光通信ひかりつうしん

光通信ひかりつうしん（ひかりつうしん）とは、伝送でんそう媒体ばいたいに光ひかりファイバーを利用りようした有線ゆうせん通信つうしんを行おこなうことである。

特徴とくちょう

これまで通信つうしん用ように使つかわれてきた電線でんせん（銅どう線せん）や電波でんぱによる通信つうしんに比くらべ、以下いかの特徴とくちょうがある。

傍受ぼうじゅされにくく、通信つうしんの秘密ひみつ保持ほじが容易よういである。
電磁でんじ誘導ゆうどうノイズの影響えいきょうを受うけない安定あんていした通信つうしんが可能かのうである。
レーザー光こうを使用しようした場合ばあい、高速こうそくかつ長距離ちょうきょりの伝送でんそうが可能かのうである。

用途ようと

音楽おんがく・ビデオ伝送でんそう用よう：プラスチックSI型がた光ひかりケーブルとLEDを用もちいて、400Mbpsで10mの通信つうしんが可能かのうで安価あんかなもの。
LAN伝送でんそう用よう：プラスチックGI型がた光ひかりケーブルと半導体はんどうたいレーザーを用もちいて10Gbpsで100mの通信つうしんが可能かのうで安価あんかなもの。ガラスGI型がた光ひかりケーブルと半導体はんどうたいレーザーを用もちいて10Gbpsで500mの通信つうしんが可能かのうで比較的ひかくてき高価こうかなもの。
ノイズの多おおい工場こうじょうなどでの伝送でんそう用よう：光ひかりモデムとガラスGI型がた光ひかりケーブルと半導体はんどうたいレーザーを利用りようした10Mbpsで1〜2kmの通信つうしんが可能かのうなもの。
長距離ちょうきょり回線かいせん：ガラスSM型がた光ひかりケーブルと半導体はんどうたいレーザーを用もちいて、高速こうそくで信頼しんらい性せいの高たかい通信つうしんが可能かのうな高価こうかなもの。

日本にっぽんでの歴史れきし

1980年代ねんだい初頭しょとうより使つかわれてきた。初期しょきの用途ようとはLANなどのコンピュータ同士どうしの通信つうしんなどに限かぎられていた。
1980年代ねんだい中期ちゅうきになると日本電信電話にほんでんしんでんわ公社こうしゃ（現在げんざいのNTTグループ）から光ひかり専用せんよう線せん・ISDN1500が一般いっぱん企業きぎょう向むけに開始かいしされ、光ひかりモデムがアナログ回線かいせん用ようモデムに置おき換かわることが多おおくなる。しばらくして1本ほんの光ひかりファイバーで複数ふくすうの通信つうしんを行おこなう多重たじゅう化か装置そうちが導入どうにゅうされ、企業きぎょうのマルチメディア化かが進すすむこととなる。
1988年ねんのソウルオリンピックの直前ちょくぜんに全ぜん都道府県とどうふけんの県庁けんちょう所在地しょざいちに光ひかりケーブルの敷設ふせつが到達とうたつし、通信つうしん社しゃがこれを利用りようすることとなる。
2000年ねん代だいに入はいり光波こうは長ちょう多重たじゅう通信つうしんによる幹線かんせん部分ぶぶんの高速こうそく化かが行おこなわれるようになり、企業きぎょう向むけ回線かいせんの高速こうそく化かも進展しんてんした。また多たチャンネルの動画どうがを高速こうそくに高こう品質ひんしつで配信はいしんできる特徴とくちょうを生いかして、ケーブルテレビの幹線かんせん部分ぶぶんに使用しようされるようになっている。さらに光ひかりケーブルの低てい価格かかく化かにともなって、FTTHなど家庭かていでの普及ふきゅうが拡大かくだいしている。

光通信ひかりつうしんの網あみ構成こうせい

業務ぎょうむ向むけ網もうの構成こうせいの変遷へんせん

PDHを利用りようしたデジタル専用せんよう線せんが1980年代ねんだい後半こうはんから使用しようされるようになった。

PDH--Och

SDHを利用りようした高速こうそく専用せんよう線せんやパケット通信つうしんが1990年代ねんだいから使用しようされるようになった。

SONET--STS-0〜STS-192

SDH--STM1〜STM64

フレームリレーやATM交換こうかん網もうが1990年代ねんだい後半こうはんから使用しようされるようになった。

FR Sw--SONET/SDH--Och
ATM Sw--SONET/SDH--Och
ATM Sw--Och

また、IP網もう間あいだをATMで接続せつぞくするIP over ATMも1990年代ねんだい後半こうはんから使用しようされるようになった。

IP--ATM Sw--SONET/SDH--Och
IP--ATM Sw--Och

Multi-Protocol Label Switching対応たいおうのルーターを使用しようし、IPプロトコルでVirtual Private Networkを構成こうせいする方式ほうしきが2000年ねんから開始かいしされた。

IP--MPLS Router--SONET/SDH--Och--WDM
IP--MPLS Router--Och--WDM

LAN間あいだをレイヤ2スイッチまたはレイヤ3スイッチで接続せつぞくするVLANを使用しようした広域こういきイーサネットが2001年ねんからサービス開始かいしされた。

Ethernet--L2Sw--Och--WDM
IP--L3Sw--L2Sw--Och--WDM

Generalized Multi-Protocol Label Switchingを利用りようしIPを光ひかりスイッチで接続せつぞく操作そうさし、光ひかりファイバーの波長はちょう分割ぶんかつ多重たじゅう（WDM）で伝送でんそうする方式ほうしきが2007年ねん頃ころの実用じつよう化かを目指めざして実験じっけん中ちゅうである。

IP--Ethernet--Och--OSw--WDM

ユーザ網もう（幹線かんせん網もう）向むけ網もう構成こうせい

通信つうしん系けいにおいては、主おもにユーザ向むけに、常時じょうじ・定額ていがく・高速こうそくのブロードバンドインターネット接続せつぞくを実現じつげんする。

→詳細しょうさいは「FTTH#幹線かんせん網もうの網あみ構成こうせい方式ほうしき」を参照さんしょう

ユーザ宅たく向むけ網もう構成こうせい

光ひかりケーブルの屋内おくない配線はいせん（ラスト10メートル）としての導入どうにゅう方法ほうほうにより、数種類すうしゅるいに分わかれる。

→詳細しょうさいは「FTTx」を参照さんしょう

ハイブリッド網もう構成こうせい

DLC（Digital Loop Carrier）：末端まったんに電話でんわ線せんを用もちいる。ナローバンド接続せつぞく。いわゆる光ひかり収容しゅうよう。
HFC（Hybrid Fiber Coaxial）：末端まったんに同軸どうじくケーブルを用もちいる。CATVで用もちいられる。
PLC（Power Line Communications）：末端まったんに電灯でんとう線せんを用もちいる。
→詳細しょうさいは「電力でんりょく線せん搬送はんそう通信つうしん」を参照さんしょう

なお、FTTxもハイブリッド網もう構成こうせいの一種いっしゅである。

ラストワンマイルにおける光通信ひかりつうしん

上述じょうじゅつの網あみ構成こうせいの他ほか、公衆こうしゅう無線むせんLANサービスや携帯けいたい電話でんわやPHSサービスなどの移動いどう体たい通信つうしん・無線むせんアクセスの足あし回まわりとしても光通信ひかりつうしん回線かいせんが使つかわれる。