この項目 こうもく では、鳥 とり の鳩 ばと について説明 せつめい しています。その他 た の用法 ようほう については「はと 」をご覧 らん ください。
鳩 ばと (はと)は、ハト目 め ハト科 か に属 ぞく する鳥類 ちょうるい の総称 そうしょう である。体 からだ に比 くら べて頭 あたま が小 ちい さく、胸骨 きょうこつ 、胸 むね 筋 すじ が発達 はったつ してずんぐりとした体型 たいけい が特徴 とくちょう である。
ハト目 め には世界 せかい では約 やく 42属 ぞく 290種 たね あり、そのうち日本 にっぽん の在来 ざいらい 種 しゅ は、カラスバト属 ぞく (カラスバト 、アカガシラカラスバト、ヨナクニカラスバト、リュウキュウカラスバト、オガサワラカラスバト)、キジバト属 ぞく (キジバト 、リュウキュウキジバト、シラコバト)、ベニバト属 ぞく (ベニバト)、キンバト属 ぞく (リュウキュウキンバト)、アオバト属 ぞく (アオバト 、リュウキュウズアカアオバト、チュウダイズアカアオバト)の5属 ぞく 13種 しゅ が挙 あ げられる(9種 しゅ とする説 せつ もある)。
このうち、リュウキュウカラスバトとオガサワラカラスバトの2種 しゅ は絶滅 ぜつめつ したと考 かんが えられていたが、近年 きんねん 、DNA 調査 ちょうさ により亜種 あしゅ がいくつかの諸島 しょとう 部 ぶ で生存 せいぞん していることが確認 かくにん された。
なお、カワラバト (ドバト)は、1500年 ねん 程 ほど 前 まえ に日本 にっぽん に渡来 とらい した外来 がいらい 種 しゅ であるとともに、5000年 ねん 以上 いじょう 前 まえ より世界 せかい 各地 かくち で家禽 かきん 化 か され広 ひろ まった飼養 しよう 品種 ひんしゅ であるため、学術 がくじゅつ 的 てき には日本 にっぽん 固有 こゆう の在来 ざいらい 種 しゅ ではない[ 注 ちゅう 1] 。このため、現在 げんざい でも野鳥 やちょう とみなされないことがある。また、ジュズカケバト については、広義 こうぎ にはシラコバトのうち飼養 しよう 品種 ひんしゅ となったものとされるため、上記 じょうき リストからは省 はぶ かれている。ジュズカケバトの白色 はくしょく 変種 へんしゅ である銀 ぎん 鳩 ばと (観賞 かんしょう 用 よう に飼 か われたりマジック の小道具 こどうぐ として使 つか われたりする小型 こがた のハト)も同様 どうよう である。
食 しょく 性 せい は雑食 ざっしょく 性 せい である(木 こ の実 み やミミズ [要 よう 出典 しゅってん ] を食 た べる)[要 よう 検証 けんしょう – ノート ] 。一般 いっぱん 的 てき に熱帯 ねったい 種 たね では一腹 いっぷく 一 いち 卵 たまご 、温帯 おんたい 種 たね では一腹 いっぷく 二 に 卵 たまご を産 う み、14~21日 にち の抱 だき 卵 たまご の後 のち で孵化 ふか する。鳩 ばと の雛 ひな が孵化 ふか から巣立 すだ ちするまでの期間 きかん は25~40日 にち だが、鳩 ばと ミルク (ピジョンミルク)と呼 よ ばれる親鳥 おやどり のソノウから分泌 ぶんぴつ される高 こう 蛋白 たんぱく なミルクで育 そだ てられる。雛 ひな は親鳥 おやどり の口 くち に嘴 くちばし を差 さ し入 い れてミルクを摂取 せっしゅ する。ピジョンミルクには炭水化物 たんすいかぶつ は殆 ほとん ど含 ふく まれておらず、主成分 しゅせいぶん は主 おも に蛋白質 たんぱくしつ である。栄養 えいよう 価 か は高 たか く、ヒト のアスリート向 む けプロテイン に近 ちか い成分 せいぶん 組成 そせい である。ただし、ピジョンミルクには雛 ひな の成長 せいちょう につれて、半 はん 消化 しょうか 状態 じょうたい の柔 やわ らかい餌 えさ が徐々 じょじょ に混 ま ざることがわかっている。巣 す から落 お ちた鳩 ばと のひなを人工 じんこう 飼育 しいく するには、植物 しょくぶつ 性 せい のプロテインや練 ね り餌 えさ (釣具 つりぐ 屋 や で売 う っている鮒 ふな ・鯉 こい 釣 つ り用 よう の練 ね り餌 えさ が安価 あんか で簡便 かんべん である)をぬるま湯 ゆ で粥 かゆ 状 じょう に溶 と き、手 て のひらに握 にぎ りこんで指 ゆび のすき間 ま から与 あた えるのが簡単 かんたん な飼育 しいく 法 ほう である。
ハトはおおよそ10000年 ねん から6000年 ねん ほど前 まえ の新 しん 石器 せっき 時代 じだい に飼育 しいく 動物 どうぶつ 化 か されたと考 かんが えられている。ハトは人里 ひとざと に近 ちか い土地 とち で営巣 えいそう する動物 どうぶつ であり、洞窟 どうくつ や崖 がけ 、そして泥 どろ や石 いし で造 つく られた初期 しょき 人間 にんげん の住居 じゅうきょ に巣 す を作 つく っていた。中東 ちゅうとう において当時 とうじ 栽培 さいばい が始 はじ まったコムギ やオオムギ などもハトの食料 しょくりょう として好適 こうてき であった。こうしてハトと人間 にんげん の距離 きょり が縮 ちぢ まったのち、ハトの飼育 しいく 化 か が始 はじ まった。当初 とうしょ は神経質 しんけいしつ な成鳥 せいちょう に比 くら べて人 ひと に慣 な れやすく飼 か いやすいハトの雛 ひな を成長 せいちょう させる目的 もくてき で飼育 しいく が始 はじ まり、やがて家禽 かきん 化 か していったと考 かんが えられている[ 1] 。
紀元前 きげんぜん 2900年 ねん 頃 ころ にシュメール のシュルッパク にて起 お こった大 だい 洪水 こうずい はシュメルの洪水 こうずい 神話 しんわ として後世 こうせい に残 のこ され、『ギルガメシュ叙事詩 じょじし 』や旧約 きゅうやく 聖書 せいしょ のノアの方舟 はこぶね の話 はなし の原型 げんけい となった。『ギルガメシュ叙事詩 じょじし 』において既 すで に陸地 りくち を探 さが すためにハトを放 はな した話 はなし が記載 きさい されており、この頃 ころ にはハトが飼育 しいく されていた証拠 しょうこ とも考 かんが えられている。イラク のアルパチャにおいて紀元前 きげんぜん 4500年 ねん 頃 ころ のハトのテラコッタ の像 ぞう が出土 しゅつど しており、ハトが宗教 しゅうきょう 上 じょう 重要 じゅうよう 視 し されていたことを物語 ものがた っている。古代 こだい エジプト においてもハトは飼育 しいく されていた。やがてハトの飼育 しいく は地中海 ちちゅうかい 世界 せかい へと広 ひろ がり、古代 こだい ギリシャ の各 かく 都市 とし やエトルリア人 じん にも広 ひろ まった。ロ ろ ーマ帝国 まていこく においてはハトは宗教 しゅうきょう 上 じょう 重要 じゅうよう な意味 いみ を持 も つ一方 いっぽう 、肥育 ひいく されて食用 しょくよう としても盛 さか んに用 もち いられた[ 2] 。
カワラバト(ドバト)
ハトはまた、通信 つうしん 用 よう の伝書鳩 でんしょばと としても古代 こだい から盛 さか んに使用 しよう された。カワラバトから長年 ながねん にわたって改良 かいりょう された伝書鳩 でんしょばと は、戦中 せんちゅう の軍事 ぐんじ 用 よう 、戦前 せんぜん ・戦後 せんご には報道 ほうどう 用 よう や通信 つうしん 用 よう に大 おお いに活用 かつよう された。太陽 たいよう コンパスと体内 たいない 時計 とけい 、地磁気 ちじき などにより方角 ほうがく を知 し る能力 のうりょく に優 すぐ れているとされ、帰巣 きそう 本能 ほんのう があるため、遠隔 えんかく 地 ち まで連 つ れて行 い ったハトに手紙 てがみ などを持 も たせて放 はな つことによって、情報 じょうほう をいち早 はや く伝 つた えようとしたのである。戦時 せんじ には古 ふる くから軍 ぐん が導入 どうにゅう し、軍用 ぐんよう 鳩 ばと が本格 ほんかく 的 てき に研究 けんきゅう され、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん においては主 おも に伝令 でんれい 用 よう の他 ほか 、小型 こがた カメラを装着 そうちゃく させた敵 てき 地 ち 偵察 ていさつ 用 よう のスパイ鳩 ばと として活躍 かつやく した。薬品 やくひん や血清 けっせい 等 ひとし の医薬品 いやくひん 、動物 どうぶつ (主 おも に牛 うし )の精子 せいし の輸送 ゆそう にも使 つか われ僻地 へきち 医療 いりょう で重要 じゅうよう な役目 やくめ を果 は たした。
しかしその後 ご 、電話 でんわ などの通信 つうしん 技術 ぎじゅつ の進歩 しんぽ によりその役目 やくめ を終 お えたかに見 み えた。現在 げんざい では、脚 あし 環 たまき にICチップを内蔵 ないぞう した自動 じどう 入 いれ 舎 しゃ システムが普及 ふきゅう したため、かつて鳩 ばと を飼 か っていた団塊 だんかい の世代 せだい がリタイア後 ご に再開 さいかい し、鳩 ばと レースを楽 たの しむことが小 しょう ブームになっている。また、情報 じょうほう IT関連 かんれん の新 あたら しい試 こころ みとして、レース鳩 ばと にマイクロSDメモリーカード (合計 ごうけい 2TB程度 ていど )等 とう の超 ちょう 小型 こがた メモリーチップ を運 はこ ばせたり(200km程度 ていど の短距離 たんきょり で所要 しょよう 時間 じかん は約 やく 2時 じ 間 あいだ )、GPS ユニットやCCD カメラ等 とう を取 と り付 つ け、より詳細 しょうさい な生態 せいたい や飛行 ひこう コースを追跡 ついせき する実験 じっけん も行 おこな われている[ 3] 。
ハトは、その群 む れを成 な す性質 せいしつ から、オリーブ と共 とも に平和 へいわ の象徴 しょうちょう とされている。日本 にっぽん では、穏健 おんけん 派 は や平和 へいわ 主義 しゅぎ 者 しゃ を「ハト派 は 」、強硬 きょうこう 派 は を同 おな じ鳥類 ちょうるい でも猛禽 もうきん 類 るい の鷹 たか にたとえて「タカ派 は 」という比喩 ひゆ 表現 ひょうげん も使 つか われる。
ノアとハトのモザイク画 が
これは旧約 きゅうやく 聖書 せいしょ の大 だい 洪水 こうずい (ノアの箱 はこ 舟 ぶね )伝説 でんせつ にも由来 ゆらい している。ノアは47日 にち 目 め にカラス を放 はな ったが、まだ水 みず が乾 かわ く前 まえ であったからすぐに戻 もど ってきた。ハトを放 はな ったところ、オリーブ の葉 は をくわえて戻 もど ってきた。これによりノア は水 みず が引 ひ き始 はじ めたことを知 し ったという。「平和 へいわ の祭典 さいてん 」とも称 しょう される近代 きんだい 五輪 ごりん の開会 かいかい 式 しき では、かつては実際 じっさい に鳩 ばと が飛 と ばされていたが、外来 がいらい 生物 せいぶつ への危機 きき 感 かん の高 たか まりや鳩 ばと が生息 せいそく できる環境 かんきょう ではない場所 ばしょ での開催 かいさい 、式典 しきてん が日 にち 中 ちゅう ではなく夜中 よなか に行 おこな われるようになった事 こと などから、鳩 ばと に扮 ふん した人 ひと のダンサーなどによるパフォーマンスや鳩 ばと を模 も した風船 ふうせん 、モニター映像 えいぞう によるもの等 とう に変 か わった。
また、ギリシア神話 しんわ においてハトは、愛 あい と美 よし の女神 めがみ アプロディーテー の聖 せい 鳥 とり とされていた他 ほか 、イアーソーン を始 はじ めとする英雄 えいゆう たち(アルゴナウタイ )が乗 の るアルゴー船 せん が、互 たが いに離 はな れたりぶつかり合 あ ったりを繰 く り返 かえ す二 ふた つの巨岩 きょがん シュムプレーガデスの間 あいだ を通 とお り抜 ぬ ける際 さい 、試 ため しにハトを通 とお り抜 ぬ けさせて安全 あんぜん を確認 かくにん するエピソードや、狩人 かりゅうど オーリーオーン がプレイアデス (巨 きょ 神 しん アトラース の七 なな 人 にん 娘 むすめ たち)を追 お い回 まわ した際 さい 、それを不憫 ふびん (ふびん)に思 おも った主神 しゅしん ゼウス が彼女 かのじょ たちをハトに変 か え、さらに星 ほし へと変 か えたエピソード等 とう が存在 そんざい する。新約 しんやく 聖書 せいしょ では、荒野 あらの で苦行 くぎょう を終 お えたイエス・キリスト がサタン の誘惑 ゆうわく を退 しりぞ けた後 のち 、聖霊 せいれい が白 しろ いハトの姿 すがた となってくだったことは、つとに有名 ゆうめい である。
一方 いっぽう 、オーストリア の動物 どうぶつ 行動 こうどう 学 がく の権威 けんい 、コンラート・ローレンツ はその著書 ちょしょ 『ソロモンの指 ゆび 環 たまき 』の中 なか で、平和 へいわ の象徴 しょうちょう とされるハトの別 べつ の一 いち 面 めん を紹介 しょうかい している。2羽 わ のハトを一 ひと つの鳥 とり 籠 かご に入 い れて外出 がいしゅつ したところ、籠 かご の中 なか でハトが喧嘩 けんか を起 お こし、互 たが いに死 し ぬまで決 けっ して戦 たたか いを止 と めようとはしなかった、というもので、こうした「ハトの喧嘩 けんか 」は戦 たたか い方 かた を知 し らず致命 ちめい 打 だ を与 あた えられるほどの武器 ぶき も持 も ち合 あ わせていない動物 どうぶつ ほど、いざ争 あらそ いを始 はじ めた際 さい には戦 たたか いに慣 な れた肉食 にくしょく 動物 どうぶつ 以上 いじょう に凄惨 せいさん な殺 ころ し合 あ いに発展 はってん する、という事例 じれい の典型 てんけい 例 れい として引 ひ き合 あ いに出 だ される。
第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん を終結 しゅうけつ させたヴェルサイユ条約 じょうやく 締結 ていけつ を記念 きねん して日本 にっぽん で発行 はっこう された3銭 ぜに 切手 きって (大正 たいしょう 8年 ねん (1919年 ねん ))
日本 にっぽん では鳩 ばと が八幡 やはた 神 しん の神 かみ 使 し とされてきた。八幡 やはた 神 しん は軍神 ぐんしん なので平和 へいわ とは結 むす びつかず、武士 ぶし の家紋 かもん ともなった[ 4] 。第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 後 のち に西洋 せいよう での鳩 ばと のイメージが入 はい ってきて、タバコ のピース のデザインのような平和 へいわ のシンボル と言 い うイメージが定着 ていちゃく した。
十 じゅう 銭 ぜに 紙幣 しへい A号 ごう 券 けん (昭和 しょうわ 22年 ねん (1947年 ねん ))
日本 にっぽん の童謡 どうよう の代表 だいひょう 的 てき なものの一 ひと つとして『鳩 ばと 』が挙 あ げられる。また、瀧 たき 廉太郎 れんたろう は『鳩 ばと ぽっぽ 』という童謡 どうよう を作曲 さっきょく している。
「鳩 ばと に三枝 さんし の礼 れい あり(仔 こ 鳩 ばと が親 おや の恩 おん を感 かん じ三 みっ つ下 か の枝 えだ に止 と まる故事 こじ より、礼儀 れいぎ を重 おも んじることの重要 じゅうよう 性 せい )」「鳩 ばと に豆鉄砲 まめでっぽう (突然 とつぜん の出来事 できごと に、あっけにとられた様子 ようす )」「鳩 ばと を憎 にく み豆 まめ を作 つく らぬ(些細 ささい なことに拘 かかわ って肝心 かんじん なことが疎 おろ かになる愚 おろ かしさや弊害 へいがい )」など諺 ことわざ でもお馴染 なじ みである。
ハトの名前 なまえ は特急 とっきゅう 「はと」 という列車 れっしゃ 名 めい に用 もち いられたことがある他 ほか 、日本 にほん テレビ のジャンクション 『鳩 ばと の休日 きゅうじつ 』にも開局 かいきょく 以来 いらい ハトが登場 とうじょう している。また、神奈川 かながわ 県 けん の銘菓 めいか の一 ひと つに「鳩 ばと サブレー 」というハトの形 かたち を模 も した菓子 かし も存在 そんざい している。
平和堂 へいわどう フレンドマート彩 いろどり 都 と 店 てん
郷土 きょうど 玩具 おもちゃ のあけび鳩 ばと 車 しゃ
企業 きぎょう 名 めい やシンボルマークでハトにちなんだものとしては、例 たと えばはとバス や、イト いと ーヨ よ ーカ堂 かどう のロゴマーク(真上 まうえ に青 あお と真下 ました に赤 あか の中間 ちゅうかん にシロバトの位置 いち )、同社 どうしゃ 傘下 さんか のスーパーマーケットであるヨークマート のマーク(ヨーカ堂 どう での青 あお 部分 ぶぶん が緑 みどり )、全国 ぜんこく 宅地 たくち 建物 たてもの 取引 とりひき 業 ぎょう 協会 きょうかい 連合 れんごう 会 かい のシンボルマーク、全国 ぜんこく 引越 ひっこし 専門 せんもん 協同 きょうどう 組合 くみあい 連合 れんごう 会 かい が存在 そんざい する。滋賀 しが 県 けん を中心 ちゅうしん に展開 てんかい するスーパーチェーンの平和堂 へいわどう のロゴマーク(赤 あか い背景 はいけい に前 まえ にシロバトと後 のち にアオバトの位置 いち )として親 した しまれていたこともある。後述 こうじゅつ の外国 がいこく 語 ご 名 めい から取 と られた企業 きぎょう 名 めい として、ベビー用品 ようひん メーカーのピジョン 、ガス機器 きき メーカーのパロマ なども挙 あ げられる。
日本 にっぽん では1980年代 ねんだい あたりから都市 とし 部 ぶ を中心 ちゅうしん にハトによる糞 くそ 害 がい が多発 たはつ し、問題 もんだい 化 か している。鳥 とり の糞 くそ にはヒトに肺炎 はいえん を起 お こすオウム病 びょう 、クラミジア (原虫 げんちゅう )やクリプトコッカス (カビ の一種 いっしゅ )を含 ふく んでいることがあり、[ 5] [ 6] 特 とく に大群 たいぐん をなすハトはそれを排出 はいしゅつ しやすい。公園 こうえん などでの餌付 えづ け行為 こうい は禁止 きんし されている[ 7] 。それでも鳩 ばと への餌 えさ やりを止 と めない人 ひと もおり、東京 とうきょう 都 と の荒川 あらかわ 区 く や大田 おおた 区 く のように罰則 ばっそく 付 つ き条例 じょうれい で禁止 きんし する地方自治体 ちほうじちたい もある[ 8] 。ハトの食 た べ残 のこ しはネズミ も呼 よ び寄 よ せる弊害 へいがい もあるため禁止 きんし 条例 じょうれい を求 もと める動 うご きは他 た 地域 ちいき にも広 ひろ がっており、大阪 おおさか 市 し にように餌 えさ やり禁止 きんし でなく事後 じご の清掃 せいそう 義務付 ぎむづ けを規定 きてい した例 れい もある[ 9] 。
金沢 かなざわ 駅 えき (石川 いしかわ 県 けん 金沢 かなざわ 市 し )では糞 くそ 害 がい 対策 たいさく として鷹匠 たかじょう に依頼 いらい して鷹 たか で鳩 ばと を追 お い払 はら うパトロールが定期 ていき 的 てき に行 おこな われている[ 10] 。
イングランド では、胸 むね の筋肉 きんにく を異常 いじょう に発達 はったつ させたポーター という愛玩 あいがん 具 ぐ 用 よう の品種 ひんしゅ の鳩 ばと やen:Fancy pigeon という観賞 かんしょう 用 よう のハトの品種 ひんしゅ 群 ぐん が存在 そんざい する。
中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく (中国 ちゅうごく )では鳥 とり を放 はな つと幸運 こううん が訪 おとず れるという民間 みんかん 信仰 しんこう があり、祭事 さいじ ・い事 わいごと の際 さい にはハトを放 はな つ習慣 しゅうかん があったが、現在 げんざい では都市 とし 部 ぶ でハトが繁殖 はんしょく してしまっているため、放鳥 ほうちょう が禁止 きんし されている地域 ちいき もある。
一部 いちぶ の地域 ちいき では、ハトの尾翼 びよく の付 つ け根 ね に鳩 ばと 鈴 すず (英語 えいご 版 ばん ) (中国 ちゅうごく 語 ご で鸽铃、鸽哨)と呼 よ ばれる物 もの が、猛禽 もうきん 類 るい に襲 おそ われないよう、娯楽 ごらく 、追跡 ついせき 用 よう に付 つ けられる[ 11] 。
食 しょく 文化 ぶんか として、ドバトは中華 ちゅうか 料理 りょうり では普通 ふつう に食用 しょくよう にされる。また、フランス料理 りょうり でもハトは食材 しょくざい として一般 いっぱん 的 てき である。ギリシア料理 りょうり 、レバノン料理 りょうり 、エジプト料理 りょうり など地中海 ちちゅうかい 沿岸 えんがん においてハトはよく食 しょく される[ 12] 。イギリス でも18世紀 せいき 頃 ころ までは自然 しぜん 繁殖 はんしょく した物 もの を捕 と らえて調理 ちょうり したハトが一般 いっぱん 的 てき に食卓 しょくたく に上 のぼ っていたといわれ、現在 げんざい でも食 しょく 文化 ぶんか 中 ちゅう にその名残 なごり が見 み られる。中近東 ちゅうきんとう では古 ふる くより、乾燥 かんそう した風土 ふうど でも放 はな し飼 が いでよく増 ふ える性質 せいしつ があるため、ハトのための養殖 ようしょく 場 じょう (塔 とう のような建造 けんぞう 物 ぶつ )もあり、貴重 きちょう な動物 どうぶつ 性 せい 蛋白 たんぱく 源 げん として、一般 いっぱん 的 てき に利用 りよう されている。鳩 ばと の塔 とう (ピジョン・タワー)と呼 よ ばれるこの塔 とう は、高 たか さは10mから15mほどで、場所 ばしょ によってスタイルが違 ちが う。イラン のイスファハーン 周辺 しゅうへん においてはひとつおきに積 つ んだ日干 ひぼ しレンガ を高 たか く積 つ み上 あ げ、ハトの休息 きゅうそく できる無数 むすう の空洞 くうどう を作 つく る。ここにハトがやってきて営巣 えいそう するのである。その外側 そとがわ はぐるりと日干 ひぼ しレンガの壁 かべ によって覆 おお われており、内部 ないぶ 構造 こうぞう は見 み えなくなっている。外壁 がいへき にはいくつかの穴 あな があけられており、そこからハトは出入 でい りする。エジプトにおいては中 なか は空洞 くうどう で、そのかわりに止 と まり木 き が何 なん 段 だん も差 さ し込 こ まれ、これがハトの巣 す となっている。イランにおいてのピジョン・タワーの主 しゅ 目的 もくてき は肥料 ひりょう としてのハトの糞 くそ の収集 しゅうしゅう であり、そのため化学 かがく 肥料 ひりょう の普及 ふきゅう 後 ご は利用 りよう されることはなくなっている。これに対 たい してエジプトのピジョン・タワーは食用 しょくよう ハトの飼育 しいく を目的 もくてき としており、現在 げんざい でも使用 しよう されている。糞 くそ ももちろん肥料 ひりょう として使用 しよう するが、二義的 にぎてき なものである[ 13] 。
日本 にっぽん では一般 いっぱん 的 てき には鳩 ばと を食用 しょくよう とすることはまれである。初 はじ めて日本 にっぽん にきた中国人 ちゅうごくじん はしばしば、野生 やせい のハトを誰 だれ も捕 つか まえようとせず、ハトも人 ひと を恐 おそ れないことに驚 おどろ く。日本 にっぽん において野鳥 やちょう を狩猟 しゅりょう することは鳥獣 ちょうじゅう 保護 ほご 法 ほう で規制 きせい されているが、キジバト (山鳩 やまばと )は狩猟 しゅりょう 鳥 とり であり、食用 しょくよう にされることがある。ハトの卵 たまご はハトの肉 にく と同様 どうよう 日本 にっぽん では食材 しょくざい として一般 いっぱん 的 てき ではない。沸騰 ふっとう したお湯 ゆ でも固 かた まらず、ほとんど食 た べられることはない。
ハトは歩行 ほこう 時 じ に首 くび を前後 ぜんご に振 ふ りながら歩 ある くことで知 し られている。この動作 どうさ はハト科 か 以外 いがい の多 おお くの鳥 とり でも見 み られるが、ハト(特 とく にドバト )は、警戒 けいかい 心 しん が非常 ひじょう に弱 よわ く、歩 ある いている状態 じょうたい で身近 みぢか に見 み かける機会 きかい が多 おお いため、多 おお くの人々 ひとびと から「首 くび を振 ふ る鳥 とり 」として認知 にんち されている[ 14] 。
この首 くび 振 ふ り歩行 ほこう は、暗闇 くらやみ や、ベルトコンベア 上 うえ を逆 ぎゃく 向 む きに歩 ある かせたときは行 おこな われない。一方 いっぽう 、移動 いどう する風景 ふうけい を投影 とうえい するスクリーンを周囲 しゅうい に張 は り巡 めぐ らした実験 じっけん 装置 そうち の中 なか では歩行 ほこう しないまま首 くび 振 ふ りをする。従 したが って、胴体 どうたい が前進 ぜんしん しているときでも頭部 とうぶ だけはなるべく長時間 ちょうじかん にわたって空間 くうかん 内 ない で静止 せいし するよう首 くび を前後 ぜんご させ、視覚 しかく 情報 じょうほう を安定 あんてい して得 え られるように行 おこな われているものと考 かんが えられている。また、首 くび 振 ぶ りのタイミングは、体重 たいじゅう を片 かた 脚 あし で支 ささ えている間 あいだ も重心 じゅうしん が安定 あんてい する位置 いち に来 く るようになっている。それゆえに「安定 あんてい して歩行 ほこう するため」という説 せつ もある。恐竜 きょうりゅう の末裔 まつえい である鳥類 ちょうるい の歩行 ほこう の研究 けんきゅう は、まだまだ、謎 なぞ に満 み ちている分野 ぶんや であると言 い える。
鳩 ばと (ハト)
日本語 にほんご 。パタパタと飛 と び立 た つときの音 おと の様子 ようす 、軽 かろ やかに羽 は ばたく音 おと 「ハタハタ」に由来 ゆらい するという [要 よう 出典 しゅってん ] 。
pigeon(ピジョン) / dove(ダヴ)
英語 えいご において、ノルマン人 じん からの借用 しゃくよう 語 ご である pigeon は主 おも に飼 か いバトを、ゲルマン語 ご 由来 ゆらい の dove は野生 やせい バト、とりわけコキジバト (turtle dove)を指 さ すが、現在 げんざい のアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく などでは pigeon で一括 いっかつ してしまうことも多 おお い。また詩語 しご としては dove が好 この んで使 つか われる。前述 ぜんじゅつ のノアの箱 はこ 舟 ぶね 伝説 でんせつ の「ハト」も、英文 えいぶん 旧約 きゅうやく 聖書 せいしょ では dove である。pigeonには「鳩 ばと 」の他 ほか に「若 わか い娘 むすめ 」や「のろま」の意味 いみ もある。doveには「鳩 ばと 」の他 ほか に「純潔 じゅんけつ な人 ひと 」「優 やさ しい人 ひと 」、恋人 こいびと への呼 よ びかけ「my dove= かわいい人 ひと よ」の意味 いみ もある。
paloma(パロマ )
スペイン語 ご でハトの意味 いみ 。
Taube(タウベ)
ドイツ語 ご 。英語 えいご dove と同 どう 源 みなもと (ゲルマン祖語 そご : *dubon )。doveと同様 どうよう に縮小 しゅくしょう 形 がた のTäubchenには「小鳩 こばと 」の他 ほか に恋人 こいびと への呼 よ びかけの意味 いみ もある。
colombo(コロンボ )
イタリア語 ご でハトの意味 いみ 。doveと同様 どうよう 「優 やさ しい人 ひと 」や恋人 こいびと の意味 いみ もある。イタリアの伝統 でんとう 芸能 げいのう コンメディア・デッラルテ に登場 とうじょう する「恋 こい する若 わか い娘 むすめ 」を表 あらわ すキャラクター名 めい はコロンビーナ (小鳩 こばと ちゃん)である。
鴿 どばと 子 こ /鸽子 (コーツ、普通 ふつう 話 ばなし gēzi )、鴿 どばと (広東 かんとん 語 ご gaap3)
現代 げんだい 中国 ちゅうごく 語 ご で「鳩 ばと (鸠 )」は用 もち いない。「鳩 ばと 」(現代 げんだい の発音 はつおん は jiū)は『詩経 しきょう 』をはじめとする古典 こてん 文献 ぶんけん には鳥 とり の名称 めいしょう として登場 とうじょう するが、それがハトだったかどうかは定 さだ かではない[ 15] 。
なお漢字 かんじ の「鳩 ばと 」は、発音 はつおん を表 あらわ す「九 きゅう 」と意味 いみ を示 しめ す「鳥 とり 」からなる形声 けいせい 文字 もじ である[ 16] 。「九 きゅう 」は鳴 な き声 ごえ からきたとする説 せつ があるが、非 ひ 科学 かがく 的 てき な俗説 ぞくせつ に過 す ぎない。「鳩 ばと 」の文字 もじ に「九 きゅう 」が含 ふく まれるのは、「究 きわむ 」の文字 もじ に「九 きゅう 」が含 ふく まれるのと同様 どうよう に、中国 ちゅうごく 語 ご において「鳩 ばと 」や「究 きわむ 」が「九 きゅう 」と声調 せいちょう のみが異 こと なるほぼ同音 どうおん 異義 いぎ 語 ご であるためである。
[いつ? ] スイス の生物 せいぶつ 学者 がくしゃ が考案 こうあん したハトの個体 こたい 数 すう 管理 かんり 方法 ほうほう の一 ひと つは次 つぎ のようなものであり、ノッティンガム 、バーゼル 等 とう で成功 せいこう した[ 17] 。
ハトの寝床 ねどこ を用意 ようい し給餌 きゅうじ する。
用意 ようい した寝床 ねどこ 以外 いがい では給餌 きゅうじ を禁止 きんし する。
寝床 ねどこ でハトの卵 たまご を一定 いってい の割合 わりあい で偽物 にせもの と置 お き換 か える。
^ 広義 こうぎ にカワラバトの飼養 しよう 品種 ひんしゅ がドバト、狭義 きょうぎ に飼養 しよう 品種 ひんしゅ が再 さい 野生 やせい 化 か した個体 こたい をドバトとする説 せつ があるが、ドバトの名称 めいしょう は既 すで に江戸 えど 時代 じだい から見 み られることより、フン問題 もんだい などが社会 しゃかい 問題 もんだい 化 か した1970年代 ねんだい 以降 いこう の新説 しんせつ と言 い える。一般 いっぱん 的 てき にはカワラバトとドバトの間 あいだ には明確 めいかく な線引 せんひ きはない。これは、既 すで に数 すう 千 せん 年 ねん にわたり家禽 かきん 化 か され続 つづ けているカワラバトに対 たい して純粋 じゅんすい な野生 やせい 種 しゅ としてのカワラバトを見極 みきわ めきれないためである。従 したが って、学術 がくじゅつ 名 めい としてはカワラバト、呼称 こしょう としてはドバトということになる。
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鳥 とり の一般 いっぱん 名 めい の記事 きじ
カタカナ名 めい の記事 きじ が自然 しぜん 科学 かがく 的 てき な内容 ないよう を中心 ちゅうしん とするのに対 たい し、一般 いっぱん 名 めい の記事 きじ では文化 ぶんか 的 てき な側面 そくめん や人 ひと との関 かか わりなどについて解説 かいせつ する。