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咀嚼そしゃく

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

咀嚼そしゃくそしゃくえい: Chewing, Mastication)は摂取せっしゅした食物しょくもつ粉砕ふんさいすることである[1]

咀嚼そしゃく食物しょくもつ唾液だえきとがじり[1]。これにより消化しょうかたすけ、栄養えいようることができる。「む」などとも表現ひょうげんされる。また、「食物しょくもつ咀嚼そしゃく」とはべつ比喩ひゆてきに「物事ものごと言葉ことば意味いみをよく整理せいりして理解りかいすること」という意味いみでも使つかわれる。

役割やくわり

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咀嚼そしゃくたん食物しょくもつ粉砕ふんさいし、唾液だえきぜ、嚥下えんかしやすくするのみでなく、口腔こうくうない刺激しげきすることによりかく臓器ぞうき消化しょうかえき分泌ぶんぴつ促進そくしんし、口腔こうくうない自浄じじょうおこない、また、食物しょくもつとも口腔こうくうない進入しんにゅうした異物いぶつ除去じょきょなどの役割やくわりがある。また、のううち血液けつえきりょう増加ぞうか覚醒かくせい効果こうかやリラックス効果こうかむことは丈夫じょうぶにするだけでなく、肥満ひまんぼけ視力しりょく低下ていか姿勢しせい悪化あっか虫歯むしばガンなどを予防よぼうし、内臓ないぞうはたらきをたすけ、大脳だいのうはたらきを活発かっぱつにし、精神せいしん安定あんていさせ、ダイエット効果こうかもある。ただし、異常いじょう圧力あつりょく不正ふせい咬合状態じょうたい咀嚼そしゃくすることによってしゅうびょう咬耗しょうあご関節かんせつしょうとなることもしばしばある。そのため、わせの異常いじょう状態じょうたいでは、むしろ咀嚼そしゃくからだがいおよぼすことがかっている。

咀嚼そしゃくけい

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咀嚼そしゃくかかわるシステムを咀嚼そしゃくけい咀嚼そしゃく器官きかん)という。咀嚼そしゃくのみならず発音はつおん嚥下えんかにもかかわる。咀嚼そしゃくけいふくまれる組織そしき以下いかとおりである。

これらかく組織そしき受容じゅようたいからのフィードバックにより、咀嚼そしゃく運動うんどうおこなわれている。

生物せいぶつ一般いっぱん

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むとは、たいしている、かたくて可動かどうあごあいだなにかをつよはさ動作どうさす。そのようなあごっているのは、脊椎動物せきついどうぶつだい部分ぶぶんのほか、節足動物せっそくどうぶつだい部分ぶぶん軟体動物なんたいどうぶつあたまあしるいたまきがた動物どうぶつ多毛たもうるい、そのられる。脊椎動物せきついどうぶつではあごほね関節かんせつって上下じょうげうごくことで、消化しょうかかんくちひらき、口腔こうくうとして使つかうところに特徴とくちょうがある。それ以外いがいのものでは、あご左右さゆうからはさみ、せんるための仕組しくみである場合ばあいおおい。

脊椎動物せきついどうぶつ

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脊椎動物せきついどうぶつでは、あごるい以外いがいのものはあごち、上下じょうげひらくことができる。鳥類ちょうるい以外いがいでは、あごにはならび、これによってえさ保持ほじし、つぶし、せんるなどのために使用しようする。しかし、使つかってえさり、つぶすなどのことができるのは、哺乳類ほにゅうるいかぎられる。

  • 哺乳類ほにゅうるいでは、犬歯けんし)とつぶ臼歯きゅうし)の分化ぶんかしょうじており(せい)、あご関節かんせつもそれを効果こうかてき使つかえるよう、前後ぜんご左右さゆううごきが確保かくほされている。
  • 爬虫類はちゅうるいなど、それ以外いがいのものでは、あごえさ確保かくほするか、つぶすか、せいぜいくことができるのみであり、せんるにはからだうごきを利用りようする必要ひつようがある。たとえばワニえさくと、からだ回転かいてんさせ、それによって獲物えものから肉片にくへんせんろうとする。ヘビ場合ばあいしもあご左右さゆう独立どくりつしてうごき、おおきな獲物えもの丸呑まるのみにするためにうごかせるようになっている。そのわり、ほそくて獲物えものかるだけで、ったりけずったりはできない。
  • 鳥類ちょうるいではくなってあごはクチバシになり、せんるか、さもなければ丸呑まるのみにする。
  • 現生げんなま魚類ぎょるい場合ばあいむためのあごまえして仕組しくみにえ、そのため、むことはできないものがある。たねによってはそれにわって、のど部分ぶぶん咽頭いんとうばれる構造こうぞうができて、これによってかたいものをつぶすことができる。

節足動物せっそくどうぶつ

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節足動物せっそくどうぶつでは、分類ぶんるいぐんによってことなるが、消化しょうかかんくちのすぐうしろにいちたいつい左右さゆうならぶハサミのようになった構造こうぞうがあり、これをあごんでいる。あご消化しょうかかんくちひろげるものではなく、したがってむのはあごはさむだけで、それによってせんったりつぶしたりしたかけらを消化しょうかかんおくむ。仕組しくみについては、軟体動物なんたいどうぶつたまきがた動物どうぶつもほぼおなじである。クモるいアリジゴクなどでは、むことであごして、そこから消化しょうかえき注入ちゅうにゅうし、消化しょうかしたものをる。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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出典しゅってん

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  1. ^ a b "こうれられた食物しょくもつは,咀嚼そしゃくによる唾液だえきとの混合こんごう過程かていて,よりちいさくくだかれ,やわらかくなめらかなしょくかたまりにされる。" p.428 より引用いんよう。Pocock. (2006). オックスフォード・生理学せいりがく. 原著げんちょだい3はん, 岡野おかのやく. 丸善まるぜん出版しゅっぱん株式会社かぶしきがいしゃ.

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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