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電話でんわ

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電話でんわという通信つうしん方法ほうほう回路かいろ図解ずかいいちれい

電話でんわでんわえい: telephone)とは、音声おんせい電気でんきてき信号しんごうえ、はなれた場所ばしょ伝達でんたつし、これをふたたび音声おんせいもどすことで、相互そうご通話つうわできるようにした通信つうしん方法ほうほう[1]

種類しゅるい[編集へんしゅう]

電話でんわ種類しゅるいはさまざまな方法ほうほう分類ぶんるい可能かのうである。 たとえば伝送でんそう途中とちゅう信号しんごう形式けいしき基準きじゅんとすると、アナログ電話でんわ / デジタル電話でんわ と分類ぶんるいされる。

電話でんわ一般いっぱんてきには、信号しんごう伝送でんそう電流でんりゅう電波でんぱもちいる。ひかりファイバーなかながされるひかり利用りようすることひろ普及ふきゅうしている。あまり一般いっぱんてきではないが、技術ぎじゅつてきには一応いちおう光線こうせん電話でんわ」というものもある。ひかり搬送波はんそうはとして使用しようするもので空間くうかん光通信ひかりつうしん一種いっしゅ直線ちょくせんたがいに見通みとおせる範囲はんいないでしか通信つうしんできないが、高速こうそくだい容量ようりょう通信つうしん可能かのう可視かし光線こうせん以外いがい赤外線せきがいせんもちいられる。近年きんねんではデジタルしきもある。

また特殊とくしゅ用途ようとで、水中すいちゅう電話でんわという、ちょう音波おんぱ利用りようするものもあり、アナログしきとデジタルしきがある。無線むせん通信つうしんおこなさい水中すいちゅう電波でんぱはげしく減衰げんすいするので、わりにちょう音波おんぱもちいている。

歴史れきし[編集へんしゅう]

電話でんわ仕組しく[編集へんしゅう]

もともとは音声おんせい電流でんりゅう変化へんか変換へんかんし、それをそのまま相手あいてがわ装置そうち伝送でんそうし、相手あいてがわ装置そうち電流でんりゅう音声おんせい変換へんかんした。

20世紀せいきまつごろから普及ふきゅうしたデジタルしき電話でんわでは、変調へんちょう復調ふくちょうといった手順てじゅんふくむ。おおくはられた情報じょうほうからのベースバンドを、さらに伝送でんそう経路けいろじょう符号ふごうする方式ほうしき伝送でんそうしている(搬送はんそう帯域たいいき伝送でんそう)。経路けいろじょう回路かいろ複雑ふくざつになるが、送電そうでん経路けいろじょう情報じょうほう送受信そうじゅしん効率こうりつがり、情報じょうほうりょう品質ひんしつくなるというメリットがある。

電話でんわ回線かいせん[編集へんしゅう]

19世紀せいき電話でんわ歴史れきし初期しょきには、2だい電話機でんわきだけをもちいてそのあいだを2ほん~4ほんどうせんつなぎ、それをつないだままにしておき、つねに2だい電話機でんわきあいだだけで通話つうわおこな素朴そぼく電話でんわがしばしばもちいられた。現代げんだいでも特殊とくしゅ場所ばしょでは、2だい電話機でんわきあいだ一筋ひとすじ被覆ひふく電線でんせんむすび、とは一切いっさい通話つうわできない電話でんわ設置せっちされることもある。


19世紀せいきまつや20世紀せいき前半ぜんはんは、電線でんせん相互そうご接続せつぞくえはしゅとして人間にんげん人手ひとでおこなっていた。電話でんわ電線でんせん相互そうご接続せつぞくしたり、接続せつぞくえてやる業務ぎょうむを「交換こうかん業務ぎょうむ」、そのになを「交換こうかんしゅ」や「電話でんわ交換こうかんしゅ」とった。そして「電話でんわきょく」に設置せっちされた交換こうかんだい(パッチパネル)をもちいて電話でんわ同士どうし電気でんきてき接続せつぞくする方式ほうしきひろ採用さいようされた。

その通話つうわさき音声おんせい交換こうかんしゅつたえるのではなく電話機でんわきのパルス発信はっしん機械きかいてきつたえる方式ほうしき開発かいはつされ、手作業てさぎょうでやっていた相互そうご接続せつぞくつなえの作業さぎょう自動じどうおこな機械きかいつくられ(電話でんわ交換こうかん)、徐々じょじょひろがっていった。

現代げんだいでは、通常つうじょう電話でんわのシステムは電話機でんわき1たい電話機でんわき1とはなっておらず、通話つうわおこなときにだけ電話でんわ交換こうかん複数ふくすう電話機でんわきをつなぐ回線かいせん確保かくほする方式ほうしき回線かいせん交換こうかん)がとられる[2]

現代げんだい電話でんわ回線かいせん自動じどう交換こうかん世界せかいてき相互そうご接続せつぞくされ巨大きょだい電話でんわもう形成けいせいしている。固定こてい電話でんわ携帯けいたい電話でんわ衛星えいせい電話でんわIP電話でんわなど多種たしゅ多様たよう電話でんわ相互そうご接続せつぞくや、無線むせんへの発信はっしん可能かのうになっている。人間にんげん音声おんせいでの通話つうわのためだけでなく、1990年代ねんだいインターネットへのダイヤルアップ接続せつぞくなどのコンピュータ・ネットワークにも利用りようされるようになった。

電話機でんわき[編集へんしゅう]

電話機でんわきは、電磁でんじ誘導ゆうどう原理げんり利用りようし、音声おんせい電気でんき信号しんごう変換へんかんしておくし、った電気でんき信号しんごう音声おんせい変換へんかんするための機器ききである[3]

交換こうかん動作どうさとの関係かんけいではつぎのように分類ぶんるいできる。

  • ダイヤルパルスしき電話機でんわき回転かいてんダイヤルしき電話機でんわき)。数字すうじおうじたダイヤルのあなゆびれてストッパーのところまでまわゆびくたびに、それにおうじた回数かいすう電気でんきてきなパルスが発信はっしんされるもの。21世紀せいきはいってからはしん製品せいひん登場とうじょうしていない。
  • しボタンしき電話機でんわき: DTMF電話でんわ番号ばんごう発信はっしんする電話機でんわき
  • 留守番るすばん電話でんわ: 不在ふざい着信ちゃくしん録音ろくおんする電話機でんわきまたはサービス。
  • コードレス電話でんわ: 利用りようしゃ基地きちきょく設置せっちする無線むせん電話でんわシステム。

また、電話でんわ回線かいせん使つかって画像がぞう送受信そうじゅしんする機器ききファクシミリ (FAX)という[4]。ファクシミリ・複写ふくしゃイメージスキャナなどをひとつの筐体きょうたいおさめたデジタル事務じむ機器ききふくごうばれる。

音声おんせい同時どうじ動画どうがおくることができるようにしたものはテレビ電話でんわという。

公衆こうしゅう電話でんわ[編集へんしゅう]

公衆こうしゅう電話でんわは、街頭がいとう公共こうきょう交通こうつうものなどに設置せっちされ、硬貨こうかトークン電話でんわ専用せんようコイン)、プリペイドカードクレジットカードとう利用りよう可能かのう電話でんわをいう。



固定こてい電話でんわ移動いどうしき電話でんわ[編集へんしゅう]

家庭かていや、オフィスなどの建物たてもの固定こていして設置せっちされ、つきごと通話つうわ料金りょうきん支払しはら有線ゆうせんしき電話でんわ固定こてい電話でんわという。

  • 単独たんどく電話でんわ: 加入かにゅうしゃせんひとつの加入かにゅうしゃ占有せんゆうするもの。
  • 共同きょうどう電話でんわ: 電話でんわ交換こうかんだしせん有効ゆうこう活用かつようするため複数ふくすう加入かにゅうしゃ加入かにゅうしゃせん共同きょうどう利用りようするもの。

移動いどうしき電話でんわは、かつての自動車じどうしゃ電話でんわやその登場とうじょうした携帯けいたい電話でんわなどである。移動いどうしき電話でんわには、電波でんぱきょく回線かいせんをつなぐ無線むせん電話でんわや、人工じんこう衛星えいせい利用りようして回線かいせんをつなぐ衛星えいせい電話でんわなどがある。

通話つうわ種類しゅるい[編集へんしゅう]

市内しない通話つうわ
単位たんい料金りょうきん区域くいき (MA) ない発着はっちゃく固定こてい電話でんわによる電話でんわのこと。市内しない電話でんわともいう。
市外しがい通話つうわ
市内しない電話でんわ領域りょういきがい国内こくない)への電話でんわのこと。市外しがい電話でんわ
国際こくさい電話でんわ
国外こくがい電話でんわをかけること。国際こくさい通話つうわ
コールバック
発信はっしんがわしをおこない、着信ちゃくしんがわ発信はっしんがわ電話でんわ番号ばんごうのち一旦いったん回線かいせん開放かいほうおこない、着信ちゃくしんがわ発信はっしんがわかえ通話つうわ

電話でんわ運営うんえい経営けいえい[編集へんしゅう]

サービスが拡大かくだいすれば必要ひつよう施設しせつ設置せっちする投資とうし不可欠ふかけつだが、投資とうし回収かいしゅうするまでの時間じかんまれればすべての利用りようしゃいちにサービスを提供ていきょうできないことでせきとどこおまれた。しかし、郵便ゆうびんちがって利用りようしゃ拡大かくだいすれば、相対そうたいてき個人こじん負担ふたんする費用ひよう段々だんだん法則ほうそく電話でんわにはある。いいかえれば、ひとつの事業じぎょうしゃ電話でんわせん接地せっち面積めんせき拡大かくだいすればするだけ、利用りようしゃ負担ふたん一定いってい水準すいじゅんまでかるくなる。同時どうじ運営うんえい事業じぎょうしゃ過当かとう競争きょうそうたおれた場合ばあい利用りようしゃへデメリットがまれる。

この結果けっかとしてせきとどこおりつ解消かいしょう、かつ公共こうきょうサービスのコストのめんから電話でんわ事業じぎょうたい公益こうえきせい追求ついきゅうする官営かんえいBTグループ登場とうじょう以前いぜんのイギリス方式ほうしき)か、ローカル地域ちいき基幹きかんもうけたうえ後者こうしゃについてはある程度ていどまで行政ぎょうせい裁量さいりょう独占どくせんゆるかたち民営みんえいにするかの(分割ぶんかつ以前いぜんのアメリカのAT&Tがこの役割やくわりになった)選択せんたくくにせまられることになり、敗戦はいせん日本にっぽん事業じぎょうたい形態けいたい公社こうしゃとすることに決定けっていした。1980年代ねんだい通信つうしん自由じゆうにおいてこの論争ろんそう再燃さいねんすることになるが、日本にっぽんにおける電電でんでん公社こうしゃ民営みんえい過程かていについては井上いのうえ照幸てるゆきちょ電電でんでん民営みんえい過程かてい研究けんきゅう』(エルク ISBN 978-4434001475)がくわしい。

電話でんわマーク[編集へんしゅう]

電話でんわのマークは、「☎」、「☏」、「✆」、「℡」(TEL)。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 小学しょうがくかん日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ』「電話でんわ
  2. ^ 谷口たにぐちいさお図解ずかい入門にゅうもんよくわかる最新さいしん通信つうしん基本きほん仕組しく通信つうしん常識じょうしき だい2はん秀和しゅうわシステム、2007ねん、67ぺーじ
  3. ^ 谷口たにぐちいさお図解ずかい入門にゅうもんよくわかる最新さいしん通信つうしん基本きほん仕組しく通信つうしん常識じょうしき だい2はん秀和しゅうわシステム、2007ねん、64ぺーじ
  4. ^ 谷口たにぐちいさお図解ずかい入門にゅうもんよくわかる最新さいしん通信つうしん基本きほん仕組しく通信つうしん常識じょうしき だい2はん秀和しゅうわシステム、2007ねん、70ぺーじ

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

電話でんわ仕組しくみ・種類しゅるい相互そうご接続せつぞく[編集へんしゅう]

電話でんわ番号ばんごう[編集へんしゅう]

資格しかく要員よういん[編集へんしゅう]

  • 電気でんき通信つうしん主任しゅにん技術ぎじゅつしゃ - 事業じぎょうよう電気でんき通信つうしん設備せつび工事こうじ維持いじ管理かんり監督かんとく資格しかく
  • 工事こうじ担任たんにんしゃ - 端末たんまつ設備せつび工事こうじ実施じっし監督かんとく資格しかく通称つうしょうこう担者」、「担任たんにんしゃ」。
  • 無線むせん技術ぎじゅつ - 無線むせん機器きき利用りようして電話でんわ中継ちゅうけいおこなさいに、一定いってい要件ようけんたす場合ばあい
  • 交換こうかんしゅ - 自動じどう交換こうかん普及ふきゅうするまえ相手あいてまでの経路けいろつないでいたひと現在げんざいでも代表だいひょう番号ばんごうだい代表だいひょう番号ばんごうつようなだい企業きぎょう団体だんたいでは、代表だいひょう番号ばんごうにかかってきた電話でんわ内容ないようおうじた担当たんとう部署ぶしょまわ専従せんじゅうしゃが、しゅとして総務そうむ部門ぶもんなどにいる。

その[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

  • 郵政ゆうせい博物館はくぶつかん:逓信ていしん総合そうごう博物館はくぶつかん東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい閉館へいかん通信つうしん文化ぶんか協会きょうかい運営うんえいしていた部分ぶぶんがスカイツリーに移転いてん
  • NTT技術ぎじゅつ史料しりょうかん:逓信ていしん総合そうごう博物館はくぶつかん東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい閉館へいかん、NTT東日本ひがしにっぽん運営うんえいしていた部分ぶぶん一部いちぶ展示てんじぶつ展示てんじされたところ。