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キジ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
キジ
キジ
キジ(オス) Phasianus versicolor
保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : とりつな Aves
: キジ Galliformes
: キジ Phasianidae
ぞく : キジぞく Phasianus
たね : キジ P. versicolor
学名がくめい
Phasianus versicolor
Vieillot, 1825[1][2]
シノニム

Phasianus colchicus robustipes[3]

和名わみょう
キジ
英名えいめい
Green Pheasant
Japanese Pheasant
亜種あしゅ

キジ(雉子、雉[4][5])は、キジキジキジぞく分類ぶんるいされる鳥類ちょうるい日本にっぽんさん個体こたいぐんのみで独立どくりつしゅ P. versicolor とするせつと、ユーラシア大陸たいりく分布ぶんぷするコウライキジ P. colchicus亜種あしゅとするせつがあり、後者こうしゃせつしたがうと P. colchicus和名わみょうがキジとなりほんたねのみでキジぞく構成こうせいする[6]日本にっぽんとり学会がっかいなどでは2012ねん現在げんざい、Clements Checklistでは2015ねん現在げんざい後者こうしゃ(キジは日本にっぽんやユーラシア大陸たいりく広域こういき分布ぶんぷする単一たんいつしゅ)のせつ採用さいようしている[6][7]以下いか内容ないようはIOC World Bird ListおよびBirdlife Internatinal(IUCN)などが2015ねん現在げんざい採用さいようしている前者ぜんしゃせつ(キジは日本にっぽんにのみ分布ぶんぷする独立どくりつしゅ)にしたがったものとおもわれる[1][8]

日本にっぽんとり学会がっかい選定せんていした国鳥こくちょう[9]であるとともに、国内こくないおおくの自治体じちたいでも「市町村しちょうそんとり」に指定していされている。たね小名しょうみょうversicolor は、ラテン語らてんごで「色変いろがわりの」を意味いみする[4]日本にっぽん古語こごでは「雉子(きぎす)」(10世紀せいき前半ぜんはん成立せいりつの『和名わみょう類聚るいじゅうしょうまきじゅうはちはねぞくめい」での表記ひょうきは、「木々きぎ須」としるす)。

キジやコウライキジは世界中せかいじゅう主要しゅよう狩猟しゅりょうとりとされ、キジにく食用しょくようでもある[10]

分布ぶんぷ

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日本にっぽんでは北海道ほっかいどう対馬つしまのぞ本州ほんしゅう四国しこく九州きゅうしゅう留鳥りゅうちょうとして分布ぶんぷしている[11]日本にっぽんには、東北とうほく地方ちほう生息せいそくするキタキジ、本州ほんしゅう四国しこくだい部分ぶぶん生息せいそくするトウカイキジ、紀伊きい半島はんとうなどに局地きょくちてき生息せいそくするシマキジ、九州きゅうしゅう生息せいそくするキュウシュウキジの4亜種あしゅ自然しぜん分布ぶんぷしていた。ユーラシア大陸たいりく原産地げんさんちであるコウライキジが、もともとキジが生息せいそくしていなかった北海道ほっかいどう対馬つしま南西諸島なんせいしょとうなどに狩猟しゅりょう目的もくてき放鳥ほうちょうされ、野生やせいしている。

形態けいたい

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オスの頭部とうぶ(繁殖はんしょく)

全長ぜんちょうオスが81 cmほど、メスが58 cmほど[11][12]つばさひらきちょうは77 cmほど[11]体重たいじゅうはオスが0.8-1.1 kg、メスが0.6-0.9 kg。コウライキジではもうすこおおきくなる。オスはつばさ尾羽おはのぞからだしょく全体ぜんたいてきうつくしい緑色みどりいろをしており、頭部とうぶ羽毛うもうあお緑色みどりいろで、まわりにあかにくたれがある。褐色かっしょくまだらがある茶色ちゃいろ部分ぶぶんがあり、つばさ尾羽おは茶褐色ちゃかっしょく。メスは全体ぜんたいてき茶褐色ちゃかっしょくで、ヤマドリのメスにているが、ヤマドリメスよりしろっぽいいろをしており、尾羽おはながい。コウライキジのオスはくびしろ模様もようがあり、かんむりからだしょく全体ぜんたいてき茶褐色ちゃかっしょくである。その亜種あしゅあいだによる細部さいぶ差異さいがあるが、もともとメスやひなではコウライキジもふく識別しきべつ困難こんなんであったこともあり、後述こうじゅつとお現在げんざいでは亜種あしゅあいだ交雑こうざつすすみ、現在げんざいはオスもふくめて識別しきべつ困難こんなん状況じょうきょうになっている。キジとコウライキジの交雑こうざつ個体こたいとしては、コウライキジのようにからだしょく茶褐色ちゃかっしょくであるが、コウライキジに特徴とくちょうてき首輪くびわ模様もようがなく、頭部とうぶかんむりがキジ同様どうようあお緑色みどりいろ個体こたいや、ぎゃく全体ぜんたいはキジのようにあお緑色みどりいろであるが、首輪くびわ模様もようのある個体こたい観察かんさつされる。

生態せいたい

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山地さんちから平地ひらちはやし農耕のうこう河川敷かせんしきなどのあかるい草地くさじ生息せいそくしている[4][11][12]地上ちじょうあるき、おもくさ種子しゅしなどの植物しょくぶつせいのものをべるが、昆虫こんちゅうクモなどもべる[11][12]繁殖はんしょくのオスはあか肉腫にくしゅ肥大ひだいし、縄張なわばあらそいのためにあかいものにたいして攻撃こうげきてきになり、「ケーン」と大声おおごえ縄張なわば宣言せんげんをする[13]。そのさい両翼りょうよくひろげて胴体どうたいちつけてブルブル羽音はおとてる動作どうさが、「母衣ほろち(ほろうち)」とばれている[14]。メスは「チョッチョッ」と[13]子育こそだてはメスだけがおこな[5]地面じめんあさってくさいたつく[13]。4-7がつに6-12たまご[4]。オスが縄張なわばりをち、メスは複数ふくすうのオスの縄張なわばりに出入でいりするので乱婚らんこん可能かのうせいたかい。繁殖はんしょくには雌雄しゆう別々べつべつ行動こうどうする[4][13]夜間やかんうえ[13][5]

ぶのは苦手にがてだが、はしるのははや[11]スピードガン測定そくていでは時速じそく32キロメートルを記録きろくした[15]人体じんたい知覚ちかくできない地震じしん初期しょき微動びどう知覚ちかくできるため、人間にんげんよりすうびょうはや地震じしん察知さっちすることができる[11][16]

放鳥ほうちょう

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日本にっぽんのキジは毎年まいとし愛鳥あいちょう週間しゅうかん狩猟しゅりょう期間きかんまえなどの時期じき大量たいりょう放鳥ほうちょうされる。2004ねん平成へいせい16ねんには全国ぜんこくやく10まん放鳥ほうちょうされ、やく半数はんすう鳥獣ちょうじゅう保護ほごきゅうりょうへ、のこ半数はんすうりょう区域くいきはなたれている。2008ねん平成へいせい20ねん)10がつ25にち那須なす御用邸ごようてい天皇てんのう皇后こうごうが、キジとヤマドリ放鳥ほうちょうおこなった[17]放鳥ほうちょうキジにはあしたまきいており、狩猟しゅりょう捕獲ほかくされた場合ばあい報告ほうこくする仕組しくみになっているが、捕獲ほかく報告ほうこくかく都道府県とどうふけんともにすう程度ていどで、一般いっぱんてき養殖ようしょくキジのほとんどが動物どうぶつやワシるいなどに捕食ほしょくされているとかんがえられている。これはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくなどでも同様どうようであり、その原因げんいんとして放鳥ほうちょう場所ばしょ適切てきせつ草木くさきなどキジの生息せいそく環境かんきょうととのえられていないてんげられている。しかしながら、少数しょうすうではあってものこ養殖ようしょくキジはいるため、日本にっぽんもと亜種あしゅあいだ交雑こうざつすすみ、亜種あしゅ消滅しょうめつ懸念けねんするこえもある。北海道ほっかいどう対馬つしまではコウライキジが放鳥ほうちょうされている[11][18]。2002ねん日本にっぽん農作物のうさくもつへの被害ひがいがくは、2,800まんえんほど推定すいていされていて、カラスの41.6おくえん比較ひかくすると少額しょうがくである[19]大豆だいず出芽しゅつが子葉しようべる被害ひがい報告ほうこくされている[20]

亜種あしゅ

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キジとコウライキジの交雑こうざつとみられる個体こたい

以下いか亜種あしゅがある[2]日本にっぽんには地理ちりてき変異へんいによる4亜種あしゅ分布ぶんぷされていたが、放鳥ほうちょうにより亜種あしゅあいだ交配こうはいすす差異さい不明瞭ふめいりょうになってきている[11]以下いか亜種あしゅ記載きさいしゃ記載きさいねん和名わみょう分布ぶんぷ日本にっぽん鳥類ちょうるい目録もくろく 改定かいていだい7はんしたがうが、日本にっぽん鳥類ちょうるい目録もくろく 改定かいていだい7はんではたね P. versicolor ではなくたね P. colchicus としてあつかっており、日本にっぽん国内こくない亜種あしゅ分布ぶんぷいき明瞭めいりょうではなく検討けんとう必要ひつようとしている[6]

Phasianus versicolor versicolor Vieillot, 1825 キュウシュウキジ
本州ほんしゅう南西なんせい九州きゅうしゅう五島列島ごとうれっとう
Phasianus versicolor robustipes Kuroda, 1919 キジ
本州ほんしゅう北部ほくぶ佐渡さどとう
Phasianus versicolor tanensis Kuroda, 1919 シマキジ
本州ほんしゅう伊豆半島いずはんとう紀伊きい半島はんとう三浦半島みうらはんとう)、伊豆いず大島おおしま種子島たねがしま新島にいじま屋久島やくしま
Phasianus versicolor tohkaidi Momiyama, 1922 トウカイキジ
本州ほんしゅう中部ちゅうぶ四国しこく

たね保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか

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東京とうきょうで、レッドリスト指定していけている(絶滅ぜつめつ危惧きぐIBるい北多摩きたたま絶滅ぜつめつ危惧きぐIIるい南多摩みなみたま西多摩にしたまじゅん絶滅ぜつめつ危惧きぐ[21]日本にっぽん鳥獣ちょうじゅう保護ほごほうにより狩猟しゅりょう鳥獣ちょうじゅう指定していされている[22]

文学ぶんがく

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説話せつわ

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俳句はいく短歌たんか和歌わか

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  • 奈良なら時代じだいから「雉」が『万葉集まんようしゅう』で6しゅまれている[14]
  • 徒然草つれづれぐさ』に「満開まんかい紅梅こうばいえだとり一番いちばんえて」との一文いちぶん。このとり鷹狩たかがりの報奨ほうしょうとしての獲物えもののことで、雉はもっとよろこばれた[23]
  • 青山あおやまぬえきぬ さとり 雉はとよむ にわとり にわとりく」 - 『古事記こじき上巻じょうかん歌謡かよう
  • 「むさしの雉子やいかにおもうけぶりのやみにこえまどうなり」 - 『おっと和歌わかしょう』(後鳥羽ごとばいん
  • 父母ちちははの しきりにこいし 雉子のこえ」 - 1688ねん松尾まつお芭蕉ばしょうんだ
  • はる若菜わかなみつつ雉のこえ きけばむかしおもえほゆらくに」 - 『良寛りょうかん歌集かしゅう』(良寛りょうかん
  • 「ものいわじ ちち長柄ながえ人柱ひとばしら かずば雉も たれざらまし」 - 「長柄ながら人柱ひとばしら」にある短歌たんかで、余計よけい一言ひとことわざわいをまねことしめす「キジもかずばたれまい」のことわざ由来ゆらいとなっている。

ことわざなど

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  • 雉のくさがくれ - あたまかくしてしりかくさずとおな意味いみ
  • 多勢たぜい無勢ぶぜい、雉とたか - よわいもの(キジ)とつよいもの(タカ)を対比たいひする言葉ことば
  • の雉子、よるづる - おやおも気持きもちをたとえたもの
  • 雉をえばさんねん古傷ふるきずる - 雉肉は脂肪しぼうつよいので3ねんまえ古傷ふるきずうみをもつ
  • 雉もかずばげきたれまい - 余計よけいなことをったためにみずか不利益ふりえきまねくことのたとえ[24]

しょく

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キジは、とりにく料理りょうりとしていたりたりする料理りょうり食材しょくざいとしてふるくから使用しようされており、四条しじょうりゅう包丁ほうちょうしょには「とりといえば雉のこと也」としるされている。すくなくとも平安へいあん時代じだいごろからしょくされており、雉鍋、すきき、釜飯かまめし、雉そば、雉飯などが伝統でんとうてき調理ちょうりほうである[25]

だいかがみ』(11世紀せいきすえ成立せいりつ)に、藤原ふじわらけんどおり(10世紀せいき)が寝酒ねざけさかな(さかな)に「雉の生肉せいにくこのんだ」こと記述きじゅつされており、高階たかしなぎょうとおがこっそり雉をのがしたはなしている。仏教ぶっきょう普及ふきゅうしている社会しゃかいにあっても、雉肉が美味びみしょくされていたことがわかる。

兼好けんこう法師ほうし随筆ずいひつ徒然草つれづれぐさ』(14世紀せいき前半ぜんはんだい118だんにも、もっと品位ひんいたか食用しょくようとりとして言及げんきゅうされている[26]同書どうしょによれば、中世ちゅうせい日本にっぽんでは天皇てんのう皇后こうごう御湯おゆ殿上てんじょう女官にょかんしょおよび簡易かんいてき調理場ちょうりば)のたなうえに、調理ちょうりまえ死体したい姿すがたくことをゆるされたとりはキジだけだった[26]。ところが、あるとき、後醍醐天皇ごだいごてんのう中宮なかみや正妃せいひ)である西園寺さいおんじ禧子よしこ宮殿きゅうでん御湯おゆ殿上てんじょうたなうえに、キジより品位ひんいおとかり死体したいがそのままの姿すがたかれていた[26]。それをてびっくりしたもと太政大臣だじょうだいじん西園寺さいおんじみのるけん禧子よしこ父親ちちおや)は、むすめ禧子よしこ散々さんざん小言こごとらわせたという[26]

民間みんかん療法りょうほう俗信ぞくしんとして、「癇癪かんしゃくにはキジの黒焼くろやきがく」(山形やまがたけん)、「黒焼くろやきにしろ砂糖さとうぜるとく」(富山とやまけん)、「はねいてるとみみいたみがれる」(愛知あいちけん)など、にくには効能こうのうかれる一方いっぽう、「怪我けがときにキジをべると、怪我けがなおらなくなる・古傷ふるきず悪化あっかする」とする俗信ぞくしんられ、たまごかんしては、「キジのたまごべるとくすりかなくなる」(福岡ふくおかけん)といわれる[27]

その

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桃太郎ももたろう』、『長柄ながえ人柱ひとばしら』など日本にっぽん民話みんわ登場とうじょうし、日本にっぽん野鳥やちょうとして比較的ひかくてき知名度ちめいどたかい。 「ケーン」とく。「けんもほろろ」という言葉ことばは、このごえ由来ゆらいしている。また、「あたまかくしてしりかくさず」ということわざは、くさむらにかくれたつもりになったキジの様子ようす由来ゆらいしている。きしめん語源ごげんには諸説しょせつあるものの、キジにくたいらちのめんにして藩主はんしゅ献上けんじょうしたから、というせつがある。なお、「雉丼」という料理りょうり使つかわれているのは鶏肉とりにく

いちまんえん紙幣しへいDごうけん裏面りめん
  • 元号げんごうの「しろ」はしろいキジが捕獲ほかくされたことを瑞兆ずいちょうとして制定せいていされた。
  • 日本銀行にっぽんぎんこうけんDいちまんえんけん - いちまんえん紙幣しへいDごうけん裏面りめんにキジがえがかれていた。
  • 防衛ぼうえいしょう情報じょうほう本部ほんぶのエンブレムはキジを意匠いしょうとしている。これは桃太郎ももたろうはなしなかでは情報じょうほう収集しゅうしゅう活躍かつやくしており、情報じょうほう本部ほんぶ任務にんむそうつうじることからシンボルにふさわしいためという[28]
  • 「キジをつ」(キジち) - 男性だんせい山中さんちゅう大便だいべん小便しょうべんをする意味いみ隠語いんごとして登山とざんものあいだ使つかわれている。物陰ものかげかくれてよう姿勢しせいがキジりょうおもわせることに由来ゆらいするという[4]。ちなみに女性じょせいは「おはなつまみ」と表現ひょうげんされる。これも女性じょせい用足ようたしのしゃがむ姿すがた草花くさばななかはなんでいる姿すがたえるためである。大便だいべん小便しょうべん区別くべつするさいにはそれぞれ「だいキジ」「しょうキジ」とい、この場合ばあい男女だんじょ関係かんけいない表現ひょうげんとなる[29]
  • ファジアーノ岡山おかやま - 岡山おかやまのサッカーJ2のチーム。ファジアーノはイタリアでキジの意味いみで、地元じもと桃太郎ももたろう伝説でんせつ由来ゆらいする。
  • ファジまる - ファジアーノ岡山おかやまのキジをイメージしたマスコットキャラクター
  • 語源ごげん - 瑰雉のよみからキジとなったことが語源ごげんとするせつがあり、「うつくしいとり」を意味いみする[30]
  • 字源じげん - 「雉」という文字もじは、発音はつおんあらわす「」に意味いみしめす「ふるとり」をみわせた形声けいせい文字もじである[31]。「のようにとり意味いみする」と解釈かいしゃくされることがある[14]が、民間みんかん俗説ぞくせつぎない。
  • ネコキジトラ毛色けいろがメスのキジとていることからの由来ゆらいである。
  • キジのごえ地震じしん予兆よちょうとする俗信ぞくしん全国ぜんこくてきられ[32]、13世紀せいきまつの『ちりぶくろ』にも、「地震じしんかみなりときく」としるされ、『伯耆ほうきこく風土記ふどき』の引用いんようとして、「震動しんどうにわとり雉がく」と記述きじゅつしている[32]。また、キジのゆめ吉兆きっちょうとする地域ちいきとしては、和歌山わかやまけん広島ひろしまけんられるが、ぎゃく青森あおもりけんでは、「キジのゆめるときずをする」といわれる[33]

自治体じちたいとうのシンボル

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  • 日本にっぽん - 1947ねん昭和しょうわ22ねん3月22にち日本にっぽんとり学会がっかい国鳥こくちょうとして選定せんていした。ほうによってさだめられたものではなく、また日本にっぽんとり学会がっかい政府せいふ機関きかんではないため、非公式ひこうしきなものである。国鳥こくちょうえらばれた理由りゆうには、「メスは母性ぼせいあいつよく、ヒナをれてある様子ようす家族かぞく象徴しょうちょうしている」[5]、「オスの姿すがた力強ちからづよ男性だんせいてき」、「日本にっぽん固有こゆうしゅであり、日本にっぽん象徴しょうちょうになっている」、「留鳥りゅうちょうで1ねんちゅう姿すがたることができ,また人里ひとざとちかくに生息せいそくする」、「姿態したい優美ゆうびはねしょくあざやかで,とり関心かんしんひときになれる」、「大型おおがたにくあじい。狩猟しゅりょう対象たいしょうとして日本にっぽんでは好適こうてきで、その狩猟しゅりょうはスポーツとしてたのしめる」、「古事記こじき日本書紀にほんしょきといった文献ぶんけんに、すでにキジの登場とうじょうし、また桃太郎ももたろう登場とうじょうする動物どうぶつとしてどもたちもっている」、といったものであった[34]

市区しく町村ちょうそん

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括弧かっこ表記ひょうきはかつて存在そんざいしていた自治体じちたい

東北とうほく地方ちほう
関東かんとう地方ちほう
中部ちゅうぶ地方ちほう
近畿きんき地方ちほう
中国ちゅうごく地方ちほう
四国しこく地方ちほう
九州きゅうしゅう地方ちほう

脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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  1. ^ a b c BirdLife International. 2015. Phasianus versicolor. The IUCN Red List of Threatened Species 2015: e.T22732650A85075019. . Downloaded on 11 December 2015.
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  3. ^ Phasianus versicolor in Avibase”. 2023ねん5がつ22にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c d e f 鳥類ちょうるい図鑑ずかん (2006)、102-103ぺーじ
  5. ^ a b c d 里山さとやま野鳥やちょうハンドブック (2011)、13ぺーじ
  6. ^ a b c 「キジ」『日本にっぽん鳥類ちょうるい目録もくろく 改訂かいていだい7はん日本にっぽんとり学会がっかい目録もくろく編集へんしゅう委員いいんかいへん日本にっぽんとり学会がっかい、2012ねん、4-5ぺーじ
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  17. ^ 放鳥ほうちょう那須なす御用邸ごようてい”. 宮内庁くないちょう. 2012ねん4がつ3にち閲覧えつらん
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  27. ^ 鈴木すずき 2020, pp. 255–256.
  28. ^ 防衛ぼうえいしょう情報じょうほう本部ほんぶのシンボルマーク”. 防衛ぼうえいしょう. 2012ねん4がつ3にち閲覧えつらん。 “雉子(きぎす)は、昭和しょうわ22ねん国鳥こくちょう指定していされた日本にっぽん特産とくさんとり「キジ」の古語こごであり、つぎのようないいつたえと理由りゆうによりシンボルにえらびました。 雉子きぎす 童話どうわの「桃太郎ももたろう」にてくる雉は、そら高速こうそく飛行ひこうする特性とくせいかして、情報じょうほう収集しゅうしゅう任務にんむとしていました。 また、人体じんたいかんじない微弱びじゃく振動しんどうかんじることができるとわれており、世界せかい情勢じょうせい変化へんか敏感びんかん察知さっちしなければならない、情報じょうほう本部ほんぶ任務にんむそうつうじることからシンボルにふさわしいとかんがえております。”
  29. ^ キジち=トイレ!?意味いみっておどろく「やま用語ようご」ランキング”. gooランキング (2016ねん8がつ11にち). 2021ねん9がつ13にち閲覧えつらん
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参考さんこう文献ぶんけん

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  • 安部あべ直哉なおや野鳥やちょう名前なまえやま溪谷社けいこくしゃやまけい名前なまえ図鑑ずかん〉、2008ねん10がつ1にちISBN 978-4635070171 
  • 江副えぞえ水城みずきとりめいげん』パレード、2010ねん6がつ18にちISBN 978-4434145315 
  • 小宮こみや輝之てるゆき監修かんしゅうへん里山さとやま野鳥やちょうハンドブック』NHK出版しゅっぱん、2011ねん5がつ6にちISBN 978-4140113004 
  • 杉坂すぎさかまなぶ監修かんしゅうへんいろおおきさでわかる野鳥やちょう観察かんさつ図鑑ずかん日本にっぽんられる340しゅへのアプローチ』成美せいびどう出版しゅっぱん観察かんさつ図鑑ずかんシリーズ〉、2002ねん4がつISBN 4415020259 
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  • 中川なかがわ雄三ゆうぞう監修かんしゅうへん『ひとでわかる野鳥やちょう成美せいびどう出版しゅっぱん、2010ねん1がつISBN 978-4415305325 
  • えいつもる安明やすあき へん徒然草つれづれぐさ」『方丈ほうじょう 徒然草つれづれぐさ 正法しょうぼうぞうずい聞記 歎異しょう小学しょうがくかん新編しんぺん日本にっぽん古典こてん文学ぶんがく全集ぜんしゅう 44〉、1995ねん3がつ10日とおかISBN 978-4096580448 
  • 本山もとやま賢司けんじ上田うえだめぐみかい鳥類ちょうるい図鑑ずかん東京書籍とうきょうしょせき、2006ねん7がつISBN 978-4487801282 
  • 鈴木すずき棠三『日本にっぽん俗信ぞくしん辞典じてん 動物どうぶつへん角川かどかわソフィア文庫ぶんこ、2020ねん 
  • 柴田しばた佳秀よしひで ちょ樋口ひぐちひろよし へんまち野山のやま水辺みずべかける野鳥やちょう図鑑ずかん日本文芸社にほんぶんげいしゃ、2019ねん5がつ、53ぺーじISBN 978-4537216851 

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