ワニ

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ワニ
ワニ目
地質ちしつ時代じだい
中生代ちゅうせいだい後期こうきはく亜紀あき - 新生代しんせいだいだいよんかんしん現世げんせい
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
うえつな : 四肢しし動物どうぶつじょうつな Tetrapoda
つな : 爬虫つな Reptilia
つな : そうゆみつな Diapsida
下綱しもつな : しゅりゅうがた下綱しもつな Archosauromorpha
階級かいきゅうなし : にせわにるい Pseudosuchia
上目うわめ : ワニがた上目うわめ Crocodylomorpha
階級かいきゅうなし : しんわにるい Neosuchia
: ワニ Crocodilia
学名がくめい
Crocodilia Owen1842
シノニム
Crocodylia Gmelin1789[1]
和名わみょう
ワニ
英名えいめい
Crocodilians
うえぞく
ワニの骨格こっかく
アメリカアリゲーターの口内こうない
ナイルワニのうろこ拡大かくだい

ワニわに、鱷)は、爬虫つなワニ(ワニもく、学名がくめい: Crocodilia) にぞくする、肉食にくしょくせい水中すいちゅう生活せいかつ適応てきおうした爬虫類はちゅうるい総称そうしょう扁平へんぺいからだかおうえ位置いちする感覚かんかく器官きかんがわかたした四肢しし強靭きょうじん背中せなかおおうろこいたこつなどが特徴とくちょうである。

ワニせいわにるいの1グループとして中生代ちゅうせいだい後期こうきはく亜紀あき出現しゅつげんした。祖先そせんである基盤きばんてきしんわにるい基盤きばんてきせいわにるいよりもさらにはん水棲すいせい生活せいかつ適応てきおうしている。その形態けいたいゆえに、すべての時代じだいとおして、淡水たんすいいき生態せいたいけい生態せいたいピラミッドにおける最高さいこう消費しょうひしゃ地位ちいめてきた動物どうぶつぐんである。

ワニアリゲータークロコダイルガビアルの3分類ぶんるいされる。

進化しんか[編集へんしゅう]

ワニの出現しゅつげんまで[編集へんしゅう]

ワニの基本きほんてきなボディプランは、しんわにるいぞくする後期こうきジュラ紀じゅらきゴニオフォリス時点じてん現生げんなまワニにちかづいていた。ゴニオフォリスはからだ水平すいへい方向ほうこう扁平へんぺいで、四肢しし水平すいへい方向ほうこうびており、すではん水棲すいせい生態せいたい適応てきおうしていた。その派生はせいてきなワニはその生態せいたいてき地位ちい継承けいしょうし、支配しはいてき地位ちいたもつづけている[2]。とはいえしんわにるい現生げんなまワニと比較ひかくして、椎骨ついこつ関節かんせつ安定あんていせい背中せなかうろこいたこつにより阻害そがいされる可動かどうせいひくく、またうち鼻孔びこう完全かんぜんには後退こうたいしていなかった。前期ぜんきはく亜紀あき出現しゅつげんしたせいわにるいしんわにるいなかでも派生はせいてきなグループである。せいわにるい安定あんていせい可動かどうせい向上こうじょうし、またうち鼻孔びこう翼状よくじょうこつなかまで後退こうたいするなど、水棲すいせい適応てきおう進行しんこうさせていた[3]

後期こうきはく亜紀あきには、そのせいわにるいの1グループとしてワニ出現しゅつげんした[4]。ワニ起源きげんについては、ローラシア大陸たいりく起源きげんせつゴンドワナ大陸たいりく起源きげんせつがある。ハイラエオチャンプサアロダポスクスなど基盤きばんてきせいわにるい現在げんざい北米ほくべいヨーロッパから発見はっけんされているためローラシア大陸たいりく起源きげんせつ一般いっぱんてきであったが、ハイラエオチャンプサよりも基盤きばんてきせいわにるい可能かのうせいのあるイシスフォルディアオーストラリアから発見はっけんされており、2013ねん時点じてん結論けつろんていない[3]

K-Pg境界きょうかいえて[編集へんしゅう]

後期こうきはく亜紀あきのうちにワニインドガビアルうえアリゲーターうえクロコダイルうえかれた。これらの三上みかみぞくさない化石かせき分類ぶんるいぐんではボレアロスクスやプリスティカンプススられているが、現生げんなまのワニはすべさんうえのいずれかにぞくする[3]

ワニは唯一ゆいいつ現存げんそんするにせわにるいワニがた上目うわめのグループであるが、はく亜紀あきまつ大量たいりょう絶滅ぜつめつえたワニがた上目うわめはワニだけではない。具体ぐたいてきには、セベクス代表だいひょうされる陸棲りくせいセベコスクスるい英語えいごばん中正ちゅうせいわにるい)と、ディロサウルス英語えいごばん代表だいひょうされるうみ棲のディロサウルス英語えいごばんしんわにるい)の化石かせきが、それぞれふるだい三紀みきはじめしん地層ちそうから産出さんしゅつしている。ワニ絶滅ぜつめつまぬかれた理由りゆうとして淡水たんすいいき生息せいそくしていたことをげる研究けんきゅうしゃもいるが、それではこうした陸棲りくせいうみ棲のワニがた上目うわめびた理由りゆう説明せつめいできない。なぜかれらがび、そしてなぜ恐竜きょうりゅう首長しゅちょうりゅうモササウルスはく亜紀あきまつ絶滅ぜつめつしたかについては、いまだ明確めいかくこたえがていない[3]

たしかなのは、恐竜きょうりゅう絶滅ぜつめつ、そのいた生態せいたいてき地位ちいめるように多様たよう進化しんかげたあと、水辺みずべへまたしやられたということである[5]

形態けいたい[編集へんしゅう]

なが扁平へんぺいながつ。背面はいめん角質かくしつした丈夫じょうぶうろこおおわれており、鼻孔びこうのみが水面すいめんじょう露出ろしゅつするような配置はいちになっている。コビトカイマンニシアフリカコビトワニなどの小型こがたしゅでは、1.5メートルほどで成熟せいじゅくする。大型おおがたしゅでは体重たいじゅう1トンにたっする個体こたい存在そんざいするなど、現生げんなま爬虫類はちゅうるいとしてはさいじゅう一群いちぐんふくむ。

歯槽しそう英語えいごばん唯一ゆいいつ爬虫類はちゅうるいである[6]おなかたちしかたないどうせいで、最大さいだい50かいわる多生たしょうせい[7]

しょくせい天敵てんてき生態せいたい[編集へんしゅう]

現生げんなましゅは、おも魚類ぎょるい甲殻こうかくるい貝類かいるいといった水棲すいせい生物せいぶつや、みずじょうあらわれた爬虫類はちゅうるい哺乳類ほにゅうるいなどを捕食ほしょくする(上述じょうじゅつのように絶滅ぜつめつしゅまでふくめると、非常ひじょう多様たようせいんだ分類ぶんるいぐんで、このしょくせいてはまらないたね相当そうとうすうある)。

非常ひじょうたかい咬合力ごうりょく(いわゆる“ちから”)をもち、うし大腿だいたいこつすら、いとも簡単かんたんくだいてしまうちからがある。以下いかに咬合りょく比較ひかくしめす。

  • アメリカワニ - 最大さいだいで2,125 lbf (9.45 kN)[8]
  • イリエワニ ‐3,700psi[9]。3,689 lbf (16.41 kN)[8]
  • ナイルワニ ‐5,000psiで、BBC Science Focusでは現存げんそんする生物せいぶつ一番いちばんちからつよいとしている[9]
  • 絶滅ぜつめつしたデイノスクスは23,000 lbf (100 kN)と推定すいていされた[10]

この強靭きょうじんあご獲物えものくわえ、からだごと回転かいてんさせるデスロールといわれる仕留しとかたがある。せんったのちは、咀嚼そしゃくせずにまるのみにする。なかには食物しょくもつをすりつぶして消化しょうかたすけとするせきがある[11]。このせきは、「いしべる」習性しゅうせいによってからだまれ砂嚢さのうなかたくわえられる。このいし水中すいちゅう浮力ふりょく調整ちょうせいする機能きのうももつ[12]

ちなみに、絶滅ぜつめつしたたねなかには、雑食ざっしょくであったり、完全かんぜん草食そうしょくだったワニもいる[13]

消化しょうかできないほねなどは、くちからペリットとしてされる[14][15]

また代謝たいしゃりつひくいため、長期間ちょうきかんえさくても脂肪しぼう代謝たいしゃしながら長期間ちょうきかんきられる[16]

大型おおがたナイルワニイリエワニ頂点ちょうてん捕食ほしょくしゃであり、成体せいたいとなればほとん天敵てんてきはいないが、小型こがたオーストラリアワニメガネカイマン大型おおがた肉食にくしょく動物どうぶつジャガーニシキヘビ)におそわれることがある[17]

陸上りくじょう日光浴にっこうよくをしているときは、体温たいおん調節ちょうせつのためにくちおおきくけていることがおおい。ヒトつかまえる場合ばあいうしがわからちかづき背中せなかうえまたいでくちにロープをければ、じるちからおおきいがひらちからはそれほどでもないので無力むりょくすることが出来できる。

臓器ぞうき[編集へんしゅう]

ワニの心臓しんぞう概略がいりゃく
Xせん撮影さつえい検査けんさによるアメリカアリゲーターの呼吸こきゅう様子ようす
循環じゅんかん
心臓しんぞう複雑ふくざつ形状けいじょうとなっており、潜水せんすいにははい動脈どうみゃくはい静脈じょうみゃくへのべんじられ全身ぜんしんへの血管けっかんけられ、空気くうきえる状態じょうたいでははい動脈どうみゃくはい静脈じょうみゃくへのべんけられ全身ぜんしんへの血管けっかんけられる。また、みぎ心室しんしつひだり心室しんしつから動脈どうみゃくパニッツァあな英語えいごばんばれるバイパスでつながれている[18]
筋肉きんにく空気くうきめておくミオグロビンがほとんどないため、体内たいない酸素さんそはすべてヘモグロビンまかなうことになる。ワニのヘモグロビンは、水素すいそイオンとともに炭酸たんさん水素すいそイオンが結合けつごうする部分ぶぶんわせており、動脈血どうみゃくけつ二酸化炭素にさんかたんそ(PaCO2)がえて炭酸たんさん水素すいそイオンが増加ぞうかすると、ヘモグロビンの酸素さんそ親和しんわせい大幅おおはば低下ていかし、ヘモグロビンからおおくの酸素さんそ乖離かいりしてワニの全身ぜんしん供給きょうきゅうできるようになっている[19][20]。また、水中すいちゅうでは心拍しんぱくすう低下ていかする(潜水せんすい反射はんしゃ英語えいごばん)。
呼吸こきゅう
水中すいちゅうでは、のどおくの velum palati と gular fold がじることでみずあやまいんふせ[21]
水中すいちゅうでは鼻孔びこうじるようになっている[22][21]
とりのような一方いっぽう方向ほうこうへの空気くうきながれを使つか気嚢きのうたシステムをワニも[23]

身体しんたい能力のうりょく[編集へんしゅう]

なか地面じめんにつけずに闊歩かっぽするワニ
オーストラリア北部ほくぶダーウィン近郊きんこうアデレードがわ英語えいごばんえさげてイリエワニを水面すいめんからジャンプさせた様子ようす[24]

陸上りくじょうでは鈍重どんじゅうなイメージがあるが、短距離たんきょりならばヒトをしのぐ18 km/h (11 mph)程度ていどはしこともできる[25]。そのはしかたギャロップはしほう英語えいごばんで、これは現生げんなまだと哺乳類ほにゅうるいにしかられないが、非常ひじょう効率こうりつてきはしほうである。これが可能かのうなのは、ワニの脊椎せきついよこ方向ほうこうだけでなく、たて方向ほうこうにも非常ひじょう柔軟じゅうなんであることが関係かんけいしており、いま絶滅ぜつめつした陸棲りくせいしゅりゅうるい(エリスロスクスなど)の運動うんどう能力のうりょくさぐがかりのひとつである[26]

水中すいちゅうでの行動こうどう[編集へんしゅう]

水中すいちゅう移動いどう英語えいごばんおこなうことが可能かのうで、推進すいしんりょくとして左右さゆうり、みず抵抗ていこうとなる手足てあしからだ密着みっちゃくさせて移動いどうする[27]水面すいめんちかくで、水上すいじょうげて周囲しゅうい見渡みわたし、しずかに移動いどうする[28]水中すいちゅうせんれる時間じかん最長さいちょうで1あいだほどである[28]ちから利用りようして水面すいめんじょう垂直すいちょくうしあし水面すいめんすまでがることもできる。

岸辺きしべちかづく動物どうぶつかまえていることがおおい。大型おおがた動物どうぶつ捕獲ほかくしたときには獲物えものをデスロールとばれるからだしん中心ちゅうしんとする回転かいてん運動うんどうおこないながら、拘束こうそくして水中すいちゅうきずり溺死できしさせる[28][29]

イリエワニは最速さいそくで29km/hで水中すいちゅう移動いどうするが、そこまでの速度そくどすのはめずらしい[30]。アメリカワニは32 km/h (20 mph)でおよぐことが可能かのうである[11]

感覚かんかく[編集へんしゅう]

瞳孔どうこうたて細長ほそながい、てるばんそなわっており、くらところでも目視もくし可能かのうである。眼瞼がんけんまぶた)もつが、水中すいちゅうではまどかまくといううすまぶたじて、保護ほごすると同時どうじ水中すいちゅうものやすくする[31][32]乾燥かんそうすると、なみだ分泌ぶんぴつされ乾燥かんそうから保護ほごする(ぞくにいう、ワニのなみだである)。

うしがわには、わかりにくいがみみがある[33]筋肉きんにくうごかすことができるフラップじょう発達はったつした耳殻じかくみみかいがあり、水中すいちゅうでは耳殻じかくじてみみどうみず浸入しんにゅうしないようになっている[34]可聴かちょういきは、100-6000hzであるが、水中すいちゅうでは聴覚ちょうかくより頭蓋とうがいへの振動しんどうおと感知かんちしている[34]聴覚ちょうかくによる音源おんげん特定とくてい能力のうりょくがあり、りょうみみあいだかんによってりょうみみおと感知かんちするズレから音源おんげん特定とくていしているとされる[34]。また、内耳ないじにはすぐれた平衡へいこう感覚かんかくをつかさどる器官きかんがあるほか、磁場じば感知かんちしている可能かのうせい示唆しさされている[34]

嗅覚きゅうかくは、すきはながほとんどうしなわれており、鼻腔びこう以外いがいにおいは感知かんちできないが、100mさき死骸しがいやフェロモンは敏感びんかん察知さっちできる[35]

繁殖はんしょく[編集へんしゅう]

繁殖はんしょくオスメスさそうためにおおきなごえげ、幼体ようたい危険きけんかんじると独特どくとくごえでメスをぶなど、個体こたいあいだのコミュニケーションが発達はったつしており、爬虫類はちゅうるいなかもっと社会しゃかいせいがあるとわれている。メスは産卵さんらんのためにつくり、たまご孵化ふかするまで保護ほごしたり、孵化ふか直後ちょくご幼体ようたい保護ほごしたりする種類しゅるいもある。こうした子育こそだての習性しゅうせいは、ワニるい度重たびかさなる気候きこう変動へんどうびた要因よういんひとつになっている[36]。また、トカゲヘビのようなゆううろこ交尾こうびもちいられるゆうせい生殖せいしょくが1ついはん陰茎いんけいであるのにたいし、ワニではたいさない1ほん陰茎いんけいである。

様々さまざま爬虫類はちゅうるいられるように、ワニでもはい発生はっせい環境かんきょう温度おんどによって性別せいべつ分化ぶんかし、特定とくてい温度おんどたい以外いがいでは片方かたがたせいかたよってしまうというせい決定けってい様式ようしきっている。そのため地球ちきゅう温暖おんだん影響えいきょう性別せいべつのバランスがくずれることが懸念けねんされている。

れいとして、ミシシッピーワニは、33-34℃前後ぜんこう孵化ふかするとすべゆうに、30℃や35℃付近ふきんではほとんどめすとなり、その決定けってい温度おんどセンサータンパク質たんぱくしつTRPV4英語えいごばんイオンチャネル関与かんよする[37]

知能ちのう[編集へんしゅう]

一般いっぱんてき哺乳類ほにゅうるい鳥類ちょうるいよりも愚鈍ぐどんなイメージをたれがちだが、実際じっさいにははるかにたか知能ちのうそなえている。たとえばがしやすい鳥類ちょうるいねらうために、ざいとなりうるえだを、さながら疑似ぎじえさおとりのように使つかってさそ行動こうどう報告ほうこくされている[38]

生息せいそく[編集へんしゅう]

ワニの生息せいそくいき

現生げんなましゅ熱帯ねったいから亜熱帯あねったいにかけて23たね分布ぶんぷし、淡水たんすいいき河川かせん湖沼こしょう)および一部いちぶ海域かいいき海岸かいがんおもとするうみ)に棲息せいそくする。みずじょうからあまりはなれることはないが、必要ひつようせまられればおおくのたねのワニが陸上りくじょう高速こうそく移動いどうできるギャロップはしほう英語えいごばんやバウンド走行そうこうおこな[25]おおくはいまもなおさんじょうころ先祖せんぞおもわせる敏捷びんしょうせいそなえている[疑問ぎもんてん]

イリエワニとアメリカワニはうみ移動いどう可能かのうで、浸透しんとうあつ調整ちょうせいできる塩類えんるいせんつものの、長時間ちょうじかんうみでの活動かつどうてきしておらずうみせいではない[39]絶滅ぜつめつしたたねには、一生いっしょううみごすうみせいワニも存在そんざいした[40]うみせいワニとされるのは、イカノガビアル英語えいごばんマキモサウルスダコサウルスなど複数ふくすう確認かくにんされる。

また、絶滅ぜつめつしているが水中すいちゅう活動かつどうてきさない陸生りくせいワニとしてメコスクスなどがおり、陸上りくじょう恐竜きょうりゅう繁栄はんえいするにつれて陸生りくせいワニが水辺みずべ活動かつどうするように活動かつどう範囲はんい移動いどうさせ、水中すいちゅう適応てきおうする進化しんかげたとかんがえられている[41]

生息せいそくにおいては、つよ縄張なわば意識いしきち、オス同士どうしあらそいをおこな[42]

系統けいとう[編集へんしゅう]

伝統でんとうてきなワニはらわにちゅうわになどの絶滅ぜつめつぐんと、現生げんなましゅふくせいわにふくめていた[1][43]一方いっぽうでワニクラウングループとして定義ていぎする見解けんかいもあり、このせつしたがえばワニせいわにるい下位かいクレードとなる[44]伝統でんとうてきにワニ範囲はんいとされたグループはワニがた(ワニがた)Crocodyliformesとして区別くべつされる[44][45]

下位かい分類ぶんるい[編集へんしゅう]

うえ]ミシシッピワニ(アリゲーター
なか]ナイルワニ(クロコダイル
した]インドガビアル(ガビアル
ワニごとのくち頭蓋とうがい形状けいじょう比較ひかく

現生げんなまのワニはアリゲーター、クロコダイル、ガビアルの3けられることがおおい。このうちガビアルの2くらべて非常ひじょう特異とくい分類ぶんるいぐんとされ、ふる形質けいしつのこしているとも、ぎゃく特殊とくしゅすすんでいるともわれてきた。しかし、形態けいたい形質けいしつ詳細しょうさい比較ひかくさい評価ひょうかから、クロコダイルとガビアルがきんえんであり、ガビアルはクロコダイルふくまれるとするせつもある。

以下いか現生げんなましゅ分類ぶんるいは、ガビアルのぞいてReptile Database (Uetz et al., 2023) にしたが[46]。ガビアルについては中井なかい (2023)・福田ふくだ (2023) にしたがった。和名わみょう中井なかい (2023)・福田ふくだ (2023) を参考さんこうとした[47][48]

アリゲーター Alligatoridae

くちじたさいには、しもあごそとからはえない。鼻面はなづらは、ややまるみをびている(Uがた[49]

クロコダイル Crocodylidae

アリゲーターちがい、くちじたさいしもあごまえから4番目ばんめがいからえる。鼻面はなづらは、ややとがっている(Vがた[49]

ガビアル Gavialidae

クロコダイルふくめるせつもあり[47]。インドガビアルをガビアルとする場合ばあいでもマレーガビアルをクロコダイル分類ぶんるいすることがあるが、分子ぶんし系統けいとう解析かいせきもとづきいずれもガビアルふくめるせつもある[47]鼻面はなづら口吻こうふん非常ひじょう細長ほそなが[49]

人間にんげんとのかかわり[編集へんしゅう]

ヨーロッパの薬局やっきょく頻繁ひんぱんかざられるワニのはくせい[50]ヒュギエイアのはいアスクレピオスのつえられるように爬虫類はちゅうるいいやしのシンボルであり、ワニは異国いこく情緒じょうちょ異国いこくくすりあつかってるようにえることからかざられるようになった[51]

呼称こしょう[編集へんしゅう]

日本語にほんごめい[編集へんしゅう]

中国ちゅうごくとの接触せっしょく以降いこうふる中国ちゅうごくイリエワニかたりであった「わに」という概念がいねん日本にっぽん輸入ゆにゅうされた。『和名わみょう類聚るいじゅうしょう』では「わに」を「かず」とくんじ、

鱉、ゆう四足しそく、喙長さんしゃく、甚利とら及大鹿渡しかわたしすいわにげきみな中断ちゅうだん
スッポン、もしくはなんらかの水生すいせい爬虫類はちゅうるい)に四足しそくあり、ちょう3しゃく非常ひじょうするどい。とらだい鹿しかみずわたると攻撃こうげきし、仕留しとめて

解説かいせつしている。

「わに」というくん語源ごげん諸説しょせつある。

  • うみぬし(わたぬし)の変化へんか。この場合ばあい元々もともとサメしていた可能かのうせいたかい。
  • わりみにく(われにくき)の変化へんか
  • ウィルタアザラシすバーニの転訛てんか[52]

かずわにであることについては、丸山まるやま林平りんぺいが1936ねん国語こくご教材きょうざい説話せつわ文学ぶんがくしん研究けんきゅう』において『邇伝せつ』とだいしたあきらもうけ、かず邇はサメであるとするせつ以下いかさめせつ」)を否定ひていし、かず邇はワニである(以下いかわにせつ」)と断定だんていしている。同書どうしょ要約ようやくしめす。

和名わみょうしょうにある邇は爬虫類はちゅうるいわにで、ほんきょ宣長のりながも『古事記こじきでん』において和名わみょうしょう引用いんようわにせつをとっている。中国ちゅうごくわにかんする記述きじゅつ正確せいかくで、奈良なら時代じだいまつからは西洋せいようじん[ちゅう 1]との接触せっしょくにより正確せいかくわに知識ちしき日本人にっぽんじんっていたとかんがえられる。もり鷗外松村まつむら武雄たけおわにせつである。津田つだ左右吉そうきち邇を海蛇うみへびとしたのはきわめて科学かがくてき態度たいどであるが、トヨタマひめのおさんはなしにある陸上りくじょうはらばいになり、のたうつ動物どうぶつさめのはずはない。ふかがワニとどう語源ごげんとするのは、漢字かんじたいする無知むち物語ものがたるもので、ふか干物ひものぎょのことである。記紀きき邇の別名べつめいとしてサヒモチのかみとあるが、サヒモチはするどいという意味いみで、さめせつ根拠こんきょにはならない。さめせつ根拠こんきょは、日本にっぽんわにがいない、日本にっぽん周辺しゅうへんにワニにおと意味いみかたりがない、出雲いずもさめをワニとぶの3てんである。かつて、日本にっぽんわにがいた可能かのうせいはあるが、いなくてもなんつかえもなく、『因幡いなば白兎しろうさぎ』はあきらかに南方なんぽうから伝播でんぱしたはなしである。南方なんぽうでは、わにだま動物どうぶつねずみ鹿しかさる変化へんかがあるが、だまされる動物どうぶつつねわにである。日本にっぽんりゅうはいないが、タツというかたり概念がいねんがあるように、ワニは日本にっぽん固有こゆうで、鰐口わにぐちわにくちであって、さめくちではない。[53]出雲いずものワニザメはわにのようにつよさめ意味いみで、のちにワニとぶようになったものである。やま幸彦さちひこうみ幸彦さちひこにある邇もわにで、南方なんぽうトーテムとしてのわに反映はんえいである。したがって、人名じんめい邇もトーテムとしてのわに影響えいきょうけている。邇はワニでだんじてサメやワニザメではない。

折口おりぐち信夫しのぶは1942ねんの『古代こだい日本にっぽん文学ぶんがくにおける南方みなかた要素ようそ』とだいした講演こうえんにおいて、ワニが日本にっぽんにいないから邇はサメだとするのは、短気たんきはなしで、日本人にっぽんじん非常ひじょうひろ経験けいけん軽蔑けいべつしているむねべている。

ワニがあらわれた奄美あまみ大島おおしま風俗ふうぞくえがいた『南島なんとう雑話ざつわ』ではへびりゅうという名前なまえでワニをしるしている。

訓蒙くんもう』や『和漢わかんさんさい図会ずえまきだいじゅういちにはわに(わに)という名前なまえワニえがかれている。

1770ねん明和めいわ7ねん)、紀州きしゅうはん二分にぶんこう役所やくしょからワニをつけたら捕獲ほかくしたら塩漬しおづけにするようにというおれがされた[54]

1843ねん天保てんぽう14ねん)、歌川うたがわ国芳くによしが、朝比奈あさひな三郎さぶろう義秀よしひでえがいた浮世絵うきよえでは、ワニがえがかれている。これは、吾妻あづまきょうにて、朝比奈あさひなさめらえたという伝承でんしょうをもとにしているが、歌川うたがわわにとしてえがいた。このわには、もり島中しまなかりょうあらわした「紅毛こうもう雑話ざつわ」のカイマンもとえがかれたとかんがえられている[55]

日本語にほんごめい以外いがい[編集へんしゅう]

英語えいご alligator(アリゲーター)は "el lagarto (de India)"「(インドの)とかげ」がなまったもの。crocodile(クロコダイル)は元来がんらいナイルワニ」を意味いみした κροκοδιλοςkrokodilos、クロコディロス 原義げんぎはギリシャ小石こいしの蠕虫[56])から。gavial(ガビアル)は gharial(ガリアル)の誤植ごしょく定着ていちゃくしたもので、成長せいちょうしたオス個体こたいの吻端がこぶじょうがる様子ようすを「つぼ」にたとえ、ヒンディー ghariyāl(ガリヤール)からの命名めいめいとされる。中国ちゅうごくでは繁体字はんたいじ:ダ)が一般いっぱんてきで、これはヨウスコウアリゲーター意味いみする。わに表記ひょうきされるものは、古代こだい中国ちゅうごく南部なんぶ生息せいそくしていたイリエワニなどを意味いみした。りゅうみずちなども、特定とくていたね意味いみしていたものとおもわれる。

神話しんわ伝承でんしょう[編集へんしゅう]

エジプト、セベクかみぞう
東南とうなんアジアにおいて川船かわぶね舳先へさきえがかれる目玉めだま模様もようはワニにたいする魔除まよけけの名残なごりであるといわれる(ベトナムホイアンにて)。

ワニの棲息せいそくする地方ちほうでは、水泳すいえいちゅう人間にんげんおそわれることもあり、ワニは邪悪じゃあく動物どうぶつ魔性ましょう動物どうぶつとされていることがおおい。一方いっぽうで、ワニを神聖しんせいするれいもまたおおられ、世界中せかいじゅうにワニの姿すがたをしたかみがいる。古代こだいエジプトでは、ワニは豊穣ほうじょうや、ナイルがわそのものを象徴しょうちょうし、テーベではワニの頭部とうぶセベクかみ信仰しんこうさかんであった。神殿しんでんではワニが飼育しいくされ、神官しんかんえさあたえ、多数たすうのワニのミイラつくられた。マ帝国まていこくハドリアヌスみかど広大こうだい別荘べっそうであるヴィッラ・アドリアーナ (ティヴォリ)いけのほとりにはワニのぞうがある。インドにもワニを神聖しんせいものとして寺院じいんがある。日本にっぽんの、ふね守護神しゅごじんである海神わたつみ金毘羅こんぴら権現ごんげんも、サンスクリットでワニを意味いみするクンビーラ由来ゆらいするという。中国ちゅうごく伝説でんせつじょう動物どうぶつりゅうのイメージの原型げんけいは、絶滅ぜつめつしたマチカネワニではないかというせつ[ちゅう 2]もある。また、パプアニューギニアインドネシアカメルーンなど世界せかい各地かくちに、ワニを自分じぶん氏族しぞくトーテムれい)としてまつ人々ひとびとがいる。ブラジルアマゾン川あまぞんがわ流域りゅういきでは、ワニのペニス幸運こううんむものとしてまつられている。

西洋せいようでは、ワニはなみだながして獲物えもの油断ゆだんさせるという伝承でんしょうがあり、「ワニのなみだ」(えいcrocodile tears)は「いつわり」を意味いみした。なみだながしながら獲物えものうという伝承でんしょうもあり偽善ぎぜんたとえともされ、おとこだまおんな空涙そらなみだ顔面がんめん神経しんけい麻痺まひ後遺症こういしょう食事しょくじちゅうなみだ(ボーゴラッドしょう、ワニのなみだ症候群しょうこうぐん)などで使つかわれる。

ワニがいないイギリスの文学ぶんがく古典こてんベーオウルフ』ではつめたいぬまからてきて人々ひとびとおそgrendel という怪物かいぶつ退治たいじするはなしになっているのだが、想像そうぞうえがかれている(日本にっぽんの「獅子しし」がライオンてもつかぬ怪獣かいじゅうになっているのとている)。シェイクスピアこまったらしく、『アントニーとクレオパトラ』(2まく7じょう)で、ローマのさん巨頭きょとうガレーせんなか酒盛さかもりをしていて、ったレピダスがアントニーにく。アントニーは「体形たいけいは、いわゆるワニがたで、それなりのはばがあって、しかるべきあつみもある。いつも自分じぶん器官きかん使つかってうごく。適量てきりょう栄養えいようになるエサをり、やがてそのちからがつきると、めぐりめぐって生死せいしのサイクルにもどる」と説明せつめいする[ちゅう 3]

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくとくニューヨーク)には、ペットとしてわれてられたワニが下水道げすいどうくという都市とし伝説でんせつ下水道げすいどうのワニ」がある。

ヒトへの危害きがい[編集へんしゅう]

年間ねんかん1,000にん殺害さつがいしてると推定すいていされ、もっと人間にんげんころしている生物せいぶつのランキング英語えいごばんにも登場とうじょうしている[57]

利用りよう[編集へんしゅう]

オーストラリアでのワニ料理りょうり

ワニがわ英語えいごばんワニにく英語えいごばんなどのために養殖ようしょくしたり、観光かんこうのためのワニ農場のうじょう英語えいごばん経営けいえいされているが、まれに事故じこきることもある[58]

ワニのにく淡白たんぱくあじで、鶏肉とりにくのようなしょくかんをもつ。食用しょくよう飼育しいくされたものはとくくさみはなく、こう蛋白たんぱくひくカロリーしょく健康けんこう食品しょくひんとしてされている。ワニのした食用しょくようられている[59]

キューバではワニ料理りょうりレストランが観光かんこうきゃくきょうされている。オーストラリアでは日常にちじょうよう食材しょくざいとして、スーパーマーケットにワニにくならべられている。日本にっぽんでは静岡しずおかけん湖西こせい食用しょくようのための養殖ようしょくおこなわれ、浜松はままつにはワニ料理りょうりきょうするレストランがあったが[60]養殖ようしょく業者ぎょうしゃは2015ねん廃業はいぎょうしている。愛知あいち万博ばんぱくでは、オーストラリアかんなどでワニにくわれた[61]。なお、広島ひろしまけん一部いちぶ地域ちいきには郷土きょうど料理りょうりとして「ワニ料理りょうり」が存在そんざいするが、この「ワニ」はサメ方言ほうげんめいで、爬虫類はちゅうるいのワニではない。

東南とうなんアジア各地かくちでは、食用しょくよう皮革ひかくよう両方りょうほうのためのワニ養殖ようしょく施設しせつおお存在そんざいする。タイ王国おうこくではアフリカぶたねつ価格かかく上昇じょうしょうした豚肉ぶたにく代替だいたいひんとして需要じゅよう拡大かくだいしている[62]

ワニのかわ丈夫じょうぶさなどの理由りゆうからたて甲冑かっちゅうられるほか、かばんベルトなどに加工かこうされるが、かつておも皮革ひかくようとして乱獲らんかくされており、棲息せいそくすう激減げきげんした。現在げんざいでは野生やせい個体こたい保護ほごされ、ぜんたねワシントン条約じょうやくにリストアップされている。各地かくち養殖ようしょくおこなわれており、個体こたいすう回復かいふくしたケースもあるが、密猟みつりょう棲息せいそく開発かいはつのため、絶滅ぜつめつ危惧きぐされている個体こたいぐんたねすくなくない。

ワニは人間にんげんよりもはるかに強力きょうりょく免疫めんえき機構きこうち、負傷ふしょうしても血液けつえきちゅう抗体こうたい殺菌さっきんすることがられているうえ、おおきく負傷ふしょうしたり四肢ししうしなった場合ばあいじゅうあつし感染かんせんしょうになることはないとわれている。その強力きょうりょく免疫めんえきりょく[63][64]応用おうようし、ワニの血清けっせいHIV治療ちりょう役立やくだてようとするうごきもある[65]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ ユーラシア西部せいぶ人間にんげん(インドじんとう)。
  2. ^ りゅう」の甲骨文字こうこつもじ時代じだいにはマチカネワニをしていたとの青木あおき良輔りょうすけ論文ろんぶん大分おおいたけんぼうかわそうのワニ化石かせき」(2001ねん)でしめされたせつ
  3. ^ It is shaped, sir, like itself; and it is as broad as it hath breadth: it is just so high as it is,and moves with its own organs: it lives by that which nourisheth it; and the elements once out of it, it transmigrates.

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]