった。1686ねん4がつ26にちには和佐かずさだい八郎はちろうというさむらいが、24あいだで13,053ほんちゅう8,133ほんてるという比類ひるいなき記録きろくつくった。これは京都きょうとさんじゅうさんあいだどうにておこなわれたとおであり、天井てんじょうが2.2メートルしかない120メートルの廊下ろうかまとるというだけでも注目ちゅうもくあたいする。ちなみにオリンピックおこなわれるアーチェリーでは一般いっぱんに70メートルの距離きょり競技きょうぎおこなわれる。柔術じゅうじゅつのような格闘技かくとうぎ一般いっぱんてきであったが、流派りゅうはとの試合しあいおこなわれず、もっぱらおな流派りゅうはないでの試合しあいのみがおこなわれていた。なお、幕末ばくまつ欧米おうべい文化ぶんかれるまで日本にっぽんには「スポーツ」にたる概念がいねんはなかった。

明治維新めいじいしん以降いこう、スポーツは学校がっこう教育きょういく一環いっかんとしてれられた。1901ねん時事新報じじしんぽうしゃ長距離ちょうきょりはしの「にんいちあいだ70マイルはし」を開催かいさい

野球やきゅう1871ねん明治めいじ4ねん)にアメリカからつたえられ、その全国ぜんこく普及ふきゅうし、現在げんざいでもさかんにおこなわれている。日本にっぽん野球やきゅうはまず大学だいがく野球やきゅう人気にんきたかまり、ついで旧制きゅうせい中学校ちゅうがっこうひろがり、1915ねんにはだい1かい全国ぜんこく中等ちゅうとう学校がっこう優勝ゆうしょう野球やきゅう大会たいかいおこなわれている。本格ほんかくてきプロ野球やきゅう1936ねん日本にっぽん職業しょくぎょう野球やきゅう連盟れんめいとしてはじまった。だい世界せかい大戦たいせんまえ学校がっこうあいだでの対抗たいこう試合しあいおおくの人々ひとびと興味きょうみきつけており、日本にっぽんはつのラジオによるスポーツ実況じっきょう中継ちゅうけいおこなわれたのも1927ねんだい13かい全国ぜんこく中等ちゅうとう学校がっこう優勝ゆうしょう野球やきゅう大会たいかいであった。戦後せんごラジオテレビのスポーツ放送ほうそう普及ふきゅうするにつれ、プロ野球やきゅう人気にんきたかまった(野球やきゅう歴史れきし#日本にっぽんにおける野球やきゅう歴史れきし参照さんしょう。)。

野球やきゅうプロレスはテレビでは中心ちゅうしん番組ばんぐみであり、ボクシング相撲すもう定期ていきてき放送ほうそうされていた。当初とうしょは、スポーツをなま中継ちゅうけいしてもたとえ視聴しちょう無料むりょうであれ、おおくの人々ひとびと家庭かているようになるかどうかは懐疑かいぎてきられていた(実際じっさいにはテレビ受像じゅぞう無料むりょうではない。)。しかし、実際じっさいにはスポーツのなま中継ちゅうけいたいする関心かんしんたかまってTVがれるようになるとスポーツのテレビ放送ほうそう一般いっぱんした。

テレビ放送ほうそう定着ていちゃくするにつれて定期ていきてき放送ほうそうされる野球やきゅう相撲すもう・プロレスはさらなる注目ちゅうもくびプロスポーツとして成功せいこうする一方いっぽう放送ほうそうされることのすくないアマチュアスポーツの地位ちい相対そうたいてき低下ていかするという現象げんしょうられるようになる。なお、スポーツはしないが鑑賞かんしょうこのむというそう拡大かくだいしスポーツのビジネスすすんだ。選手せんしゅ活躍かつやくわせビジネスなみをうまくとらえておおきな注目ちゅうもくびた種目しゅもくには、サッカーがあげられる。日本にっぽん国民こくみん認知にんちひくいが、アメリカンフットボールでは本場ほんばアメリカ実力じつりょくゆうする強豪きょうごうこくとしてられている。

20世紀せいきすえから21世紀せいきはいると、国内こくないつねたか人気にんきほこってきたプロ野球やきゅう構造こうぞうてき転換てんかんしょうじてきた(観客かんきゃくのテレビ視聴しちょうから地元じもとチームへのなま観戦かんせんへの移動いどう。)。さらには、ひゃくねん構想こうそう地域ちいき密着みっちゃくという理念りねんかかげ、プロリーグ(Jリーグ)を誕生たんじょうさせたサッカーかいはしはっし、バレーボールバスケットボールラグビー卓球たっきゅうハンドボールフットサル相次あいつぐプロアイスホッケー国際こくさいリーグ創設そうせつアジアリーグアイスホッケー)など、かつてアマチュアスポーツとして注目ちゅうもくひくさになやんだ種目しゅもく改革かいかくはかられ、るスポーツの多様たようすすんでいる。

学校がっこうとスポーツ[編集へんしゅう]

日本にっぽん国内こくないではいかなる年代ねんだいでもスポーツをする機会きかいがあり、地域ちいきなかでも学校がっこうがスポーツのための重要じゅうよう役割やくわりになっている。幼稚園ようちえん小学校しょうがっこうてい学年がくねん児童じどう安価あんかにスポーツクラブにて活動かつどうできる。小学しょうがく5年生ねんせいごろになると、放課後ほうかごクラブ活動かつどう自由じゆう参加さんかできるようになるケースがある。中学校ちゅうがっこう高校こうこうでも学校がっこうのクラブやチームに参加さんかすることができる。アメリカとはことなり、高校こうこう卒業そつぎょうにすぐプロレベルでレギュラーとして活動かつどうをはじめることはまれである。一方いっぽう学校がっこうとはべつ柔道じゅうどう空手からてなど伝統でんとうてき格闘技かくとうぎは、地元じもと道場どうじょう参加さんかすることで4~5さいからはじめることができる。また、20世紀せいき後半こうはんから水泳すいえい体操たいそうといった競技きょうぎでは学校がっこうほか私設しせつのクラブ(スイミングスクールなど。)がエリート教育きょういく重要じゅうよう役割やくわりになっている。こうしたれいではサッカーもプロクラブを頂点ちょうてんとして選手せんしゅ教育きょういく着手ちゃくしゅしており、学校がっこう教育きょういくとはちがったでのスポーツ参加さんか機会きかい拡大かくだいしている。

人気にんきのプロスポーツ[編集へんしゅう]

  2000ねん[¶ 1] 2003ねん[¶ 2] 2006ねん[¶ 3] 2009ねん[¶ 4] 2012ねん[¶ 5] 2015ねん[¶ 6] 2017ねん[¶ 7] 2023ねん[¶ 8]
野球やきゅうNPB 58.1 % 60.0 % 53.7 % 50.8 % 45.9 % 41.7 % 45.2 % 53.1 %
サッカーJ1 17.4 % 28.6 % 23.6 % 21.6 % 30.2 % 29.0 % 25.0 % 24.3 %
テニス N/A N/A N/A N/A N/A 22.4 % 21.7 % 9.9 %
大相撲おおずもう 33.8 % 22.9 % 21.2 % 19.4 % 16.3 % 20.4 % 27.3 % 18.5 %
ゴルフJGTO 11.7 % 14.2 % 13.4 % 15.5 % 16.5 % 14.2 % 13.7 % 10.4 %
カーレースF1 7.8 % 10.4 % 7.1 % 6.8 % 7.6 % 6.5 % 5.2 % 5.4 %
バスケットボールBリーグ N/A N/A N/A N/A N/A N/A 6.0 % 8.9 %
ボクシング 9.2 % 12.4 % 10.1 % 9.1 % 8.4 % 6.4 % 9.2 % 8.7 %
プロレス 5.8 % 8.6 % 5.9 % 3.5 % 3.7 % 3.5 % 3.8 % 4.0 %
  1. ^ だい8かい 人気にんきスポーツ調査ちょうさ”. 2016ねん3がつ8にち閲覧えつらん (PDF)
  2. ^ だい11かい 人気にんきスポーツ調査ちょうさ”. 2016ねん3がつ9にち閲覧えつらん (PDF)
  3. ^ だい14かい 人気にんきスポーツ調査ちょうさ”. 2016ねん3がつ9にち閲覧えつらん (PDF)
  4. ^ だい17かい 人気にんきスポーツ調査ちょうさ”. 2016ねん3がつ9にち閲覧えつらん (PDF)
  5. ^ だい20かい 人気にんきスポーツ調査ちょうさ”. 2016ねん3がつ9にち閲覧えつらん (PDF)
  6. ^ だい23かい 人気にんきスポーツ調査ちょうさ”. 2016ねん3がつ8にち閲覧えつらん (PDF)
  7. ^ だい25かい 人気にんきスポーツ調査ちょうさ”. 2017ねん12月29にち閲覧えつらん (PDF)
  8. ^ だい31かい 人気にんきスポーツ調査ちょうさ”. 2023ねん8がつ10日とおか閲覧えつらん (PDF)

人気にんきスポーツの一覧いちらん[編集へんしゅう]

日本にっぽんにおける伝統でんとうてきなスポーツのおおくは技能ぎのうみがくものであり、対戦たいせん相手あいてのいないスポーツもある。チームスポーツは2つのグループあいだでの試合しあいであり、勝敗しょうはい個々ここ試合しあい結果けっか集計しゅうけいによってまる。スポーツのなかには輸入ゆにゅうされて一般いっぱんしたものがおおく、日本にっぽん競技きょうぎされていないスポーツをつけるのは困難こんなんである[ちゅう 1]一方いっぽう輸入ゆにゅうしたスポーツのいくつかの要素ようそ変更へんこうしてしたあたらしいスポーツも存在そんざいしている。本来ほんらい、スポーツとは西洋せいよう概念がいねんであることから近代きんだい以前いぜん勝敗しょうはいあらそうような身体しんたい活動かつどうたんに「競技きょうぎ」、または戦闘せんとう技術ぎじゅつかんするものは「武術ぶじゅつ」や「武道ぶどう」などとぶことがおおい。

伝統でんとうスポーツ[編集へんしゅう]

輸入ゆにゅうスポーツ[編集へんしゅう]

日本にっぽん起源きげん競技きょうぎ[編集へんしゅう]

日本にっぽんでの「スポーツ」の意味合いみあ[編集へんしゅう]

英語えいごsportssport複数ふくすうがた)をそのおとからカタカナスポーツ表現ひょうげんされる。sportという単語たんご江戸えど時代じだい後期こうき英和えいわ辞典じてんられるが、スポーツという日本語にほんご定着ていちゃくしたのは大正たいしょう年間ねんかんのことである。

明治めいじ以来いらい富国強兵ふこくきょうへい殖産しょくさん興業こうぎょう国策こくさくっていた日本にっぽんでは、あそれるという意味いみのスポーツがおおやけには肯定こうていされず、国民こくみん体育たいいくとしてスポーツが認識にんしきされるようになり、昭和しょうわ初期しょきには原義げんぎとはことなった価値かちかん発展はってんげた。

なお、体育たいいく(すなわちからだ発育はついくうなが教育きょういく)において結果けっかてき運動うんどうともなう「スポーツ」が頻繁ひんぱんもちいられるため体育たいいく=スポーツ、または肉体にくたい運動うんどう=スポーツという価値かちかんつよ根付ねついている。

そのため通勤つうきん自転車じてんしゃという交通こうつう手段しゅだん使用しようすることをスポーツとしょうしたり(ヨーロッパでは1900年代ねんだい前半ぜんはんからロードレースおこなわれている。)、からだ脂肪しぼう燃焼ねんしょうため競技きょうぎ遊戯ゆうぎせい運動うんどう単純たんじゅんエアロビクスダンスなど)をしたことをスポーツとしょうする場合ばあいられる。(エアロビクスダンスは、正式せいしきにルールにのっとった競技きょうぎせいのあるスポーツが存在そんざいする。)

したがってマインドスポーツわれ、欧州おうしゅうでは新聞しんぶんのスポーツめんチェス囲碁いごあつかわれ、国際こくさいスポーツ大会たいかい種目しゅもくになっており、五輪ごりん公式こうしき競技きょうぎ採用さいよう目指めざしているという事実じじつたいしては、日本にっぽんでは違和感いわかんつよい。たとえば、学校がっこうのクラブ活動かつどうで「体育たいいく」には囲碁いごはいらないが、スポーツであれば囲碁いご該当がいとうする。ぎゃく体育たいいく授業じゅぎょうにはスポーツに該当がいとうしないものもあり、からだ発育はついく目的もくてきおこなう、競技きょうぎ遊戯ゆうぎせいともなわない鉄棒てつぼうゆか平均へいきんだいもちいた運動うんどうはスポーツではない。これらをスポーツにしたもの体操たいそう競技きょうぎである。

このような歴史れきしからボウリングカーリング射撃しゃげきけんだまダーツ雪合戦ゆきがっせんおにごっこテレビゲームなど、もととなった英語えいごではスポーツの範疇はんちゅうふくまれるものでも、日本人にっぽんじん想像そうぞうするスポーツの印象いんしょうからははずれるものがおお存在そんざいする。アジアオリンピック評議ひょうぎかいアジア室内しつない競技きょうぎ大会たいかい種目しゅもくとしてコンピュータ・ゲームを「eスポーツ」として採用さいようすること決定けっていしたさいには、JOC日本にっぽんオリンピック委員いいんかい)でさえ「そもそもスポーツとえるのか」と違和感いわかんしめした。

ぞく体育たいいくかいけいしょうされる価値かちかん属性ぞくせいが、いちじるしくスポーツマンシップ逸脱いつだつする場合ばあいがあるのもこの両者りょうしゃ本来ほんらい別物べつものであり、発展はってんした背景はいけいことなっているためである。

日本にっぽんのスポーツ育成いくせい[編集へんしゅう]

スポーツ環境かんきょう[編集へんしゅう]

日本にっぽんではしょ外国がいこく、とりわけヨーロッパ諸国しょこくられるような幼少ようしょう少年しょうねんから青年せいねん成人せいじんいたるまで、所属しょぞく可能かのうなクラブチームは発達はったつしていない。 小学生しょうがくせい以下いか年齢ねんれいそうでは自治体じちたい主催しゅさいする大会たいかいへの出場しゅつじょう目指めざすスポーツクラブでの活動かつどうおおく、中学ちゅうがく高校こうこう大学だいがくといった年齢ねんれいそうでは学校がっこうでの活動かつどう中心ちゅうしんとなり、少年しょうねん青年せいねんのスポーツ活動かつどう自治体じちたい学校がっこう教育きょういく期間きかんささえているという側面そくめんつよい。しかしながら、日本にっぽんのスポーツ環境かんきょう体罰たいばついじめ温床おんしょうとなっており教育きょういく業界ぎょうかいでは問題もんだいされつつある。テニスやゴルフにられるように、IMGなど強大きょうだい政治せいじりょく資金しきんりょく団体だんたいささえる競技きょうぎでは、才能さいのうがあるとみとめられれば少年しょうねんから海外かいがい留学りゅうがくおこなうといった活動かつどう可能かのうではあるが、おおくの競技きょうぎでは活動かつどうたよらざるをない。学校がっこう卒業そつぎょうにスポーツをつづける場合ばあいは、企業きぎょうかかえる実業じつぎょうだん入団にゅうだんするのが一般いっぱんてきである。企業きぎょうによってはなが歴史れきしほこ名門めいもんチームも存在そんざいし、日本にっぽんにおけるたか競技きょうぎせい保有ほゆうする重要じゅうよう位置いちめている。実際じっさいオリンピックなどに出場しゅつじょうする選手せんしゅ大半たいはんは、この実業じつぎょうだんかそれに相当そうとうする団体だんたい所属しょぞく選手せんしゅである。会社かいしゃ就職しゅうしょくするかたちでスポーツをおこなものと、契約けいやくによってチームに所属しょぞくする、実質じっしつプロフェッショナル活動かつどうおこなっているもの存在そんざいする。競技きょうぎによってはプロフェッショナル組織そしき存在そんざいし、その代表だいひょうてきなものがNPBJリーグである。これらの組織そしきはスポーツを興行こうぎょうとしておこなうことで莫大ばくだい収益しゅうえきげ、選手せんしゅはそこで高額こうがく報酬ほうしゅうをもらって活動かつどうおこなっている。

スポーツ支援しえん[編集へんしゅう]

上述じょうじゅつしたように、日本にっぽんにおいては少年しょうねんでは地域ちいきのクラブチームが、青年せいねんでは学校がっこう教育きょういく機関きかんが、成人せいじんでは実業じつぎょうだんまたはプロフェッショナルが個別こべつにスポーツをささえており、幼少ようしょうから成人せいじんにいたるまでの一貫いっかんした育成いくせい計画けいかく構成こうせいされていない。このような体制たいせい弊害へいがいとして、おおきな競技きょうぎりょく実業じつぎょうだん所有しょゆう企業きぎょう業績ぎょうせき悪化あっかにより廃部はいぶとなった場合ばあいなどの救済きゅうさい措置そちおくれや競争きょうそうりょく低下ていかげられる。一方いっぽう中学ちゅうがく高校こうこうでは多忙たぼう教職員きょうしょくいんがチームの顧問こもん兼任けんにんするなど負担ふたんおおきくなっており、早期そうき問題もんだい解決かいけつのぞまれている。

スポーツ費用ひよう[編集へんしゅう]

通常つうじょう各種かくしゅスポーツ協会きょうかい有力ゆうりょく選手せんしゅ強化きょうか選手せんしゅ指定していするなどして遠征えんせい費用ひようなど資金しきんめんから選手せんしゅささえているが、当然とうぜんその団体だんたいもその資金しきん調達ちょうたつする必要ひつようがある。比較ひかくてき国内こくない人気にんきたか競技きょうぎでは資金しきん調達ちょうたつはそれほどむずかしいことではないが、宣伝せんでん効果こうかとぼしい競技きょうぎでは民間みんかんからのスポンサー獲得かくとく困難こんなんであり、くにからの支援しえんたよらざるをない。この場合ばあい資金しきん出所しゅっしょ国民こくみん税金ぜいきんとなるが高額こうがく税金ぜいきん使用しようする場合ばあいは、その用途ようと国民こくみん全体ぜんたい利益りえきかなうことがだい原則げんそくとされている。すなわち、競技きょうぎしゃ競技きょうぎおこな成果せいかおさめることが国民こくみん利益りえきになることを提示ていじしなければならないが、そのような活動かつどう十分じゅうぶんおこなわれているとはいがたい。2009ねん行政ぎょうせい刷新さっしん会議かいぎにおいてスポーツ関係かんけい費用ひよう削減さくげんされたことにたいしてJOCやスポーツ選手せんしゅ抗議こうぎ会見かいけんおこなったが、同様どうよう科学かがく技術ぎじゅつ関係かんけい費用ひよう削減さくげんたいしておこなわれた「8大学だいがく工学こうがくけい研究けんきゅうちょう懇談こんだんかい」による抗議こうぎ会見かいけんすると、国民こくみんやメディアの反応はんのうちいさくなかった。これは、ヨーロッパをはじめスポーツに配分はいぶんする予算よさん比率ひりつ比較的ひかくてきたかくにではスポーツ選手せんしゅ社会しゃかい貢献こうけん活動かつどう福祉ふくし活動かつどう一般いっぱんしており、スポーツ選手せんしゅ自身じしん世論せろん理解りかいるべく活動かつどうおこなっているのにたいし、日本にっぽんではそのような活動かつどう活発かっぱつとはいえないことに起因きいんしているとわれている。競技きょうぎによっては「競技きょうぎじょう」そのものが姿すがたし、競技きょうぎおこなことすら出来できない危機ききてき状態じょうたいおちいこともある。とく冬季とうきスポーツに顕著けんちょであり、相次あいつぐアイスリンクの閉鎖へいさともない、トリノオリンピックきむメダリストフィギュアスケート選手せんしゅ荒川あらかわ静香しずかが、優勝ゆうしょう会見かいけん選手せんしゅ育成いくせいため環境かんきょうととのえることうったえるなどしている。

その状況じょうきょう[編集へんしゅう]

スポーツ立国りっこく戦略せんりゃく

2010ねん8がつ26にち文部もんぶ科学かがくしょうが『スポーツ立国りっこく戦略せんりゃく』を発表はっぴょうした[2]

プロスポーツチームが存在そんざいしない都道府県とどうふけん

2023ねん現在げんざいにおいて、47都道府県とどうふけんでプロスポーツリーグに所属しょぞくしているチームをもたないのは和歌山わかやまけんのみとなっている[3]。かつては宮崎みやざきけんにも存在そんざいしていなかったが、2021ねんテゲバジャーロ宮崎みやざきJリーグJ3)に入会にゅうかいしたため解消かいしょうされた[4]

和歌山わかやまけんにはJリーグ加盟かめい目指めざすクラブの1つである『アルテリーヴォ和歌山わかやま』が存在そんざいしており[ちゅう 2]関西かんさいサッカーリーグ(1)に所属しょぞくしている。さらにバスケットボールでも、和歌山わかやまトライアンズワンリーズ和歌山わかやまが『Bリーグ』への参入さんにゅう目指めざしている[5]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 日本にっぽんスポーツかい重鎮じゅうちんのひとりであるみんあきが「月刊げっかんバスケットボール」のインタビューで「日本にっぽんほどおおくのスポーツが競技きょうぎとしてしたしまれているくに存在そんざいしない」とかたっているほどである。
  2. ^ 2006ねんに「NPO和歌山わかやまからJリーグチームをつくるかい」として正式せいしき発足ほっそく

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 大相撲おおずもう
  2. ^ スポーツ立国りっこく戦略せんりゃく -スポーツコミュニティ・ニッポン-” (PDF). 文部もんぶ科学かがくしょう (2010ねん8がつ26にち). 2012ねん12月4にち閲覧えつらん
  3. ^ “プロスポーツチームをたない2つのけんはどことどこか”. (2016ねん7がつ19にち). https://diamond.jp/articles/-/95842?page=3 2022ねん4がつ11にち閲覧えつらん 
  4. ^ Jリーグ入会にゅうかい (J3) について』(プレスリリース)日本にっぽんプロサッカーリーグ、2020ねん11月22にちhttps://www.jleague.jp/release/post-65253/2020ねん11月22にち閲覧えつらん 
  5. ^ “Bリーグ参入さんにゅう目指めざし しんバスケチーム誕生たんじょう. (2021ねん2がつ28にち). https://www.wakayamashimpo.co.jp/2021/02/20210228_99753.html 2021ねん3がつ9にち閲覧えつらん 

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Stefan Huebner, Pan-Asian Sports and the Emergence of Modern Asia, 1913-1974. Singapore: NUS Press, 2016.

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]